p.0888 土佐國ハ、トサノクニト云フ、南海道ニ在リ、西北ハ伊豫、東北ハ阿波ニ接シ、南ハ海ニ至ル、東西凡ソ三十五里、南北凡ソ十八里、此國ハ古ヘ國府ヲ長岡郡ニ置キ、安藝(アキ)、香美(カガミ)、長岡(ナガヲカ)、土佐(トサ)、吾川(アガハ)、高岡(タカヲカ)、幡多(ハタ)ノ七郡ヲ管シ、延喜ノ制、中國ニ列ス、明治維新ノ後、新ニ高知市ヲ設ケ、高知縣ヲシテ之ヲ治セシム、
〔倭名類聚抄〕
〈五國郡〉
p.0888 土佐
〔新撰類聚往來〕
〈下〉
p.0888 國名〈◯中略〉 土佐〈土州〉
〔日本風土記〕
〈一寄語島名〉
p.0888 土佐〈拖撒(トサ)〉
〔土佐幽考〕
〈國名〉
p.0888 土佐者俊聰也、當國人心俊速聰明之稱也、或云、土者遠也、佐者狹也、國形東西遠、南北
p.0889 狹、故遠狹之意也、
〔古事記傳〕
〈五〉
p.0889 土左國、和名抄、土佐郡土佐郷あれば、其より出たる國名なるべし、〈此土左郷に土左大神社あり、此神は葛木一言主神なるを、雄略天皇御世に、故ありて此國へ移され給へること、續紀廿五、又此國の風土記などに見ゆ、（中略）然其神自言離之神(コトサクノカミ)葛木之一言主之大神と名告(ナノリ)たまへり、此御名に因て思に、土左は許土左久(コトサク)の略たる名にもやあらむとも思へど、國名彼御世より先にこそあらめ、〉
〔倭訓栞〕
〈前編十八登〉
p.0889 とさ 國名に呼は土左郡土佐郷倭名抄に見え、そこに土佐大神社ましますをもて成べし、
〔南路志〕
〈一闔國〉
p.0889 土佐 土佐故事類聚曰、或書云、土佐蓋渡狹之刻也、谷眞潮云、今一宮ノ地往古土左トイヘルナルベシ、其土左トイヘル名ハ、戸狹ニテ、孕ノ狹戸ニサシムカヒタルニヨリテ呼シ名カ、 古事記傳蛭瘡尋曰、〈土左の條〉此土佐といふ名は、土左郡土佐郷より出たることはもとよりにて、また其根元は彼郷に南海よりいと長くさし入たる入海の有り、東西はいとみじかくて津に山々の走り出たる所などは、門間(トアヒ)のいと狹ければ、門狹(トサ)の意にて郷の名にも負しなるべしと、眞潮翁の考へ給ひし、實にさること也、
〔古事記〕
〈上〉
p.0889 伊邪那岐命、〈◯中略〉妹伊邪那美命、〈◯中略〉御合、〈◯中略〉次生二伊豫之二名島一、此島者身一而有二面四一、毎レ面有レ名、〈◯中略〉土左國謂二建依別一、
〔地勢提要〕
〈乾〉
p.0889 各國經緯度〈附里程〉 土佐高知〈種崎町〉極高三十三度三十四分、經度西二度一十分半、二百五十九里二十二丁一十三間、〈◯從二東都一〉 土佐蹉跎山足摺岬極高三十二度四十四分、經度西二度三十四分、三百一十一里三十丁三十六間、〈◯從二東都一〉
〔日本經緯度實測〕
p.0890 北極 土佐 甲之浦 三三度三三分三◯秒 高知 三三度三四分◯◯秒 窪津浦 三二度四八分◯◯秒 藻津浦 三二度五六分◯◯秒 岬浦 三二度四八分◯◯秒 栖島 三二度四七分◯◯秒〈◯中略〉 東西里差 山城 京 ◯度◯◯分◯◯秒〈◯中略〉 土佐 高知 西二度一二分◯◯秒
〔土佐州郡志〕
p.0890 土佐國 南海道四國之一、東北至二阿州界一、酉北至二豫州界一、南西環レ海、州内陸路東西五十六里、南北十七里、海濱略東西八十七里半、舟路東西九十一里十六町、
〔日本地誌提要〕
〈六十四土佐〉
p.0890 疆域 西北ハ伊豫、東北ハ阿波、南ハ海ニ至ル、東西凡三拾五里、南北凡壹拾八里、
〔日本實測録〕
〈十島嶼〉
p.0890 土佐國安喜郡 實測 葛島、周廻八町四十間、赤葉島、周廻九町四十六間、 遠測二子島 長岡郡 遠測 玄武島 吾川(アガハ)郡 實測 續島、周廻七町二十二間 遠測 玉島 裸島 ノウ島 棧島 高岡郡 實測 中ノ島、〈從二北岬一主二西岬一〉八町、 戸島、〈從二北岬一至二西岬一〉一十七町、遠測 小島〈浦之内村〉 辨天島〈浦之内村〉 辨天島〈奥浦〉 小松葉島 神島 雙兒島大 雙兒島小 本ノ島 辨天島〈久禮浦〉 松碆 小碆 大碆 雀碆 小島〈矢井賀村〉 二ツ岩 幡多郡 實測 柏島、周廻二十八町三十間、柏島三十二度四十七分、 鹿島、〈佐賀浦〉周廻六町三十五間、 鹿島、〈清水浦〉周廻四町七間、 辨天島、〈三崎浦〉周廻四町六間、 辨天島、〈樫之浦從二西岬一至二東岬一、〉三町三十間 七
p.0891 日島、周廻六町二十六間、 市島、周廻九町六間、 片島、周廻三十一町四十二間、 大島、周廻一里六町五十一間、 丸島、周廻九町三十五間、 池浦島、周廻三十一町四十二間、 感陽島、〈從二南岬一至二北岬一〉五町三十間、 桐島、周廻一十四町三十間、 大藤島、周廻一十七町四十一間、 渡小島、〈從二西岬一至二東岬一〉二町三十間、遠測 辨天島〈白濱浦〉 衣掛碆 小島〈入野村〉 辨天島〈田ノ浦村〉 立石 水島 鹿子碆 松碆〈西泊浦〉 大島〈大〉 大島〈小〉 菅島 高碆 松碆〈周防形浦〉 羍島 蒲葵(ビロウ)島 小島〈一切浦〉 松島 小島〈泊浦〉 雲雀小島 烏帽子碆 實測 〈土佐國幡多郡伊豫國宇和郡〉沖島、周廻四里一十八町二十四間、 幡多郡廣瀬浦、三十二度四十三分半、〈中崎岬徑測三丁六間〉 遠測 姫島 左ノ瀬 黒碆 二並島〈大〉 二並島〈小〉 裸島 水島
〔釋日本紀〕
〈十述義〉
p.0891 土左國風土記曰、吾川郡玉島(○○)、或説曰、神功皇后巡國之時御船泊レ之、皇后下レ島休二息礒際一、得二一白石一、團如二鷄卵一、皇后安二于御掌一光明四出、皇后大喜、詔二左右一曰、是海神所レ賜白眞珠也、故爲二島名一云云、
〔今昔物語〕
〈二十六〉
p.0891 土佐國妹兄行住二不知島一語第十 今昔土佐國幡多郡ニ住ケル下衆有ケリ、己ガ住浦ニハ非デ、他ノ浦ニ田ヲ作ケルニ、己ガ住浦ニ種ヲ蒔テ、苗代ト云事ヲシテ可レ殖程ニ成ヌレバ、其苗ヲ船ニ引入テ殖人ナド雇具シテ、〈◯中略〉十四五歳許有二男子一、其ガ弟ニ十二三歳許有二女子ト一、二人ノ子ヲ船ニ守リ目ニ置テ、父母ハ殖女雇乘ントテ陸ニ登リケリ、〈◯中略〉然テ其船ヲバ遙ニ南ノ沖ニ有ケル島ニ吹付ケリ、〈◯中略〉大ナル島也ケレバ田多ク作リ弘ゲテ、其妹兄ガ産次ケタリケル孫ノ、島ニ餘ル許成テゾ于レ今有ナル、土佐ノ國ノ南ノ沖ニ妹兄ノ島(○○○○)トテ有トゾ人語リシ、〈◯下略〉
〔土佐幽考〕
p.0891 妹背島 出二宇治拾遺物語一、或曰幡多郡西南海中有レ島、蓋是也、島中有下名二廣瀬一所上、是恐訛稱二妹背一歟、今此島伊豫土佐兩國中二分之一、
〔秦山集〕
〈一詩〉
p.0892 柏島(○○) 柏島見來古疊基、挐レ舟靜度碧瑠璃、漁家寺院一隅集、土國盡頭半局棊、
〔易林本節用集〕
〈下〉
p.0892 土佐、〈土州〉中、管七郡、東西二日、土肥五穀純熟良材多、中上國也、
〔日本地誌提要〕
〈六十四土佐〉
p.0892 形勢 西北伊豫ト其脊ヲ合セ、山嶽疊沓シ、東西兩岬南海ニ斗出シテ彎月状ヲナス、地勢南スルニ隨ヒ漸ク低ク、大抵山谷林叢三分ノ二ニ居ル、但中間黒壤、種藝ニ宜シク、海濱漁業ヲ力ム、風俗木強ニシテ頑固ナリ、氣候極暑九拾六度、極寒四拾度、
〔和漢三才圖會〕
〈七十九土佐〉
p.0892 高知〈有二土佐郡一、艮至二江戸一二百三十六里、但出二浦戸湊一内海二里、自レ此至二大坂一海上百里、自二大坂一至二江戸一陸百三十四里、又出二甲浦湊一陸二十四里餘、自二甲浦一至二大坂一海上七十里、然則至二江戸一都合二百二十八里餘、西至二佐川一七里、坤至二窪川一十五里、申酉至二中村一廿七里、至二宿毛一三十三里、丑方至二本山一八里、西至二伊豫宇和島一五十三里、同至二伊豫堺一陸三十里、同至二松山一三十八里半、但海上百十二里、至二備前岡山一九十七里、至二播州姫路一九十一里、至二阿州徳島一陸四十八里、〉
〔日本實測録〕
〈五〉
p.0892 從二阿波國岡崎一沿海至二宇和島一〈◯中略〉 土佐國安喜郡甲ノ浦、三十三度三十三分半、〈至二白濱浦一徑測五丁四十五間〉 二十町二十二間〈至二唐人岬一二丁四十八間半〉 白濱浦 三十四町四十間 生見村〈至二松ケ岬一六丁三十六間〉 二十二町三十三間 野根浦、三十三度三十一分、三里一十六町三十三間 佐喜濱浦、三十三度二十四分半、 三里一十一町三十九間 津呂浦、三津浦、三十三度一十八分、 二里二十六町二十二間〈至二室戸崎一一里五丁四十六間〉 室津浦湊川口 三里一十三町四十五間 羽根浦、三十三度二十二分、 二里二十二町三十間 田野浦、三十三度二十六分半、 三里一十六町四十四間 安喜(アキ)浦、三十三度三十分半、 三里二十四町一十八間 香我美郡手結浦 一里一十二町 赤岡浦、三十三度三十三分、 一里一十六町三十二間 長岡郡濱改田村 二里一十八町四十八間 種崎浦 二里二十八町四十一間 土佐郡下地村〈至二高知種崎町一一十四丁二十四間、北極高三十三度三十四分、〉 三里三町八間半 吾川郡浦戸〈至二南浦戸一徑測三丁四十四間〉 二十町一十七間 同南浦戸 二里三町二十四間半 仁野村二淀川口 一里二十七町二十七間 高岡郡福島浦 二里三町
p.0893 二十一間 浦ノ内村出見、三十三度二十七分半、 二里二十一町三十一間 奧浦東分村横並〈歴二西分村一至二神田村一一里六丁三十間〉 三里二町三十七間 浦ノ内村須浦 五里一町五十八間 井ノ尻浦 四里二十三町九間半 野見浦久通浦 四里二十九町五十一間半 大谷村 三里二十一町四十二間半〈至二神田村一二里一十七丁四十二間半〉 須崎浦、三十三度二十四分半、 一里二十六町一十五間 安和浦田之浦 二里二町二十六間 久禮浦 二里二十三町四十五間 上加(カミノカ)江浦 二里二十七町二間 志和浦三十三度一十四分半、 三里二十一町三十四間〈至二冠崎一一里三十三丁二十二間半〉 與津浦、三十三度一十分半、〈至二小室濱一徑測七丁四十七間半〉 一里四丁四十七間半 同小室濱 二里四町四十七間半 幡多郡鈴浦 二里四町四十二間 佐賀浦、三十三度五分半、 三里四町二十二町〈至二榎岬一一里三十丁二十六間〉 上川口浦、三十三度三分、 二里六町三十五間 入野村田ノ浦村 二里一町一十一間 下田浦〈至二四萬十川口洲岬一五丁一十五間〉 一里一十二町二十七間〈至二四萬十川口一二十五丁三十六間半〉 名鹿村四萬十川口 一里三十四町一十七間 布浦狩津 一里二十二里一十七間半 下茅浦、三十二度五十二分半、〈至二下茅岬一四丁八間〉 二里二十三町五十間半 以布利浦〈至二清水浦清水谷一徑測二十二丁二十二間〉 三十三町三十四間半 窪津浦、三十二度四十八分、 二里一十一町二十六間半 松尾浦蹉跎山、三十二度四十四分、 一里二十七町二十四間半 同臼碆 一里三十五町五十九間 清水浦湊 三十五町二十五間 同清水谷 四町一十二間 同鹽濱〈至二越浦一徑測五丁一十二間〉 六町五十三間 清水浦、三十二度四十七分、 一里九町五十間 越浦二里一十六町六間 三崎浦、三十二度四十八分、〈至二當麻濱一徑測八丁三十九間〉 一里三十二町三十七間半〈至二戸崎一二二十丁三間〉 三崎浦當麻濱 一里四町二十七間 下川口浦、三十二度四十六分、 一里二十五町五十三間 大津浦、三十二度四十六分、 二里二十九町一十七間〈至二尾朴崎一一里二十九丁二十五間半〉 周防形浦 一里二十五町一十四間 古間目浦、三十二度四十七分半、 一里三十町 一切浦〈至二柏島一一里五十四間〉 六町四十六間 同鯛ケ濱〈至二龍ノ濱一二十五丁二十八間半〉 一里二十町四十四間 天地(アマチ)浦 三里一十間〈至二橘浦一一二二〉
p.0894 〈十四丁五十間半〉 泊浦 二里一十二町四十八間半 小盡浦榊浦田土 一里三十三町三十八間 小盡浦、三十二度五十三分半、 五十間半 同七日島濱〈至二湊浦一徑測一十九丁五十四間半〉 一里一十七町二十七間半 湊浦 一里三十四町五十九間 宿毛村濱、〈至二宿毛杖宿所一汎測一十丁四十八間〉三十二度五十七分、 一里一町五十六間半 同加波 一十九町四間半〈至二加波崎一八丁四十三間〉 同西濱 三十二町一十四間 同藻津(モクツ)、三十二度五十六分、 一里二十七町四間半〈至二國界一九丁五十二間半〉 伊豫國宇和郡外海浦脇本浦西泊〈◯中略〉 從二土佐國高知街道一歴二笹ヶ峯一至二川之江一 土佐國土佐郡高知種崎町 三里一十三町三十三間〈至二山田橋一七丁九間〉 長岡郡比江村 二里二十二町五十一間 穴内村 三里三町一十二間〈至二國見峠一一里一十丁五十四間〉 本山村 二里一十八町一十二間 川口村 二里八間半 立川村千本 三里二十九町六間〈至二國界笹ケ峯一二里一十五丁四間半〉 伊豫國宇摩郡馬立村
〔南海通紀〕
〈一〉
p.0894 四國路徑記〈◯中略〉通考 夫土佐國安岐郡ノ天山南海ノ中ニ出ル事七里ニシテ、阿波國ノ墻屏ヲ成ス、其灘ヲ廻ル事、險阻迂遠ニシテ通達シ難シ、故ニ上古ヨリ豫州ヲ經テ上京シ、土州ノ徭役ヲ勤ム、今是ニ因テ是ヲ言上シ、許ヲ被リテ山路ヲ作ル、險難ノ山ヲ切拔テ十一里ヲ經テ阿州ヘ出ル、四十八坂又大坂ヤ八坂坂半トシテ艱難ノ道也、今ニ之ヲ往來ス、人家モ無キ山中十一里ヲ經テ、阿州境ノ甲ノ浦ニ出ル也、
〔續日本紀〕
〈八元正〉
p.0894 養老二年五月庚子、土左國言、公私使直指二土左一、而其道經二伊與國一、行程迂遠、山谷險難、但阿波國、境土相接、往還甚易、請就二此國一、以爲二通路一、許之、
〔日本後紀〕
〈十二桓武〉
p.0894 延暦二十四年四月甲辰、令下土左國帶二驛路一郡加二置傳馬五匹一、以二新開之路、山谷峻深一也、
〔延喜式〕
〈二十八兵部〉
p.0894 諸國驛傳馬〈◯中略〉
p.0895 土佐國驛馬〈頭驛、吾椅、舟川各五疋、〉
〔日本國郡沿革考〕
〈二南海道〉
p.0895 土佐 古作二土左或都佐一、〈國造記〉中國、管二七郡、千七十六村一、〈天武十三年十月地震、土左國田苑、五十餘萬頃、沒爲レ海、〉 安喜〈百十村 延喜式等作二安喜一〉 香我美〈百四十七村 延喜式等作二香美一〉 長岡〈百四十七村古府治〉 土佐〈百三村〉 吾川〈六十九村〉 高岡〈二百二十村 承和八年八月、吾川郡八郷、分二四郷一、建二高岡郡一、〉 幡多〈二百八十村 古波多國、見二國造記一、延喜式等作二播多一、〉
〔日本地誌提要〕
〈六十四土佐〉
p.0895 沿革 古ヘ國府ヲ長岡郡ニ置、〈今比江村ノ南ニ府址アリ〉文治ノ末、源頼朝、佐々木經高ヲ以テ守護トナシ、豐島朝經、三浦義村等相繼テ職ヲ襲グ、承久ノ亂、北條義時、土御門天皇ヲ香美郡〈岸本村常樂寺ヲ以テ行宮トナス〉ニ遷シ、尋テ阿波ニ遷幸ス建武中興、藤原兼光ヲ以テ州守ニ任ズ、足利尊氏ノ反スル、其將細川定禪ヲシテ本州ヲ侵掠セシメ、州豪長曾我部、安藝、吉良諸氏ヲ降シ、因テ細川氏ヲシテ本州ヲ管セシム、天授ノ末、足利義滿、細川頼益ヲ以テ守護トナシ、田村城〈香美郡〉ニ治ス、應仁ノ亂、頼益ノ曾孫勝益上京シテ其宗家ヲ援ク、是ニ於テ州内携貳シ、長曾我部、〈長岡郡岡豐〉本山、〈同郡本山〉安藝〈安藝郡土居〉山田、〈香美郡山田〉吉良、〈吾川郡弘岡〉大平、〈高岡郡蓮池〉津野、〈同郡羽山〉七族、各郡邑ニ據ル、文明十年、左大臣一條教房、其子房家ト共ニ亂ヲ避テ來奔ス、長曾我部文兼等七族相議シテ、房家ヲ奉ジテ主トナシ、奏請シテ國司ニ任ジ、幡多郡中村ニ治シ、七族倶ニ政ヲ輔ク、永正中、文兼ノ孫兼序頗ル專横、本山茂光、大平元國等ニ殺サル、一條房家、兼序ノ遺弧國親ヲ撫シ、其長ズルニ及テ舊邑ヲ與ヘ、本山茂宗〈茂光ノ子〉等ト和セシム、天文八年、房家薨ジ、子房冬、孫房基、相繼テ早世シ、曾孫兼定嗣ギ、一條氏稍衰フ、國親等七族互ニ相鬩ギ、二十年、國親山田元義ヲ擊テ之ヲ下シ、本山茂宗亦吉良氏ヲ滅シ、土佐吾川二郡ヲ併セ、朝倉城〈土佐郡〉ニ徙ル、永祿三年、國親死シ、子元親嗣ギ、勢漸ク強盛、本山茂辰〈茂宗ノ子〉ヲ逐ヒ、大平氏ヲ滅シ、十二年、安藝國虎ヲ殺シ、尋テ津野勝興ヲ下シ、悉ク六郡ヲ併呑ス、時ニ一條兼定僅ニ幡多一郡ヲ保シ、遊宴ニ耽ル、天正元年、兼定其下ニ廢セ
p.0896 ラレ、子内政立、元親兼定ヲ豐後ニ逐ヒ、内政ヲ大津〈長岡郡〉ニ徙シ、終ニ全州ヲ奪ヒ、兵ヲ出シテ隣州ヲ侵シ、阿波ヲ取ル、八年、内政ヲ伊豫ニ放チ、一條氏亡ブ、〈五世一百二年〉元親尋テ伊豫讃岐ヲ併セ、自ラ四國ノ主ト稱ス、十三年、豐臣氏將ヲ遣テ南征シ、其三州ヲ削リ、元親ニ本州ヲ與フ、文祿中、徙テ浦戸〈吾川郡〉ニ治ス、慶長四年元親卒シテ子盛親嗣グ、關原ノ役、西軍ニ屬ス、徳川氏其封ヲ奪テ之ヲ山内一豐ニ賜ヒ、高知ニ治シ、世襲、明暦二年、一豐ノ孫忠豐其弟忠直ヲ中村ニ分封ス、〈後二世豐明收封セラル〉安永九年、忠豐ノ後六世豐雍(チガ)、同族豐産(ダヽ)ニ新田壹萬三千石ヲ分ツ、王政革新、廢シテ高知縣ヲ置、
〔先代舊事本紀〕
〈十國造〉
p.0896 都佐國造 志賀高穴穗朝〈◯成務〉御代、長阿比古同祖三島溝杭命九世孫小立足尼定二賜國造一、 波多國造 瑞籬朝〈◯崇神〉御世、天韓襲命依二神教云一定二賜國造一、
〔續日本紀〕
〈十五聖武〉
p.0896 天平十五年六月丁酉、外從五位上引田朝臣虫麻呂爲二土左守(○○○)一、
〔吾妻鏡〕
〈十二〉
p.0896 建久三年十月十五日甲寅、左女牛若宮領、土佐國吾河郡、京都大番役之外、被レ停二止公事一、但件役猶爲二別當秀嚴〈惟光子廣元舍弟〉沙汰一可二催勤一者、以二其旨一下二知守護人(○○○)中務丞經高一云云、行政盛時等奉行云云、
〔吾妻鏡〕
〈十六〉
p.0896 正治二年八月二日乙酉、佐々木中務丞經高蒙二御氣色一、淡路、阿波、土佐以上三箇國守護職以下所帶等、被レ召二放之一、以二其趣一所レ被レ申二京都一也、是日來聊依二罪科一雖レ被レ經二沙汰一、勳功異レ他之間、暫相宥之處、爲二洛中警衞之士一、令レ騷二京都一背二叡慮一之條、難レ及二私寛宥一之旨、再往被レ經二沙汰一如レ此云云、
〔土佐軍記〕
〈上〉
p.0896 土佐守護 土佐七郡と申は、幡多、高岡、吾川、土佐、香我美、長岡、安喜七郡也、是に御所壹人(○○○○)、守護七人(○○○○)有、
〔南海通紀〕
〈七〉
p.0897 四國并近國錯亂記 土佐國ハ七郡ニシテ、上世七人ノ郡司アリ、其下ニ七十二人ノ國人士アリ、昔頼朝卿ノ御時、香美郡ノ住人夜須七郞行宗ト云者、源家ニ忠アル故ニ、香美長岡二郡ヲ賜テ鎌倉殿ノ仕承トシテ、國中ノ成敗ヲ掌シム、行宗ハ同郡ノ曾我部ヲ以テ臣トス、香美郡ニ居ルヲ香曾我部トシ、長岡郡ニ居ルヲ長曾我部トス、行宗世々ノ後、國務ニ惰リ、兩曾我部ヲ以テ七人ノ郡司ノ事ヲ掌シメテ、夜須氏ハ安佚ヲ旨トシ、國中ノ事ヲ與聞事ヲ不レ得シテ二郡ノ權ヲ失フ、爰ニ土佐ノ幡多郡ハ四國ノ要地ニシテ公領タリシガ、應仁亂ノ後、將軍家ノ奉公人ナクシテ國政行レズ、故ニ細川執事ノ計トシテ、大永元年ニ、一條房家公ヲ申下シ、幡多郡一萬貫ノ地ヲ獻ジテ土佐ノ國司ト定メ、七郡ノ旗頭各一條殿ノ命ヲ奉シム、〈◯中略〉長曾我部〈◯元家〉遺恨ヲ起シ、一條殿ノ命ヲ不レ用シテ、私ノ弓矢ヲ取起シ、本山、吉良、大比羅ヲ攻伏、竟ニ一國ヲ合呑シテ土佐ノ幡多ニ至ル、〈◯下略〉
〔倭名類聚抄〕
〈五國郡〉
p.0897 土佐國〈國府在二長岡郡一、行程上三十日、下十八日、〉
〔土佐日記〕
p.0897 ある人あがたのよとせいつとせはてヽ、れいのことヾもみなしをへて、げゆなどとりてすむたちよりいでヽ、ふねにのるべきところへわたる、
〔土佐幽考〕
〈長岡郡〉
p.0897 宗部〈曾我部〉 比江、國分、八幡三村是也、〈◯中略〉國分村國分寺在處、比江村古國府也、村後山在二日吉社一故爲レ名、天正年中、泰氏地撿帳題二當村作衙府中村中有廳蹟一、古瓦小片出二其田底一、土人謂二其田字一、西有二總社一、〈近世遷二國分寺境内一〉村艮有二大礎石一、受レ柱圓穴亘二尺五寸、深三寸、於二其中間一又構二小穴一、亘五寸、深三寸、此處亦瓦片出、皆非二近代物一、往年里人堀二出得菊花全紋瓦一云、
〔倭名類聚抄〕
〈五國郡〉
p.0897 土佐國〈◯註略〉管七〈◯註略〉安藝 香美〈加々美〉長岡〈奈加乎可、國府、〉土佐 吾川〈安加波〉高崗〈太加乎加〉幡多〈波太〉
〔延喜式〕
〈二十二民部〉
p.0898 土佐國、中、〈管 安藝(アキ) 香美(カミ) 長岡(ナカヲカ) 土佐(トサ) 吾川(アガハ) 高岡(タカヲカ) 幡多(ハタ)〉 右二爲遠國一
p.0898 土佐國〈七郡〉 安藝(アキ) 〈田浦 ●竹ヤシキ △安田川 △アキ川 安藝 △東寺 △西寺 阿界〉 香美(カミ)〈●窪田 ワシキ 別府 △物部川 阿界〉 長岡(ナカヲカ)〈●タ子サキ ＜本山 豫界〉 土佐(トサ) 〈高知 ●寺川 豫界〉 吾川(アカハ)〈●池川 國中ヲ横ギル小郡〉 高岡(タカヲカ)〈●燒山 △花山帝陵 ●上ノカヤ ●與津 ＜窪川 ●ユツハラ 右ニ同〉 幡多(ハタ)〈●下山 ＜宿毛 ＜中村 ●伊田 南出崎〉 ◯按ズルニ、本書及ビ次下ノ郡名異同一覽ノ符號ハ、山城國篇郡條ニ引ク所ノ、二書ノ凡例ヲ參照スベシ、
〔郡名異同一覽〕
p.0898 土佐
〔土佐幽考〕
p.0899 香美郡〈◯註略〉長岡郡〈◯註略〉土佐郡 上古蓋安藝、土佐、吾川、幡多四郡耳、續日本紀云、光仁天皇寶龜九年三月己酉、土左國言、去年七月風雨大切、四郡百姓産業損傷、加以二人畜流亡盧舍破壞一、詔加二賑給一、此其證也、寶龜以來延喜以前、割二土佐一建二長岡一、割二長岡一建二香美郡一、如何者、鏡野諸村一堆二長岡一、而在二香美長岡兩郡中央一、東西二里許、南北十餘町、東自二鏡河水涯一西至二坂折山麓一、遠望難レ極レ眼、南北斷岸巍立、直下二近村一、斯知上長岡郡名起一レ之、今三分二屬二香美郡一、依レ割二長岡郡一也、〈◯中略〉 吾川郡 高岡郡 吾川高岡舊一郡也、郡中有二吾川一〈是所レ謂贄殿川也〉郡名起レ之、〈◯中略〉高岡郡有二吾川郷一、〈此郷帶二吾川一〉今訛稱二波川村一、割二吾川郡一之時、其地入二高岡郡一、〈◯中略〉高岡郡中有二高岡郷一正由レ之也、
〔續日本紀〕
〈二十八稱徳〉
p.0899 神護景雲元年六月庚子、土左國安藝郡少領外從六位下凡直伊麻呂、稻二万束、牛六十頭、獻二於西大寺一、授二外從五位上一、
〔南海通紀〕
〈十一〉
p.0899 阿波屋形長治不レ辨二國家存亡一記
p.0900 元親〈◯長曾我部〉土佐一國ヲ合セ取テ阿州ヲ窺ントス、是ニモ用心セズシテ野根甲ノ浦ヲ元親ニ取ルヽ、此二ケ所ハ土佐ノ國ノ内ナレドモ、安喜郡(○○○)ヨリ野之山トテ行程十里ノ山路難所ナレバ、取ツヾキ難キ所也、阿州海部ヨリ村里ツヾキテ一國ノ如シ、
〔南海通紀〕
〈十二〉
p.0900 安岐山城守攻二元親一記 安岐郡(○○○)ハ壽永ノ比、安岐ノ大領實康ヨリ不易ノ郡司也、采地五千貫領シテ土州ノ東端也、元親〈◯長曾我部〉ト六里隔テ東西ニアリ、
〔日本後紀〕
〈十二桓武〉
p.0900 延暦二十四年五月戊寅、授二土左國香美郡少領外從六位上物部鏡連家主爵二級一、〈◯下略〉
〔土佐幽考〕
p.0900 香美郡〈◯註略〉長岡郡〈◯註略〉土佐郡〈◯中略〉 寶龜以來延喜以前、割二土佐郡一建二長岡一、割二長岡一建二香美郡一、〈◯下略〉
〔釋日本紀〕
〈十二述義〉
p.0900 土佐國風土記曰、土左郡家西去四里、有二土左高賀茂大社一、其神名爲二一言主尊一、
〔續日本紀〕
〈二十九稱徳〉
p.0900 神護景雲二年十一月戊子、土左國土佐郡人神依田公名代等卌一人賜二姓賀茂一、
〔釋日本紀〕
〈十述義〉
p.0900 土左國風土記曰、吾川郡玉島、或説曰、神功皇后巡國之時、御船泊レ之、〈◯下略〉
〔吾妻鏡〕
〈五〉
p.0900 元暦二年〈◯文治元年〉十二月三十日己卯、令レ拜二領諸國地頭職一給之内、以二土佐國吾河郡一令レ寄二附六條若宮一給、彼宮者點二故廷尉禪室六條御遺跡一、被レ奉レ勸二請石清水一、以二廣元弟秀嚴阿闍梨一、所レ被レ補二別當職一也、
〔續日本後紀〕
〈十仁明〉
p.0900 承和八年八月庚申、土佐國吾川郡八郷、名分二四郷一建二二郡一、新郡號二高岡一、郡司者分二元四員一各置二二員一、
〔三代實録〕
〈四清和〉
p.0900 貞觀二年六月廿九日戊申、土佐國播多郡地一十町賜二施樂院一、
〔日本紀略〕
〈二朱雀〉
p.0900 天慶三年十二月十九日庚戌、土佐國言、八多郡(○○○)爲二海賊一燒亡、合戰之間、御方人並賊類
p.0901 多二中レ箭死者一
〔桃華蘂葉〕
p.0901 一家領並敷地等之事 土佐國幡多郡〈有二諸村村等一〉當時雖レ有二知行之號一、有名無實也、但應仁亂世以來、前關白令二下向一、于レ今在庄繼二渇命一者也、
〔南海通紀〕
〈十六〉
p.0901 西伊豫群將住所記 土佐ノ元親、元龜年中ニ、幡多郡ヲ治メラレテ後ハ、西伊豫ニ隣シテ其行程近シ、
〔倭名類聚抄〕
〈九土佐國〉
p.0901 安藝郡 奈半 室津〈牟呂都〉安田〈也須多〉丹生〈爾布〉布師〈布（布高山寺本作レ沼）乃之〉和食〈和之岐〉黒鳥〈久呂止利〉玉造〈多萬都久利〉 香美郡 安須 大忍〈於保左比〉宗我〈曾加〉物部〈毛乃倍〉深淵〈布加不知〉山田〈也萬多〉石村〈伊波牟良〉田村〈多無良〉 長岡郡 登利〈鳥加利◯鳥加利、高山寺本作二安賀利一、〉殖田〈宇惠多〉宗部〈曾加倍〉江村〈衣牟良〉大角〈於保都〉片山〈加多也萬〉氣良 篠原〈志乃波良〉大曾〈於保曾禰〉 土佐郡 土佐 高坂 鴨部 朝倉 神戸 吾川郡 仲村 桑原 大野 次田 高崗郡 高岡 吾川 海部 三井 幡多郡 大方 鯨野 山田 牧田 宇和〈◯和、高山寺本作レ知、〉
〔釋日本紀〕
〈十四述義〉
p.0901 土左國風土記曰、土左郡有二朝倉郷(○○○)一、郷中有レ社、神名天津羽羽神、天石帆別命、今天石門別神子也、
〔東大寺要録〕
〈六〉
p.0901 造寺司 牒三綱所 合奉レ宛封一千戸〈◯中略〉 土佐國一百戸〈土左郡鴨部郷(○○○)五十戸 吾川郡大野郷(○○○)五十戸〉 以前寺家雜用料、永配封、當年所レ輸之物爲レ始、奉レ宛如レ件、今以レ状牒、牒到准レ状、故牒
p.0902 天平勝寳四年十月廿五日〈◯署名略〉
〔土佐國幡多文書〕
p.0902 土佐國幡多郡上山郷(○○○)御地撿高目録 總田數合參百八拾四町九段四拾代四分勺内(本田貳百六拾貳町三反廿七代/出田百廿二町六反十三代四分勺)〈◯下略〉
〔源平盛衰記〕
〈十九〉
p.0902 文覺入定京上事 文覺〈◯中略〉角テ兵衞佐殿〈◯源頼朝〉ノ許ニ行向テ申ケルハ、〈◯中略〉サレバ院宣ヲ急ギ給ラント思給ハヾ、高雄ヘ庄園ヲ寄進有ベシト云ケレバ、佐殿ハ我身ダニモ安堵セズシテ、イカニトシテ奉ベシト宣フ、〈◯中略〉文覺ハ、手ニトリ得ツレバ必惜キ事也、ナキ物ハ惜カラズ、國モ廣博也、唯所知ヲ十餘所寄進シ給ヘトテ、紙硯取向(トリムケテ)、〈◯中略〉土佐國ニハ高賀茂郷(○○○○)ヲ始トシテ、十三箇所ヲ撰出シ、ソレソレト云ケレバ、〈◯下略〉
〔南路志〕
〈二闔國〉
p.0902 香宗我部隼人所藏文書曰 讓與 土佐國香美郡内香宗我部郷(○○○○○)地頭職事 郷内在村々本郷〈菟田 須留田 造手 千頻以下〉 四至〈限二東大忍庄堺鎌田畔一 限二南大海一 限二西源淵堺鳥川切石〈乃〉通〈利〉一 限二北立山横峯一〉 右於二當郷地頭職一者、元暦建久先祖秋家秋通令二拜領一、右大將家〈◯源頼朝〉御下文以來、迄二于性海一七代、相傳知行無二相違一所レ領也、〈◯中略〉 康永四年九月廿六日 沙彌性海〈花押〉
〔秦山集〕
〈四十七祝詞〉
p.0902 奉レ告二伊勢内外宮一祝詞〈代二橘倫氏一〉 謹請再拜、再拜、元祿十六年癸未十一月十六日戊午、土佐國宰山内藏人橘倫氏、〈◯中略〉倫氏家世所レ知曰二宿毛郷(○○○)一、宿毛管内有二柏島一、其所レ隷百町、宿毛之有二柏島一、譬如二手之有レ指木之有一レ枝、一體而不レ可レ判也、數十年來、我親族保レ之、轉相繼承、逐成二一家一、〈◯下略〉
〔郡名一覽〕
p.0903 一土佐國(皆私領) 〈土州 東西二日〉 七郡 高貳拾六万八千四百八拾四石九斗七升四合 千七拾六ケ村 ●高智 ◯按ズルニ、本書ノ符號ハ、山城國篇村里條ニ引ク所ノ、本書ノ凡例ヲ參照スベシ、
〔郡國提要〕
p.0903 土佐 七郡、千七十六村、 高三十三万二十六石五斗二升(皆私領) 安喜郡百十村 香我美郡百四十七村 長岡郡百四十七村 土佐郡百三村 吾川郡六十九村 高岡郡二百二十村 幡多郡二百八十村
〔地勢提要〕
〈坤〉
p.0903 郡邑島嶼奇名 土佐 安喜郡、河内(カハチ)村、生見(イクミ)村、奈半利(ナハリ)村、和食(ワジキ)浦、葛(クヅ)島、香我美郡、手結(テイ)浦、夜須(ヤス)村、長岡郡、十市(トウチ)村、吸江(ギウコウ)村、介良(ケラ)村、土佐郡、下知(シモチ)村、高知(カウチ)、莇野(アゾフノ)村、宍崎(シヽサキ)村、吾川(アガハ)郡、御疊瀬(ミマセ)浦、續(ツヽキ)島、高岡郡、新居(ニヰ)浦、久通(クツウ)浦、多野郷(オホノゴウ)村、神田(カウダ)村、戸(ヘ)島、雙兒(フタゴ)島、幡多(ハタ)郡、名鹿(ナシ)村、下茅(シモカヤ)浦、鍵懸(カイガフ)村、久百(クモヽ)浦、猿野(マシノ)渡、爪白(ツマシロ)村、小才角(コサイヅノ)浦、古間目(コマメ)浦、一切(イツサイ)浦、天地(アマチ)浦、大海(オホミ)浦、外(トノ)浦、藻津(モヅ)村、蒲葵(ヒロウ)島、
〔南路志〕
〈二莊園〉
p.0903 長岡郡吸江寺所藏文書曰、土佐國吾川山庄内上谷川村(○○○○)事、〈◯中略〉 文和三年二月晦日 三浦下野守
〔秦山集〕
〈一詩〉
p.0903 中村(○○)七曲秋高栗本城、黄粱漠漠紫茄傾、渡川無レ策比年溢、崩岸有レ舟盡日横、三万石中平若レ掌、一條公跡絶存レ名、方今四海弟兄日、土左幡多見二世情一、〈中村土佐國子城、所レ隷地三万石、國君親族領レ之、七曲地名、栗本古城、在二具同一、渡川崩岸皆水名、一條公房家、房冬、房基、兼定、内政也、考二藤譜一妙華院亦薨二于此一云、古城今名二愛宕町一、〉
〔土佐幽考〕
〈土佐郡〉
p.0903 高坂(○○)
p.0904 在二土左郷之西一、中世分二東西二村一、西謂二小高坂(○○○)一、東謂二大高坂(○○○)一、大高坂今城府也、慶長七年、一豐君移二浦戸城於此地一、號二河中山一、寛永年中、忠義君又改二高知山一、
〔土佐州郡志〕
〈土佐郡〉
p.0904 高知(○○)〈舊名國澤(○○)、後更二高知一、東西三十一町五十間、南北八町十間、諸士第宅縱横八町餘、其餘、市并分二城東西一、市中戸凡三千六十七、〉 府城 國君之常居也、山舊名大高坂、往昔大高坂長門守者據二守此山一、慶長中、一豐公始營二修城隍一、更名二河中山一、殿宇森嚴、規模壯麗、允爲二億萬年之基一、
〔南路志〕
〈十六土佐郡〉
p.0904 高知 〈地千二百五十六石二斗三升六合、士屋敷、商家共町中、竪町東西道範三里二十丁三十三間一尺、〈三十六丁一里〉横町南北一里十八丁廿一間、町之東西二十八町、南北八丁、〉 一豐公、慶長六年辛丑六月、國澤之内、大高坂山を城地ニ被レ定、同八年癸卯、御本丸御成就ニ付、御城名可レ奉レ附眞如寺在川和尚江被二仰付一處、南北之川中之依レ爲レ城、河中(○○)と被レ奉レ附、慶長十五年庚戌年迄、度々南北之川洪水ニ付、再忠義公地鎭、五臺山空鏡上人〈江〉被二仰付一、城地高知山(○○○)と空鏡上人被レ奉レ附、
〔平治物語〕
〈三〉
p.0904 頼朝遠流事附盛安夢合事 今一人ノ男子ハ、駿河國ニ香貫ト云者搦出テ平家ヘ奉レバ、希義ト云名ヲ付テ、土佐國【氣良】(キラ)ト云所ヘ被レ流テ御座ケレバ、氣良冠者トゾ申ケル、
〔長門本平家物語〕
〈四〉
p.0904 丹波少將は、備中のくに妹尾の湊ゆく井といふ所より御船に召して、波路はるかにこぎうかぶ、〈◯中略〉高く聳えたる遠山のはるかに見えければ、あれはいづくぞと少將問給わへば、土佐のはた(○○)、足摺みさきと申ければ、〈◯下略〉
〔源平盛衰記〕
〈十三〉
p.0904 熊野新宮軍事 所詮東國ノ勢ノ馳上ラヌ前ニ、宮〈◯以仁王〉ヲ取奉テ、土佐ノ畑ヘ流シ奉ルベシトゾ被レ定ケル、
〔南海通紀〕
〈十二〉
p.0904 東方野根城陷記
p.0905 安喜ノ東ニ野根山トテ、十里ノ大山ヲ越テ野根(○○)ト云所アリ、阿波ノ海部、宍咋ニ並ブト云ヘドモ土佐ノ内也、此領主ヲ野根殿ト云、
〔秦山集〕
〈一詩〉
p.0905 宿毛(○○) 出レ府而今三十日、荷擔暫卸宿毛郷、野田昔日武平城、〈野田甚左衞門古城〉繩直準平樹蒼蒼、牛瀬〈繞二宿毛東南一〉混混青二於藍一、鯉兮鰻兮肥逸狂、放レ舟直下是錦口、〈宿毛西〉歩亭仰看山崢嶸、土豫噴薄天正役、烈風拂レ葉取二新城一、〈即崢嶸者〉環海中心有二大島一、〈即島名、在二錦南一、〉蛤蜊腸胃胎二蟹蟚一、〈錦口大島洲渚往往有レ之、本草無二此種一、雜書載二上總國東金産蟹蛤一、蓋此類歟、〉南北東西一圓鏡、篠峯突兀出二翠黛一、〈自二大島一望レ北之状〉酣飮浩歌非レ無レ由、風物往往有二姿態一、邑士從來多二文雅一、好解二銜勒一且相對、
〔秦山集〕
〈四十四記〉
p.0905 土佐國安藝郡白濱(○○)五社明神社記〈代二明神氏一〉 白濱在二土佐國安藝郡一、三面阻レ山、一面向レ洋、土壤磽鹵、不レ生二草木一、境界荒僻、不レ育二人物一、眞所レ謂膂宍胸副國也、道喜昔上二言國衙一曰、臣少經二行陳一、性尤數奇、横槊衽革之懷、未三嘗忘二乎心腑一、今此沙漠不毛之地、其在二版圖一也、雞肋且不レ齒、委二之魑魅竄鼬一、於レ官何有、臣少粗聞二古昔屯耕之緒餘一、儻付レ臣以二經畫之權一、巘原陟降、錢銍庤父、臣雖二不敏一不二敢辭一也、若其國家昇平也、使三丁男蠶婦、衣二食壭畝一、一日有レ儆也、率二励卒馬一以赴二武功一、則於二朝家一不レ煩二經費一、而在レ臣足レ償二宿心一也、草莽賤士、未レ卜二譏嫌一、而豈圖明鑒炤燭、芻蕘不レ遺、寛永壬申、〈◯九年〉先邦君竹巖院忝賜二臣御判一、領二知白濱一圓一、除二軍興一外蠲二免諸役一、國宣一降、惠流二千載一、臣不レ勝二感激銘肝之至一、道喜因念、白濱膂宍胸副國也、苟非三生レ草生レ木生レ人生レ馬生二鳥磐橡樟船一不レ能二一朝居一焉、非二神明經營一孰能與二於此一乃相二濱之日高一、豫擬二五社明神之社一、所下以萃二聚天人一資中其威靈上也、海濱植レ松成レ林、外防二瘴霧一内蓄二風氣一、所三以醇二生物之力一也、松林以南作二鹽竈一、伐二菹薪一以煮二海水一、松林之北傍二驛路一、構二聚落一以比二墟市一、凡此皆所下以招二徠農商一安中泊旅客上也、施設苟完、三二十有八年于茲一、鹹鹻漸蕩滌、淡水益浸潤、秋穎八握、荏菽斾斾竹樹茂密、華葉駢植、凡所二食レ毛縛レ茅婚嫁往來一者、幾四百餘人、宛然常世郷矣、〈◯中略〉 寛文九年六月望日、白濱領主明神氏信勝入道道喜居士謹記、
〔吾妻鏡〕
〈二〉
p.0906 養和二年〈◯壽永元年〉九月廿五日癸巳、土佐冠者希義者、武衞弟也、〈母季範女〉去永暦元年、依二故左典廐〈◯源義朝〉縁坐一配二流于當國介良庄(○○○)一處、近年武衞於二東國一擧二義兵一給之間、稱レ有二合力疑一可レ誅二希義一由、平家加二下知一、仍故小松内府家人、蓮池權守家綱、平田太郞俊遠〈各當國住人〉爲レ顯レ功擬レ襲二希義一、希義、日來與二夜須七郞行家一〈土州住人〉依レ有二約諾之旨一、辭二介良(ヒラギ)城一向二夜須庄(○○○)一、于レ時家綱俊遠等、追二到于吾河郡年越山一誅二希義一訖、
〔吾妻鏡〕
〈四〉
p.0906 元暦二年〈◯文治元年〉三月廿七日庚戌、土佐國介良庄住侶琳猷上人參二上于關東一、是有レ功二于源家一者也、 五月二日甲申、土左上人琳猷歸國、令レ止二住關東一、可レ掌二一寺別當職一之由、頻雖二抑留給一、於二土左冠者墳墓一、可レ凝二佛事一之旨、申請之間、有二御餞別會一、又上人住所介良庄、恒光名、津崎在家被レ停二止萬雜事一畢、加之此上人依レ訪二故希義主夢後一、爲レ酬二其志一、可二賞翫一之趣、被レ仰二土左國住人等一云云、
〔南路志〕
〈二莊園〉
p.0906 高岡郡多郷村賀茂社本地佛裏書曰、土州高岡郡津野庄(○○○)多野郷加茂本地佛、壽永二年正月日、〈◯中略〉 幡多郡足摺山所藏文書曰、寄二進香山寺一〈在二土佐國幡多御庄(○○○○)本郷内一〉領田參町事〈中略〉嘉禎三年〈歳次丁酉〉十月十八日、法橋上人位、〈花押〉
〔古文書類纂〕
〈上處分状〉
p.0906 後深草天皇建長二年關白藤原道家處分状 總處分 條々事〈◯中略〉 一家地文書庄園事〈◯中略〉 尚侍殿〈◯中略〉 別當三位讓進庄々〈◯中略〉 土佐國安藝庄(○○○)〈◯中略〉 前攝政〈◯中略〉 新御領〈◯中略〉 土佐國幡多郡 本庄(○○) 大方庄(○○○) 山田庄(○○○) 以南庄(○○○)〈◯中略〉 建長二年十一月 日 愚老〈在御判〉
〔元亨釋書〕
〈十三明戒〉
p.0906 釋忍性、姓伴氏、和州磯城島人也、〈◯中略〉性詣二四天王寺一聞二豐聰太子四院〈施藥、療病、悲田、敬田、〉事一志慕焉、自レ此處々構二療病悲田之院一、其桑谷療病所、二十歳間痊者四萬六千八百人、死者一萬四百五十人、已而活者踰二五之四一也、是役也、平副帥時宗發レ之、性輔成レ之、故以二土州大忍莊(○○○)一充二其費一、遠至二龍華一也、
〔南路志〕
〈二莊園〉
p.0907 下總國香宗我部隼人所藏文書曰、〈有二宗尊親王花押一略〉可レ令二早僧禪源致一レ沙二汰土佐國大里庄(○○○)内若王子宮別當職一事〈中略〉 弘安九年十二月〈◯中略〉 安藝郡崎濱村八幡宮鰐口銘曰、土州安喜郡佐貴濱庄(○○○○)八幡宮神前、正慶元年壬申十月朔日、大勸進沙門圓眞敬白、 安藝郡西寺所藏文書曰、當國最御崎寺領室津潮江兩庄(○○○○○○)事、任二度々勅裁并官符之旨一、寺家知行不レ可レ有二相違一、仍執達如レ件、 建武二年四月十三日 土佐守(兼光) 謹上 淨印上人御房
〔壬生文書〕
〈綸旨院宣御教書等〉
p.0907 陸奧國安達庄〈◯中略〉 土左國吉原庄(○○○)〈◯中略〉 右庄々知行不レ可レ有二相違一者、院宣如レ此、仍執達如レ件、 建武三年十二月廿六日 參議〈花押〉 大夫史殿〈◯壬生匡遠〉
〔攝津親秀讓状〕
p.0907 讓與 一總領能直分〈◯中略〉 土佐國田村庄(○○○)〈◯中略〉 暦應四年八月七日 掃部頭親秀 判
〔南路志〕
〈一郡郷〉
p.0907 香宗我部隼人所藏文書曰 可下早停二止兵粮米催一大炊寮使上レ補二土左國香宗我部保(○○○○○)一事 右件保重色異レ他、早可レ令レ停二止兵粮米催、山下狼藉一之状、所レ仰如レ件以下、 承久三年八月一日 武藏守平〈花押〉 相模守平〈花押〉
〔南海通紀〕
〈十七〉
p.0908 羽柴内府公四國配分記 土佐國 長曾我部宮内大輔元親ニ賜
〔慶應元年武鑑〕
p.0908 松平土佐守豐範(大廣間 從四位少將元治元子七月任) 二拾四万二千石 居城土佐土佐郡高智〈江戸ヨリ〉海陸二百三十五里、 〈城主長曾我部氏居レ之、慶長五ヨリ山内土佐守一豐、以後代々領レ之、〉 山内攝津守豐福(柳間 朝散大夫) 一万三千石 在所土佐高智新田〈道法同斷元祿十一寅年ヨリ下總武射郡小池代々領レ之、安永九子十二月、土佐守豐雍依レ願新田一万石内證分、◯節略〉
〔延喜式〕
〈二十六主税〉
p.0908 諸國出擧正税公廨雜稻〈◯中略〉 土佐國正税公廨各廿万束、國分寺料一万束、文殊會料一千束、修理安祥寺寶塔料五千束、修理池溝料二万束、救急料六万束、俘囚料三万二千六百八十八束、
〔倭名類聚抄〕
〈五國郡〉
p.0908 土佐國〈◯註略〉管七〈（中略）正公各二十萬束、本穎五十二萬三千七百三十八束、雜穎十二萬三千七百三十八束、〉
〔倭名類聚抄〕
〈五國郡〉
p.0908 土佐國〈◯註略〉管七〈田六千四百五十一町八歩〉
〔海東諸國記〕
p.0908 土佐州 郡七、水田六千二百二十八町、
〔前關白秀吉公御檢地帳之目録〕
p.0908 九万八千二十石 土佐
〔南路志〕
〈八闔國〉
p.0908 七郡地數 寛永十一年改 安藝郡二萬千七百廿石壹斗六升七合 九十七ケ村 内〈壹万五千八百五十石八斗三升七合 田 五千八百六十九石三斗三升 畠〉 外〈七百六拾七石七斗貳升貳合 新田〉 香美郡三萬千貳百七拾貳石一斗三升五合 百廿三ケ村
p.0909 内〈貳万五千貳百三十九石八斗七合 田 六千三拾貳石三斗貳升八合 畠〉 外〈四百八十六石八斗七合 新田〉 長岡郡二萬八千百八十八石八斗九升貳合 百廿七ケ村 内〈貳万貳千九百五十七石三斗八升六合 田 五千貳百三十一石五斗六合 畠〉 外〈三千六十四石三斗八升九合 新田〉 土佐郡一万九千九拾石八斗三升四合 百貳ケ村 内〈壹万四千四百七拾貳石八斗五升六合 田 四千六百十七石九斗七升八合 畠〉 外〈四千四百九十六石九升九合 新田〉 吾川郡貳万千四百廿一石貳斗三升貳合 六拾八ケ村 内〈壹万千八百六十壹石貳斗三升三合 田 九千五百五十九石九斗九升 畠〉 外〈三百九十貳石六斗六升 新田新潮田〉 高岡郡五萬六千百八十四石五升四合 貳百一ケ村 内〈四万三千九百七十五石九斗三升 田 壹万二千貳百八石壹斗貳升七合 畠〉 外〈千貳百六十六石四升五合 新田新潮田〉 幡多郡六萬九千七百四石五斗九升一合 貳百五十三ケ村 内〈五万八千六百石貳斗六升 田 壹万千百四石三斗三升壹合 畠〉 外〈四百十九石貳斗四升四合 新田新潮田〉 合貳拾四万七千五百八拾一石九斗八合 内〈拾九万貳千九百五十八石三斗九升 田 五万四千六百貳拾三石五斗九合 畠〉 外〈壹万八百九十石九斗六升六合 新田新潮田〉
p.0910 元祿十二年改 安藝郡貳萬二千百八拾壹石九斗九升九合 百十ケ村 香美郡三萬九千六百十石九斗三升 百四十七ケ村 長岡郡三萬六千五百四十九石四斗貳合 百四十七ケ村 土佐郡貳萬七百八十四石九斗貳升 百三ケ村 吾川郡貳萬千七百五十石四升九合 六十九ケ村 高岡郡五萬七千三百廿八石九斗七升六合 貳百廿ケ村 幡多郡七萬二百七十八石六斗四升八合 貳百八十ケ村 都合貳十六萬八千四百八十四石九斗七升四合 村數千七十六ケ村 右者御國新御繪圖被二仰付一、依レ之長宗我部元親地撿帳を以相二改之一、右潰候村者指二除之一、出來村者居レ之、新田之地高村附候〈茂〉記二加之一候、以上、 元祿十二卯年十二月三日 渡邊又五郞〈◯以下五人略〉
〔日本鹿子〕
〈十三〉
p.0910 土佐國七郡、中上國、東西二日、〈◯中略〉知行高二十万二千六百二十石、
〔官中秘策〕
〈五〉
p.0910 土佐國 七郡〈◯中略〉 一石高貳拾六万八千四百八拾四石餘
〔吹塵録〕
〈五人口及國高〉
p.0910 天保度御國高調〈◯中略〉 土佐國〈皆私領〉 一高三拾三万貳拾六石五斗貳升
〔延喜式〕
〈十五内藏〉
p.0910 諸國年料供進〈◯中略〉 櫑子〈（中略）土佐廿六箇國各四合〉
〔延喜式〕
〈二十三民部〉
p.0910 年料舂米〈◯中略〉 土佐國〈大炊四百石◯中略〉 年料租舂米〈◯中略〉 土佐國〈五百石◯中略〉
p.0911 年料別貢雜物〈◯中略〉 土佐國〈零羊角四具、黄楊六枚、◯中略〉 諸國貢レ蘇番次〈◯中略〉 土佐國十壺〈四口各大一升、六口各小一升、〉 右十四箇國爲二第六番一〈子午年◯中略〉 交易雜物〈◯中略〉 土佐國〈龜甲四枚、煮鹽年魚五缶、紫菜一百五十斤、苫廿五枚、櫑子四合、〉
〔延喜式〕
〈二十四主計〉
p.0911 土佐〈◯中略〉 右廿五國中絲〈◯中略〉 土佐 右廿九國輸レ絹 土佐國〈行程上卅五日、下十八日〉海路廿五日 調、緋帛卅疋、縹帛十五疋、堅魚八百五十五斤、自餘輸レ絹、 庸、白木韓櫃十四合、自餘輸二綿、米一、 中男作物、龜甲十枚、紙、胡麻油、堅魚、雜魚䐹、煮鹽年魚、鯖、
〔延喜式〕
〈三十七典藥〉
p.0911 諸國進年料雜藥〈◯中略〉 土佐國十三種 獨活、細辛各二斤、牛膝三斤、昌
、升麻各四斤、苦參九斤、木斛十三斤、栝樓七斤、署預一斗二升、桃人、車前子各四升、秦椒一升、決明子二升、呉茱萸二斗、
〔延喜式〕
〈三十九内膳〉
p.0911 年料〈◯中略〉 土佐國〈押年魚一千隻、煮鹽年魚五缶、〉
〔庭訓往來〕
p.0911 土佐材木
〔毛吹草〕
〈三〉
p.0911 土佐 駒 猿 節鰹 シクチ 同鹽引 同カラスミ〈鯖ノ子ヨリ宜ト云〉 猿貝 流貝 海蘿(フノリ) 大米餅〈白米ナリ〉 ハツタイ 太布 色紙 本川(ホンカウ)青苔 西寺御崎硯石〈三月三日鹽干ニ海底ヨリ取也、時刻ニ西寺ノ僧經ヲ讀誦スル也、〉 志良賀山檜柱 檜皮(ヒワダ)〈此外諸木多〉 明松(アカシマツ) 帆柱 スクリ〈舟ノ綱ニ用也、檜ヲ割タル物也、〉 野根山薄板 葛籠藤
〔官中秘策〕
〈五〉
p.0911 土佐國 七郡〈◯中略〉 一人數三拾六万八千百九拾貳人 内〈拾九万六千五百七拾七人 男 拾七万千六百拾五人 女〉
〔吹塵録〕
〈五人口及國高〉
p.0911 諸國人數調(文化元甲子年)〈◯中略〉
p.0912 一人數四拾万九千四百拾三人(皆私領) 土佐國(高貳拾六万八千四百八拾四石餘) 内〈貳拾貳万千四拾九人 男 拾八万八千三百六拾四人 女〉
〔南路志〕
〈八闔國〉
p.0912 人數 文化三年改 一人高四十五万貳千四百七十一人 今文化三寅年分 人高四十五万五百卅一人は丑年分ニ引當 千九百四十人、今寅年分増、 右之内 〈男九百貳拾六人女千十四人〉増
〔吹塵録〕
〈五人口及國高〉
p.0912 諸國人數調(弘化三丙午年)〈◯中略〉 一人數四拾六万千三拾壹人(皆私領) 土佐國(高三拾三万貳拾六石餘)内〈貳拾四万八千五百八拾六人 男 貳拾壹万貳千四百四拾五人 女〉
〔人國記〕
p.0912 土佐國 土佐國之風俗、成程直ニ而、氣質スナヲナル國風也、是都テ士町人百姓ニ至ルマデ如レ此ナリ、別而土佐長岡吾川郡如レ此也、サレバ其氣質ハ鳥ケダモノニモ備ル物乎、猿モ是國ノ猿ハ別テ仕付ヨキナリ、サレドモ遠國ニシテ其言舌卑キナリ、心底ハ如レ形直ナリ、
〔土佐州郡志〕
〈風俗〉
p.0912 雖二安靜無事之日一、知レ有二戰鬪攻掠之備一、習俗淳朴、男勤二耕稼一、女事二桑麻一、
〔日本鹿子〕
〈十三〉
p.0912 同國〈◯土佐〉中名産物出所之部 土佐の海 當國の浦をなべて云といへり 大崎 名越山 夢野 畑山 室の戸
〔和爾雅〕
〈一地理〉
p.0912 日本國名所 土佐國 土佐山(トサヤマ) 土佐海(トサノウミ) 鏡河(カヾミカハ)〈或云越中〉名越浦(ナコシノウラ) 室戸(ムロト) 打山(ウチヤマ) 大崎(オホサキ) 御座浦(ミマシノウラ)
〔延喜式〕
〈二十八兵部〉
p.0913 諸國健兒〈◯中略〉 土佐國卅人〈◯中略〉 諸國器仗〈◯中略〉 土佐國〈甲一領、横刀六口、弓廿張、征箭十具、胡簶十具、〉
〔儀式〕
〈十〉
p.0913 十二月大儺儀〈◯中略〉 事別〈天〉詔〈久〉、穢〈久〉惡〈伎〉疫鬼〈能〉、所々村々〈爾〉藏〈里〉隱〈布留乎波〉、千里千里之外、四方之堺、東方陸奧、西方遠値嘉、南方土左、北方佐渡〈與里〉乎知〈能〉所〈乎〉、奈牟多知疫鬼之住〈加登、〉定賜〈比〉行賜〈氐、◯下略〉
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