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茶道要錄
上/主法
茶盌之事
茶盞其品彙多し、唐茶盌、高麗、瀬戸、伊勢、内焼、いらほ等お専ら用ゆ、猶形恰合に因て好惡あり、又形に付て名とするもあり、南京染付、青磁、ごすで、瓘乳の手、高麗の堅手は曾て不用、薄茶碗、滋茶盌の差別お末流に雲り、大に不用、平めなるお夏用ひ、窄りたるお冬用る事大法也、然共茶盛に取合あるが故に、時節にも不可拘、体お重んじ、用お其次とする事肝要なり、釜は体にして水壺は用、茶盛は体にして茶盌は用、茶盌は体にして水滴は用、又釜は体、烏府は用たり、総じて茶碗お能可湯、允栄が点茶三要曰、凡点茶先須熁盞令熱、則茶面聚乳、冷則茶色不浮と也、