[p.0720]
茶話指月集

一ある時有楽公〈○織田〉利休方へ御尋ありしに、おりふし茶入に古き蓋取合せ居たるが、其内大ぶりなるふたの、とくとあはざりけるお、却ておもしろく候とて、有楽へみせ申す、その後公の茶入に、件のとおり古きお取合せ、休〈○千利休〉へ御みせ候へば、かやうの物敷寄、一概によしとおぼしめしそ、此茶入には新き蓋のよく合候が、ましにて候といひし、