[p.0755][p.0756]
千家茶事不白斎聞書
服紗之事
一服紗は羽二重也、余は二色也、〈○余以下五字不詳〉色は紫、黄がら茶、紅、此三色お用、此内常体紫お用、黄がら茶は老人の用也、紅は若年之もの、又は極老人用也、
一濃茶の時、紫服紗お茶碗〈江〉付出すは、茶碗あつき計にあらず、台〈江〉のせたる心也、又紫は物お清める故其心有、依而茶之湯には、初より仕廻迄亭主服紗お腰に附る也、是全身お清める為め也、
一寸法は畳の目十九と弐拾壱目也、此寸法は利休妻宗音より、利休戦場〈江〉御供之時、服紗に薬お包被贈、此ふくさ寸法能候、今日より是お可用とて、此寸法に極候也、