https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0973 羹ハ、カント云フ、魚鳥菜果等ヲ原料トシ、寒天ヲ以テ之ヲ凝結セシメタルモノナリ、羹ハ多クハ其形状ヲ以テ名トセリ、而シテ羹ヲ菓子ニ製スル者ハ、菓子篇ニ載ス、

名稱

〔易林本節用集〕

〈加食服〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0973 羹(カン&カウ)〈羊羹、魚羹、雲月羹、〉

〔書言字考節用集〕

〈六服食〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0973 羹(カン)

〔倭訓栞〕

〈前編六加〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0973 かん 食物にかんといふは、羹字也、

種類

〔下學集〕

〈下飮食〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0973 鼈羹(ヘツカン) 鷺腸(ロチャウ)羹 松露(シヤウロ)羹 羊羹(ヤウカン)

〔撮壤集〕

〈下飮食〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0973 羹類 驢腸羹(ロチヤウカン) 鱉(ヘツ)羹 羊(ヤウ)羹 砂糖羊(サタウヤウ)羹 寸金羹 笋羊(ジユンヤウ)羹 白魚羹 雲纖(セン)羹 温糟 水纖(スイセン) 水晶包(スイシヤウハウ)子 糟雞(サウケイ) 三峯(ボウ)尖

〔庭訓往來〕

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0973 點心者、水纖、温糟、糟雞、鼈羹、猪羹、驢腸羹、笋羊羹、鮮羹、海老羹、寸金羹、月鼠羹、雲鱣羹、葚鼈羹、〈○鮮羹以下據五山本補〉砂糖羊羹、〈○中略〉御齋之汁者豆腐、辛辣羹、

〔宗五大草紙〕

〈上〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0973 かんの名の事 一三寳膳ろ(鱸)ちやう(腸)かん、べつ(鼈)かん、うん(雲)せん(鱣)かん、竹やう(葉)かん、はく(白)ぎよ(魚)かん、すい(水)せん(蟾)かん、すい金かん、けん(卷)ひん(餠)かん、さたうやうかん、やうかん、〈少ちがひ候か〉うどん、まんぢう、〈是ハかんとも、又點心とも申候、猶可尋、〉 おもひ出候を少々注し候、猶可有候、

〔奉公覺悟之事〕

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0974 一かんの名の事、驢腸羹、白魚羹、雲饘かん、ちくやうかん、べつかん、やうかん、さたうやうかん、うんけつかん、水蟾羹、けんひんかん、此外有べし、饅頭はかんとも、てんしんとも定がたきと云々、

〔倭訓栞〕

〈前編六加〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0974 かん〈○中略〉 三かん(○○○)は羊かん温かん鱉かん也、又猪羹、鮮羹、驢腸羹、笋羊羹、海老羹、寸金羹、、月鼠羹等あり、又さばかんといふも見へたり、

〔庖丁聞書〕

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0974 一三羹三麵ともに初羹初麵に生飯にとる時は、羹に作花、饅頭に峯足抔さす、〈○中略〉 一三龜膳の羹は、五斗土器に羹三色、杉盛にして出す也、此三色は須彌の三峯を表し盛也、四季を一季宛殘し、過去現在未來にかたどり、其時節により色取也、〈○中略〉 一魚羹(○○)とはかんを魚形にして盛、龜足指す也、總じて羹は、四十八かん(○○○○○)の拵樣有といへども、多は其形によりて名有、出所口傳、〈四十八あり〉

製法

〈江戸流行〉

料理通大全

〈初編〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0974 三羹三麪の事 一日本にては三麪は專ち用ゆれ共、三羹は中華の沙汰なり、いかにとならば鼈羹(○○)はすつほんの羹也羊羹(○○)、はひつじの羹也、牛羹(○○)とは牛の羹也、仍て日本にては三羹を菓子に直して、所謂べつかんは小麥燒也、羊羹は知る所也、牛羹は牛皮飴也、

〈江戸流行〉

料理通大全

〈三編〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0974 梨子羹(○○○)一極最上の梨のよき所をわさびおろしにておろし、摺鉢にて能すり、毛すいのふにて裏ごしにし、かんてんをよく和に煮、梨子とかんてんと合せ、三ぼんの砂糖と燒鹽とにて味をつけ、よきほどの塗もの、筥にながし、冷たる處にていかにも庖丁すべし、 柚子羊羹(○○○○) 靑柚子の皮ばかりをむき、おとし湯にて能やはらかに煮、水をかえ三日ほど水にて洒し、にがみを去り、摺鉢にてよく摺り、すいのふにて越し、かんてんを煮解してまぜ、砂糖と燒しほにて味をつけ、淸き塗ものゝ箱にながすべし、 梅羊羹(○○○) 一豐後梅を水にてあらひ、能々湯煮をして、二日ほど水にさらし、酢味を去り種を拔て、摺鉢にて能摺、すいのふにて漉、かんてんを微細にたゝき、味淋酒にて遠火にて煮解し、すいのふにて梅の中へ漉こみ、久介葛をとき、梅壹升ほどならば、葛五勺ほどとき、三品をあはせ、淨き筥に流し、さめて庖丁すべし、最煮かた口傳、

食法

〔今川大雙紙〕

〈下〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0975 食物之式法の事 一羹のさんばの事、總じてさんばのかんは下にあり、上なるをばさんばにとらぬ事也、さんばのをき所ちやつの中也、さいのかずほどかんはあるべき物也、一番にすいとん、二番に羹、三番に饅頭、四番めんす、此中は一番はかんの内に不入、つぎより本とす、めんすのさきに、かんはいくつもあるべき也、 一かんにすさひくひ合する事、鼈かん(○○○)には里の物大根などをすべし、其ゆへはべつの字をばかめとよむ、かめは海河の物也、海岡とくひ合する也、やうかん(○○○○)などには、海草をくひ合する也、是は山海と喰也、ろちやうかん(○○○○○○)は、鱸の腹わたをまねたり、是は山里のものを、すさいにくふべきなり、一しやきん(○○○○)と云かんは、こがねをつゝむ樣也、橘の如し、是は包めをくいきつてくふべき也、

〔宗五大草紙〕

〈上〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0975 人の相伴する事 一さんぼう膳の事たしかならず候、殿中などにてもしげくは見及候はず候、大方此分か、先四季の山をつくる、一季を殘して三季を作候、過去現在未來、此三を五と入に、三かなわにすへて、御前 にてたれみそをかけ候、くひやう兩やうに申候、一には當季を殘して、よの二季くづしてくふべし共云、又三季ながらくづしてくふとも申候、但當季を殘したるが能候とやらん申候、但今思案致候へば、もと三候つるは、三季ながらくづされ候て、御前よりあがりたるやうにおぼえ候、いかが、〈○下略〉

〔奉公覺悟之事〕

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0976 一三峯尖の事、殿中にても御一獻に參候、しかれ共まれ成義候、一段ほんそうの一獻に出候事候、先四季土用の色を、其時の季どもに初中後三季の色をもる也、春は靑、夏は赤、秋は白、冬は黑、土用は黄也、もり物はじやうじたるべし、折こしらへ候、しなの入道作之也、〈○圖略〉 くひやう色々口傳在之、あけざまに三の上をはしにて、そとくひてあけ候事故實也、是もかんの類たるべきと也、

〔婚禮法式〕

〈上〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0976 婚迎之部 一御夫婦御著座待女房も座せられ候事、〈○中略〉五獻目羊羹(○○)又はすいせんかん(○○○○○○)ニても、是も點心にて候間、添肴出候、添肴はむし蚫を羊羹の膳ニ組付て出候、

〔祇園會御見物御成記〕

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0976 大永二年祇園會爲御見物御成之時、從上平御一獻ニ付而次第、 獻立〈○中略〉 七こん やうかん(○○○○) 御そへ物〈さしみ〉


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Last-modified: 2022-06-29 (水) 20:06:26