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古今茶之湯諸抄大成

一茶通箱の事、此形世上にまれなり、利休より去大家へ進上の形これ也、利休の袖日記には古の形とあり、利休の作とも見えず、又何人の作共なし、世上にまれ成形ゆへ此書にいだす、〈○中略〉
箱のたかさ三寸三分 幅二寸七分 たけ五寸三分 右いづれも内のり也
蓋の両はしに、うらはしばみあり、六分、 蓋のさん幅一分 たかさ一分りん 総板のあつみ一分りん 底より一寸上に鑚お付る、これにこよりお付て、左のくわんに符お付る、 木は嶋桐の白木也 箱のさしやうは、四方おがみざしにする、
利休茶通箱の形〈○図略〉
此形は筑前宗福寺の禅師へ、利休より茶お両種おくられし時の茶通の形也、 寸法は前の箱同前、木も同前、