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千家茶事不白斎聞書
炭取之事
一炉はふくべお用、風炉は組物お用、併春に成り而は炉も組物お用候、瓢お用ても能候、是も口切お出し不申、春に成り茶お出したる時抔、ふくべの新しきお遣ふ事よし、常体春は組物能候、組物は何成共用、ふくべは年々出来候物故、新しきお用、古きは惡し、炉の時、古きお用候よりは組物お遣ひたるがまし也、併古き迚も宗匠の判抔有るは能候、是は内黒塗にいたし候がよし、菊桐の絵縁高炭斗お遣時は紙お敷也、内一はいに折て入る、紙は奉書又色奉書也、炭台お遣時は、奉書之両方お台の内一はいに折、前の縁おはづし、内〈江〉落し、向お先〈江〉出し敷也、桑の炭取利休、是は勝手物也、常体座敷には廻り炭の時など遣ふ、松の木皮付にて炭取、覚々癆好て大名〈江〉上る、さくづ箱、是は禁裏にて唐粉箱也、