地部/肥前國

p.1045 肥前國ハ、ヒゼンノクニト云ヒ、舊クハ、ヒノミチノクチト云フ、本ト肥後ト合シテ火國ト稱セリ、西海道ニ在リテ、東北僅ニ筑後筑前ニ界シ、他ハ皆海ニ面ス、東西凡ソ二十一里、南北凡ソ二十五里、其地勢ハ、東北山ヲ負ヒ、東南河ヲ帶ビ、西南海ニ突出シ、形錯雜ヲ極ム、而シテ其屬島ノ多キ、海内第一タリ、此國ハ古ヘ國府ヲ小城郡ニ置キ、基肄(キイ)、養父(ヤブ)、三根(ミネ)、神埼(カンサキ)、佐嘉(サガ)、小城(ヲギ)、松浦(マツラ)、杵島(キシマ)、藤津(フヂツ)、彼杵(ソノキ)、高來(タカク)ノ十一郡ヲ管シ、延喜ノ制、上國ニ列ス、明治維新ノ後、高來郡ヲ南北ニ、彼杵郡ヲ東西ニ、松浦郡ヲ東西南北ニ分割シ、凡テ十六郡ヲ置キシガ、後更ニ三根、養父、基肄ノ三郡ヲ合シテ三養基(ミヤキ)郡ト稱シ、新ニ佐賀、長崎ノ二市ヲ設ケ、而シテ佐賀縣ヲシテ、佐賀市及ビ佐賀、神埼、三養基、小城、東松浦、西松浦、杵島、藤津ノ八郡ヲ治セシメ、長崎縣ヲシテ長崎市及ビ東彼杵、西彼杵、南高來、北高來、南松浦、北松浦ノ六郡ヲ治セシム、

名稱

〔倭名類聚抄〕

〈五國郡〉

p.1045 肥前〈比乃三知乃久知〉

〔饅頭屋本節用集〕

〈比天地〉

p.1045 肥前〈肥州〉

〔日本風土記〕

〈一寄語島名〉

p.1045 肥前〈非前(ヒゼン)〉

〔日本書紀〕

〈九神功〉

p.1045 四月〈◯仲哀九年〉甲辰、北到二火前國(○○○)松浦縣一而進二食於玉島里小河之側一、

肥國

〔古事記〕

〈上〉

p.1045 伊邪那岐命、〈◯中略〉伊邪那美命、〈◯中略〉御合〈◯中略〉次生二筑紫島一、此島亦身一而有二面四一、毎レ面有レ名、

p.1046 故〈◯中略〉肥國謂二建日向日豐久士比泥別一、〈自レ久至レ泥以レ音〉

〔古事記傳〕

〈五〉

p.1046 さて肥國と云より十三字、今は眞福寺本及一本に依れり、此處舊印本、及延佳本、又一本などには、肥國謂二速日別一、日向國謂二豐久士比泥別一と作り、されど如此ては、上に有二面四一云々とある數に合ざれば、〈◯註略〉日向國の無き方ぞ古本なるべき、然るに右の如く、日向國の加はりたる本は、舊事紀に依て、後入のさかしらに改めたる物とこそ思はるれ、〈舊事紀に右の如くあるなり、其は此記を取て記すとて、日向の無きを疑ひて、かの日向日とある亦名を其として、下の日字を國に改め、その下に謂字を補ひて、豐久士比泥別、を其日向國の亦名とし、又然爲るときは、肥國の亦名、建一字になりて足ざる故に、次の熊曾國の亦名に效ひて、日別二字を加へ、又さては熊曾のと全同じき故に、建を速に改めつる物なり、凡て彼書は、かくさまのさかしらいと多し、されど上の有二面四一とあるには心つかで、其をば改めずて、僞の顯れたるぞをかしき、◯中略〉抑日向國の此に入らざることは、上代に其地は、なほ肥國と熊曾國との内にありて、未タ別に一國には立ざりしなどの傳なるべし、

〔肥前風土記〕

p.1046 肥前國者、本與二肥後國一合爲二一國一、昔者磯城瑞籬宮御宇御間城天皇〈◯崇神〉之世、肥後國益城郡朝來名峯、有二土蜘蛛打猴頸猨二人一、帥二徒衆一百八十餘人一、拒二捍皇命一、不レ肯二降伏一、朝廷勅遣二肥君等祖健緒組一レ伐之、於レ玆健緒組奉レ勅悉誅滅レ之、兼巡二國裏一觀二察消息一、到二於八代郡白髮山一、日晩止レ峯、其夜虚空有レ火、自然熛稍々降下就二此山一燎之、時健緒組見而驚怪、參二上朝廷一奏言、臣辱被二聖命一、遠誅二西戎一、不レ霑二刀刅一、梟賊自滅、自レ非二威靈一何得レ然レ之、更擧二燎火一之状奏聞、天皇勅曰、所レ奏之事、未二曾所一レ聞、火下之國、可レ謂二火國一、即擧二健緒組之勳一、賜二姓名一、曰二火君健緒純一、便遣レ治二此國一、因レ火曰二火國一、後分二兩國一、而爲二前後一、又纒向日代宮御宇大足彦天皇、〈◯景行〉誅二球磨贈於一而巡二狩筑紫國一之時、從二葦北火流浦一、發船幸二於火國一、度レ海之間日沒、夜冥不レ知レ所著、忽有二火光一遙視二行前一、天皇勅二棹人一曰、直指二火處一、應レ勅而往、果得レ著レ崖、天皇下レ詔曰、何謂邑也、國人奏言、此是火國八代郡火也、但不レ知二火主一、于レ時天皇詔二群臣一曰、今此燎火非二是人火一、所三以號二火國一、知二其爾由一、

〔先代舊事本紀〕

〈十國造〉

p.1046 火國造　

p.1047 瑞籬朝、〈◯崇神〉大分國造同祖志貴多奈彦命兒遲男江命定二賜國造一、

〔日本書紀〕

〈七景行〉

p.1047 十八年五月壬辰朔、從二葦北一發レ船到二火國一、於レ是日沒也、夜冥不レ知レ著レ岸、遙視二火光一、天皇詔二挾抄者一曰、直指二火處一、因指レ火往之、即得レ著レ岸、天皇問一其火光處一曰、何謂邑也、國人對曰、是八代縣豐村、亦尋二其火一、是誰人之火也、然不レ得レ主、玆知レ非二人火一、故名二其國一曰二火國一、

〔西遊記〕

〈一〉

p.1047 しらぬ火　筑紫の海に出るしらぬ火は、例年七月晦日の夜なり、むかしより世に名高き事にて、今も九州の地にては、諸國より此夜は集り來りて見る事なり、〈◯中略〉夜半にもなりしかど、知らぬ火のさたなし、今年はじめて見る人は、今宵はいかなる事ぞ、知らぬ火は出ざるや、但しはそらごとなりやなど口々にいふ、予〈◯橘南谿〉もあやしみ居たりしが、八ツ近きころに、遙向ふに波を離れて、赤き色の火壹ツ見ゆ、暫して其火左右にわかれて、三ツになるやうに見へしが、それより追々に出る程に、海上竟(わた)り四五里ばかりが間に、百千の數をしらず、明らかなるあり、幽なるあり、滅るあり、燃る有、高き有、低き有、誠に甚見事にして目をおどろかせり、其火の色皆赤くして、灯燈の火を遠くのぞむが如し、たとへば大坂の天神祭りを夥敷集て見るに異ならず、實に諸國より來り見るもいたづらならず、所の人に問ふに、年によりて、多きことも少き事も定らずとぞ、今年はすぐれて多く出たるも、予が幸ひといふべし、廣き海中に出る事なれば、天草に限らず、肥後地よりも何れの浦にても皆よく見ゆるなり、しかれどもいかなるわけにや、高山にのぼる程多く見事に見ゆるとて、此山なども群集せるなり、

〔古事記傳〕

〈五〉

p.1047 肥後、〈◯中略〉肥後風土記には、〈◯中略〉國人の對奏せる語は、此是火國八代郡火邑、但未レ審二火由一とありて、于レ時詔二群臣一曰、燎之火非二俗火一也、火國之由知レ所二以然一とあり、〈火邑は、和名抄に肥後國八代郡肥伊、是なるべし、〉是等を合て思ふに、火てふ名は、國にまれ邑にまれ、既く崇神天皇の御世に始りしなりけり、さて此

p.1048 も二國に分れたり、和名抄に、肥前、〈比乃美知乃久知〉肥後〈比乃美知乃之利〉とあり、わかれたるは何の時とも知れず、書紀神功卷に、火前國と見ゆ、後に火と云ことを忌て、肥字には改しなるべし、〈和胴六年五月の詔に、諸國郡郷名著二好字一とあり、此時改まりしか、されど此記に既に肥字を書れば、彼より前に改まるか、但中卷に火君とあれば、本はこヽも火字なりけむを、後人の肥に改しにや、其例外にも見ゆ、上に筑紫島を有二面四一と云て、肥國を其一に取れり、然るに國圖を考るに、肥前と肥後とは海の隔りて地接かず、正しく二に分れたれば、面一ツには取がたき國形なり、故考るに、右に引る書紀又風土記などの、火國の故事は、地名に依るに、皆肥後國の地なり、然れば肥國といひしは、初はたヾ肥後方のみにて、肥前の地は、本は筑紫國の内なりしが、やゝ後に肥國には屬しにやあらむ、肥前は筑前筑後と地接きて、此三國は面一にも取つべき國形にて、肥後とは清く離れたればなり、されど此らは上代の事、さだかには辨へがたしたゞ試みに驚しおくのみなり、〉さて日向の域も、北方半國ばかりは、もとは此肥國の内なりけんを、〈肥後と日向とは、面一に取つべき地形なり、〉やヽ後に分れて一國にはなれるなり、

〔比古婆衣〕

〈十五〉

p.1048 火國名號景行天皇の御船火國に著たる故事　肥前肥後の本名を火國と云る由縁は〈◯中略〉書紀景行天皇十八年の下に、〈◯中略〉此時に國名を定給へる由に記されたるは、謬傳に依られたるなり、〈◯中略〉始て國名を定給へる由にはあらず、〈知レ所二以然一、また知二其爾由一と書る文に意を著べし、〉其は前に崇神天皇の火國と號給へる事をば知食つれど、その事の由をばいまだよくも尋ね給はで、そのかみ火國と號給ひしは、如此る神火の事の由によりて號給ひつらむと、をりにあひてふとなほざりに詔ひたりしなるべし、さるを書紀に云々、故名二其國一曰二火國一と記されたるは、そのかみその御なほざり言にすがりて、まがひたる謬説のありけるを正しあへずして、其説によられたるものなるべき事、上に擧て論らひたるごとく、崇神天皇の御世に國名を定給ひたると、景行天皇の火光を覽そなはして云々と詔給へると、兩度の差別、兩國の風土記の傳相併に合ひて、いと明らかなり、〈◯中略〉　因に云、肥前肥後とも一國なりし由、風土記に相共に記して、肥前なるは健緒組の古事をいへる文に連ねて、後分二兩國一爲二前後一といへり、肥後なるも然ありけむを、今本書世に傳はらざれば知ら

p.1049 れず、かくてその二國に分たれし事は、他書どもには見へず、さてその前後の國號の古く書に見へたるは、神功紀に火前國松浦縣、推古紀に肥後國葦北津と記されたり、但しこは後の號を古にめぐらしていへる傳へによりて、書されたらむも知られねど、日本紀撰記されたる養老の頃より、はやく前後に分たれりし事は著し、

位置

〔地勢提要〕

〈乾〉

p.1049 各國經緯度〈附里程〉　肥前佐嘉、〈呉服町〉極高三十三度一十五分、經度西五度二十二分、從二小倉一〈長崎街道〉二十八里一十三町、　三百一十一里二十町五十六間〈◯從二東都一〉　肥前島原、〈堀町〉極高三十二度四十七分半、經度西五度一十九分、從二小倉一〈長崎街道自二錬子一沿レ海〉六十三里二十一町半、　三百四十六里二十九町二十七間半〈◯從二東都一〉　肥前長崎、〈爐粕町〉極高三十二度四十五分、經度西五度四十八分半、從二小倉一〈長崎街道〉五十七里零町半、　三百四十里八町二十九間半〈◯從二東都一〉　肥前野母村、極高三十二度三十五分、經度西五度五十五分半、從二小倉一〈同上自二長崎大波戸一沿レ海〉七十六里二十八町、　三百五十里四間半〈◯從二東都一〉　肥前呼子浦〈中町〉極高三十三度三十二分半、經度西五度四十九分半、從二小倉一〈自二長崎街道木屋瀬一經二福岡唐津一〉三十六里二十二町、　三百一十九里二十九町四十八間〈◯從二東都一〉　肥前平戸、〈本町〉極高三十三度二十三分半、經度西六度一十分、從二小倉一〈同上自二福岡一經二伊万里一至二日野浦一渡海〉五十一里三十四町半、〈内渡海直徑二十四町〉　三百三十五里六町三十五間〈◯從二東都一〉　肥前五島福江、〈濱町〉極高三十二度四十一分半、經度西六度四十九分、從二小倉一〈長崎街道自二長崎大波戸一渡海〉九十里二十七町半〈内渡海直徑二十三里二十七町〉　三百六十三里三十五町二十九間半〈◯從二東都一〉　肥前五島玉浦、〈深浦〉極高三十二度三十八分、經度西七度二分半、從二福江一〈街道至二大濱一沿レ海歴二富江一〉一十里二十六町

p.1050 半、〈此地本邦極西〉　三百七十四里二十五町五十二間半

〔日本經緯度實測〕

p.1050 北極出地　肥前　佐賀　三三度一五分〇〇秒　島原　三二度二七分三〇秒　長崎　三二度四五分〇〇秒　大村　三二度五四分三〇秒　平戸　三三度二二分三〇秒　唐津　三三度二七分〇〇秒　名古屋　三三度三三分〇〇秒　福江　三二度四三分三〇秒〈◯中略〉　東西里差　山城　京　〇度〇〇分〇〇秒〈◯中略〉　肥前　佐賀　西五度二四分〇〇秒　平戸　西六度〇九分三三秒　長崎　西五度四八分三〇秒　五島　西六度四八分◯◯秒

疆域

〔萬國夢物語〕

〈下〉

p.1050 肥前州ニ至、此國東ハ筑前筑後ニ連リ、其外ハ皆海ニテ、土地五六方ヘ尖出、海ノ入込色々ニアリ、氣候暖國也、夏暑熱強シ、

〔日本地誌提要〕

〈六十九肥前〉

p.1050 疆域　東ハ筑後、北ハ筑前及海、西南及西ハ海ニ至ル、東西貳拾壹里、南北凡貳拾五里

島嶼

〔日本實測録〕

〈十一島嶼〉

p.1050 肥前國佐嘉郡　實測　大中島周廻一里三町一十八間半、　藤津郡　實測　竹崎村、周廻一里一十二間、　高來郡　實測　兎島、周廻四町三十四間、　三ツ島、〈又呼二大島一〉周廻一十町一十九間半、　湊島、〈島原村〉周廻六町三十九間、　中ノ小島、〈島原村〉周廻二町　馬島、周廻一十五町九間半、　惠比須島〈島原村〉周廻二町一十四間、　平島〈島原村〉周廻三町二十五間、　岡高島、周廻四町一間半、　大中島、周廻二町四十六間、　磯高島、周廻一町四十六間、　沖島、〈島原〉周廻二町五十二間半、　沖高島周廻二町五十間、　長島、

p.1051 〈島原村〉周廻四町四十一間半、　出外レ島、周廻二町七間、　茂七島、周廻二町一十三間、　木場島、周廻三町三十間、堂崎島、周廻五町六間、出口石島周廻二町四十九間半、　横島、〈島原村〉周廻三町四十六間半、　水島、周廻一町四十間、　沖杵島、周廻三町三間半、　杵島、周廻六町三間、　中南島、周廻二町五間、　三ツ島上ノ島、周廻一町三十六間、　三ツ島下ノ島、周廻一町二十五間、　中ノ島、〈安徳村〉周廻一町一十一間、　岡ノ島、周廻一町四十二間半、　三ツ島大島、周廻五町三十間、　總兵衞島、周廻一町五十一間半、　三ツ島南島、周廻一町五十三間半、　三ツ島中島、周廻五十七間、　天草島、周廻一町一十四間、　南島、周廻五十九間半、　北島、周廻一町五十間、　横島、〈安徳村〉周廻二町五十一間半、　天草南島周廻一町三十一間半、　湊島、〈安徳村〉周廻四町五十九間、　〈從二島原村湊島一至二安徳村湊島一、寛政四年壬子四月、山崩入レ海而所レ成之島嶼也、〉　手先島、〈又呼二琵琶島一〉周廻一十三町四十間、　手先島、〈又呼二三味線島一〉周廻七町二間、　上島、周廻一十二町四十間、　前島、周廻七町二十七間、　牧島、周廻二里一十八町一十七間半、　津島、周廻四町一十二間、　辨天島、周廻四町三十一間半、　樺島、周廻二里四町二間半、　遠測　目島　棚島　三ツ島〈又呼二沖島一〉　三ツ島〈又呼二沖島一〉　ソナレ磯　石島〈島原村〉　舟津瀬　中島口ノ瀬　馬島　有馬瀬　小中島　茂七島〈小〉　無名島〈島原村〉　埋瀬　草島　南大島　甲島　小中島　沖石島　中瀬　出口島　界瀬　三ツ島瀬　若葉山瀬　兜島　ヘタ山　中ノ小島　極樂瀬　石瀬〈安徳村〉　〈從二石島一至二石瀬一、寛政四年壬子四月、山崩入レ海而所レ成之島嶼也、〉　小島〈南串山村〉　鹽瀬　甲岩　立瀬　甲瀬〈樺島〉　一ツ瀬　中ノ島　樺瀬　甑瀬　貝瀬　仁兵衞瀬　五太夫瀬　唐船瀬　彼杵郡　實測　松島、周廻三里二十三町四十間、西泊三十二度五十六分、　加喜ノ浦島、周廻六里一十三町二十八間、加喜ノ浦三十三度一分、　〈從二大アボ一至二土井之浦一徑測七町、從二鯨瀬ノ元一至二雨見浦一徑測二町九間、從二内鍬田浦一至二外鍬田浦一徑測二町九間、〉平島、周廻四里一十四町一十八間、平島浦三十二度五十九分半、〈從二黒崎一至二磐泊一徑測二町二十四間〉　針尾島、周廻一十六里一十八町五十六間、針尾村江下三十三度四分半、〈從二針尾村江下一至二クレ石谷一、徑測九丁四十八間、　從二針尾村大田一至二渡口一、徑測六町四〉

p.1052 〈十九間、從二針尾村大崎浦一至二大崎越一、徑測五丁、從二針尾村宮之浦一至二江上村里一、徑測一十六丁一十八間半、　從二江上村飽之浦一至二有福生島一、徑測二十二丁四十五間、　從二江上村小瀬戸一至二大浦一、徑測一十一丁四十五間、　從二針尾村古里北濱一、至二古里一、徑測五丁三十六間　從二針尾村先針尾一至二小名倉一、徑測八丁五十四間、〉　上二子島　周廻四町五十八間半　鷹島　周廻三十三町四十七間半〈從二前濱一至二遠見番所一、二丁二十四間、宮崎岬廻三丁一十間半、〉　飛鳥〈宮島〉周廻四町五間、　雀島、周廻二町三十六間、　野島、周廻六町五十九間、　ホケ島、周廻三町三十九間、　黒島、〈鷹島〉周廻四町五間半、　横島、〈大籠村〉周廻二町五十五間、　香燒(カウヤキ)島、〈又呼二島村一〉周廻三里三十町四十間、〈ケンキウ岬廻二丁四十二間〉　沖ノ島、周廻一里六町一十九間、　伊王島、周廻一里一十七町一十六間半、　カンタイ島、周廻四町三間、　ケンキウ島〈從二南岬一至二北岬一〉五十六間、　辨天島〈又呼二女島一〉周廻二町、　眉島、周廻一町六間半、　野牛(ヤキ)島周廻六町三十四間半、　佐世婦島、周廻一町五十二間半、　陰ノ尾島、周廻一里五十九間、　四郞ケ島、周廻四町二十四間半、　中ノ島、〈小嘉倉村〉周廻五町三十三間、　松島、〈小嘉倉村〉周廻四町一十四間半、　高鉾島、周廻六町五十間半、　獨空島、周廻一町三十五間、　神ノ島、周廻二十九町三十一間半、　山神島、周廻二町二十五間半、　鼠島〈浦上村〉周廻四町三十八間、　神樂島、周廻一十六町二十四間、　母子島周廻六町四十間、　大蟇島、周廻二十一町一十六間、　小蟇島、周廻三町四十九間、　池島、周廻一里二十八間、　福島〈瀬戸村〉周廻一里二十町一十七間、　櫛島、周廻一十五町三十四間半、　五郞ケ島、周廻三町二十三間半、　燒島、〈瀬戸村〉周廻一十町四十四間、　地小島、〈板ノ浦〉周廻三町一十七間半、　柳ノ小島、周廻四町五十八間半、　無田島、周廻九町八間、　小島、〈加喜ノ浦島〉周廻三町一間半、　崎戸島周廻一里二町一十間、〈從二前濱一至二後濱一徑測二丁〉　御床島、周廻一十六町三十一間半、　大立島周廻一十八町五十二間、江ノ島、周廻二里一十四町九間、〈從二七郞濱一至二番岳一、三丁三間〉　惠比須島〈江島〉周廻三町二十五間半、　大島、周廻七里一十間半、〈從二前濱一至二後濱一、徑測二丁一十二間、〉　大子島〈大島〉周廻一十六町二十二間、　岩島、周廻二町二十七間半、廉島、周廻二町五十二間半、　崩島、〈從二北岬一至二南岬一〉三十間、　苺(イチゴ)島、周廻四町九間、　寺島、〈大島〉周廻一里二十一町四間半、　片島、〈大島〉周廻九町一十三間、　中ノ島、〈大島〉周廻一十一町三十七間半、　端島周

p.1053 廻五町五十六間、　鉢小島、周廻二町一十七間、　淨上島、周廻二町一十五間、　矢筈島、周廻六町一十五間、　長島、〈八木原村〉周廻九町四十七間半、　塔島、周廻三町二十一間、　千鳥島、〈八木原村、從二東岬一至二西岬一、〉一町二十四間、　燒島〈八村原木〉周廻四町一十七間、　前島、〈大串村〉周廻八町九間、　赤松島、周廻九町四十間、　笋島、周廻二町一十一間半、　竹島、周廻二十四町一十八間半、　神邊島、周廻一十三町四十四間半、三島、周廻一十四町三十七間半、　前島、〈大　大串村〉周廻三町、　前島、〈中〉周廻一町四十四間、　前島、〈小〉周廻一町二十四間半、　橘島、周廻二町二十間半、　沖ノ裸島、周廻四町三十二間半、　地ノ裸島、周廻五町四十一間、　滿切島周廻二町三十間、　池島、〈大串村〉周廻二町三十間、　大田島、周廻一十一町五十二間、　大寢島、周廻四町五十七間、　高島、〈大串村〉周廻一十三町一間、　燒島、〈形上村〉周廻五町五十間、　小島、〈大　形上村〉周廻六町四十六間、　小島、〈小　形上村〉周廻三町一十二間、　イガ島、周廻一町五十三間半、　居島、周廻一十八町三十三間、　鵜瀬島、〈形上村〉周廻一里三十七間半、　大小島、〈長浦村〉周廻五町六間　黒島、〈時津村〉周廻七町二十二間、　寺島、周廻三町五十五間、　辰島、周廻一十八町二間、　燒島〈長浦村〉周廻四町四間、　グキク島、周廻六町、　前島、〈西海村〉周廻三十一町五十七間、　二島、〈水與村〉周廻九町五十八間、　高島、〈時津村〉周廻一十七町一十間、　清水島、周廻六町二十六間、　加島、〈大〉周廻一十三町二間半、　加島〈小〉周廻八町一十間半、　鹽屋島、周廻一町四十八間、　葉島、〈喜々津村〉周廻二町二十五間、　臼島、周廻一十一町一十七間、　辨天島、〈臼島、從二南岬一至二北岬一〉一町五十六間、　カラウ島、周廻五町二十六間半、　箕島、周廻一里二十二町一十六間、　赤島、〈箕島、從二南岬一至二北岬一、〉一町五十六間、　鹿島、〈郡村、從二東岬一至二西岬一、〉一町四十八間、　中洲、〈川棚村〉周廻二町三十間、　片島、〈川棚村〉周廻七町四十二間、　瀬戸島、〈川棚村〉周廻一十五町四十八間、　戸尺岬、周廻一十一町五間、　横島、〈江ノ上村〉周廻八町三十間、　大島、〈江ノ上村〉周廻三十二町四十五間半、　兎島、〈江ノ上村〉周廻五町一十二間、　鼠島、〈日宇村〉周廻二町二十六間、　高島、〈日宇村〉周廻一十一町七間、　釘島周廻一十町五十三間、　大森島、周廻三町五十七間、　日之原岬、周廻四町五十五間、　

p.1054 ヱイノ岬、周廻六町二十三間、　クラ島、〈佐世保村〉周廻五町四十二間、　福石山、周廻四町三十二間、　蛇島、〈佐世保付〉周廻五町三十三間半、　遠測　小立神　大立神　田子島　三瀬〈大〉　三瀬〈中〉　三瀬〈小〉中ノ島〈中濱村〉　端島　離瀬〈鷹島〉　下二子島〈鷹島〉　鹿ノ子島　大瀬〈深堀村〉　小島〈伊王島〉　笠瀬〈深堀村〉大瀬　平瀬〈深堀村〉　松島〈香燒島〉　ビシヤコ島　裸島〈深堀村〉　女神島　明岩島　五郞江島　鬼塚辨天島〈土井頸村〉　裸島〈浦上村淵〉　身投岩　沖獨空島　千鳥瀬　小四郞島　地ヒサコ島　野島〈福田村〉白瀬〈式見村〉　松島〈式見村〉　黒瀬〈三重村〉　小島〈陌刈平村〉　龜甲島　西大瀬〈大〉　西大瀬〈小〉　ヲラヒ瀬　地相撲島　沖相撲島　頭島　角瀬　鬢島　宮ノ小島　沖小島　親島　女島〈瀬戸村〉　姥島　二子島大〈多良井村〉　二子島〈小〉　鯨瀬〈崎戸島〉　兜瀬　妹瀬〈崎戸島〉　蟹瀬〈加喜ノ浦島〉　小立島〈加喜ノ浦島〉　色瀬　丸瀬〈江ノ島〉　相瀬　南瀬　黒島〈沖　江ノ島〉　與吾島　黒島〈地〉〈江島〉　西小島　岳小島〈大〉　岳小島〈小〉　魚瀬　小瀬〈江ノ島〉　金頭瀬　燗鍋島　小島〈平島〉　崎瀬〈大　平島〉　崎瀬〈中〉　崎瀬〈小〉　名乘瀬　カラ島　横島〈寺島〉　蓬萊島　蛸島　野島〈大島〉　三ツ子島〈大　大島〉　三ツ子島〈中〉　三ツ子島〈小〉　赤瀬〈大多和村〉　蜂振瀬　裸島〈大島〉　前島〈大島〉　黒瀬〈大島〉　小島〈大　大島〉　小島〈小　大島〉　蟹瀬〈大島〉浮瀬〈大島〉　玉子島　沖安甫島　地安甫島　有毛島　ハケ島　横島〈大串村〉　藥鑵島　小田島　布瀬〈地〉　布瀬〈中〉　布瀬〈大〉　布瀬〈小〉　赤島〈大　形上村〉　赤島〈小　形上村〉　赤瀬〈形上村〉　小島〈形上村〉前島〈形上村〉　末島　天狗島　鵜島〈形上村〉　亂瀬　鵜瀬〈形上村〉　下鹽垂(シタレ)島〈大〉　下鹽垂(シタレ)島〈小〉　上鹽垂島　赤瀬〈小口浦〉　辨天瀬〈小口浦〉　七百瀬　惠美須瀬〈長浦村〉　小島〈長浦村〉　裸島〈長浦村〉　トウノ瀬　竹島〈壹岐カ村〉　北島〈喜々津村〉　中ノ島〈喜々津村〉　サウケ島　辨天島〈川棚村〉　羽島〈又搔葉島〉　鉢島　小島〈佐世保村〉　小島〈針尾村〉　惠美須島〈針尾村〉　遠測〈彼杵郡松浦郡〉相ノ島　松浦郡　實測　福江島、周廻六十里一十三町四十二間半、福江濱町、三十二度四十一分半、大濱村、三十二度三十九分、富江濱之町、三十二度三十七分、富江村黒瀬、三十二度三十六分、玉之浦大寶村、

p.1055 三十二度三十五分半、同深浦三十二度三十八分、玉之浦荒川村、三十二度四十分、　〈從二深江酒屋町波戸場一、至二深江村三尾町一、一十丁一十九間半、　從二深江村三尾野一至二寺山一、九丁一十二間、從二三尾野街道一至二大濱村一、一里一十五丁三間、從二寺山街道一歴二山内村一至二荒川村一、四里一十七丁二十一間、又從二寺山街道一至二岐宿村川霧一、二里三丁四十四間、　從二田尾村街道一至二山内村一、一里二十五丁二間、從二山内村松山一至二小梅一、二十七丁二十八間、從二富江一至二富江村黒瀬一、二十七丁三十間、從二大寶村一至二佐夕目浦一、徑測九丁九間、從二荒川村中須一至二河原浦一、徑測一十丁、從二荒川村大地坊濱街道一歴二山内村及三本松一至二岐宿村川霧一、三里一十三丁四十五間、從二貝津村一沿レ川至二濱畔村一、一里八丁五十五間半、從二川原村内織浦街道一至二奈切從一、二十四丁五十七間、　從二川原村一至二岐宿村三本松一、七丁五十七間半、從二唐船浦村一至二戸岐首一、徑測六丁九間、從二奥浦村加志浦一至二大泊浦一、徑測四丁一十三間半、〉　黄島、周廻一里九町二十四間半、黄島浦、三十二度三十三分半、　久賀島、周廻一十三里四町二十四間、田之浦、三十二度四十六分半、〈從二前濱一至二田之浦一、徑測四丁三十六間、〉　樺島、周廻五里二十九町一十一間、北樺島村、三十二度四十六分、　中通島、周廻六十二里二十四町三十間、榎津村、三十二度五十九分、有川村、三十二度五十九分半、同友栖、三十三度三十秒、　〈從二似首村一至二奈摩村一、徑測五丁四十八間、從二魚之目浦一至二青方村一、徑測一十二丁廿四間、從二有川村蛤濱一至二太之浦一、徑測一十八丁九間、從二有川村茂串濱一至二蛤濱一、徑測三丁一十二間、有川村徑測二丁五十六間、從二道上肥村一至二今里村一、徑測一十七丁一十四間、從二道上肥村一至二濱野浦一、徑測一十二丁五十九間、從二青方村一至二奈摩村一徑測一里一丁一十四間、中串岬廻四丁三十四間半、干切崎廻三丁一十四間、棹岬廻七丁二十三間、〉　小値賀(ヲヂカ)島、周廻七里二十七町二十一間、笛吹浦、三十三度一十二分、〈從二笛吹浦濱一至二宿所一三丁六間　從二小値賀村一至二柳村一、徑測廿六丁四十八間、從二江川一至二友尻浦一、徑測五丁廿四間、〉　宇久島、周廻八里三十四町二十七間、平村、三十三度一十六分半、神浦(カウノウラ)村、三十三度一十六分半、　〈從二深江島一、至二宇久島一稱二五島一、〉　黒島、〈平戸島〉周廻二里三十二町三十八間、本村、三十三度八分半、〈從二黒島濱一至二大鹿山一四丁〉　平戸島、周廻四十三里二十間、平戸本町、三十三度二十二分半、川内浦、三十三度二十分半、紐指村、〈又呼二下方一〉三十三度一十七分半、津吉村、三十三度一十二分半、　〈從二平戸本町街道一至二中野村原方一、一里一十二丁七間、　從二中野村原方一至二安滿嶽一、一里七丁四十四間、從二中野村原方街道一至二糸屋村一、三里三十一丁、從二白濱浦一至二平戸一七丁、從二中野新田一至二街道一、六丁三十六間、從二紐指村濱一至二宿所一五丁九間、　津吉浦徑測二丁三間　從二津吉浦一至二糸屋村古田一、廿三丁三十一間半、從二宮之浦一至二福良浦一、徑測七丁五十四間、從二浦志自岐村一至二志自岐神社一、一十八丁一十四間、　從二志自岐浦街道一歴二糸屋村古田一、至二古川口一、三十二丁一十二間、　從二呂立浦一至二蘆浦一、徑測七丁一十二間、　高鉾岬廻四丁五十六間　從二薄香浦一至二平戸本町一、一十二丁廿一間、從二曲田助一至二田助浦一、徑測五丁廿六間半、長崎廻六丁五十六間、　從二平戸當盤町一、至二白岳一一里一丁四十四間、〉　生屬(イキツキ)島、周廻六里二十六町二十三間、生屬浦一部、三十三度二十四分、〈從二前濱一至二後濱一徑測三丁四十二間〉　大島、〈又呼二的山大島一〉周廻八里一十七町七間半、神(ゴフ)ノ浦、三十

p.1056 三度二十九分、〈從二神浦一至二鰐口浦一、徑測一十三丁五十九間、從二洲岬一至二曲崎一、二丁廿六間、〉　鷹島、周廻一十里二十一町四十六間、阿翁浦、三十三度二十七分半、〈阿翁浦徑測七丁三十八間、〉　榮螺島、周廻一里二十八町一間、　赤島、〈崎山村〉周廻二十八町四十一間、　小板部島、周廻六町五十五間、　大板部島、周廻一十七町四十七間、　黒島、〈富江村〉周廻一里二町四十二間、　元小島、〈富江村〉周廻二町八間、　太郞島、周廻一十九町二十六間、　竹ノ小島、周廻二町三間、　和島、周廻一十三町一十四間、　津多羅島、周廻三十一町三十九間半、　島山島、周廻四里一十六町四間、　辨天島、〈玉浦、從二北岬一至二南岬一、〉一町九間、　小島、〈荒川村〉周廻九町五十三間、　權現島、周廻二町一十五間、　嵯峨島、周廻二里二町一十七間半、〈從二前濱一至二後濱一徑測四丁〉　姫島、〈岐宿村、從二東岬一至二西岬一、〉八町五十一間、　黒小島、〈白石村〉周廻二町五十間、　寺小島、〈白石村〉周廻四町二十二間半、　地焚小島、〈從二南岬一至二北岬一〉一町四十五間、沖焚小島、周廻四町一十三間半、　前小島、〈岐宿村〉周廻一十七町五十一間、　大小島、〈奥浦村〉周廻四町二十六間、　小島、〈奥浦村〉周廻四町四十五間、　多々羅島、周廻一里五町三間半、　屋根尾島、周廻一里一町二十四間半、　竹ノ子島、〈六方村〉周廻一十六町一十間、　庖丁島、周廻八町五十六間、　辨天島、〈久賀島、小、〉周廻三町三十九間、　辨天島、〈久賀島〉周廻二町二十三間、　前小島、〈又呼二蕨小島一〉周廻一十一町五十五間、津婦羅島、周廻二里八町三十五間、　押通小島、〈從二西岬一至二東岬一〉四十二間、　大小島、〈又呼二樺島椎木島一〉周廻一十一町三間、　中小島、〈樺島〉周廻六町二十八間、　二子島〈樺島、從二南岬一至二北岬一〉五町六間、　奈留島、周廻一十七里七町九間半、〈篝火崎廻一十六丁四十九間〉　前小島〈奈留島〉周廻三十三町五十二間半、　元末津島、周廻一十一町三間、鵜小島、〈奈留島〉周廻九町四十九間、　葛島、〈奈留島〉周廻一里五十四間、　矢ノ小島、周廻九町五十六間半、　舅島、周廻七町一十一間半、　相之島、〈日之島〉周廻一十三町四十九間半、　有福島、周廻一里二十五町五間半、　日之島、周廻一里二十町九間半、　龍宮島、〈漁生島〉周廻三町五十三間、　漁生島、周廻一里三町四十八間半、　若松島、周廻一十九里一十町一十四間、〈從二若松村前濱一至二貝木浦一、徑測一十八丁二間半、〉　田之子島、周廻三十四町一十八間、　離小島、〈若松島〉周廻一町三十二間、　ヘボ島〈若松島〉周廻六町四十九間半、　桂

p.1057 島、〈宿野浦村〉周廻三十一町五十四間、　裸島〈宿野浦村〉周廻三町三間、　外籠、周廻五町三十四間半、　荷(ニナヒ)島、周廻五町三間、　大鹿島、周廻三町三十七間、　霧ノ小島、周廻一十一町四十三間、　荒島、周廻二十町九間半、　上ケシヨク島、周廻二町五十八間、　下ケシヨク島、周廻三町二十四間、　アサ丸島、周廻二十二町五十六間、　下中島、周廻一里九町七間半、　上中島、周廻二十八町九間半、　經島、〈又呼二經尾島一〉周廻六町五十四間、　松中島、周廻一十町五間、　ヤツノフ島、周廻九町三十九間、　コンテイ島、周廻二町一十四間、　ヤク丸島、周廻五町五間、　ヒキレ小島、〈荒川村〉周廻四町四十五間、　藏小島、〈荒川村〉周廻一十二町二十八間、　串ノ島、〈荒川村〉周廻二里九町七間半、　柏島、〈荒川村〉周廻一十一町三十間、折島、周廻二十四町二十四間、　祝言島、周廻一里三十一町四十三間半、　下六(シモム)島、周廻一十四町五十二間、　小島、〈小串村〉周廻六町一十三間、竹ノ子島、〈榎津村〉周廻六町四十間、　上神島、周廻四町三十間、　下神島、周廻四町一十六間半、　野案中島、〈又呼二沖案中島一〉周廻一十一町一十一間、　山案中島、〈又呼二邊田案中島一〉周廻一十町一間、　轆轤島、周廻一十七町三十八間、　頭島、周廻一里三十三町四十六間半、　神山島、周廻五町二十七間半、　上子島、周廻七町三十六間、　畑島、〈有川村〉周廻一十一町一十間、　野崎島、周廻四里一十町三十間、〈從二野首一至二白濱一、徑測六丁一十五間、〉　六島、周廻二十七町五十四間、　黒島、〈小値賀島〉周廻二十五町四十四間半、　小黒島、〈小値賀島〉周廻九町二十八間、　ウヽ島、周廻一十七町五十間、　大島、〈小値賀島〉周廻三十四町二十八間、　乙子島、周廻六町五十間、　コロ島、周廻一十二町九間、　藪路木(ヤブロキ)島、周廻三十町二十間、　赤島、〈小値賀島〉周廻一里三町二間半、　班島、周廻一里一十五町八間半、　納島、周廻一里一十二町三十四間、　手羅島、周廻二里一町八間半、〈從二前濱一至二後濱一徑測五丁九間〉　北小島、〈手羅島〉周廻四町一十九間、　東小島、周廻四町五間、　ノリ瀬、周廻七町一十九間半、　前小島、〈宇久島〉周廻六町二十八間、　松ケ岬、周廻五町三十六間、　〈從二榮螺島一至二松ケ岬一、稱二五島一、〉　長碆島、〈相神浦村〉周廻三町四十七間、　滿切島、〈長碆島〉周廻三町三十二間、　枕島、周廻五町三十九間、　苞(ツト)島周廻二町一間、　地小島、〈相神浦村〉周廻六町二十間、　中小

p.1058 島、〈相神浦村〉周廻四町四十九間、　沖小島、〈相神浦村〉周廻四町八間、　〈從二地小島一至二沖小島一、總二稱黒小島一、〉　斧落(ヨキオトシ)島周廻四町一十二間、　高岩島、周廻五町三十間、　子抱島、周廻五町四十七間、　小島、周廻二町二十六間、　〈從二斧落島一至二小島一、總二稱ウケ島一、〉　小島、〈土井ノ浦〉周廻二町三十四間、　宮ノ小島、〈土井ノ浦〉周廻二町三間、　ヤスカ島、周廻三町五十二間、　マノカ島、周廻一町四十四間、　シヤウノ島、〈又呼二松浦ケ島一〉周廻二里六町三十八間、　滿切島、〈シヤウ島〉周廻三町一十一間、　ラキノ島、周廻四町三十六間、　兎島、〈相神浦村〉周廻一町四十一間、　大深島、周廻二町五十九間、　小島、〈相神浦村〉周廻五町三十九間、　牧島、周廻一里四町二十一間、　カツラ島、〈牧島〉周廻一十五町九間、　元島、〈相神浦村〉周廻二十四町四十二間、〈從二東濱一至二干切岬一三丁三間〉鳥巣島、周廻八町四十八間、　アトウケ島、周廻三町二間半、　目干婆岬、周廻六町一十五間、　竹ノ子島、〈相神浦村〉周廻二町二十一間、　モトクリ島、周廻五町三十三間、　蛇島、〈賤津浦〉周廻五町二十一間、　カナシゲ島、周廻一十五町一十四間、　ベヾ島〈從二北岬一至二南岬一〉一町五十一間、　惠比須島、〈相神浦村〉周廻五町三十間、　燒島、〈相神浦村〉周廻一十一町二十二間、　大船島、周廻六町二十九間、　鶴ノ子島、周廻一十町四十二間、　中瀬戸島、周廻一十一町、　棚方惠比須島、周廻四町三十八間、小島、〈相神浦村アサル浦〉周廻三町二間、　下小高島、周廻一十七町五十一間半、　離島、〈下小高島、從二南岬一至二北岬一〉二町一十八間、　上小高島、周廻三十二町三十六間半、　トウノ小島、周廻七町三十間、　黒島、〈又呼二相神浦村船頭島一〉周廻六町八間、　上皆島、〈相神浦村〉周廻四町五十五間、　下皆島、〈相神浦村〉周廻四町三十五間、　高島、周廻四里一十二町三十二間、〈從二前濱一至二後濱一、徑測三丁一十二間、〉　ノンテ島、周廻二町一十一間、　小島、〈高島〉周廻三町四十間半、　カウノ小島、周廻七町三十四間、　イ島、周廻一十七町一十八間、　樫ノ木島〈小〉周廻二町四十九間、　樫ノ木島、〈大〉周廻三町三間、　樫ノ木島、〈中〉周廻一町三十六間、　トコイ島、周廻三十一町二十間、　滿切島、〈大　トコイ島〉周廻四町四十一間、　滿切島〈小　トコイ島〉周廻三町、　メハル島、〈又呼二ナカ島一〉周廻二町一十一間半、　エイノ島、周廻三十町三十二間半、　牧ノ島、〈相神浦村〉周廻三十三町四十四間、　汐一升島〈又呼二小島一〉周廻二町一間、　小島、〈牧ノ島〉周廻一

p.1059 町五十九間　カキ島、周廻一十一町四十七間〈從二カキ島一至二滿切岬一、二丁四十五間、〉　竹島、〈大　相神浦村〉周廻八町四十九間、竹島、〈小〉〈相神浦村〉周廻一町五十二間、　前島、〈佐々村〉周廻一十六町五十二間、　野島、〈相神浦村〉周廻一十五町一十六間半、　大淺島、周廻二十三町三十八間、　小淺島、周廻一十一町九間、　海賊島、周廻一十六町二十八間、　前島、〈相神浦村〉周廻三十二町一十二間、　源五郞島、周廻一町四十九間、　横島、〈又呼二九子島一〉周廻六町九間半、　ヒトニ島、〈又呼二シト子島一〉周廻三町四十一間、　麥島周廻五町五十九間、　赤島、〈大島〉周廻一十六町四十一間半、　小赤島、周廻八町五十六間、　大島、周廻八町五十六間半、　小島、〈大島、從二南岬一至二北岬一〉三十八間、　丸小島、〈鹿町村〉周廻二町二十九間、　ミスコ島、周廻一十二町一十六間、　忠六島、周廻五町三間　忠六小島、周廻五町三十三間、　ノウ黒島、周廻二十町四十四間半、　フナトウカ島、周廻七町二十一間　半藏島、周廻一十七町三十六間、　無名瀬、〈鹿町村、從二南岬一至二北岬一、〉五十四間、　烏帽子小島、〈從二南岬一至二北岬一〉一町六間、　小島、〈半藏島、從二北岬一至二南岬一、〉三十間、　大島、〈鹿町村〉周廻三十一町一十二間、　彌太郞島、周廻五町四十二間、　臼島、〈鹿町村〉周廻六町四間、　杵島、周廻三町五十一間半、　白水小島、周廻二町一間、鯨瀬小島、周廻一町三十五間、　ヱボ島、周廻二町二十九間、　小島、〈鹿町村〉周廻二町一十間、　大鹿島、周廻二十七町一十六間、　大次郞島、周廻九町二十八間、　氷島、〈大〉周廻三町三十六間半、　氷島、〈小　從二南岬一至二北岬一〉五十四間、　島頭島、〈地〉周廻七町九間半、　島頭島〈沖〉周廻一十九町二十六間、　小野島、〈從二北岬一至二南岬一〉五十四間、　小島〈島頭島地〉周廻三町二十二間半、　離小島、〈同上、從二南岬一至二北岬一〉四十二間、　田子島、〈大〉周廻一町五十六間、　田子島、〈小　從二北岬一至二南岬一〉二十四間、　地クヅ島、周廻六町一十七間、沖クヅ島、周廻一十五町四十八間、　坊主岩島、周廻二町五十二間半、　海士泊(アマトマリ)島、周廻一十一町四十一間、　ツラレ島、〈從二北岬一至二南岬一〉一町二十五間、　小島、〈海士泊島〉周廻二町三十間、　黒子島、〈平戸村〉周廻六町一十七間半、　平小島、周廻三町三十六間、　鬼子島、周廻二町二十七間、　江ノ小島、周廻七町一十三間半、　黒ケ島、〈又呼二上ヤギ島一〉周廻一十町八間半、　野島、〈又呼二下ヤギ島一〉周廻一十二町二十八間、　若宮島、周廻四町一十八間、　上枯木島、

p.1060 周廻二町四十四間、　下枯木島、周廻一十二町一十五間、　トヤクノ島、周廻二十一町九間　高島〈又呼二御下高島一〉周廻二十六町二十五間、　中ノ島、〈又呼二中江ノ島一〉周廻一十二町一十一間、　三島、〈浦志目岐村〉周廻三町四十八間、　頭ノ島、周廻一十六町四間、　上海馬島周廻一十四町二十六間半、　下海馬島、周廻九町一十二間、　眞立島、周廻七町二十九間半、　竹ノ子島、〈糸尾村〉周廻五町四十八間、　立場島、周廻六町三十八間、　竹ノ子島、〈獅子村、從二東岬一至二西岬一〉三町二十一間、　中江野島、〈從二東岬一至二西岬一〉四町二十四間、　田原島、〈又呼二觀音島一〉周廻三町五十七間半、　唐子島、周廻二町三十七間、　小島〈平戸村〉周廻二町一十間　兀(ハゲ)島、周廻二町三十二間、　度島、周廻三里三町五間、　〈瀬崎廻三丁五十間、從二中原浦一至二イブ田一、徑測六丁九間、〉　横島、〈度島〉周廻一十四町一十九間、　飯盛島、周廻九町一十九間、大小島、〈大島〉周廻六町二十五間、　二神島、周廻一十八町六間、　横島、〈釜田浦〉周廻二十町二十四間半、　小島、〈御厨村大崎〉周廻一町四十五間、　松島、〈豐鹿村〉周廻六町三十三間、　青島、周廻一里一十八町五十七間、　伊豆島、周廻七町四十九間、　松崎島、周廻五町二十四間、　ヒキレ島、〈志佐村〉周廻一町一十五間、　長崎島、周廻三町二十九間、　惠美須崎〈舊呼二ハル島一〉周廻三町四間、　ヲコノ島、周廻一十五町一十三間、　黒島、〈鷹島〉周廻一里五町二十五間、　柺島(ヲウユ)〈鷹島〉周廻三町二十一間、　所島、周廻二町四間、　濱ノ小島、周廻三町二十八間、　松島、〈鷹島從二北岬一至二南岬一〉三十三間　竹ノ子島、〈鷹島〉周廻四町一十二間、　二島、〈大鷹島〉周廻三町四十三間　一島〈小〉周廻三町一十五間、　大飛島、周廻二十九町四十一間半、　小飛島、周廻一十六町二間半、　蛇島、〈今福村〉周廻二町四十九間半、　福島、周廻一十里一十四町五十八間〈大岩岬廻一町五十七間〉　竹ノ子島〈福島〉周廻二町五十一間、小鼻瀬、〈又呼二通瀬一〉周廻三町一十一間、　ミナセ島、周廻二町四間半、　小ミナ瀬、周廻二町三十一間、　白岳島、周廻一町三十八間、　十郞島、周廻七町五十八間、白岳岬〈福島〉周廻三町一十一間、　ヘゴ島、周廻四町八間、　野島、〈福島〉周廻三町一十三間、　牛島、周廻八町三十一間、　コセ島、周廻三町五十二間、　東ノ坊、周廻三町二間、　中ノ坊、周廻五町二間、　西ノ坊、周廻三町三十五間、　〈從二東ノ坊一至二西ノ坊一、總二稱〉

p.1061 〈坊ケ崎一、〉　ミナ島、〈福島〉周廻八町三間半、　タケクラベ島、周廻三町四間、　鵜瀬〈福島〉周廻三町六間半、　カツラ島、〈大　福島〉周廻一十三町一十九間、　男島、周廻二町三十四間、　カツラ島、〈小〉〈福島〉周廻二町一十三間半、　小島、〈久原村〉周廻六町一十九間、　甑島、周廻四町四十二間、　針島、周廻一十一町二十七間、　七ツ島、〈一〉周廻三町三間、　七ツ島、〈二〉周廻八町一十八間、　七ツ島、〈三〉周廻五町一十六間　七ツ島、〈四〉周廻三町四十六間半、　七ツ島、〈五〉周廻四町三十七間、　七ツ島、〈六〉周廻三町四十五間、　七ツ島、〈七〉周廻二町二十一間半、　小島、〈七ツ島〉周廻二町一十五間、　金剛島、〈鹽屋村〉周廻二十町三十六間、　金剛瀬、〈鹽屋村〉周廻三町一十五間、　沖小島、〈福田村〉周廻三町二十五間、　釜蓋瀬〈福田村、從二西岬一至二東岬一、〉四十八間、　地小島、〈福田村從二北岬一至二南岬一、〉三十間、　茅島、周廻三町一十四間、　雀島〈福田村、從二北岬一至二南岬一、〉三十六間、　汐井崎島、〈又呼二鹽入島一〉周廻三町一十四間、　滿切島〈福田村〉周廻四町二十間、　竹ノ島、〈煤屋村〉周廻三町二十九間　大島、〈煤屋村〉周廻三町五十六間　沖島、〈煤屋村〉周廻三町五十二間半、　大瀬島、〈畑津岬〉周廻二町三十六間、　小島、〈杉之浦〉周廻六町五十三間、　帆立島、〈又呼二帆立山一〉周廻一十七町五十八間半、　島山、周廻一十町一十四間、　牛島、〈入野村〉周廻四町五十三間、　向(ムク)島、周廻二十町一十八間、　馬渡島、周廻二里一十六町一十六間、　竹之子島〈鶴牧村〉周廻一十一町三間、　丸瀬島、〈寺浦村〉周廻七町三十六間、　ワナレ島、周廻一十一町一十八間、　佛島、周廻八町四十六間、　藤島、周廻三町三十一間、　幸福島、周廻二町、二間、　三島、〈假屋浦〉周廻二町三十九間、　辨天島、〈横竹村〉周廻一町一十九間、　二子島、〈横竹村〉周廻一町一十三間、　鷹島〈加部島、從二北岬一至二南岬一、〉四町、　加部島、〈又呼二田島一〉周廻二里二町三十二間、　松島、〈加唐島、從二西岬一歴レ縊至二北岬一〉二十四町三十六間、〈從二西岬一至レ縊、徑測五丁一十八間、〉　加唐島、周廻二里一十四町四十九間、〈從二江口一沿レ江至二大泊浦一、三丁三十六間、〉　小川島周廻三十二町四十六間、〈從二納屋場一至二竹之岬一三丁四十二間〉　神集(カシハ)島、周廻一里一十一町二十七間、〈從二西岬一至二宮崎一、七丁一十二間、〉　大島、〈唐津村〉周廻一里一町五十六間、　鳥島、〈同上〉周廻五町五十間、　高島、〈鏡村〉周廻二十七町二十一間、　遠測　トノモ瀬　トビ岩〈大〉　トビ岩〈小〉　館瀬　平瀬〈崎山村〉　立瀬〈大〉　立瀬〈中〉　立瀬〈小〉

p.1062 　立瀬〈地〉　大毛通瀬　枇榔島　島原瀬　切瀬　大白瀬　小白瀬　鯨瀬〈津多良島〉　山見瀬〈大〉　山見瀬〈中〉　山見瀬〈小〉　布瀬〈琴石村〉　二子瀬〈地　琴石村〉　二子瀬〈沖琴石村〉　苫瀬　美良島　立神瀬〈玉ノ浦〉　立瀬〈島山島〉　里瀬〈島山島〉　倉小島　二合半島　タハミ瀬　宮小島　鴨瀬〈一唐船浦村〉　鴨浦〈二〉　鴨瀬〈三〉　鴨瀬〈四〉　鴨瀬〈五〉　鳶小島　小島、〈土岐首村〉　赤小島〈土岐首村〉　辨天小島〈興津村〉　本能瀬　尻小島〈大方村〉　小島〈六方村〉　觀音小島〈同上〉　鵜瀬〈六方村〉　鳥小島〈榮螺島〉　干切岬〈同上〉　黒瀬〈久留島〉　飛小島〈久留島〉　中ヲコ瀬〈中〉　中ヲコ瀬〈中〉　中ヲコ瀬〈小〉　三ツ瀬〈大〉　三ツ瀬〈中〉　三ツ瀬〈小〉　池ノ小島　平瀬〈樺島〉　草島　辨天島〈奈留島〉　小島〈同上〉　ノウ瀬　ケブタ瀬　沖瀬〈奈留島〉　先末津島　七ツ山小島　鳥小島　セキカ島　釜蓋瀬　ヒツロ瀬　黒瀬〈若松島〉　沖ノ瀬〈同上〉　地裸瀬〈同〉　セシリ瀬　昆布瀬　烏帽子瀬〈有福瀬〉　天神島〈漁生島〉　鵜瀬〈若松島〉　彌五郞蹵上島　本久島　コウブツ小島　地小島〈飯野浦村〉　沖小島〈同上〉　笹ノ瀬〈同上〉　土居小島　ミサコ瀬〈男島〉　カナワ瀬　平瀬〈濱之浦〉　錦島　裸瀬〈濱之村〉　タノム瀬　女瀬〈祝言島〉　百貫瀬〈同上〉　ツボケ島　錠瀬〈立串村〉　ミサコ瀬〈津和崎村〉　小島〈同上〉　裸島〈津和崎村〉　丹瀬　壁瀬　松ケ崎〈一ツ瀬〉　マヽコ瀬　長瀬〈浦村〉　黒瀬〈浦村〉　鏡島　祖父君瀬　源五郞島　中瀬〈有川村〉　小瀬〈同上〉　白瀬〈有川村〉　前小島〈同上〉　中小島〈同上〉　沖小島〈同上〉　百貫瀬〈岩セ浦村〉　女瀬〈同上〉　野首瀬　男瀬〈岩セ浦村〉　ヒル瀬　高瀬〈岩セ浦村〉　鹿瀬　三ツ瀬〈岩セ浦村〉　鵜瀬〈上浦村〉　立瀬〈上浦村〉　平瀬〈岩セ浦村〉　見付島　長瀬〈奈良尾村〉　中瀬〈同上〉　鈎瀬〈同上〉　ケブク島〈野崎島〉　黒碆〈野崎島〉　裸島〈六島〉　三ツ瀬〈小値賀島〉　ホケ島〈同上〉　貝瀬〈小値賀島〉　平島〈同上〉　ヒリヤウ島〈同上〉　藏島〈同上〉　帆上瀬〈小値賀島〉　廣瀬〈同上〉　ウケヤ島　十瀬　相瀬〈宇久島〉　鴨瀬〈同上〉　二ツ瀬〈同上〉　古志岐瀬〈大〉　古志岐瀬〈中〉　古志岐瀬〈小〉　深瀬〈宇久島〉　黒母瀬〈又呼二コロモ瀬一〉　〈從二トノモ瀬一至二黒母瀬一島嶼、屬二五島一、〉　鞍懸島〈相神浦村〉　ヲチカ島〈同上〉　大日島　トシヤク島　小島〈越船島〉　割石島　深代島子タキ島　ツイテ島　小島〈船越島〉　大瀬〈同上〉　平瀬〈同上〉　小島〈鳥巣島〉　帆瀬〈相神浦村〉　蛇島小島　

p.1063 白瀬〈相神浦村〉　竹ノ子島〈相神浦村〉　鯨島〈同上〉　タコ頭島　母島　ウチ瀬〈高島〉　下上ケ瀬　小柱岩　西柱岩　平瀬〈黒島〉　小島〈烏頭島〉　トコイ瀬　千鳥島〈牧島〉　篠瀬〈竹島〉　コウゴ瀬　千鳥瀬〈小佐佐村〉　琵琶瀬〈同上〉　バツチ瀬〈小佐々村〉　横瀬ケ島　石白瀬　三體島　浮瀬〈前島〉　平瀬〈ヒトニ島〉　六ツ瀬　地中瀬〈鹿町村〉　沖中瀬〈鹿町村〉　小島〈犬島〉　一杯島　烏帽子小島〈田島〉　ビクニ瀬　烏帽子瀬〈臼島〉　障子島　松瀬　メノ瀬　鯨石〈深月浦〉　白瀬〈田平村〉　大田助瀬　小田助瀬　裸瀬〈紐差村〉　御神島　ヲイトリ島　無名島〈浦志自岐村〉黒碆〈頭浦〉　千鳥瀬〈浦志自岐村〉　早フク瀬　小アシカ島　瀬子島　丸子島〈糸島村〉　長江岩　ニルギ瀬　沖瀬〈根獅子村〉　セノ平瀬　カブシ碆　獅子小島　圓(ツブラ)岩　平瀬〈生屬島〉　鯨島〈生屬島〉　鵜瀬〈古江〉　鯨瀬〈同上〉　裸瀬〈同上〉　大瀬〈同上〉　ギヲン瀬　中高瀬　五貫島　加戸島　立瀬〈平戸村〉　杵瀬〈横島〉　タカゾリ島　羽島〈度島〉　貝瀬〈大島〉　小島瀬〈大島〉　小二神島　カラウ瀬　廣瀬〈日野浦〉　兀島　長ス島　杓子島〈志佐村〉　ホケ島〈志佐村〉　干切島〈同上〉　岩島〈同上〉　車瀬　松瀬〈調川村〉　小島〈同上〉　佛島〈鷹島〉　コボ瀬　貝瀬〈鷹島〉　笠瀬〈飛島〉　五郞島　赤岩〈福島〉　松島〈福島〉　立木島　兄弟島　小島〈福島〉　新次郞カ島　トウノ瀬　横島　千裡島　地ノヒサゴ瀬〈福島〉　マキ子瀬　沖ノヒサゴ瀬〈福島〉　小タキ瀬　小瀬〈カツラ島〉　鳥瀬〈同上〉　辨天島〈久原村〉　團子島　小島地〈福田村〉　七ツ小島　赤島〈福田村〉　小島〈同上〉　雀島〈福田村〉　釜蓋瀬〈同上〉　日割瀬　音ケ瀬　ヘタノ赤瀬〈滿越村〉　沖ノ赤瀬〈同上〉　沖小島〈高串村〉　帆立瀬〈田野浦〉　小松島〈田野浦〉　大松島〈同上〉　赤瀬〈納所村〉　木瀬　烏帽子瀬〈向島〉　獺ケ瀬〈同上〉　平瀬〈馬渡島〉　雷瀬　大瀬〈馬渡島〉　小竹島〈寺浦村〉　ウケヤ島　王子島　ケサ島　鳥之巣　裸瀬〈假屋浦〉　離疊　ヒサゴ瀬〈假屋浦〉ワクトウ瀬　中岬〈濱野浦村〉　平瀬〈同上〉　小松島〈松島〉　セ瀬　カキ瀬〈松島〉　ツシマ島　ユヽノヲ瀬　黒瀬〈加唐島〉　臼島〈呼子島〉　女瀬〈小川島〉　尼形瀬　平瀬〈呼子島〉　兜岩〈神集島〉　弖張岩　鎧岩　山姥瀬　惠比須岩〈妙見浦〉　松浦岩

〔肥前風土記〕

〈松浦郡〉

p.1064 大家島(○○○)〈在二郡西一〉　昔者纒向日代宮御宇天皇〈◯景行〉巡幸之時、此村有二土蜘蛛一、名曰二大身一、拒二皇命一不レ肯二降伏一、天皇勅命誅滅、自レ爾以來白水郞等、就二於此島一造レ宅居レ之、因曰二大家島一、島南有レ窟、有二鍾乳及木蘭一、廻縁之海、蚫、螺、鯛、雜魚、及海藻海松、多之、　値嘉島(○○○)〈在二郡西南之海一中一、有二烽家三所一、〉　昔者同天皇巡幸之時、在二志式島之行宮一、御二覽西海一、海中有レ島、煙氣多覆、勅遣二陪從阿曇連百足一令レ察レ之、島有二八十餘一、就レ中二島、島別有レ人、第一島名小近(○○)、土蜘蛛大耳居レ之、第二島名大近(○○)、土蜘蛛垂耳居、自餘之島、並人不レ在、於レ玆百足、獲二大耳等一奏聞、天皇勅且令二誅殺一時、大耳等叩頭陳聞曰、大耳等之罪、實當二極刑一、雖レ被二戮殺一、不レ足レ塞レ罪、若降二恩情一、得二再生一者、奉レ造二御贄一、恒貢二御膳一、即取二木皮一、作二長蚫、鞭蚫、短蚫、陰蚫、羽割蚫等之様一、獻二於御所一、於レ玆天皇垂二恩赦一放、更勅云、此島雖レ遠猶見レ如レ近、可レ謂二近島一、因曰二値嘉島一、則有二檳榔、木蘭、梔子、木蓮子、黒葛、篁篠、木綿、荷莧一、海則有二蚫、螺、鯛、鯖、雜魚、海藻海松、雜海菜一、彼白水郞當二於馬牛一、或有二一百餘近島一、或有二八十餘近島一、西有二泊レ船之停二處一、〈一處名、曰二相子之停一、應レ泊二二十餘船一、一處名、曰二川原浦一、應レ泊二一十餘船一、〉遣唐之使、從二此停一發、到二美彌良久之濟一、〈即川原浦之濟是也〉從レ此發レ船指レ西度レ之、此島白水郞、容貌似二隼人一、恒好二騎射一、其言語異二俗人一也、

〔儀式〕

〈十〉

p.1064 十二月大儺儀〈◯中略〉　事別〈天〉詔〈久〉、穢〈久〉惡〈伎〉疫鬼〈能〉所々村々〈爾〉藏〈里〉隱〈布留乎波〉千里千里之外、四方之堺、東方陸奧、西方遠値嘉(○○○)、南方土左、北方佐渡〈與里〉乎知〈能〉所〈乎〉、奈牟多知疫鬼之住〈加登〉定賜〈比〉行賜〈氏、◯下略〉

〔續日本紀〕

〈十三聖武〉

p.1064 天平十二年十一月戊子、大將軍東人等言、〈◯中略〉以二今月三日一、差二軍曹海犬養五百依一發遣、令レ迎二逆人廣嗣之從三田兄人等二十餘人一、申云、廣嗣之船、從二知駕島一發、得二東風一往四箇日、行見レ島、船上人云、是耽羅島也、于レ時東風猶扇、船留二海中一、不レ肯二進行一、漂蕩已經二一日一夜一、而西風卒起更吹二還船、〈◯中〉

p.1065 〈略〉遂著二等保知駕島(○○○○○)、色都島(○○○)一矣、

〔三代實録〕

〈二十八清和〉

p.1065 貞觀十八年三月九日丁亥、參議太宰權帥從三位在原朝臣行平起二請二事一、〈◯中略〉其二事、請令下肥前國松浦郡庇羅値嘉兩郷、更建二二郡一、號二上近下近一、置中値嘉島上、曰、撿二案内一、元有二九國二島一、至二于天長九年一、停二多褹島一隷二大隅國一、是只貢二百領鹿皮一、費二三萬六千餘束稻一之故也、今件二郷、地勢曠遠、戸口殷阜、又土産所レ出、物多奇異、而從委二郡司一、次令二聚斂一、波上之民、厭二私求之苛一、切欲レ貢二輸於公家一、總是國司難二巡撿一、郷長少二權勢一之所レ致也、加之地居二海中一、境隣二異俗一、大唐新羅人來者、本朝入唐使等、莫レ不經二歴此島一、府頭人民申云、去貞觀十一年、新羅人掠二奪貢船綿等一、其賊同經二件島一來、以レ此觀之、此地是當國樞轄之地、宜下擇二令長一、以愼中防禦一、又去年或人民等申云、唐人等必先到二件島一、多採二香藥一、以加貨物一、不レ令三此間人民觀二其物一、又其海濱多二奇石一、或鍛練得レ銀、或琢磨似レ玉、唐人等好取二其石一、不レ曉二土人一、以レ此言レ之、不三委以二其人一之弊、大都皆如レ此者也、望請、合二件二郷一、更建二二郡一、號二上近下近一、便爲二値嘉島一、新置二島司郡領一、任二土貢一、但其俸料、擧二定正税公廨一之間、令レ兼二任肥前國權官一、於レ是公卿奏議曰、臣聞、聖人濟レ世、以レ便レ物爲レ先、明王馭レ民、以レ制レ宜爲レ貴、今行平所レ請上件二條、漸欲下省二風浪運漕之費一存二封疆任土之規一有中以祥下矣、臣等伏以、〈◯中略〉合二兩郷一號二一島一事、苟謂レ利レ公、豈期レ膠レ柱、請隨二其所一レ陳、將二以改置一、謹録二事状一、聽二天裁一、奏可、

〔北條九代記〕

〈下〉

p.1065 弘安四年、今年七月、大元賊徒自二宋朝高麗一、數千艘船寄來、數日漂二對馬海上一、而後群二集肥前國鷹島(○○)一之處、同卅日夜、閏七月一日大風、賊舟悉漂、倒死者不レ知二幾千萬一、

地勢/地味

〔易林本節用集〕

p.1065 肥前、〈肥州〉上、管十一郡、南北五日、土厚種生百倍桑柘農衣厚、魚鳥備食、中上國也、

〔西遊雜記〕

〈六〉

p.1065 肥前は、南方は海濱までも廣々とせし田所にて、上々國の風土也、北は山連りて、筑前の國につヾけり、九州にては肥前の國は上方とも稱し、見分せる所、風土上國と見ゆれども、民家の模様宜しからず、宿々間の町々にても、家宅甚見苦敷、神崎といふ驛は、此邊の市中にて、神崎千軒とむかしよりも稱せる町にて、商人も數多にて、家作も大概よき所なれども、間々貧家の至て

p.1066 見にくき家居交りなし、是等も國風と思ひ侍りき、地の利如何と心付見しに、五穀は勿論、瓜西瓜をはじめ、菜類となるものは、何にても他國よりも出來立よく、菓物はいふに及ばず、草木のそだち迄もあしからぬ國也、然るに貧家の多きいかならんと所々にてさぐり聞しに、當國には大一といふて、福引に似て博奕よりも甚惡敷事の流行せるよし、此故を以て風俗までも古しへにかはりて、民家の體如レ此といひき、又云ふ、運上にて領主より御免とも聞し、〈◯中略〉　肥前の國は、爰へも彼所へも入海ちまたの如く、海と海との方を僅計切ぬきなば、舟通しの出來すべき所見ゆ、天へ上りて一眼に見おろしなば、地圖も委敷、入海々々の様も正敷記すべきに、一度位の通行にては、此國の地利はしりがたく、十にして其一を記す也、海は中國筋の入江よりも深し、

〔佐藤元海九州記行〕

p.1066 抑當國〈◯肥前〉ハ、鎌倉時代ヨリノ舊領ニテ、西ハ海上トハ雖ドモ、小大ノ島數甚ダ多ク、凡ソ三十里程ノ間ニ散在シ、魚鹽ヲ始メ、物産ノ利頗ル大ナリ、東方陸地ハ五十町路ニテ、方七八里、土地亦極テ膏腴ナリ、且又當國ノ山ニハ水氣甚多ク、山頂マデモ水田ヲ開キ、稻ヲ作ルベシ、白垔赤垔モ多キヲ以テ、陶器ヲ燒キ出スモ極テ便ニ、石炭膏風多シ、薪炭ニ究スルノ患ヒ無シ、實ニ富豐ナルベキ國ナル哉、

〔日本地誌提要〕

〈六十九肥前〉

p.1066 形勢　東北山ヲ負ヒ、東南河ヲ帶ビ、地勢二支ヲ分チ、西南海ニ突出ス、其西北一支、平戸島トナリ、五島群嶼ニ連ル、其南方一支、更ニ兩腋ヲ分チ、左ニ鯛浦ヲ抱キ、右ニ佐賀灣ヲ擁ス、灣ノ北方平衍、土壤肥沃九州ニ冠タリ、物産豐饒民俗巧慧頗ル狡猾ニ流ル、氣候極暑九拾六七度、極寒四拾度、

道路

〔日本實測録〕

〈七街道〉

p.1066 從二豐前國小倉街道一至二長崎一〈◯中略〉　肥前國基肄郡宮浦村〈至二荒穗神社一二十六丁三十間〉　二十八町四十八間　田代宿昌元寺町〈至二筑後國御原郡小郡町一十三丁二十間、〉

p.1067 〈從二小郡一至二大靈石神社一、二十二町四十三間半、又從二小郡一至二下岩田村一、二十四丁一十一間、〉　一十一町三十六間半　田代宿三十三度二十三分、　一町二十七間〈◯此間有二墨滅一〉　二十七町二十間　養父郡轟木町　一里二十二町二十六間半　三根郡姫方村中原驛、三十三度二十分半、　一里一十四町四十二間　神崎郡吉田村　一十一町一間半　田手村　二十二町五十四間　神崎町、三十三度一十八分半、一里一十九町三十二間　境原町　一里九町四十五間半　佐嘉郡佐嘉呉服町、三十三度一十五分、　五町五十八間　同白山町〈至二北村駄市川原一一里二十八丁一十五間半〉　二十町四十一間〈至二佐嘉城大手前一二十丁一十四間〉　佐嘉長瀬町本庄川岸〈沿二本庄川一至二中原村一、一里一十八丁五十間、〉　一里三十二町一間半　小城郡牛津町〈至二横町一二丁五十四間、北極高三十三度一十五分半、〉　一十一町五十間　同新町　一里一十二町三十六間　杵島郡山口村郷松　一十四町九間　上小田町、三十三度一十三分、　一里二十四町三十三間　志久村邊田〈至二北方町一二十五丁三十七間、從二北方一至二河良村一三十五丁二間半、從二河良一歴二武雄村一至二西山村一、三十二丁三十三間、從二西山一至二藤津郡下村一、二里二十二丁四十二間、〉　七町一十二間　蘆原村新橋分、三十三度一十二分半　二里三十一町九間　藤津郡鹽田町　三町四十二間　馬場下村　二里八町二十七間半　下村　一十九町三十四間　嬉野村、三十三度六分、　二里三十町三十六間　彼杵郡彼杵村彼杵町、三十三度二分、　一町四十三町　同本町　二十三町四十八間　千綿(チハタ)村千綿浦　一十三町三十九間　同駄地　一十六町一十八間　江串村　三十一町一十八間　郡村松原　六町四十七間　郡村馬場、〈又呼二今津驛一〉三十二度五十八分半、　二里三十五間　大村本町四町目、三十二度五十四分半、　一町四十一間　同三町目　二町二十五間半　同一町目　一町五十三間半　同田町通　二里二十六町三十一間　高來(タカク)郡榮田村永昌宿　一十町二十六間　小船越村、三十二度五十分半　七町二十一間　同追分〈至二船越村梅津一二十七丁四十四間〉　四町一十六間　貝津村　三里八町一十九間〈至二井樋尾峠一一里九丁五十八間〉　彼杵郡矢上町　一十八町四十二間　高來郡日見村、三十二度四十五分、　一里一十八町二十一間〈至二日見峠一一十八丁九間〉　彼杵郡長崎新大工町〈歴二出來鍛冶屋町一至二大浦一、二十一丁二十六間、〉　二町一十間　同南馬町〈歴二外〉

p.1068 〈浦町一至二大波戸一、一十丁五十六間半、從二大波戸一、歴二五島町一至二大黒町限一、一十丁四十四間、〉　二十四間　同南馬町馬場〈至二天神社一五丁三間〉　二十六間半同爐粕町、三十二度四十五分、〈至二諏訪明神社一五十七間半〉　〈從二小倉一至二長崎一〉街道、通計五十七里一町二十間半〈◯中略〉　從二筑前國木屋瀬一歴二福岡及唐津一至二名古屋一〈◯中略〉　肥前國松浦郡淵上村玉島川口〈沿レ川至二南山村神功皇后社一、二十四丁四十七間、〉　五町五十七間　濱崎浦、三十三度二十七分　一町二十一間　濱崎村橋本町〈至二玉島川岸一六丁三十二間〉　五町五十一間　同西町〈歴二鏡村一至二山本村一、二里六丁五十三間半、〉　四町四十二間　同虹之松原　三十四町一十九間半　滿島　四町四間　同松浦川岸〈沿レ川至二松原一三丁一十八間、〉　六町二十九間　同滿渡　七町一十間〈至二唐津新堀松浦川渡一直徑五丁三十一間〉　唐津大石町　八町三十二間　同中町　一町三十間　同刀町、三十三度二十七分、　二町三十六間　同西寺町〈至二西濱一五丁二十七間〉　三十六間半　同坊主町　三十四町四十二間　佐志村　三十一町五十七間　馬部村(マノハマリ)〈至二呼子浦一一里三十一丁三十二間〉　一里三十町三十間　名古屋村野本　五町二十一間半　同野本川岸　一十三町一十二間　名古屋村、三十三度三十二分、　一町六間　同城山遠見番所前〈至二名古屋串浦一一十六丁三十三間〉八町四十二間　名古屋浦　〈從二木屋瀬一至二名古屋一〉街道、通計三十里三十四町五十七間〈◯中略〉　從二筑前國麁原一歴二川上及小城一至二平田一〈◯中略〉　肥前國神崎郡三瀬山村、三十三度二十六分半、　三里七町五十七間〈至二茶屋峠一一里一十九町三十九間〉　佐嘉郡西松瀬山村三反田、三十三度廿一分半、　一里一十九町　川上村都渡木〈歴二總座村一至二北村駄市河原一、一十八丁一十二間、〉一町二十一間反、同川上社前、三十三度一十九分半、　一十七町一十五間　東山田村立石〈至二北村駄市河原一一間十一町五十七〉　一里二十三町五十四間　小城郡岡村小城下町　三十四町〈至二小城陣屋前一三丁六間〉　楠ケ里村〈至二牛津新町二十八丁二十八間〉　一里一十三町五十一間　別府村　二里二十二町三十三間　松浦郡嚴木(キウラキ)村　一里三十五町四十八間　馬場村〈舊呼二相知村一〉　一里三十四町一十五間　山本村　五十一間　養母田村〈至二唐津大石町一一里一十九町三十七間半〉　一里八町三十八間半　徳末村〈歴二府招村一至二今嶽村一、三里三十二丁四十七間半、〉　二里

p.1069 一十一町四十五間　大川野村　一里五町三十間　杵島郡桃川村宿山〈歴二本部村川古一至二川上村一、二里四十七間半、從二川上一至二北方町一、二十七丁五十二間、又從二川上一至二河良村一、二十四丁一十三間半、〉　二町二十四間　桃川村、三十三度一十六分半、　一里三十四町三十六間　松浦郡今嶽村　一十二町二十間半　伊万里上土居町〈至二下町一三十三間、北極高三十三度一十六分半、〉　一十六町三十四間半　大里村有田川口　一町二十一間　同小屋田　三里三十四町六間〈至二大里村白幡一七丁五十一間半〉　今福浦滑榮(ナメリハエ)　二十四町三十四間半　今福村　九町二十一間　今福浦　三十四町一十二間半　調川(ツキノカハ)村上觸大坪川岸〈沿レ川至二海岸一、八丁〉　二十八町二十七間　志佐村志佐川岸　一里一十四町三十九間　御厨村中野〈至二御厨浦札塲一四丁四十八間半〉　一里〈二ノ〉十九町一十間　田平村米之内〈從二麁原一至二田平一〉街道、通計三十八里二町一十六間、　從二肥前國大里一歴二早岐一至二日野一　肥前國松浦郡大里村小屋田　二里七町五間　曲川村黒郷〈至二早岐村一二里二十四丁二十七間半〉　三十町一十二間　外尾村　三里二十六町六間　彼杵郡川棚村川棚川岸　三町三十九間　川棚村、三十二度五十八分半、二里一十七町一十九間半　早岐村小森橋南頭　九町二十九間半　同早岐浦中町、三十三度八分、　一町五十四間　同宮之下　一十七町三十間　日宇村田之浦　一里四町三十三間　日宇村里〈沿二杉尾川一至二海岸一、三丁四十五間、〉　一里一十町五十八間半　佐世保村、三十三度一十分半、一里三十一町四十二間　松浦郡相神浦村中里〈至二相神浦川岸一一十八丁一十二間、從二川岸一至二賤津浦一七丁二十一間、〉　一里二十七町九間　佐々村〈沿二佐々川一至二海岸一、六丁四十間半、〉　二里五町四十五間　江迎村二股川岸　一里二十二町五十三間半　田平村米之内　二十一町五十六間　日野浦　〈從二大里一至二日野一〉街道、通計一十七里五町五十三間、〈◯中略〉　從二肥前山口一歴二六角及鹿島一至二濱町一　肥前國杵島郡山口村郷松　三十三町二十間　六角中郷村川岸〈沿二六角川一至二郷司給村住江一、一里三十四丁二十七間、〉　九

p.1070 町一十五間　六角中郷村、三十三度一十一分半、　一里三町六間　邊田村〈至二稻佐一一十一丁一十五間〉　二十四町四十五間　室島村、三十三度八分、　一十三町四十五間　深浦村百貫　一十八町四十六間　藤津郡中村殿橋〈至二馬場下村原町一、三十丁四十六間半、〉　八町三間　鹿島、三十三度七分、　一里四町〈至二鹿島陣屋前一、七丁五十二間、〉　濱町〈從二山口一至二濱町一〉街道、通計五里七町、

〔日本實測録〕

〈六沿海〉

p.1070 從二薩摩國鹿兒島一沿レ海至二長崎一〈◯中略〉　肥前國佐嘉郡徳富村筑後川口〈至二神崎郡蓮池神崎町一三十三丁三十二間、從二神崎町一歴二木町一至二魚町限一、四丁四十六間半、又從二神崎町一、歴二東野ケ里村一至二境原町一、二十四丁三十二間半、〉　一十七町四十八間　石塚村、三十三度一十三分、　一十八町四十四間半〈至二石塚渡一六丁一十七間半〉　寺井村江口〈沿レ江至二寺井村一一十丁一十三間〉　一十二町四十二間半　早津江村、三十三度一十三分、　三里六町一十六間〈至二崎ケ江村一二十五丁三十七間〉　下飯盛(シモイサカイ)村〈至二住吉宿所一六丁三十三間、北極高三十三度一十二分、〉　三十五町九間半　中原村本庄川口　一里一十九間二十六間　垣安村〈至二快方村久富宿所一六丁一十八間、北極高三十三度一十二分、〉　一里二十五町三十一間半　杵島(キシマ)郡郷司給(ガウシキウ)村住江　四里一十七町一十九間半〈至二築切村一二里一十三丁二十九間〉　深浦村鹽田川口〈沿レ川至二百貫一、九丁二十六間半、〉　二里四町一十七間半　藤津郡濱町　三里九町五十一間　北多良村、三十二度五十八分半、　二里二十町七間　龜浦村濱、〈至二龜浦村宿所一、六丁三十間、〉三十二度五十八分半、　一里二十五町一十一間　田古里村〈至二津ノ浦宿所一三丁九間、北極高三十二度五十八分、〉　一里一町三十三間　高來(タカク)郡井崎村　三里一十八町一十二間　湯江村〈又呼二湯江町一〉　一里二十二町七間　深海村、三十二度五十三分半、　一里二十六町五十六間　小豆崎(アヅキザキ)村本明川口〈至二諌早岡町一二十五丁二十二間半、從二岡町一至二永昌宿一、一十五丁三十三間、又從二岡町一至二諫早下町一、四丁一十五間、北極高三十二度五十一分、又至二下町一歴二新町一至二田町一、六丁二十九間半、〉　一里一十町三十七間　愛津(アイツ)村板谷川口〈歴二唐頃村一至二有喜村諫早路追分一、一里二丁二十一間、從二追分一至二船越村梅津一、一里二十八町一間、從二梅津一至二諫早一、四里九丁二十一間、〉　六町四十五間　同土井口〈從二小牟田名宿所一二丁三十間、北極高三十二度四十八分、至二宿所一至二釜床一、徑測一十二丁五十一間、〉　三里二十九町八間半　西郷村船津〈至二西郷村宿所一三丁六間、北極高三十二度五十二分半、〉　四里一十三町五十九間半　島原宮ノ町濱〈至二萬町一八丁二間、從二萬町一至二堀町一、三丁二十七間、北極高三十二度四十七分半、從二堀町一至二今村名湊一、一十町二十一間、又從二堀町一、至二安徳村〉

p.1071 〈北名一、徑測一里一十丁五十六間、〉　六町九間　同江口〈島原江廻三十丁四間半〉　一里一十一町三十間半　島原村今村名湊(イマムラミヤウミナト)　一里二十一町三十四間　安徳村北名　一里四町二十四間　布津村〈至二大崎名一、四丁一十五間、〉　三里一十二町二十四間　南有馬村北岡名〈至二古薗名一八丁三十六間〉　二十五町一十二間　同浦田名〈至二原城趾一二丁一十六間半〉二里一十二町四十八間半　口之津村大屋名眞米〈至二白濱一徑測九丁三十二間〉　九町三十三間　同口之津町、三十二度三十六分半、　一里三十四町一十七間半　同白濱　二十六町二十四間　加津佐村〈至二水月一四丁一十八間〉　三町一十二間　同小松川口〈至二岩吼庵濱一徑測四丁一十間〉　九町　同岩吼庵(ガンクアン)濱　一里三十三町三十三間半　南串山村牟田尻　三里三十一町三十一間半　小濱村里〈至二温泉山瀬戸原一一里一十七丁四十間、從二瀬戸原一至二四面宮一、一十七丁一十五間半、又從二瀬戸原一至二小地獄一、七丁三十四間、〉　一十六町四十七間　小濱村北野名〈至二千々石村船津一徑測一里一十七丁五十間〉　一里三十五町二十五間　千々石(チヽツ)村船津名〈至二島原萬町街道一五里四丁二十八間半〉　一里一十一町五十四間　愛津村釜床　一里一十七町三十一間　有喜(ウキ)村、三十二度四十七分、〈至二諫早路追分一二十丁六間〉　三里一十町九間〈至二江浦村船津一一里二十三丁四十四間〉　田結(タユヒ)村魚見　一里二十一町四十三間半　彼杵(ソノキ)郡矢上町　六町　同東房濱〈至二東房瀬一三丁三間〉　九町二十三間半　高來(タカク)郡日見村日井切〈至二街道一二丁四十間半〉　二里一町一十四間　茂木村飯香浦、三十二度四十三分、　一里一十七町一十二間　茂木村、三十二度四十二分半、〈茂木江廻七丁三十六間又至二長崎出來鍛冶屋町一、一里一十三丁四十二間、〉　三里二十一町二十六間半　爲石村、三十二度三十八分、　二里二十五町三十間　脇御崎村、〈又呼二脇津一〉三十二度三十四分半　一里一十一町九間半　彼杵郡野母村後濱　二里二町五十六間半　野母村、三十二度三十五分、　二里三十三町二十八間〈從二野母村前濱一、四丁二十一間、〉　高濱村投上石　二里六町一十一間　深堀村三十二度四十一分半、　三十二町九間　土井(トヰノ)頸村黒口浦〈至二網代浦一徑測二丁五十七間〉　二十二町三十五間　同網代浦　八町一間　土井頸村鹿尾川口〈沿レ江至二鹿ノ尾一五丁六間〉　二十一町一十七間半　小嘉倉村　一十四町六間　戸町村女神崎　一里一十一町二十五間　同大浦　五町五十九間　長崎本籠町新地〈唐物庫廻四丁三十間〉　四町一十五間　同江戸町〈出島、阿蘭陀屋〉

p.1072 〈敷廻、五丁四十四間、〉　二町二間半　同大波戸　〈從二鹿兒島一至二長崎一〉沿海、通計二百四十七里一十六町三十七間半、　從二肥前國長崎一沿レ海至二小倉一　肥前國彼杵郡長崎大波戸　一十七町二十七間　浦上村山里馬込郷　一十町五十七間　同新土居浦上川口〈沿レ川至二二股一四丁三十間〉　三十町五十九間　浦上村淵水(フチミツ)浦郷　二十七町二十九間　同西泊郷　二十町三十間　同神崎　二里二町四間〈至二觀音崎一二十四丁四十四間半〉　福田村船津　三里三十三町四十一間半〈至二福田村能瀬一、一里三十二丁五十九間半、〉　式見村螺崎　二里二十七町九間　三重(ミヱ)村大嶽下　三里一十六町四十四間　神浦村、三十二度五十三分、　二里二十三町四十間半　瀬戸村瀬戸浦　一十九町三十四間　同板ノ浦　一十一町二十七間　瀬戸村〈小鴨岬廻一十丁〉　二里一十七町七間　多井良村柳浦〈至二七ツ釜浦一、徑測五丁二十五間半、〉　一里一十四町七間半〈至二名串崎一一十二丁一十間半〉　同七ツ釜浦　一里二十町三十間半　中浦村　三里四町六間　天窪村黒口崎　一里八町一十二間　面高村中村　二十五町五十六間　同後濱　三十二町一十八間　横瀬浦村寄船　二里二町三十九間半　同錢龜浦　二里六町二十六間半　同水之浦　二里二十町三十一間　川内浦村伊ノ浦　三里九町五十間半〈至二魚釣崎一一十三丁四十七間〉　大串村ケヤ岬　一里二十六町三十間　同脇上リ岬　二里六町八間　同下竹　二里二十六町六間〈至二母衣崎一一里二十二丁三十二間〉　大串村宮ノ浦　一里二十三町三十七間半　同龜之浦　一里三十五町四十二間半　形上村元越〈至二猪ノ越一徑測七丁三間〉　二里三十二町二十六間　同小口浦　二里三十町五十二間半　同猪ノ越　一十八町二十三間　形上村　二里二十六町一十二間　長浦村、戸根原川口〈至二大石古屋敷一徑測二十一丁五十八間半〉　一里二十八町三間半　同大瀬崎　二里二十四町二十七間　同大石古屋敷　二里四町二十二間　西海村田浦崎　一里三十三町二十六間半　時津村市場〈至二長崎大黒町一一里一十八丁九間、又至二時津村宿所一、二丁三十三間、北極高三十一度五十分、從二宿所一、至二長與村、解屋一、徑測三十町五十一間、〉　一里一十町四十三間半　同崎野岬　一里一十六町一十九間　長與村解屋　四里八町二間　壹岐力村　二

p.1073 里三十五町二十九間　喜々津村　一里七町四十八間　高來郡貝津村川口〈沿レ川至二街道一、二十丁二十九間、〉　四十九間半　彼杵郡三浦村溝陸(ミソロク)〈沿レ川至二橋本、二丁五十七間、〉　二里一十一町五十二間　鈴田村白濱　二十九町二十七間　大村久原(クハラ)　三十三町五十三間　同本町　一町目　二里二十八町三十三間半〈至二本町二丁目一二丁二十五間半〉　郡村松原　三十一町一十八間　江串村　三十一町五十一間　千綿(チワタ)村　二十三町四十八間　彼杵(ソノキ)村彼杵町　一里一十六町四十二間　同小音琴(コオトコト)〈至二川棚村一一十四丁四十五間〉　一十五町三十九間　川棚村川棚町〈沿レ川至二川棚村一、八丁四間、〉　三十三町一十五間　同三ツ越、三十三度三分、　九町　川棚村ウシナシ〈至二西濱一徑測三丁二十一間〉　二里六町二十七間　同西濱　二里六町二十九間〈至二深浦一一里二丁六間〉　宮之村釜ノ浦〈至二北濱一三丁〉　一十七町四十一間半　同北濱　一里一十三町四十二間　早岐(ハイキ)村廣田大手原　三十四町一十二間〈至二小森橋南頭一三十三丁、〉　同小森橋北頭　九町二間半　早岐浦、三十三度八分、　一町五十四間　同宮ノ下　一十七町二十三間　日宇村田ノ浦　一里三十一町七間　日宇村岡杉尾川口　一里三十町一間半　同日ノ原崎〈日ノ原岬廻四丁五十五間〉　一里一十二町三十六間半　同ヒツクシ浦　一十五町五十一間　同福石　一里二町四十間　佐世保(サセホ)村川口〈至二街道一六丁三間〉　二里一十一町三十一間半　同川ノ谷〈至二小島浦一徑測二丁〉　二里一十八町四十七間半　松浦郡相(アヒ)神ノ浦村俵浦〈至二安塔寺浦一徑測四丁四十二間半〉　二里三十一町九間半〈至二甲崎一一里一丁四十七間〉　同安塔寺浦　二里二十八町三十九間　同小島浦　一里四町四十二間　小佐々村淺子岬　一十二町三十三間　同立石山〈立石岬廻四丁二十三間〉　一里三十一町四十三間　同臼ノ浦　三里一十三町二十五間半〈至二瀬ノ元岬一一里二十三丁一十九間半〉　同岩井岬　二里二町六間　同九艘泊(クストマリ)　一里三十五町四十八間　同神崎〈神崎廻二丁四十三間半〉　一里八町一十九間　同杉ノ浦　一里一十三町三十七間半〈至二賤津浦矢岳浦舟引場一、一十四丁三十六間、〉　同矢岳〈至二土井ノ本一徑測三丁九間〉　一里五町五十間〈至二ヒトニ崎一一十五丁三間〉　鹿町村〈舊呼二船之村一〉土井ノ本　一里二十四町二十間　同長串浦　二里八間〈至二サイホンカ浦一、二十一丁二十三間、〉　同後カセイ浦〈至二カセイ浦一、徑測三丁六間〉

p.1074 　一十六町四十四間〈至二カセイ崎一一十二丁四十七間〉　同フセイ浦　一里二十町四十間半〈至二大屋浦一一里一丁二十七間、〉　同姫ケ浦　二里二十町一間半〈至二黒崎一一十三丁二十四間〉　江迎村濱　一里一十二間　江迎村、三十三度一十九分、一里二町九間半　深月(ミケツ)浦　二里一十五町四十五間　田平村青佐崎　二十五町二十八間　日野浦、三十三度二十二分、〈至一釜田浦一徑測一十三丁六間〉　一里三十三町二十六間〈至二初崎一里一十六丁一十五間半〉　釜田浦　三里一十五町三十九間〈至二成川一一里七丁二十三間半〉　御厨(ミクリヤ)村西ノ宮〈至二街道一、六丁一十五間〉　一里二十二町一十七間　星鹿(ホシカ)村カヲチカ浦〈至二星鹿浦一徑測三丁三十五間半〉　二十町六間　星鹿浦　一里一間〈至二河原邊田浦、一十一町三十間、〉御厨浦、三十三度二十二分半、二里八町二十間〈至二札場一一丁四十五間〉　志佐村〈沿レ川至二街道一四丁四間〉　二十四町五十二間半　調川(ツキノカハ)村大坪川口　一里一十四町四十間　今福浦　九町二十一間　今福村　二里四町四十五間〈至二トウセ岬一二十九丁三十九間半〉　今福浦滑榮(ナメリバヘ)　二里三町二十九間半　楠久村大崎　一里二十六町三十九間半〈至二里村一、二十丁一十六間半〉　大里村白幡　九町一十二間半〈至二大里村小屋田一七丁五十一間半〉　同有田川口　三十二町二十一間　伊万里町〈至二下町一一丁三十三間〉　一里一十三町三十三間半　喜須村瀬戸〈歴二早利新田一至二北濱一、〉徑測八丁二十九半　一里一十一町一十二間　同北濱　二十四町二間半　小黒川浦〈至二小黒川村宿所一三丁五間、北極高三十三度一十九分半、〉　一里三十四町二十五間　煤屋村黒上岬〈黒上山廻三丁四十四間半〉　一里一十六町三十七間半　辻村畑津浦三十三度二十三分　二里五町二十九間半　杉野浦〈至二唐津坊主町一二里一十三間〉　一里二十一町三十三間半　滿越村〈蓑場山廻二丁二十六間〉　一里三十五町一十六間半　田野村〈至二梅崎村一徑測二十三丁一十五間〉　五町四十間半　同高串浦、三十三度二十六分　二里七町三十二間半　星賀村濱、〈至二星賀村宿所一五丁五十二間〉三十三度二十六分半、二里二十七町四十四間　納所村大崎　二十九町四間　同京泊浦　一里九町四十四間　梅崎村　三十一町五十六間半　牟形村大串新田　一里一十六町一十七間　假屋村十倉〈至二大薗村一徑測三丁四十間〉　三町三十四間　假屋浦、三十三度二十八分半、三十三町四十七間半　大薗村　二里三十町九間〈至二値賀崎一一里三十二丁二間〉　今村濱、〈至二今村宿所一三丁五十四間、〉　三十三度三十分、一里二

p.1075 十三町二十八間〈至二串崎一一里二丁四十三間〉　名古屋村串ノ浦　一里一十三町五十六間　波戸村〈波戸岬廻一十二丁四十六間〉　一里六町五十間〈至二藻崎一八丁一十二間半〉　名古屋浦　一十八町一十二間　名古屋村野本川　五町二十一間半　同野本　一里三町四十二間　横竹村〈至二呼子浦江頭川一徑測一十五丁七間〉　二十六町五十五間〈至二トウジカ浦一一十丁一十五間〉　呼子浦江頭川口　五町四十八間　同浦町　四町一十五間　同中町、三十三度三十二分半、二里三十四町四十六間　湊村　二里九町五十間　佐志村〈至二街道一六丁五十一間〉　三十五町一十五間半〈至二妙見浦一一十八丁二十七間〉　唐津西濱　一十三町二十九間半　唐津松浦川口　九町三十九間半　滿島(ミツシマ)虹ケ濱　三十四町一十九間半　濱崎村虹ケ濱　一十四町二十三間半　淵上村玉島川口　二十九町一十二間〈至二國界一一十八丁六間〉　筑前國怡土郡鹿家村小畠

宿驛

〔延喜式〕

〈二十八兵部〉

p.1075 諸國驛傳馬〈◯中略〉　肥前國驛馬〈基肄十疋切山、佐嘉、高來、磐氷、大村、賀周、逢鹿、登望、杵島、鹽田、新分、船越、山田、野鳥各五疋、〉傳馬〈基肄驛五疋〉

〔肥前風土記〕

〈松浦郡〉

p.1075 逢鹿驛(○○○)〈在二郡西北一〉　曩者氣長足姫尊〈◯神功〉欲レ征二伐新羅一行幸時、於二此道路一有レ鹿遇之、因名一遇鹿驛一、〈◯中略〉　登望驛(○○○)〈在二郡西一〉　昔者氣長足姫尊、致二於此處一、留爲二雄裝一、御臂之鞆落二此村一、因號二鞆驛一、

建置沿革

〔日本國郡沿革考〕

〈三西海道〉

p.1075 肥前　古火國、分爲二前後一、未レ詳レ在二何時一、〈火前國之名、巳見二神功紀一、〉景行十八年、天皇至二此國一、遙見二火光一、尋二其處一不レ得、乃知レ非二人火一、以名レ國、上國、管十一郡、千四百村、　基肄〈二十二村　延喜式、拾芥抄作二基肆一、〉　養父〈二十三村〉　三根〈四十八村　雄略紀嶺縣、即此地〉　神崎〈百九村〉　佐嘉〈百七十二村〉小城〈百四十四村古國府〉　松浦〈四百八十六村　古梅豆羅國、古事記、國造記作二末羅一、◯中略〉　杵島〈百十四村　萬葉集耆資態、即此地、肥前地志曰、吉志麻、後世曰二吉志見一、〉　藤津〈七十九村　古葛　津立國、見二國造記一、〉　高來〈百十二村　景行紀高來縣、即是、〉　値嘉(チカ)島〈古事記作二知訶島一、日本紀作二血鹿島一、萬葉集作二知可一、釋日本紀引二風土紀一云、勅云、此島雖二遠見一猶如レ近、可レ謂二近島一、因曰二値嘉一、或曰一百餘近島或八十餘近島、貞觀十八年三月、松浦郡庇羅、〉

p.1076 〈値嘉兩郷、更建二二郡一、號二上近下近一、置二値嘉島一後廢、未レ詳レ在二何時一、　本居宣長曰、今五島平戸等之地、庇羅即平戸、〉

〔日本地誌提要〕

〈六十九肥前〉

p.1076 沿革　古ヘ國府ヲ佐賀郡ニ置、〈遣址今久知井(クチヰ)村ニアリ〉嘉祿ノ初、鎌倉將軍頼經、少貳氏ヲシテ州事ヲ管セシム、足利尊氏ノ反スル、少貳貞經等之ニ屬ス、肥後ノ菊池武重、獨リ勤王ノ師ヲ起シ、州ノ豪族有馬〈高來郡〉大村〈彼杵郡〉二氏等之ニ應ズ、又千葉胤貞下總ヨリ來テ小城郡ヲ領シ、皆征西將軍ノ節度ヲ受ク、正平中、菊池武光盡ク全州ヲ徇フ、南朝因テ守護ヲ兼領セシム、建徳ノ初ヨリ、足利義滿、今川貞世大内義弘等ヲ遣テ、九州探題トナシ、菊池氏ヲ擊タシム、州内望族松浦諸黨首トシテ之ニ附シ、千葉大村諸氏皆之ニ降ル、應永三年、澀川滿頼九州探題トナリ、綾部城ニ居リ、〈養父郡〉本州ヲ管ス、正長元年、其從子滿直之ニ代リ、子教直ニ傳フ、文明中、教直卒シ、嫡孫萬壽立、猶幼ナリ、少貳政資之ヲ逐ヒ、綾部城ヲ取ル、明應六年、政資大内義興ニ敗ラレ、奔テ多久城〈小城郡〉ニ據リ、終ニ自殺ス、九年、澀川教直ノ孫尹繁(タヾシケ)探題ニ補シ、勝尾城〈基肄郡〉ニ居ル、少貳資元〈政資ノ子〉大友政親ノ婿トナリ、恢復ヲ圖リ、遂ニ義興ト和シ、州守ニ任ズ、天文ノ初、澀川義長〈尹繁ノ子〉園部城〈基肄郡〉ニ居リ、委靡振ハズ、資元ト相合シ、大内氏ト戰ヒ、義長敗死シ、資元和ヲ講ズ、是ヨリ先、千葉氏稍強大ニシテ、小城佐賀杵島三郡ヲ領ス、後分レテ二流トナリ、互ニ相鬩グ、少貳冬尚〈資元ノ子〉ノ弟胤頼、千葉喜胤ノ嗣トナリ、小城ニ居リ、同族胤連ト兵ヲ構フ、永祿二年、佐賀ノ龍造寺隆信、胤連ヲ援ケ、冬尚、胤頼ヲ擊テ之ヲ殺シ、遂ニ州東七郡ヲ取リ、佐賀城ニ居リ、聲威日ニ振フ、平戸ノ松浦隆信、岸嶽(キシガタケ)ノ波多親(ハタシタシ)等、皆款ヲ送ル、有馬義直四郡ヲ領シ、〈高來、藤津、彼杵、杵島、〉獨リ之ニ抗ス、天正五年、龍造寺隆信ト戰テ大ニ敗レ、義直僅ニ高來一郡ヲ保ツ、隆信遂ニ筑後ヲ略シ、肥後ニ入ル、十二年、隆信、島津氏ト戰テ敗死ス、子政家不肖ナリ、其臣鍋島直茂代テ事ヲ視ル、十五年、豐臣秀吉西征シ、政家ニ舊領七郡ヲ賜ヒ、有馬晴信、〈高來郡日野江〉大村嘉前、〈彼杵郡大村〉松浦鎭(シゲ)信、〈松浦郡平戸〉波多親、〈同郡岸嶽〉五島純玄(ハル)〈同郡福江〉等、封邑ヲ領スル故ノ如シ、政家尋テ封ヲ鍋島直茂ニ讓ル、文祿ノ初、秀吉

p.1077 征韓ノ師ヲ興シ、行臺ヲ名護屋〈松浦郡〉ニ築キ、大ニ海内ノ侯伯ヲ會ス、波多親罪ヲ獲テ收封セラレ、寺澤廣高之ニ代リ、徙テ唐津ニ治ス、關原ノ役鍋島直茂款ヲ東軍ニ納レ、故封ヲ保チ、〈佐賀三拾萬石〉世襲、其支封ヲ小城、〈直茂ノ子勝茂第二子元茂〉蓮池、〈勝茂第三子直澄〉鹿島〈直茂第四直朝〉トス、大村嘉前、松浦鎭信、五島玄雅、〈純玄ノ子〉亦皆西軍ニ屬セズ、封疆舊ニ仍ル、元和ノ初、有馬直純〈晴信ノ子〉日向ニ徙シ、板倉重政ヲ島原ニ封ズ、〈後松平忠恕〉正保中、唐津ノ寺澤堅高、狂疾ヲ以テ國除シ、後易封數氏、最後ニ小笠原長昌ヲ封ズ、元祿二年、松浦棟(タカシ)〈鎭信ノ曾孫〉其弟昌(マサシ)ニ新田壹萬石ヲ分ツ、凡十藩、徳川氏長崎奉行ヲ置キ、外國通商ノ事ヲ管ス、王政革新、長崎府ヲ置、既ニシテ皆廢シテ縣トシ、又合併シテ長崎、伊萬里、二縣トシ、後伊萬里ヲ徙シテ、更ニ佐賀縣ヲ置、

〔先代舊事本紀〕

〈十國造〉

p.1077 松津國造　難波高津朝〈◯仁徳〉御世、物部連祖伊香色雄命孫金連定二賜國造一、

〔國造本紀考〕

〈五〉

p.1077 松津は、肥前國の地名なるべけれど、いまだ考得ず、〈度會延佳云、松津は杵肄の誤にて、肥前國基肄郡乎とあれど、姓氏録に松津首と云あり、其を上田百樹が按に、津は浦の誤にて、松浦首なるべし、和名抄肥前國松浦郡萬豆良これなり、国造本紀に、松津とあるも同じく誤也、さて彼本紀に、松浦末羅國造あり、されども如レ此同國造を二つ擧たる例もあり、内山氏もまた杵肄の誤也と云れたるは、共に誤也といへるを、信友云く、百木主の説諾ひがたし、其は國造本紀にも、又拾芥抄、また姓氏録の諸異本どもにも、松津とあれば、誤とは思はれず、分類年代記に、松津神鏡宮也、肥前國號二松浦明神一、仲哀天皇弟稚武王也とあり、思ふに松浦の内の一區なるべし、猶松浦明神の在所、また以前社地などあらむには、考知らるべしとあり、後に熟考べき事也、〉

〔先代舊事本紀〕

〈十國造〉

p.1077 末羅國造　志賀高穴穗朝〈◯成務〉御世、穗積臣同祖大水口足尼孫矢田稻吉定二賜國造一、〈◯中略〉　葛津立國造　志賀高穴穗朝〈◯成務〉御世、紀直同祖大名草彦命兒若彦命定二賜國造一、

〔鼇頭舊事紀〕

〈十〉

p.1077 葛津立國造　今肥前國藤津郡

〔續日本紀〕

〈十九孝謙〉

p.1078 天平勝寶六年四月庚午、外從五位下黄文連水分爲二肥前守一、

〔松浦系圖〕

p.1078 興榮〈松浦肥前守〉　爲二肥前國務一、國之一列之諸士、來勤二平戸一云々、此時鑿二城湟一、到レ今謂二肥前堀一、國司興榮是也、

〔肥陽軍記〕

〈二〉

p.1078 隆信公繼村中正統事　一天文十七年三月廿二日、龍造寺の正統豐前守胤榮公卒去せらる、〈法名堅譽葬二無量寺一〉此の人大内氏の吹擧により、肥前國の守護代にほせられ、五千町を加封し、人普く仰ぎ申せし也、其簾中は故家門公の御娘也、姫一人おはして世を繼ぎ給ふべき男子なかりき、是によつて長臣小川筑後守と、龍造寺播磨守など相議し、還俗の君を以、龍造寺の嫡流を繼がせ申べしとて、則迎かへとり申、胤榮公の後婦人にあはせまひらせ、御家督とぞ仰ぎ奉ける、同十八年、大内義隆に加冠をこふて龍造寺山城守隆信公と申、

〔肥陽軍記〕

〈四〉

p.1078 信生公家業御相續御心遣之事　一天正十二年三月廿四日、島原の御陣やぶれ、五州二島之太守龍造寺山城守藤原隆信公、五十七歳にして御戰死有しかば、〈◯中略〉御嫡民部大夫政家公佐賀城にまし〳〵ければ、諸侍の拜趨もありしにかヽはらず、先君の御舍弟龍造寺長信、同信周、江上家種、後藤家信、龍造寺家晴、以下御一家歴々補佐し奉り給ふ、かヽりしか共尫弱の事上下に交り、薩州より近日よせ來るべしなど云沙汰して、周章するやからも多かりけり、〈◯中略〉かくて薩州とは御和平有けるが、天正十五年、關白豐臣家九州入御の時、政家公、信生公、高良山に御在陣有、則先陣を被二仰付一、薩州に入て舊怨をむくひ給ふ、其後政家公御病氣故、天下の御官仕不レ叶、小早川殿を以鍋島加州太守直茂公に〈信生公なり〉御家を御相續あるべきよし御訴訟有、殿下聞召入られ、政家公は久保田へ御隱居まし〳〵けり、つらつら往時を思ふに、藤原の季喜西國御下向より、五百餘回をへて國司とならせ給ふ、是より鍋島

p.1079 の御家に相續せられて、松の葉のちりうせず、まさきのかづらながくつたへなば、幾代の春秋をむかへさせ給ひなんと、萬民いはひ奉る、

〔川角太閤記〕

〈三〉

p.1079 一肥前は、鍋島加賀守居城に被レ遣候、

國府

〔倭名類聚抄〕

〈五國郡〉

p.1079 肥前國〈◯中略〉小城〈乎岐、國府、〉

〔伊呂波字類抄〕

〈比國郡〉

p.1079 肥前國〈◯中略〉佐嘉〈サカ、國府、〉

〔大日本史〕

〈國郡三十一肥前〉

p.1079 按今佐嘉郡國分村有二府中地一、而和名鈔云、在二小城郡一、蓋初置一佐嘉郡一、後徙二小城郡一也、

郡

〔倭名類聚抄〕

〈五國郡〉

p.1079 肥前國、管十一、〈◯註略〉基肄　養父〈夜不〉三根〈岑〉神埼〈加無佐木〉佐嘉　小城〈乎岐、國府、〉松浦〈萬豆良〉杵島〈岐志萬〉藤津〈布知豆〉彼杵〈曾乃杵〉高木〈多加久〉

〔延喜式〕

〈二十二民部〉

p.1079 肥前國、上、〈管　基肄(キイ)　養父(ヤフ)　三根(ミネ)　神埼(カムサキ)　佐嘉(サカ)　小城(ヲキ)　松浦(マツラ)　杵島(キシマ)　藤津(フヂツ)　彼杵(ソノキ)　高來(タカク)◯中略〉　右爲二遠國一、

〔皇國郡名志〕

p.1079 肥前國〈十一郡〉　基肄(キイ)　〈二ケ村　筑界小郡〉　養父(ヤフ)　〈中原外二ケ村　筑界小郡〉　三根(ミ子)　〈三ケ村　國中小郡〉　神崎(カンサキ)　〈＜蓮池外二ケ村　筑後川ニ添テ小郡〉　佐嘉(サカ)　〈佐賀　外二ケ村　東海ニ向〉　小城(ヲキ)　〈●牛津外一村　以上六郡一處ニ有、各小郡也、佐賀ニ並〉　杵島(キシマ)　〈●園木　●塚崎　東ノ入江ヨリ北ノ入江ニ貫〉　松浦(マツラ)　〈唐津　●大川原　＜名古ヤ　●志佐　＜田中　平戸　●丸サウ泊　五島　福江　●トミヱ〉　〈平戸ハ一島也、五島ハ東島、西島、奈留島、瓢島、福江也、唐津地ハ筑界ヨリ北海ニ出張、田平ノ地ハ唐津ト入江ヲ離テ平戸ニ向、〉　藤津(フチツ)　〈●加島　東海〉　彼杵(ソノキ)　〈●嬉野　大村　●長井　●大浦　●野母　＜長崎　西海ニ向テ南張出ス〉　高來(タカキ)　〈島原　＜諫早　●轟　●水月　早サキ　陸續ニテ一方口如島ノ東ニ張出ス〉　

p.1080 ◯按ズルニ、本書及ビ次下ノ郡名異同一覽ノ符號ハ、山城國篇郡條ニ引ク所ノ、二書ノ凡例ヲ參照スベシ、

〔郡名異同一覽〕

p.1080 肥前

基肄郡

〔肥前風土記〕

p.1082 基肄郡　郷陸所、〈里七十〉驛壹所、〈小路〉　昔者纏向日代宮御宇天皇〈◯景行〉巡狩之時、御二筑紫國御井郡高羅之行宮一、遊二覽國内一、霧覆二基肄之山一、天皇勅曰、彼國可レ謂二霧之國一、後人改號二其基肄國一、今以爲二郡名一、

〔地名字音轉用例〕

p.1082 韻ノ音ノ字ヲ添ヘタル例　き　基肄〈肥前郡〉　肄音イ也

〔續日本紀〕

〈一文武〉

p.1082 二年五月甲申、令三太宰府繕二治大野、基肄(○○)、鞠智三城一、

〔日本紀略〕

〈嵯峨〉

p.1082 弘仁四年三月辛未、太宰府言、肥前國司今月四日解偁、基肄團校尉貞弓等、去二月廿九日解偁、新羅一百十人、駕二五艘船一著二小近島一、與二土民一相戰、即打二殺九人一、捕二獲一百一人一者、〈◯下略〉

〔三代實録〕

〈十三清和〉

p.1082 貞觀八年七月十五日丁巳、太宰府馳驛奏言、肥前國基肄郡人川邊豐稻告、同郡擬大領山春永語二豐穗一云、與二新羅人珍賓長一、共渡二入新羅國一、教下造二兵弩器械一之術上、還來將レ擊二取對馬島一、〈◯下略〉

養父郡

〔肥前風土記〕

p.1082 養父郡　郷肆所、〈里一十二〉烽壹所、　昔者纏向日代宮御宇天皇〈◯景行〉巡狩之時、此郡佰姓、擧レ部參集、御狗出而吠レ之、於レ此有二一産婦一臨見、御狗即吠止、因曰二犬聲止國一、於レ此訛謂二養父郡一也、

〔續日本後紀〕

〈十八仁明〉

p.1082 嘉祥元年八月壬辰、肥前國養父郡人太宰少典從八位上筑紫公文公貞直、兄豐後大目大初位下筑紫公文公貞雄等、賜二姓忠世宿禰一、貫二附左京六條三坊一、

三根郡

〔肥前風土記〕

p.1082 三根郡　郷陸所、〈里十七〉驛壹所、〈小路〉　昔者此郡與二神崎郡一、合爲二一郡一、然海部直島、請レ分二三根郡一、即縁二神崎郡三根村之名一、以爲二郡名一、

〔日本書紀〕

〈十四雄略〉

p.1082 十年九月戊子、身狹村主青將二呉所レ獻二鵝一到二於筑紫一、是鵝爲二水間君犬一所レ嚙死、〈別本云、是鵝爲二筑紫嶺(○)縣主泥麻呂犬一所レ嚙死、〉

神埼郡

〔肥前風土記〕

p.1082 神埼郡　郷玖所、〈里二十六〉驛壹所、寺壹所、〈僧寺〉　

p.1083 昔者此郡有二荒神一、往來之人多被二殺害一、纏向日代宮御宇天皇〈◯景行〉巡狩之時、此神和平、自レ爾以來無二更有一レ悚因曰二神埼郡一、

〔大内家壁書〕

p.1083 從二山口一於二御分國中一行程日數事〈◯中略〉　肥前國　神崎郡八日請文廿一日〈◯中略〉　寛正二年六月廿九日　備中守〈奉〉秀明〈◯下略〉

佐嘉郡

〔肥前風土記〕

p.1083 佐嘉郡　郷陸所、〈里十九〉驛壹所、寺壹所、　昔者樟樹一株、生二於此村一、幹枝秀高、莖繁茂、朝日之影、蔽二杵島郡蒲川山一、暮日之影、蔽二養父郡草横山一也、日本武尊巡幸之時、御二覽樟茂榮一曰、此國可レ謂二榮國一、因曰二榮郡一、後改號二佐嘉郡一、一云、郡西有レ川、名曰二佐嘉川一、年魚有之、其源出二郡北山一、南流入レ海、山川上有二荒神一、往來之人、半生半殺、於レ玆縣主等祖大荒田、占問、于レ時有二土蜘蛛大山田女、狹山田女一、二女子云、取二下田村之土一、作二人形馬形一、祭二祀此神一、必在二應和一、大荒田即隨二其辭一祭二此神一、神歆二此祭一遂應和之、於レ玆大荒田云、此婦如レ是實賢女、故以二賢女一欲レ爲二國名一、因曰二賢女郡一、今謂二佐嘉郡一訛也、

〔日本靈異記〕

〈下〉

p.1083 産二生肉團一之作二女子一修レ善化レ人縁第十九　大安寺僧戒明大徳、任二彼竺紫國府大國師一之時、寶龜七八箇年比頃、肥前國佐賀郡(○○○)大領正七位上佐賀君兒公、設二安居會一、請二戒明法師一令レ講二八十花嚴一、〈◯下略〉

小城郡

〔肥前風土記〕

p.1083 小城郡　郷漆所、〈里二十〉驛壹所、烽壹所、　昔者此村有二土蜘蛛一、造レ堡隱レ之、不レ從二皇命一、日本武尊巡幸之日、皆悉誅之、因號二小城郡一、

松浦郡/下松浦郡

〔肥前風土記〕

p.1083 松浦郡　郷壹拾壹所、〈里二十六〉驛伍所、烽捌所、　昔者氣長足姫尊、〈◯神功〉欲レ征二伐新羅一、行二於此郡一、而進二食於玉島小河之側一、於レ玆皇后勾レ針爲レ鈎、飯粒爲レ 、裳絲爲レ緡、登二河中之石上一、捧レ鈎祝曰、朕欲下征二伐新羅一求中彼財寶上、其事功成凱旋者、細鱗之魚呑二朕鈎緡一、既

p.1084 而投レ鈎、片時果得二其魚一、皇后曰、甚希見物、〈希見謂二梅豆羅志一〉因曰二希見國一、今訛謂二松浦郡一、所以此國婦女、孟夏四月常以レ針釣二年魚一、男夫羅レ釣不レ能レ羅之、

〔日本書紀〕

〈九神功〉

p.1084 四月〈◯仲哀九年〉甲辰、北到二火前國松浦縣一而進二食於玉島里小河之側一、於レ是皇后〈◯神功〉勾レ針爲レ鈎、取レ粒爲レ餌、抽二取裳糸一爲レ緡、登二河中石上一而投レ鈎、祈之曰、朕西欲レ求二財國一、若有二成事一者、河魚飮レ鈎、因以擧レ竿、乃獲二細鱗魚一、時皇后曰、希見物也、〈希見、此云二梅豆邏志一、〉故時人號二其處一曰二梅豆羅國一、今謂二松浦一訛焉、是以其國女人、毎レ當二四月上旬一、以レ鈎投二河中一、捕二年魚一、於レ今不レ絶、唯男夫雖レ釣、以不レ能レ獲レ魚、

〔海東諸國記〕

p.1084 肥前州　州有二上下松浦一、海賊所レ處、前朝之季、寇二我邊一者、松浦與二一岐對馬之人一率多、又有二五島一、〈或稱二五多島一〉日本人往二中國一者、得レ風之地、

〔續日本紀〕

〈十三聖武〉

p.1084 天平十二年十一月戊子、大將軍東人等言、以二今月一日一、於二肥前國松浦郡一斬二廣嗣綱手一已訖、〈◯下略〉

〔續日本紀〕

〈三十四光仁〉

p.1084 寶龜七年閏八月庚寅、先レ是遣唐使船、到二肥前國松浦郡合蠶田浦一、積レ月餘レ日、不レ得二信風一、既入二秋節一、彌違二水候一、乃引二還於博多大津一、〈◯下略〉

〔續日本紀〕

〈三十五光仁〉

p.1084 寶龜九年十月乙未、遣唐使第三船到二泊肥前國松浦郡橘浦一、〈◯下略〉

〔萬葉集〕

〈五雜歌〉

p.1084 遊二於松浦河一序　余〈◯山上憶良〉以下暫往二松浦之縣(○○○○)一逍遙上聊臨二玉島之潭一遊覽、忽値二釣魚女子等一也、花容無レ雙、光儀無レ匹、開二柳葉於眉中一、發二桃花於頰上一、意氣凌レ雲、風流絶世、〈◯中略〉遂申二懷抱一、因贈二詠歌一曰、　阿佐里須流(アサリスル)、阿末能古等母等(アマノコトモト)、比得波伊倍騰(ヒトハイヘド)、美流爾之良延奴(ミルニシラエヌ)、有麻必等能古等(アマビトノコト)、

〔日本靈異記〕

〈下〉

p.1084 假二官勢一非理爲レ政得二惡報一縁第卅五　白壁天皇〈◯光仁〉之世、筑紫肥前國松浦郡人火君之氏、忽然死、而至二琰广國一時、王校レ之不レ合二死期一、故更敢返〈◯下略〉

〔松浦系圖〕

p.1085 綱――――久〈松浦源大夫判官　松浦祖、始住二肥前國下松浦郡(○○○○)一、<br/>遂爲レ氏、〉

杵島郡

〔肥前風土記〕

p.1085 杵島郡　郷肆所、〈里一十三〉驛壹所、　昔者纏向日代宮御宇天皇〈◯景行〉巡幸之時、御船泊二此郡磐田杵之村一、于レ時從二船戕戨之穴一洽水自出、〈一云船泊之處〉自成二一島一、天皇御覽詔二群臣等一曰、此郡可レ謂二戕戨島郡一、今謂二杵島郡一訛之也、郡西有二湯泉出之巖一、岸峻極人跡罕及也、

〔日本書紀〕

〈七景行〉

p.1085 十八年七月甲午、到二筑紫後國御木一、居二於高田行宮一、時有二僵樹一、長九百七十丈焉、〈◯中略〉爰天皇問之曰、是何樹也、有二一老夫一曰、是樹者歴木也、嘗未レ僵之先、當二朝日暉一、則隱二杵島山(○○○)一當二夕日暉一、覆二阿蘇山一也、

〔萬葉集抄〕

〈三〉

p.1085 肥前國風土記、〈◯中略〉杵島郡縣南二里、有二一孤山一、從レ坤指レ艮、三峯相連、是名曰二杵島一、坤者曰二比古神一、中者曰二比賣神一、艮者曰二御子神一、〈一名軍神動則兵興矣〉郷閭士女、提レ酒抱レ琴、毎レ歳春秋携レ手登望、樂飮歌舞、曲盡而歸、歌詞云、阿羅禮符縷(アラレフル)、耆資熊加多塏塢(キシマガタケヲ)、嵯峨紫彌苫(サカシミト)、區縒刀理我泥底(クサトリカネテ)、伊母我提塢刀縷(イモガテヲトル)、〈是杵島曲〉

〔三代實録〕

〈十八清和〉

p.1085 貞觀十二年六月十三日甲午、先レ是太宰府言、肥前國杵島郡兵庫震動、鼔鳴二聲、決二之耆龜一、可レ警二隣兵一、

〔公卿補任〕

〈六條〉

p.1085 仁安二年　〈前太政大臣〉從一位平清盛〈五月十七日上表、辭二太政大臣并兵仗一、（中略）肥前國杵島郡（中略）等、爲二大功田一傳二子孫一、〉

藤津郡

〔肥前風土記〕

p.1085 藤津郡　郷肆所、〈里九〉驛壹所、烽壹所、　昔者日本武尊巡幸之時、到二於此津一、日沒二西山一、御船泊之明旦遊覽、繫レ船覽二於大藤一、因曰二藤津郡一、

〔三代實録〕

〈十三清和〉

p.1085 貞觀八年七月十五日丁巳、太宰府馳驛奏言、肥前國基肄郡人川邊豐稻告、同郡擬大領山春永語二豐穗一云、與二新羅人珍賓長一共渡二入新羅國一、教下造二兵弩器械一之術上、還來將レ擊二取對馬島一、藤津郡領葛津貞津〈◯中略〉等、是同謀者也、仍副二射手四十五人名簿一進之、

彼杵郡

〔肥前風土記〕

p.1086 彼杵郡　郷肆所、〈里四〉驛貳所、烽參所、　昔者纏向日代宮御宇天皇〈◯景行〉誅二滅球磨噌唹一之時、天皇在二豐前國宇佐海濱行宮一、勅二陪從神代直一、遣二此郡速來村一、捕二土蜘蛛一、於レ玆有レ人名曰二速來津姫一、此婦女申云、妾弟名曰二健津三間一、往二健村之里一、此人有二美玉一、名曰二石上神之木蓮子玉一、愛而固藏不レ肯レ示レ他、神代直尋覔レ之、超レ山逃走落二石岑一、〈郡以北之山〉即遂及二捕獲一、推二問虚實一、健三間云、實有二二色之玉一、一者曰二石上神木蓮子玉一、一者曰二白珠一、雖レ比二䃤砆一、願以獻之、亦申云、有レ人名曰二箆簗一、住二川岸之村一、此人有二美玉一、愛レ之固秘、定無レ服レ命、於レ玆神代直迫而捕獲間之、箆簗云、實有之、以貢二於御一不二敢愛惜一、神代直捧二此三色之玉一、還獻二於御一、于レ時天皇勅曰、此國可レ謂二具足玉國一、今謂二彼杵郡一、訛之也、

〔三代實録〕

〈十三清和〉

p.1086 貞觀八年七月十五日丁巳、太宰府馳驛奏言、肥前國基肄郡人川邊豐稻告、同郡擬大領山春永、語二豐穗一云、〈◯中略〉將レ擊二取對馬島一、〈◯中略〉彼杵郡人永岡藤津等、是同謀者也、仍副二射手四十五人名簿一進レ之、

高來郡

〔肥前風土記〕

p.1086 高來郡　郷玖所、〈里二十一〉驛肆所、烽伍所、　昔者纏向日代宮御宇天皇〈◯景行〉在二肥後國玉名郡長渚濱之行宮一、覽二此郡山一曰、彼山之形、似二於別島一、屬レ陸之山歟、別在之島歟、朕欲レ知之、仍勅二神大野宿禰一遣レ看レ之、往二到此郡一、爰有レ人迎來曰、僕者此山神、名高來津座、聞二天皇使之來一奉レ迎而已、因曰二高來郡一、

〔日本書紀〕

〈七景行〉

p.1086 十八年六月癸亥、自二高來縣一渡二玉杵名邑一、時殺二其處之土蜘蛛津頰一焉、

〔三代實録〕

〈十三清和〉

p.1086 貞觀八年七月十五日丁巳、太宰府馳驛奏言、肥前國基肄郡人川邊豐稻告、同郡擬大領山春永語二豐穗一云、〈◯中略〉將レ擊二取對馬島一、〈◯中略〉高來郡擬大領大刀主〈◯中略〉等、是同謀者也、仍副二射手四十五人名簿一進之、

郷

〔倭名類聚抄〕

〈九肥前國〉

p.1086 基肄郡　姫社　山田　基肄〈木伊〉川上　長谷　

p.1087 養父郡　狹山　屋田　養父〈也布〉鳥栖〈止須〉　三根郡　千栗　物部　米多〈女多〉財部　葛木〈加都良木〉　神埼郡　蒲田〈加萬多〉三根〈美禰〉神埼〈加無佐岐〉宮所〈美也止古呂〉　佐嘉郡　城埼〈木佐岐〉巨勢　深溝〈布加無曾◯此郷次、高山寺本有二防所郷一、〉小津〈乎都〉山田〈也萬多〉　小城郡　川上〈加波加美〉甕調〈美加都岐〉高來〈多久〉伴部〈止毛〉　松浦郡　庇羅　大沼〈於保奴〉値嘉〈知加〉生佐〈伊岐佐〉久利　杵島郡　多駄　杵島〈木之萬〉能伊　島見〈志萬美〉　藤津郡　鹽田〈之保多〉能美　彼杵郡　大村〈於保無良〉彼杵〈曾乃木〉　高來郡　山田〈也萬多〉新居〈爾比井〉神代〈加無之呂〉野鳥〈乃止利〉

〔肥前風土記〕

〈基肄郡〉

p.1087 姫社郷(○○○)　此郷之中有レ川、名曰二山途川一、其源出二郡北一、山南流而會二御井大川一、昔者此門之西有二荒神一、行路之人、多被二殺害一、半凌半殺、于レ時卜二求祟由一、兆云、令下筑前國宗像郡人珂是胡一祭中吾社上、若合レ願者、不レ起二荒心一、覓二珂是古一、令レ祭二神社一、珂是古即捧レ幡祈禱云、誠有レ欲二吾祀一者、此播順レ風飛往墮二願レ吾之神邊一、使二即擧レ幡順レ風放遣一、于レ時其幡飛往、墮二於御原郡姫社之社一、更還飛來二落此山途川邊之田村一、珂是古自知二神之在一、家其夜夢見、臥レ機〈謂二久那毘枳一〉絡 〈謂二多多利一〉僲、遊出來壓二驚珂是古一、於レ是亦織女神即立レ社祭之、自レ爾巳來行レ路之人不レ被二殺害一、因曰二姫社一、今以爲二郷名一、

〔肥前風土記〕

〈養父郡〉

p.1087 鳥樔郷(○○○)〈在二郡東一〉　昔者輕島明宮御宇譽田天皇〈◯應神〉之世、造二鳥屋於此郷一、取二聚雜鳥一、養馴貢二上朝廷一、因曰二鳥屋郷一、後人改曰二鳥樔郷一、　

p.1088 曰理郷(○○○)〈在二郡南一〉　昔者筑後國御井川渡瀬甚廣、人畜難レ渡、於レ玆纏向日代宮御宇天皇〈◯景行〉巡狩之時、就二生葉山一爲二船山一、就二高羅山一爲二梶山一、造二備船一漕二渡人物一、因曰二曰理郷一、　狹山郷(○○○)〈在二郡南一〉　同天皇行幸之時、在二此山行宮一、徘徊曰、望二四方一分明、因曰二分明村一、〈分明謂二佐夜氣志一〉今訛謂二狹山郷一、

〔肥前風土記〕

〈三根郡〉

p.1088 物部郷(○○○)在二郡南一　此郷之中有二神社一、名曰二物部經津主之神一、曩者小墾田宮御宇豐御食炊屋姫天皇〈◯推古〉令二來目皇子一爲二將軍一、遣レ征二伐新羅一、于レ時皇子奉レ勅到二於筑紫一、乃遣二物部若宮部一立二社於此村一、鎭二祭其神一、因曰二物部郷一、漢部郷(○○○)〈在二郡南一〉　昔者來目皇子爲レ征二伐新羅一、勅二忍海漢人一、將來居二此村一、令レ造二兵器一、因曰二漢部郷一、　米多郷(○○○)〈在二郡南一〉　此郷之中有レ井、名曰二米多井一、水味鹹、曩者海藻生二於此井之底一、纏向日代宮御宇天皇〈◯景行〉巡狩之時、御二覽井底海藻一、即勅賜レ名曰二海藻生井一、今訛二米多井一、以爲二郷名一、

〔肥前風土記〕

〈神埼郡〉

p.1088 三根郷(○○○)〈在二郡西一〉　此郷有レ川、其源出二郡北山一、南流入レ海、有二年魚一、同天皇〈◯景行〉行幸之時、御船從二其川瀬一來、御二宿此村一、天皇勅二曰夜素御寢一、甚有二安穩一、此村可レ謂二天皇御寢安村一、因名二御寢一、今改二寢字一爲レ根、　船帆郷(○○○)〈在二郡西一〉　同天皇巡狩之時、諸氏人等、擧落葉船擧レ帆、參二集於三根川津一、供二奉天皇一、因曰二船帆郷一、〈◯中略〉　蒲田郷(○○○)〈在二郡西一〉　同天皇行幸之時、御二宿此郷西一、薦二御膳一之時、蠅甚多鳴、其聲大囂、天皇勅云、蠅聲甚囂、因曰二囂郷一、今謂二蒲

p.1089 田郷一訛也、〈◯中略〉　宮處郷(○○○)〈在二郡西南一〉　同天皇行幸之時、於二此村一奉レ造二行宮一、因曰二宮處郷一、

〔肥前風土記〕

〈藤津郡〉

p.1089 能美郷(○○○)〈在二郡東一〉　昔者纏向日代宮御宇天皇〈◯景行〉行幸之時、此里有二土蜘蛛三人一、〈兄名大白、次名中白、弟名小白、〉此人等造レ堡隱居、拒二皇命一不レ肯二降服一、爾時遣二陪從紀直等祖穉日子一、令二以誅滅一、於レ玆大白等三人、但叩頭陳二己罪過一、共乞三更入二奉主人一、因曰二能美郷一、　託羅郷(○○○)〈在二郡東一臨レ海〉　同天皇行幸之時、到二於此郷一、御覽、海物豐多、勅曰、地勢雖レ少、食物豐足、可レ謂二豐足村一、今謂二託羅郷一、訛之也、

〔肥前風土記〕

〈彼杵郡〉

p.1089 浮穴郷(○○○)〈在二郡北一〉　同天皇〈◯景行〉在二宇佐濱行宮一、詔二神代直一曰、朕歴二巡諸國一、既至二平治一、未レ被二朕治一、有二異徒一乎、神代直奏云、波煙之起村、未二猶被一レ治、即勅レ直遣二此村一、有二土蜘蛛一、名二浮穴沫媛一、捍二皇命一甚無レ禮、即誅之、曰二浮穴郷一、　周賀郷(○○○)〈在二郡西南一〉　昔者氣長足姫尊〈◯神功〉欲レ征二伐新羅一、行幸之時、御船繫二此郷東北之海一、艫舳之戕戨化而爲レ磯、高二十餘丈、周十餘丈、相去十餘町、突出嵯峨草木不レ生、加以倍從之船、遭レ風漂レ波、於レ玆有二土蜘蛛一、名二鬱比袁麻呂一、救二濟其船一、因名曰二救郷一、今謂二周賀郷一訛之也、

〔吾妻鏡〕

〈三十七〉

p.1089 寛元四年三月十三日辛丑、肥前國御家人、安徳三郞右馬允政康所領事、任二舍兄政尚政家之例一、除二所職一再安堵下文之外、私領可レ召二上肥前國三根西郷(○○○○)内刀延名三分一一之由、越前兵庫助奉行、

〔薩藩舊記〕

〈前集十四入來院文書〉

p.1089 澀谷河内入道宗眞申、肥前國三根國郷(○○○○)地頭職事、任二御下文一、沙汰付候也、依レ仰

p.1090 執達如レ件、　建武四年七月十三日　武藏權守〈◯高師直〉在判　宮内少輔太郞入道〈◯一色範氏〉殿

〔深江系圖〕

〈佐賀諸家系圖所收〉

p.1090 貞泰〈安富彌三郞、左近將監、字彦松丸、宗種入道、〉　〈肥前國竹村郷(○○○)之内、肥後國岩崎村、筑後國鷹尾別府等之賜二地頭職一、〉――泰治〈安富岩崎孫三郞字恩房丸〉　〈同（肥前）竹村郷之内荒野、蒲田郷(○○○)之内中島、倉戸郷(○○○)之内藤木、並肥後國岩崎村等之給二地頭職一、元弘三年、博多合戰之抽二軍忠一畢、延文四年八月、於二筑後國大原一屬二菊地武光一討死、〉

〔光淨寺文書〕

〈佐賀文書纂所收〉

p.1090 うりわたしたてまつる肥前國西島郷(○○○)大分名のうち、大分孫三郞入道殿居屋敷きた作壹段壹杖事〈◯中略〉　元弘三年八月二十一日　沙彌唯善〈花押〉

〔深江文書〕

〈佐賀文書纂所收〉

p.1090 雜訴　安富次郞泰重所　有馬彦五郞入道蓮惠與二安富次郞泰重一相論肥前國高來東郷(○○○○)内深江村事　右當莊事、蓮惠雖レ申二子細一、爲二舊領事一之間、不レ及二御沙汰一、可二存知一之状、下知如レ件、　建武元年八月二十九日　左衞門權少尉中原朝臣〈花押〉

〔小代文書〕

〈乾〉

p.1090 今月八日、菊池八郞以下凶徒等、筑後國豐福原打出之間、肥前國野原西郷(○○○○)一方地頭小代八郞次郞兵衞尉經資、屬二侍所手一、抽二合戰忠一候訖、以二此旨一可レ有二御披露一候、恐惶謹言、　建武四年五月十五日　藤原經資　進上　御奉行所

村里/名邑

〔郡名一覽〕

p.1090 一肥前國(御料私領)　〈肥州　南北五日〉　拾壹郡　高五拾七万貳千貳百八拾四石壹斗貳升三合壹勺　千四百拾八ケ村　

p.1091 　●佐賀　〈二百九十里〉　●唐津　〈三百十一里〉　●平戸　〈三百十九里〉　●大村　〈三百五十里〉　●島原　〈三百一里半〉　●五島　〈福江三百九十五里餘〉　◯館山　〈三百十九里平戸新田也〉　◯鹿島　〈三百四十七里〉　◯蓮池　〈三百十三里〉　◯小城　〈三百十三里〉　 富江　〈三百八十八里五島伊賀守〉　 ◯諫早　〈サガ〉諌早豐前　 ◯多久　〈同上一万石〉多久長門　 ◯深堀　〈同上一万石〉鍋島越後　長崎　〈三百五十二里大坂ヘ二百十九里〉　＜同所　＜天草　〈出ハリ三百廿里〉　◯按ズルニ、本書ノ符號ハ、山城國篇村里條ニ引ク所ノ、本書ノ凡例ヲ參照スベシ、

〔郡國提要〕

p.1091 肥前　十一郡、千四百村、　高七十万六千四百七十石七斗二升三合一勺九才六札(御料私領)　基肄郡二十二村　養父郡二十三村　三根郡四十八村　神崎郡百九村　佐嘉百七十二村　小城郡百四十四村　松浦郡四百八十六村　杵島郡百十四村　藤津郡七十九村　彼杵郡九十一村　高來郡百十二村

〔地勢提要〕

〈坤〉

p.1091 郡邑島嶼奇名　肥前　松浦郡、唐房(トウボウ)村、馬部(マノハマリ)村、高野(カウノ)村、唐川(トウノ)村、神田村、養母田(ヤブタ)村、薭田(ヒヱタ)村、府招(フマネキ)村、木留(ツヽミ)村、相知(アウチ)村、箞木(ウツボキ)村、嚴木(キウラギ)村、調川(ツキノカハ)村、星鹿(ホシカ)村、深月(シゲツ)浦、平戸島、田助(タスケ)浦、根獅子(ネシコ)村、五島、小徳賀(ヲジカ)、相河(アイカワ)村、道土肥(ミツトヒ)村、似首(ニタクビ)村、漁生(リヤウセウ)浦、福江(フカヱ)、黄島(ワウ)、久賀(ヒサカ)島、椛(カバ)島、小値賀(ヲジカ)島、宇久(ウク)島、漁生(リヤウセウ)島、〈自二黄島一至二漁生島一總六島屬二五島一〉生屬(イホツキ)島、的山大(アツチオホ)島〈又呼二大島一〉苞(ツト)島、斧落(ヨキオトシ)島、海士泊(アマトマリ)島、上海馬(カミアシカ)島、眞立(マタテ)島、度(タク)島、飯盛(イヽモリ)島、向(ムク)島、馬渡(マタラ)島、加唐(カカラ)島、神集(カンシヽ)島、鯨(ケイ)島、祖父君(ジイキミ)瀬、黒母瀬(クロモセ)、佐嘉郡、八戸(ヤヘ)村、下飯盛(シモイサカヘ)村、上黒外(カミリシケ)村、快万(クハイマン)村、高來郡、遠武(トウタケ)村、深海(フカノミ)村、小豆崎(アヅキザキ)村、諌早(イサハヤ)町、唐須(カラス)村、土黒(ヒチクロ)島、千々石(チヽワ)村、有喜(ウキ)村、久山(クヤマ)村、栗西(クルモ)村、大渡野(ワタノ)村、破籠井(ワリゴ井)村、爲石(タメシ)村、神崎(カンザキ)郡、乙南里(ヲトナリ)村、目達原(メダルハル)村、西石動(ニシイシナヘ)村、上松山(カミユツリハヤマ)村、彼杵(ソノキ)郡、面高(ヲモダカ)村、陌刈平(アゼカリタノラ)村、相神浦(アイノウラ)村、磯津(シツツ)浦、陰尾(カケノラ)島、獨空(ドククウ)島、廉(カト)島、苺(イチコ)島、三根郡、大豆津(マメツ)村、千束(チクリ)村、宋津(サウツ)村、藤津

p.1092 郡、馬渡分(マワタリフ)村、新籠(シンコモリ)村、西葉(サヱク)村、母(ホウカ)浦、音成(オトナシ)浦、養父(ヤブ)郡、幸津(サイツ)村、杵島(キシマ)郡、鳥海(トノミ)村、上瀧(ウハタキ)村、河良(カラ)村、八並(ヤナミ)村、廿路(ハタチ)村、遠江(トウエ)村、大原(ダイバル)村、築切(ツイキリ)村、廻里(メグリ)村、

〔肥前風土記〕

〈松浦郡〉

p.1092 賀周里(○○○)〈在二郡西北一〉　昔者此里有二土蜘蛛一、名曰二海松橿媛一、纏向日代宮御宇天皇〈◯景行〉巡レ國之時、遣二陪從大屋田子一、〈日下部君等祖也〉誅滅時、霞四含不レ見二物色一、因曰二霞里一、今謂二賀周里一訛之也、

〔續日本紀〕

〈十三聖武〉

p.1092 天平十二年十一月丙戌、是日大將軍東人等言、進士无位安倍朝臣黒麿、以二今月二十三日丙子一、捕二獲賊廣嗣於松浦郡値嘉島長野村(○○○)一、詔報、今覽二十月二十九日奏一、知レ捕二得逆賊廣嗣一、其罪顯露、不レ在レ可レ疑、宜二依レ法處決、然後奏聞一、

〔東寺百合古文書〕

〈一〉

p.1092 奉二寄進一　東寺　肥前國彼杵庄日宇村(○○○)内千松寺事　右寺者、當村地頭兵庫助平幸純先祖草創之寺院也、然而覃二於後代一、且爲二檀越之子孫一、且爲二住持之末資一、不レ莫二廢絶之畏一、仍永代奉レ寄二附於東寺一畢、早被レ廻二末寺之眷顧一、被レ扶二寺院之廢絶一、永修二練東寺之密教一、不三猥住二他門之群徒一、〈委細載二別紙一〉奉二寄進一状如レ件、　元弘三年三月廿一日　住持沙門重濟〈花押〉

〈武雄〉

〔後藤文書〕

〈佐賀文書纂所收〉

p.1092 肥前國長島莊中村(○○)一分地頭秦氏女代後藤五郞次郞貞明、爲レ抽二合戰忠勤一、令レ馳二參御方一、候了、以二此旨一可レ有二御披露一候、恐惶謹言、　建武三年三月六日　進上御奉行所　承了〈花押◯高師泰〉

〔深堀系圖證文記録〕

〈二佐賀文書纂所收〉

p.1092 肥前國高木村(○○○)一分地頭深堀三郞五郞時廣申二軍忠一事　今年三月下二給將軍家御教書一、令レ發二向玖珠城一於二三月廿七日一、就レ抽二合戰之忠節一、時廣〈左股骨〉被レ疵畢、此等子細御勘文爲二分明一哉、然早下二給御判一、備二弓箭面目一、向後彌抽二軍忠一、以二此旨一可レ有二御披露一候、恐惶謹言、　

p.1093 建武三年十一月十日　承了判〈重義判也〉

〔太閤記〕

〈十三〉

p.1093 就二高麗陣一掟條々〈◯中略〉　同〈◯文祿元年三月〉廿六日、將軍〈◯豐臣秀吉〉都を立て打せ給ふ、〈◯中略〉卯月五日六日比に行滿ぬ肥前國名護屋(○○○)は、昔年松浦さよ姬がもろこし船をしたひし湊也、此所を旅館と被二相定一、九州勢として拵侍りぬ、

〔西遊雜記〕

〈七〉

p.1093 名古屋(○○○)の地は、北は大海にして朝鮮に相對し、南は山連々として要害の地也、秀吉公朝鮮の御征伐の時、諸侯在陣ありし屋敷跡、今は悉く畑と成て其形なし、しかれども爰かしこに壇取のこりて、むかしを思ふ情あり、

〔佐藤元海九州記行〕

p.1093 長崎(○○)ハ、彼杵郡長崎甚左衞門照威君ガ領セシ、元龜天正ノ頃マデハ、町數五六十ニ過ザリシトゾ、今ハ八十餘町ニテ、石高三千石餘リ、家數一萬千六十五軒、男女五萬二千七百二人アリ、町年寄八人、一丁毎ニ乙名庄屋各一人、組頭二人ヅヽ、御奉行所二箇所、御代官高木氏、居館ハ勝山町ニ在リ、

〔西遊雜記〕

〈六〉

p.1093 佐賀(○○)に至る、神崎より三里、昔時龍造寺隆信の居城ありし城にて、平城ながら要害あしからず見ゆ、外見せしに主圖合結の圖に同じ、市中十八町、六千軒の地と云、草葺の小家も交りて見苦敷町ながら、長々敷一筋の町も有所也、

〔佐藤元海九州記行〕

p.1093 唐津(○○)城ハ、秀吉公ノ築カレタルニテ、石疊ヲ海ニ築出シ、甚ダ堅固確壯ノ城ナリ、町家モ四五千軒モ有ルベシ、頗ル賑ナル所ニ見ユ、城外ニ唐津浦アリ、虹ガ浦トモ稱シテ、勝景ノ地ナリ、東西二里、北ハ朝鮮國ニ對シ、海面ハ玄海灘ニテ、潮水至テ深シ、海濱ハ白沙ノ干潟ナルヲ以テ、日ニ映ジテ極テ奇麗ナリ、並松ノ青々タルト、白沙ト、夕日浪ヲ照ス紅影ト、虹ヲ見ルガ如キヲ以テ名ヲ得タリ、且又巾振山、浮竹山、玉島川、大島山等ノ名所アリ、浮竹山ハ頗ル此邊ノ高山ニテ、北方遙ニ朝鮮ノ山ヲ見ルト云フ、絶景極テ多シ、唐津ヨリ福岡城下ニ行クニハ、十里ノ行程

p.1094 ナリ、此間ニ生野松原ト云フ名所アリ、又末村ニ至ルニハ九里、末村ヨリ太宰府ニ一里半アリ、

〔西遊雜記〕

〈六〉

p.1094 大村(○○)〈ほうこより半里〉此所は豪家も見え、町も商人多し、船人もあしからず、能所と見ゆ、土人の物語には、鎌倉時代より、舊領の地にして、西の方は海上とは云ながらも、凡三十里、島數多く運上金夥しく、東の方地方は七里計、十二三万石の御食地と云り、其故にや武家〈并〉町もよく、領分惡からず、城は通りよりは見えず、土人に尋しかど、委敷は語らず、察る所、館造のかき上の城なるか、旅人は家中へ入る事ならず、城邊は勿論の事也、此地に義大夫といふ豪家ありて、近江より大村の長者と稱して、海濱島々の漁家仕送せし家也、今は昔と違て衰へし事也、此邊の山には水氣有て、思ひよらざる山の頂迄も、田として稻作あり、谷々も水澤山にて、流れ多し、地の利は案外の者にて、愚眼の目利には及がたし、經濟に志ある人、其地々々の地利を見る事肝要なるべし、

莊

〔吾妻鏡〕

〈六〉

p.1094 文治二年二月廿二日庚午、神崎御庄(○○○○)兵粮米事、可二停止一之旨、以二帥中納言一被レ仰二北條殿一之間、今日且任二府宣一、且相二尋子細一、可レ致二沙汰一之由、被レ示二遣天野藤内遠景一、其上被レ申二關東一云云、　廿八日丙子、被レ申二京都一條々、有二其沙汰一治定云云、〈◯中略〉　一肥前國神崎御庄、可レ停二止武士濫行一事、可レ被レ仰二天野藤内遠景之許一者、

〔背振山修學院古文書〕

〈佐賀文書纂所收〉

p.1094 背振山申、肥前國神崎莊内柳島田畠半分事、所レ被二返付一也、存二其旨一可下令二下知一給上之由、被二仰下一候也、仍執達如レ件、　建武元年十二月二十七日　隼人正〈花押〉　謹上　了明禪師庵

〔東寺百合古文書〕

〈五〉

p.1094 最勝光院　注進寺領庄園年貢近年所濟出物等散状事〈◯中略〉　一肥前國松浦庄(○○○)　領家菅三品　

p.1095 本年貢米五十石綾被物一重〈七月講料〉　近年所濟代錢二十貫文、但文永七年以來寄二寺於蒙古人一令レ無二所濟一、而弘安三年十五貫文濟レ之、近年一向無レ之、〈◯中略〉　右就二所見一、注進如レ件、凡近年背二先例一不レ被レ成二返殘於執事公文一間、御年貢濟善事、委不二存知一之、　正中二年三月日　公文左衞門少尉大江〈花押〉

〔高城寺文書〕

〈佐賀文書纂所收〉

p.1095 肥前國河副莊(○○○)内高城寺領米津土居事、被レ帶二綸旨一、入二部于莊家一之間、可レ令二存知一之由承了、此上者不レ可レ有二子細一、且又此子細正地頭殿可二申入一候、謹言、　十月十二日(元弘三)　相明〈花押〉　高城寺方丈

〔高城寺文書〕

〈佐賀文書纂所收〉

p.1095 勅願寺肥前國高城寺領、同國河副南北莊(○○○○○)内、極樂寺免用漆町五段、并江上藥師堂免田壹町、河上仁王講免田五段〈北方分〉米津土居外旱潟荒野壹所〈見四至寄進状等南方分〉事、當二知行一、不レ可レ有二相違一之由、内大臣殿〈◯吉田定房〉御氣色所レ候也、仍執達如レ件、　建武元年十一月十二日　前伯耆守〈花押〉　高城寺方丈

〔後藤家古文書〕

p.1095 肥前國墓崎莊(○○○)梅山以下總領地頭職、赤保院内同撿斷本司職、同國杵島北郷母村、〈號二石次一〉并松浦西郷瀬浦等、後藤又次郞光當二知行一、不レ可レ有二相違一者、天氣如レ此悉レ之、　建武元年五月一日　式部大丞〈花押〉

〔河上山古文書〕

〈二〉

p.1095 花押　肥前國鎭守河上社免田佐賀上莊(○○○○)田地七町内五丁五反、當社座主増惠當二知行一之由被二聞食一畢、任二先例一可レ被レ致二御祈禱一之状如レ件、　

p.1096 建武元年六月十八日　左兵衞尉原清

〔後藤文書〕

〈佐賀文書纂所收〉

p.1096 橘薩摩聖空申、長島莊(○○○)〈◯肥前杵島郡〉内下村田畠等、本物返事帶二沽券状正文一、今月十日以前可二參決一之由、相二觸勇猛寺大進法眼、同寺住僧上座、長田五郞次郞、片峯女房、岩永左衞門入道、并澀江住人五郞四郞等一、可二執進請文一、若不二承引一者、載二起請詞一可レ被二注進一也、仍執達如レ件、　建武元年八月四日　目代〈花押◯源處英〉　塚崎後藤彦三郞殿

〔深堀系圖證文記録〕

〈二佐賀文書纂所收〉

p.1096 大友左近將監〈◯貞載、肥前守護、〉状　肥前國彼杵莊(○○○)南方地頭御代官賢法申、深堀孫太郞入道明意、〈◯時通〉同子息彌五郞〈◯政綱〉已下輩、於二當莊日皮鹿皮村一、致二放火刃傷已下狼藉一由訴状、〈副具書〉如レ此度々被レ仰了、如レ状者、遂二撿見一云々、早相二催彼杵大村太郞〈◯中略〉以下近隣輩一、早莅二彼所一、止二明意等濫妨沙汰一、居二御代官於莊家一、且云二實撿勘文一云二狼藉人等一、不日注進之、且企二參洛一、可二明申一候由、相二觸交名人等一可二執達一、散状之状如レ件、　建武元年十月十七日　左近將監　守護代

〔深堀系圖證文記録〕

〈二佐賀文書纂所收〉

p.1096 和與　肥前國彼杵庄(○○○)南かたのうち、みゑくろさきりやう所、ならびにさんやでんはくざいけとうの事、〈◯中略〉　建武三年十一月十九日　源景家判

〔後藤古文書〕

p.1096 後藤六郞朝明申、肥前國神邊庄(○○○)、古飯諸次郞入道妻尼了一跡内、松吉名田地貳拾町〈畠地屋敷、可レ依二田數分限一、〉地頭職事、爲二勳功之賞一宛行訖、早原田々中三郞相共、可レ沙二汰付下地於朝明一、至餘殘一者、載二起請之詞一、可レ被二注申一、仍執達如レ件、　

p.1097 建武四年九月十一日　沙彌〈花押◯一色範氏〉城戸六郞左衞門尉殿

〔深堀系圖證文記録〕

〈二佐賀文書纂所收〉

p.1097 肥前國伊佐早庄(○○○○)戸石村内〈矢上空閑民部三郞入道妻女跡〉田地捌町、湯江大野田崎村内〈孫次郞入道同四郞同小次郞跡〉田地玖町、長瀬村田中内〈時津四郞五郞入道跡〉田地四町〈畠地已下各可レ依二田數一一地頭職等事、爲二勳功之賞一所二宛行一也、早守二先例一、可レ致二沙汰一、仍執達如レ件、　建武五年二月九日　沙彌〈◯一色範氏〉判　深堀彌五郞殿〈◯政綱〉

〔正閏史料〕

〈二之一〉

p.1097 判　下　開田出羽前司遠長　可レ令三早領二知肥前國加世庄(○○○)地頭兼預所職、同國高來東郷内三會村地頭預兩所職、筑前國頓野郷地頭職一事　右任二父出羽權守資長法師〈法名行素〉建武二年二月三日讓状一、可二領掌一之状如レ件、　康永四年十月廿七日

〔島原記〕

〈一〉

p.1097 天草島原一揆蜂起并吉利支丹濫觴之事　寛永十四年丁丑ノ秋、朝ニハ東方ノ雲赤ク燒ケ、暮ニハ西方ノ雲燒ケ、又所々ニハ不時櫻ノ花咲キ、春色ニ相似タリ、是天地ノ災變也ト風聞ス、其比島原ノ庄(○○○○)ニ隱レ居ル吉利支丹ノ張本人、大矢野松右衞門、千束善左衞門、大江源左衞門、山善右衞門、森宗意ト云五人ノ百姓、元來肥後國天草ノ内、大矢野千束村ノ者也、〈◯下略〉

藩封

〔慶應元年武鑑〕

p.1097 松平肥前守茂實(大廣間　從四位侍從)〈◯中略〉　三拾五万七千石餘　居城肥前佐賀郡佐賀〈江戸ヨリ〉海陸二百九十里　

p.1098 〈龍造寺政家領、慶長五ヨリ鍋島氏直茂、以後代々領レ之、〉　鍋島欽八郞(柳間　朝散大夫)　七万三千二百五十石餘　在所肥前小城郡小城〈江戸ヨリ〉海陸三百十三里　松平主殿頭(帝鑑間　朝散大夫)　七万石　居城肥前高來郡島原〈江戸ヨリ〉海陸三百一里半　〈往吉有馬修理大夫晴信累世領レ之、元和元、松倉豐後守重政、同長門守、寛永十五、高力攝津高房、同右京大夫、寛文九年、松平大炊頭忠房、同主殿頭忠雄、同主殿頭忠視、同主殿頭忠利、同吉十郞忠祗、寛延二、戸田能登守忠辰、同因幡守忠寛、安永二、再松平主殿頭忠恕、以後領レ之、〉　松浦肥前守詮(柳間　從五位上)　六万千七百石　居城肥前松浦郡平戸〈江戸ヨリ〉海陸三百十九里　〈當國平戸、並壹岐國、差出之高、松浦氏代々領レ之、◯節略〉

〔慶應元年武鑑〕

p.1098 小笠原佐渡守長國(帝鑑間　朝散大夫)〈◯中略〉　六万石　居城肥前松浦郡唐津〈江戸ヨリ〉海陸三百十一里　〈當城者朝鮮陣之時、太閤秀吉爲二在陣一築レ之、寺澤志摩守廣高、同兵庫頭堅高居、慶安二、大久保加賀守忠秀、同出羽守忠朝、延寶六、松平和泉守乘春、同源次郞乘益志州鳥羽替、元祿四、土井周防守利益、同大炊頭利實、同大炊頭利延、同大炊頭利里、寶暦十二、水野和泉守忠任、同左近將監忠鼎同和泉守忠光、同左近將監忠邦、文化十四ヨリ小笠原主殿頭長昌、以後領レ之、〉

〔慶應元年武鑑〕

p.1098 鍋島甲斐守直紀(柳間　朝散大夫)　五万二千六百二十五石餘　在所肥前佐嘉郡蓮池〈江戸ヨリ〉海陸三百十三里　大村丹後守純熙(柳間　朝散大夫)　二万七千九百七十石餘　居城肥前彼杵郡大村〈江戸ヨリ〉海陸三百五十里　〈當城差出之高、大村氏先祖代々領レ之、◯節略〉

〔慶應元年武鑑〕

p.1098 鍋島備中守直彬(柳間　朝散大夫)　二万石　在所肥前藤津郡鹿島〈江戸ヨリ〉海陸三百四十五里餘五島飛騨守盛徳(柳間　朝散大夫)　一万二千六百石　居城肥前松蒲郡五島福江〈江戸ヨリ三百九十五里ヨ、江戸ヨリ大坂迄陸百卅二リ、大坂ヨリ海上二百六十三リヨ、　當城慶長十九年八月、燒失後中絶、嘉永二七月、依二台命一左衞門尉盛成再築レ之、當城差出之高、先祖代々五島氏領レ之、◯節略〉

〔慶應元年武鑑〕

p.1098 松浦左近將監脩(柳間　從五位上)〈◯中略〉一万石　在所肥前松浦郡平戸新田〈江戸ヨリ〉海陸三百十九

p.1099 里　〈元祿二年ヨリ松浦大膳昌以後領レ之〉

田數/石高

〔倭名類聚抄〕

〈五國郡〉

p.1099 肥前國　管十一〈田萬三千九百餘町〉

〔拾芥抄〕

〈中末本朝國郡〉

p.1099 肥前〈上遠〉十一郡〈（中略）田萬三千四百六十二町〉

〔海東諸國記〕

p.1099 肥前州　有二温井二所一、郡十一、水田一萬四千四百三十二町、

〔日本鹿子〕

〈十四〉

p.1099 肥前國十一郡、中上國、南北五日、〈◯中略〉知行高五十六万千四百三十石、

〔和漢三才圖會〕

〈八十肥前〉

p.1099 十一郡　高六十七万千四百三十七石

〔官中秘策〕

〈五〉

p.1099 肥前國　十一郡〈◯中略〉　一石高五拾七万貳千貳百八拾四石餘

〔吹塵録〕

〈五人口及國高〉

p.1099 天保度御國高調〈◯中略〉　肥前國〈御料私領〉　一高七拾万六千四百七拾石七斗貳升三合壹勺九才六札

出擧稻

〔延喜式〕

〈二十六主税〉

p.1099 諸國出擧正税公廨雜稻〈◯中略〉　肥前國正税公廨各廿万束、國分寺料、三万三千三百九十四束、〈當國壹岐島各一万六千六百九十七束〉文殊會料二千束、府官公廨十五万束、衞卒料一万八千一百五束、修理府官舍料六千束、池溝料三万束、救急料四万束、俘囚料一万三千九十束、

〔倭名類聚抄〕

〈五國郡〉

p.1099 肥前國　管十一〈（中略）正公各二十萬束、本穎六十九萬二千四百九十九束、雜穎九萬二千五百八十九束、〉　◯按ズルニ、延喜式ニ據レバ、雜稻二十九萬二千五百八十九束ナリ、此書九萬ノ上、二十ノ二字ヲ脱ス、又本穎ノ四百九十九束ハ、應ニ五百八十九束ノ誤ナルベシ、

國産/貢獻

〔延喜式〕

〈二十四主計〉

p.1099 肥前〈◯中略〉　右廿五國中絲〈◯中略〉　肥前國〈行程上一日半、下一日、〉　

p.1100 調綿紬十八疋、貲布廿六端、御取鰒三百六十四斤、短鰒五百卅四斤、長鰒廿四斤、羽割鰒廿四斤、熬海鼠三百一斤十四兩、鹽卌五斛、自餘輸二絹、絲、綿、席、薄鰒一、　庸輸二綿米、薄鰒一、　中男作物、斐皮、葉薦、苫、防壁、韓薦、浦薦、折薦、簀、閉彌油、荏油、鮨鰒、腸漬鰒、

〔毛吹草〕

〈三〉

p.1100 肥前　白太米(シロダイタウ)　土器〈秀吉公薩摩入之時、天下一ニ免ス、〉　佐賀疊表　束刀〈是ヲ奈良ニノボス〉　有馬鐵炮　唐津今利ノ燒物　長崎木綿　畝指踏皮　鬙紙(モトヒカミ)　紙帳　紙被(ブスマ)　唐蒔繪　土圭細工　繪莚　繪簾　竹曲籙　十露盤　丸子〈燈臺也〉　白多葉粉　蜜漬生姜　佛手柑　マルメロ　蜜柑　久我梨(コガナシ)　蒲萄　蓮芋　水瓜　ボプラ　鳳蓮草〈アヘモノニ用レ之〉　五島鰑　宇爾　鮔(アゴ)　文鰩魚(トビウヲ)　節鰹　鯨油　若和布　松苔　海蘿　揚梅皮　車輪　松牛引物　樵木　二神隼　平戸串鮑　赤鼻魚〈鰤ニ似〉　野茂小鯛　寺井海茸　海月　海鱇〈所ニテ薄紅梅ト云〉　シクチ　 　ムツノ魚〈鯲ニ似〉　メクハジヤ〈貝也〉　アゲマキ〈同〉

人口

〔官中秘策〕

〈五〉

p.1100 肥前國　十一郡〈◯中略〉　一人數六拾三万貳千九百貳拾三人　内〈三拾四万千八百八拾七人　男　貳拾九万千三拾六人　女〉

〔吹塵録〕

〈五人口及國高〉

p.1100 諸國人數調(文化元甲子年)〈◯中略〉　一人數七拾壹万貳千六百五拾四人(御料私領)　肥前國(高五拾七万貳千貳百八拾四石餘)　内〈三拾七万三千六百八拾壹人　男　三拾三万八千九百七拾三人　女◯中略〉　諸國人數調(弘化三丙午年)〈◯中略〉　一人數七拾壹万三千五百九拾三人(御料私領)　肥前國(高七拾万六千四百七拾石餘)　内〈三拾六万六千九百八拾貳人　男　三拾四万六千六百拾壹人　女〉

風俗

〔人國記〕

p.1100 肥前國　肥前國ノ風俗、山陰ヲ合タルヨリ、猶勇國ニテ、勇ニ趣ク時ハ、義ヲ知テヒルム色ナシ、誠ニ其國之

p.1101 濕土ニ生得ルトハ云ナガラ、百人ニシテ九十九人如レ斯也、若一人不勇ノ人アルハ、珍敷事ドモ也、武士之風俗猶以如レ此ト可レ知也、雖レ然無風ニ勇ヲ行フガ故ニ、温和之志ヲ不レ知ナリ、サレドモ上ト而ハ下ヲ哀ミ、下ト而ハ上ミヲ敬ヒ、主君之爲ニ命ヲ捨ン事ヲ常ニ願ヒテ、志ス事士ヨリ國民ニ至マデ皆如レ斯ナレバ、百姓町人ト云ヘドモ、義理ヲ強フ、而身ニ難レ遁罪科有テ、死ニ究ルト知ル時ハ、男女ニ不レ限致レ死事、露程モヲシマザル也、音聲ハ卑劣ナリ、風儀ハ信州ニ而智之スクナキ國風ナレドモ、人之一和スルコトハ信州ニコヘタリ、

名所

〔日本鹿子〕

〈十四〉

p.1101 同國〈◯肥前〉中名所之部　川上　佐賀郡のうち也、神所也、縁記草創神社の部に有レ之、此所北は山也、北より南へ流たる川也、此川上にわれはあれどもとよみしも此所也、　松浦山　是をひれふる山とも云といへり、此山より、五りばかり未申のかたに、呼子といふ所有、此浦里の向に島あり、社もあり、夫婦石とて、松浦さよひめ渡唐船したひし大臣の、石となりて御座也、呼子と云所、此島より中間十町計也、定家卿のうたに、　せみのはの衣に秋を松浦かたひれふる山の暮ぞ凉しき　鏡(カゝミ)の宮　松浦山のひつじさるのふもと也、北西海也、宮より十町ばかり西に、南より北へ浦へながれ入たる鹽入の大河二瀬あり、松原川また、鏡の渡り、くりや川とも云也、〈◯中略〉　玉島川　浮島との間、一り計の松原也、此川神功皇后の金魚釣給ふ所也、あがり給ふ石いまにあり、此石より三町計の間は、今も鮎をつる也、此川は草野の大村と云所也、　近(チカ)の浦　上松浦のうちに有レ之、また下松浦に見るめの浦と云有、　未那板原　有明(アリアケノ)の沖(ヲキ)　名所多有レ之といへども、在所分明ならざるゆへ除レ之、

雜載

〔延喜式〕

〈二十八兵部〉

p.1102 諸國器仗〈◯中略〉　肥前國〈甲三領、横刀八口、弓廿張、征箭卅五具、胡簶卅五具、〉

〔類聚三代格〕

〈五〉

p.1102 太政官符　應下停二史生一人一置中弩師上事　右得二太宰府解一偁、肥前國解偁、凡器仗之威、以レ弩爲レ本、防衞之要、莫レ不レ由レ斯、望請、停二史生一員一、任二弩師一者、府加二覆審一、理誠可レ然、謹請二官裁一者、大納言正三位兼行左近衞大將陸奧出羽按察使源朝臣多宣、奉レ勅、依レ請、　元慶三年二月五日