[p.0244]
丸物革鹿之記
草鹿の的は、鹿の頭おもたげたる形お、檜の木の板にて作り、是お裏板となし、牛の白革お表に張りて、革と板との聞に綿お入でふくらかし、まはりお縫ひ合すら也、胴の曩中に、矢星おつなぎたる朱引絵図なるゆえ有之的〓作る子〓〓朱引無之
的綱とめやう 絵図の如し
せ通りの星七つ七星にかさどる
此星四つ四季おかさどる
此星四つ四方おかさどる
矢あての星也
此星八つ八法〓かさどる四つは大四つ小なり
草鹿之図
鹿に足お作らず、夏野の草の中に鹿立て、足は見ざる心なり、されば草鹿と雲、草お克て鹿お作る事にはあらず、
板お鹿の形に切て、白きなめし皮にて包みてひくゝし、中に毛お入てふてらまし、かき色にいろどりて、白星おえがくなり、但星は白くぬり残すなり、草鹿も円物も、勝負に射茎事もあみ、たゞ射る事もあ吟、勝臻の時は、矢沙汰あち、弓は白木なり、若し〈○し下恐有脱字〉ならぼそは白本お用、弦は白弦、矢は一手霊んどう、一手四目お用ゆ、円勠ぶりぶり同之、 法量物雲、乳は背循りのあはひ玉寸、横さまにはうらの乳のやうにして、二所引とほすべし、
的の裏
つなは二筋〓て此十文字のか〱るなり
是は耳なり
如斯裏より表へ引通しとんぼうむすび〓して留るなり
是は縫めなり
是は的の裏なり
是は皮のく〱りたる〓〓なり
是は何も乳なり
是は黒革〓て二筋の綱おからみて男むすびにむすびたるなり
是は乳お裏板〓引通してとんぼう結にとめたるなり〓は黒革に苧お志ん〓入〓てくけてうら板よりよこ〓らへ引通すべしあての星あり、其外に大小の星お書く、星は皆白く色どり残して、総臓は栗色にぬるなり、鹿の頭は前へむくべし、唯弓手にあふがごとし、 草鹿の勢、長一尺八寸、広八寸計、頭の長七寸五分、面の長三寸五芬、矢あての星、径四寸、かねの定なら、廻うの星八づ、此星は大成べし、前後四つ宛也其外に又藕後四つ宛星あり、驀縁少し、背通りの星七つ、是畜少し、矢あての畳の外の星大小合て廿三なり、裏板に乳お四つ付る、乳の間五寸計り、綱お二筋、裏の屶仁てすぢかへに打ちがへ、四の乳に通して、串に詰付る事も四所なち、