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槐記
享保十一年極月十五日、夜参候、茶巾のことも、今の世の茶巾は、甚だ幅せばし、とりあつかひが在よきやうなれども、今御前〈○近衛家熙〉などの御流儀にては、いかい違ひ也、是も若くはとりちがへにてはなきか、心許なし、あの幅のせヽき茶巾は、天目の茶巾也、天目は中ばかりおふきて、外おふかぬもの也、それ故せまきお用ること也、