守貞漫稿
二十八
蝶々宅止れ〈○図略〉
前の図は紙制の蝶に糸お付け、竹の頭に釣たる也、今世も与之同製あお、蓋編笠おかむり売来るものは、極ほそきけづり竹の頭に紙の蝶お占し、これお筆軸の如き管にいれ、蝶お上にすれば高く出て、管お逆にすれば蝶管口に止むお専としたり、八つ折編笠おかむり、納蝶の筥お首にかけ、両手にもに三本持之、蝶々もとまれどんぼもとまれ、それとーまつたと雲巡ること、江戸のみにあお、又江戸神仏の祭日等にて、人集るの路上二売る、蝶は削竹お以て翩の形に曲げ、髭も創竹お用ひ、首胴羽ともに紙おはり、紅紫等お彩る、三五寸、或は尺ばかり、其大小に応じ、長け四五尺、或一麦許の女竹の頭に付之て売る、女竹は九尺、或は一丈もあるお付たる蝶は、図の如く束藁に刺て路上に置て売る、竹二三尺の物は、弁慶になして売之、弁けいと雲は、右目付昼の内、ちやくと雲物お刺たる具、乃ち弁慶也、
前の図は紙制の蝶に糸お付け、竹の頭に釣たる也、今世も与之同製あお、蓋編笠おかむり売来るものは、極ほそきけづり竹の頭に紙の蝶お占し、これお筆軸の如き管にいれ、蝶お上にすれば高く出て、管お逆にすれば蝶管口に止むお専としたり、八つ折編笠おかむり、納蝶の筥お首にかけ、両手にもに三本持之、蝶々もとまれどんぼもとまれ、それとーまつたと雲巡ること、江戸のみにあお、又江戸神仏の祭日等にて、人集るの路上二売る、蝶は削竹お以て翩の形に曲げ、髭も創竹お用ひ、首胴羽ともに紙おはり、紅紫等お彩る、三五寸、或は尺ばかり、其大小に応じ、長け四五尺、或一麦許の女竹の頭に付之て売る、女竹は九尺、或は一丈もあるお付たる蝶は、図の如く束藁に刺て路上に置て売る、竹二三尺の物は、弁慶になして売之、弁けいと雲は、右目付昼の内、ちやくと雲物お刺たる具、乃ち弁慶也、