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瓶史国字解

青雲斎三巴者、東都湯島之産、完政九年丁巳歳正月十又八日死、少して挿花お嗜好、遂に此逅に深入て、袁中郎之瓶史お枕とし、随習之門人凡三千、小笠原流の躾に狃て、和朝席上の式の花の奥儀お発明して、之お五巻の軸となして門人に授ぐ、援に於て当流の技芸世に弘る、〈○中略〉徚雲斎と計て遂に国字お以瓶史お注解す、尚其瓶花之技に充る所は、即挿花の図お以これお導引が為に、門人等多年挿所の瓶花の姿お写し留置たる図お選附して、袁中郎流挿花図会と名く、又同好友写置処の花形お集、併て共に附せむことお請、則合て挿花図会九巻と成、瓶史国字解四巻お全部して十三巻お著、〈○中略〉
文化五年歳在戊辰秋八月望日 嶺雲斎 清水渓峨
同誌
峯雲斎 藤田蚊觜