p.0498 隱岐國ハ、オキノクニト云フ、山陰道ノ海中ニ在リ、出雲ノ正北ニ位シ、四個ノ島嶼ヨリ爲ル、
p.0499 知夫島、西島、中島ノ三小島ヲ島前ト云ヒ、其東北ニアル一島ヲ島後ト云フ、此國ハ古ヘ國府ヲ周吉郡ニ置キ、知夫(チフリ)、海部(アマ)、周吉(スキ)、穩地(オンチ)ノ四郡ヲ管シ、延喜ノ制、下國ニ列ス、明治維新ノ後、島根縣ヲシテ之ヲ治セシム、
〔倭名類聚抄〕
〈五國郡〉
p.0499 隱岐〈於岐〉
〔運歩色葉集〕
〈遠〉
p.0499 隱岐(ヲキ)〈四〉 隱州(ノンシウ)
〔日本風土記〕
〈一寄語島名〉
p.0499 隱岐〈和計〉
〔易林本節用集〕
〈下〉
p.0499 隱岐、〈隱(ヲン)州〉下、管四郡、四方二日、五穀乏、藻藌多、以レ鮑稱レ名也、小下國也、
〔和漢三才圖會〕
〈七十八隱岐〉
p.0499 當國伯耆出雲石見等海澳所レ在島也、故爲二澳置州一、後改用二隱岐字一、
〔日本書紀纂疏〕
〈上二〉
p.0499 億岐者奧之義五音相通、此洲在二北海之西北一、如二人家之有一レ奧、言二奧深一也、
〔倭訓栞〕
〈前編四十五於〉
p.0499 おき 隱岐國は北海山陰道の澳中にある國也、神代紀に億伎三子洲といへるは、知夫島前國府如レ子ならべり、
〔古事記〕
〈上〉
p.0499 於レ是伊邪那岐命、〈◯中略〉妹伊邪那美命〈◯中略〉如レ此言竟而御合、生子、〈◯中略〉次生二隱伎之三子島一、亦名天之忍許呂別、〈許呂二字以レ音〉
〔古事記傳〕
〈五〉
p.0499 隱伎之三子(オキイミツゴノ)島、下には游岐島と書り、名義は海原(ウナバラ)の奧中にある島と云なり、〈書紀口決に、奥也、西北之隅謂二之奥とあるは、似たることながら、漢書にかヽれる故に事違へり、纂疏の説も同じ、〉三子島とは、或人、此國三島ある故に云と云り、今國圖(クニガタ)を考るに、まづ此國四島に分れたる、其中に東北ノ方に在て大キなるを、俗に島後(タウゴ)と云ヒ其西南ノ方に〈今ノ道五里ばかり離れて〉天之島、向之島、知夫(チブリ)島とて三ツあり、此三ツノ島を統(スベ)て島前(ダウゼン)と云なり、〈島後に比ぶれば、いづれも小(チヒサ)し、〉三ツ子とは、まことに此レを以て云なるべし、
〔諸國名義考〕
〈下〉
p.0499 隱岐 和名抄に隱岐〈於岐、國府在二周吉郡一、〉名義は日本紀纂疏に、隱岐者奧之義也云々、此洲在二北海之西北一とあり、或
p.0500 書に、當國在二伯耆出雲石見等之沖一國也、故曰二隱岐國一云々など云る義なるべし、夫木集に、立浪に鼔の音を打そへてから人よせぬ澳の島守などよめり、
〔地勢提要〕
〈乾〉
p.0500 各國經緯度〈附里程〉 隱岐前島知夫里村、極高三十六度三十秒、經度西二度四十一分半、從二出雲三保關一渡海直徑一十四里二町、前同〈◯從二東都一〉至二三保關一渡海二百四十八里三十四町三十二間、 同島後都万村、極高三十六度一十三分、經度西二度二十九分半、從二三保關一渡海直徑一十七里二十一町、前同〈◯從二東都一〉二百五十二里一十七町三十二間、
〔日本經緯度實測〕
p.0500 東西里差〈◯此國北極出地不レ載〉 山城 京 〇度〇〇分〇〇秒〈◯中略〉 隱岐 島前 西二度四一分一二秒 島後 西二度二三分一八秒
〔隱州視聽合記〕
〈一國代記〉
p.0500 隱州在二北海中一故隱岐島、〈按倭訓海中言二遠幾一故名歟〉其在二巽地一言二島前一也、知夫郡海部郡屬レ焉、其位二震地一言二島後一也、周吉郡穩地郡屬レ焉、其府者周吉郡南岸西郷豐崎也、從レ是南至二雲州美穗關一三十五里、辰巳至二伯州赤崎浦一四十里、未申至二石州温泉津一五十八里、自レ子至レ卯無二可レ往地一、戍亥間行二日一夜有二松島一、又一日程有二竹島一、〈俗言二礒竹島、多二竹魚海鹿一、〉此二島無人之地、見二高麗一如下自二雲州一望中隱州上、然則日本之乾地以二此州一爲レ限矣、
〔日本地誌提要〕
〈五十隱岐〉
p.0500 疆域 知夫(チブリ)島ハ出雲島根郡加賀浦ノ正北壹拾壹里三拾町ニアリ、周回六里三拾壹町壹拾九間、東西壹里壹拾五町、南北貳拾五町、西ノ島ハ東北一峽ヲ隔テ知夫島ニ對ス、周回貳拾里貳拾六町五拾六間半、東西三里貳拾町、南北貳里、中ノ島ハ西島ノ東壹拾貳町ニアリ、周回壹拾六里貳拾壹町壹拾壹間、東西壹里三拾町、南北壹里貳拾四町、以上三島ヲ島前ト云、島後一島ハ中島ノ東北三里餘ニアリ、周回三拾里壹拾七町五拾四間半、東西四里、南北四里三
p.0501 拾町、島前海士郡知々井村ヨリ島後穩地郡都萬村ニ至ル、海上直徑四里三町、
〔日本實測録〕
〈十〉
p.0501 隱岐國知夫里郡 實測 波嘉島、周廻一十六町五十一間、 竹島、周廻二町四十間、島津島、周廻二十九町五十一間、 淺島、周廻八町二十五間、 カン島、周廻八町五間、 大桂島、周廻四町五十三間、 遠測 小波嘉島 渡リガミ ワスゲ ヲトリカケ 離島 ウテ島 辨天島 俵島 小桂島 見付島 大島 冠島 星神島 立島〈宇賀村〉 立島〈別府村〉 海士郡 實測 ヒイコ島、周廻八町二十九間、 松島、〈又呼二島山一〉周廻一里九町四十四間、 遠測 井島 自島 小森島 二股島 越智郡 實測 大森島、周廻一十五町五十七間、 四敷島、周廻五町四十二間、 遠測 小ウツ大ウツ 東桂島 西桂島 音部島 桂島 辨天島 烏帽子島 黒島 立島 松島 周吉郡 實測 松島、周廻一十町一十九間、長島、周廻五町二十五間、遠測 赤豆島 松島〈加茂村〉 赤島〈箕浦村〉 鼠島 女龜島 男龜島 經ケ島 船島 立岩 鹿尾菜島 雀島〈釜村〉 立岩 沖津之目島 前津之目島 大島 釣島 赤島〈大久村〉 カビ島 クル島 松島〈卯敷村〉 沖平 辨天島 シブ島 平島 松島〈布施村〉 大黒島 小島 琴島 釜島 雀島〈西村〉 小白島 田島 沖島 松島〈西村〉 黒島〈中村〉
〔笈埃隨筆〕
〈八〉
p.0501 隱岐 隱岐の國は北海中の一國にして、島前島後東西に分れ、其間三里の渡口、潮勢迅速にして大河の逆卷が如し、
〔日本地誌提要〕
〈五十隱岐〉
p.0501 形勢 出雲ノ正北ニ位シ、四島嶼ヲ以テ一州トナス、其三小島鼎立スル者ヲ島前ト稱シ、其東北一大島ヲ島後ト稱ス、中間礁嶼相接ス、地質犖确、
〔日本實測録〕
〈五〉
p.0501 隱岐國島前〈從二出雲國島根郡三保關一至二隱岐國知夫里郡知夫里村一、渡海直徑一十四里二丁、〉
p.0502 知夫里郡知夫里島知夫里村大江、三十六度三十秒、 二里三町四十四間 竹島岬 二里一十七町五十七間〈至二竹濱一二十五丁五十二間〉 ハナレ岬 二里九町三十八間 知夫里村夫江 沿海周廻六里三十一町一十九間 同西之島浦之郷村、三十六度五分半、 三里三町五十八間 同赤灘浦 三里九町二十八間 同國川 二里三町二十間 美田村舟越北濱 三里二十一町五十八間 宇賀村濟之浦 二里三十三町三十二間半 宇賀村、三十六度六分半、 三里一十一町六間半 美田村橋浦 一里二十二町一十六間半 同舟越 二十九町一十七間 浦之郷村 沿海周廻二十里二十六町五十六間半 海士郡中之島知々井村、三十六度四分半、 三里三町四十九間半〈至二長前崎一一里三十五町一十二間〉 崎村、三十六度二分半、 四里八町四間半〈至二飯加岬一一里二十九丁五十四間半〉 福井村眞珍岬 二里三十五町五十九間〈至二福井村菱村一二十町半〉 海士村北分 二里一十八町四十二間半〈至二海士村二子一一里一十丁五十一間半〉 豐田村 三里二十六町三十五間半〈至二知々井村保々美一一里七丁二十二間半〉 知々井村 沿海周廻一十六里二十一町一十一間 以上三島、總稱隱岐國島前、 隱岐國島後〈從二島前海士郡知々井村一至二島後越智郡都万村一、渡海直徑四里三丁、〉 越智郡都万村、三十六度一十一分、 三里三十三町五十二間半 北方村長尾田〈至二北方岬一三丁七間〉 一十八町三十六間 同福浦〈至二福浦岬一一十三丁四十二間〉 三十二町二十間半 北方村〈至二烏帽子操一一十九丁三十六間半〉 一十七町四十九間 代村〈至二鵜代岬一一十一丁一十間〉 二十四町二十一間 代村吉浦〈至二代村岬一九丁四十五間〉 六町一間 久見村〈至二久見崎一一十五丁三十六間〉 一里二十八町五十五間半〈至二伊後村西之浦一三十三丁三十二間半〉 周吉郡西村白島岬 一里一十六町五間 中村濱〈至二中村宿所一五丁五間〉 一里二十町七間 飯美村〈至二飯美岬一三丁三十間〉 二里四町四十二間 印敷村辨天岬 二里九町五十一間 犬來村斗大崎 二里三町
p.0503 五十八間 津井村 二里二十一町一十九間半〈至二東郷村一二里一丁二十七間〉 矢尾村、三十六度一十二分、〈至二目貫村一四丁五十間〉 一里四町一十一間 今津村〈至二岸濱村一徑側二十一丁三十六間半〉 三里五町三十四間〈至二西郷岬一里三十二丁二十一間半〉 岸濱村、三十六度一十分、 一十三町五間 箕浦村〈至二高取岬一一十三丁二十六間〉 四町四十六間 加茂村〈至二高取小岬一四丁四十間〉 二里一十四町一十五間半 蛸木村、三十六度九分半、 二里二十六町五間 越智郡都万村 沿海周廻三十里一十七町五十四間半
〔日本國郡沿革考〕
〈三山陰道〉
p.0503 隱岐 古作二淤岐島一、或隱伎、〈古事記〉意岐、〈國造記〉下國、管四郡、六十一村、 海士〈八村 延喜式等作二海部一〉 知夫里〈五村 延喜式等作二知夫一〉 越智〈十六村 延喜式等作二穩地一、和名抄作二隱地一、〉 周吉(スキツ/スキ)〈三十二村古府治〉
〔日本地誌提要〕
〈五十隱岐〉
p.0503 沿革 古へ國府ヲ周吉郡ニ置、〈府址八尾村ノ西ニアリ〉建久四年、源頼朝全島ヲ以テ佐佐木定綱ニ授ク尋テ其弟義清ヲシテ、出雲守護ヲ以テ兼領セシム、承久三年、後鳥羽法皇、北條義時ヲ討ジテ克タズ、義時、法皇ヲ島前海士郡〈海士村森里〉ニ遷シ、後十八年ニシテ崩ズ、元弘二年、北條高時、後醍醐天皇ヲ知夫郡別府村〈或ハ同郡知夫湊、亦皇居ノ址アリト云、〉ニ遷シ、義清ノ玄孫清高ヲシテ之ヲ監護セシム、明年、天皇伯耆ニ遷幸シ、王師四起シ、北條氏亡ビ、出雲守護鹽冶高貞ヲシテ守護ヲ兼子シム、高貞讒死ノ後、足利尊氏之ヲ佐々木高氏ニ加賜ス、正平中、山名時氏全島ヲ略取シ、之ヲ其孫氏之ニ傳フ、元中七年、將軍義滿、氏之ノ封ヲ收メ、其弟滿幸ニ授ク、既ニシテ義滿、滿幸ヲ誅シ、再ビ之ヲ高氏ノ孫高詮ニ賜フ、高詮、島ノ豪族隱岐氏〈義清ノ裔孫〉ヲ以テ守護代トシ、周吉郡宮田ニ居ラシム、大永天文ノ際、同族島前島後ニ分據シテ鬪爭ヤマズ、隱岐清政、甲尾(カフノヲ)〈古府ノ別稱〉ニ城キ、援ヲ尼子經久ニ乞テ島内ヲ平定シ、終ニ其麾下ニ屬ス、孫爲清ニ至テ尼子氏亡ビ、毛利元就ニ附ス、永祿ノ末、尼子勝久恢復ヲ圖リ、故黨ヲ募ル、爲清之ニ應ジ、兵敗レテ自殺シ、其弟清家代リ立ツ、天正十年、從子經清ニ弑セラル、毛利氏ノ兵來リ伐チ、經清ヲ誅シ、戍ヲ八尾ニ置キ、後吉川廣家ヲ分封ス、關原役畢リ、徳川氏、廣家ノ封ヲ收メ、堀尾吉晴ニ加賜ス、孫忠晴卒シテ封絶ユ、京
p.0504 極忠高之ニ代リ、嗣ナク國除シ、松平直政ニ命ジテ、島事ヲ管攝セシム、王政革新、鳥取藩ヲシテ之ヲ管セシメ、尋テ隱岐縣ヲ置、既ニシテ廢シテ大森縣ニ併セ、更ニ島根縣ニ併セ、又改テ鳥取縣ヨリ兼治ス、
〔先代舊事本紀〕
〈十國造〉
p.0504 意岐國造 輕島豐明朝〈◯應神〉御代、觀松彦伊呂止命五世孫十挨彦命一定二賜國造一、
〔續日本紀〕
〈二十四淳仁〉
p.0504 天平寶字六年四月庚戍朔、外從五位下下道朝臣黒麻呂爲二隱岐守一、
〔吾妻鏡〕
〈十三〉
p.0504 建久四年十二月廿日癸丑、佐々木左衞門尉定綱本地行之地悉返給、其上七箇國内、各被加二一所一、於二隱岐國一者不レ交二他人之沙汰一、一圓拜二領地頭職一、
〔倭名類聚抄〕
〈五國郡〉
p.0504 隱岐國〈國府在二周吉郡一、行程上三十五日、下十八日、〉
〔隱州視聽合記〕
〈二周吉郡〉
p.0504 西郷 西郷ノ古府ハ矢尾村ノ西、下西村之東、其山ヲ甲ノ尾ト云、所レ謂庄野五郞ガ古城ナリ松杉參差トシテ九折三四町、諒ニ天府ノ要害ナリ、今ハ此地ニ八幡宮ヲ奉ズ、
〔倭名類聚抄〕
〈五國郡〉
p.0504 隱岐國〈◯註略〉管四〈◯註略〉知夫 海部 周吉 隱地
〔延喜式〕
〈二十二民部〉
p.0504 隱岐國、下、〈管 知夫(チフリ) 海部(アマ) 周吉(スキ) 穩地(オンチ)〉 右爲二遠國一
〔易林本節用集〕
〈下〉
p.0504 隱岐、〈隱(ヲン)州〉下、管四郡、〈◯中略〉知夫(チフリ)、海部(アマベ)、周吉(スキ)、穩地(ヲチ)、
〔郡名考〕
p.0504 官用ヒル今ノ郡名 隱岐四郡 海士(アマ) 知夫里(チフリ)〈大本濁無〉 越知(ヱチ) 周吉(シユキツ)
〔皇國郡名志〕
p.0504 隱岐國〈四郡〉 知夫(チフリ) 〈●知夫 △黒木御所後醍醐帝行在 一郡ノ小島也〉 海部(アマベ) 〈●北方 △後鳥羽帝古跡同社 一郡ノ小島也〉 周吉(スキ) 〈●湊 ●府中 ●津井 東南北ニ出張ル〉 隱地(ヲムチ) 〈●都方 西海ニ向〉 ◯按ズルニ、本書及ビ次下ノ郡名異同一覽ノ符號ハ、山城國篇郡條ニ引ク所ノ、二書ノ凡例ヲ
p.0505 參照スベシ、
〔郡名異同一覽〕
p.0505 隱岐
〔東大寺正倉院文書〕
〈三十四〉
p.0505 隱伎國正税帳〈◯天平元年〉 周吉郡(○○○)天平元年見定稻穀玖伯壹拾捌斛參斗伍升玖合〈◯中略〉
〔東大寺正倉院文書〕
〈三十四〉
p.0505 隱伎國正税帳 隱岐國正税收納帳大初位上行目縣犬養宿禰大萬侶天平五年二月十九日(（繼目裏書）) 智夫郡(○○○)天平三年正税穀簸振量定肆仟玖伯伍拾漆斛〈◯中略〉
p.0506 海部郡(○○○)天平三年正税穀簸振量定漆仟參伯陸拾伍斛壹斗漆升漆夕壹撮〈◯中略〉 周吉郡(○○○)天平三年正税穀簸振量定玖仟壹伯玖拾斛捌斗玖升貳合肆夕捌撮〈◯中略〉 役道郡(○○○)天平三年正税穀簸振量定肆仟壹伯壹拾貳斛貳斗玖升陸合參夕肆撮
〔日本後紀〕
〈八桓武〉
p.0506 延暦十八年五月丙辰、前遣勃海使外從五位下内藏宿禰賀茂麻呂等言、歸郷之日、海中夜暗、東西掣曳、不レ識レ所レ著、于レ時遠有二火光一、尋二逐其光一、忽到二島濱一、訪之是隱岐國智夫郡(○○○)、其處無レ有二人居一、或云、比奈麻治比賣神常有二靈驗一、商賈之輩、漂二宕海中一、必揚二火光一、頼レ之得レ全者、不レ可二勝數一、神之祐助、良可二喜報一、伏望奉レ預二幣例一、許之、
〔續日本後紀〕
〈十二仁明〉
p.0506 承和九年九月乙巳、隱岐國智夫郡由良比賈命神、海部(○○)宇受加命神、穩地郡(○○○)水若酢命並預二官社一、
〔倭名類聚抄〕
〈八隱岐國〉
p.0506 知夫郡 宇良 由良 三田〈美多〉 海部郡 布勢 海部〈安末〉佐作 周吉郡 賀茂 奄可〈安無加〉新野〈爾比乃〉 隱地郡 都麻 河内〈加無知〉武良
〔吾妻鏡〕
〈二十五〉
p.0506 承久三年八月五日丙辰、三皇〈◯三皇恐上皇誤、即後鳥羽上皇、〉遂著二御于隱岐國阿摩郡苅田郷(○○○)一、仙宮者改二翠帳紅閨於柴扉桑門一、所者亦雲海沈沈而不レ辨二南北一者、無レ得二雁書青鳥之便一、烟波漫々而迷二東西一之故也、不レ知二銀兎赤烏行度一、只離宮之悲、城外之恨、増惱二叡念一御斗也云云、
〔郡名一覽〕
p.0506 一隱岐國(御料) 〈隱州 四方二日〉 四郡 高壹万貳千百六拾五石貳斗三合 六拾壹ヶ村 但一圓松江御預所 ＜山島 百十七里 ◯按ズルニ、本書ノ符號ハ、山城國篇村里條ニ引ク所ノ、本書ノ凡例ヲ參照スベシ、
〔郡國提要〕
p.0507 隱岐 四郡、六十一村、 高一万二千五百五十九石六斗(御料) 海士郡八村 知夫里郡五村 越智郡十六村 周吉郡三十二村
〔地勢提要〕
〈坤〉
p.0507 郡邑島嶼奇名 隱岐 越智郡、都萬(ツマ)村、周吉郡、卯敷(ウツキ)村、犬來(イヌキ)村、津井村、飯美(イビ)村、
〔倭名類聚抄〕
〈五國郡〉
p.0507 隱岐國〈◯註略〉管四〈田五百八十五町二段三百四十二歩〉
〔伊呂波字類抄〕
〈於國郡〉
p.0507 隱岐國〈管四（中略）本田（田下恐脱二六字一）百廿四町〉
〔海東諸國記〕
p.0507 隱岐州 郡四、水田五百八十四町九段、
〔拾芥抄〕
〈中末本朝國郡〉
p.0507 隱岐、〈下遠〉四郡、〈（中略）田六百廿四町〉
〔日本鹿子〕
〈十一〉
p.0507 隱岐國四郡、小下國、四方二日、知行高壹万千八百石、
〔官中秘策〕
〈四〉
p.0507 隱岐國 四郡〈◯中略〉 一石高壹万貳千百六拾壹石餘
〔吹塵録〕
〈五人口及國高〉
p.0507 天保度御國高調〈◯中略〉 隱岐國〈御料〉 一高壹万貳千五百五拾九石六斗
〔郡名一覽〕
p.0507 皆御料(○○○) 隱岐 飛騨 佐渡 合三ケ國
〔延喜式〕
〈二十六主税〉
p.0507 諸國出擧正税公廨雜稻〈◯中略〉 隱岐國正税二万束、公廨四万束、國分寺料五千束、文殊會料一千束、修理池溝料三千束、救急料一千束、
〔倭名類聚抄〕
〈五國郡〉
p.0507 隱岐國〈◯註略〉管四〈（中略）正二萬束、公四萬束、本穎七萬束、雜穎萬束、〉
〔延喜式〕
〈二十四主計〉
p.0507 隱岐國〈行程、上卅五日、下十八日、〉
p.0508 調、御取鰒、短鰒烏賊、熬海鼠、鮹腊、雜腊、紫菜、海藻、島蒜、 庸、輸レ布、 中男作物、雜腊、紫菜、
〔毛吹草〕
〈三〉
p.0508 隱岐 和布 串鮑 鯣 海馬 灯松 桐板〈島桐ト云テ木ノ目宜シ〉 桑板
〔倭訓栞〕
〈中編三十於〉
p.0508 おきろく 隱伎緑とかけり、緑青にて畫具に用う、いにしへ隱伎國の産を佳とせしにや、奈良の大佛の腹中はこれをもて埋たりといふ、今東大寺の寶藏にあり、
〔隱州視聽合記〕
〈三島後紀〉
p.0508 島後中 男五千六百二人 女五千五百六拾四人 僧百六人 合壹萬千二百七拾貳人
〔隱州視聽合記〕
〈四島前紀〉
p.0508 島前 男二千二百八拾八人 女二千二百九拾一人 僧五十人 合四千六百三十九人也
〔官中秘策〕
〈四〉
p.0508 隱岐國 四郡〈◯中略〉 一人數壹万八千九百三拾壹人 内〈九千五百貳拾九人 男 九千四百貳人 女〉
〔吹塵録〕
〈五人口及國高〉
p.0508 諸國人數調(文化元子年) 一人數貳万千六百六拾人(皆御料) 隱岐國(高壹万貳千百六拾五石餘) 内〈壹万八百八拾貳人 男 壹万七百七拾八人 女 ◯中略〉 諸國人數調(弘化三丙午年)〈◯中略〉 一人數貳万六千貳百八人(皆御料) 隱岐國(高壹万貳千五百五拾九石餘)内〈壹万三千貳百六拾壹人 男 壹万貳千九百四拾七人 女〉
〔人國記〕
p.0508 隱岐國 隱岐國之風俗、柔弱ニ而放逸成國也、知夫利之郡之者ハ實儀ニシテ頼布所有、海部周吉穩地之郡ハ風ニ從草之如ク、善ニモ惡ニモ否ト不レ謂而相從之風儀也、遠島ナレドモ、石州ヨリハハル〴〵
p.0509 上也、
〔日本鹿子〕
〈十一〉
p.0509 同國〈◯隱岐〉中名所 鞁ケ嵩 海邊知夫の郡のうちに有山也〈◯中略〉 隱岐の海 小島とも云〈◯中略〉 松山 三島など云名所あり
〔延喜式〕
〈二十八兵部〉
p.0509 諸國健兒〈◯中略〉 隱岐國卅人〈◯中略〉 諸國器仗〈◯中略〉 隱岐國〈横刀四口、弓十張、征箭十具、胡簶十具、〉
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