http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0851 味噌ハ、ミソト云フ、初メ未醬ノ字ヲ用イタリ、豆醬ニシテ、大豆ヲ煮熟シ、搗キテ泥ノ如クシ、漸ク乾燥スルニ及ビ、別ニ米麴ト鹽トヲ攪匀シテ之ニ合セ、更ニ搗キテ桶ニ收藏スルコト二三十日ニシテ成ル、麴ノ多キヲ上品トス、而シテ白味噌、赤味噌、玉味噌等數種アリ、豉ハ、クキト云フ、大豆ヲ用イテ製スルモノニシテ、鹽ヲ加ヘザルヲ淡豉ト云ヒ、鹽ヲ加ヘタルヲ鹽豉ト云フ、又納豆ハ、豉ノ類ニシテ、大豆ヲ用イテ製シ、鹽ヲ加ヘザルモノナリ、

名稱

〔倭名類聚抄〕

〈十六鹽梅〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0851 未醬 楊氏漢語抄云、高麗醬、〈美蘇、今按辨色立成説同、但本義未詳、俗用味醬二字、味宜末、何則通俗文有末楡萊醬、末者搗末之義也、而末訛爲未、未轉爲味、又有志賀末醬飛騨未醬、志賀者近江國郡名、各以其所出國郡名名也、〉

〔箋注倭名類聚抄〕

〈四鹽梅〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0851 新井氏曰、美蘇是韓語、宋孫穆雞林類事、譯韓語云、醬蜜祖、今朝鮮語猶爾、與漢語抄辨色立成云高麗醬合、其説可從、源君引通俗文、謂末醬者非是、按説文、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/ra_ins039932.gif http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/ra_ins039933.gifhttp://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/ra_ins049280.gif 也、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/ra_ins083012.gif 擣楡醬也、齊民要術引四民月令云、楡萊色變白將落、可http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/ra_ins039932.gif 03993、又載楡子醬云、治楡子仁一升、擣末篩之、淸酒一升醬五升合和一月可之、本草蘇注、亦有楡人醬、所謂末楡萊醬即是、〈○中略〉味醬〈○中略〉皆假借字耳、或作味噌、皇國俗字、見扶桑略記所引天慶元年年代暦文、今俗用是字、志賀末醬飛騨末醬、未出、

〔武備志〕

〈二百三十一日本考〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0851 譯語♯ 飮食 醬〈彌沙○ミソ〉

〔運歩色葉集〕

〈美〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0852 味噌

〔易林本節用集〕

〈美食服〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0852 味噌(ミソ)

〔塵袋〕

〈九飮食〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0852 一味噌ト云フハ正字歟、アテ字歟、 正字ハ末醬ナリ、ソレヲ書キアヤマリテ未醬ト書ナス、末ハ搗抹義也、末セザルハ常ノヒシホ、末シタルハミソナリ、コノユヘニ末ヲ用ルベキヲ、字ノ相似タルユヘニ、末ヲ未ト書ケリ、今ノ世ニハ未ノ字ニ口篇ヲクハヘテ、味トカキ、醬ヲバ曾トナシテ、アテ字ニナリタル樣ナリ、醬ノ字ヲバヒシホトモ、アヘモノトモヨム、

〔庖厨備用倭名本草〕

〈十二造釀〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0852 未醬♯和名抄ニミソ、漢語抄ヲ引テ云ク、高麗醬、又細註ニ云、俗ニ味醬二字ヲ用フ、味宜末、何ントナレバ通俗文ニ末楡萊醬アリ、末者搗末之義也、シカルニ末ヲアヤマリテ未トナシ、未ヲ轉ジテ味トナス、元升曰、此ノ説ヲミレバ、未ノ字味ノ字ハ俗用ノアヤマリトシテ、末醬トナスベシトス、今案ズルニ、未ノ字味ノ字トモニ其ノ理アリ、末ノ字ハ反テ意味ナシ、古人ノミソハ麴ヲモチヒズ、大豆ヲ煮熟シテ搗キ、泥ノゴトクニシ、ツク子テ餅子トナシ、數日ヲ經テ上ニ黄色出デタルトキ、切リ碎キテ鹽ヲ入レテ、又ツキアハセテ桶ニ入レ、押シカタメテ熟シテ後チニ用フ、是レ未醬ノ義ナリ、後世ノミソハ大豆ヲ煮熟シテ、米麴ト鹽トヲカキマゼ搗キ、泥ノゴトクニシテ桶ニ入レ、押シカタメ熟シテモチフ、是レ味醬ノ義ナリ、本艸ヲ考フルニ、醬アリ、未醬ナシ、醬ノ造法、皆ナ麴ト鹽ト水トヲ用フ、未醬ニハ麴ト水トヲモチヒズ、イマダヒシホナラザルノ意ナリ、味醬ニハ麴鹽ヲモチヒテ水ヲ用ヒズ、其ノ味ハ醬ノ意ナリ、故ニ今ノミソハ味醬ト書クベシ、末醬ハカヘツテ其ノ理ナキニ似タリ、

〔東雅〕

〈十二飮食〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0852 醬ヒシホ 倭名鈔に四聲字苑を引て、醬は豆醢也、ヒシホといふ、別に唐醬ありと注し たり、ヒシホといふ義は不詳、楊氏漢語抄辨色立成には、高麗醬をミソといひ、漢人の書にも、雞林にしては、醬を蜜祖といひ、我國にしても醬を彌沙(ミソ)といふとしるしたれば、ミソといふものゝ醬なりし事は、疑ふべくもなし、醬またヒシホといふ事の如きも、ミソといひしに異なる詞也とも聞えず、ヒといひ、ミといふは轉語也、シホといふは、即ソといふ語を開き呼びし也、たとへば芭蕉紫苑などいふものゝ如き、漢音をもては、バセウ、シヲンなどいふを、我國之語には、バセヲ、シヲニといふが如くに、其初は高麗醬の如きも、彼國の方言にてはミソといふを、我國之語には、ヒシホといひしを、後に又唐醬の製に傚ひ、造れるものゝ出來しに及びて、高麗醬を呼ぶ事は、彼國の方言のまゝに、ミソといひ、我國にて造れる物をば、ヒシホといふ事になりしかば、令の如きも、ミソといひ、ヒシホといふ事を分つべきために、未醬の字を用ひて、讀でミソとなし醬の字讀でヒシホとはなされたる也、これよりして後ミソといひ、ヒシホといふ事、異なる詞の如くになりてければ、順の博識なるも猶其疑を致しける也、〈今の如きも、俗には醬を呼びて甘味噌とも云ひ、又味噌といふ言をもて加へ呼ぶ醬の製も少からぬ也、〉

〔大上﨟御名之事〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0853 女房ことば♯一みそ むし(○○)

〔貞丈雜記〕

〈六飮食〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0853 一味噌を女の詞にむしと云由、上﨟名之記にみへたり、みとむ五音通ずる也、〈マミムメモ、サシスセソ、〉然る間みそをむしと、詞をいひかへたる也、五音通ずる故なり、

〔慶長見聞集〕

〈八〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0853 村岡茂兵衞あるじまうけの事♯見しは今、江戸通町或人のもとに、思ふどち六人さしあつまり、世上の事身の上までも、心に殘さず語る處に、〈○中略〉およそみそと云事を、香といふ子細有、源氏にいはく、香づくしにひくらしといふ香の名有、又公卿殿上人はみそをひくらし(○○○○)とのたまふ也、雜人中人のことばにみそを虫と云、是はひくらしといふ名をもて、香といひ虫といふ也、

製法

種類

〔延喜式〕

〈三十三大膳〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0854 造雜物法♯未醬料、醬大豆一石、米五升四合、〈糵料〉小麥五升四合、酒八升、鹽四斗、得一石、

〔本朝食鑑〕

〈ニ榖〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0854 味噌♯集解、味噌者、本邦毎日所用之汁也、用黄白大豆而造之、其法用好大豆最肥大者、浸水一夜、取出煮熟、要其豆之粘汁、若取則味不美、粘汁俗稱豆飴、惟釜中可煮乾爾、待其豆之煮熟變作赤黄、而搗臼者數千杵令泥、攤干板上略乾、夏月乾之半日、冬月不之、別用精白米麴好白鹽拌匀、以揉合于豆泥、再搗臼中亦數千杵、取出收藏木桶、經二三十日而成、此法有上中下之三品、大抵以麴多上、用好肥大豆一斗、精白米麴一斗五六升、或七八升、白鹽二合餘而合造者上品也、經數月而易敗不年、欲經年收貯者、倍鹽則不敗、若敗而生酸味者用牛房根、去黑皮于味噌中則佳、然甚敗者不之也、中品者用好大豆一斗、精白米麴一斗餘、白鹽二合餘而合造、此可經年收貯也、其下品者麴不白而少、亦經年而好者也、大家之厨悉上品造、而夏月一兩月間造、冬月四五月間造、新舊相逐而用之、其中下者一家侍僕之用、士商之家、隨其貧富而造用之也、有玉味噌(○○○)者、煮豆半熟而以庖刀打碎令麁細合一レ之、麴少鹽多揉合爲丸、令打鞠大、裹之以稻草、用繩縛定繫之簷間、經年用之、此亦下品、或用大豆煮熟麴鹽米糠而造成、此最下品、其下品者以經年能保不一レ敗爲好也、有白味噌(○○○)者白大豆肥大者水煮熟去外薄皮杵搗、成泥一斗、精米白麴一斗七八升、白鹽二合許搗合、充桶緊封二十餘日而成、其味雖太甘而不美、亦不人、惟愛新奇、經日必易敗、若用之者合舊味噌則佳、此常嗜鹽梅之家、巧其調和、今官家後宮用白味噌耳、凡用味噌收藏者、禽魚肉菜蔬之類、此亦用舊味噌而可也、或有山椒味噌(○○○○)、生姜味噌(○○○○)、山葵味噌(○○○○)、番椒(トウガラシ&○○)味噌(○○)、胡麻味噌(○○○○)、芥子味噌(○○○○)、罌粟(ケシ&○○)味噌(○○)、蓼味噌(○○○)、鳥味噌(○○○)、堅魚味噌(○○○○)等類、臨時造之、又近時有金山寺味噌(○○○○○)、登宇古味噌(○○○○○)、油味噌(○○○)、此皆納豆之類也、京師市上有法論味噌(○○○○)、而傳送于江都、此出于南都諸寺、用黑大豆而造之、其味佳有香、世以賞之、此類不勝計而已、

〔秇苑日渉〕

〈八〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0855 味噌♯味噌即豆醬也、此方人平常所食者、法大豆一斗煮熟舂千杵、入麴一斗鹽三升、拌再舂、缸藏凡七十五日、臨用龢水擂爲http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/ra_ins017811.gif 、煮魚鳥蔬菜、按味噌或作味醬、見三代實録、和名類聚鈔曰、楊氏漢語鈔云、高麗醬美蘇、〈辨色立成同、〉熙按、味噌之法、蓋傳高麗、故又有高麗醬(○○○)之名、味噌乃高麗語、云醬也、宋穆雞林類事曰、醬曰密祖、噌薛、俊日本寄語曰、醬曰彌沙、蓋密祖美蘇味噌味醬彌沙、國音相近、皆一音之轉訛耳、味噌有赤白二品(○○○○)、又有五斗味噌(○○○○)、大豆一斗煮熟、糟一斗、米糠一斗、醬油滓一斗、鹽一斗、合擣缸藏、

〔庖厨備用倭名本草〕

〈十二造釀〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0855 未醬♯味醬ノ造法ハ、大豆一斗水ニテ煮熟シ、麯一斗鹽三升入レカキマゼ、ウスヅキアハセテ泥ノ如クシ、桶ニカタクツメヲキ、五十日過テヨク熟ス、昔ハ飛騨未醬(○○○○)、志賀未醬(○○○○)アリ、其ノ法ハ麯ヲモチヒズ、今モ飛騨信濃美濃ニハ麯ヲ入レズモチフル人アリ、

〔江戸流行料理通大全〕

〈二編〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0855 座附四季味噌吸物之部♯春 常みそ(○○○)〈○中略〉 上赤みそ(○○○○)〈○中略〉 田舍みそ(○○○○)〈○中略〉 さのみそ(○○○○)〈○中略〉 煮こしみそ(○○○○○)〈○中略〉 三わりみそ(○○○○○)〈○中略〉 並みそ(○○○)〈○中略〉 南部みそ(○○○○)〈○中略〉 夏 中白みそ(○○○○)〈○中略〉 三州みそ(○○○○)〈○中略〉 尾張みそ(○○○○)〈○中略〉 秋 仙臺みそ(○○○○)〈○中略〉 四季汁之部♯伊勢味噌(○○○○)〈○中略〉 麥麴みそ(○○○○)

〔和漢三才圖會〕

〈百五造釀〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0855 未醬♯白未醬(○○○) 造法大豆一斗、淘洗浸水、稱漫則皮皺、時以束繩之離皮、用水三斗之、一沸皮浮于釜面、扱去之、則豆潔白也、不煮過、去豆汁舂爲大團子、薄切片細刻、和白麴一斗六升、鹽一升三合、〈夏秋一升五合〉能擣和收藏之、冬春十日、夏秋四五日而成也、難久貯

〔庖厨備用倭名本草〕

〈十二造釀〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0856 未醬♯近年風味ヲ好ミ造レルミソハ、大豆一斗皮ヲサリ、水ニヒタシ蒸熟シテ、上白ノ米麯一斗三升、アルヒハ一斗五升、アルヒハ二斗、鹽三升入レアハセテ、ヨクウスヅキ泥ノ如クニシ、桶ニツメヲキ、三十日バカリニシテモチフ、其ノミソ味ヒキハメテ甘ク、其ノ色シロシ、是ヲ諸白味醬(○○○○)ト云フ、又白味醬ト云フ、近年ヨリシテノ造法ナリ、

〔江戸名物詩〕

〈初編〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0856 四方赤味噌(○○○○○)〈新和泉町〉♯劔菱瀧水土藏充、上戸往來嘗舌通、出店分家行處在、味噌赤似四方紅

〔守貞漫稿〕

〈後集一食類〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0856 味醬♯今世京坂ノ市民毎冬自製スル者多シ、〈○中略〉江戸ハ赤味噌(○○○)、田舍味噌(○○○○)ヲ買食シ、自製スル者無之、

〔日本山海名産圖會〕

〈四〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0856 燒蛤〈井〉時雨蛤♯溜味噌(○○○)の制は、大豆をよく煮て藁に裹みてhttp://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/ra_ins073615.gif の上に懸け、一月許にして臼に搗き、鹽を和して水を加れば、上すみて溜る汁を、醬油にかへて用ひ、底を味噌とす、〈是を以て魚を煮るに、若稱鯘たる魚も復して味よし、今も官驛の日用とす、〉

〔三省録〕

〈後編二飮食〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0856 酒井讃岐守忠勝君御側に被召仕し、福島雲南といふ小坊主は、御厩中間小頭の子なりしが、毎度今朝の飯の菜は何なるぞと尋給ふ、折節は彼が手の内に鰹節幾節、または何程と御自筆にかゝせられ、是を證據として、臺所役人に貰候へと仰られしことありしとなり、或時今朝は何ぞ菜ありたるかと尋給へば、豆腐を味噌にて煮て給候と申せば、汝が親の身上にて、大豆の味噌は持まじ、糠味噌にてあるべしと宣へば、いや御馬の大豆の内を取、いつとても大豆の味噌をこしらへ候と申上ければ、大に笑はせ給ひ、馬の大豆にて味噌を拵ゆるとも、少しづゝとるべし、多く取て馬を痩させなと、親に申べしと仰けるとなり、

〔書言字考節用集〕

〈六服食〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0857 金山寺醬(キンザンジヒシホ)〈事見居家必用

〔和漢三才圖會〕

〈百五造釀〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0857 經山寺未醬(きんざんじみそ)♯按此亦納豆之類也、唐僧多造之云、經山寺始造之、其法大豆一斗炒粗磨碎半去皮、大麥一斗浸水一晝夜、取出之、豆麥混合蒸之、握試之如強飯準、盦(子サシ)麴別用越瓜(シロウリ)三十箇、四破粗剉、鹽少許和合、以石壓之取汁、與瓜豆麥三物混合、再加鹽二升八合、用瓜汁合之、盛桶以石壓之、毎五日之也、四五度候能和合、生薑木耳麻仁等物皆略瀹之加拌、擣收于桶密封、夏月造之、冬春食之、或入茄子亦可也、

〔居家必用〕

〈十二諸豉〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0857 金山寺豆豉法♯黄豆不多少、水浸一宿蒸爛候冷、以少麪豆上拌匀、用麩再拌、掃淨室、鋪席匀攤、約厚二寸許、將穰草麥稈或靑蒿蒼耳葉、蓋覆其上、待五七日、候黄衣上、搓挼令淨、篩去麩皮、去水淘洗曝乾、毎豆黄一斗、預刷洗淨甕候下、鮮菜瓜〈切作二寸大塊〉 鮮茄子〈作刀劃作四塊〉 橘皮〈刮淨〉 蓮肉〈水浸軟切作兩半〉 生薑〈切作厚大片〉山椒〈去目〉 茴香〈微炒〉 甘草〈剉〉 紫蘇葉 蒜辨〈帶皮〉♯右件將物料拌匀、先鋪下豆黄一層、下物料一層、摻鹽一層、再下豆黄物料鹽各一層、如此層層相間、以滿爲度、納實箸、密口泥封固、烈日曝之、候半月取出、到一遍拌匀、再入甕、密口泥封、晒七七日爲度、却不水、茄瓜中自然鹽水出也、用鹽相度、斟量多少之、

〔日本歳時記〕

〈四六月〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0857 此月、醬油、ひしほ、納豆などを製すべし、〈○中略〉♯金山寺豉の製法、〈和州達摩寺の秘方也、又居家必用にもあり、〉大豆一升いりて引わり皮を去り、麁と細とをふるひ分べし、大麥一斗能しらげよく〳〵 洗、水に一宿浸し、右麥と麁抹の大豆とを一ツにして蒸し、熟したる時細末の豆粉を拌ぜ土室に入、ねせて麴となす、さて麴塵の付べき一日前に、茄〈切て四ツとし、切たる茄子壹升ほど、〉白瓜〈これも香物ほどに切、壹升ほど、〉鹽四合、右茄子と瓜とを四合の鹽に合せ、桶に入おしをかけ一夜置、明 日上に出たる水を取、麴をひたし瓜茄子もおなじくかきまぜて、桶に入ふたをしておもしをよくかけ置、毎日一二度かきまぜ、十日許過て後、茴香、山枡皮、山椒、穗蓼、紫蘇を能ほどに切て拌、又前のごとくふたをして、重石をかけ置、毎日かきまぜ七十日過て用べし、三四十日に及べば、漸味つくなり、後に加る五味は、分量その人の好みによるべし、

〔秇苑日渉〕

〈八〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0858 金山寺豆豉♯金山寺豆豉、俗呼爲金山寺味噌、周必大高宗幸張府節次略所謂金山鹹豉是也、李果食物本草曰、豆豉各處所造不一、今金焦二山所作佳、居家必用有金山寺豆豉法、豆豉有淡鹹二種、詳見本草綱目、其淡者用入湯藥、鹹者乃充食品、鹹豉亦有數品、大氐今俗所謂納豆之類也、納豆亦有濱納豆唐納豆諸品

〔嬉遊笑覽〕

〈十上飮食〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0858 金山寺みそは、紀州若山金山寺の名物にて、江戸に流行出しは、享保年中よりとなむ、他州にはなし、東坡金山贈寶覺長老詩、誰能斗酒博西凉、但愛齋厨法厨香、また寄園寄所寄に、天下第一者、金山寺鹽豉と云、博物類纂〈十二〉諸州名産を擧たる内にも、江陰縣河豚、金山寺鹹豉云々といひて、皆爲天下第一、他處雖之終不及、また乾道庚寅奉事録、〈宋周必大〉鎭江府金山龍遊寺に至りし處に、會飯於方丈、白絲糕、黑鹹豉、糖豆粥、三者山中之精饌也云々、今こゝの金山寺みそ赤黄にして黑からず、其製異なるべし、其方は居家必用などにも出たり、又日本歳時記六月條に、和州達磨寺の秘方とて載たり、江戸名物徑山寺味噌、麻の實の音面白し四十雀といふ句あれば、種々の物を入しと見ゆ、♯長崎歳時記、正月四日の條、古へより延命寺の僧徒、金山寺味噌といふを、曲物につめて檀家へ配る、其製唐土の金山寺より傳へたるよし、家々これを得て珍味とす、

〔紀伊續風土記〕

〈物産十下〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0858 醬油 玉井醬(○○○)〈世に金山寺味噌といふ〉♯ 右二種在田郡湯淺村にて製するもの上品なり、諸州へ多く出す、

〔皇都午睡〕

〈三編上〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0859 上方にて買(かう)て來るを、江戸にては買(かつ)て來る、〈○中略〉金山寺の類を嘗物(なめもの)、

〔守貞漫稿〕

〈後集一食類〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0859 味醬♯金山寺味噌、三都トモ有之、金山禪寺ヨリ造リ始ムト云意ニテ名トス、虚實詳ナラズ、大豆ニ麥麴ヲ合セ、砂糖或蜜ヲ和シテ甘クス、茄子紫蘇生薑等ヲ交ヘタリ、櫻味噌大坂堀江阿彌陀池前及井池ニ賣之店アリ、自家ニテ製シ賣ル也、往々近年ハ江戸ニモ來ル也、製金山寺ト相似タリ、

〔下學集〕

〈下飮食〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0859 法論味噌(ホロミソ&○○○○)〈本朝南都法論時用之故云爾、但世俗所言也、〉

〔易林本節用集〕

〈保食服〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0859 法論味噌(ホロミソ)

〔大和名所圖會〕

〈二添上郡〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0859 小塔院趾〈西新町にあり、元興寺の一院にして、護命僧正の住給ひし所也、(中略)法論味醬といふあり、護命僧正の製作也、故に人みな護命ともいひ、又此所飛鳥川のほとりなれば、又の名飛鳥味噌ともいふ(○○○○○○○○○○○)、〉

〔雍州府志〕

〈六土産〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0859 法論味噌 在柳馬場五條、洛下唯一家也、倭俗末醬謂味噌、凡製法論味噌法、黑豆煮之、碎而作豆豉、南都所製、布巾搾之、取汁爲物之料、是謂伊呂、採其汁者、乾燥而不之、洛下製造不汁、故滑潤而味美、相傳南都元興寺小塔院僧正護命始製之、講問時爲衆僧半齋之添菜、故號法論味噌、又或稱護命味噌、護命一日使山門戒壇之人也、

〔人倫訓蒙圖彙〕

〈四〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0859 法論味噌 黑豆にて製するよし、町へ賣にいづる男、柿染のかたびらを上張にきる事、是法論味噌うりの簡板也、曲物に奇麗なるこもをおほひ、さし荷ない、何方にても下にすぐにおく事なし、一方を高き所へもたせおき、人にふみこゑさせぬよし、子なき女此ぼうをこゆれば、かならずくわいにんすといへり、

〔嬉遊笑覽〕

〈十上飮食〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0859 鹽尻に法論みそ、もと南都の製なり、興福寺維摩會十月法論日をわたる、講師等小 水のために、座をしりぞく事をうしとして、黑豆豉を食ふ故に、法論みその名ありとかやといへり、本草にも豆豉は血痢などを治すことは見えたれど、小水を截むることは聞えず、此功ある事をしらざりしとみゆ、

〔古今著聞集〕

〈十八飮食〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0860 式部大夫敦光朝臣のもとへ、ならなりける僧のあすかみそ(○○○○○)といふ物をもてきたりけるに、いつのぼりたるぞととひければ、僧かくなん、♯きのふいでゝけふもてまいるあすかみそ♯敦光朝臣♯みかのはらをやすぎてきつらん

〔鈴鹿家記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0860 永享二年八月十四日癸未、天足畠中ナラミヤゲ手樽壹ツ、ホロンミソ(○○○○○)壹曲物持參、谷ノ法眼ヨリ手樽ホロンミソ參、

〔庭訓往來〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0860 抑客人光臨、結構奔走奉察候、〈○中略〉鳥醬(○○)、蟹未曽(○○○)、〈○中略〉或買貸或乞索令之候、

〔庭訓往來諸抄大成〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0860 鳥醬 鳥味噌なり

〔料理山海鄕〕

〈一〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0860 魚鳥味噌(○○○○)♯白みそに酒を入、鳥の毛を去、丸ながら入て、連日にれば、綿の如くなる時、たゝきて醬油にて又煮る、分量鳩一羽ニ酒一升、鴨鳩雀鶉の類よし、魚みそ右ニ同じ、分量鮒一尾ニ酒一升、鯛鯉鮒よし、

〔守貞漫稿〕

〈後集一食類〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0860 味醬♯鯛味噌(○○○)近年大坂淡路町八百源一名二重ト云割烹店ニテ製之賣リ、江戸ニモ漕シテ一二戸傳賣ノ店アリ、常ノ米麴味噌ニ鯛肉ヲ磨交ヘ製シタル物也、

〔易林本節用集〕

〈由食服〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0860 柚味噌(ユミソ&○○○)

〔本朝食鑑〕

〈四果〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0860 柚♯ 附録、柚未曾、〈用柚一箇靑熟、以蒂上五六分切作蓋子、取實中辨膜盌形、用好酒味噌、合胡麻胡桃薑栗等物以充柚盌、緊掩蓋子、置于炭火上徐々煮之、至柚皮略焦、則味噌湧出、此爲度食之、味甚香美、而開膈推食健胃也、或味噌入柚醋、爲佳、又代鳥肉雞卵亦佳、〉柚邊志〈或作柚壓ベシ、其法略似柚未曾、然柚味噌者用酒和、或加柚汁少許研如泥而煮之、柚壓者、先采熟柚子、以蒂上五六分切作蓋于、刳去實中辨膜盌子、別用未噌垂汁、煉糯粉或糒餠、合胡麻仁榧子胡椒山椒之類、以充柚盌、緊掩蓋于于淡漿中而煮熟、取出放攤于木板上、以片木板徐々壓之、日日晒乾而收藏之、一法用全柚實、去蒂洗淨、投于酒漿合汁中、而煮之兩三時取出、放攤于木板上、以片木板徐々壓之者、如前法、倶本邦僧家多造之、〉

〔料理物語〕

〈萬聞書〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0861 柚べしの仕樣 柚味噌のごとく口をきり實をすて、味噌、生姜、胡椒などよくすりて、かや、ごま、あんにん、そのまゝ入まぜて、ふたをあはせからげ、よくむしてほし、あまにつ り候てよし、

〔料理山海鄕〕

〈三〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0861 榧味噌(○○○)♯やきみそ百目、榧四拾匁いりて荒皮を去、粉にして黑胡麻いりて壹合、大白砂糖廿匁、唐がらし五匁、おの〳〵すり合、壺に入れおくべし、

〔料理山海鄕〕

〈五〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0861 茄子みそ(○○○○)♯なすびをきざみ、一番の醬油の實に、糀多く入漬おき、七八月比漬て霜月比ニ用、

〔料理山海鄕〕

〈四〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0861 南蠻味噌(○○○○)♯味噌へ麻の實栢山椒等をいれて、油ニて揚る、加味時節次第心に任すべし、

〔燕石雜志〕

〈一〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0861 物の名♯上總に九十九里といふ濱あり、白里と書り、これ義訓也百の一を去れば九十九になる、〈○中略〉亦浪華にて味糩の中へ番椒何くれとなく、辛きを搨まじへたるを天竺味糩(○○○○)といふ、からすぎれば天竺へ至るの謎なり、その滑稽殆絶倒す、野夫にも功者ありとはかゝる事をやいふべからん、

〔料理山海鄕〕

〈二〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0861 阿蘭陀味噌(○○○○○)♯柚五ツ内の實を去、皮ばかり細かにきざみ、醬油三合ばかり水五勺ばかり入、炭火にて煮摺つぶ し、すいのうにてこし、栢刻生姜唐がらし、其ほか好次第、

〔皇都午睡〕

〈三編下〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0862 東都にて味噌の中へ種々の加藥の入しを、鐵火味噌(○○○○)と云は、京攝にて諸味の中へ大根生姜など切込しを、泥坊漬と號るに同じ、

〔守貞漫稿〕

〈後集一食類〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0862 味醬♯鐵火味噌ハ江戸平日用ノ味噌ニ牛房生姜蕃菽スルメ等ヲ加ヘ、胡麻油ヲ以テ煎リツメタル也、ナメモノ屋ニテ賣之、

〔料理山海鄕〕

〈二〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0862 織部味噌(○○○○)♯黑胡摩拾五匁、芥子拾匁、栢拾五匁、生姜七匁、二色割唐がらし壹匁、摺山椒七匁、砂糖拾五匁、みそ三拾匁、右酒にてのべる、

〔易林本節用集〕

〈禰食服〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0862 練味噌(子リミソ&○○○)

〔鈴鹿家記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0862 應永元年十二月廿一日壬戌、未ノ刻夕御膳〈御燒物鮭〉子リ味噌、〈牛房エイ〉

〔鹿苑日録〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0862 慶長九年六月廿九、未明ニ赴大佛齋筵、〈○中略〉御齋遲故、大佛森殿之私宅ニテ休息、先至則昆布、雹餠盆ニ出、次茶、且アツテ酒肴者、燒味噌(○○○)、干瓜、各々小盞ニテ一盞已尾赴齋筵

〔大草殿より相傳之聞書〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0862 一河うそうけみいりの事、〈○中略〉すましみそ(○○○○○)一はいに、すめ味噌(○○○○)小わん一ツいれ、〈○下略〉

〔貞丈雜記〕

〈六飮食〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0862 一すめみそと云事、大草流の庖丁方の書にあり、すめみそは味噌をすりて、こしたるをいふ也、すめらかにしたるみそと云事なり、すめらかとは、なめらかを云、すべ〳〵する心也、

産地

〔倭名類聚抄〕

〈十六鹽梅〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0862 未醬 楊氏漢語抄云高麗醬〈(中略)又有志賀末醬(○○○○)、飛騨末醬(○○○○)、志賀者近江國郡名、各以其所出國郡名名也、〉

〔毛吹草〕

〈三〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0862 山城 同寺〈○悲田院〉内白味噌 大和 法論味噌

〔新猿樂記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0863 四郎君受領郎等刺史執鞭之圖也、〈○中略〉得萬民追從、宅常擔集諸國土産、貯甚豐也、所謂〈○中略〉河内鍋、〈又味噌○下略〉

〔秇苑日渉〕

〈八〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0863 味噌〈○中略〉♯倭名類聚鈔有志賀飛騨二品、今有名護屋味噌(○○○○○)、

〔扶桑名處名物集〕

〈三河〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0863 味噌♯ふるさとへまめをしらせの旅づとは岡崎味噌(○○○○)のなれて送る荷 松 蔭 八丁の礫の名ある玉味噌(○○○)はむかしも今も世に聞えけり 〈ミツケ〉竹の舍

〔經濟要録〕

〈四〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0863 造釀♯尾州參州等ノ麥麴ニテ造リタル、三年味噌ハ、頗ル世ニ用ラル、

効用

〔本朝食鑑〕

〈二榖〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0863 味噌♯發明、味噌者本邦自古上下四民倶旦夕之供、榖食之佐、而昔何人之所造、一日不無也、大豆甘温下氣寬中活血、解百藥毒、得麴甘温胃而消食及諸積閉塞、運元氣營血、得鹽鹹寒而引入心腎肺脾肝、斂氣血筋骨、解毒凉血潤燥定痛止痒、復能引食氣而行、於是味噌者二温一寒相和相助、遇熱則凉之、遇寒則煖之、強則和之、弱則壯之、急則寬之、緩則堅之、散則止之、聚則解之、上下左右無通達、其性平而微温、所以爲食之佐而滋養一身也、或諸痛諸腫折傷者、先敷味噌灸患處、則能散能温、止之收之、加旃城壘軍營常貯、經年者以爲糧助、若失火急而塗倉庫之窻戸、無泥土味噌之、然則人家日用之外、不之乎哉、

〔一話一言〕

〈十五〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0863 味噌♯閩山釋茞亭傳所著蕭鳴草の中に、崎陽寄故園諸君子十首あり、其一に、♯不辨殊方語、山童在指揮、那知鄕思痩、但説味噌肥、〈風俗以豆爲之、土語米梭、食能肥人、〉力疾酬人事、孤吟羨鳥飛、悲哉 秋瑟々、長憶槍柴扉、♯南都の僧始て味噌を嘗めて未曾有といひしより、味噌の名ありと、春臺紫芝園漫筆に載せ、一本堂藥選に和名抄の未醬を以て、味噌なるべしといひしも思ひ出らる、

味噌商

〔延喜式〕

〈四十二東市〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0864 未醬http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/ra_ins086401.gif (○○○)〈○中略〉 右卅三http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/ra_ins086401.gif 西市

〔七十一番歌合〕

〈上〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0864 十八番 右 ほうろみそ賣(○○○○○○)♯夏まではさし出ざりしほうろみそそれさへ月の秋をしるかな♯うとくのみならの都のほうろみそほろ〳〵とこそねはなかれけれ

〔人倫訓蒙圖彙〕

〈四〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0864 味噌屋(○○○) 簡板に節掻を出す、調味和する能あつて、人身の保養する處、一日も離べからざるものなり、

〔江戸總鹿子新增大全〕

〈七〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0864 江府名物〈井〉近國近在土産♯御膳白味噌 神田れんじゃく町 小田原や 所々家々に有といへども、此家を以て最上とす、

〔守貞漫稿〕

〈六生業〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0864 味噌屋♯店ニテ賣ハ三都トモニ在之、擔ヒ巡ル賣ハ定扮ナシ、淺キ箱三五重ニ納ム、此賈京坂ノミニテ未江戸ニ見ズ、價十二文十六文廿四文卅二文四十八文百文許、以上ヲ數箇籜ニ裹ミ箱ニ納メ巡ル、蓋嘗味噌等トハ別賈ニシテ唯汁製ノ味噌ノミヲ賣ル、京坂ハ糀ミソニシ食之、特ニ麴多キヲ料理味噌ト云、饗客等ニハ用之、此二品ヲ賣ル味噌製造ノ巨戸ヨリ奴僕ヲ出シ賣ル也、故ニ陌上ニ呼ズ、專ラ得意ノ戸ニ問ノミ、

〔守貞漫稿〕

〈後集一食類〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0864 味醬〈○圖略〉味噌屋招牌(○○)也、京坂今モ有之江戸ニ無之、唯南傳馬町ノ味噌ヤ元結ト云、元結招牌ニ此形ヲ用フ、 昔ハ味噌賈ニテアリシナラン、是ニハ此圖ト上下ヲ逆ニス、雷盆ノ味噌ヲ取ル具ノ形也、此具號テセツカヒト云、又ウグヒスハ形ヲ以テ號ク、女詞也、

〔日本永代藏〕

〈六〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0865 銀のなる木は門口の柊♯爰に越前の國敦賀の大港に、年越屋の何がしとて、有德人所に久敷住なれて、味噌醬油をつくり、はじめはわづかなる商人なるが、次第に家榮ける、世の万にかしこく、分限に成そも〳〵は、山家へ毎日賣ぬる味噌を、いづれにても小桶俵を拵へ、此費かぎりなし、時に此親仁工夫仕出し、七月玉祭の棚をくづして、桃柿瀨々を流るゝ川岸に行て、捨れる蓮の葉を拾ひ集め、一年中の小賣味噌を包めり、この利發世上に見習ひ、是につゝまぬ國もなし、

味噌直

〔東大寺正倉院文書〕

〈十九〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0865 伊豆國天平十一年正税帳♯毎年正月十四日讀金光明經四卷、又金光明最勝王經十卷、合壹拾肆卷供養料稻肆拾玖束、〈○中略〉 末醬貳升肆勺捌撮價稻肆束壹把、〈○中略〉♯依太政官天平十一年三月廿四日符、講説最勝王經調度價稻壹仟肆伯玖拾伍束、〈○中略〉♯供養料稻伍拾伍束〈○中略〉♯末醬貳升參合肆撮價稻肆束陸把

〔諸事留〕

〈五〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0865 天保七〈申〉年十一月♯味噌鹽醬油之義者、米榖ニ續、日用第一之品柄ニ有之處、此節米榖類鹽等高直故、自ら仕入直段ニも相響、相場引上ゲ候義者、無餘儀筋ニ相聞候得共、右ニ而者小前之もの共者、別而難儀ニおよび候、既に米價之義ニ付、追々御仁計を以取續候時節柄ニ付、右三品之義者、問屋仲買等より賣前勘辨芳情ニ申諭候處、厚御趣意中之趣相辨、當分之内、問屋仲買賣德之内歩引致度段、當十月中申立、無不同賣出候筈ニ候、然上者乍聊問屋直段も相弛候事故、右品々小賣ニいたし候もの共ニおゐ ても同樣相心得、是迄も不相當之賣德有之間敷候得共、猶更元直段ニ順じ可成丈致勘辨賣渡候、♯右之通從町御奉行所仰渡候間、其渡世向之者共者不申、町中不洩樣可申繼候、♯右之通被仰渡畏候、爲御請御帳ニ印形仕置候、以上、♯〈申〉十一月十日 〈南北小口〉年番♯右者樽藤左衞門殿被申渡候間、御達申候、以上、♯十一月十日 〈組合〉 年番

〔天保十三年物價書上〕

〈上〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0866 一極上味噌 〈是迄賣直段、金壹兩ニ付目方三拾三貫目、錢百文ニ付同四百六拾目、引下直段、金壹兩ニ付目方三拾四貫五百目、餞百文ニ付同五百三拾目、〉♯一上味噌 〈是迄賣直段、金壹兩ニ付目方三拾八貫目、餞百文ニ付同五百四拾目、引下直段、金壹兩ニ付目方三拾九貫目、餞百文ニ付同六百目、〉♯一下味噌 〈是迄賣直段、金壹兩ニ付目方四拾三貫五百目、餞百文ニ付同六百拾目、引下直段、金壹兩ニ付目方四拾四貫貳百目、餞百文ニ付同六百八拾目、〉♯右之通、直段引下候間、此段奉申上候、以上、♯ 拾貳番組諸色掛り 天保十三年寅年八月廿日 〈本郷四丁目〉名主 又右衞門印

雜載

〔延喜式〕

〈三十三大膳〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0866 正月最勝王經齋會供養料、〈○中略〉醬三合、滓醬麁醬豉各一合、麁味醬二合、〈○中略〉♯仁王經齋會供養料〈○中略〉♯味醬四合五撮〈好物料一合、茹菜料四勺、漬菜料二合五撮、汁物料二勺、羹料一勺、菓餠料三勺、〉

〔三大實録〕

〈四十九光孝〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0866 仁和二年六月七日乙卯、勅、唐僧湛譽供料、日白米三升二合、鹽三合、味醬二合、〈○下略〉

〔扶桑略記〕

〈二十五朱雀〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0866 承平八年〈○天慶元年〉年代暦云、天台山東塔法花三昧同僧平忍、座主尊意和尚入室弟子也、〈○中略〉詣於師言、平忍今日可兜率内院焉、無言歸去、座主驚異、語僧信賢云、平忍之言頗以可奇 若風痾更發、神心違例歟、相送白米和布味噌等、可訊之、送使還來言、平忍已以入滅、〈○下略〉

〔和泉式部續集〕

〈上〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0867 二月ばかり、みそを人がりやるとて、♯花にあへばみそつゆばかりをしからぬあかで春にもかはりにしかば

〔徒然草〕

〈下〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0867 平宣時朝臣老の後むかしがたりに、最明寺入道〈○北條時賴〉あるよひの間に、よばるゝ事ありしに、やがてと申ながら、ひたゝれのなくてとかくせしほどに、又使來りて直垂などのさぶらはぬにや、夜なれば、ことやうなりとも、とくとありしかば、なへたる直垂うち〳〵のまゝにて、まかりたりしに、てうしにかはらけとりそへてもて出て、此酒をひとりたうべんがさう〴〵しければ申つる也、さかなこそなけれ、人はしづまりぬらん、さりぬべき物やあると、いづくまでももとめ給へと有しかば、しそくさして、くま〴〵もとめし程に、だい所の棚に、小土器にみその少つきたるを見出て、これぞ求えてさぶらふと申しかば、事たりなんとて、心よく數獻に及びて、興にいられ侍りき、其世にはかくこそ侍しかと申されき、

〔三省録〕

〈後編二飮食〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0867 同君〈○酒井忠勝〉の時、鹽噌奉行何某、鹽噌を私用に取遣よし訴ありければ、忠勝君其者を召、御尋有ければ、味噌の上はなみ、桶はだは風味あしきゆゑ、中間どもに給させ、中のよろしきところを、諸士等の料理に用ひ候、ケ樣の事を私曲と申にやと申上ければ、さも有べし、いよ〳〵念を入るべしと宣ひ、御吟味はなかりし、

〔太平記〕

〈三十五〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0867 南方蜂起事附畠山關東下向事♯其比何ナル者ノ態ニヤ、五條ノ橋爪ニ高札ヲ立テ、二首ノ歌ヲ書付タリ、〈○一首略〉 何程ノ豆ヲ蒔テカ畠山日本國ヲバ味噌ニナスラン

〔燕石雜志〕

〈四〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0867 關東方言♯昔よりいふ諺は、今に遺れるもおほかり、〈○中略〉ふるき諺の遺れるを二ツ三ツ左に記す、〈○中略〉狼狽 する事を味噌をつけるといふ、これは太平記卷の三十五に見えたり、桃井直常敗軍の段に、當時の人の落首なりとて、唐橋や鹽の小路の燒しこそ桃井殿は鬼味噌をすれ、といふ狂歌を載たり、この下の句の味噌をすれといふは、今俗に味噌をつけるといふ事と聞ゆ、直常は勇敢無雙の大將にて、世人鬼桃井と稱せしとぞ、かゝる人の狼狽したれば、鬼味噌をすれとはいふならん、村酒を鬼ころしといふごとく、鬼味噌とは蕃椒味噌の事にや、上の句にから橋とおきて、からき鹽とつゞけ、小路を麴にかけて、燒し鬼味噌とづゝけたれば、鬼味噌は蕃椒味噌の事と聞ゆる也、又食物の赤くて、その味の鹹きを鬼といふ、鰕を醬油の漬燒にゝたるを、鬼から燒といふ類おほかり、

〔海人藻芥〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0868 二條殿故攝政〈良基公〉仰云、大人ノ輕々シキハ小人ノ重キニハ劣レリ、大人ハ物ヲ見ル事虎ノ如クニシ、歩ム事ハ牛ノ如クニスト云本文有云々、去ナガラモ上﨟ノ上﨟シキト、味噌ノ味噌クサキハ下品ナリ、御利口有ト云々、♯ ○

〔新撰字鏡〕

〈支〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0868 豉〈市至反、去、鳥頭也、久支、〉

〔本草和名〕

〈十九米榖〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0868 豉〈音是義反、豆所作也、〉和名久岐

〔倭名類聚抄〕

〈十六鹽梅〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0868 豉 釋名云、豉〈是義反、和名久木、〉五味調和者也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈四飮食〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0868 原書作豉嗜也、五味調和、須之而成、乃可甘嗜、此恐誤、〈○中略〉按説文、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/ra_ins013073.gif鹽幽尗也、豉俗http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/ra_ins013073.gif 、从豆、段玉裁曰、廣雅説飮食云、鬱幽也、幽與鬱同義、以豆鬱之、齊民要術説作豉、必室中温煖、所謂幽尗也、云食經造豉法、用鹽五升、所謂配鹽也、依之今俗呼納豆者近之、

〔事物紀原〕

〈九酒醴飮食〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0868 鹽豉♯廣雅曰、苦李作豉、廣志曰、苦秦豉、則豉自一物爾、謝承後漢書羊續爲南陽太守、鹽豉共器、三輔決録曰、南陽舊語曰、前隊太守范仲公、鹽菓蒜業共一筒、史記貸殖傳曰、孽麯鹽豉千答、蓋四物也、今京俗 謂豉曰鹽豉、或因此云然、晉世已爲此名、世説武子云、千里蒪羹未鹽豉

〔多識編〕

〈三榖〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0869 大豆豉〈久岐今俗云唐納豆〉

〔東雅〕

〈十二飮食〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0869 豉クキ 倭名鈔に釋名を引て、豉はクキ、五味調和者也と注せり、令式等に其字は見えしかど、今は其名も聞えずして、クキといふ義も亦不詳、〈漢にして豉といふものには、淡豉(○○)あり、鹽豉(○○)あり、豉汁(○○)あり、其方製もまた同じからず、我國にして古の時にクキといひしもの、いかなるにやありけむ、其方製も不詳、即今の醬油といふものは、古の時には聞えず、庭訓往來、下學集などにいふ者の如きにもしるさず、今これを造るの法は、たとへば我國にして、ヒシホといふものを造る如くにして、其既に熟しぬるに及びて、簀といふものを中にたてゝ、其簀の内に漏れ入る汁を汲取る也、古語に漏る事をばクキといふ、也少彦名神の父神の指間より、クキチチシなどいふが如きこれ也、古の時に豉を名づけてクキといひしは、即漏(クキ)之義にして、今の醬油といふもの、其遺製なる也、造釀の法、異朝の醬油の方の如くなれば、それに傚ひて呼びて、醬油といふに至りて、古にクキといひし名は隱れて、世の人知る事なきに至れる也、又俗にタマリといふ物の如きも、味噌の自然汁の溜りぬるをいふ也、俗に溜を呼びてタマリといふは、猶豉汁の漏(モ)り出ぬるを取りて、クキと名づけし、事の如し、これも又豉汁の類也、〉

〔大上﨟御名之事〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0869 女房ことば♯一くき くもじ(○○○)

〔延喜式〕

〈三十三大膳〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0869 造雜物法♯豉料、大豆一石六斗六升七合、海藻四斤八兩、得一石

〔和漢三才圖會〕

〈百五造釀〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0869 大豆豉(だいづし)〈http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/ra_ins013073.gif 音示、豉之本字、秦漢以來始作豉、蓋尗乃豆字也、和名久木、〉♯本網有淡豉鹹豉二品、治病多用黑大豆淡豉也、釋名云、豉嗜也、調和五味甘嗜也、〈造之法原出外國、而康伯乃傳法於中國、〉♯淡豉(○○)造法 用黑大豆二三斗、六月内淘浄水浸、一宿瀝乾蒸熟、取出攤席上、候微温蒿覆、毎三日一看、候黄衣上遍太過、取晒篏浄以水拌、乾濕得所以汁出指間準、安甕中築實、桑葉蓋厚三寸密封泥、於日中晒七日、取出曝一時、又以水拌入甕、如此七次、再蒸過、攤去火氣、甕收築封即成矣、此豉入藥、鹹豉(○○)造法 用大豆一斗水浸三日、淘蒸攤詈、候黄取出、簸浄水淘漉乾、毎四斤入鹽一斤薑絲半斤 椒橘蘇茴杏仁、拌匀入甕、上面水浸過一寸、以箬蓋封口、晒一月乃成也〈此外有麩豉瓜豉醬豉之諸品、皆造之充食品、○中略〉♯豉汁(○○)造法 十月至正月、用好豉三斗淸麻油熬令烟斷、以、一升豉蒸過攤冷、晒乾拌再蒸、凡三遍、以白鹽一斗搗和以湯淋汁三四斗淨釜、下椒薑葱橘絲、同煎三分減一、貯於不(ザル)津(モラ)器中、香美絶勝也、♯氣味〈苦甘寒濇〉 治傷寒頭痛寒熱煩燥滿悶〈得葱則發汗、得鹽則能吐、得酒則治風、得薤則治痢、得蒜則止血、炒熟則又能止汗、亦麻黄根節之義也、〉♯按豉者食中常用而五味調和者也、本朝亦有昔用一レ之、如今用未醬豉用醬油豉汁也、近時有納豆、亦鹹豉之類也、

〔重修本草綱目啓蒙〕

〈十七造釀〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0870 大豆豉♯ 黑大豆ヲhttp://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/ra_ins087001.gif (ネサ)シテ製ス、淡豉鹹豉ノ別アリ、鹽ヲ入ザルヲ淡豉ト云、藥ニハコレヲ用ユ、鹽ヲ入テ製スルヲ鹹豉鹽豉ト云、コレハ食用ナリ、又藥ニモ用ユ、淡豉ノ法ハ、集解ニ詳ナリ、舶來モ稀ニアリ、其粒小シ、和製ハ臭氣甚シ、コレハ製法惡シクシテ腐リタルナリ、法ハ齊民要術ニ詳ナリ、法ヲ誤リタルハ、腐臭シテ猫犬モ食フコトアタハズト云リ、傷寒論ニモ、香豉トアレバ臭ナル者ニ非ザルコト知ルベシ、鹹豉ハハマナツトウノ類ナリ、年首ニ寺院ヨリ在家ニ贈ル、

〔延喜式〕

〈二十三民部〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0870 交易雜物♯武藏國〈絁五十疋、布一千五百端、商布一万一千一百段、豉六石五斗、〉

〔延喜式〕

〈三十三大膳〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0870 仁王經齋會供養料〈○中略〉♯豉一合二勺〈好物料五勺、海菜料七勺、〉

〔東大寺正倉院文書〕

〈十七〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0870 駿河國天平九年正税帳♯豉料大豆漆斛伍斗直稻漆拾伍束〈斛別十束〉

〔類聚國史〕

〈百七十三災異〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0870 大同三年正月乙未、遣使埋斂京中骼胔、勅〈○中略〉給京中病民米井鹽豉等

〔殿中申次記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0870 八日〈○正月〉♯ 〈永正十三〉一久喜 二桶 〈高雄山〉神護寺〈例年進上之〉♯ 十二日♯〈永正十三〉一久喜二桶、 梅漬一桶、梅剥一桶〈例年進上之〉 宇治大路三郎

納豆

〔下學集〕

〈下飮食〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0871 納豆(ナツトウ)

〔撮壤集〕

〈下飮食〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0871 納豆(ナツトウ) 唐納豆(カラナツトウ&○○○)

〔易林本節用集〕

〈奈食服〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0871 納豆(ナツトウ)

〔易林本節用集〕

〈加食服〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0871 唐納豆(カラナツトウ)

〔書言字考節用集〕

〈六服食〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0871 豆豉(ナツトウ)〈本草〉 納豆(同)

〔庭訓往來〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0871 酢菜者、胡瓜甘漬、納豆、煎豆、

〔大上﨟御名之事〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0871 女房ことば♯一まめなつとう いと

〔料理物語〕

〈萬聞書〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0871 濱納豆(○○○)は 大豆壹斗味噌のごとくたきて上候て、うどんのこを壹斗入、よくあはせてねさせて、こもをふたにして、三日ばかり置てみれば、よくね申候、ね候はゞふたをとりそとさまして、うへをしたへかへして又ねさせ候、よくね候はゞかきよせ、水六鹽三にてつくり入候、水五にてもいよ〳〵よし、さて時々かき合候、三十日候間、はかきてよし、土用に作り入候へ共、九月九日ごろまで置候てよし、ねさせやう口傳、戸板に入候へば、戸のさんの高さほどにもりてよし、あつく候へばあしく候、三十日もかき大かたなれ申候時、から皮生姜など入候て、くちをよくいたしをき申候也、

〔雍州府志〕

〈六土産〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0871 納豆 大豆煮之、加生姜紫蘇葉芥子等物造之、所々有之、然大德寺中眞珠菴之所製也、傚一休和尚之製法、故謂一休納豆(○○○○)、又聚樂淨福寺、蓼倉法雲寺、嵯峨淸凉寺爲佳、凡納豆中華所 謂豆豉也、又一方有金山寺味噌、案食物宜忌所載八寶豉之類也、則以金山勝矣云々、然則本朝所傳、傚斯製法者乎、

〔本朝食鑑〕

〈二榖〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0872 納豆♯ 集解、納豆似豉、其製法殊矣、今有二種、一種用好白大豆水煮熟、候水盡豆熟而取出、攤于席上、入土窖中、候粘泥而裹于稻草貯之、用時板上剉末水研煮作汁、和鹽酒及魚鳥菜、此稱納豆汁、放芥菜子泥而食最佳、一種好白大豆一斗水煮熟、取出攤于席上、用炒大麥粉炒小麥粉各五升熟豆、入土窖中麴、候于花衣生而晒乾三日、復別用白鹽三升水七升、混合于鐺中而煎之、少頃待冷放木盤三種麴而拌合數次、以厚紙之、重以木蓋之、疊小石于木蓋上而壓之、經三十日許蓋、用大木匙覆上下、而後合紫蘇葉穗及子蓼葉穗生薑山椒樹皮等物、以收貯而用、或用黑豆之亦有、此製不一、家々有法、近代爲僧家用、其修造勝于俗家者多、僧侶自夏月之、正月奉贈檀越、復有濱名納豆(○○○○)者、昔神大君在駿城時、命遠州濱名大福寺摩迦耶寺之僧而造之、其状茶褐色而不粘如乾、其味甘鹹帶微苦、但合山椒樹皮耳、椒皮亦不尋常、皮厚甚辣、此納豆造法二寺深秘不泄、故知者少矣、有唐納豆(○○○)者、和之南都洪福寺東大寺之僧造之、京師淨福寺亦造之、故復號淨福寺納豆(○○○○○)、其法夏六月用好黑大豆一斗、煮熟如味噌、小麥炒香一斗、磨礱爲粗未、二味拌合攤席、置暖處麴、日晒三五日、以乾堅者礱細末飛羅、取其粗者復日晒乾堅飛羅悉篩盡之、別用白鹽三升水七升鐺、一時待冷煉麴粉而收之桶中、取出搗于木臼者一月一次、毎日晒乾夕收于桶中、至冬十一月山椒粉、復搗于木臼、而後經日嘗之、至味之佳時而作木葉状、或作泥食亦爲佳、♯氣味甘鹹、微温無毒、主治、下氣調中進食解毒、♯發明、納豆雖豉殊、然性本相似、故以其鹽麴豉用、入藥亦稍好、以黑豆造則尚佳、惟吐法可用其餘不之、

〔嬉遊笑覽〕

〈十上飮食〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0873 桂川地藏記、〈弘治二年の跋あり〉賣買之物少々記之とある内に、坐禪納豆(○○○○)、法論味噌と見えたり、この坐禪納豆、は濱名納豆の製なるべし、後に煮染の大豆を坐禪豆といふも、これより出たり、坐禪も小水の爲に、これを用ひしなり、むかしは茶食(クワシ)にもせしものとみえて、醒睡笑に、見たところうまさうなれやこの茶の子名はから糸といふてくれなゐ、から糸とは納豆の異名なり、糸ひくをいふ、紅梅千句に、薪の能の棧鋪とり〴〵〈可賴〉納豆をさげ重箱に組入て〈正章〉柚べしには唯手を掛もせぬ、〈友仙〉安部泰邦卿東行話説〈寶暦十年〉濱名納豆は見つきに似ぬ味にて、酒の肴にはえならぬものなり、今此邊にありやと尋ければ、本坂越の路三ケ村の大福寺より出るものにて、此邊にはなしといふ、然れば濱名の産にもあらず云々、かさゝぎのはしもとかけし橋杭も朽てはまなのなとふばかりぞ、〈濱名納豆は鼠糞の樣にて、かびの生たるものなり、○中略〉♯今の寺納豆も、法論みそ坐禪納豆の遺製、京師大德寺眞珠庵にて造るを一休納豆(○○○○)と云、

〔人倫訓蒙圖彙〕

〈四〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0873 扣納豆(○○○) 薄ひらたく四角にこしらへ、細菜たうふを添うる也、ねやすく早業の物、九月末二月中うりに出る、富小路通四條上ル町、

〔大館常興日記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0873 天文十年十一月十五日、相州左馬助殿一兩日出京、今日下向也、仍唐納豆〈號池田唐納豆○○○○○也〉十給之、取次むこ千世也、

〔毛吹草〕

〈三〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0873 山城 淨福寺納豆(○○○○○) 遠江 濱名納豆(○○○○) 近江 觀音寺納豆(○○○○○)〈汁ニ用之〉

〔寬政武鑑〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0873 井上武三郎正甫〈○遠江濱松〉 時獻上〈寒中〉濱名納豆(○○○○)

〔扶桑名處名物集〕

〈遠江〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0873 名物♯節分の茶には入ずて大福寺皮山椒もまじる納豆 正雄

〔三省録〕

〈後編二飮食〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0873 本鄕森川宿御先手組屋敷に、内山氏といへる同心あり、其先祖は北條家旗下の士にて、氏政よりの下知状數通を藏せり、其中に内山氏出陣の節、ある桑門より見舞の書状あり、一 見するに、♯態令啓達候仍今般之御出陣御越河一入御辛勞已識察候、然者雖分少候、納豆壹合已進之候、誠以音問迄候、諸餘御歸陣之時分、委曲可申述候、恐々謹言、三月上旬 〈淨安寺〉欽譽花押内山彌右衞門尉殿〈御陣所〉

〔精進魚類物語〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0874 御所此よしを聞めし、大きに驚かせ給ひて、本人なれば先納豆太に告よと仰ありければ、律師が弟子けしやう文といふ物をもつてつげけり、折ふし納豆太藁の中にひるねして有けるが、ね所見ぐるしくや思ひけん、涎垂ながらかばとおき、仰天してぞ對面する、

〔守貞漫稿〕

〈六生業〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0874 納豆賣(○○○)♯大豆ヲ煮テ室ニ一夜シテ賣之、昔ハ冬ノミ、近年夏モ賣巡之、汁ニ煮、或ハ醬油ヲカケテ食之、京坂ニハ自製スルノミ、店賣モ無之歟、蓋寺納豆トハ異也、寺納豆ハ味噌ノ屬也、


Last-modified: 2019-03-15 (金) 09:48:58 (387d)