帝王部/皇后上〈皇太后、太皇太后、皇太夫人、女院、准母、准三宮、併入〉

p.1103 皇后ヲキサキト云フ、上古ハ天皇ノ御寢ニ侍スルモノヲ、汎クキサキト稱シ、其中ニテ嫡妻一人ノミヲ大后(オホキサキ)ト云ヒシガ、漢土ノ制ヲ摸サレテヨリ、后ノ稱ハ嫡后ニ止マリ、御母ヲ皇太后ト云ヒ、御祖母ヲ太皇太后ト云ヒ、以上之ヲ三后又ハ三宮ト稱ス、
立后ニハ冊命ヲ以テシ、其式極メテ嚴ナリシガ、南北朝ノ比ヨリ、立后ノ典ヲ擧ゲサセ給ハザルノミナラズ、女御ヲ置カセ給フコトモ甚ダ希ニシテ、終ニ全ク廢絶セシガ、後陽成天皇ノ朝ニ、豐臣秀吉、近衞前久ノ女ヲ養ヒテ、掖庭ニ入レテ女御トナシ、後水尾天皇ガ、徳川秀忠ノ女ヲ納レテ、中宮ト爲シタマヒシニ至リ、中宮女御復興ル、
三后ハ、各同時ニ二人以上並ビ立ツヲ得ズ、故ニ一條天皇ノ朝ニ、藤原定子ガ中宮タルニ至リ、藤原遵子ノ中宮ヲ改メテ、皇后ト爲シタリ、遵子ハ帝ノ御父ノ中宮タリシカド、帝ノ御生母、皇太后タルヲ以テ、皇太后タル事ヲ得ズシテ、仍ホ中宮ト稱セシナリ、然レドモ是ハ婦姑ノ間ナレバ、其秩序ヲ紊スマデノ事ナリシニ、其後藤原道長ノ女彰子入内シテ、中宮タルニ至リ、定子ノ中宮ヲ改メテ皇后トス、是ニ於テ一帝ニ兩后アリ、是ヨリ此例ヲ逐ヒシコト間間アリテ、中宮ノ勢ハ、反テ皇后ノ右ニ在リ、令ニ據ルニ、中宮ハ三后ノ總稱ナルガ、聖武天皇ノ朝ニ、皇太夫人藤原宮子娘ヲ、中宮ト稱セシヨリ、毎ニ皇太夫人ノ稱ト爲レリ、桓武天皇ノ p.1104 朝ノ高野新笠、陽成天皇ノ朝ノ藤原高子、宇多天皇ノ朝ノ班子女王、醍醐天皇ノ朝ノ藤原温子ノ如シ、而シテ在位ノ天皇ノ后ヲ中宮ト稱セシコトハ、醍醐天皇ノ皇后藤原穩子ニ昉リ、繼デ村上天皇ノ皇后藤原安子アリ、然レドモ皇后ノ稱ハ、毎ニ贈號ニ用ヰ、御寢ニ侍セザルモノニモ假スコトアレドモ、中宮ノ稱ハカク汎ク用ヰシ事ナシ、
皇后ハ、上古ヨリ貴族ヲ擇ビテ冊立スルコトニテ、大寳令制定ノ時ニ至リテハ、妃ヲ内親王ニ限ルコトヽシタレバ、后ハ皇族タルコト勿論ナリ、是蓋シ從前ノ法ナルベシ、故ニ聖武天皇ノ藤原安宿媛ヲ皇后ト爲シタマヒシ時ニハ、縷々數十言ヲ以テ辨疏シタマヘリ、是ヨリ後ニハ、皇后ハ多ク藤原氏ニシテ、以テ外戚擅權ノ端ヲ啓ケリ、然レドモ多クハ大臣ノ女ニシテ、納言以下ナルヲ以テ異例ト爲シタリ、其間ニハ執柄ノ人ニシテ、人ノ女ヲ養ヒテ入内セシムルアリ、天皇讓位ノ後ニ、之ヲ納レテ后ト爲スアリ、又十歳未滿ノ后アリ、皆異例ナリ、其異例ノ尤モ甚キハ、御寢ニ侍セズシテ后ノ稱ヲ得ルアリ、此例ハ堀河天皇ノ朝ニ、皇姊媞子内親王ヲ以テ准母ト爲シ、皇后ト稱セシヲ以テ始トス、但シ内親王ニ限ル、サテ后位ニ進ムニハ、皇太子ノ妃ヨリスルアリ、女御ヨリスルアリ、准后ヨリスルアリ、或ハ直ニ后位ニ昇ルモノアリ、或ハ其勢ナキニ由リテ、中宮ヨリ皇后トナルアリ、
皇后ハ内政ヲ理シ給フモノニシテ、大夫以下ノ職員アリテ之ニ屬シ、元日等ノ朝儀ニハ、天皇ト共ニ、皇太子以下ノ拜ヲ受ケ、其禮遇殆ド天皇ト均シキコト多クシテ、國忌山陵ヲ置ク等ノ事アリ、上古ハ其物故ヲ薨ト云ヒシガ、後ニハ是モ崩ト云ヘリ、而シテ其他ニ行キ給フヲ行啓ト云ヒ、臣庶ヨリ皇后ニ白スヲ啓ト云ヒ、其上啓ニハ殿下ト稱スルガ如キ、一ニ皇太子ノ例ニ同ジ、
皇太后ハ、皇后中宮ヨリ進ムアリ、女御ヨリ進ムアリ、准后ヨリ進ムアリ、剃髮後ナルアリ、女 p.1105 院トナリテ後ニ陞ルアリ、多クハ所生ノ天皇ノ御即位ニ由ルナリ、
太皇太后ハ、皇太后ヨリ陞ルヲ以テ常トスレドモ、皇后中宮ヨリ直ニ進ムモノアリ、然レドモ女院ノ稱ノ起リテヨリ後ハ、此位ニ居ルモノ少ナシ、
皇太夫人ハ、天皇ノ御生母ナル夫人女御ヲ稱スルナリ、是ヲ中宮ト稱セシコトハ上ニ云ヘガル如シ、皇太夫人ノ稱ハ、後ニ亡ビテ復聞エズ、又皇太妃アリ、令ニハ載セタレドモ、歴史上ニハ、續日本紀、文武天皇大寳元年七月ノ下ニ、纔ニ一見スルノミ、
贈號ノ事ヲ言ヘバ、皇后ノ稱ハ、妃准后ニ贈リシ例アリ、皇太后ハ、皇后ニ贈ルアリ、直ニ女御等ニ贈ルアリ、女院ニ贈ルアルナリ、太皇太后ハ、贈皇太后ニ、更ニ贈リシ外ニ例ナシ、
女院ハ太上天皇ニ准ズルモノナリ、其所屬ノ職員等、概ネ太上天皇ニ同ジ、一條天皇ノ朝ニ、皇太后藤原詮子ヲ東三條院ト稱セシヲ以テ、女院ノ始トス、次ニ太皇太后藤原彰子アリ、後朱雀天皇ノ朝ニ女院トナリ、上東門院ト稱ス、門院ノ號此ニ始マル、是ニ於テ女院ノ稱ハ、單ニ其院ト云フモノト、其門院ト云フモノトノ二種トナリテ、後世之ヲ遵用セリ、此兩女院ハ、皆國母ニシテ剃髮シタルモノナレバ、國母ハ女院タルヲ以テ例ト爲セドモ、國母ニアラザル女院モ亦頗ル多シ、若シ后位ニ居ラザルモノヽ女院タルニハ、必ズ一タビ准后ヲ經ルヲ以テ例トス、
女院ノ稱ハ、其住處ヨリ起リシガ、後ニハ徒ニ禁門ノ名、地ノ名ヲ取ルアリ、或ハ門ニモ地ニモ由ラザルアリ、或ハ前女院ノ號ニ、後ノ字新ノ字ヲ加フルアリ、後高松院、新待賢門院ノ如キ是ナリ、要スルニ、女院ハ生前ノ號ナレド、希ニハ歿後ニ追稱スルモノアリ、後京極院ノ如キ是ナリ、
准母ハ帝母ニ准ズルモノニテ、女院タルハ常ノ事ナレドモ、或ハ皇后ト稱スルアリ、又剃髮 p.1106 後ノ准母アリ、此准母ハ多クハ内親王ナレド、希ニハ中宮等ニシテ准母タルアリ、
准三宮ハ、准三后トモ准后トモ稱ス、三皇后ニ准ズルノ謂ナリ、是ハ女子ニ限ラズ、親王、法親王、大臣等、毎ニ此ニ居ル、蓋シ文徳天皇ノ朝ニ、藤原良房、三宮ニ准ジテ、年官ヲ賜ヒシヨリ起リシガ、後ニハ一ノ職名ノ如クナレリ、而シテ后位ニ昇ラズシテ女院タルモノハ、必ズ之ヲ經由スルヲ例トス、サテ此篇ニ就キテハ、女御、女院出家、山陵、外戚等ノ諸篇、及官位部ノ中宮職、院司等ノ篇ヲ參看スベシ、

稱呼

〔新撰字鏡〕

〈女〉

p.1106 〈以之以爲二反、妃也、支佐支、〉

〔字鏡集〕

〈十一口〉

p.1106 后(コウ)〈キサキ〉

〔令義解〕

〈七公式〉

p.1106 皇后、〈謂(○)、天子之嫡妻也(○○○○○○)、〉

〔西宮記〕

〈臨時五〉

p.1106 皇后行啓、〈◯中略〉中宮、〈妻、長秋宮、〉或説、長秋者后宮摠名云々、皇后摠名也、但后宮四人御坐之時、皇后宮職可レ被レ置歟云々、

〔拾芥抄〕

〈中本官位唐名〉

p.1106 后宮〈長秋宮　長信宮　堯母門　後宮　後庭　掖庭　椒房　蘭省　　蘭殿〈皇后宮〉　玉堂〈同上〉　椒闈　宮掖　三千人〉　皇后宮〈秋宮〉　中宮〈長秋宮　三千人　椒房　掖庭　椒庭　椒掖　昭陽殿　椒風　螽蟖　陰教　内則　芣苡　關唯之徳　樛木之歌　鹿苑之美　葛覃之詠〉

〔古今和歌集〕

〈一春上〉

p.1106 寛平御時、きさい(○○○)の宮の歌合のうた、〈◯歌略〉

〔榮花物語〕

〈三十七煙の後〉

p.1106 七月七日、〈◯天喜五年〉中宮の御まへに、前栽にむらごの糸をひきて、いろ〳〵のたまをつらぬきたり、〈◯中略〉女房、
　しらつゆも玉をみがきて千代ふべき秋のみや(○○○○)にはつきせざりけり

〔八雲御抄〕

〈三下異名〉

p.1106 后　むらさきの雲　しりへのみや

〔漢官舊儀〕

〈下〉

p.1106 皇后稱二中宮一

〔唐六典〕

〈四禮部〉

p.1106 外命婦朝二中宮一、爲二皇后一稱レ觴獻レ壽、

〔九成宮醴泉銘〕

p.1107 上及中宮、歴二覽臺觀一、

〔後漢書〕

〈十上鄧皇后〉

p.1107 會下有司奏上レ建二長秋宮一、帝曰、皇后之尊與レ朕同體、承二宗廟一母二天下一、豈易哉、

〔古事記傳〕

〈二十〉

p.1107 大后は字のまヽに、意富岐佐岐と訓べし、後世の皇后なり、古は天皇の大御妻等を后と申て、其中の最上なる一柱を、殊に尊みて大后とは申ししこと、上卷八千矛神段〈傳十一の三十葉〉に云るが如し、〈大は、大臣大連などの大と同じくて、あるが中に、一人を尊みて云稱なり、〉されど猶疑あらむ人の爲に、其證どもを擧て、なほつばらに云む、先古に后とは一柱に限らず、後に妃夫人などヽ申す班までを幾柱にても申せり、〈今世女童の詞に、十二人の御后といふなるは、愚なるに似たれども、かへりて古に近し、〉倭建命〈ノ〉段に、弟橘比賣命を、其后とありて又次に坐レ倭后等云々とあるは、橘比賣をも坐レ倭をも、共に后と申せるなり、〈倭建命は、萬を天皇に准へて申せる例なり、〉又等と云るを以ても、一柱に限らざることを知べし、されば書紀反正卷に、皇夫人(キサキ)、また夫人(キサキ)、敏達卷にも夫人(キサキ)、これらを伎佐伎と訓るは古にかなへる訓なり字鏡にも、 〈ハ〉妃也、支佐支とあり、〈又書紀に、夫人をば、意富刀自と訓る處もあるは心得ず、又妃夫人嬪女御などを多くは美賣(ミメ)と訓り、そも〳〵御賣(ミメ)とは、皇后を始奉て、夫人嬪などの列までも通ひて申すべければ、此訓は惡からず、但神武卷に、尊二正妃一爲二皇后一とある、正妃を牟加比賣(ムカヒメ)、皇后を伎佐伎(キサキ)と訓る、こは文字に就ては、然も訓べけれども、當時の實の稱には叶ふべくも非ず、牟加比賣とは、皇后を申すべく、又伎佐伎とは、妃などにもわたる稱なればなり、さればこは正妃を伎佐伎、皇后を意富伎佐伎と訓て宜し、凡ていづこにても、妃夫人などは伎佐伎、皇后は意富伎佐伎と訓べきなり、〉さて其后等の中の第一なるを、大后と申せし證は此處を始として、玉垣宮〈◯垂仁〉段に、其大后比婆須比賣命と見え、謌志比宮〈◯仲哀〉段に息長足比賣命を大后と申し、高津宮〈◯仁徳〉段に、大后石之日賣命と見え、又遠飛鳥宮〈◯允恭〉段、朝倉宮〈◯雄略〉段などにも、同く大后と申せり、又書紀天智卷に、天皇御病甚重くならせ給へる時に、天武天皇の儲君に坐けるが、後事を辭申給へる御言に、請奉三洪業付二屬大后一云々、とある大后も、皇后倭姫王を申たまへるなり〈凡て書紀の例は、上代の事を記されたるも、後世の如く漢國の定めに隨ひて、當代の大后をば皇后と書き、御母后をこそ、皇太后とは書れたるに、此は其例に違ひて、たま〳〵當時の實の稱のまヽに、當代のを大后とは書れたるなり、此餘にもかくとりはづしては、凡ての漢様の例に違ひて、古の稱のまヽに書れたる事もまヽ見えたり、御子をば皇子皇女と書るが、凡ての例なるに、をり〳〵は、王とも書れたる例なり、〉又萬

p.1108 葉二に、近江大津宮御宇天皇〈◯天智〉聖躬不豫之時大后奉御歌、また天皇大殯之時、大后御歌、また明日香清御原宮御宇天皇〈◯天武〉崩之時、大后御作歌など見え、又伊豫國風土記に、天皇等於レ湯幸行降坐五度也、以下大帶日子天皇、〈◯景行〉與二大后八坂入姫命一二躯上爲二一度一也、以下帶中日子天皇〈◯仲哀〉與二大后息長足姫命一二躯上爲二一度一也云々とある是らなり、さて上件の如く、古に大后と申せしは、當御代の第一なる御妻なり、然るを萬の御制、漢國のにならひ賜ふ御代となりては、正しき文書などには、當代のをば皇后、先代のを皇太后と書るヽことヽなれり、されど口に言〈フ〉語、又打とけたる文などには、奈良のころまでも、猶古のまヽに當代のを大后、先御代のをば大御祖(オホミオヤ)と申せるを、〈されば書紀などに、皇太后、皇太妃、皇太夫人などヽあるをば、皆意富美意夜(オホミオヤ)と訓べし、古の稱は然なり、まことに大御母に坐を、伎佐伎、美賣などヽは申まじき理なり、然るを書紀清寧卷に、皇太夫人を意富伊伎佐伎(オホイキサキ)と訓るは、古に叶はず、皇極卷に、天皇の御母吉備姫王を、吉備嶋皇祖母命とある、此より古の稱なる、又續紀九に、藤原夫人を、宜二文則皇太夫人、語則大御祖一、との詔のあるを思ふべし、皇后にまれ、夫人にまれ、大の字を加へて御母の事とするは漢國の定めにこそあれ、皇國の古にはさることなし、故文には漢様を用ひながら、語にはなほ古のまヽに申されしなり、いまだ漢籍を取用ひられざりし前の御世には太妃太夫人など云品の差別はあらざりしかば、大后にまれ、凡の后たちにまれ、御母となり坐ては、凡て大御祖とぞ申しし、孝徳紀に、皇極天皇を皇祖母(オホミオヤノ)尊と、御號奉らるヽこと見えたる、こは天皇に坐すら猶如是申せるを以て、后も夫人も大御祖と申すに差別はなかりしことさとるべし、さて皇極は孝徳の大御姉にませども、大御母に准へて、此御號奉り給へりしなり、さて又こは御母と申すことなるに祖母と書れたるはいかにと疑ふ人あり、凡て古は母を多く美意夜(ミオヤ)と申して、古書どもに御祖と書れば、其例のまヽに祖字を書き、又皇祖尊と書ては、先代天皇にまぎるヽ故に、御母なる事を知らしめむ爲に、母の字をも添られたるものなり、◯中略〉其後遂に常の語にも、當代の嫡后をば、たヾ后と申し、大御母を大后と申すことにはなれるぞかし、〈凡て何事もかく漢様にのみ變りはてヽは、古様をよく辨知る人もなく、たま〳〵古書に遺在を見ては、返りて疑をさへなすめり、師の萬葉考にすら、彼二卷なる大后を疑ひて、天皇いまだ崩坐ざるほどなれば、大后とあるは誤なりとて、皇后と書攺められ、又別記に、夫人の訓を論はれたるなど中々にみな誤りなり、〉

立后儀

〔儀式〕

〈五〉

p.1108 立皇后儀
前一日、太政官召二式部省一、仰下可レ令レ集二會刀禰一之状上、當日早朝中務省、置二宣命版於尋常版北一、式部丞録率二史生省掌等一、於二建禮門前庭一、東西相分列二立刀禰一、于時閤内大臣喚二舍人一如レ常、親王以下應レ召左右相分

p.1109 參入、〈五位已上在二承明門内一、六位已下在二同門外一、〉式部録稱二容止一如レ常、訖宣命大夫進就レ版宣制、其詞曰、天皇大命〈良萬止〉勅〈布〉大命〈乎〉親王等百官人等天下公民衆聞食〈止〉宣、食國天下政〈波〉獨知〈倍伎〉物〈爾波〉不レ有、必〈母〉斯理倍〈乃〉政有〈倍之、〉自レ古行來〈留〉事皇后定〈天之〉閫中〈乃〉政〈波〉成物〈止奈毛〉常〈毛〉所聞看行〈須、〉故是以其色其位某〈乎〉皇后〈止〉定賜〈布、〉故此状〈乎〉悟而供奉〈止〉勅天皇御命〈乎〉衆聞食〈止〉宣、訖各退出、後日早朝、外記召二式部省一、仰下可レ令レ集二會刀禰一之状上、時刻親王以下參入、〈五位以上在二北中門外一、六位以下稍退在レ後、〉于時内侍一人進宣云云、五位以上六位以下稱唯、拜舞退出、

〔新儀式〕

〈五臨時下〉

p.1109 冊命皇后事
前一日大臣奉レ勅、令三外記召二式部省一、仰下明日可レ令レ集二會刀禰一之状上、又召二内記一令レ作二宣命一、當日早旦、大臣參二弓場一、以二宣命草一付二藏人一令レ奏レ之、覽訖返給復座、令二清書一重奏覽返給候之、所司裝二束南殿一、〈延喜廿三年、懸二御簾一立二御屏風一、供二大床子南廂第三間迫一、立二兀子一基一、即在二東面御簾前一、〉時刻出御、左右近仗即陣二階下一、〈内裏儀式、近仗服二中儀服一、〉内侍臨二東檻一喚二大臣一、大臣參上著二兀子一、次開門、闈司相分、座二承明門左右腋一、中務丞入置二版位一、次大臣喚二舍人一、少納言參入就レ版、大臣仰下可レ召二大夫等一之状上、稱唯退出、次親王以下五位以上、參入列二立庭中一、六位以下在二承明門之外一、大臣喚二中納言一人一、稱唯東度昇レ自二東階一就二大臣後一、進受二宣命一退下、大臣起座下レ殿就二庭中本位一、〈此間承レ詔者候二東軒廊北邊一〉次宣命大夫進就レ版宣制曰、現神〈止〉大八洲所知〈須〉和根子天皇詔旨〈良萬止〉勅命〈乎〉親王王公百寮人等天下公民衆聞食〈止〉宣、群官稱唯再拜、訖更宣云、食國天下政〈波〉獨知〈倍支〉物〈爾波〉不レ有、必〈之毛〉後〈倍乃〉政有〈倍之、〉自レ古行來〈留〉事〈爾底〉皇后定〈氐志〉閫中〈乃〉政〈波〉成物〈止奈母〉常〈毛〉所聞〈志〉行〈須、〉故是以某〈乎〉皇后〈止〉定賜〈布、〉故此状悟而供奉〈止〉勅〈布〉天皇命〈乎〉衆聞食〈止〉宣、群官倶稱唯再拜、此間宣命大夫就二本位一、訖親王以下退出、即以還御、大臣依レ召參上、有二除目儀一、〈任二中宮職司一也、延喜二十三年例也〉事訖退下、大臣又參二射殿一、令レ奏二除目清書一、

〔北山抄〕

〈四〉

p.1109 立后事
前一日、大臣奉レ勅仰二外記一令レ誡二所司一、大臣奏二宣命一、〈奏二草及清書一如レ常、返二給内記一令レ候二陣座一、〉訖御二南殿一、〈懸二御簾一〉近仗陣二階下一〈立陣〉王

p.1110 卿出、外辨大臣著レ靴、取二副件宣命於笏一、進二立軒廊一、〈西一間、不三必著二宜陽殿兀子一、〉内侍召レ人、即參上著二南廂第二間〈西柱下〉兀子一、〈北面〉次開門、闈司著座、大臣喚二舍人一、刀禰參入儀如レ常、〈延喜四年、依二天長承和例一不レ召二舍人一、少納言引レ列云云、是違式也、〉大臣召二中納言一人一〈任大臣日召二參議一〉授二宣命一、〈讓國式云、執二宣命文一、乃定下堪二宣命一參議以上一人上、付二内侍一奏、任二參議以上一式云、大臣預簡下堪二宣命一者上定云云、近例更不レ奏、於二陣座一示レ之、〉受之下レ殿、立二軒廊西第一間北邊一、〈或立二二間一出二東一間一云々〉大臣退下就二庭中標一、宣命使出レ自二東二間一就二宣命版一、〈内裏儀式、開門後置二件版一、而儀式立レ標之次預置レ之、前例又如レ此、〉宣制一段、群臣再拜、又一段、訖拜舞、〈内裏儀式、再拜云々、而儀式讓國儀拜舞者、其立后太子等式止二再拜一、又任大臣式如レ元有二此文一、然則立后太子儀、准二讓位一可レ有二拜舞一歟、仍撿二舊例一多用二再拜一、但延長三年立太子日、拜舞由見二吏部王記一、今按如二叙位任官一、皆有二親族拜舞一、立后太子等日、何無二此儀一乎、任大臣無二拜舞一也、〉宣命使經二列西一復二本位一〈或從レ東就〉親王以下退出、即還御、任二宮司一、訖大臣召二六府佐一、仰下可レ候二啓陣一之由上、〈鋪二膝著二枚一、左右一度召仰、天徳二年例也、〉王卿侍從相引參二賀彼宮一、〈行啓儀大略同二行幸一、或御二牛車一、貞觀年中也、皇太后向二大原野社一御二牛車一、藤氏六位爲二御車副一、此社爲二氏皇后參拜一、依二本社遠一所二草創一也、〉立太子儀同レ之、但衞門陣不レ候、上卿仰二近衞次將一如二立后一、仰二兵衞佐一之啓陣令レ候、即是尋常所レ候依二佐不參一也、未レ補二帶刀一之前、近衞陣猶候、
　康保四年諒闇間立后例、王卿不レ著二吉服一有二饗祿一、但入内日无二其事一、諸衞舍人等不レ知二案内一、稱二頸冷由一云云、

〔江家次第〕

〈十七〉

p.1110 立后事
前一日、大臣奉レ仰云、外記令レ誡二所司一、又召二内記一令レ作二宣命一、以上近代或當日早旦行レ之、大臣參入奏二宣命草一、次奏二清書一、〈返給之後、令レ持二内記一令レ候、〉次大臣於二陣座一、豫定二宣命使中納言一、〈公卿螺鈿劔隱文帶、不レ著二魚袋一、〉主上御二南殿一、〈或不二渡御一〉引レ陣、〈近仗、將縫腋袍壺胡籙蒔繪劔著レ靴、外記亦同、但撿非違使佐、平胡籙、内裏儀式、近仗服二中儀一云云、〉王卿出二外辨一、〈若非二第二大臣一者、召二召使一令レ下二式筥一、召二外記一問二諸司一、大舍人候哉、刀禰列候哉、外記毎レ度申二候由一、上宣令レ候レ之、〉大臣於二陣後一着レ靴、取二副宣命於笏一進立二軒廊一、内侍臨檻、内辨參上著二南廂兀子一、〈裝束記文、新儀式等同、東方三間東柱側、西宮四條抄等曰、東第二間西邊、代代例亦以不レ定、但多依二後説一、〉開門〈開二承明門建禮門一、不レ開二掖門一、〉闈司著座、大臣召二舍人一、〈二音〉大舍人稱唯、少納言着レ版、大臣宣刀禰召〈世、〉外辨王卿參入立レ標、〈出レ自二列前一入二軒廊東二間一、於二東階下一揖、經二東階並簀子敷一、立二二間東柱下一、〉大臣給二宣命一、給レ之退、〈於二東階下一歸向揖、立二軒廊西第一間北邊一、〈或二間〉天徳二年立后日、師氏卿立二二間一、同四年任大臣日雅信卿立二一間一、〉大臣退下、〈於二東階下一歸向揖、使揖自二東二間一出、〉又與二宣命一就二庭中

p.1111 標一、〈經下大臣與二納言一列間上立レ上〉宣命使著レ版、〈自二東二間一出、毎二曲折一揖如レ常、〉宣制一段、〈群臣再拜〉又一段、〈群臣再拜、北山抄曰、拜舞云云、是依二新儀式讓國儀、並延喜三年立太子日記、並叙位時親族拜一歟、而六年之例多再拜也、〉宣命使經二列西一復二本位一、〈或從二東邊一復〉王卿退出、主上還御、次令三藏人召二大臣一、〈攝政於二直廬一行レ之、參議執筆、〉大臣先候二殿上一、依二重召一經二簀子敷一著二御前圓座一、次召二五位藏人一令レ進二紙筆一如レ恒、大臣依レ仰書二宮司除目一、事訖退下、於レ陣令二參議清書一、〈用二折堺一、公卿一枚、非參議一枚、〉次奏聞如レ恒、次召二式部一給レ之、〈外記三度申如レ恒、丞立二小庭一、上卿召曰末宇古(マウコ)、丞取レ文返立、又仰萬計當(マケタウ)〈ヘ、〉若被レ加二任武官一者亦同二其儀一、〉先レ是清書被レ奏之後、職司公卿、并亮等奏慶〈弓場殿〉拜舞、次參二彼宮一令レ奏レ慶再拜、了各行レ事、此間勅使次將參二本宮一申二宣命由一、先敷レ座〈帖茵〉令レ著レ之、公卿一人執二女裝束一給レ之、〈長暦元年三月春宮權大夫取レ之、永承六年二月十三日大夫取レ之、使下レ地再拜退、〉藏人令レ持二御椅子一脚、〈紫檀地螺鈿、白織物敷物、加二白地紫文綾毯代鎭子四枚一、〉大床子二脚、〈塵蒔螺鈿蠻繪、高麗耨、加二圓座一枚一、〉師子形二、御挿鞋一足一〈盛二柳筥一、或加二御膳具銀器、並御臺盤等一、〉其儀如レ前、〈公卿一人執二女裝束一給レ之、又給二小舍人祿絹二匹一、〉藏人下レ地再拜、退立二御椅子一、〈撤二御帳南面茵帖等一、不レ撤二唐匣等一、〉即立二於晝御座跡一御挿鞋〈置二鏡臺下一〉師子形〈立二御帳南面左右一〉大床子二脚立二帳東頭一、〈東西妻、其上敷二圓座一枚一、〉炬火屋、〈立二於庭中一〉修理職時簡、御膳(ヲモノ)棚、〈以上立二於中門腋一〉大臣被レ仰二六府啓陣可レ參由一、〈或依レ仰〉大臣召二膝突一枚一、〈次第仰レ之、先左右近將、次左右衞門佐、次左右兵衞佐、〉六府各率二官人以下一員、近衞等十人一參二彼宮一、〈◯中略〉神祇官奉二仕大殿祭一、〈或先レ是奉仕之宮司一人引道、可レ令二奉仕一、〉供二御膳一、〈采女六人、經二簀子一自二階次間一供レ之、到二御簾下一付二女藏人一、女藏人六人、傳二取之一供二大床子前一、御臺盤有レ臺、〉本所上臈女房爲二陪膳一、皇后經二御帳後一御二大床子一、立二御箸一入御、次撤レ之如レ恒、次又供二夕膳一、又供二御手水一、〈在レ臺、於二大床子一供レ之、〉下二格子一後、侍者名謁奏レ時、〈近代例不レ定〉被レ補二御匣殿宣旨内侍一、〈以上大夫仰レ亮、亮告二知其人一、〉補二侍職事以下女房一、衝重所所屯食、

〔羽林要秘抄〕

p.1111 立后〈縫腋蒔繪劒、相二具緌壺胡籙靴等一、不二必取一レ笏、或臨レ期卷纓、或自二里亭一卷纓、或懸レ緌、隨二身壺垂袴一、〉
時刻渡二御南殿一、〈或不二渡御一〉左右近衞陣二階下一〈不レ立二胡床一、帶二弓箭一、著二靴或淺沓一、〉内辨著二堂上一召二舍人一、外辨公卿列立、宣命使宣制、諸卿退下、次將退下、〈自二上臈一退、左近左廻、右近右廻、未二事終一退者、左近右廻、右近左廻、以後垂纓撤二弓箭一、〉次宮司除目比、差二近衞次將一人一、被レ申二冊命由本宮一、〈除目大夫參宮後可二參著一〉申二事由一、依レ召昇レ自二中門一著座、賜レ祿降レ地再拜、出二中門一退、被レ仰下六府將佐可レ候二啓陣一由上、上卿著レ陣敷二加軾一枚一、先召二左右次將一、垂纓緌帶劒取レ笏淺沓、入二宣仁門一著レ軾、〈經二柱外砌内一〉上卿云、其宮啓陣〈仁〉候、微音稱唯退下、〈左廻經二下臈後一〉衞門兵衞又如レ此、參二彼宮一之時、卷纓緌帶劒壺胡籙、著二中門廊座一、〈不二必然一歟〉六

p.1112 府將佐各一人、
本宮儀略不レ記、三ケ日參入裝束如レ先、至二第三日一、著二中門廊座一有二盃酌一、其後給レ祿退出、〈不レ拜〉

〔續日本紀〕

〈十聖武〉

p.1112 天平元年八月戊辰、詔立二正三位藤原夫人一爲二皇后一、〈◯聖武皇后〉壬午、喚二入五位及諸司長官于内裏一、而知太政官事一品舍人親王宣レ勅曰、天皇大命〈良麻止〉親王等又汝王、臣等語賜〈幣止〉勅〈久、〉皇朕高御座〈爾〉坐初〈由利〉今年〈爾〉至〈麻氐〉六年〈爾〉成〈奴、〉此〈乃〉間〈爾〉天〈都〉位〈爾〉嗣坐〈倍伎〉次〈止〉爲〈氐〉皇太子侍〈豆、〉由レ是其婆婆〈止〉在〈須〉藤原夫人〈乎〉皇后〈止〉定賜、加久定賜者皇朕御身〈毛〉年月積〈奴、〉天下君坐而年緒長〈久〉皇后不レ坐事〈母〉一〈豆乃〉善有〈良努〉行〈爾〉在、又於天下政置而獨知〈倍伎〉物不レ有、必〈母〉斯理幣能政有〈倍之、〉此者事立〈爾〉不レ有天〈爾〉日月在如、地〈爾〉山川有如、並坐而可レ有〈止〉言事者汝等王臣等明見所レ知在、然此位〈乎〉遲定〈米豆良久波〉刀比止麻爾母己〈我〉夜氣授〈留〉人〈乎波〉一日二日〈止〉擇〈比〉十日廿日〈止〉試定〈止斯、〉伊波婆許貴太斯〈伎〉意保〈伎〉天下〈乃〉事〈乎夜〉多夜須久行〈無止〉所念坐而、此〈乃〉六年〈乃〉内〈乎〉擇賜試賜而、今日今時眼當衆〈乎〉喚賜而細事〈乃〉状語賜〈布止〉詔勅聞宣、賀久詔者挂畏〈支〉於此宮坐〈氐〉現神大八洲國所知倭根子天皇我王祖母天皇〈乃〉始〈斯〉皇后〈乎〉朕賜日〈爾〉勅〈豆良久〉女〈止〉云〈波婆〉等〈美夜、〉我加久云其父侍大臣〈乃〉皇〈我〉朝〈乎〉助奉輔奉〈氐〉頂〈伎〉恐〈美〉供奉乍夜半曉時〈止〉休息無〈久〉淨〈伎〉明心〈乎〉持〈氐〉波々刀比供奉〈乎〉所見賜者、其人〈乃〉宇武何志〈伎〉事欵事〈乎〉送不レ得レ忘、我兒我王過无罪無有者捨〈麻須奈〉忘〈麻須奈〉負賜宣賜〈志〉大命依而、加〈爾〉加久〈爾〉年〈乃〉六年〈乎〉試賜使賜〈氐〉此皇后位〈乎〉授賜、然〈毛〉朕時〈乃末爾波〉不レ有、難波高津宮御宇大鷦鷯天皇、〈◯仁徳〉葛城曾豆比古女子伊波乃比賣命皇后〈止〉御相坐而食國天下之政治賜〈家利、〉今米豆良可〈爾〉新〈伎〉政者不レ有、本〈由理〉行來迹事〈曾止〉詔勅聞宣、既而中納言從三位阿倍朝臣廣庭更宣レ勅曰、天皇詔旨今勅御事法者、常事〈爾波〉不レ有武都事〈止〉思坐故猶在〈倍伎〉物〈爾〉有〈禮夜止〉思行〈之氐、〉大御物賜〈久止〉宣、賜二親王絁三百疋、大納言二百疋、中納言一百疋、三位八十疋、四位三十疋、五位二十疋、六位五疋、内親王一百疋、内命婦三位六十疋、四位一十五疋、五位一十疋一、

〔日本後紀〕

〈二十四嵯峨〉

p.1113 弘仁六年七月壬午、立二夫人從三位橘朝臣諱一〈嘉智子〉爲二皇后一、參議宮内卿正四位下藤原朝臣緒嗣、進就二閤門一宣命、其詞曰、天皇大命〈良萬止〉勅〈布〉大命〈乎〉親王等臣等百官人等天下公民衆聞食〈止〉宣、食國天下政〈波〉獨知〈倍伎〉物〈爾波〉不レ有、必〈母〉斯理弊〈乃〉政有〈倍之止〉自レ古行來〈魯〉事、皇后定〈氐志〉閫中〈乃〉政〈波〉成物〈止奈毛〉常〈毛〉所聞看行〈須、〉故是以從三位橘夫人〈乎〉皇后〈止〉定賜〈布、〉故此状〈乎〉悟而供奉〈止〉勅〈布〉天皇御命〈乎〉衆聞食〈止〉宣、贈二皇后父正五位下橘朝臣淨友從三位一云云、從四位上藤原朝臣貞繼爲二皇后宮大夫一、從五位下紀朝臣繼足爲レ亮、

〔小右記〕

p.1113 天元五年三月五日丁酉、殿下〈◯藤原頼忠〉被レ命云、皇后〈◯圓融后遵子、頼忠女、〉事未レ承二其日一、今日吉日若可レ然者、令下蒙二慥仰一定中申可レ立二皇后一之日上、如レ此之事、若及レ迫レ事定難レ成歟、以レ之爲レ思、早參内以二此旨一可二洩奏一者、參内此趣被レ仰云、事既一定、早可レ奏二立后之日一者、參レ式〈殿下被レ參レ式◯式ハ中宮職ナルベシ〉申二此由一、即著二給朝服一召二御前一、親執給レ祿〈女裝束一襲、加二織物祿一、〉被レ奏云、〈◯云一本作レ之、〉年來頻蒙二朝恩一、已昇二高位一、日夕之思〈◯思一本作レ恩〉朝恩難レ報、重及二今日一更戴二此仰一、載悦之深不レ知レ所レ爲、朝恩餘レ身前後不レ覺者、給祿纒頭、下二庭中一再拜、〈此間大相府、下レ自二長押座一、〉歸參内奏二此由一、即大相府參二射場殿一、以レ余〈◯藤原實資、頼忠姪、〉被レ奏二慶由一、被レ仰二聞食之由一、著レ劒傳二綸旨一舞踏了、參二上殿上一、被レ仰趣如レ前被レ仰云、須下召二御前一仰中此由上、而亂間不レ能レ召二御前一者、大相府退下被レ仰云、以二弘徽殿息所一可レ立二給皇后一、供奉所司、且可二誡仰一之由可レ仰二左大臣一、至二于冊命之日一追可レ仰者、左大臣依二直物事一候二左仗一、即以二綸旨一仰了、候レ陣公卿等參二弘徽殿一被レ申二皇后慶一、〈◯中略〉今夜於レ式被レ定二立后雜事一、又以二光榮朝臣一被レ勘二申立后日時一也、勘申云、來十一日癸卯、時酉二點、〈◯中略〉　十一日癸卯、參殿次參内、今日以二女御從四位下藤原遵子一立二皇后一、其儀南殿御裝束、略如二相樸召合儀一、〈垂二御簾一〉南廂東第三間立二内辨兀于一、又不レ立二宜陽殿兀子一、左大臣被レ奏云、可レ奏二宣命草一、依二内裏式文一可レ有歟、將可レ有二鈴〈◯一本作レ論〉詞一歟者、被レ仰云、依二前前例一可レ載二鈴詞一者、左大臣參二射場殿一、以レ餘被レ奏二宣命草一、御覽了返給、此間大相國被レ參レ式、依レ召參入、以レ余被レ書二出中宮職司等一、大進正五位下源輔成、少進正六位上藤原爲政、少進正六位上藤原正信、大屬正六位上肥田維延、大夫

p.1114 亮不レ注二其人一、即書二一紙一加レ封被レ奏云、宮下司〈◯一本作二宮司下一〉如レ此、至二大大一可レ在二勅定一者、以二下官一可レ爲レ亮之由、以二右中辨一被レ奏也、被レ仰云、大夫事猶以定申者、此間天皇出二御南殿一、〈時酉一點〉内侍喚入、左大臣著レ靴參上著座、諸衞開門、内辨召二舍人一二聲、稱唯少納言師衡代參、内辨云、召二刀禰一者、稱唯退還、大納言爲光以下諸大夫參入、内辨召二中納言文範一、〈民部卿〉稱唯參上、給二宣命一立二東軒廊一、其間内辨大臣起座加レ列、宣命使加レ列、宣制如レ式、群臣拜如レ式、拜了左大臣以下出レ自二承明門一、諸衞門閉門、天皇還御、大相府被レ參、被レ候二殿上一奏云、皇后宣命慶、前後不覺、頻戴二朝恩一、不レ知レ所レ爲、被レ仰云、夜依二深更一不レ召二御前一者、唯被レ仰二聞食由一、大相府被レ奏云、右大將藤原朝臣、〈濟時〉中納言朝臣、〈保光〉共是可レ堪レ仕者也、濟時者、爲二氏公卿之内一、又爲二上臈一、保光者爲無上且爲二傍親一、此間可レ在二御定一者、仰云、猶可二定申一者、被レ奏云、又如二初奏一、仰云、右大將藤原朝臣爲二上臈一、以レ彼可レ爲二大夫一者、大相府被二退出一〈被レ參二中宮一〉云云、仰云、依レ例壁等可レ令レ參二中宮一者、即仰二左大臣一、傳聞召二諸衞佐於膝突座一御、仰云云、〈無レ佐之時、以二外記一令レ仰云云、〉召二左大臣於御前一、被レ定二中宮職司一、〈大夫右大將濟時、兼亮下官、兼大進散位源輔成、少進爲政、正信、大屬式部大録肥田維延兼、〉頃之退下、其後參二射殿邊一、被レ奏二清書一、無二維延兼字一、仍被レ仰註二兼字一、又重於レ陣被レ奏、右大將下官、於二射殿一以二藏人宣孝一令レ奏二慶由一、〈依レ無二近衞府一、以二藏人一令レ奏、〉下官即改二註名所於殿上簡大夫下一、〈◯中略〉今夜奉二令旨一、以二藤詮子一爲二宣旨一、〈是皇后大夫妻、中宮姉、〉以二藤原淑子一爲二御匣殿別當一、〈參議佐理妻〉以二藤原近子一爲二内侍一、〈信濃守陳忠妻〉以二下官及右中辨懷遠一爲二侍所別當一、大進輔成朝臣奉二令旨一、男女房簡今夜始書、宣旨内侍著レ簡、依レ無二先例一不レ著、御匣殿別當少將乳毋〈良峯美子〉同著レ簡、下官、右中辨侍所長藤原長忠、同望弘等同著レ簡、而以二四人付一レ籍、頗有二詞忌一、仍加二阿波守公任朝臣侍所長一、今夜被レ下二令旨一理二御髮一、典侍泰〈◯泰一本作レ㳟〉子有二給物一云云、慥不レ知二色目一、或説云、絹云云、可レ尋二問之一、今日午時許、召二侍從公任朝臣一、爲二中使一被レ奉二中宮一、有二給祿一女裝束、　十二日甲辰、參殿令レ申レ慶、次參宮令レ申二北御方一、〈◯頼忠妻皇后母〉今日勸學院學生等參二入於宮一、先下二令旨一於二啓陣一入二學生一、令二大進輔成朝臣一令レ啓二慶由一、傳二内侍一令レ啓、仰二聞食由一、奉拜了給二匹絹一、〈或時給饗、或時事依二倉卒一不レ被レ儲レ饗、職事者白匹絹、學生赤絹、大六位或取レ祿給レ之、〉畢又致二拜禮一云云、少將乳母從二昨日一祗候、今日給二平綾六匹絹十匹一、納二通筥一、陪從女中給二

p.1115 絹十匹一、少貳兵衞命婦等候レ之、不レ知二給物一、可二尋記一、入レ夜罷出、參二大夫殿一、爲レ令レ申レ慶、依レ被二參宮一罷出、　十三日乙巳、參二左府一令レ申二慶由一、依二御出一空以罷出、次參二東宮一令レ啓二慶由一、拜了付二殿上簡一、頃之參二中宮一、今日召二著諸衞佐等於侍所一給レ祿、判官以下直給、〈但例第四日早朝給之、明日依レ當二御衰日一今日給、今夜祗候、明日可二罷出一之由令レ仰レ之、〉女房等給レ祿有レ差、又宮主裝束史官掌史生等同給、所所饗饌如レ昨、給祿色目、所所饗等有二別紙一、今日初啓二時刻一、又有二名謁一、入レ夜參内、籠二候御物忌一、　十五日丁未、參二中宮一、大夫同被レ參、被レ定二所所別當預下部等一、又定二女房局遠侍一者、大番侍者藏人等侍所名簿等同下給、興福寺僧等參入、賜レ祿有レ差、　廿三日乙卯、參二中宮一、今日始二廳事一、申時宮司等相率始行二請印政一、〈件印以二書博士一可レ令レ書二其文一、而透行以二直講賀陽穀明一、令レ書二中宮職印一者、給二内匠寮一令レ鑄、櫃子同寮奉仕、〉廳座儲二酒饌一、大夫不レ著、於二便所一、大夫相共定下遷二御大裏一之雜事上、侍所女房簡、今日始之、女房日給女史奉レ之、入レ夜退私、

〔權記〕

p.1115 長保二年二月廿五日癸酉、此日立后、丞相命云、今日御使前々給二親昵人一云云、〈天徳二年謙徳公、天祿四年閑院大納言、天元元年右衞督、皆后兄弟、〉亦大床子師子形等、宣命了即可レ給者、參内、〈一條院〉南殿裝束准二紫宸殿一供奉、但間數減二二間一、然而御簾西間、立二内辨兀子一如レ例、被レ仰二宣命事一奏云、以二四條后一〈◯圓融后遵子〉爲二皇太后一宜歟、亦被レ仰二先先行事一、亦申二御使可レ遣之事一、依レ仰遣二召權中將一、〈成信〉頃之參入、又暫之左大臣被レ參、宣命刻限酉二刻也先之右大臣被レ參、有レ召參二晝御座一、仰云、以二皇后一爲二皇太后一、以二女御從三位藤原彰子一爲二皇后一之由可レ仰、即刻右仗仰二右大臣一、右大臣移二南座一、召二官人一令レ置二膝突一、令レ召二内記一、即大内記宣義朝臣參、奉レ仰以レ草覽、大臣參二御所一〈殿上小板敷戸外〉令二余奏一レ之、仰云、依レ草、〈件草依二左府命一、豫仰二宣義朝臣一令レ書二儲之一、〉次出御、次右大臣於二便所一亦被レ奏二清書一、〈此度若參二母屋御簾下一、可レ被レ付レ侍歟、〉返給之後、近仗陣二階下一、内侍臨檻、大臣參上、闈司出、〈不二開門一、西中門本自開也、〉大臣召二舍人一、〈二音〉大舍人於二中門外一稱唯、少納言藤原朝臣朝典代就レ版、大臣宣刀禰召、朝典稱唯出二中門外一、召二大納言源時仲卿、藤原道綱卿、權大納言同懷忠卿、中納言平惟仲卿、藤原時光卿、參議藤原誠信卿、同公任朝臣、同忠輔朝臣、齊信朝臣、源俊賢朝臣等一、參入就二標下一、〈四位以下不二列入一〉大臣召二中納言平朝臣一、〈詞云、中乃物申司乃平朝臣、其爲二長官一者、不レ召二上字一、仍只召二厶官乃一、而今稱二司乃一、繆案也、〉平朝臣稱唯、揖而離レ列、斜行經二南殿西南渡殿一昇レ殿、立二大臣左方長押下一、大臣給二宣命一、

p.1116 〈左手給レ之〉納言搢レ笏進寄給レ之、右廻下レ殿侍、大臣下レ自レ殿就レ列、然後就二宣命版一、宣制一段、群卿再拜、又宣制一段、群卿又再拜、納言右廻就二本位一、大臣以下退出、此間仰二藏人則隆一差二出納一、令レ奉二中宮大床子二脚、師子形二頭、挿鞋一足一、天皇還二御本殿一、先レ是右大臣命云、今日依レ當二衰日一、不レ可レ候二除目一之由可レ申二左大臣一者、即申二案内一了、于時左大臣、令下權中將〈成信〉密告二源大納言一參中中宮上、若依レ不レ可レ堪二除目一歟、有レ召參二御前一、仰云、可レ有二除目一、召二右大將藤原朝臣一、予奉レ勅、召二藏人所菅圓座一枚一鋪二南之庇一、〈但不レ垂二御簾一〉于時殿司供レ燭主上出御、召人大藏卿〈正光〉參入、依レ仰召二大將一〈此間大臣奉レ遣二經房中將於中宮一、被レ申乙可下立二大床子一置中師子形上並可レ立二倚子一事甲〈爲二拜禮一也〉〉次召二紙筆一、〈左大臣豫書二土代一獻二上之一也〉除目訖大將退下、大夫源時中兼、權大夫藤原齊信兼、亮藤原正光兼、權亮源則忠兼、大進大江清通兼、權大進源高雅兼、少進橘忠範兼、藤原陳泰兼、大屬丸部兼善兼、少屬飛鳥戸光正兼、權少屬、左大臣被レ奏云、以二橘朝臣良藝子一〈院辨命婦〉爲二宮内侍一、奏聞了亦被レ仰二六衞啓陣一、依レ例可レ令レ遣之由仰右大臣一、大將暫立二壁後一、大臣召二仰諸衞一、退出之後可三著陣令二清書一也、此間申二左大臣一參二中宮一、〈大臣以下、清書之後可レ被レ參二中宮一也、〉因二御消息一相二過藤三位一問二理髮事一、〈被二奉仕一可レ宜之由、内内相示也、〉中宮御寢殿東對南放出四間、母屋南北行東西對座鋪二高麗端一、土敷上鋪二圓座一爲二參議以上座一、〈並北上、親王著二東座一、鋪二錦端疊一、大臣著二西座一、及二納言以下參議以上座一、用二高麗端一、〉南廂鋪二兩面端疊一爲二四位侍從座一、南廊舖二紫端疊一爲二五位侍從座一、皆豫備二爼上饌一、東孫廂儲二殿上人座一、〈予仰二春宮屬錦信理一令二奉仕一〉頃之諸卿被レ參二西中門一、令三亮正光朝臣啓二事由一、〈拜賀侍從相從〉訖次第著座、次彈正尹、太宰帥兩親王著座、事了召二於御前一、又砌下召二管絃者一、于時鸚吻頻飛、鳳管數鳴、萬春之樂未レ央、一夜之漏將レ曙、事了賜レ祿有レ差、與二藤中將一同車歸宅、皇后宮爲二皇太后宮職一、中宮職爲二皇后宮一、新皇后爲二中宮一、

〔中右記〕

p.1116 永久六年正月廿六日己酉、今日女御立后也、〈◯中略〉以二藏人辨實光一被二仰下一云云、女御從三位藤原朝臣璋子可レ爲二中宮一〈◯鳥羽后〉由可レ令レ載二宣命一者、〈頭辨今日依二本宮沙汰一不二參内一、仍被二仰下一也、〉右府〈◯源雅實〉召二大内記永實一仰二件趣一則進レ草、〈入レ筥〉右府以二件草一被レ見二人々一、予取レ之披見之處、入二新后御名一也、申云、草案不レ入二后名一、清書之時可レ入之由見二舊記一如何、〈永承元年被レ難事也〉但別當被レ申云、或有二入之時一者、予以下不レ見、早可二返奏一之由右府被レ示、予返

p.1117 上了、付二藏人辨一令二内覽一、殿下令レ候二御前一給故歟、則返給又被レ奏、仰云、令二清書一則召二内記一返給、令レ進二清書一如レ初以二藏人辨一令二内覽一、後又奏覽、右府召二大外記一被レ問二諸司具否一、右大將〈◯藤原家忠〉已下向二外辨一、此間陰雲俄掩、小雨間灑、可レ用二雨儀一之由、人々議定、〈◯中略〉此間主上出二御晝御座一、〈御直衣〉殿下〈◯藤原忠實〉令レ候給、〈敷二圓座二枚一、如二女叙位時一、〉依二御出一告二右府一、入レ從二殿上上戸一、經二年中行事御障子北並簀子敷一、入レ從二御座間一著二圓座一、〈敷二圓座一之間也〉依二御氣色一召二男共一、藏人辨參、仰下硯續紙可二持參一之由上、則入二柳筥一入レ從二執筆座南間一、置二大臣座前一、依レ仰被レ任二宮司等一、〈宣命ニハ皇后ト雖レ書、除目ニハ被レ書二中宮職一也、又太政官謹奏字不レ被レ書也、彼一家皆被レ書、而今不レ被レ書如何、◯中略〉或人談云、寛平以後、大納言姫立后仕人、小一條大將姫皇后宮娀子、與二此中宮一也、誠希有之例、大幸之人也、

〔玉海〕

p.1117 承安二年二月十日己酉、此日有二冊命皇后〈◯高倉后〉事一、〈女御徳子（平清盛女）爲二中宮一、以二皇后宮一爲二皇太后宮一、以二中宮一爲二皇后一、太皇太后不二御坐一也、〉下官依二遠忌一不二參仕一、後聞内辨左大臣〈◯藤原經宗〉宣命草並清書、乍レ在二陣座一被レ奏レ之〈頭辨〉云云、宣命使別當成親卿、〈永久別當忠教勤仕之例云々〉外辨上首左大將〈◯藤原師長〉云々、宣制了退出之時、左大臣不レ被レ練云々、宮司除目之時、執筆并清書上卿〈執筆左大臣、清書上中納言、〉許被レ召二直盧一、寛治五年立后〈幼之時也、郁芳門院、〉之時、大臣以下豫參二直盧一、仍今度人々存二其旨一之間、無二召立一可レ尋事也、宮司等拜了則參二本宮一、先レ是宣制之後、勅使頼實朝臣參二本宮一、而大夫除目以後參入、被レ相 待彼一之間、數刻云々、下二除目一並仰二啓陣事一、左大臣被レ讓二源中納言一、左大臣以下參二本宮一、出二内裏一之間有二出立事一云々、〈以二二條町一爲二陽明門代一、北南門幔差去レ東引之、而出立之朝撤二件前幔一云々、〉于時左大臣不レ居レ陣降レ自二中門一、人々相 率少納言辨外記史以下一、在二左衞門陣代内一、〈官掌召使等進出、大臣被レ留二御前一之時、相代可レ參之故也、〉出門之後大臣被レ留レ之、相代召使前行追如レ常、至二二條町一、左大臣將以下雁行、〈路北〉大將迫二首路東面一立、仍以下重立、〈或第一人頗倚二北東面一、其以下頗左スヂカヒテ、坤方ザマニ雁行云々、〉大臣立還揖歸出了、其後人々次第乘車、主上御二簾中一、
本宮儀、先宮司申レ慶、次勅使被レ召、大夫取レ祿、〈大褂〉次勅使藏人參入、〈權大夫取レ祿、女裝束、〉次左大臣進二前庭一再拜、〈攝政不レ被二立拜一〉次上卿著座、〈攝政著レ端云々〉一獻、〈攝政、左大將、〉二獻、〈左大臣、内大臣、〉三獻、〈源大納言、大夫、〉永久一獻、上臈二人被レ取レ之、尚不二心得一事也、尚一獻大夫權大夫可レ取レ之也、然而代々不レ定、仍今度被レ逐二永久例一云々、打出欵冬匂云々、四位侍

p.1118 從座在二南庇一、五位侍從座在二中門廊一、如二去仁安儀一云々、以二傳説一所レ記也、
宮司
　大夫權大納言藤原朝臣隆季　　　　　　　　權大夫權中納言平朝臣時忠
　亮左馬頭平重衡　　　　　　　　　　　　　權亮右中將平維盛〈重盛卿男〉
　大進勘解由次宮平基親　　　　　　　　　　權大進左兵衞佐藤原光憲
　權大進前伯耆守藤原宗頼　　　　　　　　　少進佐渡守藤原重頼
　權少進正六位上源兼綱〈頼行子、頼政養子、女御之時勾當也、〉　　　年預〈右衞門志撿非違使資成〉
御遊召人
琵琶〈左大將〉拍子〈宗家卿〉箏〈兼雅〉笛〈成親〉和琴〈忠親〉篳篥〈定能朝臣〉笙〈降房朝臣〉付歌〈實宗朝臣、維盛、〉
曲
呂　安名尊〈二反〉鳥破　席田〈二反〉
律　伊勢海　萬歳樂〈此間侍從給レ祿〉三臺急數反
此間公卿給レ祿、〈先宰相、次中納言、次大納言、次大臣、〉　十一日庚戌、今日立后之處第二日也、左大臣左大將以下濟々參入云々、又御書使、〈泰通朝臣、件御書紅薄様、有二上裹一薄様云々、永久第三日有二此事一、今度依二日次宜一今日有レ之、〉　十二日辛亥、此日未刻參二獻〈◯獻恐殿誤〉中宮一、〈院女院同居〉人々未レ參、仍參二院御方一、殿上隆季卿獨候レ之、暫言談、申刻又々參集、次下官及隆季等著座、〈◯中略〉次左大臣内大臣參上、左大臣著レ端、内大臣著レ奧、便宜頗惡、仍下官移レ奧、内府著レ端居替了、
今日座體、對代南面三箇間對座、敷二高麗端疊一、〈有二弘筵差筵等一〉立二赤木机一備二饗饌一〈大臣頼、不レ居レ飯也、〉爲二公卿座一、同南孫庇〈同敷レ筵〉迫二南柱一、敷二紫端疊二枚一、立二黒柹机一備レ饗爲二殿上人座一、〈東上一行〉中門廊副二西壁一、敷二紫端疊三枚一、爲二啓陣座一、〈北上一行、但臨レ期敷レ之、〉
先一獻亮重衡朝臣、〈瓶子地下五位〉二獻左大辨實綱、〈瓶子殿上五位〉次居レ版居レ飯、〈手長四位也、經家朝臣勤レ之、殿上人也、〉次居レ汁、〈手長不レ起レ座、待二〉

p.1119 〈居了一後起了、〉申上下レ箸、又居レ汁、申上下レ箸如レ恒、次三獻、〈權大夫時忠卿、瓶子殿上五位、〉次居二菓子一、次欲レ著二薯蕷粥一、而左大臣云、可レ略レ之、仍不レ居レ之、殿上人座一獻、〈大進基親、瓶子次五位、〉二獻、〈權大夫光範、瓶子同、〉三獻、〈權大夫宗頼、瓶子同、〉次殿上人起座了、此間敷二啓陣座一、又立二黒柹机一、不レ居レ飯遲々也、次大夫召二宮司一、宗頼參上、仰二可レ召レ亮之由一、則重衡朝臣參二候廣庇一、大夫仰云、啓陣將(スケ)召、〈或曰、啓陣將可レ仰云々、可レ尋也、〉亮退下、次啓陣將佐、左近中將定能朝臣、右近少將隆房朝臣、右衞門權佐光雅、左兵衞佐光範、右兵衞佐兼能等著座、〈各蒔繪劔、壷胡籙也、〉次欲レ居レ飯、爰大夫怒仰云、先可レ居者、兼可レ居レ之、不レ然者二獻之後可レ居、甚以奇恠、即進歸了、〈尤可レ然〉行事基親失錯歟、次一獻、〈權亮維盛、雖二年少十四一云云、作法優美人々感歎、瓶子次五位、〉次二獻、〈權大進基親、瓶子同、〉居二飯汁一、〈次五位〉次三獻、〈權大進光憲、起二啓陣座一勤レ之、瓶子同、〉次給レ祿、〈四位可レ給二大褂一云云、而皆單重也、〉宮司等取レ之、將佐取レ祿退出了、次余退出、此後事不二見及一、依レ爲二他氏一、〈◯藤原氏ナラザルヲ云フ〉御寺氏院等參賀不レ可レ有云々、又有二八幡奉幣定一云々、其事大夫可レ行也云々、打出欵冬匂也、

〔明月記〕

p.1119 嘉祿二年七月廿九日壬午、皇后冊命日也、〈◯中略〉申刻内裏事始、中宮〈◯後堀河后藤原有子〉爲二皇后宮一、從三位長子〈◯後堀河后藤原氏〉爲二中宮一、左大臣、〈内辨〉内大臣、大納言忠房、雅親、中納言家良、家嗣、通方、經通、實基、具實、頼資、參議伊平、經高、隆親、盛兼、爲家、家光、〈四位宰相、在二三位中納言後一如レ例、〉列立、了召二頼資卿一、放レ列參二進東階一、揖昇立二内辨後一搢レ笏、内辨賜二宣命一、宣命使㧞レ笏、右廻副二南檻一下レ階揖、立二軒廊東二間北方一、内辨右廻、經二簀子一副二北欄一下レ階揖、於二西第二間一揖、宣命使出二同間一、自二簷下一東行、下二東一間砌一歩出、歴二大臣後一、如レ例、宣命使歩出、當二日華北扉一揖、西折練去、宣命版五尺許立、宣制訖左廻、至二于四位宰相前程一練、〈其邊懷二中宣命一、〉經二四位宰相前一加二本列一、内辨以下退出、〈左廻内辨二丈許練、練様被レ替歟、〉内府以下不レ練、經二下臈前一、通方卿經高卿左廻、經二下臈後一、〈於二土御門内裏一、有二此儀一之由各陳之云々、〉具實卿右廻、經二下臈後一、〈後日云、我モ左廻了、〉家光朝臣又左廻云々、引陣將、左資季、資俊、實光、實清、右實忠、有教、宮司大夫兼經、〈無二參内一〉權大夫實基、亮範輔、權亮定雅、〈入道右大臣子、侍從、〉大進光俊、權大進範頼、〈亮子〉少進經氏、〈經高子〉六位、〈佐清子〉大屬資朝、四位侍從、〈宣經、實忠、實俊、顯平、宗平、親長、頼隆、資俊、〉五位、〈時兼、伊成、頼行、伊忠、能定、〉啓將定平、有教、信時、信成、親氏、顯氏、召仰上卿、〈通方卿〉於二本宮一列二立庭中一、拜後昇二中門一各退出、于時及二夜半一、依二座狹一不

p.1120 レ可二著座一、大辨外大略退出、冊命勅使師季朝臣、取レ祿人〈大夫〉被レ渡二御調度一、藏人〈忠時〉殿上人隨二其役一、外辨内府、忠房、雅親、家良、通方、伊平、經高、少納言爲綱、辨有親、伶人殿下、〈笙〉左府、〈拍子〉家嗣、〈和琴〉經通、〈笛〉實基、〈比巴〉盛兼、〈篳篥〉基平、〈箏〉宗平、有資、付歌、　八月一日、未一點出門、有二參内之志一、於二東洞院一、平宰相車馳融之間、不二參内一相共參宮、早速事可レ始由被レ催云々、大納言忠房、雅親、大夫殿、中納言家嗣、通方、實基、具實、參議經高、盛兼、爲家、家光著座、殿下〈衣冠〉令レ著二端座一給、〈昨日無二御著座一〉座并四位侍從座、偏同二一昨日一、殿上人兩頭、〈頭中將遲參、亮被二盃進一之間、追著二座四位侍從所一也、〉宗平、頼隆、定平、信盛、初獻亮、於二中門方一取レ盃、〈不レ見二其事一〉自二弘庇一經二侍從座上一參進、二獻〈此相公搢レ笏〉揖立二奧座一、經二殿上人末一出二弘庇一、跪二坐末間妻戸、西腋柱之程一、取レ盃、〈定政、定清子持來、〉瓶子皇后宮權大進光氏、經二西簀子南第二間一進二御座北一、〈持レ盃揖〉勸坏取二續酌一、拔レ笏揖之間、坏及二雅親卿一、起經二本路一之間、頭中將進受二大辨坏一即復座、居二汁物一、殿下陪膳保綱朝臣、〈納言以下兼居〉大辨申上箸下、三獻通方卿大略同、但入二殿上人座上妻戸一、〈南第一間也〉持レ盃不レ揖、不レ取レ扚、經二本路一復座、次殿下令レ立給、參議之間經高卿退出了、端兩人〈盛兼、家光、〉次第ニ退テ下二簀子一了、殿下自二南面簀子一令レ入給之後暫復座、大納言被レ立之間皆競立、別當具實等不レ揖、迯出之間皆立了、此間舊臣仲家、頻列二役諸大夫一云々、昨日忠房卿以下濟々不二委聞一、初獻亮、二獻經高、〈作法偏同二今日一〉三獻頼資卿云々、氏院參賀云々、

〔孝亮宿禰記〕

p.1120 寛永元年十一月十四日乙巳、自二傳奏西三條大納言一、就二中宮〈◯後水尾后徳川和子〉之事一、明日六位史召具可レ來云々、一條殿立中宮、依二上卿一兩局參レ之、〈◯中略〉　廿四日乙亥、就二中宮事一參二一條殿一、窺申之事等有レ之、參二中院中納言一、中宮方宣旨等之事、〈封戸官符、從三位中宮職之事、三通文書先日令レ懸二御目一、〉今度不レ及二御沙汰一之由有レ命、廿六日丁巳、禁中立后御習禮有レ之、〈◯中略〉　廿八日己卯今日立后被レ行二片節會并小除目一、内辨右大臣、〈一條殿兼遐公〉外辨中御門大納言、〈資胤〉日野大納言、〈資勝〉廣橋大納言、〈總光〉四辻中納言、〈季繼〉白川宰相、〈雅朝〉廣橋宰相、〈兼賢〉柳原宰相、〈業光〉西洞院右衞門督、〈時直〉次將左、水無瀬中將兼俊、中山中將元親、藤谷中將爲賢、北畠親顯、右庭田重秀、下冷泉爲尚、姊小路公景、庭中鳥瓶子不レ置レ之、外辨昇殿無レ之内辨計堂

p.1121 上也、物召等有レ之、著二外辨一衆、大中納言參議以上八人、少納言爲適、六位外記安倍亮盛、史三芳英房、召使等著レ之、宣命使四辻中納言、小除目陣執筆左大辨宰相、〈兼賢〉入眼上卿中御門大納言〈資胤〉等也、奉行頭右中將季俊朝臣、大外記師生朝臣、左大史孝亮、節會之儀畢、於二中宮一御作法有レ之、大殿祭有レ之云云、

〔立坊立后記〕

p.1121 天和二年十二月六日、當今〈◯靈元〉ノ女御藤房子〈◯鷹司教平女〉准后宣下アリ、上卿ハ勸修寺大納言經慶、辨ハ小河坊城藏人正五位上俊方、奉行ハ油小路右頭中將隆眞ナリ、同三年二月十四日立后ノ片節會ヲ行ハル、内辨ハ鷹司右大臣兼熈、外辨ハ葉室大納言頼孝、勸修寺大納言經慶、今出川中納言伊季、兼宣命使正親町中納言公通、七條參議隆豐、庭田參議重條、奉行ハ清閑寺辨熈定、少納言ハ石井行豐ナリ、中宮職大夫ハ從二位藤原朝臣實通兼レ之、權大夫ハ正三位西園寺中納言兼敦兼レ之、亮ハ高倉從四位上藤原朝臣永福兼レ之、權亮ハ大炊御門從四位上藤原朝臣信名兼レ之、但依二所勞一、廣幡左中將豐忠代レ之、大進ハ小河坊城正五位上藤原朝臣俊方兼レ之、權大進ハ交野彈正少弼從五位上平朝臣時香、少進ハ豐岡從五位上侍從藤原朝臣弘昌兼レ之、權少進慈光寺正六位源朝臣宣仲兼レ之、大屬ハ從五位下中原朝臣職永、少屬ハ正五位下賀茂縣主有顯、權少屬ハ從六位下宗岡朝臣信行也、六日辰刻出仕、除目ノ執筆於二御前一、鷹司兼熈勤レ之、陣頭ニテハ庭田重條勤レ之、硯ハ外記ノ硯ヲ用ユ、墨ヲ磨ルニ故實アリ、未ノ上刻一會事終テ、各中宮ノ殿ヘ參向、東福門院立后ノ節會アリケレドモ、諸式此度ノ如クニハ不レ調、催馬樂ハ、寛永年中、二條行幸ノ時アリケル以後ノ事也、御椅子御履氈代鎭子大床子ノ御膳、并切臺盤等ハ出納ヨリ調進ナリ、〈◯中略〉催馬樂ノ役人、歌物ハ綾小路俊景、并持明院基時、琵琶ハ今出川伊季、花園公晴、琴ハ白川雅元、和琴ハ四辻公韶ナリ、地下樂人六人階下ニ候ス、笛ハ上越後、山井近江、笙豐主殿、園淡路守、篳篥ハ東儀左衞門、窪甲斐也、三方ヨリ三人宛出座ヲ望申セドモ、二條行幸ノ時ノ樂人ノ位階ニ合セテ、用レ之給フト聞エシ、庭上ニ

p.1122 テ賜レ祿、大褂衣ハ白キ袷ノ如キ物ナリ、關白殿下ヘハ五位人役送シ、ソレヲ家ノ諸大夫ニ遣ス、是ヲ殿下ノ一覽ニ入テ引レ之ナリ、殿下以下ハ五位役送シテ、直ニ其人ニ渡ス、始メ小袖ノ領ノ方ヲ右ノ方ニシテ出シテ、渡ストキハ左ノ方ニトリナホシ渡ス、直ニ請取、左ノ肩ニカケテ退出ナリ、
　立后次第、〈委在二別册一〉
　本宮次第〈委在二別册一〉
◯按ズルニ、別册所載ノ立后次第、本宮次第ハ上文引載ノ江家次第ト粗同ジケレバ略ス、

p.1122 本御膳　御椅子　箸ニ雙匕大小ニ　馬頭盤　土器　御菜　御菜　御菜
散花取土器　陪膳人散花ヲ取テ、其後ニ御飯ノ上ニ竹箸ヲ一雙建テ、末ヲ如是折カク、
此大床子ノ御膳四脚、内ハ 黒塗連子ノ如ク、シゲクサンヲ打ツ、縁ハウルミ朱塗、一方ニ獅子ノ如クナル物向合テ居ル、紋二ツ宛アリ、凡紋四角ナルモノハ惣テ筥形ト云、丸キヲ蠻繪ト云、南蠻ノ獸ナドノ蟠ル形ヲ画ニヨリ蠻繪ト云カ、此御膳ニアルモ、異國ノ獸、螺鈿ニシテアリ、此本膳ハ横ニスエテ常ナリ、二ノ膳ハ竪ニスエ、此供物ハ高橋肥前、并ニ濱島内膳各調進

p.1122 【圖】

〔立坊立后記〕

p.1123 御菜ハ汁ノ物ト云テ、煮タル物アリ、二ノ御膳　御菜　土器
コノ二ツノ膳ノ下ニ毯代ヲ布キ、四隅ニ銅ノ獅子ヲ置キ、此ヲ鎮子ト云、毯代ノ押也、凡此打敷ノ上ヘ落タル物ハ、又上テ備フ不レ苦、
親王ノ陪膳ハ、大夫勤レ之、然トモ此度ハ、近衞家熙幼弱故ニ、次ノ權大夫勤レ之、中宮ノ陪膳ハ亮勤レ之、親王并ニ中宮ハ、御簾ノ内ニ豫メ供シテ置キ、御簾ノ外ヘ、内ノ事不レ知故ニ扇ヲ鳴シ玉フト、入御ト心得、御膳ヲ撤スル事也
參議座　中納言　中納言　中納言　中納言　大納言　大納言　右大臣　大納言　関白座　左大臣　殿上人陪膳ノ往來ノ道
此臺盤ハ朱塗ナリ、互ニ向合テ食レ之、陣ノ座ノ儀ノ如シ、大勢アレバ、又臺盤ヲ陪ス、參議ハ横座ナリ、竹ノ黒塗ノ箸一雙ヲ耳土器ニ居エ置ク、此耳土器ハ馬頭盤ノ形ニシテ、略シタルナリ、切臺盤ハ、一人前ニテ、四角ナルモノナリ

p.1123 【圖】

〔扶桑略記〕

〈二十九後冷泉〉

p.1124 治暦四年戊申四月十六日丁巳、立二女御藤原朝臣歡子一爲二皇后宮一、但無(○○)二宣命(○○)一、以(○)二宣旨(○○)一立(○)レ之(○)、關白教通朝臣之女也、母前大納言藤原公任女也、
◯按ズルニ、立后ニハ必ズ冊命アリ、今宣旨ヲ以テセシハ異例ナリ、

參賀獻進

〔北山抄〕

〈四〉

p.1124 立后事〈◯中略〉王卿侍從相引參二賀彼宮一、〈◯皇后宮〉

〔江家次第〕

〈十七〉

p.1124 立后事
公卿相率參二彼宮一、令三亮奏二慶由一、歸來曰、聞食悦給、〈或曰、聞食ツ、〉皇后著二御倚子一、〈白織御唐衣、白羅御裳、御挿鞋、先レ是上二御髮一、〉公卿參入列立再拜、〈四位侍從以下可レ在二後列一〉訖退出、亮告二有レ儲由一、公卿著座、〈對二母屋東西一對座、大臣茵、大納言以下圓座、机用二赤木一、四位侍從著二南庇座一、〈西上北面、謂二東儀一、〉五位侍從著二中御門北廊座一、諸衞將佐著二同廊一、〉次坏酌兩三巡、〈長暦元年關白勸盃、二獻居二粉熟一、三獻居レ飯、〉次居二汁物追物等一如レ恒、〈執政手長或權亮、奉二仕大臣前一四位或亮、〉次穩座、圓座敷二寢殿簀子一、上達部進著、召人著二砌下一〈預敷二其座一〉居二突重一、次勸坏、〈或公卿取レ之〉次御遊、〈先取二出御遊具一〉次二獻、次給レ祿、〈殿上、四位五位取レ之、先參議料、次納言料、次大臣料、〉但執政祿、〈或大夫執レ之付二前駈一、大臣白大褂一重、〈加二織物細長一重一〉大中納言白大褂一重、參議白大褂一領、〈非參議三位同〉〉次侍從、〈四位白絹、五位黄絹、諸大夫四位以下取レ之、〉召人、〈匹絹〉

〔小右記〕

p.1124 天元五年三月十一日癸卯、參殿、次參内、今日以二女御從四位下藤遵子一立二皇后一、〈◯中略〉參二中宮一、〈同車〉以二左中辨懷遠一令レ啓二慶由一、〈大進少進等如レ之〉入レ自二中門一、於二西對巽邊一拜禮、此間左大臣以下參入、以レ余被レ啓、公卿拜禮間、皇后理髮、白御衣白簪、著二給白御裝束一、著二給倚子一云云、典侍恭子理髮云云、上達部參入者、被レ仰云聞食者、左大臣以下侍從進二庭中一拜禮、了著二西對座一、〈先レ是寢殿御簾外、以二燈臺炬燈一、此間主殿女孺等參入、以二燈爐一供レ之、〉其儀以二東廂一爲二公卿座一、〈東面廂、簾不レ懸、〉敷二高麗端疊一、其上敷二茵圓座等一、〈右大將之、皆用二圓座一也、〉四位侍從座在二南庇一、〈敷二紫端疊一〉五位侍從座在二南廊一諸大夫座在二本藏人所、殿上人座本藏人所、宮侍座本侍所一、左右近衞、左右兵衞在二門内一、左右衞門在二門外一、皆用二平張一、上卿座定立レ机、公卿兩三依二座席狹一、假召二圓座一敷二東頭一、〈對座〉大夫濟時勸盃一巡之後、大相府出著座、〈御座、公卿座上東頭、用二菅圓座一南面、〉即立レ机、下官獻レ盃、〈一巡獻二大相國一〉次居レ飯、須三先居二粉熟一、而不レ儲云云、次右中辨獻レ盃、亦遞勸盃、數巡之後、宮司納二侍從祿於韓櫃一舁二出庭前一、中務少輔致時朝臣唱二見參一、此間公卿給レ祿、〈大褂、二位〉

p.1125 〈宰相加二赤絹一、侍從疋絹、四位白絹、〉大相府御祿、大夫執奉、鷄鳴公卿退出、

〔孝亮宿禰記〕

p.1125 寛永元年十一月廿八日己卯、今日立后、〈◯後水尾后徳川和子〉被レ行二片節會并小除目一、〈◯中略〉　廿九日庚辰、參二一條殿并兩傳奏一、令レ申二昨日之御祝儀一、就二立中宮之儀一、自二江戸大御所一〈◯徳川秀忠〉御使吉良少將、御大刀馬代銀千枚、自二大樹一〈◯徳川家光〉御使大澤少將、銀千枚進上云々、自二甲斐一、尾張、〈◯徳川義直〉紀伊〈◯徳川頼宣〉等中納言殿一、銀五十枚宛、自二水戸宰相殿一、〈◯徳川頼房〉三十枚有二進上一、　十二月四日甲申、御樽一荷御肴三種、進二上中宮御所一、兩局同道祗候、　八日戊子、立后節會御訪方可二書立一之由、自二傳奏中院一有レ命、今日局務以下人々三十許來入、各令二沙汰一、

〔季連宿禰記〕

p.1125 寛永元年十二月五日、自二妻許一三荷三種、進二上中宮御所一、又杉原十帖、進二權中納言局一、

〔萬天日録〕

p.1125 天和三年正月十八日、松平讃岐守被レ召也、儲君御方ヘ〈◯東山〉春宮、女御御方ヘ〈◯靈元后藤原房子〉中宮之宣下有レ之、爲二御祝御使一、京都ヘ可レ被レ遣レ之候間、可レ致二用意一之由、筑前守被レ申二渡之一、老中之面々列座也、〈◯中略〉　二月廿日、春宮中宮宣下相濟之間、昨日注二進之一、依レ之諸大名今日登城、

〔妙法院日次記〕

p.1125 天和三年二月十四日、今日准后〈◯藤原房子〉中宮宣下也、　十五日、爲二立后御祝儀一一荷〈大樽〉二種〈こんぶ、ごばう、〉被レ進之、禁中へも右同斷被レ獻也、〈御使坊官◯中略〉　十六日、今日行啓始のよし也、〈◯中略〉　十七日、行啓御祝義として、昆布一箱被レ獻、禁中へも右同斷御獻上〈御使坊官◯中略〉一從二兩傳一來口上覺、
明十八日午之刻、東宮様へ院家衆御禮御座候間、此旨可レ被二相達一候、中宮様ニも御勝手次第御悦可レ被二仰上一旨ニ御座候也、以上、二月十七日、
廿四日、中宮より御使來、去頃御祝義被レ進候爲二御返禮一、一荷三種來也、

待遇

〔令義解〕

〈六儀制〉

p.1125 凡皇后皇太子以下率土之内、於二天皇太上天皇一上表、同稱二臣妾名一、〈對揚稱レ名、〉〈謂凡臣下面在二君所一、稱二揚自名一者、唯稱二某甲一、不レ言二臣某一、其太皇太后皇太后、於二天皇太上天皇一、及太皇太后皇太后皇后皇太子、相稱之辭、不レ見二令條一、待二式處分一之、〉皇后皇太子、於二太皇太后皇太后一、率土之内、於二三后皇子一上啓、稱二殿下一、自稱二皆臣妾一、〈對揚稱レ名、〉

〔令義解〕

〈七公式〉

p.1126 太皇太后、〈太皇太妃、太皇太夫人同、〉　皇太后、〈皇太妃、皇太夫人同、〉　皇居、
右皆平出、〈謂平頭抄出、即據下當時天子、及國忌可二廢務一者上、其下條闕字亦准レ此、〉
中宮、　御、〈謂斥二至尊一、〉〈謂二一人一也、三后亦准(○○○○)レ此(○)、凡明神御宇如レ此之類、非三是斥二説一人一、故不レ可二復平闕一、其闕字之號、若當二行上一者不レ可レ闕之、猶須二平出一、〉　殿下、
　右如レ此之類並闕字
◯按ズルニ、此文以下律疏六議ニ至ルマデハ、三后ニ亘レル文ナリ、篇中皇太后宮、太皇太后宮ノ條ニハ、畧シテ載セズ、重復ヲ厭ヒテナリ、

〔令義解〕

〈七公式〉

p.1126 皇太子令旨式、〈三后亦准(○○○○)二此式(○○)一、〉
令旨云々
　　年　月　日
奉二令旨一如レ右、令到奉行、
　　　　　　　大　夫　位　　姓　名
　　　　　　　亮　　　位　　姓　名
右受レ令人、宣二送春宮坊一、春宮坊覆啓訖、留二畫日一爲レ案、〈謂准二勅旨式一、亦須二印署一也、〉更寫二一通一施行、〈謂或送二太政官一、或下二被管諸司一、〉啓式、〈三后亦准(○○○○)二此式(○○)一、〉
春宮坊啓
其事云々謹啓
　　年　月　日
　　　　　　　大　夫　位　　姓　名
　　　　　　　亮　　　位　　姓　名
奉レ令依レ啓、若不レ依レ啓者、即云、令處分云々、

p.1127 　　　　　　　亮　　位　　姓
右春官坊啓式、奉レ令後、注二啓官位姓一

〔令集解〕

〈二十八儀制〉

p.1127 釋云、名例律云、稱二乘輿車駕及御一者、太皇太后、皇太后、皇后並同、

〔律疏〕

p.1127 六議
一曰議親、〈謂皇親、及皇帝五等以上親、及太皇太后、皇太后四等以上親、〉〈太皇太后者、皇帝祖母也、皇太后者、皇帝母也、〉〈皇后三等以上親、〉

〔律疏〕

〈名例〉

p.1127 凡六議者、犯二死罪一、皆條二所レ坐及應レ議之状一、先奏請レ議、議定奏裁、〈此名二議章一、六議人犯二死罪一者、皆條二録所レ犯應レ死之坐一、及録二親故賢能應レ議之状一、先奏請レ議、依レ令、於レ官集議、議定奏裁、〉〈議者原レ情議レ罪、稱二定刑之律一、而不二正決一レ之、〉〈原レ情議レ罪者、謂原二其本情一、議二其犯罪一、稱二定刑之律一、而不二正決一之者、謂奏状之内、唯云二准レ犯依レ律合一レ死、不三敢正言二絞斬一、故云不二正決一之、〉流罪以下減二一等一、其犯二八虐一者不レ用二此律一、〈流罪以下、犯状既輕、所司減訖、自依レ常斷、其犯二八虐一者、死罪不レ得二上議一、流罪以下、不レ得二減罪一、故云不レ用二此律一、〉

〔儀式〕

〈六〉

p.1127 元正朝賀儀〈◯中略〉
辰一刻、乘輿出レ自二建禮門一、御二大極殿後房一、少時皇后亦入二後房一、〈自レ此以下可二書注一〉左右近衞次將各一人、率二將監將曹府生各一人、近衞各卅人一、左右兵衞尉已上各一人、率二志府生各一人、兵衞各卅人一更還、〈自レ此以下皆可二書注一、後注二後宮供奉一、〉訖女孺十八人執レ翳三行、就二戸前座一、〈以レ南爲レ上〉褰帳内親王二人、威儀命婦四人、各著二禮服一、相分以レ次就レ座、〈◯中略〉皇帝服二冕服一就二高御座一、命婦四人〈以二内親王以下五位以上一爲レ之、服色同二威儀一、〉服二禮服一分在二御前一、至二御座下一立、御座定引還、〈更供二奉皇后御前一〉干時殿下擊レ鉦三下、皇后服二禮服一後就レ座、〈◯中略〉皇太子再拜、〈◯中略〉王公百官再拜、

〔儀式〕

〈六〉

p.1127 元日御二豐樂院一儀〈◯中略〉
掃部寮敷二御座於高御座一、殿西第二間南面設二皇后座一、〈◯中略〉内膳司預辨二供皇帝皇后御饌一、主膳監供二皇太子饌一、大膳職設二次侍從以上饌一、〈◯中略〉皇帝受二群臣賀一、訖遷二御清暑堂一、少時御二豐樂殿一、皇后出御亦如二常儀一、諸衞服二上儀一、

〔儀式〕

〈六〉

p.1128 正月二日朝二拜皇后一儀
當日早朝、掃部寮、設二式部省輔已下座於縫殿寮東道一、〈◯中略〉巳刻省丞已下列二立於寮南道一、〈南面西上〉于時史生執レ簿唱二列五位以上一、隨レ唱稱唯、列二立同道南邊一、〈先レ是參議己上、在二玄暉門西廊一、〉省掌趨進云、大夫等參進二聲、五位已上以レ次參入、〈録立二朔平門内一稱二客止一〉列二立玄暉門外一、〈南面西上〉次丞録率二六位已下刀禰一、入列二立五位之後一、〈省掌且稱二容止一〉次彈正忠已下在二式部次一、立定時典儀云、再拜、賛者承傳、親王已下再拜、訖職大夫出就二版位一、賀壽者進レ自レ列南向稱レ壽〈詞見二元日儀式一、〉復レ列、職大夫參入、令二内侍啓一即參入、奉二令旨一退出傳宣、大夫退出、就レ位宣二令旨一、親王及群臣稱唯拜、訖大夫參入、典儀曰、再拜、賛者承傳、王公百官再拜、訖以レ次退出、

〔延喜式〕

〈十三中宮〉

p.1128 二日〈◯正月〉受二皇太子朝賀一
其日早朝、職官設二皇太子版位於常寧殿西面南一、差退設二司賓位一、又南退設二司賛位一、司賓引二太子一入、立定司賛唱二再拜一、太子再拜、司賓引二太子一到二東階一、太子昇自賀訖俛伏興、引降復レ位、内侍進承レ令、降詣二太子前一、東面稱二令旨一、太子再拜、宣命訖又再拜、司賛唱二再拜一、太子又再拜、司賓引二太子一、出〈事見二儀式一〉

〔延喜式〕

〈十三中宮〉

p.1128 同日〈◯正月二日〉早朝受二群臣朝賀一
同日早朝、所司舖二設於玄暉門外西廊一、〈親王以下諸王五位於二廊上一、諸臣五位於二廊下一南面、〉式部置二典儀位於同門東一、差東北退設二賛者位一、並西面南上、設二職大夫位於門西南面一、依二時剋一式部引二五位以上六位以下一、列二於同門外南面一、典儀曰再拜、賛者承傳、群官倶再拜、職大夫出就レ位、爲レ首者進南向跪稱二賀詞一、訖復位、群官倶再拜、職大夫入申二内侍一、内侍奉二令旨一傳宣、大夫奉二令旨一退出、就レ位南面傳宣、群官稱唯再拜、訖退出、但中務輔引二次侍從以上一著座、于時内侍一人率二女藏人三人一、納二祿物於櫃二合一令レ持、職舍人四人置二廊下一上東、〈自二親王座一東去一許丈〉綿六百屯、〈受二大藏省一〉置二廊下一、〈掃部寮設二座簀一〉亮進屬各一人、史生二人、侍二賜レ祿所一、〈所司設レ座〉事訖賜レ祿、親王以下大納言以上各白褂衣二領、中納言三位參議白褂衣一領、非參議三位并四位參議褂衣一領、四位小褂衣一

p.1129 領、五位綿一連、亮唱二四位五位名一賜レ之、〈參議己上令二女藏人賜一レ之、五位以上令二宮司賜一レ之、〉若亮有レ闕、臨時權任、〈事見二儀式一〉同日早朝、中務省召二職司一、給二次侍從已上見參一、即別録二四位已上名簿一進二内侍一、〈爲レ令レ辨二備祿物一〉

〔延喜式〕

〈十三中宮〉

p.1129 同日〈◯正月二日〉受二女官朝賀一
其日内侍仰二闈司一、置二版位於殿上及殿庭一、〈版位十枚、方五寸、厚一寸、〉内親王以下女官命婦以上、以レ次入立二於殿上一、闈司引二六位以下一、以レ次入立二於庭一、爲レ首者當二御前一跪賀、内侍進承レ令退、隨レ便而立稱二令旨一、再拜訖退出、先レ是内侍令三諸司舖レ座立二臺盤一、女御以上先著座、次尚侍以下四位以上、次内外命婦、〈北面〉次闈司引二六位以下一北面列座、昇レ殿者留著座、不レ昇レ殿者退出、饗宴訖賜レ祿、〈妃白褂衣一襲、夫人内親王各白褂衣一領、三位以上六幅被一條、四位四幅被一條、五位衣一領、三位以上妻四幅被一條、四位以下妻衣一領、〉女孺之中、給二折櫃食百合、祿調綿二百屯一、〈事見二儀式一〉

〔延喜式〕

〈四伊勢大神宮〉

p.1129 凡王臣以下不レ得三輙供二大神幣帛一、其三后(○○)皇太子若有レ應レ供者、臨時奏聞、

〔續日本紀〕

〈四十桓武〉

p.1129 延暦九年閏三月丙子、有レ勅度二二百人一出家、又左右京五畿内、高年鰥寡孤獨疹疾不レ能二自存一者、普加二賑恤一、並爲(○)二皇后(○○)〈◯藤原乙牟漏〉不豫(○○)一也、是日皇后崩、　丁丑、天皇移二御近衞府一、以二從二位藤原朝臣繼縄、正四位上神王、從四位下當麻王、從五位上氣多王、從五位下廣上王、正四位上紀朝臣古佐美、從四位下石上朝臣家成、藤原朝臣雄友、藤原朝臣内麻呂、正五位下文室眞人那保企、從五位上藤原朝臣黒麻呂、桑原公足床、阿部朝臣廣津麻呂、外從五位下高篠連廣浪、中臣栗原連子公一爲二御葬司一、六位已下官八人、正三位藤原朝臣小黒麻呂、正四位下壹志濃王、從五位下大庭王、從四位下藤原朝臣菅繼、文室眞人高嶋、正五位下文室眞人八多麻呂、藤原朝臣眞友、從五位下文室眞人八嶋、藤原朝臣眞鷲爲二山作司一、六位已下官十二人、從五位下多智比眞人賀智、外從五位下林連浦海爲二養民司一、六位已下官五人、從五位下巨勢朝臣嶋人、丹比宿禰眞淨爲二作路司一、六位已下官三人差二遣左右京五畿内近江丹波等國役夫一、令下京畿七道自二今月十八日一始素服擧上レ哀、以二晦日一爲レ限、〈◯中略〉　甲午、參議左大辨正四位上紀朝臣古佐美、率二誄人一奉レ誄、諡曰二天之高藤廣宗照姫之尊一、是日葬二於長岡山陵一、

〔三代實録〕

〈三十陽成〉

p.1130 元慶元年二月廿二日甲子、掌侍從五位下春澄朝臣高子、改二名給子一、以(○)レ觸(○)二中宮(○○)〈◯陽成母后藤原高子〉諱(○)一也(○)、〈◯中略〉　閏二月七日己卯、正五位下安倍朝臣高子、改二名基子一、外從五位下葛木宿禰高子、改二名賀美子一、以レ觸二中宮諱一也、

〔續世繼〕

〈一星合〉

p.1130 中宮、〈◯後朱雀后藤原嫄子、中略、〉又のとしもおなじやうにまかり出させ給て、丹後守ゆきたふのぬしの家にて、長暦三年八月十九日、猶女宮〈◯禖子〉うみ奉り給て、おなじき廿八日にうせ給にき、御年廿四、あさましくあはれなる事かぎりなし、いとヾ秋のあはれそひて、有明の月のかげも心をいたましむるいろ、ゆふべの露のしげきも淚を催すつまなるべし、かくて九月九日に、うちより故中宮の御爲に、七寺にみず經せさせ給ふ、みかど(○○○)〈◯後朱雀〉御ぶく奉りて(○○○○○○)、廢朝とて清涼殿のみすおろしこめられ(○○○○○○○○○○○○○○○○○)、日のおもの參るも(○○○○○○○○)、こゑたてヽそうしなどすることもせず(○○○○○○○○○○○○○○○○○)、よろづしめりたるままには、ゆふべのほたるをもあはれとながめさせ給、秋のともし火かヽげつくさせ給つヽぞ、心くるしき折ふしなりけるに、廿日ぞ解陣とかいひて、よろづれいざまにて、御殿のみすなどもまきあげられ、すこしはるヽけしきなりけれど、なほ御けしきはつきせずぞみえさせ給ける、神無月もすぎぬれば、御いみ末になりて、かのうせ給にし宮にて御佛事あり、〈◯中略〉しも月の七日ぞ、内にははじめてまつりごとせさせ給、〈◯中略〉又のとし〈◯長久元年〉の七月七日、關白殿〈◯嫄子養父藤原頼通〉に、うちより御せうそこありて、
　こぞのけふわかれし星もあひぬなりなどたぐひなき我身なるらん、とよませ給て侍りけんこそ、いとかたじけなくなさけおほくおはしましける御事かなとうけたまはりしか、

〔台記〕

p.1130 天養二年八月廿二日乙未、酉剋待賢門院〈◯鳥羽后藤原璋子〉崩、〈三條高倉第〉上皇〈◯鳥羽〉先レ之坐二同所一、病急告二法皇一、即幸二臨終一、法皇打レ磬哭泣、然後群臣哭、　廿三日丙申、待賢門院先入棺、次幸二仁和寺三昧堂一、其儀如二生存一、但群臣皆歩行、即安 置石穴一云云、　廿七日庚子、傳聞法皇著服(○○○○)、〈其色黒(○○○)〉

〔徳川禁令考〕

〈二公家〉

p.1131 享保五庚子年二月十四日ノ令、女院〈◯東山后幸子女王〉崩御ニ付、鳴物三日停止、普請ハ不レ苦、

供給

〔令義解〕

〈四祿〉

p.1131 凡食封者、〈◯中略〉中宮湯沐二千戸、

〔續日本紀〕

〈二十二淳仁〉

p.1131 天平寳字四年六月乙丑、天平應眞仁正皇太后〈◯聖武后〉崩、姓藤原氏、〈◯中略〉天平元年、尊二太夫人一、〈◯太夫人夫人誤〉爲二皇后一、湯沐之外更加二別封一千戸一、

〔日本紀略〕

〈五冷泉〉

p.1131 康保四年九月廿三日戊申、今日充二中宮〈◯昌子〉御封千五百戸一、

〔榮花物語〕

〈三浦々の別〉

p.1131 宮の御前〈◯一條后定子〉の御内參りのこと、そヽのかし啓しつるにぞ、思したヽせ給へる、明順道順よろづにそヽぎ奉る、國々の御封(○○○○○)などめし物すれど、ものすかやかに辨へ申人もなければ、さるべき御莊などぞ(○○○○○○○○○)、絹奉らせんなど(○○○○○○○)案内申人ありければ、きぬめしてよろづにいそがせ給ふ、〈◯中略〉中宮には、三月ばかりにぞ御子生れ給べき程なれば、御愼みをよろづに思せど、殊に御封(○○)などすが〴〵しう辨まへ申人なし、内藏づかさより(○○○○○○○)、例のさま〴〵の御具どももてはこび(○○○○○○○○○○○○○○○○)、女院などよりも、萬おぼしはかり聞えさせ給へば、それにて何事もいそがせ給ふ、

〔續三宮傳〕

p.1131 新清和院、〈光格帝皇后〉寛政六年三月七日、立二皇后一、同日御領三千石被二定進一、〈◯節略〉

〔延喜式〕

〈十三中宮〉

p.1131 凡毎月晦日、進二錦鞋三兩一、但雜給料臨時定レ之、
凡毎月十一日、請二來月料米一百斛一、〈白五十石、黒五十石、〉
凡十二月二日、來年雜用料調布一千端、預申二辨官一請受、

〔延喜式〕

〈十四縫殿〉

p.1131 中宮
春季
正月料、〈二月三月亦同〉袍十領、〈白一領、作目白橡九領、〉料白絹四疋一丈、〈別二丈五尺〉絲一兩一分、〈別三銖〉背子十領、〈白一領、白橡九領、〉料絹五疋、〈別三丈〉絲一兩一分、〈別三銖〉單衣十領、〈白一領、韓紅二領、蘇芳三領、蒲萄二領、藍二領、〉料絹二疋五尺、〈別一丈二尺五寸〉絲三分二銖

p.1132 〈別二銖〉領巾四條、料紗三丈六尺、〈別九尺〉絲四銖、〈別一銖〉表袷裙二腰、〈白一腰、夾纈并作目一腰、〉料絹二疋一丈、〈別一疋五尺〉絲一分二銖、〈別四銖〉同腰料絹一丈、〈別五尺〉絲二銖、〈別一銖〉下裙二腰、〈白〉料白絹二疋一丈、〈別一疋五尺〉絲一分二銖、〈別四銖〉同腰料絹一丈、〈別五尺〉絲二銖、〈別一銖〉袴十五腰、〈紅〉料絹十二疋三尺、〈別五丈〉絲一兩三分三銖、〈別三銖〉單袴廿腰、〈紅〉料絹八疋五丈、〈別二丈六尺五寸〉絲一兩二分四銖、〈別二銖〉袿衣、單袿衣、各三領、料絹五疋三丈七尺五寸、〈袷別一疋一丈五尺、單別三丈七尺五寸、〉綿廿四屯、〈別八屯〉絲二分、〈別四銖〉被六條、〈三月減二二條一〉料絹十一疋二尺四寸、〈別一疋五丈四寸〉綿六十屯、〈別十屯〉絲一兩二分、〈別一分〉褥三條、料絹五疋、〈別一疋四丈〉綿十五屯、〈別五屯〉絲一分三銖、〈別三銖〉御匣殿料、絹十疋、綿卅屯、〈◯此下夏秋冬御衣略〉
右四季御服、並依二前件一、毎年依レ數從二内藏寮一受レ之、准レ例染縫、〈臨時定レ色〉月別一日十六日兩般、均分供進、若數不レ等者上般加レ之、

〔延喜式〕

〈三十五大炊〉

p.1132 凡供御稻米粟米舂備、日別送二内膳司一、〈中宮亦同(○○○○)、但東宮送二主膳監一、〉
凡供御料、稻粟並用二官田一、〈中宮(○○)東宮齋宮亦同、但齋宮者在京之間供レ之、〉其舂得米一束二把、五升、糯米亦同、〈一人日舂三束〉但藁充二内膳司一、其舂レ米女丁八人、〈御并中宮各三人(○○○○○○○)、東宮二人、〉
中宮雜給、〈日別米四斗平飯料、六升磨飯料、〉

〔延喜式〕

〈三十九内膳〉

p.1132 諸節供御料、〈中宮亦同(○○○○)、下皆准之(○○○○)、〉
正月三節
米三斗、糯米四斗六升五合、糯稻十五束、糒糯三升、粟子糒六升、小麥一斗二升、荏子九升、胡麻子八升四合、大豆三升三合、小豆二升四合、清酒濁酒酢油各一斗五升、醤三斗、鹽六升、東鰒八斤四兩、隱岐鰒十一斤一兩、煮堅魚四斤二兩、螺四斤三兩、紫菜一斤、干薑一斤、棗子三升、搗栗子九升、生栗子六斗四升二合、干柹子六連、椎子六升、菱子三升、橘子卅六蔭、桙橘子十五枝、掇橘子一斗、長櫃五合、熬堝十八口、竹三圍、料理所炭十二石、薪一千八百斤、供奉膳部卌人〈卅人御、十人中宮、〉各給二紺布衫一領一、〈通二用三節一〉其下番膳

p.1133 卅人、節別各限二二箇日一給レ食、人別日飯米二升、〈餘節准レ之〉
右三節料依二前件一一度請受、節別分供、但射禮料用二此内一、又十八日賭射辨二備肴物一、給二王卿及近衞次將等一、〈◯此下五月五日、七月七日九月九日節料略〉

擇貴族

〔日本書紀〕

〈三神武〉

p.1133 庚申年八月戊辰、天皇當レ立二正妃一改廣求二華冑一、時有レ人奏之曰、事代主神共二三嶋溝橛耳(ノミゾクヒミヽノ)神之女玉櫛媛一所レ生兒、號曰二媛蹈韛五十鈴媛(ヒメタヽライスヾヒメノ)命一、是國色之秀者也、天皇悦レ之、　九月己巳、納二媛蹈韛五十鈴媛命一以爲二正妃一、　辛酉年正月庚辰朔、天皇即二帝位於橿原宮一、是歳爲二天皇元年一、尊二正妃一爲二皇后一、

皇族爲后

〔日本書紀〕

〈四懿徳〉

p.1133 二年二月癸丑、立二天豐津媛命一〈◯安寧皇子、息石耳命女、〉爲二皇后一、

〔日本書紀〕

〈四孝安〉

p.1133 廿六年二月壬寅、立二姪押媛一〈◯孝昭皇子、天足彦國押人命女、〉爲二皇后一、

〔日本書紀〕

〈五崇神〉

p.1133 元年二月丙寅、立二御間城姫一〈◯孝元皇子、大彦命女、〉爲二皇后一、

〔日本書紀〕

〈六垂仁〉

p.1133 二年二月己卯、立二狹穗姫一〈◯開化皇子、彦坐王女、〉爲二皇后一、

〔古事記〕

〈中開化〉

p.1133 若倭根子日子大毘毘命、〈◯開化〉坐二春日之伊邪河宮一、治二天下一也、此天皇、〈◯中略〉又娶二丸邇臣之祖、日子國意祁都命之妹、意祁都比賣命一、〈意祁都三字以レ音〉生二御子日子坐王一、〈◯中略〉日子坐王、〈◯中略〉又娶二春日建國勝戸賣之女、名沙本之大闇見戸賣一生子、〈◯中略〉次沙本毘賣命、亦名佐波遲比賣〈此沙本毘賣命者、爲二伊久米天皇（垂仁）之后一、〉

〔日本書紀〕

〈六垂仁〉

p.1133 十五年八月壬午朔、立二日葉酢媛命一爲二皇后一、

〔古事記〕

〈中垂仁〉

p.1133 此天皇、〈◯中略〉又娶二旦波比古多多須美知能宇斯王女、氷羽州比賣命一、

〔日本書紀〕

〈十五顯宗〉

p.1133 元年正月、是月立二皇后難波小野王一、赦二天下一、〈難波小野王、雄朝津間稚子宿禰天皇（允恭）曾孫、磐城王孫、丘稚子王之女也、〉

〔日本書紀〕

〈十五仁賢〉

p.1133 元年二月壬子、立二前妃春日大娘皇女一爲二皇后一、〈春日大娘皇女、大泊瀬天皇、（雄略）娶二和珥臣深目之女童女君一所レ生也、〉

〔日本書紀〕

〈十七繼體〉

p.1133 元年二月庚子、大伴大連奏請曰、臣聞前王之宰レ世也、非二維城之固一、無三以鎭二其乾坤一、非二掖庭之親一、無三以繼二其趺萼一、是故白髮天皇〈◯清寧〉無レ嗣、遣二臣祖父大連室屋一、毎レ州安二置三種白髮部一、以留二後世

p.1134 之名一、嗟夫可レ不レ愴歟、請立二手白香皇女一、納爲二皇后一、遣二神祇伯等一敬祭二神祇一、求二天皇息一允答二民望一、天皇曰、可矣、　三月庚申朔、詔曰、神祇不レ可レ乏レ主、宇宙不レ可レ無レ君、天生二黎庶一、樹以二元首一、使レ司二助養一、令レ全二性命一、大連憂二朕無一レ息、披二誠款一以二國家一、世々盡レ忠、豈唯朕日歟、宜備二禮儀一、奉レ迎二手白香皇女一、　甲子、立二皇后手白香皇女一脩二教于内一、遂生二一男一、是爲二天國排開廣庭尊一、〈◯欽明〉

〔日本書紀〕

〈十八安閑〉

p.1134 元年三月戊子、有司爲二天皇一、納二釆億計天皇女、春日山田皇女一爲二皇后一、〈更名山田赤見皇女〉

〔一代要記〕

〈一宣化〉

p.1134 後宮
皇后橘仲皇女〈仁賢女、天皇元年三月己酉立、〉

〔水鏡〕

〈中敏達〉

p.1134 つぎの御門敏達天皇と申き、欽明天皇第二の御子、御母宣化天皇御女、石姫皇后也、

〔日本書紀〕

〈二十敏達〉

p.1134 四年正月甲子、立二息長眞手王女廣姫一爲二皇后一、　十一月、皇后廣姫薨、　五年三月戊子、有司請レ立二皇后一、詔立二豐御食炊屋姫〈◯欽明皇女〉尊一爲二皇后一、

〔日本書紀〕

〈二十一用明〉

p.1134 元年正月壬子朔、立二穴穗部間人皇女一爲二皇后一、

〔日本書紀〕

〈二十三舒明〉

p.1134 二年正月戊寅、立二寳皇女一〈◯敏達皇子、押坂彦人大兄皇子子、茅渟王女、〉爲二皇后一、

〔日本書紀〕

〈二十五孝徳〉

p.1134 大化元年七月戊辰、立二息長足日廣額天皇〈◯舒明〉女、間人皇女一、爲二皇后一、

〔日本書紀〕

〈二十七天智〉

p.1134 七年二月戊寅、立二古人大兄皇子女倭姫王一爲二皇后一、

〔續日本紀〕

〈三十一光仁〉

p.1134 寳龜元年十一月甲子、詔曰、現神大八洲所レ知倭根子天皇詔旨〈止〉宣詔旨〈乎〉親王王臣百官人等天下公民衆聞食宣、朕以二幼弱身一忝二鴻業一〈氐〉恐〈利〉畏、進〈毛〉不レ知〈爾〉退〈毛〉不レ知〈爾〉所レ念〈波、〉慶〈伎〉御命自獨〈能味夜〉受給〈武止〉所レ念〈氐奈毛〉法〈能麻爾麻爾◯中略〉以二井上内親王一定二皇后一〈止〉宣天皇御命衆聞食宣、

〔三代實録〕

〈三十五陽成〉

p.1134 元慶三年三月廿三日癸丑、淳和太皇太后崩、〈◯中略〉太后諱正子、嵯峨太上天皇之長女、與二仁明天皇一同産也、母太皇太后橘氏、后美二姿顏一、貞婉有二禮度一、存二母儀之徳一、中表則レ之、太上天皇太皇太后甚鍾二愛之一、淳和天皇備レ禮娉レ之、納二於掖庭一、寵敬兼レ人、天長四年二月立爲二皇后一、八年冗旱爲レ災、帝深

p.1135 憂レ之、走二幣群神一祈請百端、后勸レ帝、録二囚徒一廢二作役一、未レ及レ終レ朝澍雨晦合、帝逾加レ愛焉云々、

〔十三代要略〕

〈一後朱雀〉

p.1135 皇后禎子内親王、〈三條院第三女、母皇太后妍子、萬壽四年三月廿二日入二太子宮一、長元十年二月十三日爲二皇后一、〉

〔扶桑略記〕

〈二十九後冷泉〉

p.1135 永承元年七月十日戊子、章子内親王立二中宮一、後一條天皇長女、母前中宮藤原威子也、

〔續世繼〕

〈四藤浪〉

p.1135 馨子の内親王と申も、又おなじ〈◯威子〉御はらにおはします、長元四年に加茂のいつきにて、同九年に出させ給ひて、永承六年十一月、後三條院東宮におはしましヽ女御に參らせたまひき、御年二十三、延久元年七月廿三日、皇后にたち給、

〔續世繼〕

〈三虫の音〉

p.1135 永治元年十一月にや侍けん、かのとのとりのとし、又ひめ宮〈◯鳥羽皇女姝子〉六條殿にてうみ奉り給へりし、二條のみかど春宮と聞えさせ給し時、保元二年の頃、みやす所ときこえさせ給て、みかど〈◯二條〉位につかせ給しかば、平治元年二月廿一日、〈◯原作二十二月廿六日一、今改、〉中宮ときこえさせ給しに、永暦元年八月十九日御なやみとて、御ぐしおろさせ給、

〔女院小傳〕

p.1135 宣政門院、〈懽子〉院〈◯光嚴〉后、後醍醐女、母京極院、

〔續三宮傳〕

p.1135 承秋門院、〈東山后幸子〉有栖川一品兵部卿幸仁親王御女、元祿十年二月廿五日、入内、〈十六才〉同日女御宣下、寳永四年五月三日准三宮、同月十八日、内親王宣下、同五年二月廿六日、中宮宣下、〈◯節略〉

〔執次詰所記〕

p.1135 欣子内親王〈◯後桃園皇女、光格后、〉
安永八年正月廿四日降誕、號二女一宮一、〈◯中略〉寛政三年六月卅日、依二先帝遺詔一可レ被レ立二皇后一被二仰出一、同十二月四日、御齒黒始、同五年十二月廿四日、准后宣下、〈陣〉同六年三月一日、入内、〈十六歳〉同六日、御二退去于仙洞一、同七日、立后奉レ稱二中宮一、被レ行二節會宮司除目等一、本宮〈仙洞被二假用一〉自レ今稱二中宮一、

前帝養子爲后

〔愚管抄〕

〈四〉

p.1135 鳥羽院位のはじめに后だちあるべきに、知足院殿〈◯藤原忠實〉のむすめをまゐらせよと仰ありけるを、かたくじしてまゐらせられざりけり、人これを心得ずおもひけり、これを推するに、

p.1136 鳥羽院はをさなくおはしましける時、ひあひなることなどもありて、瀧口が顏に、小弓の矢射たてなどせさせ給ふと人もしりけるを恐れ給ひけるにやなどぞ人は申ぬる、又公實のむすめ〈璋子〉を御子にして(○○○○○)もたせ給たりけるをば、法性寺殿〈◯藤原忠通〉をむことらんとおぼしめして、すでにそのさたありける程に、日なみなどえらばるヽに及びたりけるが、しかるべくてさはりおほくいできいできしていまだとげられざりける程に、知足院殿むすめをえまゐらせじと申されけるに、あたに御はらだちて、待賢門院をば、法性寺殿の儀をあらためて、やがて入内ありけるとぞ、鳥羽院は、あやにくにおとなしくならせおはしましては、殊にめでたき御心ばへの君におひなりてこそはおはしましけれ、さて白河院は、かの公實のむすめをとりて、御子にしてもたせ給へりけるを、鳥羽院に入内立后してぞおはします、待賢門院と申はこれなり、

〔玉海〕

p.1136 承安元年十二月十四日甲寅、此日院姫君入内也、〈◯中略〉女御〈其衣裏濃蘇芳云云、女房衣色云云、〉入道相國〈◯平清盛〉女、法皇(○○)〈◯後白河〉御養子(○○○)、永久例云々、但彼者自二誕生之昔一撫育之禮、隨又主上御孫也、仍於レ儀無レ妨、今度已可レ爲二姊妹一歟、尤以有レ忌如何、　二年二月十日己酉、此日有二冊命皇后事一〈女御徳子爲二中宮一〉

前后養子爲后

〔中右記〕

p.1136 寛治五年十月十九日、殿下〈◯藤原忠實〉初令レ參二陽明門院一〈◯後朱雀后禎子内親王〉給、是依二女御入内之事一也、
廿五日庚辰、有二三品篤子内親王〈◯鳥羽后〉入内之事、〈是後三條院第四女、母贈太后藤茂子、太上皇（白河）同母弟也、陽明門院養爲(○○○○○○)二御子(○○)一、◯中略〉先有二御使一、〈右近少將藤顯實朝臣◯中略〉及二亥剋一寄二御車一、〈糸毛〉女房車十輛、〈檳榔、女房十八人、童女二人、合廿人、〉前駈殿上人皆參、〈◯中略〉其後公卿殿上人有二饗饌之事一、〈◯中略〉
今夜女房御使、掌侍源盛子〈源頼綱朝臣姫也〉有レ祿、女裝束、御衾役殿下北政所、凡入内之儀、一事以上關白殿令二御沙汰一也、〈◯中略〉
十一月二日丙戌、女御入内之後、有二三夜餅事一、件餅民部卿所レ被二調進一也、

〔帝王編年記〕

〈十九堀河〉

p.1136 中宮篤子内親王〈後三條院第四皇女、寛治七年三月廿二日立后、〉

〔五代帝王物語〕

p.1137 同年〈弘長元年〉六月十四日、左大臣〈公相公、今出川の大相國〉の女〈今出川院〉女御にまゐり給ふ、御歳九なり、大宮院(○○○)〈◯後嵯峨后姞子〉御子にせさせ給ふ(○○○○○○○○)、御母は徳大寺の大相國〈實基公〉の女なり、八月廿日立后、

大臣養子爲后

〔續世繼〕

〈一初春〉

p.1137 む月〈◯長暦元年〉の七日、關白左のおとヾ〈◯藤原頼通〉とて、宇治のおほきおとヾおはしまし、女御たてまつらせ給、みかど〈◯後朱雀〉の御あにヽおはしましヽ式部卿〈◯敦康親王〉の御子の女ぎみ〈◯嫄子〉の、むらかみの中つかさの宮〈◯具平親王〉の御むすめの御はらにおはせしを、關白殿御子にしたてまつり賜て、女御に奉り給へるなり、一條院の皇后宮〈◯定子〉のうみたてまつり給へりし一の御子におはしませば、春宮にもたち給べかりしを、御うしろみおはしまさずとて、二のみこにてせむだい、〈◯後一條〉三のみこにてこのみかど〈◯後朱雀〉ふたりみだうのむまご、關白の御おひにおはしませば、うちつヾきつかせ給へるなり、かの一條院の皇后宮は、御せうとのうちのおとヾ〈◯藤原伊周〉の、つくしにおはしましヽ事どもにおもほしなげかせ給て、御さまかへさせ給へりしのちに、式部卿の御子をうみ奉らせたまへるなり、〈◯中略〉その式部卿の御子の御むすめにおはしませば、みかどにはめひにあたらせ給へり、かくてやよひのついたちに、きさきにたヽせ給ぬ、

〔愚管抄〕

〈四〉

p.1137 この敦康親王の母は、道隆關白の女にて、たヾの親王にて、位は思ひもよらず、されど御前は又具平親王の御女にてありければ、宇治殿〈◯藤原頼通〉の北政所をば、高倉の北政所と申にや、あさましく命ながくて孫までおはしけり、この北政所の弟にて、この敦康の御前にておはしければ、其御女にて嫄子の中宮はおはしますによりて、宇治殿の子にして(○○○○○○○○)、姓も藤原氏の中宮にて(○○○○○○○○○○)、入内立后も有けるなり(○○○○○○○○○○)、

〔扶桑略記〕

〈二十九後三條〉

p.1137 延久三年三月九日甲午、左大臣藤原師實朝臣、取二左兵衞督源顯房卿息女一〈◯賢子〉爲二養子一、令レ入二皇太子〈◯白河〉宮一、

〔扶桑略記〕

〈三十白河〉

p.1137 延久六年〈◯承保元年〉六月廿日丙子、女御藤原賢子冊爲二中宮一、右大臣藤原朝臣師實之猶

p.1138 子、實是大納言源顯房女也、

〔愚管抄〕

〈四〉

p.1138 宇治殿〈◯藤原頼通〉は、年八十に成て、宇治にこもりゐて、御子の京極の大殿の左大臣〈◯藤原師實〉とておはしけるを、内裏へ日々參せよ、さしたる事なくとも日をかヽず參りて、奉公をつとむべきぞと教へ申されければ、其まヽ參りて殿上に候ていで〳〵せられけるに、主上〈◯後三條〉は常に藏人を召て、殿上に誰々か候々と日に二三度もとはせおはしましけるに、度毎に左大臣候と申て日比月比になりける程に、或日の夕に御尋有けるに、又左大臣と申けるを、是へといへと仰の有ければ、藏人參りて御前の召し候と申ければ、めづらしき事かな、何事を仰あらんずるにかと思して、心づくろひせられて、御裝束引つくろひて參られたりければ、近くそれへと仰られて、何となき世の御物語どもありて、夜もやう〳〵更行ける終つかたに、みむすめやもたれたると仰出されたりければ、ことやうに候女〈◯賢子〉のわらは候と申されけり、我むすめにはなかりけるを、師房の大臣の子の、顯房のむすめを乳のうちより子にしてもたせ給へりけるなり、〈◯中略〉これをきこしめして、さやうのむすめもたらば、とく〳〵東宮へ參らせらるべきなりと仰られけるを、うけ給はりかしこまりて御前を立て、世間もおぼつかなかりつるに、今はひしと世は落居ぬると、いそぎ宇治殿にきかせ參らせんとおぼして、内裏より夜更てやがて宇治へ參られければ、〈◯中略〉いかにも事ありとおぼして、いかに〳〵何事ぞと仰られければ、日比仰のごとく、參内日をかヽずつかうまつり候つるほどに、〈◯中略〉むすめあらば東宮へ參らせよといふ勅定を、眼前にうけ給はり候つれば、急ぎ參りて申候也と申されければ、是を聞せ給ひて、宇治殿はさうなくはら〳〵と淚を落して、世の中のおぼつかなかりつるに、あはれ猶此君はめでたき君かな、とく〳〵出立て參らせられよとて、ひし〳〵とさたありて、〈東宮と申は、白河院なり、〉東宮の女御にまゐらせられにけり、位につかせ給ひては中宮と申、立后ありて今に賢子の中宮とて、堀河院の御母是なり、

〔百練抄〕

〈七近衞〉

p.1139 久安六年正月十日、左大臣〈◯藤原頼長〉女〈◯多子〉入内、〈實權中納言公能女〉

〔續世繼〕

〈五飾大刀〉

p.1139 ふけの入道〈◯藤原忠實〉おとヾの御子は、法性寺のおほきおとヾ、〈◯忠通〉つぎには宇治の左のおとヾ頼長ときこえ給へりし、〈◯中略〉この左のおとヾは、このゑのみかどの御時、女御たてまつり給へりき、おほいのみかどの右大臣公能のおとヾの三君を御子にし給ひて、たてまつり給て、皇后宮多子とぞ申しヽ、その左のおとヾの北方〈◯幸子〉は、大炊御門のおとヾの御いもうとなれば、そのゆかりに御子にし給へるなるべし、

〔續世繼〕

〈五つかひあはせ〉

p.1139 近衞のみかどの御時の中宮呈子と申しも、太政大臣伊通のおとヾの御むすめを、この法性寺殿〈◯藤原忠通〉の御子とてぞ奉り給へる、此比九條院と申なるべし、まことの御子ならねども、院號も關白の御子とてはべるとかや、

〔女院小傳〕

p.1139 九條院、〈藤呈子〉近衞后、太政大臣伊通公女、法性寺關白〈◯藤原忠通〉爲レ子、母權中納言顯隆女、久安六、二、十六、叙二從三位一、〈十九〉四月廿八爲二女御一、六月廿二爲二中宮一、

〔續世繼〕

〈三をとめの姿〉

p.1139 二條のみかどヽ申すは、この院〈◯後白河〉の一のみこにおはしましき、〈◯中略〉その御はヽ、左大臣有仁のおとヾの御むすめ、〈◯後白河后懿子〉まことの御おやはつねざねの大納言におはす、

〔皇胤紹運録〕

p.1139 六條院
母中宮〈◯二條后〉育子〈忠通公女、實大藏大輔伊岐善盛女、〉

〔増鏡〕

〈一おどろの下〉

p.1139 いまの御門〈◯土御門〉の御いみなは爲仁と申き、御はヽは能圓ほういんといふ人のむすめ、さいしやうの君〈◯後鳥羽后在子〉とてつかうまつられけるほどに、この御門むまれさせ給ひて、のちには内大臣通親の御子になり給ひ、すゑには承明門院と聞えき、このおとヾの北のかたのはらにておはしければ、もとよりのちのおやなるに、御さいはひさへひきいで給ひしかば、まことの御むすめにかはらず、この御門も、やがてかの殿にぞやしなひたてまつらせ給ひける、

〔神皇正統記〕

〈後醍醐〉

p.1140 諱は尊治、〈◯中略〉御母は談天門院藤原忠子、内大臣師繼の女、實は入道參議忠繼の女なり、

〔歴代皇紀〕

p.1140 稱光天皇、諱躬仁、改二實仁一、後小松院第一皇子、母光範門院、儀同三司資教女、實贈左大臣資國女、

〔宣胤卿記別記〕

p.1140 文明十三年七月廿六日己亥、今日當今〈◯後土御門〉母儀准后、〈信子〈元郷子、攺レ名也、〉實父故藤原孝長朝臣也、故和氣郷成朝臣爲二猶子一、其後故保家朝臣猶子、後又故大炊御門入道前内大臣〈信宗公、去年正月廿六日贈二太政大臣一十三同云々殁後稱號可二尋記一〉爲二猶子一、依二當今母儀一也、◯下略〉

〔御湯殿の上の日記〕

p.1140 天正十四年十二月十六日、このへどの〈◯藤原前久〉ひめぎみ〈◯前子〉くわんばく殿〈◯豐臣秀吉〉やうしに參られて、女御〈◯後陽成〉に御參り、御たる十かう十か參る、御くしあげ御さたありて、つねの御所にて三ごん參る、しよこんはうそう、二こんかへに御ひら、三ごんふな、御はいぜん、すけ殿ながはし、いよ殿、女御はいぜん、女中御とをりあり、

初爲太子妃後爲后

〔日本書紀〕

〈十七繼體〉

p.1140 八年正月、太子〈◯安閑〉妃春日皇女、晨朝晏出、有レ異レ於レ常、〈◯中略〉太子恠問曰、今且涕泣有二何恨一乎、〈◯下略〉

〔日本書紀〕

〈十八安閑〉

p.1140 元年三月戊子、有司爲二天皇一、納二釆億計天皇女、春日山田皇女一爲二皇后一、

〔日本書紀〕

〈三十持統〉

p.1140 高天原廣野姫天皇、少名鸕野讃良皇女、〈◯中略〉天豐財重日足姫天皇三年、適二天渟中原瀛眞人天皇一〈◯天武〉爲レ妃、〈◯中略〉天渟中原瀛眞人天皇元年六月、從二天渟中原瀛眞人天皇一避二難東國一、〈◯中略〉二年立爲二皇后一、

〔續日本紀〕

〈二十二淳仁〉

p.1140 天平寳字四年六月乙丑、天平應眞仁正皇太后〈◯聖武后光明子〉崩、姓藤原氏、近江朝大織冠内大臣鎌足之孫、平城朝贈正一位太政大臣不比等之女也、母曰二贈正一位縣犬養橘宿禰三千代一、皇太后幼而聰慧、早播二聲譽一、勝寳感神聖武皇帝儲貳之日納以爲(○○○)レ妃(○)、時年十六、攝二引衆御一、皆盡二其歡一、雅二閑禮訓一敦崇二佛道一、神龜元年、聖武皇帝即レ位授二正一位一〈◯正一位、從三位誤、〉爲二太夫人一、生二高野天皇及皇太子一、其皇

p.1141 太子者、誕而三月立爲二皇太子一、神龜五年夭而薨焉、時年二、天平元年尊二太夫人一爲(○)二皇后(○○)一、

〔續日本紀考證〕

〈八淳仁〉

p.1141 授二正一位一爲二太夫人一〈按神龜元年、授二正一位一爲二太夫人一者、聖武天皇母宮子娘、而非二光明皇后一也、光明皇后、神龜四年十一月紀、天平元年八月紀、並書二夫人一、而爲二夫人一史不レ載、年月無レ所レ考、葢宮子娘、光明皇后、倶不比等公之女、一爲二文武夫人一、一爲二聖武夫人一、事蹟相渉致二此混淆一耳、〉尊二太夫人一爲二皇后一〈天平元年八月紀云、詔立二正三位藤原夫人一爲二皇后一此亦混二宮子娘事一、云レ尊二太夫人一誤、〉

〔續日本紀〕

〈四十桓武〉

p.1141 延暦九年閏三月丙子、是日皇后崩、〈◯中略〉甲午、〈◯中略〉皇后姓藤原氏、諱乙牟漏、贈内大臣從一位良繼之女也、母尚侍贈從一位阿部朝臣古美奈、后性柔婉美二姿儀一、閑二於女則一、有二母儀之徳一焉、今上之在(○○○○)二儲宮(○○)一也(○)、納以爲(○○○)レ妃(○)、生二皇太子、〈◯平城〉賀美能親王、〈◯嵯峨〉高志内親王一、及二於即位一、立爲(○○)二皇后(○○)一、

〔村上天皇宸記〕

p.1141 應和四年四月廿九日、辰刻使二藏人文利一問二中宮一、兼令レ問二産養否之由一、還來申、伊尹朝臣令レ申云、自二今曉寅刻計一、氣息雖二纔通一、不レ可二敢存坐一、更不レ可レ行二他事一、〈◯中略〉又遣二文利一問二中宮一、巳刻崩、文利還來申云、中宮已崩、加持僧等皆退下、皇后是前右大臣師輔朝臣第一女、諱安子、母故出羽守藤原經邦之女盛子也、予〈◯村上〉在藩之時、以二天慶三年四月一配合、爲二儲貳一之後、同八年正月、以二太弟妃一授二從五位上一、及三于登二帝位一爲二女御一、授二從四位下一、厥後頻進レ級、又授二從三位一、天暦四年五月生二男子一、以二同年七月一立爲二皇太子一、太子初謁見之日、又授二從二位一、至二天徳二年一策命爲二皇后一、以二應和四年四月廿四日一、於二主殿寮廳一誕二生女兒一、今日巳刻終二于同寮一、時年三十八、在二后位一七載、

〔日本紀略〕

〈十一一條〉

p.1141 寛弘元年十一月廿七日丁丑、以二正四位下藤原妍子一爲二尚侍一、左大臣第二御息女、〈◯中略〉　七年二月廿日庚子、尚侍藤原朝臣妍子初入二東宮一、〈◯三條〉

〔日本紀略〕

〈十二三條〉

p.1141 寛弘八年八月廿三日甲子、召二右大辨道方一下二女御二人宣旨一、一人尚侍從二位藤原妍子、〈◯中略〉　長和元年二月十四日壬子、宣命、尊二皇太后一〈◯圓融后遵子〉爲二太皇太后一、中宮〈◯一條后彰子〉爲二皇太后一、女御正二位藤原朝臣妍子爲(○○○)二中宮(○○)一、

〔十三代要略〕

〈二後冷泉〉

p.1141 後宮

p.1142 皇太后章子内親王〈後一條院長女、母中宮威子、〉
長暦年中入二太子〈◯後冷泉〉宮一、永承元年七月十日爲二中宮一、治暦四年四月十二日皇太后、〈◯節略〉

〔扶桑略記〕

〈二十九後三條〉

p.1142 延久三年三月九日甲午、左大臣藤原師實朝臣、取二左兵衞督源顯房卿息女一〈賢子〉爲二養子一、令レ入二皇太子〈◯白河〉宮一、

〔扶桑略記〕

〈三十白河〉

p.1142 延久六年六月廿日丙子、女御藤原賢子冊爲二中宮一、

〔玉蘂〕

p.1142 承元三年三月廿三日、此日故攝政前太政大臣〈◯藤原良經〉長女、有二入宮事一、〈名立子、生年十八、與レ余同腹、母權中納言能保卿女、〉陽明門院〈◯後朱雀后禎子〉四月廿三日入レ宮、賢子中宮〈◯白河后〉三月九日入レ宮、日月叶二萬壽例一、支干同二延久跡一、可二吉祥一耳、〈◯中略〉　廿六日、早旦著二直衣一參二東宮〈◯順徳〉御方一、即參二御息所御方一、即退出、歸二一條亭一、今日以下毎夜御息所昇給也、但無二女房來召、并䨱レ衾之儀一、今日以後有二御朝餉一云々、

〔百練抄〕

〈十二順徳〉

p.1142 建暦元年正月廿二日、有二立后事一、〈以二藤原立子一爲二中宮一〉

〔女院小傳〕

p.1142 後京極院、〈禧子〉入道大相國實兼三女、入二太子〈◯後醍醐〉宮一、文保二、四、廿從三位、七月廿八爲二女御一、元應元、八、七爲二中宮一、

初爲女御後爲后

〔扶桑略記〕

〈二十四醍醐〉

p.1142 延喜廿三年四月廿六日癸酉、女御藤原穩子立二皇后一、

〔日本紀略〕

〈四村上〉

p.1142 天徳二年十月廿七日甲辰、策二立女御從三位藤原朝臣安子一爲二皇后一、即日任二宮司一、
◯按ズルニ、穩子ハ、日本紀略、帝王編年記、一代要記、大鏡裏書等ニハ、中宮ニ作リ、安子ハ、扶桑略記ニ爲二中宮一ト見エ、帝王編年記ニ、皇后藤安子云々、號(○)二中宮(○○)一ト記ス、是レ當時中宮皇后相通ジテ稱セシナリ、

〔榮花物語〕

〈二花山〉

p.1142 其冬〈◯天元元年〉關白〈◯藤原頼忠〉殿の姫君〈◯遵子〉うちに參らせ奉り給ふ、世の一の所におはしませば、いみじうめでたきうちに、殿の御ありさまなども奧深く心にくヽおはします、〈◯中略〉只今の御有様に上〈◯圓融〉もしたがはせ給へば、おろかならず思ひ聞えさせ給なるべし、〈◯中略〉かヽる

p.1143 程にことしは天元五年になりぬ、三月十一日中宮たち給はんとて、おほきおとヾ急ぎさわがせ給、これにつけても右のおとヾ、あさましうのみ萬きこしめさるヽ程に、きさきたヽせ給ひぬ、いへばおろかにめでたし、大きおとヾのし給ふもことわりなり、帝の御心おきてを、世人も目もあやに淺ましき事に申思へり、一のみこおはする女御〈◯詮子〉をおきながら、かくみこもおはせぬ女御(○○○○○○○○○○○)〈◯遵子〉の后にゐ給ひぬるを安からぬ事に世人なやみ申て(○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○)、すばらの后とぞつけ奉りたりける(○○○○○○○○○○○○○○○)、

〔榮花物語〕

〈三様々の悦〉

p.1143 今年をば正暦元年といふ、正月五日内〈◯一條〉の御元服せさせ給ふ、〈◯中略〉二月には内大臣殿〈◯藤原道隆〉の大姫君、〈◯定子〉内へ參らせ給有さまいみじうのヽしらせ給へり、〈◯中略〉やがて其夜のうちに女御にならせ給ひぬ、〈◯中略〉かヽる程に大殿〈◯藤原兼家〉の御心ちなやましうおぼしたれば、〈◯中略〉五月八日出家せさせ給、この日攝政の宣旨内大臣殿かうぶらせ給、〈◯中略〉攝政殿御けしき給はりて、まづ此女御、后にすゑ奉らんの騷ぎをせさせ給ふ、〈◯中略〉六月一日后にたヽせ給ひぬ、

〔後二條關白記〕

p.1143 寛治七年正月廿三日辛丑、未刻民部卿來臨相逢、參二高陽院一之由相語云、中納言著二冠直衣一、殿下〈◯藤原師實〉御使參二女御一、〈◯堀河后篤子内親王〉告二申立后事一、　廿五日癸卯、未刻參二高陽院一、殿下參二六條院一給候二御共一、自二院御方一參二新院一給、殿下御二坐殿上一、即參二院御前一、頃之殿出レ自二御前一、御二坐殿上一、自二懷中一執二出一紙一、下二給別當一、〈權大納言雅實〉給了殿下參内、其後被レ始二殿下飮食一、二獻、〈頭辨季仲〉三獻、〈右大辨通俊〉黄昏程事了、引二上達部等一參内、〈左大臣右大臣不參、留二於新院一、〉頭辨勅使敷レ座、殿下圓座也、〈勅使西、殿下東、〉源大納言取二女裝束一給二勅使一、殿歸二給於座一、頭辨於レ庭再拜、了簀子敷燈臺立、召二陰陽師道時朝臣一、令レ擇二立后日時一、付二行家一奉レ之、召二行家一令レ書二定文一如レ常、事了被レ召二日時一、〈件勘文者、今夜出御日時也、〉　廿七日乙巳、女御御二出高陽院一、其後今日有二勘文一云云、勅使延引之由有レ聞云云、　二月十三日己未、戌刻於二女御一有二勅使事一如レ恒、鹿嶋使文覽、予開見即下云云、　廿一日戊辰、參二高陽院一、南庇二階之立様所レ被二沙汰一、二階立二西御屏風面一東面也、其前立二二階一如レ常、有二立后宣旨一有二一兩日一、今日依二主上御衰日一、已以延引、左大臣、民部卿、左大辨等被二申定一、當日早旦可レ被レ行レ之者也、

p.1144 即召二頭辨一〈季仲〉仰二其旨一了、申刻上達部分散、　廿二日己巳、殿下、余、著レ冠參内、寢殿御裝束了、透垣邊曳二幔幕一云云、未レ曳以前罷出、延久元年有二立后事一、用二件日記一云云、有二別記一、

〔玉海〕

p.1144 文治五年四月三日癸亥、〈◯中略〉今日戌刻、自二天王寺一定能卿傳二院宣一、余女子〈◯任子〉入内事聞食了、假雖二他人令一レ申、如レ是令二申上一不レ可レ及二異議一、况無二他人申事一、早可レ致二沙汰一、又有二宸筆勅報一、其趣惟同、歡喜之思、千廻萬廻也、〈◯中略〉　六年正月十一日丙寅、此日攝政太政大臣〈◯兼實〉長女、從三位任子有二入内事一、〈生年十八、余四十二、〉蓋依二長保永久例一行レ之、〈◯中略〉　十六日辛未、取二御挿鞋一納二余辛櫃一、又取二御衾一納二御辛櫃一、此日御書使、主上渡御、女御宣旨、女官祿等也、先女房等著二裝束一〈紅梅白〉參之、〈◯中略〉　四月十四日、此日立后兼宣旨也、〈◯後鳥羽后〉勅使成經朝臣、余自取レ祿、〈◯中略〉　廿六日己酉、此日冊命立后也、以二女御從三位任子一爲二中宮職一、子細在二別記一、　廿七日庚戌、立后第二日也、盃酌如レ常、　廿八日辛亥、立后第三日也、又御書使、〈實明朝臣〉啓陣還祿氏院參賀、　廿九日壬子、今日雖レ可レ撤二御裝束一、依二日次不一レ宜、明日可レ撤レ之、

〔増鏡〕

〈三藤衣〉

p.1144 寛喜元年になりぬ、此ほどは光明峰寺殿、〈道家〉又關白にておはす、この御むすめ、〈◯後堀河后竴子〉女御にまゐり給ふ、世の中めでたくはなやかなり、〈◯中略〉やがて后立あり、〈◯寛喜二年二月十六日〉藤つぼわたりいまめかしく住なし給へり、〈◯中略〉おなじ三年七月、關白をば御太郞教實のおとヾにゆづり聞え給て、わが御身は大殿とて、后宮の御おやなれば、思なしもやむごとなきに、御子どもさへいみじうさかへ給さま、ためしなきほどなり、

〔平戸記〕

p.1144 仁治三年八月九日己未、早旦頭辨來問二今日事一、今日女御〈姞子、前右大臣實氏公女、〉有二立后事一、〈◯後嵯峨后〉内辨大納言具實卿、宣命使左衞門督顯親卿云々、節會了於二御前一被レ行二宮司除目一、内辨候二執筆一云々、藏人方事、左衞門權佐經俊奉行、本宮事右少辨時繼奉行、晩頭頭辨來訪二宮司間之故實一、不レ經レ程歸了、
宮司除目
中宮大夫藤公相〈兼〉　權大夫藤實藤〈兼〉　亮平時高〈兼〉　權亮源顯房〈兼〉

p.1145 大進平時繼〈兼〉　權大進藤資定〈兼〉　同高經〈兼〉　少進平時基
權少進藤　大屬安倍資高
入レ夜節會始云々、其後諸卿率參二本宮一、夜未レ曙及二事之終頭一云々、

〔五代帝王物語〕

p.1145 主上〈◯後深草〉は建長五年正月三日御元服あり、女御は大宮院〈◯後嵯峨后姞子〉の御妹〈◯公子〉參らせ給ふ、もとは大宮院に候はせ給て、御熊野詣の時も御參ありしを、圓明寺殿〈◯藤原實經〉を聟にとるべしとて日限まで定りたりけるを、院〈◯後嵯峨〉の御はからひにて俄に參らせ給へば、引かへ目出度事にてぞ有ける、康元元年十一月に女御に參りて、同二年二月に立后あり、御年ははるかの御あねにてぞおはします、

〔五代帝王物語〕

p.1145 正嘉二年八月七日、院の第六の皇子、恒仁親王、〈◯龜山〉春宮にたヽせ給ふ、御年十歳、是も大宮院の御腹なり、正元元年八月廿六日御元服、同十一月廿六日、春宮位につかせ給ふ、御年十一、十二月廿八日即位の儀あり、〈◯中略〉新帝の女御には、右大臣〈實雄公山科左府〉の女、〈京極院◯佶子〉文應元年十一月廿一日御禊の女御代に供奉して、同十二月廿二日入内、御年十六なり、同二年二月立后ありて候給ふ、

〔仁部記〕

p.1145 弘長元年八月廿日庚戌、今日女御〈◯藤原嬉子〉有二立后〈◯龜山中宮〉事一、節會可二參仕一之由、先日爲二藏人次官奉行一、被二仰下一之間、雖レ申二領状一、此間痢病所勞、更發之間不二出仕一、傳聞本宮事、藏人佐頼親奉行云々、宮司除目
大夫源雅忠　權大夫藤隆顯　亮藤隆保　權亮藤公孝
大進藤頼親　權大進同高朝　同俊定　少進平資兼
權少進藤定世　大屬安倍資國　少屬中原職成　少屬中原國民
前中宮、〈◯藤原佶子〉今夜即令レ轉二皇后宮一給云云、宮司次第被二轉上一之由、被二宣下一之、不レ被レ載二除目一之由、奉

p.1146 行職事勾勘、後日所二相談一也、於二先例一者不二分明一云々、

〔増鏡〕

〈十一今日の日蔭〉

p.1146 西園寺大納言〈◯藤原實兼〉の姫君、〈◯伏見后鏱子、中略、〉六月二日〈◯正應元年〉入内あり、八日御ところあらはしとて、女御の君は、〈◯中略〉かくて八月廿日后に立給、

〔歴代皇紀〕

〈後二條〉

p.1146 中宮藤忻子　前太政大臣公孝女、母内大臣公親女、乾元元、八、廿八、爲二女御一、嘉元元、九、廿四、冊立、

〔續三宮傳〕

p.1146 東福門院、〈後水尾皇后御諱和子〉徳川將軍太政大臣秀忠公御女、〈◯中略〉元和六年六月十八日入内、〈十六歳〉同日女御宣下、寛永元年十一月十八日皇后宣下、

初爲准后後爲后

〔扶桑略記〕

〈二十九後冷泉〉

p.1146 永承六年六月廿四日、右大臣藤原朝臣教通三女女御歡子准二三宮一、賜二年官年爵封戸千戸一、一云、七月十日准三宮云々、〈◯中略〉治暦四年四月十六日丁巳、立二女御藤原歡子一爲二皇后宮一、

〔歴代皇紀〕

〈後冷泉〉

p.1146 皇后藤歡子　教通三女、准三宮、後皇后希代例也、

〔女院記〕

p.1146 高陽院、〈泰子〉知足院殿〈◯藤原忠實〉御女、母從三位源師子、〈◯中略〉長承二年六月廿九日、太上天皇鳥羽マヰル、〈年卅九、女御ト申、〉同三年三月二日叙二從四位下一准二三宮一、同月十九日皇后宮、〈年四十〉

〔均光卿記〕

p.1146 寛政六年三月七日甲午、可レ有二立后一日也、〈准三后欣子内親王◯光格后〉寅剋著二束帶一早參、職事頭中將已下參集、
　　立后次第〈◯中略〉
宣命〈大内記長親作二進之一〉
現神〈止〉大八洲國所知〈須〉倭根子天皇〈我〉詔〈良萬止〉宣〈布〉大命〈遠、〉親王諸王諸臣百官人等天下公民衆聞食〈止〉宣〈布、〉人倫正〈計禮婆〉天下和〈岐、〉婚姻時〈乎〉以〈須禮波、〉怨女曠夫無〈止奈牟〉常所聞行〈奈利、〉故〈爾〉好逑〈乎〉得〈氐、〉王化〈袁〉成〈萬久〉願欲〈邊利、〉爰〈爾〉准三宮欣子内親王〈者、〉誠莊婉娩〈乃〉徳備〈利奴、〉依〈氐〉皇后〈止〉定賜〈布、〉此儀〈乎〉悟〈氐〉隨法〈爾〉供奉〈止〉勅〈布〉天皇〈我〉御命〈乎〉衆聞食〈止〉宣、

即位前立后

〔日本紀略〕

〈五冷泉〉

p.1147 康保四年九月四日己丑、以二三品昌子内親王一爲二皇后一、故朱雀院皇女、〈◯中略〉　十月十一日丙寅、天皇於二紫宸殿一即位、

讓位後立后

〔長秋記〕

p.1147 長承三年三月二日壬子、以二院〈◯鳥羽〉女御一〈◯藤原勳子〉叙二從四位下一、有二准三宮宣旨一、來八日可二立后兼宣旨一、十九日可レ有二宣命事一云々、〈◯中略〉大内記令明朝臣、勅旨可レ用二何例一哉、太上皇以(○○○○)二夫人(○○)一立(○)レ后例未(○○○)レ聞者(○○)、隨レ仰可レ令二左右一、上卿以二内記一令レ申二關白一、〈◯藤原忠通〉關白又被レ申二大相國一、〈◯藤原忠實〉各不二案得一無二詳仰一、令明重申云、且前大相國仕二三代朝一、奉公尤高、仍以二娘子一准レ后之由例載何事候哉、大相國可レ然之由答給云々、
十九日己巳、院立二從四位下勳子一爲二皇后宮一、後日源大納言光臨次談云未時參内〈◯中略〉大納言入レ門間、藏人資信待向、傳レ勅云、皇后宮傳上、以二今后一可レ爲二皇后宮一也、而本皇后宮付レ可二傳上一、可レ爲二太皇太后宮一歟、可二皇太后宮一歟、件事可二量申一者、超令レ昇二太皇太后宮一事、外記官共申二無レ例之由一、但於二明法一者、以二帝祖母一可レ爲二太皇太后宮一由見二令文一者、皇后宮准二上皇母儀一立后也、爲二當今祖母一、有二何憚一哉申云々、大納言被レ申云、前例之條無二指證文一之時儀也、如二法家申一者、令文既顯然也、不レ可レ依二例之有無一、就レ中立后之後准二母儀一、超二中宮一爲二皇后宮一、且爲二太皇太后宮一有二何難一哉、内大臣民部卿被レ申二此旨一云々、此後良久資信仰二左大臣一云、以二皇后宮一〈◯鳥羽准母令子〉爲二太皇太后宮一、以二從四位下泰子一爲二皇后宮一之宣命可レ令レ奏者、件人本名勳子也、而依二衆難一被レ改二泰字一叶二愚意一、

〔一代要記〕

〈五崇徳〉

p.1147 後宮
皇后宮藤原朝臣得子〈鳥羽院后美福門院、故權中納言太宰權帥長實卿女、太上天皇(○○○○)（鳥羽）納之爲(○○○)レ后(○)、（中略）永治元年十二月廿七日辛卯立后(○○)、〉

〔續世繼〕

〈三男山〉

p.1147 院〈◯鳥羽〉には、いづかたにもうときやうにてのみおはしましヽに、しのびてまゐり給へる御方〈◯得子〉おはしまして、やヽあさまつりごとも、おこたらせ給ふさまにて、夜がれさせ給ふ事なかるべし、いとやむごとなきヽはにはあらねども、中納言〈◯藤原長實〉にて、御おやはおはしけるに、母きたのかたは、源氏のほり川のおとヾのむすめにおはしけるうへに、たぐひなくかしづき

p.1148 聞えて、たヾ人にはえゆるさじともてあつかはれける程に、〈◯中略〉しのびて御せうそこ有て、かくれつヽ參り給ひけるほどに、日にそへてたぐひなき御心ざしにて時めきたまふ程に、たヾならぬ事さへおはしければ、御いのりおどろ〳〵しきまでかた〴〵せさせ給ふほどに、女宮〈◯叡子〉うみ奉らせ給へれば、めづらしきをばよろこびながら、男におはしまさぬをぞくちをしうおぼしめしけるに、又うみ奉り給へるも〈◯暲子〉おなじさまなれば、まめやかにくちをしうおぼしめしたれど、さすがいかヾはせんにておはしますなるべし、〈◯中略〉しばしはあの御方など申ておはしましヽ程に、三位のくらゐそべさせ給て、この御事をのみたぐひなき御もてなしなれば、世の人ならびなく見奉るに、又たヾならぬことおはしませば、〈◯中略〉いひしらぬ御いのりども有けるほどに、保延五年にや侍りけん、つちのとのひつじのとし五月十八日、よになくけうらなる玉のをのこ宮〈◯近衞〉うまれさせ給ぬれば、院のうちさらなり、世中もうごくまでよろこびあへるさまいはん方なし、〈◯中略〉かくて同七年十二月七日、御とし三にて位ゆづり申させ給ふ、ちかくは五などにてぞつかせ給へども、心もとなさにやすかやかにゐさせ給ぬ、御母女御殿、皇后宮にたヽせ給、御とし廿五にや、

諒闇立后

〔日本紀略〕

〈五冷泉〉

p.1148 康保四年五月廿五日癸丑、巳時天皇〈◯村上〉崩二於清凉殿一、　九月四日己丑、以二三品昌子内親王一爲二皇后一、故朱雀院皇女、即有二宮司除目一、　安和元年五月廿七日己酉、於二朱雀門一大祓、依二諒闇一也、今日申一點、音奏御膳供二魚味一、

〔榮花物語〕

〈十日蔭の蔓〉

p.1148 寛弘八年六月十三日御讓位、〈◯一條〉十月十六日御即位〈◯三條〉なり、〈◯中略〉かヽる程に十月廿四日、冷泉院うせさせ給ぬ、〈◯中略〉世の中みな諒闇になりぬ、〈◯中略〉はかなくて月日もすぎて、年號かはりて長和元年といふ、元三日のありさま、たヾならましかばいかにめでたからまし、たれこめて殿上にも出させ給はずなどして、〈◯中略〉内にはかんの殿〈◯妍子〉の后にゐさせ給べき御

p.1149 事を、殿〈◯藤原道長〉にたび〳〵聞えさせ給へれど、年ごろにもならせ給ぬ、宮だちあまたおはします、宣耀殿〈◯娀子〉こそまづさやうにはおはしまさめ、内侍のかみの御事は、おのづから心のどかになどそうせさせ給へば、いとけうなき御心也、此世をふさはしからず思ひ給へるなりなどゑじの給はすれば、さはよき日してこそ宣旨もくださせ給べかなれと奏して、出させ給てにはかに此御事どもの御用意あり、何事もそれにさはり、日などのべさせ給べき御世の有さまならねば、二月十四日〈◯長和元年〉にきさきにゐさせ給とて、中宮〈◯妍子〉と聞えさす、〈◯中略〉かヽる程に大殿の御心、何事もあさましきまで人の心の中をくませ給により、しば〳〵參らせ給てこヽらの宮達のおはしますに、宣耀殿のかくておはしますいとふびんなる事に侍り、はやう此御事をこそせさせ給はめと、そうせさせ給へば、〈◯中略〉四月廿八日、〈◯長和元年〉后にゐ給ひぬ、皇后宮〈◯娀子〉と聞えさす、〈◯中略〉内にも御ぶくたちぬる月〈◯十一月〉にぬかせ給て、冷泉院の御はてもせさせ給て、今は此事〈◯御禊大嘗會〉をいみじき事にのヽしらせ給、

〔中右記〕

p.1149 嘉承二年十一月廿九日、今夕前齋院〈令子〉立后宣旨被レ下、是准母后儀、先日令二入内一給御二東對一也、殿下以下諸卿參二入齋院御方一、〈對東面〉先勅使藏人頭爲房朝臣參上、於二東中門下一申二事由一、〈紀伊守有佐朝臣申レ之〉對南令レ敷レ座、〈高麗端帖、上敷二茵一枚一、其前敷二圓座一枚一、爲二殿下御座一、〉召二勅使爲房一參上、殿下令二相逢一給、被レ申二事由一給レ祿、〈女裝束、左衞門督雅俊卿取レ之、〉勅使下二南庭一二拜退下、〈人々皆諒闇裝束也(○○○○○○○○)、雖レ然有二此拜賀一也、〉次於二東庇方一被レ定二立后雜事一、〈權右中辨爲隆、在二東簀子敷一書二定文一、〉事了退出、
〈裏書〉諒闇立后例
　　昌子内親王〈康保四年九月四日立、朱雀院女、冷泉院后、即位以前、〉
　　中宮藤妍子〈寛弘九年（長和元年）二月十四日立、御堂（藤原道長）中女、三條院后、即位以後、〉
　　皇后藤娀子〈同年四月廿七日立、大納言濟時女、三條院后同、〉
　　　件三后諒闇之中立后、但非二即位日一、

幼女爲后

〔十三代要略〕

〈二崇徳〉

p.1150 大治四年正月一日庚辰、天皇於二土御門内裏一加二元服一、〈十一◯中略〉　九日從三位藤原聖子參内、〈九◯中略〉　十六日被レ下二女御宣旨一、〈◯中略〉　五年二月廿一日、女御聖子冊爲二中宮一、

〔五代帝王物語〕

p.1150 關白〈◯藤原家實〉の女、〈◯長子〉纔に九歳にて、六月〈◯嘉祿二年〉參り給て、やがて廿九日立后、〈◯後堀河后〉ゆヽしくてさふらひ給ふほどに、嘉祿二年十二月關白をとヾめられて、前攝政〈道家光明峯寺殿〉成かへり給にければ、中宮の御光も隱れて、又その關白の御女〈◯竴子〉參り給へば、中宮おりさせ給ひぬ、よしなかりける中かなと上下思ひたりけり、

〔一代要記〕

〈九龜山〉

p.1150 後宮
中宮藤嬉子〈前左大臣藤公相公女、號二今出川院一、弘長元年六月十四日入内女御九歳、同八月廿日爲二中宮職一、〉
◯按ズルニ、嬉子、仲資王記ニハ、瑄子ニ作ル、未ダ孰カ是ナルヲ知ラズ、