地部/地震

p.1355 地震ハ、古クハ、ナヰト云ヒ、又ナヰフルトモ云ヘリ、鳴動ノ義ナリ、後世ノ俗、仍ホナヰト云ヒ、或ハナヱ、ナイユルナド稱スル處モアレド、多クハ音讀セシモノヽ如シ、　我國古來地震ヲ以テ聞ユレドモ、其事ノ史冊ニ見エタルハ、日本書紀允恭天皇五年七月紀ヲ以テ始トス、凡ソ地震ノ發スルヤ、微動ニ止マルアリ、一日數回ニ及ブアリ、數日ニ渉ルアリ、年ヲ越ユルアリ、其強大ナルモノニ至リテハ、家屋ヲ倒シ、人畜ヲ損シ、地ヲ裂キ、山ヲ崩シ、川ヲ壅ギ、海嘯ヲ起ス等ノ事アリ、是ヲ以テ其難ヲ避ケントスルヤ、或ハ屋外ニ出デ、或ハ樹下ニ坐シ、或ハ竹林ニ入リ、或ハ舟車ニ乘ル、徳川幕府ノ時ニ在リテハ、特ニ吏員ニ其避難ノ注意ヲ與ヘタリ、而シテ地震ノ既ニ發シタル時ハ、朝廷ニテハ陰陽道ニ命ジテ卜占セシメ、或ハ地震ノ神ヲ祭リ、或ハ之ヲ山陵ニ告ゲ、或ハ臨時ニ大祓ヲ行ヒ、或ハ祈禱ヲ修セシム、而シテ地震ニ由テ朝儀ヲ停メ、年號ヲ改メ、救恤ヲ施シ、恩赦徳政ヲ行フ等ノ事モ、亦古クヨリ之レ有リキ、

名稱

〔類聚名義抄〕

〈六土〉

p.1355 地震〈ナヰ〉

〔伊呂波字類抄〕

〈知地儀〉

p.1355 地震

〔運歩色葉集〕

〈地〉

p.1355 地震(シン)

〔書言字考節用集〕

〈一乾坤〉

p.1356 地震(ヂシン)〈公羊傳、地動也、出レ奈、〉　地動(ナヰフル/ナヰ)　地震(同)〈出レ知〉

〔東雅〕

〈二地輿〉

p.1356 地〈◯中略〉　又地震をナイフルといふは、ナイとは鳴(ナイ)也、フルとは動(フル)なり、鳴動の義なり、今俗にナイユルなどもいふなり、ユルも又動也、ユルグといひ、ユルガスなどいふも亦同じ、上古の語にユラガシテなど見えし、即此也、

〔物類稱呼〕

〈一天地〉

p.1356 地震、ぢしん、　關東及北陸道にて、ぢしんといふ、西國及中國四國にて、なゐといふ、〈◯下略〉

〔倭訓栞〕

〈前編十九那〉

p.1356 なゐ　日本紀に地震地動をよめり、鳴居の義にや、又なゐふるともよみ、武烈紀の歌に、なゐがゆりこばとも見えたり、俗になゑとよべり、癸未の冬關東大地震に通茂卿、　神つ國千代のいはほもゆりすゑて動かぬ御代のためしをぞひく　西國及中國にて皆なゐといふ、地震祭は陰陽家の祭也、

〔日本書紀〕

〈十六武烈〉

p.1356 太子〈◯武烈〉歌曰、於彌能姑能(オミノコノ)、耶賦能之魔柯枳(ヤフノシバガキ)、始陀騰余瀰(シタドヨミ)、【那爲】我與釐據魔(ナヰガヨリコバ)、耶黎夢之魔柯枳(ヤレムシバガキ)、〈一本、以二耶賦能之魔柯枳一、易二耶陛哿羅哿枳一、〉

〔日本書紀〕

〈二十二推古〉

p.1356 七年四月辛酉、地動(○○)、〈◯下略〉

〔續日本紀〕

〈三十二光仁〉

p.1356 寶龜四年二月壬戌、地動(○○)、

初見

〔日本書紀〕

〈十三允恭〉

p.1356 五年七月己丑、地震(ナヰフル)、

地震説

〔秉燭或問珍〕

〈一〉

p.1356 地震之説　或問云、地震とはいか成物にや、山を崩し海を塡、民家を壓倒のみにあらず、人民牛馬の死する事數をしらず、嗚呼天地の間に、かくあさましき事も有物にや、兒女の説には、鹿島の明神是を歎給ひ、要石を以て鯰を刺給ふといへり、まことにて侍るや、其説を聞ん、　對曰、地震は二氣の〈陰陽ナリ〉あいだのなす所にして、たま〳〵はげしき事あれば、家を崩し人を傷

p.1357 ふ事あり、是陰陽の氣出動にして、全く物有てふるはすにあらず、左傳、文公九年九月地震とあり、正義曰、陽伏して出る事あたはず、陰迫て昇事あたはず、爰におひて動くとあり、孔氏曰、陽氣陰のためにせばめられて昇事を得ず、故に地震すといへり、又史記にも、地震は陽伏して出ず、陰迫て昇(ノボラ)ず、この故に地震ありと記せり、〈周本紀白陽甫説ナリ〉是等は皆地震の本説也、陰陽家抔の、いつの地震は何にたヽり、幾日の震動は病に祟なんど云事は、皆迂怪の説にして、用るにたらず、地震何ぞ變とせんや、抑大地は本氣渣滓(カス)こり聚て形をなし、元氣施轉の中に亘れり、天は地の外を包、地は其中間にあり、地中は水火の二氣万物を發生する也、水火は所レ謂一陰一陽也、天地に對していふ時は陰也、故に小陽大陰にせばめられて登事を得ず、地を徽搏して震出る也、是を地震といふなり、此励(ハゲ)しきは山を崩し海を塡、人家を壓す事あり、又地の震ふ事、他所より分て繁き所あり、是は其地平陸にして廣々としたる所程、折々地震し、又震もつよき物也、狹所は山谷岩石にさへられて、陽の出る事緩き故也、廣き所は漳なきに依て、陽氣の嚴敷出る故也、中華にても、閩廣の地は常に動く、〈廣ク平ナル所也〉淅より北は地震希也といへり、〈淅ヨリ北ハ皆山ツヾキナリ〉鹿島の要石といふ事、兒女の諺にして云にたらず、彼輩のいへらく、大成鯰地底にありて、日本國中五畿七道載ずと云所なし、彼尾或は鰭にても動す所忽地震す、故に鹿島の明神、要石をもつて押給ふといへり、今案ずるに、何ぞ其鯰日本をのみ載て、唐土を載ざるや、唐土にも地震あり、一笑するに堪たり、彼日本を載たる鯰の圖を見るに、大キ成鯰のごとき物、國々を載たり、愚案を回すに、是恐らくは蜻蛉の圖を見あやまりて、鯰に書なしたる物成べし、日本紀に、神武天皇即位三十一年四月、諸國に行幸して、大日本の國形蜻蛤の臀せるがごとしと宣へり、是に依て我國を蜻蛉洲ともいへり、日本の圖を見るに、頗鯰の形に似たり、　是等の圖を見誤て鯰といふか、又地震の神を鹿島大明神といふ事有べからず、日本紀神代卷に、高皇産靈尊の命をうけて、武

p.1358 甕槌命〈鹿島ノ明神也〉經津主命〈香取ノ明神也〉蘆原中津國を平げ、二神出雲の國五十田狹小汀に降居て、十柄劒を拔ひて、倒に地に植て、其鉾端に踞るとあり、是に依て鹿島に石柱を立て、萬世の垂跡をしめす也、何ぞ鯰の頭を刺といふ事あらんや、又地震の神といふは、外にありと見へたり、日本紀に推古天皇の御宇に地震して、舍屋悉破れぬ、四方に令して、地震の神を祭らしむとあり、然れども其神跡今は絶て、何地に有事をしらず、

〔震雷考説〕

p.1358 一夫世界萬國はてしなく、天の覆ふ所極りなし、其中に水火は萬民を化育し、風雨は萬物を潤澤すといへども、甚しきは天災地變と云、震雷猶是に同じ、〈◯中略〉　氣比大明神態襲の箭にあたり給ひ、孔子の伯魚をさきたてし類ひ多かる中に、漢土のいにしへ舜禹の代は、わきて聖代なれども、洪水九年にして、天下の民魚となるとあれば、いかなる聖賢の代にも天災はまぬかれがたし、然に水火風雨の難は遁るヽに道ありとも、震雷は避るに術なし、天にありては雷、地にありては震、是陰陽の凝にして、天地の病なれば、いづれの時發らんもはかりがたし、雷は陰の凝、地中よりいでヽ雲中に入り、散じて陽にかへる、激して音をなし、大陰の雨氷を降らせ、震は陰の凝り地中にくだけて陽にかへり、其氣和することなし、重り澀滯りたる所一時に發すなり、陰は閉るをものとし、陽は發することをつかさどる、夏は地上大陽にして地中陰なり、冬は是に反す、故に夏は雷多く地震少し、冬氣は雷稀にして地震あり、尤陰陽變化の地氣なれば、時節のさだまるにはあらねども、陽氣發せんとする故、大地震ある年は、季候くるひて殊の外あたヽかなるものなり、又蘭人の説には、火氣常に地中を周旋して土を養ふ、火生二士氣一と云、其地脈の周廻のすぢみちを失ひ、火氣の凝たる所一時に發す、是地震なり、發し盡ざる殘氣、山岳に至り火となるといへり、易曰、鼓レ之以二雷霆一、潤レ之以二風雨一、日月運行、一寒一暑、是則震ひて寒暖を疾くさそふの證なり、少陽の東に方位し、四時には中春に配當すれば、發陽變化にてあたヽかなる

p.1359 は理なり、

〔本朝地震記〕

p.1359 夫地といふ文字、往昔は埊に作る、これ會意なり、史記漢書に墜に作る、震は動なり亦怒なりともいへり、〈◯中略〉但し地の體は北を陽とし南を陰とす、山嶽多くは北にあり、天の體は南を陽とし北を陰とす、故に日輪は南に行る、是天地圓渾相聯りし象なり、〈◯中略〉されば地震するものは、陽氣陰の下に伏して陰氣に迫り昇る事あたはず、於レ是地裂動き震するにいたる、これ陽氣其所を失ふて、陰氣塡るヽが故なり、また地中に蜂の巣のごとき竅あり、しかして後水潛り陽氣常に出入す、陰陽これにて相和し、其宜を得るを常とす、もし陽氣澀滯して出ることあたはず、歳月を積重るに隨ひ、地脹れ水縮るゆゑに、井戸涸れ、時候ことの外熱氣なり、これを譬はヾ、餅を炙るに火のために脹れ起るが如し、將に地震ふときは、蒼天も卑くなり、衆星も大さ常に倍するといへり、これ地昇り天降るにあらず、既に雨ふらんとするときは、山を見るに甚だ近く見るが如し、陽氣陰を伏し地を裂きて天に發出するが故に地中震動す、これ則ち地震なり、そのはじめ震ふもの甚だ猛烈なり、これ地中陽氣一塊に發するの證なり、また次に震ふものは緩なり、これ嚮の陽氣地中に殘れるが少しづヽ發出の所以なり、されば一天中の世界なれども、中華にふるひて本朝に動かず、日本震ひて唐土また動かず、一國中にかぎり他國に出でず、或は江戸靜にして浪花に震ひ、大坂豐にして京都うごく、是地中の陽にて地脹るヽと脹ざるとの故なり、地中に凝し陽氣、其所より發せんとする故に、甚だしきものは地裂山崩ること往々これあり、一村にありても、そのあたりの多少あるは、是また地の堅きと堅からざるとの故なり、凡初めて大に地震するときは、海汀に泥涌上り津浪山のごとく泝る、奧州の洪水、遠州今切など是なり、又大地震の後、月をかさねて震ひやまざるは、いまだ陽氣の出盡さヾる故なり、其甚きものは山燒出るといへり、

〔大地震暦年考〕

p.1360 地震略説　菱洲山人編　西洋の窮理の説に、大地の震動するは、その源は地下にある火坑より發す、火坑は全地球の中にあまたありて、吾邦の中にその源二ツあり、一ツは中州〈駿遠甲信豆相〉一ツは蝦夷の地にありて、その火脈遠く異邦までもおよび、火坑の形状はたとへば埋み火の如く、自然に地氣を蒸あげて、萬物これが爲に生育す、此故に先地震はじめて發する時、煙氣地上に蒸騰て、暫時のうちに空中を掩ひ、星宿光輝を失ふをもつて驗とす、その今まのあたり見聞し、常に形容をみる者は、信州、肥州、薩州、日州、豆州等の山々、その外尚多し、火脈の流通せざるは魯西亞國の東南の地、亞米利加國の北の地方に多かり、これらの地は荒漠(あれはて)て、草木すら生育せず、火氣の流通せる地方は、殊に膏腴にして萬物肥繞す、これ造物者の奇巧なるかな、しかれどもかくの如き廣大利用をなす者は、害を生ずるも又極めて大なり、地震津浪のるい是なり、前に言る火坑全地に壓仰られ、至て至靜なるもわづかに空氣の通へる事あれば、焰氣これが爲に發動し、大地を震動す、甚だしきに至りては、山嶽をも震ひ崩し、砂石を噴起し、民家を取り、衆人害を蒙り、山河陵谷所をかへるにいたる、遠くは意太利亞國の一都會、地下に埋沒(うづもれ)て、人民草木畜るいこと〴〵く盡たり、近時吾邦の越後、信濃、畿内、紀伊、伊勢、伊賀、伊豆、駿河などの地震津浪あるこれなり、火脈は一條より幾條にもなるがゆゑに、隣國に相接の地、損害多かり、これは火氣に當ると否らざるによれり、神社佛閣の破損少きは、礎の距度、棟梁の高低、尋常の家造りに異なる故なり、洪浪もまた火氣の海底に噴起りて、海潮これがために勃蕩するにて、地震するごとに洪浪かならず起るといふ埋ありといふにはあらず、ただ火氣の海中に起るとおこらざるによれり、あるひは地震の爲に洪水をおこすものあり、これは火氣發動するが爲に、山脈を毀ち、地下を通ふ水源を沃ぎ、川谷を注(さく)るに起る、また洪浪のるいは、山谷の狹隘(せま)き地は害多く、平坦に開豁(ひらけ)たる地は害少なかるべし、その理いかにといふに、狹隘

p.1361 き地は水勢吹あがりやすく、平坦の地は障るものなきがゆゑに、水勢すみやかに衰へるなり、大概かくのごとし、

上下動/左右動

〔松屋筆記〕

〈六十二〉

p.1361 高潮、地震、津波、　又云、〈◯松浦熙〉越後の大地震の時、正しく見たる者の語れるは、地震横に動く(○○○○)ものにあらず、上下にうごく物(○○○○○○○)にて、うぐろもちの、土をもてあぐるごときさま也、五尺も一丈ももてあげて、やがておとすゆゑ、地われ、林おちいり、家埋れたる也と云々、按に、是もさる道理にて、地震横にゆらんには、いづれの所も、殘るべくもあらぬに、或は十里廿里の内にて、外に及ばぬも、もと上下する動氣なれば也、

震動方位

〔日本書紀〕

〈二十九天武〉

p.1361 十四年十二月辛巳、自(○)レ西發之地震(○○○○○)、

〔文徳實録〕

〈二〉

p.1361 嘉祥三年八月辛未、地震(○○)、從(○)二西北(○○)一來(○)、雞雉皆驚、

〔信越地震記〕

p.1361 越後國大地震に而支配所村々、田畑民家大破死失怪我人有レ之、救方手當之儀に付、御　屆書、　越後國之儀、去月廿四日夜四ツ時頃、大地震、西ゟ起り東に震渡(○○○○○○○○)、場所に寄不同有レ之(○○○○○○○○)、私支配所頸城郡村々潰、破損家、死失怪我人多、山崩、田畑土砂入、用水、溜井、堤、破損いたし、危急之儀に而、一同山野に逃出居候得共、引續晝夜數度之地震、寢食も難レ成、悲歎いたし罷在候處、又候廿九日晝九ツ時頃大地震、北ゟ南(○○○)江(○)震渡(○○)、所々平地割、泥砂吹出し、家作其外押潰、全潰家に不二相分一茂、梁、鴨居、壁抔崩落、柱者折れ、修覆難レ成體、猶晝夜不二相止一、村々不レ殘菰張野宿いたし罷在候、〈◯中略〉　未〈◯弘化四年〉四月十一日　小笠原信助　御勘定所

知強弱法

〔事語繼志録〕

〈下〉

p.1361 毎朝信綱公〈◯松平〉ノ宅ヘ見舞ノ衆多キ折節ノ事ナルニ、地震ヨホドユリケリ、此地

p.1362 震ニテハ、定メテ早々御登城アルベキヤト申サルヽ人アリシ、其時小性ヲ呼セ玉ヒ、御居間ノ水桶ノ水コボレタルヤ、見テ參ルベシト仰セラル、其人則見テ參リ、水ハコボレ申サヾルヨシヲ申ス、然ラバ地震ニ付テノ御登城ナサレマジキナリト宣フ、其時或人申サルヽハ、タヾ今仰付ラルル御居間ノ水コボレタルヤト御尋ノ儀ハ、イカヾ仕リタル事ニヤト申サレケレバ、ソコニテ答ヘ仰ラレシハ、總ジテ地震ユリタル時、イカホドノ地震ニハ登城然ルベシトノ義、計ヒ難ニ付テ、其爲ニ常ニ居間ノ前ニ水桶ヲ置テ、御城ニテ地震ユル時宅ヘ歸リ、今日ノ地震イカホドニヤトアル義ヲ相尋ヌレバ、水ノ動キヤウ、是ホドノ位ト申ス、夫ニテ御城ニテノ地震ヲ考ヘ、是ホドニテハ登城然ベキトノ義ヲ試置ナリ、コレニ依テ只今水ヲ見セニ遣スナリト仰ラル、實ニハ地震ノホドライ知ガタキモノナルニ、働セラルヽ智慧ナリト、其人ゴトニ感ゼラレケルトナリ、

地震爲前兆

〔三養雜記〕

〈一〉

p.1362 地震にて晴雨を知る(○○○○○○○○○)歌　世に地震にて晴雨を知る歌とて　九はやまひ五七の雨に四日でり六八なれば風としるべし、この九はやまひといへるは、疾病のことにはあらず、空の曇をいへり、そのよしは、唐土の地震にて晴雨を知る訣に、日風疾雨と順にくる時はしらるヽよし、日〈明六晝八夜四〉風〈五七九〉疾〈四暮六夜九〉雨〈九夜五明七〉これは澀井春海の傳來なるよし輪池翁のはなしなりき、再おもふにこの地震の歌の時取あやまれり、六ツ日でりならでは叶はず、そのよしは、明暮の六と晝夜の九とは竪横にて、數一なるべし、四八と五七とは二づヽにて、竪横の間をいへるなり、猫の目にて時刻を知る歌にても併おもふべし、〈◯圖略〉

〔吾妻鏡〕

〈三十四〉

p.1362 仁治二年二月七日乙丑、巳刻大地震、古老曰、去建暦年中有二如レ今之大動一、即是和田左衞門尉義盛叛逆兆(○○○)也、其外於二關東一未レ有二如レ此例一云云、其後午時、子刻、兩度小動、

豫知地震

p.1362 震雷考説

〈一爰に今年安政二卯十月二日亥の上刻ばかりに、いかなる狂津日の惡ことにや、江戸〉

p.1363 のちんじ、昔より國々の大地震にくらぶれば、山も崩れず川も溢れず、さのみの事にはあらねども、〈◯中略〉人數の多きことはかりしられず、繁花の地のならひにて、家々の造作は花やかを先とし、火災の防ぎ專一なれば、土藏瓦屋のみ多し、アヽ入船の順風は出船の逆風にて、出火の時は利有といへども、地震には聊益なく、たま〳〵板茨萱屋には無難あれども、土藏瓦屋の分は過半壞れ倒れ、又はかたぶき、家財器物をみぢんに碎く、其音數千の雷の一度に落くる如くにて、すさまじなど云ばかりなし、貴賤上下老若男女打まぢり、あはてふためき逃惑ふうち、數ケ所より出火して、炎天をこがし、地震の火氣もくはヽりて白晝の如し、其混雜譬へるに物なし、上を下へとかへす故、人は人に踏倒され、壞れかヽる棟や宇に打ひしがれ、あるひは烟りにとりまかれ、死亡するもの數しれず、君臣も離散し、親兄弟を見失ひ、妻子に別れ、存亡いかにと呼かはし、泣さけぶ聲のみか、火に攻られてくるしむ聲四方にみちて喧く、修羅の陌を眼の前に見るより哀の有様なり、かヽる非常の大變、其前表(○○)なきにしもあらず、今年は冷氣いやます比ひに、殊の外あたヽかにして、梅桃大かた返り咲、九月下旬空低く、星大きく顯れ、又は所々に水涌出、其外怪敷事ども多し、心有人々は只事ならずと眉をひそめ歎息せしが、はたして此凶事あり、櫻は實を結ぶこと輕き故、二度咲もまヽ有べし、桃李は秋近く迄實を保つものなれば、桃の返り咲はあやしむべきの一つなり、天地開闢以來の大地震は、白鳳年中、土佐半國減じ、伊豆島裂けて八島となりしときは、十一月といへども、暑中の如く、火氣履ものヽ裏をとふし、桃李花ひらくとあり、近くは文政十一子年霜月、越後の地震には、田の水川の水あたヽかにして、小魚悉く浮みいづる、同十三寅年七月、京都の地震は別てあつく、煮湯の中に座する如し、弘化四年信州越後の地震にも、火氣ありて甚あつし、さあれば季候に應ぜず(○○○○○○)、あたヽかにして(○○○○○○○)、諸木二度咲(○○○○○)、空低く(○○○)、星大きく顯れ(○○○○○○)、井の水(○○○)、江の水(○○○)、俄に溢れ(○○○○)、或は涸れ(○○○○)、所々に水涌出る抔は(○○○○○○○○○)、皆大地震の前表(○○○○○○○)と心得油斷なく用心すべし、諸侯大夫の歴

p.1364 歴方も、中庭廣き端近のところへすまゐを住かへ、木馬形を用意し、火のもときびしく、立退の道筋とふまで、心を配り、宿酒抔過すべからず、沈酔して物の用にたヽざるのみか、怪我有もの也、格別空低く、星大きく見ゆれば、近きに地震あり、俄に空え火氣移るは、即刻に地震火氣飛物となる事もあり、雉子鳴き、衆鳥群をなす故、眼馴ぬ鳥出る事あり、何となく遠く響くは程なく震ひ來る、又人間は小天地なれば、氣血の順環、天地の氣候と替る事なき故、雷には頭痛し、震に腰なやみ、震雷を的然に知るものあり、男は稀にして女に多し、此類ひにまで心を用ひて前表をさとらば天災は避ずとも、怪我あやまちは有べからず、〈◯中略〉海なき國は江の水、井の水涸れ溢るヽにて知るべし、又佛郞西にて地震を知るために、震刻計を造る、其圖左にあらはす、〈◯圖略〉　大地震には必二日も前に付もの離れ、少しの地震にも三刻も前に落るといへり、隨分理に叶ひ定てしるべけれども、先は星の大きく見ゆるを前表第一の規矩とすべし、

〔大地震暦年考〕

p.1364 地震知二前兆一説〈我嘉永六年清の咸豐三年〉ナチユルレーキテドキリフトこの書中に見えたり　磁石は、地震を前兆するの一法とす、紀元千八百五十三年の史に、この法を記載せり、夫疾風大雨のごときは、晴雨考をもつて前知する事を得るといへども、地震の前兆を知るに至るは、今日までいまだ世に公明なる事なし、ラツチメントン〈人の名也〉佛郞斯國の使として、共和國アルケントンテンス〈國の名也〉に至りし時、パレース〈佛郞斯の大都府の名〉の學校より地震前兆發明の一法を傳送せしなり、その法は、鐵の小片を磁石に附著せしむる者にして、他物を用るにあらず、地震には磁石その鐵に親和するの力、暫時の間消滅するゆゑに、附著の鐵かならず落下す、是をもつて地震の前兆とす、〈◯中略〉この一大發明はパレースの學校を待てはじめて世に知るとおもふ事なかれ、越列機帝利的多麻窟涅窒(えれつきてりてーとまぐねち)斯密斯(す)として、親和の理すでに明かになるによつて、學問の

p.1365 道においても、やヽ此論なきにあらず、しかも越列機のちからは、地震によつて障碍を受る事は、既に世人の知る所なり、　地震前兆を知るの法、童蒙のため圖にあらはして、その指南を譯す、左の如し、〈◯圖略〉　圖のごとく磁石を紐にてむすび、天井あるひはかもゐなどより釣さげ、その磁石へ鐵の釘のるいを親和させ置、その眞下へ銅だらいの類なににても、釘のおつる時、その音ひヾく品をすゑ置べし、地震これなき時は、附著ありて落るといふことなし、まさに地震あらんとするときは、磁石黒鐵に親和の利用を失ふがゆゑに、鐵釘忽ち承器に落下して、その兆を人耳に益す、これ地震前知の一良法とす、圖をみてよろしく察解すべし云々、　鷹築逸民誌

〔春記〕

p.1365 長久元年〈◯長暦四年〉十一月一日壬子、早旦參内、依二去夜地震事一也、〈◯中略〉前日天文奏云、及冬有二地震一歟、其事果然、

〔玉海〕

p.1365 元暦二年〈◯文治元年〉七月十五日丙申、天陰(○○)、同(○)二暮日(○○)一、諺云、今日又可レ有二大震一云々、然而余〈◯藤原兼實〉不レ信二受之一、午刻向レ堂爲二念誦一也、

〔鎌倉洞山地震記事〕

〈大日本地震史料所載〉

p.1365 越後今町、三月廿四日、海上鳴る事夥しく(○○○○○○○○)、高田城下へ聞えたり、海の鳴ること折節はある事なれども、此度例ならず夥しかりしかば、何か變事あらんかと恐れしが、果して夜中大地震あり、

〔時風録〕

〈十月二日夜四時大地震、其上所々出火、　安政二年十月二日の大地震は、昇平の世の大變なり、よりてこヽに其あらましをしるし置ぬ、今を去ること百五十三年、元祿十六年十一月廿二日夜、江戸、小田原大地震、其頃天野彌五右衞門といへる老人の曰、星ひきく見へ(○○○○○○)、冬温かなる年は(○○○○○○○)、地震あるものぞ(○○○○○○○)とて、家にかすがひうち、繩からげなどして置けるに、果して其大地震ありしとぞ、こヽに思ひあたれることあれ、頃年冬暖か〉

p.1366 にして、寒中雪ふること稀なり、また今年夏入初めより、巽にあたりて大なる星いづ(○○○○○○)、其光甚しく、人々怪み思へり、是ひきく見ゆる故なりしか、茲に十月二日は、ひねもす空曇り、小雨そぼふり、巳中刻頃、また巽にあたりて、虹の如くその長十丈ほどなるすぐの氣たつ(○○○○○○○○○○○○○)、〈山田某、品川にてしたしく是を見る、〉夜は殊に寒くして空はれたり、其過日頃怪しき光りもの四方にひらめきわたる(○○○○○○○○○○○○○○○○○)やいなや、大地俄に鳴動し、山川を覆へし、人屋を震倒す事、一時に數萬軒、其響恰も百千雷の落かヽれる如し、〈◯下略〉

豫言不當

〔慶長日件録〕

p.1366 慶長九年七月二十一日、宿番ニ參内、今夜大地震、可二催來一之由、風説洛中洛外專なる間、京中町人不レ寢云々、内裏ニモ乍二風説一被レ驚、鷄鳴時分より、上二格子一也、少も不二地震一、一犬吹レ虚、萬犬吠ト可レ謂者也、　二十二日、町人來云、夜前丑寅刻、可二地震一由、雜説故、世間騷動、以外也、云々、

地震例

〔日本書紀〕

〈二十四皇極〉

p.1366 元年十月庚寅地震、而雨、　辛卯、地震、是夜地震而風、　丙午、夜中地震、

〔日本書紀〕

〈二十七天智〉

p.1366 三年、是春地震、

〔日本書紀〕

〈二十九天武〉

p.1366 八年十月戊午、地震、　十一月庚寅、地震、　九年九月乙未、地震、　十年三月庚寅、地震、　六月壬戌、地震、　十月癸未、地震、　十一月丁酉、地震、　十一年正月癸丑、地動、　三月庚子、地震、　七月戊申、地震、　八月戊寅、亦地震、

〔續日本紀〕

〈五元明〉

p.1366 和銅五年六月乙巳、地震、

〔續日本紀〕

〈七元正〉

p.1366 靈龜二年正月辛巳地震、

〔續日本紀〕

〈八元正〉

p.1366 養老三年三月乙卯、地震、　五年正月辛未、地震、　壬申、亦震、　二月甲申、地震、

〔續日本紀〕

〈十一聖武〉

p.1366 天平四年七月丙辰、地震、　十二月辛卯、地震、

〔續日本紀〕

〈十二聖武〉

p.1366 天平九年十月巳未、地震、

〔續日本紀〕

〈十三聖武〉

p.1366 天平十年九月辛丑、地震、

〔續日本紀〕

〈十四聖武〉

p.1366 天平十四年三月己巳、地震、　十二月丁亥、地震、

〔續日本紀〕

〈十五聖武〉

p.1367 天平十五年七月庚寅、地震、

〔續日本紀〕

〈十六聖武〉

p.1367 天平十七年五月戊午朔、地震、　庚申、地震、　辛酉、地震、　癸亥、地震、　甲子、地震、　癸酉、地震、　乙亥、地震、　七月壬申、地震、　癸酉、地震、　八月己酉、地震、　甲寅、地震、　九月丙辰、地震、　十八年正月丙寅、地震、　辛巳、地震、夜亦震、　壬午、地震、　六月丙戌、地震、　九月壬戌、地震、　辛卯、地震、

〔續日本紀〕

〈十七聖武〉

p.1367 天平十九年五月丁亥、地震、

〔續日本紀〕

〈十八孝謙〉

p.1367 天平勝寶四年十月甲戌朔、地震、　乙亥、亦震、

〔續日本紀〕

〈三十二光仁〉

p.1367 寶龜四年二月乙亥、地震、　八月壬申、地動、　十月癸卯朔、地震、　丙午、地震、

〔續日本紀〕

〈三十三光仁〉

p.1367 寶龜六年二月辛未、地震、　五月丙申、地震、　十月丙寅地震、

〔續日本紀〕

〈三十四光仁〉

p.1367 寶龜七年十月癸巳、地震、　十一月丙辰、地震、

〔續日本紀〕

〈三十五光仁〉

p.1367 寶龜九年五月丁卯、寅時地震、　辛未、又震、

〔續日本紀〕

〈三十六光仁〉

p.1367 天應元年三月乙丑、地震、　五月壬戌、地震、　辛未、地震　六月己亥、地動、　己酉、地震、　十月乙末、地震、　十一月丁巳、地震、　辛巳、地震、　十二月丙申、地震、　戊申、地震、

〔續日本紀〕

〈三十七桓武〉

p.1367 延歴元年閏正月丙申、地震、　戊戌、地震、　二月壬申、地動　六月乙丑、是日地震、　七月丙午、是日地震、　二年正月庚子、是日地震、

〔續日本紀〕

〈三十八桓武〉

p.1367 延歴四年五月辛酉、地震、　九月乙未、地震、

〔續日本紀〕

〈四十桓武〉

p.1367 延暦九年十一月丁丑、辰時地震、巳時又震、　十二月甲辰、地震、

〔日本後紀〕

〈八桓武〉

p.1367 延暦十八年十一月甲辰、地震、

〔日本後紀〕

〈十二桓武〉

p.1367 延暦廿三年八月癸丑、地震、　九月戊戌、地震、　廿四年正月乙未、地震、

〔日本後紀〕

〈十三桓武〉

p.1367 延暦廿四年七月甲申、地震、

〔日本後紀〕

〈二十一嵯峨〉

p.1368 弘仁二年十二月丙子、地震

〔續日本後紀〕

〈二仁明〉

p.1368 天長十年六月癸未、地震、

〔續日本後紀〕

〈三仁明〉

p.1368 承和元年六月丁酉、地震

〔續日本後紀〕

〈四仁明〉

p.1368 承和二年三月丁未、地震、

〔續日本後紀〕

〈五仁明〉

p.1368 承和三年三月辛亥、地震、

〔續日本後紀〕

〈六仁明〉

p.1368 承和四年六月庚戌、地震、　七月丁丑、地震、

〔續日本後紀〕

〈八仁明〉

p.1368 承和六年四月戊午、地震、　七月丁亥、地震、

〔續日本後紀〕

〈九仁明〉

p.1368 承和七年正月庚寅、地震、　十月甲寅、地震、

〔續日本後紀〕

〈十一仁明〉

p.1368 承和九年二月戊辰、地震、　甲午、地震、　三月辛亥、地震、　六月戊寅、地震、

〔續日本後紀〕

〈十二仁明〉

p.1368 承和九年八月乙亥、地震、　十一月甲辰、地震、　十二月壬申、地震、

〔續日本後紀〕

〈十三仁明〉

p.1368 承和十年五月辛丑、地震、　十一月癸巳、地震、

〔續日本後紀〕

〈十五仁明〉

p.1368 承和十二年八月戊寅、此夜地震、

〔續日本後紀〕

〈十六仁明〉

p.1368 承和十三年二月戊戌、地震、

〔續日本後紀〕

〈十八仁明〉

p.1368 承和十五年三月丁卯、大地頗震、　丁亥、地震、　四月壬辰、地震、　六月辛亥地震　壬子、地震、　十月癸巳、地震、　十二月丁亥、地震、

〔續日本後紀〕

〈十九仁明〉

p.1368 嘉祥二年三月甲子、地震、　四月丙申、地震、　七月乙卯、地震、　庚午、地震、

〔續日本後紀〕

〈二十仁明〉

p.1368 嘉祥三年正月壬午、地震、　壬寅、地震、　二月庚午、地震、　三月、卯未、地震、　己亥、地震、

〔文徳實録〕

〈一〉

p.1368 嘉祥三年四月癸丑、地震、　壬戌地震、

〔文徳實録〕

〈三〉

p.1368 仁壽元年正月乙酉、地震、　二月乙巳、地震、　三月丁亥、地震、　四月丙午、地震、　辛未晦、

p.1369 地震　五月壬午、地震、　乙未、地震、　七月戊寅、地震、　十月癸卯、地震、　辛亥、地震、　十一月己丑、地震、

〔文徳實録〕

〈四〉

p.1369 仁壽二年二月庚子、地震、　三月戊寅、地震、　四月甲寅、地震、　八月癸亥、地震、　閏八月乙酉、地震、　九月辛丑、地震、　十月丁卯、地震、

〔文徳實録〕

〈五〉

p.1369 仁壽三年正月甲辰、地震、　三月戊申、地震、　七月癸巳、地震、　甲辰、地震、　辛亥、地震、　八月壬午、地震、

〔文徳實録〕

〈六〉

p.1369 齊衡元年五月庚子、地震、　六月癸未地震、　八月癸丑朔、地震、　九月壬寅、地震、　十一月甲申、地震、

〔文徳實録〕

〈七〉

p.1369 齊衡二年四月庚戌、地震、　五月丁巳、地震、　戊午、地亦震、　六月戊戌、地震、　壬寅、地震、　七月壬申、地震、　八月丁丑、地震、　戊寅、地亦震、　九月乙卯、是夜地震、　丙辰、地亦震、　乙丑、地震、　丙寅、地亦震、　乙亥晦、地震、　十月戊寅、地震、　十一月庚申、地震、　十二月丁亥、地震、

〔文徳實録〕

〈八〉

p.1369 齊衡三年二月甲午、地亦震、　四月癸酉、地震、　甲戌、地震、　六月壬申朔、地震、　癸酉、地亦震、　七月丙辰、地震、　戊午、地震、　戊辰、地震、　九月乙丑、地震、　十月辛未朔、地震、　戊子、地震、　甲寅、地震、　乙未、地亦震、　十一月庚子朔、地亦震、　辛丑、地震、　癸丑、地震、　十二月己卯、地震、

〔文徳實録〕

〈九〉

p.1369 天安元年二月庚午、地震、　乙亥、地震、　甲申、地震、　己丑、地震、　四月丁亥、終日雨、通宵不レ休、地震、　五月丁未、地震、　丙辰、地震、　九月己未、地震、　十月癸酉、地震、

〔文徳實録〕

〈十〉

p.1369 天安二年三月甲申、地震、　四月甲寅、地震、　六月壬寅、地震、

〔三代實録〕

〈十五清和〉

p.1369 貞觀十年七月九日庚子、地震、　十二日癸卯地震　十三日甲辰、地震、　十六日丁未、地震、　廿一日壬子、地震、〈◯中略〉　八月十日辛未、地震、　十二日癸酉、地震、　十四日乙亥、地震、　十六日丁丑、地震、　廿九日庚寅、晦地震、　九月七日丁酉、地震、　廿七日丙辰、地震、〈◯中略〉　十二月庚申朔、

p.1370 地震、

〔三代實録〕

〈十六清和〉

p.1370 貞觀十一年二月四日、是夜地震、

〔三代實録〕

〈四十陽成〉

p.1370 元慶五年十月五日庚辰、夜地震、　七日壬午、地震、

〔三代實録〕

〈五十光孝〉

p.1370 仁和三年五月廿九日壬寅晦、地震、〈◯中略〉　七月二日癸酉、夜地震、　六日丁丑、是夜地震、　八月七日戊申、未時地震、〈◯中略〉　九日庚戌、地震、　十三日甲寅、地震、　十四日乙卯、子時地震、　十六日丁巳、寅時地震、　廿二日癸亥、是夜子時地震、　廿三日甲子、未時地震、　廿四日乙丑、丑時地震、寅時亦震、

〔日本紀略〕

〈一醍醐〉

p.1370 昌泰二年九月七日戊戌、地震、　延喜十六年六月廿九日壬子、天陰雷鳴、地震〈◯又見二扶桑略記一〉　延長四年正月一日戊午、午刻地震、天皇御二南殿一、〈◯又見二扶桑略記一〉

〔日本紀略〕

〈二朱雀〉

p.1370 承平元年三月二日庚申、子刻地震、　二年正月廿五日丁未、地震、　三月廿一日癸卯、地震、　四月一日癸丑、地震、　六月廿六日丁丑、地震、　天慶六年五月一日戊寅、地震、　天慶九年二月八日己巳、地震、

〔日本紀略〕

〈三村上〉

p.1370 天暦元年二月三日己未、申刻地震、　三年二月九日癸未、申刻地震、

〔日本紀略〕

〈五冷泉〉

p.1370 安和元年四月七日、午刻地震、　八月四日乙卯、去夜子刻地震鳥獸驚鳴、

〔日本紀略〕

〈六圓融〉

p.1370 天祿二年四月六日辛未、子刻地震、　七月六日己亥、地震、　天延元年三月廿四日戊寅、寅時地震、　二年正月十九日戊辰、酉刻地震、　貞元二年二月四日乙未、巳刻地震、

〔日本紀略〕

〈七圓融〉

p.1370 天元元年十一月廿日辛丑、地震、

〔日本紀略〕

〈九一條〉

p.1371 寛和二年七月六日壬申、地震、　正暦元年十月廿五日丁卯、地震、

〔日本紀略〕

〈十一條〉

p.1371 長徳二年四月二日壬申、今日地震、

〔日本紀略〕

〈十一一條〉

p.1371 寛弘三年二月二日乙亥、辰刻地震、　四年十二月廿一日癸丑、地震、　七年八月十六日壬戌、未刻地震、　九月廿一日丙申、未刻地震、

〔日本紀略〕

〈十二三條〉

p.1371 長和元年八月廿七日壬戌、地震、　三年四月十一日丙寅、地震、　四年四月廿日己巳、寅刻地震、

〔日本紀略〕

〈十三後一條〉

p.1371 長和五年三月廿四日戊辰、戌刻地震、　寛仁元年八月十八日癸未、地震、　二年九月廿五日甲申、地震、　十月十三日壬寅、地震、　治安二年十月廿三日己未、卯刻地震、　三年七月五日丁卯、地震、　萬壽元年三月十七日甲辰、地震　二年十二月五日癸丑、地震、大雪、

〔日本紀略〕

〈十四後一條〉

p.1371 長元八年十二月十四日甲子、夜地震、

〔如是院年代記〕

p.1371 〈丁丑〉第六十九代後朱雀〈◯中略〉　長久〈◯中略〉　〈辛巳〉二〈三月一日二日地震〉

〔扶桑略記〕

〈二十九後冷泉〉

p.1371 永承五年十月七日、地震、　康平三年六月十八日、寅刻地震有レ音、　四年五月六日、丑時地震、群鳥驚鳴、　七日、巳刻地震、　康平六年二月廿八日、巳刻地震、　卅日丙戌、酉刻、地震、各有レ音、　三月十一日、酉刻地震　八年〈◯治暦元年〉三月廿四日、戌刻地震、　治暦二年四月八日、卯時地震、　延久二年正月廿五日、地震、　十一月廿一日戊申、未刻地震、

〔扶桑略記〕

〈二十九後三條〉

p.1371 延久二年十一月廿一日戊申、未刻地震、

〔扶桑略記〕

〈三十白河〉

p.1371 延久六年〈◯承保元年〉正月廿日、寅時地震、　廿二日、巳時地震、　二月十二日、寅時地震、

p.1372 承保三年正月九日、亥刻地震、

〔長秋記〕

p.1372 長承二年八月廿八日庚戌地震、

〔本朝世紀〕

p.1372 康治元年三月十一日甲辰、未刻地震、　八月十八日戊寅、丑刻地震、

〔台記〕

p.1372 康治二年二月十四日壬申、地震、

〔本朝世紀〕

p.1372 康治二年十一月廿六日戊寅、卯刻地震、　天養元年四月十六日丁酉、申刻地震、　十七日戊戌、寅刻地震、　七月六日、未刻地震、　十一日、戌刻地震、　十二月七日、申刻地震、　久安元年二月十三日、未刻地震、　閏十月三日甲辰、申斜地震

〔玉海〕

p.1372 承安二年四月廿九日丁卯、雷電、申刻地震、　五年〈〇安元元年〉正月九日辛亥、戌刻地震、　二月廿二日甲戌、今日辰刻地震、不二出行一、

〔吾妻鏡〕

〈十一〉

p.1372 建久二年十月廿六日壬申、雨降、哺時以後、地震良久矣、

〔吾妻鏡〕

〈十五〉

p.1372 建久六年三月十二月丁酉、朝雨霽、午以後雨頻降、又地震、

〔吾妻鏡〕

〈十六〉

p.1372 建仁元年三月十日庚申、卯刻地震、

〔吾妻鏡〕

〈十九〉

p.1372 承元二年七月廿日丁巳、午刻地震、　三年四月一日、甲子、申刻地震、　四年十月三日戊午、曉地震、　建暦元年五月十五日丙寅、未刻地震、

〔吾妻鏡〕

〈二十一〉

p.1372 建暦三年八月廿九日丁酉、天霽、寅刻廣元朝臣息女卒去、〈六歳〉亥刻地震、　閏九月十二日己卯、天晴、戌刻天變見二東方一、丑時地震、

〔吾妻鏡〕

〈二十二〉

p.1372 建保二年二月一日丙申、晴、亥刻地震、

〔吾妻鏡〕

〈二十四〉

p.1372 承久二年正月十二日癸卯、卯刻地震、　十二月二日戊午、寅刻地震、

〔吾妻鏡〕

〈二十五〉

p.1373 承久三年正月廿九日甲寅、午刻地震、　十月二日壬子、戌刻地震、

〔吾妻鏡脱漏〕

p.1373 元仁二年〈〇嘉祿元年〉正月十五日丙子、午刻地震、　三月十一日壬申、寅刻地震、　五月十七日丁丑、巳刻地震、　十月十一日戊戌、子刻大地震、　嘉祿二年三月廿九日甲申、辰刻地震、　六月廿六日己酉、申刻地震、　廿七日、庚戌、申刻地震、　廿八日辛亥子刻地震、　七月一日甲寅、晴、亥刻地震、　十月六日、戊子、夜入光物流星、子刻地震、　三年四月廿六日、甲戌、霽、亥刻地震、　五月十一日己丑、晴、未刻地震、　十二月一日丙午、晴、戌刻地震、

〔吾妻鏡〕

〈三十〉

p.1373 文暦二年閏六月廿二日癸丑、午刻地震、　九月廿九日己丑、子刻地震、

〔吾妻鏡〕

〈三十一〉

p.1373 嘉禎二年二月廿八日、乙卯、亥刻地震、　六月十一日、丙申、霽、戌刻地震、　廿二日丁未、亥刻地震、　三年九月十一日己未、子刻地震、　廿四日壬甲、子刻地震、

〔吾妻鏡〕

〈三十二〉

p.1373 嘉禎四年〈〇暦仁元年〉十二月九日庚戌、天霽、午刻地震、

〔吾妻鏡〕

〈三十三〉

p.1373 延應二年〈〇仁治元年〉正月十三日戊寅、辰刻地震、　二月廿二日丁巳、卯刻地震、　四月十八日、壬子、未刻地震、

〔吾妻鏡〕

〈三十四〉

p.1373 仁治二年正月十四日癸卯、天晴、戌刻地震、　三月六日甲午、辰刻地震、　十五日癸卯、細雨灑、巳刻地震、　七月四日庚寅、子刻地震、　十月十三日丁卯、亥刻地震、

〔吾妻鏡〕

〈三十六〉

p.1373 寛元二年六月十四日癸未、天霽、巳刻地震、　九月二十八日丙寅、寅刻地震、　十二月一日丁卯、天晴卯刻地震、　三年正月十八日甲寅、天霽、卯刻地震、　三月一日丙甲、天晴、寅刻彗星見二室壁之間一、長二尺云云、連日客星、彗星、無二出現之例一云云、申子兩時地震太惡動云云、

〔吾妻鏡〕

〈三十七〉

p.1373 寛元四年五月七日甲子、天晴、巳刻地震、　七月二日戊午、天晴、午刻地震、　五日辛酉、天霽巳刻地震、

〔吾妻鏡〕

〈四十二〉

p.1373 建長四年五月七日庚寅、天晴、巳刻地震、

〔吾妻鏡〕

〈四十三〉

p.1374 建長五年四月三日丙辰晴、申刻雷鳴、雨降地震、　九月十六日辛卯、午刻地震、

〔吾妻鏡〕

〈四十七〉

p.1374 正嘉元年十月十五日丙申、朝雨降、夕甚雨雷鳴、申刻地震、

〔吾妻鏡〕

〈四十八〉

p.1374 正嘉二年三月廿二日辛丑、申刻地震、　十二月十六日辛卯、天晴、寅刻地震、

〔吾妻鏡〕

〈五十一〉

p.1374 弘長三年五月十九日戊戌、天晴、寅刻地震、

〔吾妻鏡〕

〈五十二〉

p.1374 文永二年正月十五日乙酉、天晴、午刻地震、

〔續史愚抄〕

〈後醍醐〉

p.1374 建武元年十二月十三日丁卯、地震、

〔園太暦〕

p.1374 觀應三年正月一日、自二舊歳一風雪、及二今朝一滿地四五寸、〈〇中略〉今朝辰刻地震、

〔南方紀傳〕

〈下〉

p.1374 南朝元中八年、〈辛未〉北朝明徳二年十月、〈〇中略〉同十六日地震、

〔鈴鹿家記〕

p.1374 應永元年十二月四日丙午、辰上刻地震、

〔南方紀傳〕

〈下〉

p.1374 應永九年冬、地震、

〔教言卿記〕

〈應永十二年九月十五日戊申、地震〈申刻、〉　十五年十二月十三日、地震、〈申刻也〉　十六年五月廿六日丁卯、地震、〈末刻也〉〉

〔薩戒記〕

p.1374 應永卅三年二月廿二日丁亥、申刻地震、　五月四日丁酉、巳始刻地震、　三日丙午、亥刻許地震、　六月十八日庚辰、辰刻許地震、　十月十九日己卯、卯一刻許地震、　十一月十一日庚子、申始刻地震、　廿四日癸丑、地震、　十二月廿日己卯、未終刻地震、　永享六年十二月朔日甲辰、申始刻地震、　十三日申終地震、　十四日、戌始刻地震、

〔康富記〕

p.1374 寶徳元年九月十一日戊子、今夜地震也、　十八日乙未、入レ夜雨下、地震、　十一月十五日庚申、今夜地震、　二年七月五日丁未、今晩地月、夜半以後雨下、　廿八日庚午、昨今地震、　三年七震三日已亥、是日度々地震、　九月三日戊、戌今夕地震、　十一月十八日癸丑、戌刻地震、

〔長興宿禰記〕

p.1374 文明九年十一月六日、曉天地震、

〔時慶卿記〕

p.1375 慶長九年二月十二日、地震未刻動、　八月四日、地震巳刻ニ動、　十一月十一日天晴、朝ハ雨也、酉刻ニ地震鳴動、　十年二月七日天晴、地震鳴動戌刻、　三月十五日天晴風立、申上刻ニ地震動、雨又、　廿八日、天晴、寅下刻ニ地震、　七月十二日天晴陰、凉風立、地震巳下刻、

〔慶長日件録〕

p.1375 慶長十年七月十二日陰晴、午刻地震、　十月十八日、天晴卯刻地震、

〔鹿苑日録〕

p.1375 慶長十年十一月廿七、自レ朝晴天、未明卯刻地震不レ堪二驚愕一、有二一鴉一發鳴合、地震頃刻止、

〔當代記〕

p.1375 慶長十一年六月朔日、巳刻終地震、同申刻終又地震、　十二年二月六日、夜半、江戸地震、上方ハナシ、

〔孝亮宿禰日次記〕

p.1375 慶長十二年四月廿八日庚申、小雨下、夜半過有二地震一、

〔當代記〕

p.1375 慶長十二年六日、此日駿府ハ地震ス、

小震

〔吾妻鏡〕

〈三十三〉

p.1375 暦仁二年〈〇延應元年〉四月十六日乙卯、辰刻小地震

〔吾妻鏡〕

〈三十六〉

p.1375 寛元二年九月十一日己酉、亥刻小地震、

〔時慶卿記〕

p.1375 慶長八年三月十五日天晴、地震卯刻少動、　廿三日天晴、陰寒、曉天又地震小動、　九年五月六日天晴、申刻許リニ、地震少動、　六月十三日天晴、午刻地震　廿五日天晴、午刻地震少動、　二十六日天晴、晩ニ暴風雷鳴、但雨ハ不レ降、他方計也、地震少、

〔當代記〕

p.1375 慶長十一年六月三日、辰時、少地震、

〔武江年表〕

〈十〉

p.1375 安政三年正月、春も少しき地震度々あり、

強震

〔半日閑話〕

〈四編一〉

p.1375 十一月〈〇安永二年〉　一廿八日夜四時頃、地震つよし、　十二月　十二日の夜四時頃、地震つよし、總而此頃日々少々ヅヽ地震す、

〔武江年表〕

〈十一〉

p.1376 元治元年五月三日明六時過、地震強く長し、

大震

〔日本書紀〕

〈二十九天武〉

p.1376 四年十一月、是日大地動、　六年六月乙巳、大震動、　十一年八月癸酉、大地動、　十三年十月壬辰、逮二于人定一、大地震、擧國男女、叫唱不レ知二東西一、則山崩、河漏、諸國郡官舍、及百姓倉屋、寺塔、神社、破壞之類、不レ可二勝數一、由レ是人民、及六畜、多死傷之、時伊豫湯泉、沒而不レ出、

〔續日本紀〕

〈十一聖武〉

p.1376 天平六年九月壬午、地大震、

〔續日本後紀〕

〈五仁明〉

p.1376 承和三年五月戊午、大地震、

〔三代實録〕

〈十六清和〉

p.1376 貞觀十一年五月廿六日癸未、陸奧國地大震動、流光如レ晝隱映、頃之人民叫呼、伏不レ能レ起、或屋仆壓死、或地裂埋殪、馬牛駭奔、或相昇踏、城墩倉庫、門櫓墻壁、頽落顚覆、不レ知二其數一、

〔日本紀略〕

〈一醍醐〉

p.1376 昌泰元年七月廿七日乙未、大地震、

〔日本紀略〕

〈二朱雀〉

p.1376 承平五年四月十五日己卯、地大震、

〔日本紀略〕

〈四村上〉

p.1376 康保二年九月廿一日戊子、地大震、　廿二日己丑、又震、　廿三日庚寅、又震、

〔日本紀略〕

〈六圓融〉

p.1376 天祿三年閏二月十四日甲辰、寅刻大地震、申刻宜陽殿鳴、　天延元年九月廿七日、辰刻地大震、　貞元元年四月十一日丁未、今夜地大震、

〔日本紀略〕

〈八花山〉

p.1376 永觀二年十一月八日甲寅、地大震、

〔日本紀略〕

〈十一條〉

p.1376 長徳二年六月廿六日乙未、地大震、　三年五月廿二日乙酉、地大震、　四年十月三日戊子、地大震、

〔日本紀略〕

〈十三後一條〉

p.1376 萬壽四年三月二日癸卯、申時大地震、

〔扶桑略記〕

〈二十九後冷泉〉

p.1376 康平八年〈〇治暦元年〉五月七日丙寅、地大震、

〔扶桑略記〕

〈三十堀河〉

p.1376 寛治六年十一月十日己丑、戌刻地大震動、群犬駭吠、

〔百練抄〕

〈五堀河〉

p.1377 康和五年四月廿二日、大地震、廿四日同震、五月一日又震、人怖畏太、

〔台記〕

p.1377 康治二年十月十日癸巳、大地震、　十一日甲午、地震、　十一月廿四日丙子、卯刻大地震、

〔本朝世紀〕

p.1377 天養元年五月十三日、辰刻大地震、

〔台記〕

p.1377 仁平三年九月廿一日丁未、今朝大地震、天慶元年群行日地震、〈見二吏部王記一〉今日亦地震、道不レ失二先跡一歟、　久壽二年八月五日庚辰、巳時大地震、入レ夜復震、

〔玉海〕

p.1377 安元三年〈〇治承元年〉十月廿七日癸巳、丑刻許大地震、保延以後、無二如レ此之地震一云々、東大寺大鐘被二振落一了、又同大佛螺髮少々落了云々、　治承三年十一月七月辛酉、亥刻大地震、無二比類一、　元暦二年八月十二日壬戌、雨不、申刻大地震、雖レ不レ及二初度大動一、又騷二人意一、少々有二顚倒事等一、

〔吾妻鏡〕

〈十六〉

p.1377 十六日丁未、丑刻大地震、

〔吾妻鏡〕

〈十七〉

p.1377 建仁二年二月二十八日甲戌、卯刻大地震、

〔吾妻鏡〕

〈十八〉

p.1377 元久元年十月六日乙未亥刻大地震、

〔吾妻鏡〕

〈十九〉

p.1377 承元二年正月六日丙子陰、雪時々飛、午刻大地震、　建暦元年七月三日壬子晴、酉刻大地震、牛馬騷驚、

〔吾妻鏡〕

〈二十一〉

p.1377 建暦三年七月七日丙午、晴、丑刻大地震、

〔吾妻鏡〕

〈二十二〉

p.1377 建保二年二月七日壬寅、晴、寅刻大地震、　四月三日丁酉、晴、亥刻大地震、　九月廿二日癸未、霽丑刻大地震、　三年九月六日壬戌、晴丑刻大地震、　八日甲子、陰、寅刻大地震、　十一日丁卯、晴、寅刻大地震、未刻又小動、

〔百練抄〕

〈十三後堀河〉

p.1377 元仁元年五月八日、寅刻大地震、卯時又震動、

〔吾妻鏡脱漏〕

p.1378 嘉祿三年九月三日己卯、晴、丑刻大地震、

〔吾妻鏡〕

〈三十〉

p.1378 文暦二年〈◯嘉禎元年〉三月九日壬寅、晴、亥刻大地震、

〔百練抄〕

〈十四四條〉

p.1378 嘉禎三年六月一日庚辰、卯刻大地震、万人驚恐之、元暦以後無二如レ此事一、

〔吾妻鏡〕

〈三十一〉

p.1378 嘉禎三年八月四日壬午、霽、辰刻大地震、

〔吾妻鏡〕

〈三十三〉

p.1378 暦仁二年〈◯延應元年〉十一月十二日、丁丑、午刻大地震、

〔吾妻鏡〕

〈三十四〉

p.1378 仁治二年四月三日辛酉、霽、戌刻大地震、

〔吾妻鏡〕

〈三十七〉

p.1378 寛元四年十一月廿七日壬午、寅刻大地震、

〔吾妻鏡〕

〈三十八〉

p.1378 寛元五年〈◯寶治元年〉十月八日丁亥、卯四點大地震云云、　十一月廿六日乙亥、陰、丑一點大地震云々、

〔吾妻鏡〕

〈四十二〉

p.1378 建長四年七月二十三日乙巳、天晴、入レ夜雨降、寅刻大地震、

〔吾妻鏡〕

〈四十三〉

p.1378 建長五年二月二十五日癸酉、霽、午刻大地震〈龍神動(○○○)〉

〔吾妻鏡〕

〈四十四〉

p.1378 建長六年十一月十八日丁巳、晴、酉刻大地震、

〔吾妻鏡〕

〈四十七〉

p.1378 正嘉元年八月一日癸未、晴、戌刻大地震、　十一月八日己未、大地震、如二去八月廿三日、

〔吾妻鏡〕

〈五十二〉

p.1378 文永二年三月九日戊寅、天晴、亥刻大地震、　三年六月廿四日乙酉、霽、子刻大地震、

〔鶴岡社務記録〕

p.1378 暦應四年三月八日、大地振、　康永二年四月十五日己卯、兩度大地震、　五月六日、寅刻大地震、

〔園太暦〕

p.1378 貞和二年八月四日、丑刻許大震、

〔南方紀傳〕

〈下〉

p.1378 應永十三年十一月朔日大地震、　十四年正月五日、大地震、　十七年正月廿七日、大地震、

〔如是院年代記〕

p.1378 〈癸亥〉百二代後小松院〈◯中略〉　應永〈◯中略〉　〈癸巳〉二十〈（中略）十一月十五日地大震〉

〔南方紀傳〕

〈下〉

p.1379 應永三十二年十月、大風、大地震、

〔如是院年代記〕

p.1379 〈甲午〉百三代稱光院〈◯中略〉　〈己巳〉卅三〈（應永、中略）七月大地震、（中略）十一月五日大地震、〉

〔薩戒記〕

p.1379 應永卅三年九月廿二日壬子、地震大動、　十一月廿六日乙卯、丑終刻地震、〈大動〉

〔如是院年代記〕

p.1379 〈戊申〉百四代後花園院〈◯中略〉　永享〈◯中略〉　〈癸丑〉五〈（中略）正月二十四日大地震〉

〔南方紀傳〕

〈下〉

p.1379 永享十二年九月十八日、大地震、　嘉吉二年正月廿一日、大地震、

〔康富記〕

p.1379 文安元年四月廿七日丙午、今夜亥刻大地震、

〔南方紀傳〕

〈下〉

p.1379 文安四年六月廿四日、大地震、

〔在盛卿記〕

p.1379 長祿二年七月廿四日己酉、未時地大震、

〔塔寺長帳〕

p.1379 明應七年八月廿五日、巳刻に大地震アリ、　十年十二月十日、大地震あり、

〔泰平年表〕

〈東照宮〉

p.1379 慶長元年〈◯文祿五年〉閏七月十二日、大地震、京都伏見邊巨宅、并民屋破倒し、壓死の者甚多し、

〔慶長年録〕

p.1379 慶長八年四月廿八日、今夜地震、其後大に震動、

〔慶長見聞書〕

p.1379 慶長八年卯月二十八日之夜大震動、

〔時慶卿記〕

p.1379 慶長八年十二月廿一日、天晴、丑刻ニ地震大動、　廿二日、天晴、大寒ニ入、地震巳刻ニ大也、

〔津輕舊記〕

p.1379 慶長九年二月十一日、地大震、

〔當代記〕

p.1379 慶長十二年正月、關東ハ六七八三日大雪也、上方ハ小雪也、六日江戸大地震、但他國者不レ動、江戸計也、

〔泰平年表〕

〈嚴有公〉

p.1379 寛文三年七月廿五日、蝦夷松前大地震、

〔泰平年表〕

〈常憲公〉

p.1379 寶永三年九月十五日、江戸大地震、

〔泰平年表〕

〈有徳公〉

p.1380 享保八年十一月廿日ゟ十二日に至、九州大地震、

〔半日閑話〕

〈四編一〉

p.1380 八月〈◯安永三年〉　廿日、午ノ時大地震なり、午時に震ふ、又酉時に震ふ、廿一日、午時に又小く震ふ、　十月　廿四日、晝七ツ時分、地震大なり、須臾にしてまた少々震ふ、

〔半日閑話〕

〈四編五〉

p.1380 一同〈◯文政二年六月〉廿二日、美濃、伊勢、近江邊、大地震有レ之、美濃大垣餘程崩れ、人馬損じも有レ之よし、專ら風聞なり、

〔愚聞當世雜話〕

〈天ノ下〉

p.1380 大地震　今歳嘉永七甲寅六月十四日より廿日過るまで、東海道伊勢路、桑名四ケ市ノ宿より、關、庄野、龜山邊、大地震にて、人家を震潰(ユリツブ)し、山崩れ土地さけて、往來も止りたるよし、此地震、伊賀伊勢より、五畿内邊大ゆりにて、南都諸社諸寺の石どふろふ、鳥居の類一ツものこらず傾き倒れ、其餘震播州邊も動きたるよし、御醫師八島玄仙御勘定方古谷源八、御徒小頭熊谷齊兵衞、同御供方小野峯三郞、〈◯八島以下並伊豫宇和島藩士〉其外部屋中間、御六尺の類、皆江戸を六月初に出立し、伊勢路にて、右の地震に出會、宿すべき旅籠やも過半ゆりつぶれ、四五夜は野宿せしよし、食物の類賣家もなく、食にはなれし日も有しよし、山道などにてゆり出せし折は、道もあゆみ難くて、木などに取附居たる事もありたるよし、〈◯下略〉

〔武江年表〕

〈九〉

p.1380 安政二年十月二日、細雨時々降る、夜に至りて雨なく、天色朦朧たりしが、亥の二點、大地俄に震ふ事甚く、須臾にして大厦高牆を顚倒し、倉廩を破壞せしめ、剩その頽たる家々より火起り、熾に燃上りて、黒煙天を翳め、多くの家屋資財を燒却す、神宇梵刹は輪奐の美を失ひ、貴賤の人家は鱗差の觀を損ふ、尊卑の大患、東都の物恠何事か如レ之、凡此災阨に罹りし儔、家族に離れて

p.1381 道路に逃漂、甚しきは壓に打れ、炎に焦れて生命を損ひしもの數ふるに遑あるべからず、號哭痛喚の聲閭閻に滿ち、看るに肝消え、聞に魂奪はる、其顚末委曲に演る事を得ざれば、左に大略を擧ぐ、凡このたびの地震、江戸に於ては、元祿十六年以來の大震なるべし、〈今夜四時より明方迄三十餘度震ひ、其餘十日迄百二十餘度に及べり、◯下略〉

再震

〔玉海〕

p.1381 嘉應二年閏四月廿日庚午、今日午刻戌刻、兩度地震

〔吾妻鏡〕

〈四十一〉

p.1381 建長三年十月廿三日己卯、丑刻雷鳴一聲、地震兩度云云、

〔教言卿記〕

p.1381 應永十三年十一月一日丁巳、地震戌時、又亥時兩度、勘文無二殊事一也、　十五年十月十六日、地震、晝夜ニ兩度、

數震

〔續日本紀〕

〈十六聖武〉

p.1381 天平十七年五月壬戌、地震、日夜不レ止、

〔續日本後紀〕

〈十仁明〉

p.1381 承和八年二月甲寅、信濃國言、地震、其聲如レ雷、一夜間凡十四度、墻屋倒頽、公私共損、

〔三代實録〕

〈五十光孝〉

p.1381 仁和三年八月、壬寅朔、晝夜地震二度、　二日癸卯、晝地震三度、　四日乙巳、地震五度、

〔日本紀略〕

〈二朱雀〉

p.1381 天慶元年十月廿一日甲午、地頻震、

〔日本紀略〕

〈三村上〉

p.1381 天暦元年四月六日辛酉、卯刻地震三箇度、

〔吾妻鏡〕

〈四〉

p.1381 元暦二年六月廿日辛未、天陰、夜半大地震、一時中動搖、及二數度一、

〔吾妻鏡〕

〈三十四〉

p.1381 仁治二年二月八日丙寅、巳刻地震、昨日兩日之間、動搖五箇度也、

〔吾妻鏡〕

〈四十〉

p.1381 建長二年七月十八日壬午、午刻大地震、其後小動十六度云云、

〔薩戒記〕

p.1381 應永卅二年閏六月十七日乙酉、寅始地震二度、同終刻又動、辰終刻又動、申終已後大雨雷鳴甚、將軍墓連々鳴、　七月二日己亥、丑刻地震三四ケ度、

連日地震

〔續日本紀〕

〈二文武〉

p.1381 大寶元年三月己亥、丹波國地震三日、

〔三代實録〕

〈三十八陽成〉

p.1381 元慶四年十二月四日、是夜地大震動、五六過乃止、〈◯中略〉　六日乙酉、子時地大震動、

p.1382 自レ夜迄レ旦十六度震、大極殿西北隅竪壇長石八間破裂、宮城垣墻京師廬舍頽損者往々甚衆矣、　七日丙戌、陰陽寮奏二言地震之徴一、合レ愼二兵賊飢疫、〈◯中略〉是夜自レ戌至レ子地亦震動、　八日丁亥、自レ辰至レ丑其間地四震、　九日戊子、夜地震二度、〈◯中略〉　十日巳丑、是日地總五震、

〔日本紀略〕

〈六圓融〉

p.1382 貞元元年六月十九日甲寅、地震十四度、左衞門陣後廳、堀川院廊舍閑院西對屋民部省舍三宇顚倒、　廿日乙卯、地震十一度、　廿一日丙辰、地震十三度、　廿二日丁巳、地震十二度、　廿三日戊午、今日地震十度、　廿六日辛酉、今日地震八度、　廿九日甲子、地震五度、　卅日乙丑、地震八度、　七月十一日丙子、地震六度、　十二日丁丑、地震四度　十四日己卯、地震二度、　十八日癸未、大地震、　廿日、雷雨大地震、　廿一日、地震三度、　廿三日、地震不レ絶、　九月廿三日丙戌、地大震、其響如レ雷、　二年二月九日庚子、巳時地大震、

〔百練抄〕

〈六崇徳〉

p.1382 天治元年〈◯保安五年〉閏二月一日、大地震、此後至二八日一有レ動、

〔中右記〕

p.1382 保延三年七月十五日、申時地大震、近代未レ有二如レ此事一、其後度々小地震、　十八日、辰時地震、廿七日、辰時地震、

〔吾妻鏡〕

〈二十二〉

p.1382 建保三年九月十三日己巳晴、未刻地震、　十四日庚午、晴、酉刻地震、戌刻地震、同時雷鳴、　十六日壬申、晴、卯刻地震、　十七日癸酉、晴、戌刻三度地震、

〔吾妻鏡脱漏〕

p.1382 嘉祿三年〈◯安貞元年〉正月十四日甲子、晴、午刻地震、　十五日、乙丑、晴、酉刻子刻兩度地震、

〔吾妻鏡〕

〈三十〉

p.1382 文暦二年〈◯嘉禎元年〉四月十三日乙亥、午刻地震、　廿八日庚寅、未刻地震、　廿九日辛卯、未刻地震、　三十日壬辰、巳刻地震、　五月一日癸巳、巳刻地震、　三日乙未、午刻地震、　四日丙申、戌刻地震、隱岐四郞左衞門尉自二京都一參著、　五日丁酉、午刻地震、　七日己亥、午刻地震、

〔暦代皇紀〕

〈五花園〉

p.1382 正和六年〈◯文保元年〉正月三日、辰刻大地震、　五日、寅刻大地震、未刻清水寺塔鐘樓回祿本堂遁了、　九日、大地震、去三日至二今日一、已數十度、

〔薩戒記〕

p.1383 應永卅二年十一月十日乙巳、子終刻地震、　十二日丁未、卯始刻地震、　十三日戊申、子終地震小動、　十六日辛亥、戌刻地震、　應永卅二年十一月十六日辛亥、〈三吉神谷〉丑終剋、奉レ夢二先考一、〈其御形衣冠〉依二地震連續一令二參内一給御體也、　廿二日丁巳、巳刻地震、　十二月十二日丁丑、寅刻地震、巳刻又動、　十三日、亥終許、地震、　十六日辛巳、卯刻地震云々、

〔南方紀傳〕

〈下〉

p.1383 永享五年正月廿四日、地震、〈◯中略〉五月廿一日、午刻大地震、九月十六日、子刻同大地震、夜中三十四度、其後廿餘箇日、不レ留二地震一、

〔塔寺長帳〕

p.1383 永享八年七月九日、申刻大地震動、日夜三日也、十六度動也、

〔南方紀傳〕

〈下〉

p.1383 寶徳元年四月、自二十二日一數日大地震、

〔如是院年代記〕

p.1383 〈丙戌〉百五代後土御門〈◯中略〉　〈壬辰〉明應〈◯中略〉　〈甲寅〉三〈五月七日午刻大地震度二七箇日一〉

〔大乘院日記目録〕

〈史材摘要所收〉

p.1383 明應三年五月七日、大地振、〈是以後百ケ日餘連續了〉

〔宗祇終焉記〕

p.1383 かくてしはす〈◯文龜元年〉の十日巳刻ばかりに、地震おほきにして、まことに地をふりかへすにやとおぼゆる事、日にいくたびといふかずをしらず、五日六日うちつヾきぬ、人民おほくうせ、家々ころびたふれにしかば、旅宿だにさだかならぬに、又おもはぬやどりをもとめつヽ年も暮ぬ、

〔大阪地震記〕

p.1383 嘉永七甲寅年〈◯安政元年〉六月十三日、午之時と未の時に、地震二度強けれども、二ゆりにて鎭りたり、〈◯中略〉十三四〈六月〉の兩日は、此程に替りて暑さもまさりぬるは、けふより六月なればなどいひあへりしに、其夜子之刻過る頃、戌亥の方よりとも、辰巳よりとも、さだかならねど、ドヲウドヲウと響き渡りて、大なるなゐ震ひ出たり、されば家の大小をいはず、ゆりうごく事、風荒き日、船にて海をわたるがごとく、疊の上さへ歩みかねたり、とみにもふるひやまずして、家のなる音、

p.1384 いはん方なく恐しければ、皆一まどゐにまどゐし、或は打臥などしてあるに、燈火をさへゆり消し、又は倒などしければ、女童は泣まどひ、たヾ神佛の御名を唱ふるより外なし、漸く明がた近くなりて、少し穩しく成ぬるにぞ、人々生出たる心地せしに、又強く震ひなどして、朝の五ツ時迄に、およそ三十五六度に及べり、あくる十五日もきのふに替らず空晴たりしかど、猶ふるひやまずして、暮るヽまで長短強弱はあれど、十五六度に及びぬ、〈◯下略〉

〔地震日記〕

p.1384 十一月〈◯安政元年〉四日、辰ノ下刻地震フ、同夜二度ハ微細ナリ、〈◯中略〉　五日、〈◯中略〉同夜震コト七十度、寒強ク霜大ニ降、〈◯中略〉　六日、震フコト四十五度、晝ハ温ニシテ夜ハ寒シ、〈寒暖モ甚超過セリ、以來十日過マデ同ジ、晝二十一度、午時一度強シ、夜二十四度、亥ノ刻太ダ長シ、◯中略〉　七日、震スルコト五十三度、晝暖夜寒シ、〈晝二十四度、四ツ時太ダ長シ、夜二十七度、八ツ時太シ、◯中略〉　八日、震フコト四十一度、晝暖ナリ、震勢漸ニ弱小ナリ、〈晝十六度、二度強シ、夜二十五度以上、◯下略〉

地震越年

〔宇野主水記〕

p.1384 一去年〈◯天正十三年十一月〉ノ大地震ヨリオリ〳〵不レ止、大晦日之時分マデ節々ユリタル也、當春正月十二日ニモユリタル也、御堂御通夜聽聞之間ニモユリタル也、〈◯中略〉　一廿日〈◯二月〉朝六時分地震、舊冬ヨリ于レ今不レ止、

〔三災録〕

〈上〉

p.1384 谷脇茂實日記に云〈◯中略〉　一去冬〈◯嘉永七年即安政元年〉十一月四日ゟ地震度數の覺を、鷹匠町水門の御番人喜久助〈七十五歳〉が記せし物を見しに、日々夜々大震、中震、小震を分ちて委敷ものして、實に繁なるもの也、又月々の末には、其員數を縮たれば、夫のみを取て左に出す、　一去十一月分　合貳百四十七度　〆大七度、中四十四、小九十六、　一同十二月分　合九拾六度　〆大三、中貳拾、小七十三、　

p.1385 一今正月分　合百十五度　〆大なし、中八、小百七、　一同二月分　合六十三度　〆大なし、中七、小五十六、　一同三月分　合四十八度　〆大なし、中六、小四十二、　一同四月分　合四十六度　〆大一、中四、小四十一、　一同五月分　合三十三〈◯三恐四誤〉度　〆大一、中二、小三十一、　一同六月分　合三十二度　〆大なし、中一、小三十一、　一同七月分　合三十六度　〆大なし、中六、小三十、　一同八月分　合十九度　〆同、中十、小九、　一同九月分　合二十〈◯十下恐脱レ一〉度　〆同、中二、小十九、　一同十月分　合二十九度　〆同、中一、小二十八、　一同十一月分　合十八度　〆大なし、中なし、小許、　一同十二月分　合十四度　〆同、中なし、小許、　總合度數八百十七度

地鳴

〔續日本後紀〕

〈十八仁明〉

p.1385 承和十五年二月壬子、地震、聲如レ雷、群犬驚吠、

〔文徳實録〕

〈四〉

p.1385 仁壽二年十月庚辰、地震有レ聲如レ雷、

〔文徳實録〕

〈八〉

p.1385 齊衡三年二月癸巳、地震、有レ聲如レ雷、

〔文徳實録〕

〈九〉

p.1385 天安元年七月癸卯、地震、乾巽兩維有レ聲如レ雷、　己未、夜地震、其響如レ雷、

〔日本紀略〕

〈一醍醐〉

p.1385 昌泰元年五月七日乙亥、地鳴三度、其聲似レ雷、

〔日本紀略〕

〈二朱雀〉

p.1385 承平四年十月十九日丙戌、地震雷鳴、

〔中右記〕

p.1385 長承元年九月八日、卯時地震、　近日天變地震、尤有レ恐事也、　十二月七日癸巳、白雪又積二庭

p.1386 上一、去夜之事地震、其聲甚大、近日寒氣無レ極、

〔吾妻鏡〕

〈十七〉

p.1386 建仁二年十二月廿四日甲子卯刻、地震雷鳴兩三聲、

〔百練抄〕

〈十二順徳〉

p.1386 建保元年九月十七日、巳時大地震、有レ聲、

〔明月記〕

p.1386 嘉祿二年十二月廿四日、申始許書二阿彌陀經一之間、大地震、〈先有二鳴動聲一〉良久但如レ壁殊不レ壞、危宿又不レ苦歟、天變地震、恐而有レ餘、　廿五日、地震又甚、不吉鳴動事殊爲レ凶云々、毎レ聞恐怖、入レ夜泰俊朝臣來談、地震鳴動甚有レ恐、　廿八日、辰時又鳴動地震、

〔薩戒記〕

p.1386 應永卅二年十一月五日庚子、巳終許大地震三動、暫之一度小動、又一度小動、凡終日鳴動(○○○○)、未後雨、入レ夜甚、

〔時慶卿記〕

p.1386 慶長八年五月二十八日、雨天、巳刻計ニ地震鳴動、夕ニ白虹二筋東山ニ立、　九年七月十七日、少風立、地震辰刻ニ大ニ鳴動、　十年十一月廿七日天晴、卯刻地震鳴動、

〔鎌原洞山地震記事〕

〈大日本地震史料所載〉

p.1386 地震前にドロドロと雷の如く鳴り、後に動く、或は鳴音のみにて、動きなきもあり、或は鳴音なく(○○○○○○)、直に動くもあり、　鳴音、河所にては聞えず、御城下より西條邊高く聞ゆ、西條にて山に上りて聞時は、下に聞ゆと也、

地震無聲

〔園太暦〕

p.1386 文和四年十一月十八日庚子、今日午刻地震、無レ音、

地裂

〔日本書紀〕

〈二十九天武〉

p.1386 七年十二月、是月筑紫國大地動之、地裂廣二丈、長三千餘丈百姓舍屋、毎村多仆壞、是時百姓一家有二岡上一、當二于地動夕一、以岡崩處遷、然家既全、而無二破壞一、家人不レ知二岡崩家避一、但會明後、知以大驚焉、

〔吾妻鏡〕

〈二十一〉

p.1386 建暦三年五月廿一日辛酉、午刻大地震、舍屋破壞、崩、地裂、於二此境一近代無二如レ此大動一云云、而廿五日内、可レ有二兵動一之由、陰陽道勘二申之一云云、

〔吾妻鏡脱漏〕

p.1386 嘉祿三年三月七日丙辰、陰、戌刻大地震、所々門扇、築地等顚倒、又地割云云、去建暦三年、

p.1387 和田左衞門尉義盛叛逆之比、如レ此有二大動一、中下馬橋之地割事有レ之、古老談レ之、近年無二比類一云云、

〔鎌原洞山地震記事〕

〈大日本地震史料所載〉

p.1387 地の裂る處、大小長短深淺定らず、廣き處は飛越る事能はず、深きは底をしらず、裂たる所水を出すもあり、又裂たる儘なるもあり、又地陷りて數十丈の外へ其土を吹出し、小山の如くなるあり、

水涌

〔續日本紀〕

〈十六聖武〉

p.1387 天平十七年五月壬午、是月〈◯月、一本作レ日、〉地震異レ常、往々坼裂、水泉涌出、

〔玉海〕

p.1387 元暦二年〈◯文治元年〉七月九日庚寅、午刻大地震、〈◯中略〉大地所々破裂、水出如レ涌云々、

噴火

〔吾妻鏡〕

〈四十七〉

p.1387 正嘉元年八月廿三日乙巳、晴、戌刻大地震、有レ音、神社佛閣一字而無レ全、山岳頽崩、人屋顚倒、築地皆悉破損、所々地裂、水涌出、中下馬橋邊、地裂破、自二其中一火炎燃出、色青云云、

〔一話一言〕

〈十一〉

p.1387 寛文二年三年四年五年或御日記抄　寛文三年八月廿日　先月廿五日蝦夷松前夥敷地震にて海山混亂、人馬も大分に死申候、又山中より火出燒申候由注進之、

地陷

〔日本書紀〕

〈二十九天武〉

p.1387 十三年十月壬辰、逮二于人定一大地震、〈◯中略〉土左國田苑五十餘万頃沒爲レ海、古老曰若レ是地動未二曾有一也、

〔三代實録〕

〈三十四陽成〉

p.1387 元慶二年九月二十九日辛酉、夜地震、是日關東諸國地大震裂、相模、武藏、特爲二尤甚一、其後五六日、震動未レ止、公私屋舍、一無二全者一、或地 陷、往還不レ通、百姓壓死、不レ可二勝記一、

〔應仁後記〕

〈下〉

p.1387 前公方家御沒落事　今玆永正六年ノ秋八月七日ノ夜、大地震夥シ、其レヨリ以後七十餘日、震動猶止ザリケレバ、國々ノ堂社、佛院、大厦、民屋、顚倒スル事、其數ヲ不レ知多カリケルニ、此時天王寺ノ石ノ鳥居モ倒レニケリ、剩ヘ八月廿七日、同廿八日ニ、遠州ノ海邊夥ク波打來テ數千ノ在家ヲ流シ捨テ、死亡スル者數

p.1388 ヲ不レ知、陸地三十餘町悉海ト成テ、旅人俄ニ船ヲ設テ往行ス、其レヨリ此所ヲ今切ノ渡リト名付ケリ、

山崩

〔日本書紀〕

〈二十九天武〉

p.1388 十三年十月壬辰、逮二于人定一、大地震、〈◯中略〉則山崩、河漏、〈◯下略〉

〔續日本紀〕

〈六元明〉

p.1388 靈龜元年五月乙巳、遠江國地震、山崩壅二麁玉河一、水爲之不レ流、經二數十日一潰、沒二敷智、長下、石田三郡民家百七十餘區一、并損レ苗、

〔扶桑略記〕

〈二十二光孝〉

p.1388 仁和三年七月卅日辛丑、申時地大震、〈◯中略〉信乃國大山頽崩、巨河溢流、六郡城廬拂レ地漂流、牛馬男女流死成レ丘、

〔源平盛衰記〕

〈四十五〉

p.1388 内大臣京上被レ斬附重衡向二南都一被レ切并大地震事　同〈◯文治元年〉七月九日、午刻大地震ナリ、〈◯中略〉同キ十四日ニ、彌益震ケリ、〈◯中略〉天暗光ヲ失ヒ、地裂山崩レケレバ、老少男女肝ヲ消禽獸鳥類度ヲ迷ス、コハ如何ニ成ヌル世中ゾヤトテ、喚叫被二厭殺一者モアリ、被二打損一人モ多シ、近國モ遠國モ、如レ此ナリケレバ、山崩テ河ヲ埋、海傾浸レ濱石巖破谷ニコロビ、樹木倒テ道ヲ塞ケリ、洪水漲來バ岡ニ登テモ助リ、猛火燃近付バ河ヲ阻テモ生ナン、只悲カリケルハ大地震也、

〔太平記〕

〈二〉

p.1388 天下怪異事　同年〈◯元弘元年〉七月〈◯中略〉七日酉刻ニ、地震有テ、富士絶頂崩ル事數百丈也ト、卜部宿禰大龜ヲ燒テ占、陰陽博士占文ヲ啓テ見ニ、國王位ヲ易、大臣遭レ災トアリ、勘文表不レ穩、尤御愼可レ有ト密奏ス、寺々火災所々地震只事ニ非ズ、今ヤ不思議出來ト、人々心ヲ驚シケル處ニ、〈◯下略〉

〔泰平年表〕

〈常憲公〉

p.1388 元祿十六年十一月廿二日、丑刻江戸大地震、〈◯中略〉箱根山崩道路塞、同時ニ所々出火、人多死、海濱ニ遁者は津浪ニ而死、

川壅

〔宇野主水記〕

p.1388 一十一日〈◯天正十三年十一月〉夜九ツ半時、地震、　一十一月廿九日夜四半時大地震、夫ヨリ十

p.1389 餘日不レ止、折々地震、此比内侍所鳴動之由申來、禁中御祈禱種々有レ之、卅三間堂ノ佛六百體計倒給ト云々、飛州ノ歸雲トモ在所ハ内島ト云奉行衆アル所也、地震ニテ山崩山河多セカレテ内島ノ在所ヘ大洪水ハセ入テ、内島一類地下ノ人々ニイタルマデ不レ殘死タルナリ、他國ヘ行タル者、四人ノコリテ泣々在所ヘ歸リタル由申訖、彼在所ハ悉淵ニナリタルナリ、近江、越前、加賀ハ、別テ大地震、和泉、河内、攝津同前、六十餘州大地震ナリ、サレドモ別テ破例タル國ト、サホドニナキト差別有レ之云々、八十餘歳ノ人モ此事見聞タル事無シト云々、

〔信越地震記〕

p.1389 先達而先御屆申上候、私領分信濃國高井郡之内、去月廿四日夜、大地震御座候處、其節近領更科郡山平林村之内、岩倉山拔崩候由、犀川押埋、堰留候水、追々數十丈湛、右何方〈江〉可二押出一哉心配罷在候内、昨十三日夕七ツ時頃、俄に押破候哉、右山之方鳴動仕候様子に而、無レ程一時に水押出、防方〈茂〉屆兼候様子に付、出役家來之者より、追々及二注進一候處、間も無レ之、犀川千曲川落合邊之村村、并に田畑迄一圓に水押冠申候村々、綿内村と申候は勿論、谷川附近邊之村々之者共は不レ及レ申、猶又家來共助成人、是等〈茂〉多人數差出、精々用意申付候得共夜中別〈而〉水勢強防兼、流家溺死等可レ有レ之、其上田畑泥冠、且亡所損地等も多分出來可レ申哉心配仕候、尤本朝に至り、追々減水之趣に御座候得共、此所如何可レ有レ之哉、難レ計奉レ存候、未水中之議に御座候間、委細之儀は、追而取調可二申上一候得共、先此段御屆申上候、以上、　四月〈◯弘化四年〉十四日　堀長門守

温泉沒

〔嘉元記〕

p.1389 一康安元年辛丑六月廿四日、卯時大地震在レ之〈◯中略〉或説ニハ、湯ノ峯ノ湯止テ不レ出云々、

〔伊豫古蹟志〕

〈一温泉郡〉

p.1389 道後邑有二温泉一、曰二熟田津石湯一、又曰二柔田津礒湯一、〈◯中略〉震塞二泉源一者數矣、推古帝三十六年最震、沸湯忽竭焉、舒明帝三年秋九月始達焉、白鳳十三年冬十月十四日大震埋レ池、乃鑿如レ故矣、慶長十九年冬十月二十五日大震池崩、鑿始達矣、享祿四年春震、埋二湯澣一、因改築、澣上架レ石、貯二湯其

p.1390 上一爲二之於浴池一、置二石釜一而潟注矣、寛永二年春三月十八日沸湯又竭焉、久之始達矣、貞享二年冬十月十日亦竭焉、數日之後如レ故也、寶永四年冬十月十四日大震塞二泉源一、竭枯者數日、大龍侯命祈二于湯神社一、明年閏正月廿八日忽有二一老一來云、明旦泉如レ故也、至レ期果達焉、夏四月朔日、始許二縱浴一、浴者彭々至レ暮一千八百餘人云、

海嘯

〔松屋筆記〕

〈六十二〉

p.1390 高潮、地震、津波、　渡邊輳云、海の津波も、海中の地震にや、さまでの風ならでも、大浪打よするは、必水動にて、海地震(○○○)ともいふべくやと云々、これもことわりにきこゆ、

〔續日本紀〕

〈十五聖武〉

p.1390 天平十六年五月庚戌、肥後國雷雨地震、八代、天草、葦北三郡官舍、并田二百九十餘町、民家四百七十餘區、人千五百二十餘口、被二水漂沒一、山崩二百八十餘所、壓死人四十餘人、並加二賑恤一、

〔三代實録〕

〈十六清和〉

p.1390 貞觀十一年五月廿六日癸未、陸奧國地大震動、〈◯中略〉海口哮吼、聲似二雷霆一、驚濤涌潮、泝洄漲長、忽至二城下一、去レ海數千百里、浩々不レ辨二其涯涘一、原野道路、總爲二滄溟一、乘レ船不レ遑、登レ山難レ及、溺死者千計、資産苗稼、殆無二孑遺一焉、

〔三代實録〕

〈五十光孝〉

p.1390 仁和三年七月卅日辛丑、申時地大震動、〈◯中略〉五畿内七道諸國、同日大震、官舍多損、海潮漲レ陸、溺死者不レ可二勝計一、其中攝津國尤甚、夜中東西有レ聲、如レ雷者二、

〔南方紀傳〕

〈下〉

p.1390 應永十四年十二月十四日、大潮入(○○○)、大地震、

〔異本年代記拔萃〕

p.1390 明應七年八月廿五日、辰刻大地震、其程良久、從レ其相續月日地搖、此時伊勢國大湊悉滅却、其外三川、紀伊諸國之浦津、高鹽充滿而滅亡云々、

〔窻の須佐美〕

〈二〉

p.1390 元祿十六年癸未十一月十八日、四ツ谷鹽町より燒出て、芝海端まで燒しかば、人々騷しに、廿二日丑刻、大地震、御堀石壁の石一同に拔出て、齒ぐきのごとくになりぬ、御城詰の面々、御門番人之外、江戸中貴賤殃死、怪我人かぞへ盡すべからず、この時房州總州の津浪夥敷して、死

p.1391 するもの二萬一千人なりとぞ、戸塚鎌倉の邊、小田原死人限りなし、翌日より日中五十度三十度十日餘りほどゆり、春に至て五三日一度、又は三四度づヽ大ゆりに動き、少づヽは繁々にありて、半年餘りにして止ぬ、

〔續地震雜纂〕

〈大日本地震史料所載〉

p.1391 伊勢南島古和浦津浪之事　十一月〈◯安政元年〉四日、五ツ時過、沖ゟ歸り來る漁船、古和浦口前處〈兼て運上を取村役所なり〉之前、魚を積並べ、直段を付け居る處へ、大地震に付、各居宅へ走り歸らむとするやいなや、大地ゟ泥を吹出し、沖ゟ山の如き大浪來り、人家之屋根之上を越〈江〉、一圓海中に相成、諸人山へ登りこれを避く、尤去る六月十四日地震之時も、津浪を恐れ、諸人山に登り、七八日も山住居致し候故、此度も地震の初めより、誰教ふるとなく、子供より騷ぎ立ち山に登りし故、如レ斯之大津波にも死人少く、全神の御加護と難レ有存じ候よし、　一浪引し跡は、泥并砂を打上げ、又は波除け堤崩れ、家はさら也、屋敷地迄も跡形なくなり、又家は海岸の樹木にかヽりとまりたるもありたるよし、　右は古和浦平三郞といふ者、村之代參に取あえず兩宮〈江〉參宮致し、浦の御師中西與太夫へ立寄り話したる趣也、〈◯下略〉

〔續地震雜纂〕

〈大日本地震史料所載〉

p.1391 霜月〈◯安政元年〉十三日出、憂北生、伊豆下田ゟ之書状、〈同月廿九日著〉　扨當月四日朝五ツ二分五厘許の頃、當下田湊大地震、土藏等は壁落、土地少々割れ申候、泥少々出候位之事に御座候、市中大騷動仕居候處、一刻許も過候間に、大勢又々騷ぎ立候間、出火と存じ、表に出申候處、煙も不レ見候間、是は定〈而〉異人共亂妨仕候事と存じ、我も内も脇差を取に入出候處、早市中に大波參り申候、大工町川岸に大船之帆柱搖動致し、あたまの上倒れ候許に相成候間、漸津浪なる事をしりて、先山際へ上り、旅宿本覺寺へ行んと存候に、市中一面津浪に而、中々渡りがた

p.1392 く候間、早々了仙寺と申寺の山へ上り見申候處、早一の潮(○○○)は其節引去り申候に、其波の中を渡りて、市人并諸役人等、皆山に上り申候、　扨然るに又煙草一二ふく許も呑候間に、二の潮來り候やと、人々騷ぎ候得共、一向其様子も無レ之、大工町の邊りに煙立上り、出火々々と騷ぎに、寺鐘を撞かけ候に、又阿治川遽に、出火燃立候間に、二の潮(○○○)、柿崎濱へ突かけ、浪除土手を越て、下田湊へ參り候に、其浪にて二ケ所の出火消、九百軒の人家、一時に將棊倒しに相成、青海原と相成候、八百石以上の船十三艘程、下田町を打越、岡方村、本郷村の畑中、又村中へ上り、其時異國船は、若の浦と申處に繫ぎ有レ之候處、早纜切れて、大走島の上の方、鷗島の下の方に漂ひ來りしに、早三段にかけし檣、壹段と致し、大ゆれに成て流れ來りしが、其二の潮の引につけて、元の邊へ戻りたり、　扨又しばし有て三の汐、柿崎へつきかけ候に、此汐にて百餘軒の柿崎村、一時に碎かれ皆流れ、又其邊りに繫ぎし大船凡拾七八艘〈此船皆五百石ゟ七百八百石迄也、〉村中に打上げ碎かれ流れたり、其潮下田の方へ廻り來りたれども、最早一軒の家もなく、青海原の事なれば、其潮、本郷村岡方村の邊一面にさし込て、山際まで打かけたり、〈◯中略〉　扨其二の潮、三の潮にて、子を抱て逃る女や、親を負て山に登るもの、皆水底に沈み、或は樹の梢にかヽり、又流れ行、屋根棟に乘て叫ぶ聲、實に目も當られざるさま也、〈◯中略〉　四の潮、五の潮、六の潮も、最早追々干潟にも成る時節につき、追々輕く相成候、〈◯中略〉　五日、又九ツ頃、大津波來り候由、誰いふともなく風聞致し候、我々本覺寺山ゟ本郷村〈江〉引移止宿仕候處、夕六ツ半頃、又津波來り申候、下田岡方村〈江〉上り候得共、最早流し候人家無故に、さして騷ぎ不レ申候、二の潮も凡十町許の方まで上り申候、〈◯中略〉　十三日　憂北生

海變爲陸

〔太平記〕

〈二〉

p.1393 天下怪異事　同年〈◯元弘元年〉七月三日大地震有テ紀伊國千里濱遠干潟俄ニ陸地ニナル事、二十餘町也、

震害/壞屋

〔續日本紀〕

〈六元明〉

p.1393 靈龜元年五月丙午、參河國地震、壞(○)二正倉(○○)四十七一、又百姓廬舍、往々陷沒、

〔續日本紀〕

〈十六聖武〉

p.1393 天平十七年四月甲寅、是日通夜地震三日三夜、美濃國櫓館正倉、佛寺堂塔、百姓廬舍、觸處崩壞、

〔文徳實録〕

〈八〉

p.1393 齊衡三年三月是月、地數震、京師及城南或屋舍毀壞、或佛塔倚傾、

〔三代實録〕

〈十五清和〉

p.1393 貞觀十年七月八日己亥、地震、動二内外垣屋一、往々頽破、

〔三代實録〕

〈十五清和〉

p.1393 貞觀十年七月十五日丙午、播磨國言、今月八日、地大震動、諸郡官舍、諸定額寺堂塔皆盡頽倒、

〔三代實録〕

〈三十六陽成〉

p.1393 元慶三年十月廿七日癸未、出雲國言、今月十四日地大震動、境内神社、佛寺、官舍及百姓居廬、或顚倒、或傾欹、損傷者衆、其後迄二于二十二日一、晝一二度、夜二三度、微々震動、猶未二休止一、

〔日本紀略〕

〈六圓融〉

p.1393 貞元元年六月十八日癸丑、申刻地大震、其響如レ雷、宮城諸司多以破壞顚倒、兩京舍屋其數甚多、其中八省院、豐樂院、東寺、西寺、極樂寺、清水寺、圓覺寺等顚倒、地震之甚未二曾有一矣、

〔扶桑略記〕

〈二十八後一條〉

p.1393 長久二年七月廿日、丑刻地震、法成寺鐘樓顚倒、

〔扶桑略記〕

〈二十九後冷泉〉

p.1393 延久二年十月廿日、半夜地震動、洛中家々築垣往々頽落、東大寺鐘震零、諸國寺塔間以壞損焉、廿三日時々又震、

〔扶桑略記〕

〈三十堀河〉

p.1393 寛治五年八月七日癸亥、申刻有二大地震一、法成寺五大堂軍茶利〈丈六〉被二震倒一、九重塔流星被二震傾一、金堂中尊寶幢瓔珞切落、講堂中尊藥師堂七佛光圓堂寶形、常行堂壁并裳層等皆以震損、又大和國金峯山金剛藏王寶殿皆爲二地震一破損、古今未レ聞云々

〔玉海〕

p.1393 元暦二年〈◯文治元年〉七月九日庚寅、午刻大地震、古來雖レ有二大地動事一、未レ聞下損二亡人家一之例上、仍暫不レ騷

p.1394 之間、舍屋忽欲二壞崩一、〈◯中略〉舍屋等雖レ不レ伏レ地、悉傾危、或棟折、或壁壞、於二築垣一一本如レ不レ殘、如二傳聞者、京中之人家多以顚倒、又白川邊御領等、或有二顚倒之所一、或築垣許破壞、法勝寺九重塔、心柱雖レ不レ倒、瓦已下皆震剥、如レ無レ成云々、〈◯中略〉又聞、天台山中堂燈、承仕法師取レ之、不レ令レ消云々、但於二堂舍廻廊一者、多以破損、其外所々堂場、悉破壞顚倒云々、余家前邊使、〈馬助國行〉於二院八條院等一、申二事由一、依二所勞一不能參入一也、〈◯中略〉院御所破損殊甚、大略寢殿傾危、不レ足レ爲二御所一之間、御二坐北對一云々、凡往古來今、異域他郷、總以未有二如レ此之事一、末代之至、天地之惡レ君弃レ國、爰而炳焉者歟、法皇御二參籠今熊野一、而依レ恐二此事一忽被二出御一云々、　十二日癸巳、今日法印被レ出レ自二西山一、無動寺三昧院等爲二地震一破損之故也、

〔源平盛衰記〕

〈四十五〉

p.1394 内大臣京上被レ斬附重衡向二南都一被レ切并大地震事　同〈◯文治元年〉七月九日午刻大地震ナリ、良久振テ恀(オビタヾ)シナド云モ愚也、同十二日ニ又地震アリ、九日ニハナヲ超過セリ、赤縣中、白川ノ側、六勝寺九重塔ヨリ始テ破傾キ到崩、大内中堂廻廊、園城寺廻廊、法勝寺阿彌陁堂モ顚倒シケリ、神社佛閣モ如レ此ナリケレバ、増テ人屋ノ全キハ一宇モナシ、根本中堂ノ常燈モ、三燈ハ消ニケリ、大師手自石火ヲ敲出シテ炬シ給ヘル一燈ハ不レ消ケリ、法滅ノ期ニハ非ヌゾ、臨時ノ災ト覺エタリ、同キ十四日ニ、彌益震ケリ、堂舍ノ崩ルヽ音雷ノ鳴ガ如シ、塵灰ノ揚ル事ハ煙ヲ立タルニ似タリ、

〔吾妻鏡〕

〈四〉

p.1394 元暦二年七月十九日庚子、地震良久、京都去九日午刻大地震、得長壽院、蓮花王院、最勝光院以下佛閣、或顚倒、或破損、又閑院御殿、棟折釜殿以下屋々、少々顚倒、占文之所レ推、其愼不レ輕云々、而源廷尉〈◯義經〉六條室町亭、云二門垣一、云二家屋一、無二聊頽傾一云々、可レ謂二不思議一歟、

〔嘉元記〕

p.1394 一康安元年辛丑六月廿八日、禪覺房御塔之火燈、大地震ニ損シタルヲ(今月廿四日)、一人登テ、一人シテ被レ直タル恩賞ニ、中 ニ被レ成畢、〈今日〉三輩治定、　一康安元年辛丑六月廿二日卯時地震在レ之、當寺東院南大門西脇築地、〈半本、〉同院中ノ門北脇築地〈一本、〉西寺ノ南大門西脇築地、〈半本倒〉　

p.1395 同月廿四日卯時大地震在レ之、當寺ニハ御塔九輪之上火炎一折懸テ〈下モヘハヲチズ〉金堂東間ノ佛壇下モヘハクヅレヲツ、東大門北脇築地少破落、　傳法堂辰巳角カヘ南ヘ落破　藥師寺金堂ノ二階カタブキ破、御塔〈一基ハ九輪落ヌ、一基ハ大ニユガム、〉中門廻廊悉顚倒、同西院顚倒、此外諸堂破損云々、　招提寺塔九輪大破損、西廻廊皆顚倒、渡廊悉破畢、　天王寺金堂破レ倒レヌ、又安居殿御所西浦ニテシホミチテ、其間ノ在家人民、多以損失云々、熊野山ノ山路并山河等多以破損、〈◯中略〉　同年辛丑七月十一日、大地震在レ之、當寺御塔立法立星本ヨリ折レテ落畢、其後爲二寺門之沙汰一、或ハ寺僧郷民勸進、或ハ年貢供養借要、廻二種々之秘計一、同年十二月晦日、造功如レ元成畢、其内別當御房〈懷雅〉御奉加〈五貫文在レ之、〉

〔如是院年代記〕

p.1395 〈戊申〉百四代後花園院〈◯中略〉　〈己巳〉寶徳元〈（中略）自二四月十日一至二六月二十五日一、大地震、處々築地破、〉

〔拾芥記〕

〈下〉

p.1395 永正七年八月七日、夜寅刻大地震、天王寺廿一社悉顚倒云々、可レ謂二佛法破滅之時一者乎、

〔泰平年表〕

〈大猷公〉

p.1395 正保四年五月十三日、江戸大地震、御城并大名屋敷破損、　慶安二年六月廿日、江戸大地震、大名屋敷民屋破倒、人多死、

〔事語繼志録〕

〈上〉

p.1395 慶安二年己丑六月廿一日ノ晩、江戸大地震、御城郭、大名小名ノ營作、并民屋等ニ至ルマデ、悉ク及二大破一ナリ、依レ之日光山御宮御寶塔イカヾノ旨思召サレ、次飛脚ヲ以テ承リ申ベキ段仰付ラルヽ時ニ、信綱公〈◯松平〉御前〈◯徳川家光〉ニ於テ、御山搖崩申サバ格別、サナクバ破損アルマジキヨシ、仰上ラルヽ所ニ、何ト存ジテサヤウニ申ゾト上意アレバ、信綱公カサ子テ言上ニハ、念ヲ入造立仕レバ、損ゼザルモノト相見ヘタリ、古ノ大地震ニモ、御天守并塔ナドハ、敗壞ハ仕ラザル

p.1396 ナリ、御寶塔ノ御地形ハ、カクノゴトク念ヲ入テ築立サセ申スユヘ、破損ハアルマジク存ジ奉ルナリ、相輪橖ハイカヾアルヤノ上意アレバ、ソレハタシカニ見分仕ラザルユヘ、御請申上ガタシトアリテ、其後日光山ヨリ御宮御廟塔聊モ別條ナシ、所々ノ石垣ハ崩タル旨ニテ相輪橖ハ七八寸ホド斜(ユガミ)申スト申來レバ、最初ノ頓作ノ御挨拶悉ク首尾合タル事ト、聞人感ジアヘリ、

〔泰平年表〕

〈嚴有公〉

p.1396 寛文二年五月朔日、京都大地震、禁裏院中二條城外曲輪等所々破裂、

〔一話一言〕

〈十一〉

p.1396 寛文二年、三年、四年、五年、或御日記抄、　寛文二年十月十四日　日向國佐土原島津但馬守領地、去月十九日夥敷地震仕之由、多門長屋二三十間潰レ、侍屋敷町屋百姓屋共に都合八百軒餘潰れ、人馬牛少々死申候、けが仕候ものは數多御座候由、同廿日四十度程震り申候由、今日注進、

〔泰平年表〕

〈常憲公〉

p.1396 元祿十六年十一月廿二日、丑刻江戸大地震、御城内外石垣多崩、武家町家共破損、相州小田原は餘國よりも強、民家破倒、〈◯下略〉

〔武江年表〕

〈九〉

p.1396 安政元年十一月三日辰半刻、地震、〈市中の者は大路へかけ出す、翌五日深夜まで數度震ふ、小川町諸侯のやしきには厩潰れ、其外土藏の壁等所々に破損多く、長屋潰れて即死に及けるもありし由なり、同刻伊豆國甚しく震ひ、東海道筋これに亞りと云ふ、〉

火災

〔春記〕

p.1396 長久元年〈◯長暦四年〉十一月一日壬子、早旦參内、依二去夜地震事一也、〈◯中略〉抑又此地震後不レ經二幾程一、東一品宮北屋付火、火焰及二數尺一、宮人即撲滅畢云々、

〔薩戒記〕

p.1396 應永卅二年十月廿四日庚寅、亥降地震、西方有レ火、嵯峨方歟云々、

〔武江年表〕

〈九〉

p.1396 嘉永六年二月二日巳下刻、地震三度、民溜桶の水溢る、〈此日同刻相州小田原の城下町町をはじめ、神戸、大磯宿、大山邊、箱根、伊豆の熱海、三島、沼津の邊に至るまで、地震數度に及び、同夜子刻至りて、人家を覆し火災起り、死亡の輩あまたありしとぞ、〉安政二年十月二日、亥の二點、大地俄に震ふ事甚く、〈◯中略〉品川沖御臺場の内建物潰れ、土中に入り、

p.1397 剩火を發したり、此夜潰家より火起り、燒亡及し場所間數左の如し、　大手御門前、西丸下、八代洲河岸、日比谷幸橋御門内迄、長十三町餘、巾平均三町程、　南大工町より燃立、京橋の邊一圓燒失す、長五町餘、巾平均二町程、　築地松平淡路守殿より火起り、十軒町燒失、長一町半餘、巾平均四十間、　柴井町木戸際より起り、同町のみ燒る、長一町四十間餘、巾卅八間程、　靈巖島鹽町より起り、濱町四日市、北新堀、大川端迄、長一町餘、巾五十間程、　淺草駒形町より起り、諏訪町外五ケ町類燒、長四町餘、巾三十間程、　同行安寺門前より起り、龍光寺門前玉窗寺より起る、長卅六間餘、巾卅間程、　淺草寺地中より起り、田町、花川戸町、猿若町燒失、長八町餘、巾平均二町半程、　吉原町殘らず、非人頭がまへ内燒失、長三町餘、巾平均二町廿間程、　上野町一丁目武家境より起り、下谷廣小路東の方一圓燒失、長六町半餘、巾平均壹丁十間程　下谷茅町二丁目より起り、武家方燒、池の端七軒町より起、長二町半餘、平均四十五間程、　下谷坂本町三丁目より起り、同一丁目二丁目燒失、長二町廿間、巾平均四十五間程、　千住小塚原町より起り、下谷みのわ町へ飛火、燒失長一町半餘、巾平均五十間程、　橋場金座下吹所より起り、又今戸町より起り、最寄燒失、長一町廿間餘、巾平均廿間ほど、小川町邊燃立ち、家不知、一圓水道橋内まで燒失、長六町半餘、巾平均四町程、　濱町水野侯、中やしき長屋内燒失、長五十二間餘、巾四間程、　小石川りうけいばし邊武家やしき燒失、長四十二間餘、巾十間程、永代橋向南の方、深川永代寺門前仲町邊一圓燒失、長十町、巾平均三町程、　深川いせざき町、龜久町の邊燒失、長三町餘、巾平均三十間程、

p.1398 新大橋向、御船藏前町、六間ぼり、森下町邊燒失、長七町餘、巾平均二町半程、　本所緑町より、竪川通、中の郷、五の橋町邊燒失、長六町餘、巾平均三十間程、　南本所石原町法恩寺橋まで龜戸町燒失、長一町廿間餘、巾平均十二間程、　南本所荒井町、北本所番場町の邊燒失、長三町餘、巾平均廿五間程、　中の郷成就寺向、小梅町元瓦町の邊燒失、長五十間程、巾平均八間程、　以上江戸燒亡場所、合凡長二里十九町餘、幅平均して二町程と聞り、　三日朝五時過にいたり、諸方の火やうやく鎭れり、

人畜死傷

〔續日本紀〕

〈十一聖武〉

p.1398 天平六年四月戊戌、〈◯七日〉地大震、壞二天下百姓廬舍一、壓死者多、山崩川壅、地往々折裂、不レ可二勝數一、

〔日本紀略〕

〈六圓融〉

p.1398 貞元元年六月十八日癸丑、申刻地大震、〈◯中略〉今日清水寺地震之間、緇素壓死(○○)之者、其數五十、

〔内宮子良館記〕

p.1398 今度大地震ノ高鹽ニ、大湊ニハ千間餘人五千人計流死ト云々、其外伊勢島間ニ、彼是一萬人計モ流死也、〈明應七年戊午八月廿二日ノ事也〉

〔後法興院記〕

p.1398 明應七年八月廿五日己丑、辰時大地震、去六月十一日地震一倍事也、九月二十五日傳聞、去月大地震之日、伊勢、參河、駿河、伊豆、大浪打寄、海邊二三十町之民屋、悉溺レ水、數千人沒レ命、其外牛馬類不レ知二其數一云々、前代未聞事也、

〔落穗集追加〕

〈三〉

p.1398 傳秦屋敷始の事　一問曰、尤其時代の義は、諸事に付御手輕き事共と相聞けれ共、御老中方を初め、何も御立合、御評定所へ茨原町の傾城ふぞいの者を俳徊有レ之事、何共承知致さぬ事也、虚説などにて無レ之哉、答曰、手前抔も、寛永年中出生の者なれば、時代も違、慥に可レ知様も無レ之候、去ながら左様成る義も可レ有

p.1399 レ之と存る子細は、文祿年中、上方に於て、大地震のゆりたる義有レ之、京都大佛の像などもゆり崩し、權現様の聚樂の御屋形も大破に及び、御家人衆中も、押に打れ死る衆抔も有レ之由其節伏見小幡山城中に於て、築地の所に立たる奧向の御屋形を震崩し、中居以下の女中五百人計りも相果候に付、老女中、大閤の前に於て、今度の地震に、あまたの下女共、押にうたれ相果候に付、俄に其代りを召抱へよとある義を、秀吉公聞たまひて、御申には、いかに下女ふぜいの者なれ共、あまたの人を召寄る事は、成り兼可レ申候と玄以法印に申談じ、六條島原町の傾城共を召寄、〈◯下略〉

〔泰平年表〕

〈惇信公〉

p.1399 寶暦元年四月廿五日、越後國高田大地震、〈酉刻より丑刻まで三十餘度、山崩民家倒、死者凡一万六千三百餘人と云、〉

〔視聽草〕

〈三集八〉

p.1399 越後地震　私當分御預所、越後國三島郡脇野町村陣屋最寄之義、當十一月十二日曉八ツ時大風雨、六ツ時頃雨も相止、黒雲一圓天を覆ひ、自然震動之音相聞、何となく怪異之様子も御座候處、同日朝俄に大地震、遠近之郷里暫時に火煙を上ケ、人々之聲山林に響候程之義、陣屋許脇野町、吉岡村、上岩井村、多分之家數即時に相潰、道路瓦石を飛し、即死怪我人等有レ之に付、陣屋詰手代共即刻爲二取締出役一、火之元嚴重に防方取計、先火災之患者相遁候共も、誠に不慮危急之天災、漸命無レ恙免レ候え共、迚も家財悉く夥碎、剩出來秋取入之米穀に至迄、不レ殘散亂致し、引續十五日迄四日之間日夜之震動不二相止一、假成二無難一建家之分、震動度毎追々及レ潰、此上急變之程無二覺束一、家宅之住居難二相成一、原野に逃去罷出、大勢之者共、當日之夫食は勿論、寒氣之凌方手當に差詰り、危難に迫り候次第、右者國中一體之事に候へども、重に三島蒲原郡村々之内、震動強一村皆潰、即死怪我人等多ニ而山附ゟ里方別而強く、山附之村々山崩立木振返り、里方村々大地裂ケ破レ、砂水湧上ゲ候村々も數多有レ之、其外脇野町最寄、私領寺社村々之内、一村皆潰之上、出火にて多分之潰家悉く燒失、人馬怪我夥敷有レ之趣、且脇野町陣屋之義は、悉く大破ニ及び候義旨、彼地詰手代共ゟ申越、變事不二容易一義と奉レ存

p.1400 候、委細之義は追々申上候へども、先右之段御屆申上候、以上、　子十一月廿日　野田斧吉　御勘定所

〈弘化四年未年〉

〔信州大變記〕

p.1400 弘化四丁未三月廿四日夜、信州大地震、夜四ツ時ヨリ四月朔日迄震動未止ミ不レ申候、右之内大風三度、　四月六日村方屆之分　一死人千九百七十二人　一怪我人六百八十一人　一斃馬五十六疋　一半潰家千七十三軒　一潰家四千九百七十一軒　一御高札場、并堂社、其外社倉之類、村方申立不分明ニ付調之上、

〔武江年表〕

〈九〉

p.1400 安政二年十一月、此度〈◯十月二日地震〉變死怪我人、市中の呈状(カキアゲ)には、變死男女四千貳百九十三人、怪瑕人貳千七百五十九人とあり、寺院に葬し人數は、武家、浪人、僧尼、神職、町人、百姓合て、六千六百四十一人と聞り、

檢察震害地

〔續日本紀〕

〈十一聖武〉

p.1400 天平六年四月戊戌、〈◯七日〉地大震、　癸卯、遣二使畿内七道諸國一、撿下看破二地震一神社上、　戊申、詔曰、今月七日地震殊レ常、恐動二山陵一、宜下遣二諸王眞人一副二土師宿禰一人一、撿中看諱所八處及有功王之墓上、

〔康富記〕

p.1400 文安六年四月十四日甲子、去十日以來、連日地動不レ休、嵯峨釋迦并五大尊顚倒事、自二室町殿一被レ遣二御使一、令二撿知一之、齊藤新左衞門丞也、神泉苑築地、東寺築地等破損事、被レ遣二兩奉行一、〈矢野長門入道譽田之入道〉令二撿知一云々、皆依二地震儀一也、

避難/出屋外

〔三代實録〕

〈五十光孝〉

p.1400 仁和三年八月五日丙午、晝地震五度、夜大震、京師人民出(○)レ自廬舍(○○○)一居(○)二于衢路(○○○)一、

〔春記〕

p.1400 長久元年〈◯長暦四年〉十一月一日壬子、早旦參内、依二去夜地震事一也、主上〈◯後朱雀〉出御仰云、今夜震動、總

p.1401 無二此比一、殿屋震動疑欲二顚倒一、怖畏無レ極、仍出(○)二寢所(○○)一、殆及(○○)二戸外(○○)一、是心神迷亂之故也、

〔扶桑略記〕

〈三十堀河〉

p.1401 寛治七年二月十四日辛酉、未刻地大震動、屋内道俗皆怖下(○○○○○○○)レ庭(○)、

〔清正記〕

〈二〉

p.1401 一慶長元年七月十二日之夜、大地震ゆる事、二百年三百年にもかヽる例を不レ及レ聞、日をこえてやまず、洛中、洛外、伏見、大坂は不レ及レ申、五畿内押並て地震、京中其外所々に至迄、一宇も不レ殘倒れ、おしに打れ、死者數を不レ知、地震ゆると則清正起揚、二百人の足輕に手子を持せ、侍共召連、伏見の御城へはせ行、太閤御座候邊迄被レ參、はや太閤も御居間を御出座有て、大庭へ出御被(○○○○○○)レ成(○)、御敷物を敷、幕屏風にてかこひ、大提灯をとぼさせ被レ成、御座所へ主計頭つと被レ參候へば、太閤は女の御裝束にて、政所様、松の丸殿、高藏主、其外上臈衆の中に交り御座被レ成候、然ども御聲せしかば、はや御出被レ成たると悦、高藏主々々々と主計被レ申候、誰ぞと答候時、加藤主計頭是迄參たり、大地震夥敷候に、上様を初、おしにうたれ御座可レ被レ成と奉レ存、はねはづさんため、二百人の足輕に手子を持せ參候通、太閤様、政所様、被二仰上一候へと被レ申、其聲を太閤様、政所様聞召、扨々はやくも參たる物かな、氣のきいたる者かなと、太閤被レ仰政所様は主計頭を念比に被レ成により、様々の御愛拶なり、

坐樹下/入竹林

〔百練抄〕

〈五堀河〉

p.1401 永長元年〈◯嘉保三年〉十一月廿四日、地大震、古今無レ比、人皆叫喚、主上御(○○○)二御船(○○)一、

乘車/乘船

〔玉海〕

p.1401 元暦二年〈◯文治元年〉七月九日庚寅、午刻、大地震、古來雖レ有二大地動事一、未レ聞下損二亡人家一之例上、仍暫不レ騷之間、舍屋忽欲二壞崩一、仍余(○)、〈◯藤原兼實〉女房等ヲ令(○○○○○)二乘車(○○)一、大將同之引(○)二立庭中(○○○)一、余獨候二佛前一、〈◯中略〉法皇〈◯後白河〉降二庭上一、御(○)二座樹下(○○○)一云々者、女院又乘(○)レ車令(○○)レ立(○)レ庭(○)給云々、〈◯中略〉主上(○○)、〈◯後鳥羽〉渡(○)二御池中島(○○○○)一云々、其後又南庭打(○)レ幄(○)、爲二御在所一云々、内裏西透廊顚倒云々、

〔源平盛衰記〕

〈四十五〉

p.1401 内大臣京上被レ斬附重衡向二南都一被レ切并大地震事　同〈◯文治元年〉七月九日、午刻大地震ナリ、〈◯中略〉同キ十四日ニ、彌益震ケリ、〈◯中略〉主上〈◯後鳥羽〉鳳輦ニ召テ池ノ汀ニ御座アリ、法皇〈◯後白河〉ハ新熊野ニ有二御參籠一、御花進給ケルガ、人屋ノ倒ケルニ、人多ク被二打殺

p.1402 觸穢出來ニケレバ、御參籠日數不レ滿ケレ共、六條殿ヘ有二還御一、天文博士參集テ占文不レ輕ト騷申、今夜ハ南庭ニ假屋ヲ立テ御座アリ、諸宮諸院卿上雲客ノ亭共モ倒レ傾ケル上、隙ナク震ケレバ、車ニ召(○○○)、船ニ乘(○○○)テゾ御座ケル、有二公卿僉議一、可レ有二祈禱一之由、諸寺諸山ニ仰ス、今夜ノ亥子丑寅時ハ、大地可二打返一ト占申シタリト云テ、家中ニ居タル者ハ上下一人モナシ、蔀遣戸(○○○)ヲ放チテ大庭ニ敷(○○○○○○○)、竹ノ中(○○○)、木本ニゾ居ケル(○○○○○○○)、天ノ鳴、地ノ動度ニハ、スハヤ只今コソ地ヲ打返セト云テ、女ハ夫ニ取付、少者ハ親祖父ニ懷付、貴賤上下高(タカラカ)ニ阿彌陁佛ヲ申ケレバ、所々ノ聲々夥シ、八十、九十ノ者共、未懸事ハ不レ覺トゾ申ケル、餘ニ少者年闌タル老人ハ、目眩心地損スナド云テ、被二振殺一者多シ、〈◯中略〉文徳天皇齊衡三年三月、朱雀院天慶元年四月ニ大地震アリト注セリ、天慶ニハ主上御殿ヲ避給テ、常寧殿ノ前ニ五丈ノ幄ヲ立テ渡ラセ給ケリ、四月十五日ヨリ八月ニ至迄、打列震ケレバ、上下家中ニ不二安堵一ト傳タレ共、其ハ見ヌ事ナレバイカヾハセン、今度ノ地震ハ、上古末代類アラジト貴賤騷歎ケリ、平家ノ死靈ニテ、世ノ可レ滅由申合リ、

立幄舍

〔三代實録〕

〈五十光孝〉

p.1402 仁和三年七月卅日辛丑、申時地大震動、經二歴數刻一震猶不レ止、天皇出二仁壽殿一、御二紫震殿南庭一、命二大藏省一立(○)二七丈幄二(○○○○)一、爲(○)二御在所(○○○)一、諸司舍屋、及東西京廬舍、往々顚覆、壓殺者衆、或有二失神頓死者一、亥時亦震三度、

〔日本紀略〕

〈六圓融〉

p.1402 貞元元年六月十八日癸丑、申刻大震、〈◯中略〉今日寄二御輿於南庭一立(○)レ幄(○)爲二御所一、中宮廳前同以立レ幄、

〔左大史孝亮記〕

p.1402 文祿五年閏七月十二日、今夜亥刻許、大地震有レ之、主上大庭構(○○○)二御座(○○)一御也、諸家各祗候、御殿所々顚倒、夜明後入御云々、北野經堂、壬生地藏堂、其外民屋方々令二顚倒一、或死人等多云々、　十三日、今夜又大地震、主上御二大庭一、諸家各祗候、予參、伏見二丸之女房三百人餘、依二地震一失レ命云々、　十五日、今日地震猶不レ止、參二禁中大庭一、御假殿立ツ(○○○○○)、番所并西方立添云々、　十二月十日、今日地震以外

p.1403 也、

設假小屋

〔利家夜話〕

〈下〉

p.1403 一伏見にて大地震之時、大納言様を孫四郞様の地震小屋(○○○○)にて御振舞被レ成候、事之外御小屋の結構なる様子を御覽被レ成候、御歸候て、岡田喜右衞門、齋藤刑部兩人を御使にて、被レ仰候は、地震小屋など申ものは、いかにも〳〵輕々敷あやまち無レ之様に仕もの也、左様の儀は不レ入事也、むさと金銀費し、後には無理を申て、人の物がほしく成もの也、

〔享保集成絲綸録〕

〈二十九〉

p.1403 元祿十六未年十二月　今度地震火事付て、屋敷或破損、或燒失之面々普請之儀、此節者諸職人等可二差支一之間、急に仕儀無用段、雖レ爲二御成道筋一不レ苦之條、先板圍等申付置、勝手次第連々致二造作一様可二相傳一之旨、大目付及中之間在合面々江相模守達レ之、

〔愚聞當世雜話〕

〈天ノ下〉

p.1403 大地震　同八日〈◯嘉永七年十一月、中略、〉市中〈◯伊豫宇和島〉下脇手の者共は、不レ殘追手へ假小屋(○○○)建たるにより、三筋の町出來し也、竹木、笘の類は、御作事より貸被レ下、横新町より向新町、惠美須町、下御旗、丸穗邊は龍光院山へ假小屋建、北町は杉山邊、上脇手之者は、一宮社内、大起寺の山内、野川所々へ假小屋建、日數住居せしなり、自分之居屋敷に居たるは、御家中一圓と、笹町邊、延命寺前の邊より、僕〈◯松浦晉〉が居宅の近所のみなり、〈◯下略〉

避難心得

〔震雷考説〕

p.1403 扨又逃出る時に至り、火鉢へ土瓶をかけ、燒火をしめすなどは古く言傳へて誰も知る處ながら、急速にしてゆきとヾかずば、鎭りて後すみやかに手段すべし、途中に往かヽり、又は逃出ての途中、總て遠く見渡すことなかれ、空をながめ地を見るべからず、動氣五臟にうつりて、氣血狂ふなり、只々近邊の建家長屋石垣等崩れ倒るとも、氣遣なき場所を見さだめ、是に眼をつけ、同じ所に彳て、あゆむが如く足を踏かへ〳〵、地氣のうつらざるやうにすべし

〔岩淵夜話別集〕

〈六〉

p.1404 一或時駿府にて夏の空俄に曇り、夕立おびたヾしく、雷の聲頻なる折節、家康公御伽衆へ被レ仰けるは、万事に用心のなきといふ事なし、地震抔は如レ形急なる物なれども、是以て家作りの仕様もあり、或は家居の所々、能退場を兼て拵置ば、其難を遁るヽ道理也、〈◯下略〉

〔享保集成絲綸録〕

〈二十九〉

p.1404 元祿十六未年十一月　強地震之節者、御番所〈并〉相詰席々明ても不レ苦之條、向寄之御庭(○○○○○)江(○)無(○)二遠慮(○○)一可(○)二罷出(○○)一、此上尤行違にて座席に在レ之、怪我等仕者、不調法可レ被二思召一旨、上意之趣、營中在合布衣以上之面々江、於二中之間一小笠原佐渡守傳之、老中別座若年寄中侍座、　但此旨、諸向江從二御目付中一相達、

〔享保集成絲綸録〕

〈二十九〉

p.1404 元祿十七申年正月　地震之節之覺　一大廣間出御之時、御白書院之御庭江出仕之面々出し申間敷候、大廣間之御庭(○○)江(○)可(○)二罷出(○○)一候、　一御白書院出御之節は、御黒書院之御庭江出仕之面々出し申間敷候、御白書院大廣間之御庭江可二罷出一候、　一御黒書院出御之時は、御黒書院御白書院大廣間之御庭江向寄次第可二罷出一候、　右之通兼て可レ被二相心得一候、出御以前入御以後は、向寄之御庭江、勝手次第罷出候様可レ被レ致候、　正月

由地震卜占

〔日本紀略〕

〈九一條〉

p.1404 正歴五年十月廿四日壬寅、地大震、有二御卜一、

〔中右記〕

p.1404 長承四年〈◯保延元年〉三月十八日辛卯、此曉地大震、　廿二日、外記大夫師長來、知二天文一者也、問二一日地震事一、申云、地ハ陰也、后宮大臣之愼也、

〔安倍泰親朝臣記〕

p.1404 謹奏　今月四日戊寅、亥時地震、〈有レ音〉

p.1405 謹撿天文録一云、春秋緯云、地動、佞者執レ政、君子在レ野、小人在レ位、又曰、地動下謀レ上、張衡上書曰、地動震者民擾、京房妖占曰、地春動歳不レ昌、天地瑞祥志云、二月地動、卅日有二兵起一、又云、月在二冒宿一、地動盜賊多、内論曰、月行二冒宿一者、水神所レ動、年不レ宜レ麥、天子凶、大臣受レ殃、天鏡經云、地動國有二陰謀一、皇后當レ之、史異占云、地震疾疫起、春秋曰、地動君主不レ安、鐘律災異曰、地動其國有レ喪、　右地震占、謹以申聞謹奏、　永萬二年二月六日　ヽヽヽヽヽ　業俊　ヽヽヽヽヽ　泰親　謹奏　變異等事　一今月十日甲申丑時、地震有レ音、〈月在二鬼宿一〉　謹撿二天地瑞祥志一云、二月地動、卅日有二兵起一、又云、月在二鬼宿一地動、軍師諸王皆已滅、又災雹傷二苗稼一、又云、月在二鬼宿一金翅鳥所レ動、无レ雨江河枯竭、年不レ宜レ麥、天子凶、大臣受レ殃、京房易妖占云、地動、教令從二臣下一出、必流レ血飢、又云、地動、朝廷邑有二亂臣一、張衡上書曰、地動民擾、董仲舒云、地動、天下疾疫、君主不レ安、天文決要云、地震、四海有レ兵、京房云、地震有レ音、人民流亡、女官有レ憂、天鏡經云、地震、天子惡レ之、女官有レ喪、又云、國有二陰謀一、皇后當レ之、又云、天下有二大喪一、天地災記云、地震、宮室有レ驚、不レ出二一年一國有レ喪、〈◯中略〉　右地震并薄蝕占勘録如レ件、近日以降、天變地動、災咎不レ輕、就レ中占文之所レ指、多是皇后大臣之愼也、或又人君皇子當レ之、其外今年太一在二死門下一、國家可二愼御一之象也、夫妖不レ勝レ徳、仁能却レ災、宋景守心之變、殷丁雊耳之妖、以レ仁却レ之、循レ徳御レ示也、前聞在レ斯、尤可二因循一、仍謹以申聞、謹奏、永萬二年二月十五日　從五位上行天文博士安倍朝臣　從四位上行大舍人頭兼陰陽助安倍朝臣

〔玉海〕

p.1405 安元三年〈◯治承元年〉十一月廿八日癸亥、大夫史隆職、注奏大地震卜形(○○○○○)、昨日被レ下云々、去七日御卜

p.1406 昨日被レ下、以外懈怠歟、隆職如レ此、　神祇官　卜二恠異一事　問、去十月廿七日地震、東大寺大佛螺髮二口落、并大鐘鉤切落レ地、及官藏艮角頽落事者、是依二何咎等祟一所レ致哉、　推レ之公家可二愼給一之上、恠所可レ有二動搖事一歟、　治承元年十一月七日　從五位下行權少祐大中臣朝臣範隆　宮主從五位下行權少祐卜部宿禰兼衡　陰陽寮　占二東大寺言上恠異吉凶一〈十月二十七日地震間、大佛螺髮二口落、或頂上螺髮拔上、又大鐘鉤切落レ地、并官藏丑寅角頽落、〉　今日壬寅、時加レ酉、〈十月節、奉レ寅旨日時、〉神后臨レ未爲レ用、將白郞、中大一將天一、終河魁、將青龍、卦遇二 茹類一、　推レ之、恠所二有口舌病事一歟、期今日以後廿日内、及今月十二月、明年六月節中、並戊巳日也、何以言レ之、用并日上、大歳上、皆爲比御年上見自刑神、辰上得二朱雀一、用帶二白虎一、卦遇レ類、是主恠所口舌病事元故也、早被二祈請一、無二其咎一乎、　治承元年十一月七日　權漏刻博士菅野朝臣季親　權暦博士兼伯耆權介加茂朝臣憲定　掃部頭兼陰陽博士安陪朝臣秀弘　主税助安陪朝臣時晴　主計頭兼頭土佐介賀茂朝臣在憲

〔源平盛衰記〕

〈十一〉

p.1406 大地震事

p.1407 同年〈◯治承三年〉十一月七日戌刻ニ、又大地震アリ、夥シトモ云計ナシ、時移ル迄振ケレバ、唯今地ヲ打返スベシナド申テ、貴賤肝心ヲ迷ス、明ル八日陰陽寮安部泰親院參シテ奏聞シケルハ、其夜ノ大地震、占文ノ指所不レ斜、重ク見エ侍リ、世ハ唯今失ナンズ、コハイカヾ仕ルベキ、以外ニ火急ニ侍トテ、軈ハラ〳〵ト泣ケリ、傳奏ノ人モ法皇モ、大ニ驚キ思召ケレ共、サスガ君モ臣モ差モヤハト覺シケル、若殿上人ナドハ、穴ケシカラズノ泰親ガ泣様ヤ、何事ノ有ベキゾトテ笑人モ多カリケリ、法皇ノ仰ニハ、天變地夭ハ常ノ事也、今度ノ地震、強ニ騷申事異ナル勘文アリヤト御氣色アリ、泰親勅問ノ御返事ニハ、三貴經ノ其一、金貴經ノ説ニ云、去夜戌時ノ地震年　得テハ年ヲ不レ出、月ヲエテハ月ヲ不レ出、日ヲ得テハ日ヲ不レ出、不レ得ハ時バカリト見エタリ、其中ニ此ハ日ヲエテハ日ヲ不レ出ト候ヘバ、遠ハ七日近ハ五日三日ニ御大事ニ及ベシ、法皇モ遠旅ニ立セ御座シ、臣下モ都ノ外ニ出給ベシ、此事モシ一言違フ事候ハヾ、御前ニ於テ相傳ノ書籍ヲ燒失ヒ、泰親禁獄流罪、勅定ニ隨ベシト、憚處モナク、泣々奏聞シケレバ、旁御祈始ラレケリ、去共七日ノ地震、十三日マデハ、七箇日ニアタル、其間異ナル事ナシ、斯リケレバ、公卿僉議有テ、泰親御前ニシテ、荒言ヲ吐キ、叡慮ヲ奉二申驚一條奇怪也、遠ハ七箇日ノ御大事タル由、占文其効ナキ上ハ、速ニ土佐ノ畑ヘ可レ被二流罪一ト定ラレテ、既ニ追立ノ官人ニ仰付ラルベシトゾ定リケル、

〔玉海〕

p.1407 元暦二年〈◯文治元年〉七月九日庚寅、午刻大地震、　今日廣基〈天文博士〉持二來地震之奏案一、占文云、　大喪　天子凶　七日動　百日内大兵起　上旬動　害二諸大臣一云々　或又女主愼、旱魃等云々、

p.1408 於二未來之徴一者次事也、見二當時一天下損亡了、凡不レ能二左右一云々、

〔吾妻鏡〕

〈二十二〉

p.1408 建保三年八月二十一日戊申晴、巳刻鷺集二御所西侍之上一、未刻地震、　廿二日己酉、地震鷺恠事被レ行二御占一之處、重變之由申レ之、仍去二御所一、入二御相州御亭一、信綱、持二御劒一、亭主、被レ移二他所一云云、

〔吾妻鏡脱漏〕

p.1408 嘉祿三年三月七日丙辰、陰、戌刻大地震、　八日丁巳晴、陰陽道等捧二地震勘文(○○○○)一、然晴幸宣賢等所存、依レ不二一同一、於二相州亭一及二相論一云云、

〔百練抄〕

〈十四四條〉

p.1408 文暦元年九月十六日壬子、大地震、万人驚遽、占文不レ輕、兵革大喪云々、

〔吾妻鏡〕

〈四十七〉

p.1408 正嘉元年五月十八日壬申、陰子刻大地震、〈現度討宿〉被二尋下一之處、晴茂朝臣兄弟七人連署、勘二申惡動(○○)之旨一、廣賢申二吉動(○○)之由一、仍無二沙汰一被レ閣云云、

〔吾妻鏡〕

〈四十九〉

p.1408 正元二年三月廿五日壬辰、晴、卯一點大地震、陰陽道之輩、付二勘文(○○)於和泉前司行方一、

〔祇園執行日記〕

p.1408 貞和六年五月廿三日、申刻大地震酉了小動數反、申刻震動之時、百度大路石堂塔九輪落碎了、希代大震動也、條々凶不レ輕云々、珍事々々、　廿五日、申刻大地震、火神動(○○○)同二一昨日一、　廿八日、洪水以外也、四條河原往反人無レ之、　廿九日、寅刻地震午刻又地震、天王動(○○○)也、　六月十日、酉刻地震、　十一日、辰刻地震、　廿日今曉卯刻地震、　廿二日、亥刻大地震、火神動(○○○)、不吉動(○○○)也、　廿五日、辰刻地震、又未刻震、

〔教言卿記〕

p.1408 應永十五年十月廿九日甲辰、今晩大地震、〈卯刻〉以來十四度也、以外大兵亂勘文云々、

〔康富記〕

p.1408 文安六年四月十三日癸亥、今日於連々地震、　大地震近例　觀應元年五月廿三日、大地震、廿四日大風、六月廿一日、師泰發二向西國一、爲レ退二治右兵衞佐殿一、〈去冬〉廿二日、大地震、廿七日、寶筐院殿并師直發二向美濃一、七月卅日、被レ行二七佛藥師法一、〈依二地震一也〉八月廿四日、被レ始二十社御讀經一、地震御祈也、十月廿七日、左兵衞督入道〈直義〉逐電、廿八日、等持院殿已下御二發向西國一、康安元年

p.1409 六月廿一日、大地震廿五日、天王寺金堂爲二地震一顚倒、九月八日、尊星王法、十四日、熾盛光法被レ修之、〈共地震御祈也〉廿三日、寶筐院殿令レ引二籠今熊野一給、〈清氏沒落〉主上同行二幸彼社一、廿四日還幸、貞治元年五月十七日、酉半大地震、經二時刻一甚鳴動、如二去年大地震一、及二數日一者也、十八日、地震數度、廿日、不動歟、至二廿三日一〈◯此間缺字〉六月四日、於二内裏一被レ行二五壇法一、〈地震御祈也〉永和二年四月廿五日、大地震、六月廿一日、自二今日一副官等日二參本宮一、依二天變地震動御祈一也、明徳二年十月十六日、大地震、十二月卅日於二二條大宮一合戰、　文安六年四月十三日　大外記清原業忠　文安六年四月十三日　官務被レ注二進藏人一、右少弁之案、　大地震、并御祈等例、天長四年四月七日、有二大地震一矣、顏舍屋、一日大震一度、小動七八度、此後至二十二月一連々震動、毎度有レ聲、承平八年四月十五日、大地震、音如レ雷、宮城百官、東西京舍屋、并諸寺諸山堂舍佛像等、多以顚倒、　天慶元年四月十五日、亥一刻、大地震、宮城百官、東西京屋舍顚倒、築垣破損、内膳司九間屋顚倒之間、死者四人、令三陰陽助出雲堆香卜二筮地震之由一、嘉保三年十一月廿四日、辰刻、大地震、殆及二一時一、天下貴賤下二立庭上一嬰兒皆叫喚、主上御乘船、八九十以上之者、不レ遇二如レ此震動一之由多申、　大殿關白以下、令レ群二參大内一給、同月廿八日、於二兩殿下一諸卿可レ有二改元一哉否事、豫被二僉議一、去廿四日、連夜連日、小地震、世以爲レ恐、同年十二月十五日、依二十一月廿四日大地震一被レ始二方々御判一、〈◯判恐祈誤〉東大寺千僧御讀經、〈權少重資爲二勅使一〉於二大極殿一被レ行二如法仁王會一、於二延暦寺一以二六十口一被レ轉二大般若一、又被レ始二六觀音法一、同月十七日、左大臣以下參二仗座一、定二申改元事一、〈依二地震一也〉江中納言擇申爲二永長一、又八虐以下被二赦免一、強竊二盜非二赦限一、元暦二年七月九日、午刻、大地震、如二雷音一、震動之間、已送二時刻一、其後連々不レ絶、宮城大垣、并京中人屋築垣、或破損、或顚倒、不レ勝レ計、一而不レ全、就レ中大内日華門、閑院西透廊顚倒、法勝寺阿彌陁堂顚倒、九重塔破損、三面築垣皆以崩、得長壽院千體堂顚倒、此外大小舍屋、神社佛寺顚倒破損、殆不レ知二先例一、

p.1410 南殿前庭、儲二輕幄一爲二御在所一、自二今日一三ケ日、屈二三口僧於御殿一、被レ行二大般若御讀經一、依二地動一也、同月十日令レ行二軒廊御卜一、依二地震一也、同月十八日、被レ定二地震御祈山陵使、并諸社諸寺御讀經日時僧名等一、入レ夜有二地震御祭一、去九日以後、連日地震、無二不レ動之時一、　同月廿一日、被レ立二山陵使一、　同年八月九日記曰、自二去月九日一、連日地震、于レ今不レ絶、　同月十三日、依二同事一令レ立二九社奉幣使一、　同月十四日改元、改二元暦二年一爲二文治一、依二大地震一也、　右例依レ仰大概勘進、如レ件、　文安六年四月十三日　左大史小槻長興　局務注進案、可二寫續一之、

〔宣胤卿記〕

p.1410 長享三年〈◯延徳元年〉八月七日癸巳、參内、今日月次和漢聯句御會也、〈◯中略〉黄昏事訖退出、御會半有二地震一、〈◯中略〉　今月七日午時、地震有レ音、〈月行二心宿一者、天王所レ動也、〉後日尋之所レ書也、　天地瑞祥志云、月行二心宿一者、天王所レ動也、内經云、天王所レ動者、天子吉、大臣受レ福、又云、天王所レ動者、宜二五穀一、万民安穩、又云、地動、邑有二亂臣一、又云、八月地動、不レ過二六十日一兵、　八月七日　從二位有定

〔拾芥記〕

〈下〉

p.1410 永正九年六月九日、亥刻、大地震、〈賀家火神動(○○○)、安家水神動(○○○)、〉七十五日内兵亂云々、條々凶也、

令獻意見封事

〔吾妻鏡脱漏〕

p.1410 嘉祿三年十一月六日辛巳、酉刻大地震、左近將監親實爲二奉行一、連々地震事被二驚思食一、云二善政篇一云二御祈禱事一、可レ進二意見一之由、被レ仰二諸道一云云、

由地震祈禱

〔續日本紀〕

〈十六聖武〉

p.1410 天平十七年五月己未、地震、令二京師諸寺一限二一七日一轉二讀最勝王經一、　乙丑、地震、於二大安、藥師、元興、興福四寺一、限二三七日一令レ讀二大集經一、　丁卯、地震、讀二大般若經於平城宮一、

〔本朝世紀〕

p.1410 天慶元年七月三日戊申、今日於二諸寺諸社一、被レ下下奉レ讀二仁王經一萬部一宣旨上、是依二地震未一レ休也、

p.1411 〈去一二日記破失了〉　元慶寺　十口　　仁和寺　十口　　醍醐寺　十口　　法性寺　十口　　勸修寺　十口　　海印寺　十口　　神護寺　七口　　極樂寺　十口　　禪林寺　十口　　安祥寺　十口　　常住寺　十口　　石清水　十口　　賀茂上社　十口〈使志金可レ率二九口一〉　　同下社　十口〈使敬可レ率二九口一〉　　平野社　十口〈使泰可レ率二九口一〉　　松尾社　十口〈使明達可レ率二九口一〉　　稻茂社〈使貞譽可レ率二九口一〉　　大原野社　十口〈使温教可レ率二九口一〉　　廣隆寺　十口　　感神院　十口〈使惟然可レ率二九口一〉　　大屋寺　十口〈使常照可レ率二九口一〉　右坤元乖レ例、震動未レ止、求二之舊記一、之卜筮、絳闕之下、變異難レ量、丹墀之間、咎徴可レ愼、夫以仁王般若者、護國之防禦、濟世之神符也、紫微宮中、青璅門外、縱有二妖蘗一、宜レ消二纖液於朝旭之前一、縱有二禍胎一、須レ拂二遊氛於曉嵐之後一、中納言藤原朝臣實頼宣、奉レ勅、宜丁仰二綱所一、令丙件寺社、殊請二堅固修練、智行兼備者一、今月八日自二巳二點一、專竭二精誠一、轉乙件經甲者、綱所承知、依レ宣行之、仍須三熟仰二寺社一、身心不退、令下僧一口讀中經五部義上也、依二彼仁王之妙力一、將レ増二聖徳之遐算一、事縁二綸旨一、不レ得二疎略一、

〔日本紀略〕

〈二朱雀〉

p.1411 天慶元年十月九日、奉二幣於宇佐八幡宮一、祈レ消二地震之災一、

〔日本紀略〕

〈四村上〉

p.1411 天徳二年九月十一日戊午、伊勢例幣也、天皇幸二八省院一、宣命有二辭別一、天變、地震(○○)、物恠等事也、又被レ副二左右馬寮御馬各二匹一、

〔日本紀略〕

〈六圓融〉

p.1411 貞元元年十月十一日甲辰、被レ奉二神寶於社一、藩邸時御願也、天變地震事、同被二祈申一也、

〔春記〕

p.1411 長久元年〈◯長暦四年〉十一月一日壬子、早旦參内、依二去夜地震事一也、〈◯中略〉自レ内有レ召參内、仰云、地震事、尤可レ恐也、可レ有二御祈一歟、〈◯中略〉此由可レ示二關白一者、即〈◯中略〉傳二申仰旨一、被レ奏云、地震事尤可二恐思食一事也、天文奏今明進レ之歟、就二彼奏文一可レ有二御祈一也、　三日甲寅、藏人辨經成昨夜談云、進二天文奏一、其御愼不レ輕、仍可レ有二御祈等一也、地震御祭等云々、〈◯下略〉

〔吾妻鏡〕

〈二十一〉

p.1411 建暦三年六月三日壬申、天霽寅刻被レ行二地震御祈一、不動護摩隆宣法橋、金剛童子法家

p.1412 信法眼、又泰貞奉二仕天地災變祭一、駿河守惟義沙二汰之一、

〔吾妻鏡〕

〈二十二〉

p.1412 建保三年九月廿一日丁丑晴、依二連々地震一被レ行二御祈一、三萬六千神祭、親職、地震祭、宣賢奉二仕之一、駿河守季時沙二汰之一、江左衞門尉能範爲二御使一、

〔吾妻鏡脱漏〕

p.1412 嘉祿三年三月十三日壬戌晴、彈正忠季氏爲二奉行一、地震御祈事、内外被レ仰云云、　廿四日癸酉、霽三合并地震御祈等被二始行一、　五座北斗護摩　大進僧都寛基　八字文珠法　越後阿闍梨　一字金輪法　信濃法眼　七曜供　助法眼珍譽　北斗供　帥法橋珍瑜　三萬六千神祭〈小山下野前司入道沙汰御使駿河藏人〉　晴幸　地震祭(○○○)〈駿河入道沙汰御使星崎判官代〉　晴賢　天地災變祭〈駿河前司沙汰御使江兵衞尉〉　宣賢　四月十三日辛酉、戌刻地震、今日怪異并息災之御祈、被レ行二七座泰山府君祭一、親職、晴賢、泰貞、重宗、文元、道繼國繼奉仕云云、　安貞三年〈◯寛喜元年〉十一月二十六日、依二地震一始二行御祈等一云云

〔吾妻鏡〕

〈三十〉

p.1412 文暦二年〈◯嘉禎元年〉六月十六日丁丑、地震御祈等始行、

〔吾妻鏡〕

〈四十七〉

p.1412 正嘉元年八月廿五日丁未雨降、地震小動、五六度、爲二筑前次郞左衞門尉行頼奉行一、依二地震一可レ致二御祈禱一之由、被レ仰二下御持僧并陰陽道之輩一、　九月四日乙卯、小雨降、申刻地震、去月廿三日大動、以後至レ今小動不二休止一、依レ之爲親朝臣奉二仕天地災變祭一、御使伊賀前司朝行云云、

〔教言卿記〕

p.1413 應永十五年十一月六日、去一日二日三日、地震者太動之由、泰繼朝臣注進之、其已後少々、不レ及二沙汰一云々、諸方御祈禱被レ行、珍重々々、　十日、御祈禱今夕ヨリ被二始行一、地震事也、

〔薩戒記〕

p.1413 應永卅三年九月九日己亥、今朝地震、兩度喝慈救呪一千遍之、

由地震行大祓

〔續日本紀〕

〈三十三光仁〉

p.1413 寶龜六年十月甲申、大祓、以二風雨地震一也、

告地震於神社及山陵

〔百練抄〕

〈十後鳥羽〉

p.1413 文治元年〈◯元暦二年〉八月十三日癸亥、被レ立二九社奉幣使一、依二地震御祈一也、

〔園太暦〕

p.1413 觀應元年七月二日乙卯、今日申初、東南方有レ音、其後地震、已及二卅餘日一、〈◯中略〉尤可レ畏事也、　十二日乙未、今日爲レ被レ申二地震事一、上皇被レ獻二御書於山陵一、可レ爲二五陵一之由、兼有二沙汰一、而使不足、三陵云々、其所々可レ尋、

由地震停音樂宴會

〔三代實録〕

〈五十光孝〉

p.1413 仁和三年八月六日丁未、停二釋奠之禮一、去月二十日木工寮將領秦千本撿挍修二造職院一驚二恐地震一、失神而死、供レ祭所司觸二此穢一也、

〔台記〕

p.1413 康治二年十月十四日丁酉、十日十一日兩日地震、因レ之音樂可(○○○)レ止否(○○)、勘例不レ慥、余〈◯藤原頼長〉案二春秋之義一、以二地震一爲レ異、不レ爲レ災、仍不レ止レ之、

〔百練抄〕

〈十後鳥羽〉

p.1413 文治元年〈◯元暦二年〉八月七日丁巳、釋奠延引、依二世間穢一也、自二去月九日一連日地震于レ今不レ絶、

〔園太暦〕

p.1413 觀應元年七月十二日乙丑〈◯中略〉　抑來月釋奠宴穩座(○○○○○)、依(○)二地震(○○)一可(○)レ爲(○)二何様(○○)一哉(○)、尋レ例可レ申之旨有二勅定一、仍相二尋師茂一、請文續レ左也、　天變地妖之時、釋奠宴穩座停否例引勘候之處、元暦二年七月九日大地震、八月廿七日釋奠〈上下依二世間穢一疑延引〉宴座以下如レ例歟、正應元年六月廿四日、七月廿四日大地震、八月四日釋奠宴穩座如レ例、文保元年正月三日大地震、二月十日釋奠宴穩座并三道竪義如レ例云々、且正安元年二月五日釋奠宴座事依二慧星一可二停止一之由、兼日職事雖レ令二下知一、無二先例一歟之由、師顯依二申入儀一、如レ例被レ行之由注進候、依二天變

p.1414 地妖釋尊一停止例不レ候歟、可レ被下得二其意一給上候哉、師茂誠恐謹言、　七月廿二日　師茂〈請文〉

由地震改元

〔日本紀略〕

〈六圓融〉

p.1414 天延元年十二月廿日庚子、御佛名、今日改二元天延一、依二天變地震一也、有二赦令一免二調庸一、老人賜レ穀、　貞元元年七月十三日戊寅、詔書改二天延四年一爲二貞元元年一、依二災并地震一也、有二赦令一、大内記紀伊輔作二詔書一、

〔百練抄〕

〈五堀河〉

p.1414 承徳二年〈永長二年十一月十七日改元、依二地震一也、〉　康和五年〈承徳三年八月廿八日改元、依二地震疾病一也、〉

〔玉海〕

p.1414 元暦二年八月十四日甲子、此日改二元暦二年一爲二文治元年一、有二赦令事一、上卿堀川大納言忠親卿、左内兩府、稱レ病不參者、大納言上卿其例甚多云々、依二地震一所レ被レ行也、

由地震行徳政

〔續日本紀〕

〈十一聖武〉

p.1414 天平六年四月戊戌、〈◯七日〉地大震、　戊申、〈◯中略〉又詔曰、地震之災、恐由二政事有一レ闕、凡厥庶寮勉二理職事一、自今以後、若不二改励一、隨二其状迹一、必將二貶黜一焉、

〔吾妻鏡〕

〈三十〉

p.1414 文暦二年〈◯嘉禎元年〉五月八日庚子、依二天變地妖事一、可レ被レ行二御祈禱徳政(○○)等一之由、内々有二其沙汰一、連日地震事、未レ有二此例一之由、古老之所談也、

由地震賑恤

〔續日本紀〕

〈二十四淳仁〉

p.1414 天平寶字六年五月丁亥、美濃、飛騨、信濃等國地震、賜二被レ損者穀家二斛一、

〔續日本紀〕

〈二十七稱徳〉

p.1414 天平神護二年六月己丑、大隅國神造新島、震動不レ息、以レ故民多流亡、仍加二賑恤一、

〔日本紀略〕

〈四村上〉

p.1414 康保二年十一月廿五日辛卯、詔賑恤免二當年半徭一、依二天變地震兵庫火災一也、

救小屋/施藥

〔愚聞當世雜話〕

〈天ノ下〉

p.1414 大地震　御城下〈◯伊豫宇和島〉内、日雇人共はじめ、今日〈◯嘉永七年十一月八日、自二此月五日一至二十九日一地震、〉迄の困窮者共、及レ飢もの多きゆへ、追手へ御救小屋(○○○○)建、粥炊出しニ成被二下置一、御料理方引受ニ而、御大所下代、日々出勤のよし、町醫

p.1415 寛哉、怪我人養生小屋(○○○○)建、弟子共日々出、養生、并風邪を受しものへ施藥(○○)いたしたり、

〔徳川禁令考〕

〈二十八救恤使〉

p.1415 安政二卯年十月　地震後町奉行巡見并御赦等之事〈◯中略〉　御赦小屋取建　地震并出火ニ而類燒致候野宿之窮民共、御救之ため、淺草廣小路、幸橋御門外、深川海邊町續江小屋取建候間、野宿之もの勝手次第、右小屋江願出候様可レ致候、　右之通、町々江申觸候様、支配之名主共江早々可二申通一、　卯十月　右之通、御掛御役人中被二仰渡一候間、御支配町々野宿罷在候者之内、御小屋入相願候者、幸橋御門外御小屋場ハ、明後六日夕刻より、其外貳ケ所ハ、明五日夕刻より、最寄勝手之方江願出候様、急速御申渡可レ被レ成候、御救筋之儀ニ付、呉々も御組合限、行屆候様御取計可レ被レ成候、此段御達申候、以上、　卯十月四日　町會所年番　同増掛年番　◯按スルニ、震災救恤ノ事ハ、政治部上編賑給篇、及ビ下編救恤篇ニモ見エタレバ、宜シク參看スベシ、

賜假

〔享保集成絲綸録〕

〈二十九〉

p.1415 元祿十六未年十一月　今度地震にて、自分罷在候家潰候面々者、類火にて休候日數之半分、休可レ申候、以上、

由地震恩赦

〔日本紀略〕

〈十四後一條〉

p.1415 長元五年三月五日丙子、詔、大二赦天下一、大辟以下罪、常赦所レ不レ免赦除、又免(○)二調庸(○○)一、老人僧尼給(○○○○○)レ穀(○)、依レ攘二天下地震雷鳴之恠異一也、

〔扶桑略記〕

〈二十九後冷泉〉

p.1416 康平四年五月八日、有二恩赦一、依二地震一也、

〔吾妻鏡〕

〈四〉

p.1416 元暦二年七月廿九日庚戌、泰經朝臣消息到著、今月上旬之比、佛嚴上人夢中、赤衣人多現云、無レ罪之輩、爲二平家縁坐一、多以蒙二配流之罪一、故有二地震等一云云、凡爲二滅亡衆消一レ罪、去五月廿七日、被レ始二行不斷御讀經一畢、然者流罪中僧等事者、可レ有二免許一歟之由、有二其沙汰一、相計、可下令二申宥一給上之趣也、云云、

地震雜制

〔享保集成絲綸録〕

〈二十九〉

p.1416 寶永元申年三月　申渡之覺　一舊冬地震に付、虚説申あるき候もの之儀ニ付、最前も町中爲二相觸一候處、今以不二相止一、頃日者謠狂歌等も作レ之、申觸もの有レ之由相聞、不屆に候、向後名主家主心掛、左様之もの於レ有レ之者、早速捕レ之、月番之番所江可二申出一、若隱置、外より相聞候はヾ、名主家主五人組迄、可レ爲二越度一候間、此旨可二申聞置一候、以上、　三月

〔享保集成絲綸録〕

〈二十九〉

p.1416 寶永四亥年十月　一今度國々地震に付、諸色高直に仕間敷候、末々直段上り可レ申哉と考、買置いたすべからず、品により藏々を改、相背者有レ之時者、可レ爲二曲事一事、

地震神

〔日本書紀〕

〈二十二推古〉

p.1416 七年四月辛酉、地動、舍屋悉破、則令二四方一、俾レ祭二地震神一、

雜載

〔筆のすさび〕

〈一〉

p.1416 一地震せざる家(○○○○○○)　備後の山南村何某が家、地震に動かず、其家の下一面の大石なり、徂徠が峽中紀行に、石室の僧に地震の事を問ひけるに、近年の大地震にも、動かざりしと答へし事あり、されば火脈の力も、大石を動かすことあたはざるか、また石も無盡底より根ざせしものありや、備後深津村の王子山も、地震なしといふは信にや、

〔春記〕

p.1416 長久元年六月廿七日庚戌、寅刻許有レ召參二御前一被レ仰云、此曉夜大殿西戸并組入上、同以振鳴、而

p.1417 人之故推鳴、女房等或聞之、或不レ覺、是怪也、今年重可レ愼也、恠異天變、屢有二其告一、不快事也、可レ有二御卜一之由、可レ觸二關白一也、〈◯中略〉又有レ召參二御前一、仰云、夜大殿戸鳴事、人々云、是地震之所爲也、今曉有二地震一之故也、又從二女院一被レ仰二此旨一、仍不レ可レ爲レ恠事也、不レ可レ觸二關白一也、

〔玉海〕

p.1417 元暦二年〈◯文治元年〉七月十二日癸巳、昨日光雅書札云、　地震事　外記勘文如レ此、今度大動、先規少レ彙、旁驚二叡慮一者也、毎事何様可レ被二計行一候哉、委可レ被二注申一候、　皇居事　當時御所西廓已顚倒、四壁殆無レ實須レ遷二御大内一歟、而日華門、弓場殿同顚倒云々、彼此何様可レ被二進退一候乎、誠難レ治事候、同相計可レ被レ申候也、　兩條事、内々、　院御氣色如レ此、仍言上如レ件、　光雅恐惶謹言　七月十一日　右大辨光雅奉　進上　大宮亮殿　請文状云　地震事　御祈事、具見二外記勘文一、其中抽二要須一、就二時議一可レ有二其沙汰一、且又隨二御卜趣一、可レ被二計行一歟、抑追討之後、國土窮困、地震之間、舍屋顚倒、云レ彼云レ是、人力旁疲、御祈用途、定多二煩費一歟、須下廻二秘計一被上レ休二民肩一也、聖主先成レ民、而後致二力於神一、民和而神降レ福之故也、代々例、有二改元事一、尤可レ被二遵行一歟、兼又任二天平例一、差二遣官使一、可レ被レ撿二知神社佛寺、及山陵等之破損頽壞之事一歟、　

p.1418 皇居事　當時御所於二外墎無一レ跡者、雖二一日一爭爲二皇居一哉、遷二幸大内一、不レ可レ及二異議一、縱雖レ有二一兩顚倒之門廊一、不レ可レ留二四壁無レ實之離宮一之故也、大内閑院各有二修造一者、御忌方事、定有二尋沙汰一歟、不レ限二大將軍、王相、公家一、被レ避〈ハ〉雖二御忌之間一、禁忌之方非レ一、仍驚達者也、右兩條、短慮之趣、大概言上如レ此、抑於二天地之災異一者、以二武略一不レ可レ鎭レ之、以二威勢一不レ可レ服レ之、非二佛神之利益一者、豈人力之所レ覃哉、今度大震、即爲レ悟二人心一也、震動忽急、梁棟欲レ頽之時、萬端之計略忘二胸間一、三寶之冥助仰二心底一、不レ遑三于廻二智力一、無レ由三於假二人功一、誠知二拂妖之源一、所レ歸在二冥衆一、冥衆之加護、偏限二徳化一、天道福レ善禍レ淫之故也、其徳化之旨趣、可レ尋二意見之最要一者、開二心腹一、然則宜レ使三公卿已下諸道博士堪レ事之輩、獻(○)二封事(○○)一之由、可レ被レ下二宣旨一也、上疏深秘、敢莫二外聞一、具陳所必不レ可二諂諛一之旨、殊可レ被二仰下一歟、就二彼上奏之趣一、可レ被レ議二定政道之要一也、此法若緩者、天變地妖、繼レ踵不レ絶、逆亂騷動、擧レ足可レ待歟、但徳政之條、若不レ叶二時議一者、意見又無二其益一歟、微臣只思二國家之亂亡一、已忘二微功之招一レ恐者也、謹抽二鄙懷一、上聞如レ件、　七月十二日　兼實　十三日甲午天晴、自二今日一大將祈二壇始レ之、普賢延命、〈靜賢〉不動〈智詮〉等也、又修二太白星祭一、〈天文博士廣基〉今日、泰茂來示二地震事一、咎徴不レ空乎、上皇攝政等愼云々、法勝寺阿彌陀堂顚倒、不可思議事歟、　十五日丙申天陰、未刻經房卿來、余歸レ家謁レ之、世間雜事多以談説、不レ能二具記一、地震之間事、所レ云叶二愚案一、今日爲二故基輔一修二小佛事一、又女房母儀尼上、聊有二供養佛事一、　十八日己亥、大風、申刻渡二居堂廓一、日來居所依二地震一損壞、仍有二犯土造作事一之間、蹔所二起避一也、大將、中將、同以所レ渡也、自二明日一五ケ日爲二大將軍遊行一之間、仍東方築垣爲二修補一也、大將軍方、四十五日方違忌去之故也、入レ夜殊風烈、

〔吾妻鏡〕

〈三〉

p.1418 壽永三年〈◯元暦元年〉正月廿三日癸丑、常陸國鹿島社(○○○)禰宜等、進二使者於鎌倉一、申曰、去十九日、社僧夢想曰、當所神、爲レ追二罰義中並平家一、赴二京都一御云云、而同廿日戌刻、黒雲覆二寶殿一、四方悉如レ向レ暗、御殿

p.1419 大震動、鹿雞等多以群集、頃而彼黒雲亘二西方一、雞一羽在二其雲中一、見二人目一、是希代未聞奇瑞也者、武衞令レ聞レ之給、則御湯殿下二庭上一、遙拜二彼社方一給、彌催二御欽仰之誠一云々、件時刻、京鎌倉、共以雷鳴地震(○○)云云、

〔宇野主水記〕

p.1419 一十二月〈◯天正十三年〉四日、秀吉公今度地震ノ時、江州ニ御逗留、其後大坂へ御歸城、夫ニ付今度ノ地震ニテ、御城内少モ無レ恙御ヨロコビトテ、御門跡様、新門様、興門様、御禮ニ御出候、強飯二折、白鳥鮭廿疋、鯛廿枚、鯣一折、御樽十荷、新門様ヨリ唐縫ノ道服、興門様ヨリ御小袖袷、

〔桃源遺事〕

〈三〉

p.1419 一西山公、大風大地震の時は、日光山の役人某が許へ、御文を被レ遣、神廟の御安否を御尋被レ遊候、勿論東叡山へも、増上寺へも御人つかはされ、御佛殿御安否を御聞被レ成候、水戸の御廟瑞龍の御墓所は不レ及レ申事也、

〔地震懲毖之碑文〕

p.1419 諺に由斷大敵とは、深意のあることにて、假初におもふべからず、安政元寅年十一月の事なりき、朝五時頃、常に覺へぬ程の地震して、岸本の浦鹽のさし引十間餘の違あり、又手結の湊内も干揚りて鰻をうる夥し、同日兩度小震す、しかはあれどさはかり驚く人もあらざりしを、翌五日八ツ過大に震動すること三度、七時過大雷鳴の如き、どろ〳〵響くとひとしく大地震す、こはいかにと衆人驚く程こそあれ、家藏高塀器物の崩れ破る音、さらにいふ許なし、逃んとすれども、目くるめきて自由ならず、ほう〳〵家を出けるに、津波打來りて、當地は徳善町より北の田中、赤岡は西濱並松の本、吉原は庄屋の門までに及び、又川尻の波は、赤岡神輿休のほとりまでにいたり古川堤、夜須堤も押切られて、夜須の町屋など過半流失す、かくて人々は、老を扶け幼を携へ泣叫びつヽ、王子、須留田、又は平井、大龍寺の山へと逃登りて命助かりぬ、此時國中の〈◯土佐〉官舍民屋多く轉倒し、就レ中高智下町、幡多、中村ともに失火ありて、一圓燒亡し、凡て怪我横死何百人といふ事なし、幸甚なるかな、此地は神祇の加護によりて、一人の怪我もなく、彼山々に己家をかまへ、日を經るに隨ひて、震もいさヽか穩に成りしかば、惠ある大御代の恭を悦つヽ、皆己が家

p.1420 に歸りきぬ、抑寶永四年の大變は、今を距こと百四十八年になりぬれば、又かヽる年數には必變事の出こんなどいふ人もありぬめど、世變はいつあらん事豫めしりがたし、されど常に兎あらん時は、角と用心せば、今其變にあひても狼狽せざるべし、寶永の變を昔ばなしの如くおもひて、既に油斷の大敵にあひぬ、さるによりて後世の人々、今の變事を又昔咄の如く思ひて、油斷の患なからしめんがため、ことのよしをほヾゑりて、此社と共に動きなく、萬歳の後に傳へんと、ふるひおこしたるは、里人が誠心のめでたき限りにぞありける、〈千規〉たま〳〵高見の官舍に祗役して、倶に彼の變事に逢たれば、其よし書てよと、人々の乞ふにまかせて、かくは記し侍ぬ、穴賢、　安政五年戊午季秋穀旦　徳永千規　誌　前田有稔　書　澤村虎次　刻　次に　施主二十三人の名を印、建之とは大字に彫りあり、こは元治元甲子九月十七日、山崎春成が寫し來れるをもて、こヽに記しぬ、この外國中地震のことにつきて、石ぶみを立(○○○○○)たるは、　高岡郡　須崎の東の入口　同郡　　宇佐坂の麓　吾川郡　浦戸　長岡郡　里改田金毘羅の社地の石の王垣