蹴鞠九十九箇条
一勝負の鞠の事
上鞠五度とも十度とも著、契約して数お付る也、二八の人数たらば二度、三八の人数たらば三度に分べし、鬮にても分べし、又其中にけてみる人々お、或は左右、或は初中後、或は一二三に分て定る事もあり、紙お横に折て勝負数まりの事とかきて、また地と引さげて、一共左は初て、扠あげまり十度共、十五度共、如契約に最初の上まりより付もて行て、其期に終、上鞠のとき、此度に及と人数のま、やうに書て付る也、まり終て日記の以上おかぞへ合て、過三たるお勝とする也、此鞠には出に落たるおけず、軒木などにかゝりたるおば、ける人きと兼て人数の中に申定では可蹴也、出に落たるまりの事は、いさゝかもけべか他ず、但出に落たるおけかへすやうあり、かくければ数にも入也、落と同じ、ありとこひて、則あがれば数々す、すくひあしくば上鞠になるべし、出に落す事堅制之ざる故、此帰りけはこの最上也、猶細々可有興行事也、みずに当まりのときはけべし、貴人御きあるともくるしからず、
上鞠五度とも十度とも著、契約して数お付る也、二八の人数たらば二度、三八の人数たらば三度に分べし、鬮にても分べし、又其中にけてみる人々お、或は左右、或は初中後、或は一二三に分て定る事もあり、紙お横に折て勝負数まりの事とかきて、また地と引さげて、一共左は初て、扠あげまり十度共、十五度共、如契約に最初の上まりより付もて行て、其期に終、上鞠のとき、此度に及と人数のま、やうに書て付る也、まり終て日記の以上おかぞへ合て、過三たるお勝とする也、此鞠には出に落たるおけず、軒木などにかゝりたるおば、ける人きと兼て人数の中に申定では可蹴也、出に落たるまりの事は、いさゝかもけべか他ず、但出に落たるおけかへすやうあり、かくければ数にも入也、落と同じ、ありとこひて、則あがれば数々す、すくひあしくば上鞠になるべし、出に落す事堅制之ざる故、此帰りけはこの最上也、猶細々可有興行事也、みずに当まりのときはけべし、貴人御きあるともくるしからず、