p.0511 播磨國ハ、ハリマノクニト云フ、山陽道ニ在リ、東ハ攝津、西ハ備前、美作、北ハ因幡、但馬、東北ハ丹波ニ接シ、南ハ海ニ至ル、東西凡ソ二十里、南北凡ソ十四里餘アリ、此國ハ古ヘ國府ヲ飾磨郡ニ置キ、明石(アカシ)、賀古(カコ)、印南(イナミ)、飾磨(シカマ)、揖保(イヒボ)、赤穗(アカホ)、佐用(サヨ)、宍粟(シザハ)、神崎(カムザキ)、多可(タカ)、賀茂(カモ)、美嚢(ミナギ)ノ十二郡ヲ管シ、延喜ノ制、大國ニ列ス、後世飾磨ヲ分チテ飾東、飾西ト爲シ、賀茂ヲ分チテ加東、加西ト爲シ、神崎ヲ分チテ神東、神西ト爲シ、揖保ヲ分チテ揖東、揖西ト爲シ、總テ十六郡ト爲ス、明治維新ノ後、飾東、飾西、神東、神西、及ビ揖東、揖西ノ各二郡ヲ合セテ其舊稱ニ復シ、新ニ姫路市ヲ設ケ兵庫縣ヲシテ之ヲ治セシム
〔倭名類聚抄〕
〈五國郡〉
p.0511 播磨〈波里萬〉
〔運歩色葉集〕
〈葉〉
p.0511 幡磨(ハリマ) 幡州
〔日本風土記〕
〈一寄語島名〉
p.0511 播磨〈法里馬(ハリマ)〉
〔和漢三才圖會〕
〈七十七播磨〉
p.0511 播磨、本用二針間或張祭字一、而景行天皇立二播磨稻日大郞姫一爲二皇后一、〈日本武尊之母〉今單用二播磨字一、爲二山陽道八箇國之首一、
〔倭訓栞〕
〈前編二十四波〉
p.0511 はりま 播磨と書り、古事記に針間と見ゆ、新猿樂記に播磨針といひ、赤染衞門集に、はりまより來る人、針をおこせてと見えたれば、針によれる名なるべし、相撲の手にはり
p.0512 まなげあり、
〔古事記〕
〈中垂仁〉
p.0512 爾遣二山邊之大鶙一、〈此者人名〉令レ取二其鳥一、故是人、追二尋其鵠一、自二木國一到二針間國(○○○)一、
〔古事記傳〕
〈二十一〉
p.0512 針間〈◯中略〉國名義は、此國風土記に、萩原里、土中有レ井、所三以名二萩原一、息長帶日賣命、韓國還上之時、御船宿二於此村一、一夜之間、生二萩根一、高一丈許、仍名二萩原一、即闢一御井一、故云二針間井一とあり、是に國名の始とは謂ざれども、云二針間井一とあるは、何とかや國名も是より出たりげに聞ゆ、若然らば榛木に由れる名なり、〈又谷川氏云、（中略）針によれる名なるべしと云り、是も捨がたし、上代より針を出しヽことも知がたし、〉
〔豐鑑〕
〈一長濱眞砂〉
p.0512 天正五年十月、播磨の國を信長より秀吉に預給へば、彼國へ行向ぬ、東幡(○○)はみな隨ひつきし中にも、小寺官兵衞はもとより心ざしふかヽりけり、西幡(○○)佐用上月の輩などはあふがざりければ、彼輩に軍を向、〈◯下略〉
〔日本書紀〕
〈十一仁徳〉
p.0512 十六年七月戊寅朔、天皇以二宮人桑田玖賀媛一示二近習舍人等一曰、朕欲レ愛二是婦女一、若二皇后之妬一不レ能レ合、以經二多年一、何徒棄二其盛年一乎、〈◯中略〉於レ是播磨國造祖速侍獨進之歌曰、瀰箇始報(ミカシホ)、破利摩波揶摩智(ハリマハヤマチ)、以播區娜輸(イハクヤス)、伽之古倶等望(カシコクトモ)、阿例揶始儺破務(アレヤシナハム)、
〔釋日本紀〕
〈二十五和歌〉
p.0512 瀰箇如報〈三日潮也、私記曰、師説三日之潮其沈急速、故欲レ讀二早待一之發語、置レ此言乎、〉
〔地勢提要〕
〈乾〉
p.0512 各國經緯度〈附里程〉 播磨姫路二階町、極高三十四度五十分半、經度西一度一分半、從二東都一〈東海道西國海道〉一百六十六里二十九町二十間半、
〔日本經緯度實測〕
p.0512 北極出地 播磨 高砂 三四度四五分〇〇秒 姫路 三四度五〇分三〇秒 室津 三四度四六分三〇秒 赤穗 三四度四五分三〇秒〈◯中略〉 東西里差
p.0513 山城 京 〇度〇〇分〇〇秒 播磨 姫路 西一度〇〇分二二秒
〔名所方角抄〕
p.0513 播磨國分 美作はうしとらなり、北は山也、みなみは攝津の國より西なり、
〔日本地誌提要〕
〈五十一播磨〉
p.0513 疆域 東ハ攝津、西ハ備前、美作、北ハ因幡、但馬、東北ハ丹波、南ハ海ニ至ル東西凡貳拾里、南北凡壹拾四里餘、
〔日本實測録〕
〈九島嶼〉
p.0513 播磨國揖東郡 實測 家島、周廻四里九町三十間、宮浦、三十四度四十一分、太(フト)島〈從二南岬一至二西岬一〉八町 黒島、〈從二東岬一至二西岬一〉六町、 男鹿(ダンカ)島、周廻二里二十町三十一間、坊勢島、周廻二里二十一町五十二間、 高島、周廻二十町二間、 西ノ島、周廻五里一十八町二十七間、 松島、周廻二十九町二十五間、長島、〈從二北岬一至二東岬一〉九町、 屋島、周廻六町一十九間、 院下島、周廻二十七町一十一間、 遠測上島 鞍掛島 宇和島 加島 矢蓖島 裸島 ヲコ島 桂島 小ツブラ島 大ツブラ島 三頭島 黒フゴ島 高山 金子島 小松島 ヤケ島 揖西郡 實測 地唐荷(カラニ)島、周廻五町三十一間、 中唐荷島、周廻二町一十八間、 沖唐荷島、周廻四町三十五間、 君島周廻三町五十二間、 赤穗郡 實測 鬟(カツラ)島、周廻八町二間、 二子島、周廻一町三十二間、 野島、周廻二町四十五間、 鍋島、周廻五町五間、 生島、周廻十四町二間、 取上島、周廻一町四十九間、
〔播磨風土記〕
〈賀古郡〉
p.0513 所三以號二褶墓一者、昔大帶日子命〈◯景行〉誂二印南別孃一之時、〈◯中略〉爾時印南別孃、聞而驚畏之、即遁二度於南毘都島一、〈◯中略〉乃天皇知レ在二於此少島一、即欲レ度二對阿閉津一、〈◯中略〉此津遂度相遇、勅云、此島隱愛妻、仍號二南毘都麻一、〈◯下略〉
〔播磨風土記〕
〈印南郡〉
p.0513 郡南海中有二小島一、名曰二南毘都麻一、
〔播磨風土記〕
〈揖保郡〉
p.0513 伊刀島、諸島之總名也、品太天皇〈◯應神〉立二射目人於飾磨射目前一爲レ狩之、於レ是自二我馬野一、出二牡鹿一過二此阜一入二於海一、泳二渡於伊刀島一、爾時翼人等望見相語云、鹿者旣到二就於彼島一、故名二伊刀島一、
p.0514 〈◯中略〉 雀島、所三以號二雀島一者、雀多聚二於此島一、故曰二雀島一、〈不レ生二草木一◯中略〉 家島、人民作レ家而居之、故號二家島一、〈生二竹黒葛等一〉 神島、伊刀島等、所三以號二神島一者、此島西邊在二石神一、形似二佛像一、故因爲レ名、〈◯中略〉 韓荷島、韓人破レ船所レ漂之物、漂二就於此島一、故號二韓荷島一、 高島、高二勝於當處島等一、故號二高島一、
〔易林本節用集〕
〈下〉
p.0514 播磨〈播州〉大、管十四郡、四方三日半、土暖不レ見二雹霰一、絹布紙帛多、衣食足、大上國也、
〔孔雀樓文集〕
〈四〉
p.0514 靜好室記 五播距二京師一二百餘里、居二山陽上游一、面レ海背レ山、沿海一帶三百餘里、三藩封焉、西北又多二侯藩一、而邑之屬二於官有司一者、相二接其中一、氣候適均、山水秀麗、其壤膏、其田腴、斧二於山一煮二於海一、地四通五達、豪農巨商居焉、唯其海陸形便、穀貨所レ殖、是以藩封之外、巨聚大邑、應接不レ遑、官道官驛之外、路之夷而理者、屋之修而潔者、隨レ處而在、唯其生理饒資奉足、是以驕與レ奢、不レ期レ然、而然、素封之家、土木服玩、聲色飮食是競者有焉、評レ穀評レ金、億巨萬財、聚二散於一呼吸一者有焉、即使其中有下縁二飾詩書一者、或以レ多二諸技藝一聞者上、〈◯下略〉
〔日本實測録〕
〈四街道〉
p.0514 從二攝津國西宮中國街道一至二赤間關一〈◯中略〉 播磨國明石郡大藏谷、三十四度三十九分、一町五十八間 大藏谷人麿社前〈至二人麿社一五丁四間〉 一十一町五十八間〈至二明石城大手前一九丁二十九間〉 明石東樽屋町 一里一十六町一十一間半 大久保町、三十四度四十一分、三里二十三町一十三間半 加古郡加古川驛 一里三町三十四間半 印南郡魚橋村〈歴二石寶殿一至二曾根天神社一、一里三丁二十九間半、〉 二里二十九町三十五間 飾東郡姫路國府寺町 二町二十七間 同大黒町 九町四十五間〈至二姫路城大手前一九丁四十間半〉 同本町〈至二飾万津英加町一一里一十七間〉 一町二十一間 同竪町、三十四度五十八分半、 一里六町二十間半 飾西郡下手野町 三里三町二間半 正條宿〈至二室津一二〉
p.0515 〈里二丁〉 一十九町五十七間半 揖西郡片島村〈又呼二片島驛一〉 三里一十五町 赤穗郡原村千種川岸 一町五十四間 有年(ウネ)宿、三十四度五十分、三里一町四十一間半〈至二國界一里二十六丁二十八間〉 備前國和氣郡三石村〈◯中略〉 從二但馬國和田山一歴二生野一至二仁豐野一〈◯中略〉 播磨國神西郡眞弓村 三十町一十八間 多河郡猪篠村〈又呼二追上野一〉 一里三十四町四十八間 神東郡粟賀町村 一十一町三間 福本 一里一町五十四間 屋形村 二里一十四町六間 神西郡福崎新村〈又呼二新町一〉 二里六町一十五間 仁豐野村市川岸 〈從二和田山一至二仁豐野一〉街道、通計一十四里二十一町三十間半、〈◯中略〉 從二丹波國栢原一、歴二酒見及仁豐野一至二姫路一〈◯中略〉 播磨國多河郡中村町、三十五度二分半、二里一十七町二十七間〈至二糀屋町一一十四丁二十七町〉 加西郡明樂寺村 一里一十四町六間 殿原村〈至二上野村磯部神社一七丁〉 一里四十五間 市場村、三十四度五十六分、二町二十七間 寺内村加西町〈又呼二酒見北條郷一、歴二酒見神社一至二酒見寺一二丁五十七間、〉 三里四町一十二間〈至二山下村一一里五丁二十四間、從二山下一至二市川岸一、一里三十四丁一十二間、〉 神西郡仁豐野村市川岸 一里三町三十九間 飾東郡東中島村〈歴二白國村及廣領一至二書寫山東坂本村宿所一、二里八町四十三間、北極高三十四度五十三分、從二坂本一至二書寫山圓教寺一、一十九町一十六間、又從二白國村一至二白國神社一、七丁五十四間、〉 二十四町九間半 姫路大黒町 〈從二栢原一至二姫路一〉街道、通計一十五里一十町五十四間半、〈◯中略〉 從二攝津國瀬川一歴二有馬一至二坂本一〈◯中略〉 播磨國加東郡清水寺 二十九町五十四間半 上鴨川村、三十四度五十九分、二里一町一十五間 上三草 三十二町二十三間半 社村 二里一十二町一十六間半 加西郡繁昌村、三十四度五十四分、一里三十町八間 法華山坂本村 〈從二瀬川一至二坂本一〉街道、通計二十三里三十二町四十五間半、
p.0516 從二攝津國湯山一歴二坂本一至二姫路一〈◯中略〉 播磨國美囊(ミノウ)郡淡河(アハカ)町 三里一十一町五間〈至二三木大塚町一二里三十二丁五十五間〉 三木上町 二里三町四十三間〈至二三木下町限一七丁三十二間〉 加東郡太郞太夫村〈至二小野陣屋一一十五丁一十八間〉 一里九町四十四間半 印南郡國包(クニカネ)村 三里二十三町五十七間〈至二一本松新村一一里二十七丁五間〉 加西郡法華山村坂本村、三十四度五十二分、二十八町六間 印南郡畑村野深 二里一十四町五十五間半 飾東郡姫路國府寺町 〈從二湯山至二姫路一〉街道、通計一十七里三十三町二間、 從二播磨國福崎新村一歴二知頭及鳥取一、至二豐田一 播磨國神西郡福崎新村〈又呼二新町一〉 一里二十三町九間 飾西郡前之庄村 二里一十五町二十九間半〈至二野畑村一一里二十四丁一十一間半〉 
粟(シソウ)郡安志〈至二林田本町一二里一十六丁六間、從二本町一至二追分村一二十丁五十間、〉 一里一十一町四十八間 山崎〈又呼二宍粟一〉山田町〈至二須行名村一宮伊和神社一三里一町四十二間〉 三町 山崎本町 三里一十五町三十九間〈至二山崎西新町限一四丁一十二間〉 下三河村 一里三十一町一十八間 佐用郡口長谷(クチナガタニ)村〈歴二蒲笥峠一至二下徳久村一一里二十四丁二十間〉 一十町四十二間 平福村南新町 二里三十一町二十一間〈至二平福北新町限七丁一十八間、從二町限一至二國界一一里一十丁六間、〉 美作國吉野郡辻堂村〈◯中略〉 從二播磨國手野一、歴二津山及米子一至二松江一 播磨國飾西郡下手野村 二十町四十一間 飾西村、三十四度五十一分半、一里一十七町三間 揖東郡追分村 三十四町四十八間 嘴崎(サシサキ)宿村〈至二龍野横町一二十九丁三十三間、北極高三十四度五十二分半、從二横町一至二正條宿一里九丁三十五間半、〉 二里一十四町三間〈至二新宮横町一二十七丁四十八間〉 揖西郡千本村、三十四度五十六分半、一里三十二町一十八間〈至二三日月上町一一里二十九丁四十八間〉 佐用郡三日月中町 一十六町六間 乃井野〈至二乃井野陣屋一汎測五町〉 一里三町 下徳久村 三十四町二十九間半 佐用宿、三十五度、〈至二佐用都比賣神社一一十三丁二十一間〉 一里一十一町九間 早瀬村〈沿二千種川一至二赤穗郡上郡村宿所一、三里三十五丁六間、北極高三十四度五十二分半、從二上郡一至二原村一、一里一十六丁五十七間、〉 一里三十一町一
p.0517 十八間〈至二國界万能峠一一里一十七丁二十四間〉 美作國英田(アイタ)郡土居町
〔日本實測録〕
〈一沿海〉
p.0517 從二大坂一沿海至二赤間ケ關一〈◯中略〉 播磨國明石郡大藏谷 五里二十二町五十六間 加古郡高砂南濱町〈至二北木町一三町一十一間、北極高卅四度四十五分、〉 七町五十六間〈至二燈明堂一三町〉 高砂浦〈至二洲岬一十六町四間〉 三町三十九間 同堀切川口〈至二南濱町燈明堂一九町二十七間〉 二十町三十間 荒井村〈沿レ川至二魚崎村一、一十七町五十二間、〉 一里三町四十九間半 印南郡的形村磯〈至二小島一一十一町七間、北極高三十四度四十七分、從二小島一至二宇佐崎村一、二十九町二十五間半、〉 二里一十九町一十八間半〈至二宇佐崎村一二十八町二十九間半〉 飾東郡飾万津〈至二英加町一一十二町五十一間、北極高三十四度四十八分、〉 二里三十五町二十五間 揖東郡新在家村、〈至二餘子濱村一一十一町一十七間、北極高三十四度四十八分、〉 一里一十二町四間〈至二揖保川口一八町〉 揖西郡苅屋村〈歴二稻富村一至二伊津村一、三十一町四十四間半、〉 二里一十七町二十二間〈至二伊津村一一里三町二十五間半、從二伊津村一至二室津カタコシ一、二十三町五十七間、〉 室津中之町、三十四度四十六分半、〈歴二島屋町一至二カタコシ一一十一町五十一間〉 一十一町二間 室津大浦〈歴二野瀬村一至二相生浦一一里一十五町〉 二里二十九町四間〈至二金崎一一里五町三十二間半〉 赤穗郡相生浦、三十四度四十八分半、一里九町一十六間 佐方浦〈歴二高野村一至二坂越浦一、一里六町五十間半、從二坂越一至二加里屋一、一里六町一十三間半、〉 三里一十七町四十一間〈至二ホフシ岬一一里廿五町一十七間〉 坂越(サコシ)浦〈至二街道一五町五十九間〉 一里三十五町四十二間〈至二新濱浦福浦一一里二十四町三十八間〉 新濱浦、三十四度四十四分半、一里一十五町八間 加里屋(カリヤ)浦〈至二加里屋一一十八町五十五間北極高三十四度四十五分半、從二加里屋一至二織方村一二十六町、〉 一里一十六町四十二間〈至二織方村一一里八町、〉 鳥撫(トナデ)村〈至二鹽濱一徑測六町四間半〉 二十二町二十間半〈至二鳥撫村鹽濱一一十二町五十五間半〉 眞木村〈至二備前國和氣郡福浦村一一十六町三間半、北極高三十四度四十五分半、從二福浦一至二寒河村一徑測一里八間、〉 四里九町九間半〈至二國界一一十九町一十間、從二國界一至二寒河村一、二里二十四町四十八間、〉 備前國和氣郡日生村鬼村
〔延喜式〕
〈二十八兵部〉
p.0517 諸國驛傳馬〈◯中略〉 播磨國驛馬〈明石卅疋、賀古卌疋、草上、大市、布勢、高田、野磨各廿疋、越部、中川各五疋、〉
〔續日本紀〕
〈三十二光仁〉
p.0517 寶龜四年二月己未、先レ是播磨國言、飾摩郡草上驛(○○○)、驛戸便田、今依二官符一、捨二四天王寺一、〈◯下略〉
〔續日本後紀〕
〈八仁明〉
p.0518 承和六年二月戊寅、播磨國印南郡佐突驛(○○○)家依レ舊建立、
〔太平記〕
〈四〉
p.0518 備後三郞高徳事附呉越軍事 臨幸餘ニ遲カリケレバ、人ヲ走ラカシテ、是ヲ見スルニ、警固武士、山陽道ヲ不レ經、播磨今宿(○○)ヨリ山陰道ニカヽリ、遷幸成奉ケル間、高徳ガ支度相違シテケリ、
〔太平記〕
〈八〉
p.0518 摩耶合戰事附酒部瀬河合戰事 天運ノ助ニヤ懸リケン、何レモ無レ恙シテ、御方ノ勢ノ小屋野ノ宿(○○○○○)ノ西ニ、三千餘騎ニテ引ヘタル、其中ヘ馳入テ、虎口ニ死ヲ遁レケリ、六波羅勢ハ昨日ノ軍ニ敵ノ勇鋭ヲ見ルニ、小勢也トイヘドモ、欺キ難シト思ケレバ、瀬河ノ宿(○○○○)ニ引ヘテ進ミ得ズ、〈◯中略〉赤松三千餘騎ニテ敵ノ陣ヘ押寄テ、先ヅ事ノ體ヲ伺ヒ見ニ、瀬河ノ宿ノ東西ニ、家々ノ旗二三百流、梢ノ風ニ翻シテ、其勢二三萬騎モ有ント見ヘタリ、
〔日本國郡沿革考〕
〈三山陽道〉
p.0518 播磨 古作二針間一〈姓氏録、國造記、 風土記云、息長帶日賣命從二韓國一歸、宿二於一村一、其夜間萩忽生、高一丈計、仍名二其里一曰二萩原里一、就二其地一新闢二御井一、謂二之針間井一、〉 大國、管十六郡、千七百九十六村〈延喜式十二郡〉 明石〈百四十七村 清寧紀赤石、古明石國、見二國造記一、〉 美囊(ミナキ)〈百五十七村〉 加古〈九十九村 延喜式等作二賀古一〉 印南(インナン)〈百十六村 古事記作二伊那毘一、萬葉集所レ謂伊奈美國波良、或稻日野、或稻見之海、皆此地、〉 加東(カトウ)〈百五十一村 古針間鴨國、見二國造記一、延喜式等作二賀茂郡一、後分二東西一、正徳二年四月令自レ今宜レ書二賀東一、而今仍作二加東一、 拾芥抄巳注二東西一、則其巳前所二析置二可レ知、〉 加西(カサイ)〈百二十三村 延喜式等不レ載、説詳二上文一、〉 多可(タカ)〈百二十四村〉 神東(ジントウ)〈七十九村 延喜式等作二神崎郡一、後分爲二東西一、未レ詳レ在二何時一、〉 神西(シンサイ)〈六十九村、説詳二上文一、〉 飾西(シキサイ)〈七十七村、 古飾磨郡爲二府治一、延喜式等載、拾芥抄作二飾摩一、後分爲二東西一、未レ詳レ在二何時一、〉 飾東(シキトウ)〈七十一村説詳二上文一〉 楫東(イツトウ)〈百三十村 古揖保郡延喜式等載、拾芥抄作二揖穗一、注二東西一、蓋中世所二析置一、〉 楫西〈百一村説詳二上文一〉 赤穗(アカホ)〈百二十五村〉 佐用〈八十七村 天智紀作二狹夜一〉 完粟(シソウ/シサハ)〈百四十村完粟邑見二于垂仁三年紀一、蓋厥後建爲レ郡、〉
〔日本地誌提要〕
〈五十一播磨〉
p.0518 沿革 古ヘ國府ヲ飾磨郡ニ置、〈今飾東郡姫路ノ東國府寺(コフデラ)村ナリ、〉鳥羽天皇ノ時、源季房〈村上〉
p.0519 〈天皇ノ裔〉ヲ以テ州守ニ任ジ、子孫赤松莊〈赤穗郡〉ニ居ル、因テ赤松氏ト稱ス、源頼朝平氏ヲ滅シ、土肥實平、梶原景時ヲシテ、本州及美作三備ノ守護ヲ兼シム、建久四年、季房ノ曾孫赤松則景、州守ニ任ジ、守護トナリ、白旗城〈赤穗郡〉ニ治ス、建武中興、其玄孫則村、勤王ノ功ヲ以テ守護ニ補ス、尋テ事ニ坐シテ罷ラレ、之ヲ新田義貞ニ賜フ、則村遂ニ叛シテ足利尊氏ニ屬ス、義貞西征シ、則村ヲ白旗城ニ圍ミ、克タズシテ歸ル、尊氏則村ヲ以テ守護トナス、子則祐苔繩城〈赤穗郡〉ニ居リ、備前ヲ加封シ、其子義則又美作ヲ加賜シ、提封三州ニ跨カル、嘉吉元年、義則ノ子滿祐、將軍義教ヲ弑シ、奔リテ城(キ)山城〈揖西郡〉ニ據ル、將軍義勝、諸將ニ命ジテ之ヲ誅シ、本州ヲ山名持豐ニ賜フ、應仁ノ亂、滿祐ノ從孫政則、細川勝元ニ黨シテ故封ヲ復シ、姫路ニ居ル、尋テ又置鹽〈飾西郡〉ニ城キ、之ニ徙リ、同族別所則治ヲシテ、三木ニ居シメ、東境八郡ヲ管シ、小寺豐職ヲシテ姫路ニ戍セシム、永正十七年、政則ノ嗣義村、其臣浦上村宗ニ弑セラレ、封疆日ニ蹙マル、享祿四年、義村ノ子晴政、村宗ヲ殺シテ故地ヲ復シ、置鹽ニ居ル、子義祐ニ至テ、國勢日ニ衰フ、天正五年、織田信長、豐臣秀吉ヲ本州ニ封ジ西伐セシム、義祐ノ子則房款ヲ納レ、小寺政職備後ニ奔ル、別所長治、獨秀吉ト相抗スル四年ニシテ亡ブ、秀吉則房ヲ阿波ニ徙シ、全州ヲ併セ姫路ニ治ス、十三年、木下家定ヲ姫路ニ封ズ關原役畢リ、徳川氏池田輝政ヲ全州ニ封ジ、姫路ニ治ス、元和三年、其孫光政ヲ因幡ニ移シ、本多忠政ヲ姫路ニ、〈拾五萬石、後酒井忠恭、〉小笠原忠眞ヲ明石ニ〈拾萬石、後松平直明、〉封ズ爾後龍野〈初小笠原長次、後脇坂安政、〉赤穗、〈初池田輝興、後森長直、〉林田、〈建部政長〉小野、〈一柳直次〉山崎〈池田恒之、後本多忠英、〉三日月、〈森長俊〉安志(アンジ)、〈小笠原長興〉三草〈丹羽薫氏〉ノ八藩ヲ建テ、共ニ十藩、王政革新、福本藩ヲ置、〈鳥取ノ支封池田徳潤〉旣ニシテ廢シテ縣トナシ、更ニ合併シテ姫路縣ヲ置キ、改テ飾磨ト稱ス、
〔先代舊事本紀〕
〈十國造〉
p.0519 針間國造 志賀高穴穗朝、〈◯成務〉稻背入彦命孫伊許自別命定二賜國造一、
p.0520 針間鴨國造 志賀高穴穗御世、上毛野同祖御穗別命兒市入別命定二賜國造一、 明石國造 輕島豐明朝〈◯應神〉御世、大倭直同祖八代足尼兒都彌自足尼定二賜國造一、
〔播磨名所巡覽圖會〕
〈二〉
p.0520 播磨國は山陽道八州の首也、上古は飾磨郡より西を針間の國といひ、加茂郡多賀郡を鴨の國といひ、赤石郡加古郡印南郡などを明石の國といひて、三郡の國なりしを、後世十二郡に分ち、播磨を以て一國の名とす、〈◯下略〉
〔續日本紀〕
〈四元明〉
p.0520 和銅元年三月丙午、正五位上巨勢朝臣邑治爲二播磨守一、
〔吾妻鏡〕
〈三〉
p.0520 壽永三年二月十八日丁丑、武衞〈◯源頼朝〉被レ發二御使於京都一、是洛陽警固以下事所レ被レ仰也、又播磨、〈◯中略〉已上五箇國、景時〈◯梶原〉實平〈◯土肥〉等遣二專使一、可レ令二守護一之由云云、
〔倭名類抄抄〕
〈五國郡〉
p.0520 播磨國〈國府在二飾磨郡一、行程上五日、下三日、〉
〔忠見集〕
p.0520 播磨のこうにやどれるに、時鳥のなくを、 誰をかはこうの山べのほとヽぎす草の枕にたび〳〵はなく
〔倭名類聚抄〕
〈五國郡〉
p.0520 播磨國〈◯註略〉管十二〈◯註略〉明石〈安加志〉賀古 印南〈伊奈美〉飾磨〈國府〉揖保〈伊比保〉赤穗〈阿加保〉佐用〈佐與〉完粟〈志佐波〉神埼〈加無佐岐〉多可 賀茂 美囊〈美奈木〉
〔延喜式〕
〈二十二民部〉
p.0520 播磨國、大、〈管 明石(アカシ) 賀古(カコ) 印南(イナミ) 飾磨(シカマ) 揖保(イヒホ) 赤穗(アカホ) 佐用(サヨ) 宍磨(シサハ) 神崎(カンザキ) 多可(タカ) 賀茂(カモ) 美囊(ミナギ)◯中略〉 右爲二近國一
〔拾芥抄〕
〈中末本朝國郡〉
p.0520 播磨〈大近〉十四郡 明石 賀古〈東西〉 賀茂 印南 飾摩〈府〉 揖穗〈東西〉 赤穗 佐用 完粟 神崎 多可 美壺〈◯壺囊誤〉 揖西 揖東
〔峯相記〕
p.0520 又問云、郡郷田地ノ様御存知候哉、答云、〈◯中略〉郡ハ元ハ十二郡、今十七郡ト申ス、元ハ明石、賀古、印南、飾磨、揖保、神崎、赤穗、佐用、宍粟、多
、加茂、美囊、是也、今ハ飾磨ヲ分テ飾西、飾東トス、揖保ヲ
p.0521 分テ揖東揖西トス、神崎ヲ分テ神東神西トス、加茂ヲ分テ河東河西トスト云ヘリ、剩ヘ近ク飾東西ノ間ニ中條郡トテ有レ之也、
〔易林本節用集〕
〈下〉
p.0521 播磨、〈播州〉大、管十四郡、〈◯中略〉明石(アカシ)、賀古(カコ)、〈東西〉、賀茂(カモ)、印南(イナミ)、飾磨(シカマ)、揖保(イホ)〈東西〉、赤穗(アカホ)、佐用(サヨ)、完粟(シアハ)、神崎〈東西〉、多河(タカ)、美壺(ミツボ)、揖(イツ)西、揖東(イツトウ)、
〔和漢三才圖會〕
〈七十七播磨〉
p.0521 十二郡〈◯中略〉 明石 賀古 印南 飾磨〈後分爲二二郡一、稱二飾東飾西一、〉 楫保〈拾芥抄用二穗字一、後分爲二二郡一、稱二楫東楫西一、〉 赤穗〈今訓二阿古一〉 佐用 宍粟〈今訓二之曾一、宍古肉字、今誤用二完字一、完音桓、全也、〉 神崎〈後分爲二二郡一、稱二神東神西一、〉 多可 賀茂〈後分爲二二郡一、稱二賀東賀西一、〉 美囊〈今略稱二三木一〉
〔皇國郡名志〕
p.0521 播磨國〈舊十二郡今十六郡〉 明石(アカシ) 〈明石 △人丸社 ●大久保 攝界淡路島ニ向〉 賀古(カコ) 〈●高畑 ●野口 ●土田 南海小郡〉 三木(ミナキ) 〈●北萩原 攝界〉 赤穗(アカホ) 〈赤穗 ●東有年 ●西ウ子 備前界〉 佐用(サヨ) 〈＜三日月 ●佐用平フク 作界小郡〉 多可(タカ) 〈●野村 ●總社 丹但界〉 楫西(イヒホノニシ) 〈立野 ●室津 ●片島 ●正條 ●千本 赤穗ニ並郡〉 楫東 〈＜新宮 ＜林田 ●石倉 ●山田 楫西ニ並〉 飾西(シカマノニシ) 〈●手野 △書寫山 楫東神西ノ間細長ク海ニ至ル〉 飾東 〈●飾萬津 姫路 ●御着 南海ニ向〉 神西(カンサキノニシ) 〈●眞弓 但界〉 神東 〈＜福本 ＜粟加 國中〉 賀西(カモノニシ) 〈●法花山 ●ハン昌 但界〉 賀東 〈＜小野 ＜坂本 丹界〉 印南(イナミ) 〈●福泊 ●志方 ●加古川 ●高砂社 △曽根社 △石寶殿 南海郡〉 宍粟(シサハ) 〈＜山崎 ＜安和 因但界〉 〈今楫保、飾磨、神崎賀茂、各分二東西一、〉 ◯按ズルニ、本書及ビ次下ノ郡名異同一覽ノ符號ハ、山城國篇郡條ニ引ク所ノ、二書ノ凡例ヲ參照スベシ、
〔郡名異同一覽〕
p.0522 播磨
〔別所長治記〕
p.0523 別所小三郞長治ハ、村上源氏具平親王廿六代ノ孫赤松入道圓心ガ末葉也、領二播州東(○○○)
p.0524 八郡(○○)一、在二三木ノ城一得二武將譽一、其門葉繁昌ニシテ風俗異二于他一、〈◯下略〉
〔播磨鑑〕
〈二飾東〉
p.0524 姫路御城主御代々始記 東播八郡トハ所レ謂三木郡、明石郡、加古郡、加東郡、加西郡、印南郡、多可郡、神東郡以上八郡也、
〔日本書紀〕
〈十五清寧〉
p.0524 二年十一月、依二大嘗供奉之料一、遣二於播磨國司山部連先祖伊與來目部小楯一、於二赤石郡(○○○)縮見屯倉首、忍海部造細目新室一、見二市邊押磐皇子億計弘計一、〈◯下略〉
〔播磨風土記〕
p.0524 望二覽四方一云、此土丘原野、甚廣大而見二此丘一如二鹿兒一、故名曰二賀古郡一、
〔續日本紀〕
〈九元正〉
p.0524 神龜三年十月辛酉、行幸、〈◯中略〉行宮側近、明石賀古二郡百姓、高年七十已上、賜レ穀各一斛、〈◯下略〉
〔法隆寺伽藍縁起并流記資財帳〕
p.0524 合庄庄倉捌拾肆口 屋壹佰拾壹口〈◯中略〉 播磨國參處〈明石郡一處 賀古郡一處 揖保郡一處◯中略〉 天平十九年二月十一日〈◯署名〉
〔播磨風土記〕
p.0524 印南郡〈◯印南郡原脱、據二一本一補、〉 一家云、所三以號二印南一者、穴門豐浦宮御宇天皇、〈◯仲哀〉與二皇后一〈◯神功〉倶欲レ平二筑紫久麻曾國一、下行之時、御舟宿二於印南浦一、此時滄海甚平、風波和靜、故名曰二入浪一、
〔法隆寺伽藍縁起并流記資財帳〕
p.0524 山林岳島等貳拾陸地〈◯中哀〉 播磨國貳拾壹地 揖保郡五地〈◯註略〉 印南郡飾磨郡内島林十六地〈◯中略〉 天平十九年二月十一日〈◯署名略〉
〔續日本紀〕
〈三十九桓武〉
p.0524 延暦五年四月乙亥、播磨國言、四天王寺飾磨郡水田八十町、元是百姓口分也、而依二太政官符一、入レ寺訖、因レ兹百姓口分、多授二比郡一、營種之勞、爲レ弊實深、其印南郡戸口稀少、田數巨多、今當二班田一、請遷二飾磨郡一置二印南郡一、許之、
〔播磨風土記〕
p.0525 飾磨郡 所三以號二飾磨一者、大三間津日子命、於二此處一造二屋形一而座時有二大鹿一而鳴之、爾時王勅二云牡鹿鳴哉一、故號二飾磨郡一、
〔東大寺正倉院文書〕
〈十二〉
p.0525 山背國愛宕郡雲下里計帳 山背國愛宕郡出雲郷雲下里神龜三年史生從八位下間人宿彌男君(（繼目裏書）) 戸主出雲臣宿奈麻呂年參拾捌歳〈◯中略〉 秦前大結賣年參拾肆歳 丁女 秦前稻結賣年參拾肆歳 丁女 上件二口、和銅四年、逃二播磨國忠磨郡(○○○)一、
〔播磨風土記〕
p.0525 揖保郡 事〈◯郡名〉明レ下〈◯中略〉 揖保里〈土中中〉所二以稱一レ粒者、此里依二於粒山一、故因レ山爲レ名、
〔壬生家文書〕
p.0525 左辨官〈下二播磨國一〉 應下且任二舊跡一糺二定四至堺一且免中除雜徭上穀倉院領當國小犬丸保事 在二管揖西郡(○○○)布施郷内一〈◯中略〉 建久八年四月卅日 右大史三善朝臣 右少辨平朝臣
〔大安寺伽藍縁起并流記資財帳〕
p.0525 合今請懇田玖佰玖拾肆町〈◯中略〉 播磨國壹拾伍町〈開六町未開九町〉 〈印南郡五町 伊保東松原 赤穗郡十町 多太野東
村前◯中略〉 天平十九年二月十一日〈◯署名略〉
〔播磨風土記〕
p.0525 讃容郡 所三以云二讃容郡一者、大神妹妋二柱、各競占レ國之時、妹玉津日女命、捕二臥生鹿一割二其腹一而種二稻其血一、仍一夜之間生レ苗即令二取殖一、爾大神勅云、汝妹者五月夜殖哉、即去二他處一、故號二五月夜郡一、
〔日本書紀〕
〈二十七天智〉
p.0526 七年〈◯齊明〉七月丁巳、崩、〈◯齊明、中略、〉是歳播磨國司、岸田臣、麿等、獻二寶劒一言、於二狹夜郡(○○○)人禾田穴内一獲焉、
〔播磨風土記〕
p.0526 宍禾郡 所三以名二宍禾一者、伊和大神國作堅了以後、堺二此川谷尾一、巡行之時、大鹿出二己舌一遇二於矢田村一、爾勅云、矢彼舌在者、故號二宍禾鹿村一、名號二矢田村一、 比治里〈土中上〉所三以名二比治一者、難波長柄豐前天皇〈◯孝徳〉之世、分二揖保郡一作二完禾郡一之時、山部比治、任二爲里長一、〈◯下略〉
〔播磨風土記〕
p.0526 神前郡 右所三以號二神前一者、伊和大神之子建石敷命、在二於神前山一、仍因二神在一爲レ名、故曰二神前郡一、
〔續日本後紀〕
〈五仁明〉
p.0526 承和三年五月丙辰、播磨國神埼郡荒廢田卅三町賜二宗康親王一、
〔播磨風土記〕
p.0526 託賀郡 右所三以名二託賀一者、昔在二大人一常勾行也、自二南海一到二北海一、自レ東巡行之時、到二來此土一云、他土卑者常勾伏而行之、此土高者申而行之高哉、故曰二託賀郡一、
〔播磨風土記〕
p.0526 賀毛郡 所三以號二賀毛一者、品太天皇〈◯應神〉之世、於二鴨村一雙鴨作レ栖生レ卵、故曰二賀毛郡(○○○)一、
〔續日本紀〕
〈十聖武〉
p.0526 天平元年四月壬戌、播磨國賀茂郡、加二主政主帳各一人一、
〔播磨風土記〕
p.0526 美囊郡 所三以號二美囊一者、昔大兄伊射報和氣命〈◯履中〉堺レ國之時、到二志深里許會社一、勅云、此土水甚美哉、故號二美囊郡一、
〔續日本紀〕
〈四十桓武〉
p.0526 延暦八年十二月乙亥、播磨國美囊郡大領正六位下韓鍛首廣富、獻二稻六万束於水兒船瀬一、授二外從五位下一、
〔倭名類聚抄〕
〈八播磨國〉
p.0526 明石郡 葛江〈布知衣〉明石〈安加之〉住吉〈須美與之〉神戸 邑美〈於布美〉垂見〈（見、高山寺本作レ水、）多留美〉神戸 賀古郡 望理 長田〈奈加太〉住吉〈須美與之〉餘戸〈◯高山寺本、餘戸次有二賀古一、〉 印南郡 大國〈於保久爾〉益氣〈◯高山寺本、氣作レ田、註二末須太一、〉含藝〈◯高山寺本、註三賀奈牟、國用二河南一、〉餘戸 佐突〈◯高山寺本、註三左都知、國用二佐土一、〉
p.0527 飾磨郡 菅生〈須加布〉餘戸 英賀〈安加〉伊和 辛室〈加良牟呂〉大野〈於保乃〉英保〈安母〉三野〈美乃〉穴無〈安奈之〉迎達〈伊多知〉巨智〈古知〉平野〈比良乃〉草上〈久佐乃加三〉周智 揖保郡 栗栖〈久留須〉香山〈加古也萬、◯加古也萬、高山寺本作二加宇也萬一、〉越部〈古之倍〉林田〈波也之多〉桑原〈久波波良〉布勢 上岡〈加無都（都、高山寺本作レ乃）乎加〉揖保〈伊比奉〉大市〈於布知〉大田〈於保多〉新田〈爾比多〉餘戸 浦上〈宇良加三〉小宅〈古伊倍◯古伊倍、高山寺本作二乎也計一、〉廣山 大宅〈於保也介〉石見〈美波伊〉中臣 神戸 赤穗郡 坂越 八野 大原 笟磨〈◯笟、高山寺本作レ筑、註二都久末一〉野磨 周勢 高田 飛取〈◯取、高山寺本作レ鳥、〉 佐用郡 佐用〈佐與〉江川〈◯高山寺本註二衣賀八一〉廣岡 速瀬 柏原 大田 中川 宇野 完粟郡 三方〈◯高山寺本註二美加太三字一〉高家〈◯高山寺本註二多以惠一〉比地 狛野〈◯高山寺本狛作レ柏、又註二有加之八乃一、〉安志 石保〈◯高山寺本、保作レ作、註二以之都久利一〉伊和 土方〈◯高山寺本方作レ万註二比知末一、〉 神崎郡 埴岡〈◯高山寺本註二波爾乎賀一、〉蔭山〈◯高山寺本註二加介也末一〉川邊〈◯高山寺本註三加波乃倍、國用二川述一、〉的部〈◯高山寺本註二以久波一〉槻田 多可郡 荒田 賀美〈◯高山寺本註二國用二上字一〉那珂〈◯高山寺本註三國用二中字一〉資母〈◯高山寺本註三國用二下字一〉黒田〈◯高山寺本註二久呂太一〉蔓々〈◯々、高山寺本作レ田、註三波布田、國用二這田一、〉 賀茂郡 三重〈◯高山寺本註二美倍一〉 上鴨〈◯高山寺本註二加无都加毛一〉穗積 川内 酒見 大神 住吉 川合 夷俘 美囊郡 志深〈之々美〉高野〈多加乃〉平野〈比良乃〉吉川〈與加波〉夷俘
〔播磨風土記〕
〈賀古郡〉
p.0527 望理里(○○○)〈土中上〉大帶日子天皇〈◯景行〉巡行之時、見二此村川曲一、勅二云此川之曲甚美哉一、故曰二望理一、 鴨波里(○○○)、〈土中中〉昔大部造等始祖古理賣、耕二此之野一、多種レ粟、故曰二粟々里一、〈◯中略〉 長田里(○○○)、〈土中中〉昔大帶日子命、幸二行別孃之處一、道邊有二長田一、勅二云長田哉一、故曰二長田里一、 驛家里(○○○)、〈土中中〉由二驛家一爲レ名、
〔播磨風土記〕
〈印南郡〉
p.0527 大國里(○○○)、〈土中中〉所三以號二大國一者、百姓之家多居レ此、故曰二大國一、〈◯中略〉
p.0528 六繼里(○○○)〈土中中〉所三以號二六繼一者、已見レ於レ上、〈◯載二村里條所引播磨風土記六繼村下一中略〉 益氣里(○○○)、〈土中上〉所二以號一レ宅者、大帶日子命、造二御宅於此村一、故曰二宅村一、〈◯中略〉 含藝里(○○○)、〈本名瓶落〉土中上、所三以號二瓶落一者、難波高津御宮〈◯仁徳〉御世、私部局取等遠祖他田熊千、瓶酒著二於馬尻一、求二行家地一、其瓶落二於此村一、故曰二瓶落一、〈◯中略〉
〔播磨風土記〕
〈飾磨郡〉
p.0528 漢部里(○○○)、〈土中上〉右稱二漢部一者、讃岐國漢人等到二來居於此處一、故號二漢部一、 菅生里(○○○)、〈土中上〉右稱二菅生一者、此處有二菅原一、故號二菅生一、 麻跡(○○)〈◯跡恐割誤、下同、〉里〈土中上〉右號二麻跡一者、品太天皇〈◯應神〉巡行之時、勅云、見二此二山一者、能似二人眼割下一、故號二目割一、 英賀里(○○○)、〈土中上〉右稱二英賀一者、伊和大神之子、阿賀比古、阿賀比賣二神、在二於此處一、故因二神名一以爲二里名一、 伊和里(○○○)、〈◯註略〉土中上、右號二伊和部一者、積幡郡伊和君等族到二來居於此一、故號二伊和部一、 賀野里(○○○)〈幣丘〉土中上、右稱二加野一者、品太天皇巡行之時、此處造レ殿、仍張二蚊屋一、故號二加野一、〈◯中略〉 韓室里(○○○)〈土中々〉右稱二韓室一者、韓室首、寶等上祖、家大富饒造二韓室一、故號二韓室一、 巨智里(○○○)〈◯註略〉土中下、右稱二巨智一者、巨智等始祖、屋二居此村一、故因爲レ名、〈◯中略〉 安相丘〈長畝川〉土中々、右所三以號二安相里(○○○)一者、〈◯中略〉但馬國朝來人到來、居二於此處一、故號二安相里一、〈本名阿沙部云、後里名、依レ改二字二字一、注爲二安相里一、◯中略〉 枚野里(○○○)〈◯註略〉右稱二枚野一者、昔爲二少野一、故號二枚野一、〈◯中略〉 大野里(○○○)〈砥堀〉土中々、右稱二大野一者、本爲二荒野一、故號二大野一、志貴〈志貴二字、原在二惠多下一、今改、〉島宮御宇天皇〈◯崇神〉之御世、村上足島等上祖、惠多請二此野一而居之、乃爲二里名一、〈◯中略〉 少川里(○○○)〈◯註略〉土中々、〈本名私里〉古號二私里一者、志貴〈志貴二字、原在二留下一、今改、〉島宮御宇天皇之世、私部弓束等祖田久利君鼻留二請此處一而居レ之、故號二私里一、以後庚寅年、上大夫爲レ宰之時、改爲二小川里一、一云、小川自二大野一流二來此處一、
p.0529 故曰二小川一、〈◯中略〉 英保里(○○○)、〈土中上〉右稱二英保一者、伊豫國英保村人到來、居二於此處一、故號二英保村一、 美濃里(○○○)、〈繼潮〉土中下、右號二美濃一者、讃伎國彌濃郡人到來二居之一、故號二美濃一、〈◯中略〉 因達里(○○○)、〈土中中〉右稱二因達一者、息長帶比賣命〈◯神功〉欲レ平二韓國一、渡坐之時、御船前、伊太代之神、在二於此處一、故因二神名一、以爲二里名一、 安師里(○○○)、〈土中中〉右稱二安師一者、倭穴无神、神戸託仕奉、故號二穴師一、〈◯中略〉 漢部里(○○○)、〈多志野、阿比野、手沼川、〉里名詳二於上一、貽和里〈◯下略〉
〔播磨風土記〕
〈揖保郡〉
p.0529 香山里(○○○)、〈本名鹿來墓〉土下上、所三以號二鹿來墓一者、伊和大神占レ國之時、鹿來立二於山々峯々一、是亦似レ墓、故號二鹿來墓一、後至二道守臣爲レ宰之時一、乃改レ名爲二香山一、〈◯中略〉 栗栖里(○○○)、〈土中中〉所三以名二栗栖一者、難波高津宮天皇、〈◯仁徳〉勅二賜刊栗子若倭部連池子一、即將退來、殖二生此村一、故號二栗栖一、〈◯中略〉 越部里(○○○)〈舊名皇子代里(○○○○)〉土中中、所三以號二皇子代一者、勾宮天皇〈◯安閑〉之世、寵人但馬君小津、蒙レ寵賜レ姓、爲二皇子代君一、而造二三宅於此村一、令二仕奉一之、故曰二皇子代村一、後至下上野大夫、結二卅戸一之時上、改號二越部里一、〈一自二云、但馬三宅一越來、故號二越部村一、◯中略〉 上岡里(○○○)、〈本名林田里(○○○)〉土中下、菅生山邊、故曰二菅生一、〈◯中略〉 日下部里(○○○○)土中々〈因二人姓一爲レ名◯中略〉 林田里(○○○)〈本名淡奈志〉土中下、所三以稱二淡奈志一者、伊和大神占レ國之時、御志植二於此處一、遂生二楡樹一、故詳名二淡奈志一、〈◯中略〉 廣山里(○○○)、〈舊名握村〉土中上、所三以名二都可一者、石比賣命、立二於泉里波多爲社一而射レ之、到二此處一箭盡入レ地、唯出二握許一、
p.0530 故號二都可村一、以後石川王、爲二總領一之時、改爲二廣山里一、 麻打里(○○○)、昔但馬國人、伊都志君麻良比、家二居此山一、二女夜打レ麻、即置二於己胸一死、故號二麻打山一、于レ今居二此邊一者至レ夜不レ打レ麻矣、〈◯中略〉 枚方里(○○○)、〈土中上〉所三以名二枚方一者、河内國茨田郡枚方里漢人來到、始居二此村一、故曰二枚方里一、〈◯中略〉 大家里(○○○)、〈舊名大宮里(○○○)〉土中上、品太天皇〈◯應神〉巡行之時、營二宮此村一、故曰二大宮一、後至二田中大夫爲レ宰之時一、改二大宅里一、〈◯中略〉 大田里(○○○)、〈土中上〉所三以稱二大田一者、昔呉勝從二韓國一度來、始到二於紀伊國名草郡大田村一、其後分來、移二到於攝津國三島賀美郡大田村一、其又遷二來於揖保郡大田村一、是本二紀伊國大田一、以爲レ名也、〈◯中略〉 石海里(○○○)、〈土上中〉右所三以稱二石海一者、難波長柄豐崎天皇〈◯孝徳〉之世、是里中、有二百便之野一、生二百枝稻一、即阿曇連百足、仍取二其稻一獻レ之、爾時天皇勅曰、宜下墾二此野一作上レ田、乃遣二阿曇連太牟一、召二石海人夫一令レ墾之、故野名曰二百便一、村號二石海一也、〈◯中略〉 浦上里(○○○)、〈土上中〉右所三以號二浦上一者、昔阿曇連百足等、先居二難波浦上一、後遷二來於此浦上一、故因二本居一爲レ名、〈◯中略〉 萩原里(○○○)、〈土中中〉右所三以名二萩原一者、息長帶日賣命、〈◯神功〉韓國還上之時、御船宿二於此村一、一夜之間生レ萩、根高一丈許、仍名二萩原一、〈◯中略〉 少宅里(○○○)、〈本名漢部里(○○○)〉土下中、所三以號二漢部一者、漢人居二之此村一、故以爲レ名、所三以後改曰二少宅一者、川原若狹祖父娶二少宅秦公之女一、即號二其家少宅一、後若狹之孫智麻呂任爲二里長一、由レ此庚寅年爲二少宅里一、〈◯中略〉 揖保里(○○○)、〈土中中〉所二以稱一レ粒者、此里依二於粒山一、故因レ山爲レ名、〈◯中略〉 出水里(○○○)、〈土中中〉此村出二寒泉一、故因レ泉爲レ名、〈◯中略〉 桑原里(○○○)、〈舊名倉見里(○○○)〉土中上品太天皇御二立於欟折山一覽之時、森然所レ見レ倉、故名二倉見村一、今改レ名爲二桑原一、一云、
p.0531 桑原村主等、盜二讃容郡桉一見將來、其主認來見二於此村一、故曰二桉見一、
〔播磨風土記〕
〈讃容郡〉
p.0531 讃容里(○○○) 事與レ郡同、土上中、〈◯中略〉 速湍里(○○○)、〈土上中〉依二川湍速一爲レ名、〈◯中略〉 邑寶里(○○○)、〈土中上〉彌麻都比古命、治レ井飡レ粮、即云三吾占二多國一、故曰二大村一、治レ井處號二御井村(○○○)一、〈◯中略〉 柏原里(○○○) 由二柏多生一、號爲二柏原一、〈◯中略〉 中川里(○○○)、〈土上下〉所三以名二仲川一者、苫編首等遠祖大仲子、息長帶日賣命、〈◯神功〉度二行於韓國一之時、船宿二淡路石屋一之、爾時風雨大起、百姓悉濡、于レ時大中子、以レ苫作レ家、天皇勅云、此爲二國富一、即賜レ姓爲二苫編首一、仍居二此處一、故川號二仲川里一、〈◯中略〉 雲濃里(○○○)、〈土中中〉大神之子、玉足日子、玉足比賣命、生二子大石命一、此子稱二於父心一、故曰二有怒一、
〔播磨風土記〕
〈宍禾郡〉
p.0531 比治里(○○○)、〈土中上〉所三以名二比治一者、難波長柄豐前天皇〈◯孝徳〉之世、分二揖保郡一、作二宍禾郡一之時、山部比治、任爲二里長一依二此人名一、故曰二比治里一、〈◯中略〉 高家里(○○○)、〈土下中〉所三以名曰二高家一者、天日槍命告云、此村高勝二於他村一、故曰二高家一、〈◯中略〉 柏野里(○○○)、〈土中上〉所三以名二柏野一者、柏生二此野一、故曰二柏野一、〈◯中略〉 安師里(○○○)、〈本名酒加里〉土中上、大神飡二於此處一、故曰二須加一、後號二山守里一、所二以然一者、山部三馬、任爲二里長一、故曰二山守一、今改レ名爲二安師一者、因二安師川一爲レ名、其川者因二安師比賣神一爲レ名、〈◯中略〉 石作里(○○○)、〈本名伊和〉土下中、所三以名二石作一者、石作首等居二於此村一、故庚午年爲二石作里一、〈◯中略〉 雲箇里(○○○)、〈土下々〉大神之妻、許乃波奈佐久夜比賣命、其形美麗、故曰二宇留加一、〈◯中略〉 御方里(○○○)、〈土下上〉所三以號二御形一者、葦原志許乎命與二天日槍命一、到二故墨志爾嵩一、各以二黒葛三條一著レ足投レ之、爾時葦原志許乎命之黒葛一條、落二但馬氣多郡一、一條、落二夜夫郡一、一條落二此村一、故曰二三條一、〈◯中略〉一云、大神爲二形見一植二御杖於此村一、故曰二御形一、〈◯中略〉
〔播磨風土記〕
〈神前郡〉
p.0532 堲岡里(○○○)、〈◯註略〉土下々、所三以號二堲岡一者、昔大汝命與二小比古尼命一相爭、云下擔二堲荷一而遠行、與二不レ下レ屎而遠行一、此二事何能爲上乎、大汝命曰、我不レ下レ屎欲レ行、小比古屋命曰、我持二堲荷一欲レ行、如レ是相爭而、行之經二數日一、大汝命云、我不レ能二忍行一、即座而下レ屎之、爾時小比古尼命笑曰二然苦一、亦擲二其堲於此岡一、故號二堲岡一、又下レ屎之時、小竹彈二上其屎一、行二於衣一、故號二波自加村一、其堲與レ屎成レ石、于レ今不レ亡、一家云、品太天皇〈◯應神〉巡行之時、造二宮於此岡一、勅云、此土爲レ堲耳、故曰二堲岡一、〈◯中略〉 川邊里(○○○)、〈勢賀川祗川山〉土中下、此村居二於川邊一、故號二川邊里一、〈◯中略〉 高岡里(○○○)、〈神前山、奈具佐山、〉土中々、右云二高岡一者、此里有二高岡一、故號二高岡一、〈◯中略〉 多馳里(○○○)、〈（註略）土中下〉所三以號二多馳一者、品太天皇巡行之時、大御伴人、佐伯部等始祖阿我乃古申レ欲レ請二此土一、爾時天皇勅云二直請哉一、故曰二多馳一、〈◯中略〉 蔭山里(○○○)、〈蔭岡冑岡〉土中下、云二蔭山一者、品太天皇御蔭墮二於此山一、故曰二蔭山一、又號二蔭岡一、爾除レ道刃刄鈍、仍云二磨布理許一、故云二磨布理村一、〈◯中略〉 的部里(○○○)、〈石坐神山、高野社、〉土中々、右的部等、居二於此村一、故曰二的部里一、
〔播磨風土記〕
〈託賀郡〉
p.0532 賀負里(○○○)、〈大海山荒田村〉土下上、右因レ居二川上一爲レ名、〈◯中略〉 黒田里(○○○)、〈袁布山、支閉岡、大羅野、〉土下上、右以二土黒一爲レ名、〈◯中略〉 都麻里(○○○)、〈（註略）〉土上下所三以號二都麻一者、播磨刀賣與二丹波刀賣一、堺レ國之時、播磨刀賣到二於此村一、汲二井水一而飡レ之、云二此水有一レ味、故曰二都麻一、 法太里(○○○)、〈甕坂、花波山、〉土下上、所三以號二法太一者、讃伎日子與二建石命一相鬪之時、讃伎日子負而逃去、以レ手匐去、故云二匐田一、
〔播磨風土記〕
〈賀毛郡〉
p.0532 上鴨里(○○○)〈土中上〉 下鴨里(○○○)、〈土中中〉右二里所三以號二鴨里一者、已詳二於上一、〈◯賀毛郡〉但後分爲二二里一、故曰二上鴨下鴨一、〈◯中略〉
p.0533 條(○)〈◯條恐修誤〉布里(○○)、〈土中中〉所三以號二條布一者、此村在レ井、一女汲レ水、即被二吸沒一、故號曰二條布一、〈◯中略〉 三重里(○○○)、〈土中中〉所三以云二三重一、昔在二一女一拔レ
以レ布裹三重食居、不レ能二起立一、故曰二三重一、 楢原里(○○○)、〈土中中〉所三以號二楢原一者、柞生二此村一、故曰二柞原一、〈◯中略〉 起勢里(○○○)、〈黒川、臰江、〉土下中、右號二起勢一者、巨勢部等居二於此村一、仍爲二里名一、〈◯中略〉 山田里(○○○)、〈猪飼野〉土中下、右號二山田一者、人居二山際一、遂田爲二里名一、〈◯中略〉 端鹿里(○○○)、〈土下上〉今在二其神一、右號二端鹿一者、昔神於二諸村一班二菓子一、至二此村一不レ足、故仍云二間有哉一、故號二端鹿一、此村至二于今一、山木無二菓子一、〈生二眞木梔枌一〉 穗積里(○○○)、〈本名鹽野、小目野、〉土上下、所三以號二鹽野一者、醎水出二於此村一、故貳二鹽野一、今號二穗積一者、穗積臣等族、居二於此村一、故號二穗積一、〈◯中略〉 雲潤里(○○○)、〈土中中〉右號二雲潤一、者、丹津日子神、法太之川底、欲レ越二雲潤之方一、云レ爾之時、在二於彼村一、大水神辭云、吾以二宍血一佃、故不レ欲二河水一、爾時丹津日子、云下此神倦二堀レ河事一、云レ爾而已上、故號二雲彌一、今人號二雲潤一、 河内里(○○○)、〈土中下〉右由レ川爲レ名、〈◯中略〉 川合里(○○○)、〈腹辟沼〉土中上、右號二川合一者、端鹿川底與二鴨川一會村、故號二川合里一、
〔播磨風土記〕
〈美囊郡〉
p.0533 志深里(○○○)、〈土中中〉所三以號二志深一者、伊射報和氣命、御二食於此井一之時信深貝、遊二上於御飯筥縁一、爾時勅云下此貝者於二阿波國和那散一我所レ食之貝哉上、故號二志深里一、〈◯中略〉 高野里(○○○)、座二於祝田社一神、玉帶志比古大稻女、玉帶志比賣豐稻女、 志深里(○○○)、座二於三坂神、八戸挂須御諸命、大物主、葦原志許一、國堅以後、自レ天下二於三坂岑一、 吉川里(○○○)、所三以號二吉川一者、吉川大刀自神在二於此一、故云二吉川里一、 枚野里(○○○) 因レ體爲レ名 高野里(○○○) 因レ體爲レ名
〔法隆寺伽藍縁起并流記資財帳〕
p.0534 合食封貳佰戸〈永年者在二四國一〉 〈播磨國揖保郡林田郷(○○○)五十戸◯中略〉 右天平十年歳次戊寅四月十二日、納二賜平城宮御宇天皇一〈◯聖武〉者、〈◯中略〉 天平十九年二月十一日〈◯署名略〉
〔東大寺要録〕
〈六〉
p.0534 一諸國諸庄田地〈長徳四年注文定◯中略〉 新發田〈◯中略〉 鹽山五百六十町 三百六十町 在二播磨國明石郡築水郷(○○○)一
〔西大寺文書〕
〈一〉
p.0534 注進 西大寺所領諸庄薗現存日記事〈◯中略〉 一顚倒庄々〈◯中略〉 播磨國 赤穗郡
尾塔山、二百卅五町九段百八十歩、揖保郡越部浦上(○○○○)二郷、水田二町七段四歩、〈◯中略〉 右依二宣旨一注進如レ件 建久二年五月十九日〈◯署名略〉
〔太平記〕
〈十一〉
p.0534 書寫山行幸事附新田注進事 五月二十七日ニハ、播磨國書寫山ヘ行幸成テ、先年ノ御宿願ヲ被レ果、〈◯中略〉主上〈◯後醍醐〉不レ斜信心ヲ傾サセ給テ、則當國ノ安室郷ヲ御寄附有テ不斷如法經ノ料所ニゾ被レ擬ケル、
〔榎戸文書〕
p.0534 御領目録〈人給付之〉 一伏見御領〈依二旱水損一年貢不足◯中略〉 一播州佐保社郷(○○○○)〈三百疋〉曇華院御喝食進之 播磨國 別納十ケ所 一石見郷(○○○)〈七千餘貫〉太通院御寄進〈◯中略〉
p.0535 永享十二年八月廿八日 當知行分記之 御判(後崇光院)
〔康正二年造内裏段錢并國役引付〕
p.0535 合〈◯中略〉 五貫文〈◯中略〉 富永彌六殿〈播州布施郷(○○○)段錢〉
〔桃華蘂葉〕
p.0535 嵯峨禪惠院〈◯中略〉 寺領者〈◯中略〉播磨國明石郷(○○○)〈明石郡也〉等也、此亂世以後有名無實也、〈◯下略〉
〔郡名一覽〕
p.0535 一播磨國(御料私領) 〈播州 四方三日半〉 拾六郡 高五拾六万八千五百拾七石五斗七升九合 千八百ケ村 ●姫路 百五十七里廿七町 ●明石 百四十一里 ●龍野 百六十里 ●赤穗 百五十五里 ◯林田 百六十里 ◯小野 百四十七里廿七町 ◯山崎 百六十四里 ◯三草 百三十里 ◯安志 百六十里 ◯三日月 百六十五里 
福本 松平彈正 ◯按ズルニ、本書ノ符號ハ、山城國篇村里條ニ引ク所ノ、本書ノ凡例ヲ參照スベシ、
〔郡國提要〕
p.0535 播磨 十六郡、 千七百九十六村、 高六十五万千九百六十四石八斗一升三合五勺(御料私領) 明石郡百四十七村 美囊郡百五十七村 加古郡九十九村 印南郡百十六村 加東郡百五十一村 加西郡百二十三村 多可郡百二十四村 神東郡七十九村 神西郡六十九村 飾西(シキサイ)郡七十七村 飾東郡七十一村 揖東郡百三十村 揖西郡百一村 赤穗郡百二十五村 佐用郡八十七村 宍粟郡百四十村
〔地勢提要〕
〈坤〉
p.0535 郡邑島嶼奇名 播磨 飾東(シキトウ)郡、飾万津(シカマツ)、赤穗郡、相生(ヲフ)浦、坂越(サコシ)浦、鳥撫(トナデ)村、有年(ウネ)宿、鬟(カツラ)島、揖東郡、鵤(イルカ)村、觜崎(ハシサキ)村、男鹿(タンカ)島、家(ヱ)島、太(フ)
p.0536 島(ト)揖西郡、小神(ヲカミ)村、金剛山(コンガウザ)村、下芥原(シモワサルラ)村、地唐荷(チカラン)島、加東郡、河高(カウタカ)村、印南郡、神爪(カツメ)村、生石(オヽシコ)村、明石郡、和坂(カラサヘ)村、多可郡、仕出原(シテハラ)村、神西郡、森垣(モリカイ)村、仁豐野(ニフク)村、完粟郡、土万(ヒジマ)村、
〔播磨風土記〕
〈賀古郡〉
p.0536 昔大帶日子命、〈◯景行、中略〉遂到二赤石郡厮御井一供二進御食一、故曰二厮御井一、爾時、印南別孃、聞驚畏之即遁二度於南毘都麻島一、〈◯中略〉天皇知レ在二於此小島一、即欲レ度二到阿閉津一、供二進御食一、故號二阿閉村(○○○)一、〈◯中略〉還到迎二印南六繼村(○○○)一、始成二密事一、故曰二六繼村一、勅云、此處浪響、鳥聲甚譁、南遷二於高宮一、故曰二高宮村(○○○)一、是時造二酒殿一之處、即號二酒屋村(○○○)一、造二贄殿一之處、即號二贄田村(○○○)一、造レ宮之處、即號二館村(○○)一、
〔播磨風土記〕
〈印南郡〉
p.0536 益氣里、〈土中上〉所二以號一レ宅者、大帶日子命、〈◯景行〉造二御宅於此村一、故曰二宅村(○○)一、
〔播磨風土記〕
〈飾磨郡〉
p.0536 伊和里、〈◯中略〉一云、韓人等始來之時、不レ識レ用レ鎌、但以レ手苅レ稻故云二手苅村(○○○)一、〈◯中略〉 巨智里、〈草上村(○○○)◯中略〉所三以云二草上一者、韓人山村等上祖、柞臣智賀那、請二此地一而懇レ田之時、有二一聚草一、其根、尤臭故號二草上一、〈◯中略〉 安相里、〈◯中略〉所三以號二長畝川一者此川生レ蒔于レ時、賀毛郡長畝村(○○○)々人到來苅レ蒔、爾時此處石作連等爲レ奪相鬪、仍殺二其人一、即捉棄二於此川一、故號二長畝川一、〈◯中略〉 枚野里、〈新羅訓村(○○○○)◯中略〉所三以號二新良訓一者、昔新羅國人、來朝之時、宿二於此村一、故號二新羅訓一、〈山名亦同◯中略〉 小川里、〈◯中略〉所三以稱二高瀬一者、品太天皇〈◯應神〉登二於夢前丘一而望見者、北方有二白色物一、云二彼何物一乎、即遣二舍人上野國麻奈毘古一令レ察レ之、申云、自二高處一流落水是也、即號二高瀬村(○○○)一、所三以號二豐國一者、筑紫豐國之神在二於此處一、故號二豐國村(○○○)一、〈◯中略〉 英保里、〈土中上〉右稱二英保一者、伊豫國英保村人到來、居二於此處一、故號二英保村(○○○)一、
〔播磨風土記〕
〈揖保郡〉
p.0536 佐々村(○○○)、品太天皇〈◯應神〉巡行之時、猿噛二竹葉一而遇レ之、故曰二佐々村一、阿笠村(○○○)、伊和大神巡行之時、告二其心中熱一、而控二絶衣
一、故號二阿笠一、一云、昔天有二二星一、落二於地一化爲レ石、於レ此人衆、集來談論、故名二阿笠一、〈◯中略〉
p.0537 越部里、〈舊名皇子代里〉土中中、所三以號二皇子代一者、勾宮天皇〈◯安閑〉之世、寵人但馬君小津、蒙レ寵賜レ姓、爲二皇子代君一、而造二三宅於此村一、令二仕奉一之、故曰二皇子代村(○○○○)一、後至下上野大夫結二卅戸一之時上、改號二越部里一、〈一云、自二但馬三宅一越來、故號二越部村(○○○)一、〉〈◯中略〉 狹野村、別君玉手等遠祖、本居二川内國泉郡一、因二地不一レ便遷二到此國一、仍云二此野雖レ狹猶可一レ居也、故號二狹野一、〈◯中略〉 酒井村(○○○)、右所三以稱二酒井一者、品太天皇之世、造二宮於大宅里一、闢二井此野一、造二立酒殿一、故號二酒井野一、〈◯中略〉 伊都村(○○○)、所三以稱二伊都一者、御船水手等、云下何時將中到二於此所一見上之乎、故曰二伊都一、
〔播磨風土記〕
〈讃容郡〉
p.0537 凍野、廣比賣命、占二此土一之時凍レ冰、故曰二凍野、凍谷村(○○○)一、〈◯村原脱、據二一本一補、中略〉 鹽沼村(○○○)、此村出二海水一故曰二鹽沼村一、
〔播磨風土記〕
〈宍禾郡〉
p.0537 宍禾郡、所三以名二宍禾一者、伊和大神國作堅了以後、堺二此川谷尾一、巡行之時、大鹿出二己舌遇於矢田村(○○○)一、爾勅云、矢彼舌在者、故號二宍禾鹿村一、名號二矢田村一、〈◯中略〉 宇波良(○○○)村、葦原志許乎命占レ國之時、勅三此地小狹如二室戸一、故曰二表戸一、 比良美村(○○○○)、大神之褶、落二於此處一、故云二褶村一、今人云二比良美村一、 川音村(○○○)、天日槍命宿二於此村一、勅二川音甚高一、故曰二川音村一、 庭音村(○○○)〈本名庭酒〉大神御粮枯而生レ麵、即令レ醸レ酒、以獻二庭酒一、而宴之、故曰二庭酒村一、今人云二庭音村一、〈◯中略〉 鹽村(○○)、處々出二醎水一、故曰二鹽村一、牛馬等嗜而飮之、〈◯中略〉 土間村(○○○)、神衣附二土上一、故曰二土間一、 敷草村(○○○)、敷レ草爲二神座一、故曰二敷草一、〈◯中略〉 波加村(○○○)、占レ國之時、天日槍命、先到二此處一、伊和大神後到、於レ是大神大恠之、云レ非レ度二先到一レ之乎、故曰二波加村一、〈◯中略〉
p.0538 伊和村(○○○)〈本名神酒〉大神醸二酒此村一、故曰二神酒村一、又云二於和村一、大神國作訖以後、云於和等一、於我美岐、故曰二於和一、
〔播磨風土記〕
〈神前郡〉
p.0538 堲岡里、〈◯中略〉下レ屎之時、小竹彈二上其屎一、行一於衣一、故號二波自加村(○○○○)一、〈◯中略〉 蔭山里、〈◯中略〉爾除レ道刃鈍、仍云二磨布理許一、故云二磨布理村(○○○○)一、
〔播磨風土記〕
〈託賀郡〉
p.0538 賀負里、〈大海山、荒田村、◯中略〉所三以號二荒田一者、此處在神、名道主日女命、无レ父而生レ兒、爲レ之醸二盟酒一作二田七町一、七日七夜之間、稻成熟、意乃醸レ酒集二諸神一、遣二其子棒一レ酒而令レ養之、於レ是其子向二天目一命一而奉之、乃知二其父一後荒二其田一、故號二荒田村(○○○)一、
〔播磨風土記〕
〈賀毛郡〉
p.0538 玉野村(○○○)、所二以號一レ然者、意奚袁奚二皇子等、坐二於坐美囊郡志深里高宮一、遣二山部小楯一、誹二國造許麻之女根日女命一、於レ是根日女已依レ命訖、爾時二皇子相辭不レ娶、于日間、根日女老長逝、于レ時皇子等大哀、即遣二小立一勅云、朝日夕日不レ隱之地、造レ墓藏二其骨一、以レ玉飾レ墓、故縁レ此墓號二玉丘一、其村號二玉野一、
〔日本書紀〕
〈六垂仁〉
p.0538 三年三月、新羅王子天日槍來歸焉、〈（中略）一云初天日槍、乘レ艇泊二于播磨國一、在二於宍粟邑一、（中略）仍詔二天日槍一曰、播磨國出淺邑、淡路島宍粟邑、是二邑、汝任レ意居之、◯下略〉
〔峯相記〕
p.0538 又問曰、所々靈場本縁起承度候、答云、〈◯中略〉次ニ妙徳山者大納言範卿ノ息慶芳内供、最初建立、一條三條兩帝御願所也、彼内供西國巡禮ノ次ニ、正暦二年三月八日、田原庄有井村(○○○)ニ一宿ス
〔古文書類纂〕
〈上處分状〉
p.0538 後深草天皇建長二年關白藤原道家處分状 總處分〈◯中略〉 一家地文書庄園事〈◯中略〉 新御領〈◯中略〉 播磨國佐用庄内〈中略〉 江河村 赤松村 千草村 土萬村〈◯中略〉 建長二年十一月 日 愚老〈在二御判一〉
〔枕草子〕
〈一〉
p.0538 市は〈◯中略〉 しかまの市(○○○○○)
〔千載和歌集〕
〈十四戀〉
p.0539 崇徳院に百首歌奉りける時、戀の歌とてよめる、皇太后宮大夫俊成 戀をのみしかまの市にたつ民もたえぬ思に身をやかへてん
〔播磨名所巡覽圖會〕
〈五〉
p.0539 室(○)ノ津(○) 室の泊 室の浦 當津は、播州の一都會にして、西國大名參勤往來の著岸と定め、又乘船の津とも定む、帝畿を去事四十二里、山は三面に裹みて、江灣は一方に洆(しゞま)り、海上百里美景を觀望し、泊船は池中に遊ぶがごとく、旅客は波上に枕を安んず、峯には樵夫の斧を響し、岸には遊女の糸竹に媚き、國守の艤に海士の綱手を潛せ、誠に貴賤苦樂窮覽の界なり、室とは人の居室の事也、故に此江の取まはしこもりたるにたとへていへり、
〔播磨めぐり〕
p.0539 室津、姫路より五里、網干より二里に近し、西國よりの船著にて、はんじやうの湊なり、
〔續應仁後記〕
〈一〉
p.0539 柳本彈正遭二殺害一事附播州騷亂事 大永二年二月廿七日ノ夜、村宗情無クモ花房菅野岩井ナンドヽ云者共ヲ遺シテ、播州ノ室ノ津ニテ、忽主君義村入道定印ヲ弑シケリ、
〔播磨名所巡覽圖會〕
〈四〉
p.0539 姫路(○○)鎭城、〈◯中略〉姫山の麓に三村あり、所レ謂宿村中村國府寺村是也、輝政入府の後、此三村を都て姫地と號す、〈後姫路と改む〉
〔播磨めぐり〕
p.0539 姫路 御城は山手にあり、城下町多し、はんじようの所なり、
〔豐鑑〕
〈一長濱眞砂〉
p.0539 小寺官兵衞申しは、此所〈◯三木〉は播磨にとりてはかたつかたなり、我すみぬる姫路こそ國の中にして、舟の便もよし、此國をしらん人は此所こそよかるべけれ、姫路にうつり住給ふべしと、しきりにいひければ、秀吉内々よかるべき所になんと思ひ給へりければ、姫路にうつり給ひぬ、
〔川角太閤記〕
〈一〉
p.0540 一御内證には、上様〈◯織田信長〉は御切腹の事に候へば、此頸の實撿可レ有君なしとて、播州姫地に被二召置一候御留守居三吉武藏殿え、此頸姫地のらんかん橋に被レ掛候へ心持候事、
〔祖父物語〕
p.0540 虎之助高聲ニナリテ、市松モ御一家、我等モ御爪ノハシナリ、何トテ二千石オトリタルゾ、今度ノ鎗、市松ニ少モ劣ラズ、伯耆ニカヘストテ、朱印ヲイタヾカザリケル、其聲高ケレバ、太閤キコシ召、虎之助ハ總ジテウツケモノナリ、汝アヅカリオキ、以來ハ市松ト同様ニトラセント仰ケル、後ニ播州姫路ニテ御加恩アリテ、都合五千石ノ地ヲ下サレケル、
〔峯相記〕
p.0540 又問云、郡郷田地ノ様御存知候哉、答云、〈◯中略〉郡〈◯播磨〉ハ元十二郡、今十七郡ト申ス、〈◯中略〉庄ハ一百三十九、郷保ハ八十九所也、
〔東大寺要録〕
〈六〉
p.0540 一諸國諸庄田地〈長徳四年注文定◯中略〉 新發田〈◯中略〉 播磨國 多河郡栗生庄(○○○)田廿九町七段百四十四歩
〔當宮縁事抄〕
p.0540 左辨宮下 石清水八幡宮并宿院極樂寺 應丙永停下止宮寺并極樂寺庄園領家預所下司公文等或號レ有二先祖讓状一、或稱レ相二傳文書一、致二異論一企中掠領上、兼又有二由緒一雖レ令二傳領一、子孫斷絶處々付乙本所甲事、 宮寺領〈◯中略〉 播磨國 繼庄(○○) 船曳庄(○○○)〈◯中略〉 極樂寺領〈◯中略〉 播磨國 蟾原庄(○○○) 松原庄(○○○) 赤穗庄(○○○)〈◯中略〉 保元三年十二月三日 大史小槻宿禰〈在判◯下略〉
〔賀茂注進雜記〕
〈下神領〉
p.0540 同〈◯壽永〉三年〈◯元暦元年〉四月廿四日壬辰、賀茂社領四十二ケ所、任二院廳御下文一可レ止二武家狼藉一之由有二沙汰一云々、 下二諸國一 可下早任二院廳御下文一、停二止方々狼藉一、備中進神事用途上、賀茂別雷社御領庄園事、〈◯中略〉 播磨國 安志庄(○○○) 林田庄(○○○)〈◯中略〉
p.0541 壽永三年四月廿四日 正四位下源朝臣御判
〔吾妻鏡〕
〈六〉
p.0541 文治二年四月十三日庚申、北條殿〈◯時政〉自二京都一參著、京畿沙汰間事、條々有二御問一〈◯中略〉次播磨國守護人、妨二國領一由事、在廳注文、景時代官状、雖レ被レ下レ之、未レ申二切是非一、次今南(○○)、石負兩庄(○○○○)、并弓削、杣兵粮事、度々被レ下二院宣一之間、早可二停止一之由、棒二請文一、下向畢、六月九日乙卯、去四月之比、政道事、殊可レ致二興行一之趣、付二議卿一、令二奏聞一給了、勅答之條々、執二職事目録一、帥中納言被レ進レ之、今日所二到來一也、 條々〈◯中略〉 一播磨國武士押領所々事 委細成敗之條、返々所二感思食一也、人々愁已散歟、但【挊】(カセギ)〈◯挊恐揖誤〉【保】(ホウ)、【桑原】(クハバラ)、【五箇庄】【上蝙】(カミカウモリ)、【東這田庄】(ヒガシハウタノ)等、猶令レ召二進去文一給、式二或國領眼一也、或難レ去思食、凡景時申状、一旦雖レ似レ有二其謂一、張二行國中一之時、爲レ免二一日之命一、有二寄附所一、或自由有二押領之地一、以レ之稱二相傳一歟、安田庄(○○○)、自二領家若狹局一雖レ稱二預給一、全不レ然以レ之察、可二彼男一類一、偏蔑二如國務一、早可レ被二誡仰一也、於二此國一國一者、可レ然者可二去進一由、今被レ仰也、度々可レ隨レ仰之由言上訖、仍仰二能保朝臣一、被レ遣レ仰畢、一旦雖二逃去一、猶隱二居傍庄一、催二當國之輩一、伺レ隙又致二濫妨一、能々可レ被二誡仰一也、桑原事殊有二被レ仰之旨一、
〔十六夜日記〕
p.0541 のこるよもぎとかこちけるといふ所のうらがきに、くわうたいこぐうの大夫しゆんぜいの卿の御むすめ、ちヽのゆづりとて、はりまのくにこしべのしやう(○○○○○○○)といふところをつたへしられけるを、さまたげおほくて、むかしむさしのぜんじ〈◯北條泰時〉へ、ことなるそせうにはあらで、まいらせられけるうた、しんちよくせんにも入とやらん、〈◯下略〉
〔神護寺文書〕
p.0541 神護寺領播磨國福井庄西保(○○○○○)沙汰人 地頭非法條々 一下司公文給田屋敷事 右對決預所法橋有全與二地頭代右兵衞尉頼康一令レ進二覽申詞記於關東一之處、去貞永元年九月廿四
p.0542 日御下知状云、東保(○○)先例事無二相違一於レ經二年序一者、限二本給屋敷一何及二子細一乎、早任二東保之例一可レ致二沙汰一云々、〈◯中略〉 以前拾壹箇條、且任二關東去四月十九日御教書之旨一、且就二東保地頭所務之例一、下知如レ件、 天福元年九月十七日 掃部助平〈花押◯北條經時〉 駿河守平〈花押◯北條重時〉
〔古文書類纂〕
〈上處分状〉
p.0542 後深草天皇建長二年關白藤原道家處分状 總處分 條々事〈◯中略〉 一家地文書庄園事〈◯中略〉 新御領〈◯中略〉 播磨國厚利庄(○○○)〈◯中略〉 新御領〈◯中略〉 播磨國佐用庄内(○○○○) 東庄(○○) 西庄(○○) 本位庄(○○○) 新位庄(○○○) 豐福庄(○○○)〈◯中略〉 同國神戸庄(○○○)〈石山尼讓進、准后御方領家職三位殿傳領之、◯中略〉 建長二年十一月 日 愚老〈在二御判一〉
〔太平記〕
〈十二〉
p.0542 安鎭國家法事附諸大將恩賞事 サシモノ軍忠有シ、赤松入道圓心ニ、佐用庄一所計ヲ被レ行、播磨國ノ守護職ヲバ無レ程被二召返一ケリ、
〔龜山院御凶事記〕
p.0542 嘉元三年九月廿三日丁卯、依レ可レ分二進故院御書一、早旦著二直衣一、〈烏帽〉相具御書、御手簡〈存日予置也〉參二御所一、〈◯中略〉女院御方自餘御書等、〈兼有二御封一、以二檀紙一被二立文一之押二折上下一、又有二銘等一、〉悉盛二筥蓋一、〈◯中略〉 一通〈銘曰新院御方〉 播磨國多可庄(○○○)〈◯中略〉 右庄々可二讓進一也、輕微之至、頗雖レ有二其憚一、爲レ顯レ志不レ顧レ恐者也、 嘉元三年七月廿六日 御判
〔南禪寺文書〕
p.0542 播磨國矢野別名 同國大鹽庄(○○○)〈◯中略〉 右所々任二代々勅附一、知行不レ有二相違一者、院宣如レ此、仍執達如レ件、 建武三年十一月廿七日 參議〈花押〉
p.0543 南禪寺長老清拙上人禪室
〔賢俊僧正日記〕
p.0543 貞和二年四月廿九日丁丑、洞院左府、執權、久我相國等罷向、田中庄(○○○)事、大概召二文書一了、 五月一日己卯、今日播州田中庄事、被レ遂二評定一云々、雜掌及レ晩歸來、宜雲透也云々、四日壬午、田中庄勅裁、今日到來得レ理了、仰二付堯觀一了、仲村事、堯觀請文書進之、又所務法式被レ仰了、下二御教書一了、公用又三千匹、就レ之沙汰了、六日甲申、田中庄事爲二悦申一、洞院、執權、久我以下方ニ罷向了、面々悦申了、
〔峯相記〕
p.0543 又問曰、所々靈場本縁起承度候、答云、〈◯中略〉魚吹八幡者、是ヲ推スルニ、大菩薩初而御上ノ時、當國神達、賀古郡ニ詣テ集リ、御迎ニ伊保川ノ邊ニ參會シテ、神樂祭禮ノ儀有キ、〈◯中略〉其時神集會ノ所ヲバ神出ノ保(○○○○)ト云也、
〔榎戸文書〕
p.0543 御領目録〈人給付之〉 一伏見御領〈依二旱水損一年貢不レ足◯中略〉播磨國 別納十ケ所〈◯中略〉 一玉造保(○○○)〈二千五百疋〉庭田大納言〈◯中略〉 永享十二年八月廿八日 當知行分記之 御判(後崇光院)
〔慶應元年武鑑〕
p.0543 酒井雅樂頭忠績(溜間 從四位少將元治二丑正月任) 拾五万石 居城播州飾東郡姫路〈江戸ヨリ〉百五十七里餘〈永祿年中、小寺職隆居、天正八、秀吉公羽柴美濃守秀長、同肥後守家定、同右衞門佐勝俊、慶長五、池田三左衞門輝政、同武藏守利隆、元和三ヨリ本多美濃守忠政、同中務大輔忠刻、同甲斐守政朝、寛永十六、松平下總守忠明、同下總守忠弘、慶安元、松平大和守直基、同藤松、慶安二、松平式部大輔忠次、榊原刑部大輔政房、同熊之助忠倫、寛文七、松平大和守直矩、天和四、本多中務大輔政武、同吉十郞忠孝、寶永元、榊原式部大輔政邦、同式部大輔政祐、同式部大輔政峯、寛保元、松平大和守明矩、同喜八郞朝矩、寛延二ヨリ酒井雅樂頭忠恭、以後代々領レ之、〉
〔慶應元年武鑑〕
p.0543 松平兵部大輔慶憲(大廊下 從四位上少將文久元酉十二月任) 拾万石御格八万石 御在城播州明石郡明石〈江戸ヨリ海陸〉百四十一里餘 〈往、古別所山城守居、後黒田甲斐守長興、元和三、小笠原右近將監忠貞、寛永九、松平丹波守光重、同十八、大久保加賀守忠季、慶安二、松平山城守忠國、同日向守信之、貞享元、本多出雲守政利、天和二、松平若狹守直明、以後代々領レ之、〉 脇坂淡路守安斐(帝鑑間 朝散大夫) 五万千八十九石餘 居城播州揖西郡龍野〈江戸ヨリ〉百六十里
p.0544 慶長五、池田家臣荒尾但馬居、元和三、小笠原信濃守長次、寛永九、京極刑部大輔高知、同備中守高豐、万治元以後中絶、寛文十二築レ之、脇坂中務少輔安政、以後代々領レ之、 森美作守忠典(柳間 朝散大夫) 二万石 居城播州赤穗郡赤穗〈江戸ヨリ〉百五十五里 〈城主松平右京大夫政綱、同右近大夫輝興領、正保二、淺野内匠頭長直、同采女正長友、同内匠頭長矩、元祿十五、永井伊賀守直敬、信州飯山替、寶永三、森和泉守長直、以後領レ之、〉 森對馬守俊滋(柳間 從五位上元治元子五月叙) 一万五千石 在所播州佐用郡三ケ月〈江戸ヨリ〉百六十五里 〈元祿十二、作州ヨリ移レ之、森氏領レ之、◯節略〉
〔慶應元年武鑑〕
p.0544 本多肥後守忠鄰(帝鑑間 朝散大夫) 一万石 在所播州宍粟郡山崎〈江戸ヨリ海陸〉百六十四里 〈延寶七ヨリ本多氏忠英以後領レ之〉 小笠原幸松丸(帝鑑間) 一万石 播磨宍粟郡安志〈江戸ヨリ海陸〉百六十里 〈享保二ヨリ小笠原氏新規領レ之〉 丹羽長門守氏中(帝鑑間 朝散大夫) 一万石 在所播州加東郡三草〈江戸ヨリ〉百三十里 〈元文四、越後高柳ヨリ美作エ移、寛保二、爰ニ移、〉 建部三二郞(柳間 朝散大夫) 一万石 在所播州揖東郡林田〈江戸ヨリ〉百六十里餘 〈元和三年ヨリ建部氏代々領レ之〉 一柳對馬守(柳間 朝散大夫) 一万石 在所播州加東郡小野〈江戸ヨリ〉百四十七里廿七町 〈寛文年中、豫州河野江ヨリ徙レ之、◯節略〉
〔倭名類聚抄〕
〈五國郡〉
p.0544 播磨國〈◯註略〉管十二〈田二萬千四百十四町三段三十六歩、〉
〔伊呂波字類抄〕
〈波國郡〉
p.0544 播磨國〈管十二〈（中略）本田二万一千二百四十六丁〈上五日下三日〉
〔海東諸國記〕
p.0544 幡摩州 郡十二、水田一万一千二百四十六町、
〔拾芥抄〕
〈中末本朝國郡〉
p.0544 播磨〈大近〉十四郡〈（中略）田二萬千二百卅六丁〉
〔峯相記〕
p.0544 又問云、郡郷田地ノ様御存知候哉、答云、若ク候シ時、府邊ニテ人々集會ノ場ニテ聞候シ
p.0545 カバ、天平年中ニハ田代七千餘町、畠三千六百餘町ト注サレケルガ、白河院御治世寛治年中、諸國總撿云、田九億四萬六千餘町ノ時ハ、當國總田數二萬一千百三十六町ト云、關東御教書ニテ、嘉禎三丁酉年ニ、田所等ヲ注進ニハ、總田數壹万六千七百十八町七段二十五代、内御教書ニテ、建治二年、兩廳宣兩田所ガ注進ニハ、壹萬七千四百四十九町二段五代也、
〔播磨鑑〕
〈一〉
p.0545 一天正年中、秀吉公之御時爲レ高播磨國中、 高五十五万七百石壹升九合也、其後池田輝政御時、高六十貳万八千九百十一石六斗八升、〈慶長年中改ノ時ノ高也〉又延寶九年辛酉秋九月、公儀御目付衆改之時、大上國、四方三日半、國中高五十四万貳千八百八十八石餘、〈◯下略〉
〔日本鹿子〕
〈十二〉
p.0545 播磨國十四郡、大上國、四方三日半、〈◯中略〉知行高五十二万千三百石、
〔播磨國石高記〕
p.0545 播磨國 明石郡〈◯中略〉 小以五萬二千四百一石四斗四升六合 明石郡 百四十九ケ村 美囊郡〈◯中略〉 小以四萬九百七十五石三斗九升 美囊郡 百五十五ケ村 加古郡〈◯中略〉 小以三萬六千八百九十四石六斗七升一合 加古郡 九十八ケ村 印南郡 〈◯中略〉 小以三萬五千八百十九石四斗六升二合 印南郡 百十四ケ村 加東郡〈◯中略〉 小以五萬百十六石五斗六合 加東郡 百四十七ケ村 加西郡〈◯中略〉 小以三萬八千八十五石七斗七升二合 加西郡 百二十二ケ村 多可郡〈◯中略〉 小以三萬三千八百八十七石一斗一升一合 多可郡 百二十四ケ村 神東郡〈◯中略〉 小以二萬二千五十六石五斗三升七合 神東郡 七十九ケ村 神西郡〈◯中略〉 小以一萬八千百六十四石五斗二升四合 神西郡 六十七ケ村 飾東郡〈◯中略〉 小以二萬九千八百六十一石一斗一升八合 飾東郡 七十ケ村
p.0546 飾西郡〈◯中略〉 小以三萬千五百六十三石四斗四升二合 飾西郡 七十九ヶ村 揖東郡〈◯中略〉 小以四萬八千四百九十石九升六合 揖東郡 百三十四ヶ村 揖西郡〈◯中略〉 小以二萬九千六百五十八石七斗三合 揖西郡 百二ヶ村 赤穗郡〈◯中略〉 小以三萬八千八百六十八石三升六合 赤穗郡 百三十二ヶ村 佐用郡〈◯中略〉 小以二萬三千三百五十石三斗四升四合 佐用郡 八十八ヶ村 完粟郡〈◯中略〉 小以三萬八千三百二十四石四斗二升一合 完粟郡 百四十ヶ村 高都合 五十六萬八千五百十七石五斗七升九合 千八百ヶ村 元祿十五壬午年二月
〔官中秘策〕
〈四〉
p.0546 播磨國 十四郡〈◯中略〉 一人數五拾五万千三百九拾三人 内〈貳拾八万五千六百三拾貳人 男 貳拾六万五千七百六拾壹人 女〉
〔吹塵録〕
〈五人口及國高〉
p.0546 天保度御國高調〈◯中略〉 播磨國〈御料私領〉 一高六拾五万千九百六拾四石八斗壹升三合五勺
〔延喜式〕
〈二十六主税〉
p.0546 諸國出擧正税公廨雜稻〈◯中略〉 播磨國正税公廨各卌四万束、國分寺料四万束、文殊會料二千束、平等寺料一千束、施藥院料一万束、藥分料一万五千束、學生料一万五千束、修理驛家料四万束、池溝料四万束、道橋料一万束、救急料一十二万束、俘囚料七万五千束、
〔倭名類聚抄〕
〈五國郡〉
p.0546 播磨國〈◯註略〉管十二〈（中略）正公各四十四萬束、本穎百二十二万束、雜穎三十四萬束、〉
〔延喜式〕
〈十五内藏〉
p.0546 諸國年料供進〈◯中略〉 交易〈◯絁〉六百五十疋〈（中略）播磨一百疋◯中略〉 樽〈（中略）播磨（中略）各二合◯中略〉 黒米二百斛〈（中略）播磨國卌石〉
〔延喜式〕
〈二十三民部〉
p.0546 凡諸國所レ進兵庫寮修二理甲一料馬革者、〈◯中略〉播磨卅二張、〈◯中略〉
p.0547 年料舂米〈◯中略〉 播磨國〈内藏卌石、大炊一千一百石、糯廿四石、◯中略〉 年料租舂米〈◯中略〉 播磨國〈二千石◯中略〉 年料別貢雜物〈◯中略〉 播磨國〈筆一百卅管、墨三百五十廷、紙麻二百十斤、掃墨二石、馬革卅二張、柏一百俵、◯中略〉 諸國貢レ蘇番次〈◯中略〉 播磨國十五壺〈六口各大一升、九口各小一升、◯中略〉 右十四箇國爲二第六番一〈子午年◯中略〉 交易雜物〈◯中略〉 播磨國〈白絹十三疋、絹三百五十疋、大豆廿六石、胡麻子三石、油二石、鹿革五十張、樽二合、小豆三石、鹿角菜二石、青苔卅斤、於胡菜廿斤、那乃利會卅斤、〉
〔延喜式〕
〈二十四主計〉
p.0547 播磨〈◯中略〉 右廿五國、中絲、〈◯中略〉 播磨〈◯中略〉 右廿九國輸レ絹、〈◯中略〉 播磨國〈行程上五日、下三日、〉海路八日 調、兩面十疋、九點羅二疋、一窠綾十疋、二窠綾、三窠綾、小鸚鵡綾、薔薇綾、各二疋、呉服綾四疋、白絹十疋、緋帛卌疋、縹帛、皂帛、各十疋、緑帛廿疋、帛百五十九疋、池由加五口、〈受二五石一〉中由加五口、〈受二一石一〉瓺二口、甅卌八口、小由加十六口、酒壺四合、缶一百七十五口、著レ乳瓫十八合、洗盤七十七口、有レ柄大瓶卅九口、大壺、中壺、各八合、負瓶二口、大高盤九十九口、有レ柄中瓶卌口、叩瓫八十七口、麻笥盤四口、大盤七十五合、臼卅六口、鉢卅二口、有レ柄酢瓶廿口、無レ柄酢瓶卌口、筥坏二百九十口、様筥坏凡坏各八十口、椀五百五十合、片椀百五十二口、小
廿口、小盤有レ蓋八十合、無レ蓋椀五十口片盤六十七口、椀、下盤、各五十口、深坏五十九口、大筥坏卅口、小筥坏、菜坏、各七十一口、韲坏八十合、燈盞八十口、赤土五斛一斗、自餘輸二絹、布、鹽一、 庸、韓櫃卅二合、〈塗レ漆著レ鏁五合、白木廿七合、〉自餘輸レ米、 中男作物、紙、薄紙、簀、黒葛、蜀椒、胡麻油、雜腊、煮鹽年魚鮨年魚、
〔延喜式〕
〈三十三大膳〉
p.0547 東宮青槲干槲各日別廿五把、荷葉卅枚、侍從所青槲干槲各日別十五把、 右〈◯中略〉干槲播磨國所レ進〈◯中略〉 諸國貢進菓子〈◯中略〉 播磨國〈椎子一擔、搗栗子、〉
〔延喜式〕
〈三十七典藥〉
p.0548 諸國進年料雜藥〈◯中略〉 播磨國五十三種 青木香、芎藭、白薇各二斤、前胡、藍漆、伏苓、鬼箭各四斤、桔梗卅斤、細辛五十斤、䓱胡栝樓、當歸各十斤、王不留行廿五斤、獨活卅六斤、䓡苺躑躅花各六斤、芍藥、桑根、白皮各廿斤、昌
六斤、香
、烏賊骨各十六斤、龍膽、石葦、連翹各八斤、苦參七十一斤、白朮九十二斤八兩、玄參一斤十四兩、商陸、杜仲各七斤、松脂、厚朴、貫衆各五斤、升麻卌斤、白蘞三斤十二兩、白芷十一斤、地楡九斤、黄蓍三斤四兩、天門冬三斤十兩、茵芋十四斤、銅牙一斤、署預九斤、桃人二斗、秦椒一升五合、蔓荊子五升、呉茱萸三升五合、蒺蔾子、蜀椒各三升、車前子一斗、獺肝二具、鹿茸一具、鹿角一具、白殭蠶二兩、
〔延喜式〕
〈三十九内膳〉
p.0548 年料〈◯中略〉 播磨國〈鮨年魚二擔四壺〉
〔新猿樂記〕
p.0548 四郞君受領郞等刺史執鞭之圖也〈◯中略〉宅常擔二集諸國土産一、貯甚豐也、所謂〈◯中略〉播磨針、
〔毛吹草〕
〈三〉
p.0548 播磨 野里鍋 小鹽鏡 完粟鐵、刃金 鋤 鍬 炭 栗柱 箸木 煎茶 清水折敷 北條筵 書寫紺 飾摩褐色染 東條鞍 室滑 同枕 馬皮 老海(ホヤ)鼠 蠣 高砂飯蛸 二見蛛蛸 明石赤目張 碁石貝〈赤貝也〉 阿古鹽 龍野米 津田穗蓼〈年中穗有ト云〉
〔吹塵録〕
〈五人口及國高〉
p.0548 諸國人數調(文化元甲子年)〈◯中略〉 一人數五拾九万九千四百壹人(御料私料) 播磨國(高五拾六万八千五百拾七石餘)内〈三拾壹万四千四百九拾人 男 貳拾八万四千九百拾壹人 女◯中略〉 諸國人數調(弘化三丙午年)〈◯中略〉 一人數五拾九万四千五百六拾人(御料私料) 播磨國(高六拾五万千九百六拾四石餘)内〈三拾万七千五百拾八人 男 貳拾八万七千四拾貳人 女〉
〔人國記〕
p.0548 播磨國
p.0549 播磨ノ風俗知惠有テ義理ヲ不レ知、親ハ子ヲタバカリ、子ハ親ヲダシヌキ、主ハ被官ニ領地ヲ鮮ク與ヘテ好ヲ人キ掘出シ度ト志シ、亦被官ト成ル人ハ、主ニ奉公ヲ勤ル事ヲ第二ニ而、調儀ヲ以所知ヲ取ラント思ヒ、悉皆盜賊ノ振舞也、侍ハ中々不レ好、不レ及二是非一也、若キ侍ノ風上ニモ可レ置國風ニアラズ、偏ニ是國ハ上古ヨリ如レ此ノ風俗、終ニ暫クモ善ニ定ル事ナシ、
〔日本鹿子〕
〈十二〉
p.0549 同國〈◯播磨〉中名所之部 垂水(タルミ) 須磨と大倉谷との中道也、明石のうち也、うたにたるみの上のさわらびとよめるは、此所のことなりと云り、 明石浦 ほの〴〵とあかしのうらと詠ぜし、此浦也、大倉谷より十町ばかり西に松一村立て、人丸の塚今にあり、〈◯中略〉 印南野(イナミノ) 大倉谷より人丸塚を西に見てくだれば、かにが坂といふ所を過て、清水の里、野口などいふ所有、印南郡のうち也、〈◯中略〉 野中の清水 印南の在所の前に有レ之、此清水の流海へ通ふ也、細き流也、海道より此川を渡て行也、十町ばかり北野中に池有、それを清水といふ也、印南の北は美作也、山本はるかに見えたる也、藤江の浦ひかさの浦など云は、明石にもちかし、蔦の細江といふ所もあり、〈◯中略〉 飾磨(シカマ)里 印南野より西也、〈◯中略〉しかまのかちと詠ぜしは、褐色染のこと也、此所の名物也、 室津 かく川といふ宿の、未申のかた也、 高砂〈◯中略〉 青山 かく川の宿より西なり、海道也、宿有、 夢前(ユメサキ)川 書寫山より南のかた也、北より南へ流たる川也、 戀の濱 戀の松原とも云也、當國と備前の堺也、
p.0550 尾上の松 高砂より福どまりといふ所へこゆる間、川より東のかたにあり、 會根の松 會根村と云所の海邊にある松也、太サ五かヽゑ程ありて、枝々四方にわかれ、無雙の名木也、
〔源平盛衰記〕
〈十七〉
p.0550 人々見二名所名所月一事 八月〈◯治承四年〉十日餘ニ成テ、新帝〈◯安徳〉ノ供奉ノ人々ツレ〴〵ヲ慰煩、名所ノ月ヲ見ントテ、思々ニ行別ル、〈◯中略〉或源氏大將ノ跡ヲ追、須磨ヨリ明石ニ浦傳フ人モアリ、〈◯下略〉
〔吾妻鏡〕
〈四〉
p.0550 元暦二年〈◯文治元年〉八月廿四日甲戌下河邊庄司行平、蒙二歸參御免一、自二鎭西一去夜參著、是相二副參州一、發二向西海一、竭二軍忠一訖、〈◯中略〉仰曰、西國者大底見レ之歟、依二今勳功一欲レ宛二行一國守護職一、何國哉可レ請者、行平申云、播磨國、有二㻓
明石等之勝地一、有下如二書寫山一之靈場上、尤所望云云、早可レ有二御計一之由、被二諾仰一云云、
〔平家物語〕
〈一〉
p.0550 すヾきの事 ある時たヾもり、ひぜんの國よりのぼられたりけるに、鳥羽の院、あかしのうらはいかにと仰ければ、忠盛かしこまつて、 有明の月もあかしの浦風に波ばかりこそよるとみえしか、と申されたりければ、院大きに御かん有て、やがて此歌をばきんゑうしうに入られける、
〔源平盛衰記〕
〈四十三〉
p.0550 安徳帝不二吉瑞一并義經上洛事 九郞判官義經、虜ノ人々ヲ相具シテ、播磨國明石浦ニ著、名ニシオフ名所ナル上、今夜ハコトニ月隈ナクサヘツヽ、秋ノ空ニモ劣ラズ、深行儘、女房達頭サシツドヘテ、旅寢ノ空ノ旅ナレバ、夢ニ夢見ル心地ニテ、終夜打マドロム事モナシ、
〔増鏡〕
〈十九くめのさら山〉
p.0550 福原の島より宮〈◯尊良〉は御舟にたてまつる、〈◯中略〉はりまの國へつかせ給て、し
p.0551 ほやたるみといふ所、おかしきをとはせ給へば、さなんと奏するに、名をきくよりからき道にこそとのたまはせて、さしのぞかせ給へる御さま、かたちふりがたくなまめかし、けぢかきかぎりはあはれにめでたうもと思ひきこゆべし、大くら谷といふ所すこしすぐるほどにぞ、人丸のつかはありける、あかしの浦をすぎさせ給に、島がくれゆく舟ども、ほのかにみえてあはれなり、〈◯歌略〉野中のしみづ、ふたみのうら、高砂の松など名有所々、御らむじわたさるヽも、かヽらぬ御ゆきならば、おかしうもありぬべけれど、〈◯下略〉
〔播磨名所巡覽圖會〕
〈三〉
p.0551 高砂〈◯中略〉慶長六年、丑年當村祠造營の時迄は、民家は今洲にありて、官家の傍尾上高砂の間也、其後官家廢して民家は殘り、諸國の通商大場の湊と成りて、大廈つらなり、上に川あり、下に海あり、萬船の出入に便よくて遠く交易す、元より本邦出群の名所なれば、名にしおふ風流の名家も多し、今松林を倉庫に換て風藻を改めしは、惜むべきに堪たり、〈◯下略〉
〔散木弃謌集〕
〈六悲歎〉
p.0551 又の日高砂にまかりて、船よりおりて濱にこヽろなぐさめけるに、名にきこゆる松はいづれぞとたづねければ、かれて久敷なりぬといふを聞て、 高砂の松におくれてたつなみのかへるけしきぞ我身成ける
〔播磨名所巡覽圖會〕
〈二〉
p.0551 舞子濱〈たるみの西はづれより山田村迄の間、東西十五六丁、南北五六丁の松林なり、〉此地古歌なければ、必名所といふには非ず、されども名高き事、天下に聞へたり、是正に砂色松の翠色、物に異なるが故也、砂は雪より白く、數千株の松に高低なく梢を等ふして、丈に不レ過、枝幹屈曲をのづから見所ありて、葉の色殊に深くして、鴨の毛のごとし、いかさま高砂尾上住のえといへども、是に一變して獨松林の賞すべき者也、
〔延喜式〕
〈二十八兵部〉
p.0551 諸國健兒〈◯中略〉 播磨一百人〈◯中略〉 諸國器仗〈◯中略〉 播磨國〈甲三領、横刀廿口、弓卅張、征箭卌具、胡簶卅具、〉
〔孔雀樓文集〕
〈二〉
p.0552 赴レ播口占上二二兄一 人謂播州好、桑梓更繫レ情、春風花發日、只是不二同行一、
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