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喫茶指掌編

遠州〈○小堀政一〉雲、唯一箪一瓢の足事お知、身の外お願事お不可為、小欲知足の本意お不了得故に、一お得ては二お願、以三五になす事お不知、他の珍器おかぞへうらやみ、きたなき心と成もて行事、同前の道具の新古、価の軽重お論ずる事は拙しと、
実殊勝なり、今の世の喫茶者流の癖こゝに有、いたむべし
山上宗二雲、道具一種にても、珠光、宗珠、此衆の心に掛られたる物お所持すべきなりと、