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槐記
享保十四年三月四日、柄杓お青竹にて致したるは、定て清お専にしたる意か、引切も青く、柄杓も青く、いかヾにやと申し上ぐ、仰に〈○近衛家熙〉青竹にすることめしらぬことなり、総じて茶筌など青竹お用ることいかヾなり、生の竹は必油気ありて、湯お汲たるとき必香気あるものなりとて、昔よりも宗匠達の仕られぬことなれば、其分あるべきか、新お用るは、青竹ならずとも清かるべしと申し上ぐ、