[p.0700]
茶道筌蹄

真壺之部
呂宋 むかしは是非真壺へ茶お貯へしなり、夫ゆへに壺なき者は口切の茶の湯おなさゞ、りしとなり、猶呂宋お上品とす、豊太閤の時代、真壺おもてはやしたるゆへ、世間に少く不足なるに依て、左海の納屋助左衛門、太閤の命おうけて呂宋へわたり、壺五十おとり来る、利休是が品お定め、諸侯へわかちしなり、
蓮花王 呂宋の上品、かたに蓮花の上に王の文字あり、
清香 是も呂宋の上品なり、清香の文字あり、
瀬戸 信楽 千家にては、此三品〈呂宋、瀬戸、信楽、〉お用ゆ、