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嬉遊笑覧
六下/児戯
つぼ〳〵、此手遊古きものと見えて、慶長ごろの古画人物の衣のもやうなどにも付たり、犬筑波集、わらはべの経にてくるふ薬師堂もてあそびぬる瑠璃のつぼ〳〵、もと壺とのみいふべきお、小児の詞のかさねいふ例にて名付るにや、懐子、十立別れいなかあたりの朝ひらきつぼ〳〵ほどの涙たる中、重頼松の落葉、京童といふ東上るり、きさらぎや初午参のみやげとて鈴やつぼ〳〵風ぐるま、好色盛衰記、〈貞享玉年〉稲荷の前つぼ〳〵かま〳〵作り売、これも土仏の水あそび雲々、これ壺と釜となり、