[p.0770]
千家茶事不白斎聞書
香合之事
一梅鉢香合利休 こぼし梅香合利休とは申候得共、聢と不知、元は宗全方より出たるもの歟、 つぶ菊少庵好 蛤菊の絵利休好、正親町の院様〈江〉上る、今以用之、 蛤金ふんにて詩有り、紹鴎好、道安好棗程にして、底三四分計り上て一文字にしたる也、 くはら香合随流好、是はに付る、くはらん木に而作り、墨塗にて中穴也、廻り〈江〉香お入る、 木魚、袴腰、地紙箱、楽焼如心好、 雀香合、楽焼宗旦、 やしほ仙叟好 一閑にて蔦結文覚々斎好、松之木おし鳥覚々斎好、 ぶり〳〵玉原叟、如心も有り、 紹鴎形は黒塗、梅へ鉢より少し平目、 屏風箱南京也、蓋に穴なく直成がよし、地紙の形は悪し、摸様は桔梗に蘆がよし、穴有るは虫入也、