https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0461:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0461.pdf]] 贈遺ハ、オクリモノト云ヒ、後ニ引出物(ヒキデモノ)、又ハ進物トモ云フ、物品ヲ人ニ贈與スルヲ謂フナリ、凡ソ贈遺ヲ爲スニハ、古來或ハ之ヲ木ノ枝ニ付クルアリ、或ハ袋、籠、曲物、桶、箱、臺等ニ入ルヽアリ、或ハ薄樣、檀紙、引合等ノ紙ニ包ミ、水引ニテ結ビテ、之ニ熨斗ヲ添フルアリ、別ニ又折紙等ニ物品ノ目錄ヲ記シテ、之ヲ添フルコトモアリキ、而シテ進獻ニ關スル事ハ、尚ホ政治部貢獻篇、及ビ官位部諸奉行、進物番、大名等ノ諸篇ニ在レバ、多クハ省略ニ從ヘリ、
*&aname(EFA9A5E981BAE5908DE7A8B1){名稱};
**〔伊呂波字類抄〕
***〈於/雜物〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0461:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0461.pdf]] 贈〈オクリモノ〉 賂 饋〈已上同〉
**〔同〕
***〈計/疊字〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0461:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0461.pdf]] 獻上
**〔同〕
***〈志/疊字〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0461:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0461.pdf]] 進上
**〔運歩色葉集〕
***〈遠〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0461:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0461.pdf]] 贈物
**〔同〕
***〈楚〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0461:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0461.pdf]] 贈進(ソウシン)
**〔同〕
***〈志〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0461:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0461.pdf]] 進上 進獻 進物
**〔書言字考節用集〕
***〈七/器財〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0461:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0461.pdf]] 進物(シンモツ)〈又云&size(5){二};獻物&size(5){一};〉
**〔名物六帖〕
***〈人事四/交際問遺〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0461:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0461.pdf]] 信物(オクリモノ)〈貴耳集、信物一角、〉 人事物(オクリモノ)〈宋許觀東齊記事、今人以&size(5){レ};物相遺謂&size(5){二};之人事物&size(5){一};、韓退之、有&size(5){下};奏&size(5){二};韓弘人事物&size(5){一};狀&size(5){上};、乃知、此稱自&size(5){レ};唐已有&size(5){レ};之、〉
**〔書言字考節用集〕
***〈七/器財〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0461:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0461.pdf]] 引出物(ヒキデモノ)〈江次第〉
**〔倭訓栞〕
***〈前編二十五/比〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0461:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0461.pdf]] ひきでもの 江次第に遣&size(5){二};曳出物馬二匹&size(5){一};幷送&size(5){レ};物と見え、北山抄大饗の條にも、牽出物に馬鷹あり、名義知ぬべし、〈○下略〉
**〔類聚名物考〕
***〈人事十〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0461:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0461.pdf]] 引出物 ひきでもの 引物&br;古へ人に物給ひ、あるひは誦經などに物を引、または布施物など僧に贈るを、すべて物を引といへり、今さかしらなる人のいへらく、古へ人に物給ひなどするは、馬をむねとする事にて、その馬
をば引出て贈り給はる故、引出物といふは、馬にかぎりたる事なり、それを本として、轉じてなににても引出物といふよし、これもことはりなきにはあらず、いはれたり、去りながら、かたくとりて、さとのみもいふべからず、物に引といふことつけていふ、つねのことなり、引わたす、引やる、引ちがふる、引かづくなどいへる、その外にも、俗にも、膳の引もの、または引落などいふの類ひ多く有り、さらばそこへ引並べ、引居、引渡などいふ詞より出て、あながち馬引よりおこれるにはあらず、かゝるさまの事いと多し、ふたゝび思ひかへして、得心すべきにこそ、略しては引物とのみもいひ、なに〳〵を引ともいふなり、
**〔倭訓栞〕
***〈前編十六/都〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0462:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0462.pdf]] つと(○○)〈○中略〉 苞苴をいふは裹むの義なるべし、よて万葉集に裹字をつとゝよめり、又つゝみもてゆかん、見ぬ人のため、ともあれば、みも反も、つも反と也、山づと、濱づと、道ゆきづと、ゐ中づとなどは、そこの土産をいひ、手向のつと、家づと、都のつとなどは、其土産をもて、こんずる所をいへば、共に通へり、
**〔伊勢物語〕
***〈上〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0462:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0462.pdf]] むかし男、みちの國に、すゞうに行いたりにけり、そこなる女、京の人は、めづらかにやおぼえけん、せちに思へる心なん有ける、〈○中略〉おとこ京へなんまかるとて、&br; くりはらのあねはの松の人ならば都のつと(○○○○)にいざといわまし、といへりければ、よろこぼひて、思ひけらしとそ云をりける、
*&aname(EFA9A5E981BAE4BD9CE6B395){作法};
**〔大内問答〕
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0462:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0462.pdf]] 一御酒半に引出物被&size(5){レ};進時は、何樣の物たるべき哉の事、&br;御酒半に引出物の事、殿中にては一獻申沙汰よりも、獻々にも進上候、またこんはさめにも進上候、又一兩度も進上候、常に御參會の時は、客人、貴人にて候へば、從&size(5){二};亭主&size(5){一};被&size(5){レ};進、又亭主、貴人ニ而候へば、從&size(5){二};客&size(5){一};人も被&size(5){レ};進候、然ば五獻七獻目などに、御酌ニ而御酒被&size(5){レ};參候時、二目を被&size(5){レ};參時可&size(5){レ};然候、一番には必太刀たるべく候か、馬、太刀なども可&size(5){レ};然候、加樣の時は目錄添候はで、太刀を被&size(5){レ};進時、馬をと詞
にて被&size(5){レ};仰事可&size(5){レ};然候、又目錄添候、事も候太刀より前にはいかやうの物に而も不&size(5){レ};被&size(5){レ};進候、〈○中略〉&br;一引出物に具足、幷鞍、鐙、同繪以下唐物等可&size(5){レ};被&size(5){レ};進候かの事、&br;具足の事、尤可&size(5){レ};然候、御成之時も、式御引出物の内、御鐙にても、常にも可&size(5){レ};被&size(5){レ};進事勿論ニ而候、鞍鐙の義、是も同前、ゑさん物、其外から物等尤に候、同時に從&size(5){二};客人&size(5){一};から物等、於&size(5){二};當座&size(5){一};可&size(5){レ};被&size(5){レ};進候義はいかゞ、御出之刻左樣のから物等をば、御宮下として以&size(5){二};目錄&size(5){一};可&size(5){レ};被&size(5){レ};進候、&br;一豹虎の皮、於&size(5){二};御座敷&size(5){一};も可&size(5){レ};被&size(5){レ};進候かの事、&br;豹虎の皮、座敷ニ而爲&size(5){レ};被&size(5){レ};進事は見及不&size(5){レ};申候、左も可&size(5){レ};在か、無&size(5){二};分別&size(5){一};候、&br;一打刀幷長具足可&size(5){レ};被&size(5){レ};進哉事&br;打刀の事、一かどの樣に候へども、一番には不&size(5){レ};可&size(5){レ};然候、先太刀を被&size(5){レ};參候て、のち〳〵可&size(5){レ};然候歟、打刀をばつば刀とも申候へば、打刀御出候はゞ、太刀を被&size(5){レ};添候半事、本義に而候、打刀計は略儀に候、殿中も同前、但御引出物にあらず、唯打刀計進上の事は勿論ニ而候、次長具足の事は、何々を長具足と可&size(5){レ};申哉のよし、先々より不審申義候、長太刀、野太刀、小鑓の事か、先年山名左衞門督殿へ土岐美濃守殿より、酒半に長具足被&size(5){レ};進候に出樣の事、祖父貞親に被&size(5){二};相尋&size(5){一};時、何共無覺悟ニ而候由返事申候、乍&size(5){レ};去先座敷の傍に便よからん所に立置、案内申され候て可&size(5){レ};然候か、聢と仕たる法樣は不&size(5){レ};存候、又見及ばぬ由申たる旨しるし置候、以&size(5){レ};之可&size(5){レ};在&size(5){二};分別&size(5){一};候、&br;一從&size(5){二};客人&size(5){一};さゝれ候御腰物被&size(5){レ};進候はゞ、亭主よりも頓而指れ候腰物可&size(5){レ};被&size(5){レ};進かの事、&br;さゝれ候腰物被&size(5){レ};參候はゞ、此方よりさゝれ候腰物被&size(5){レ};進候事は、定法にて候、乍&size(5){レ};去其家の重代、又は事により、麁相なる刀などにて候へば、別の刀を可&size(5){レ};被&size(5){レ};遣候か、かやうの御參會には、兼々其御心掛候て可&size(5){レ};然候、可&size(5){レ};被&size(5){二};召遺&size(5){一};腰刀をさゝれ候事、故實にて候、&br;一同時に脇指をも被&size(5){レ};進事候哉の事
脇ざしの事は、隱劔と申て、人に見せざる樣に、自然さゝれ候か、殿中などへは努々御さしなき事にて候間、わきざしの沙汰、何共無&size(5){二};覺悟&size(5){一};候、又不&size(5){レ};及&size(5){レ};見候まゝ、兎角は難&size(5){レ};申候、&br;一太刀、かたな、銘によりて、引出物に成申さず候哉、同中心きりたる刀、又無銘の太刀、かたな、いかがの事、&br;銘によりて御物には不&size(5){レ};成候、銘々の進物には不&size(5){レ};及&size(5){二};其沙汰&size(5){一};候か、無銘の事、式々の進物には不&size(5){レ};成候、常には不&size(5){レ};苦候、其時は目錄ニも持と付候、又中心切たるも同前、式々の引出物には不&size(5){レ};可&size(5){レ};然候、
**〔武雜記〕
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0464:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0464.pdf]] 一豹虎の皮進上の事、臺にすゑ候皮一段大に候へば、二ツに折候て、頭の方を懸&size(5){二};御目&size(5){一};候、別に替る義無&size(5){レ};之候、〈○中略〉&br;一鞦のつゝみ樣とて、別にはあるまじく候、引合にて包み水引にて可&size(5){レ};被&size(5){レ};結候、正月二日御乗馬始に進上も此分に候、&br;一手綱腹帶つゝみ候事も、鞦同前たるべし、何方へも被&size(5){レ};遣候はゞ臺にすゑられ候、十具廿具同前、&br;一杉原をこしらへ候事は、やがて杉原を八枚程四に折て、紐に結候て臺にすゑ、其上に扇板物をすゑ候、十束廿束の時は相替候、又引合だんしなどは、かみえり二筋にて結候、いづれも臺にすはり候、別に樣體は無&size(5){レ};之候、&br;一眞羽又は鷹の羽などは、引合につゝみ水引にて結候て臺にすゑ、羽の本を御前へなし申候、〈○中略〉&br;一盆香合進上の時は、香合をば袋より取出候て進上候袋をば同朋衆へ渡可&size(5){レ};申候、御前へ紋の草木の本末を見分候て、本の方を御前になし可&size(5){レ};申候、&br;一香爐進上候時は盆にすはり候、香爐に足候はゞ、あしのうらおもてを見分候て、御前へ可&size(5){レ};有&size(5){二};持參&size(5){一};、〈○中略〉
一扇一本の時は如&size(5){レ};常、又一つゝみとは十本の事にて候、それをば、うつくしくたゝみたる、うすやうの重ねたるにてつゝみ、金銀の水引にてからげて、引合だんしにもすゑられ候、〈○中略〉&br;一繪を進上の時、長き繪をば横に盆にすゑ申べし、繪のおもての方御前へ向可&size(5){レ};申候、然ば外題は御前の左たるべし、持參申者の右へ外題あるべし、又繪を盆に竪にすゑ申べし、然ば外題の方、我かたへなし、可&size(5){レ};有&size(5){二};持參&size(5){一};候、二幅、三ぶくの時、同前、〈○中略〉&br;一金襴、段子など進上に仕る時は、記錄に有&size(5){レ};之ごとく古く、候とも唐包可&size(5){レ};然候、あまりにそこね候はゞ、上を引合にて包み水引にて可&size(5){レ};結候、五端十端とも進上候時は、一端づゝせん香などつゝむ樣にして、それをもとゆひのふときほどに、二すぢ紅にして、總を結て盆にすゑらるべし、むかしの段子は卷候はでたゝみたるにて候、今は一どんすにて候間、一端づゝ包て總結をして可&size(5){レ};然候、總結は兩わなたるべし、一端づゝはかたわなたるべし、&br;一唐糸三斤、或は五斤など進上候時は、ねぢたるかたを下になし、堅に盆にもすゑ候へば、ねぢたるかたふつさりとして見だてよく候、一斤などにて候へば、如&size(5){レ};常横にもすゑられ候、
**〔武雜記補註〕
***〈下〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0465:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0465.pdf]] 唐包とは、金襴段子は唐より渡る也、から包は唐にて包みたる也、唐紙にて包みて、靑き印、赤き印などすゑたる紙也、
**〔貞丈雜記〕
***〈九/進物〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0465:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0465.pdf]] 一進物の小袖の下とづる事、豐記抄に云、小袖、そでの下とぢ候事、數餘多候時の事に候、御成之次第に云、御練貫五重、袖のしたをとぢ、五重を又總をとぢ候て、だんしを廣ぶたにすへ、其上に練貫を置て、紙の切目御前になすべし云々、〈だんしそへざる時も同前なり〉小袖の袖下をとづるに、男女の替りあり、男の方は片かぎ、女の方は諸(モロ)かぎ也、ともにふさを付る也、女房故實條々に見たり、
**〔貞丈雜記〕
***〈九/進物〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0465:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0465.pdf]] 一進物を紙に包む折形(○○○○○○○○○)、いにしへは城殿といふ職人のする業也、〈今も京都に城殿といふ職人あり、其末流なり、〉庭訓往來に、城殿扇とあり、城殿ガ扇名物なりし也、城殿は色々のかざり物をする者にて
ありし故、進物なども城殿に包ませけるなり、それをまねて手前にても包む也、板の物、卷物などは、唐包を賞翫する故、此方にて上を包む事なし、唐包とは唐土より包みて渡したるを云、唐包には板木にて文字を押し、朱印、靑印などあり、もし唐包の損ずれバ、此方にて包み直してつかはす事、武雜記、其外の舊記に見えたり、我家に傳たる折形も少ばかりあり、包結記に記す如し、是等もかの城殿ガ包みし形なり、〈○中略〉&br;一進物に荒物(○○)と云事有、本式樽肴と云時は、肴は煑燒して折に入て遣す也、然るに魚鳥を生にて遣スをあら物と云也、書札條々に云、樽肴之次第、本式の樽は折十合、又は五合、御樽十荷、又は五荷等也、又荒物と申候は、一種々々也、或は雁一、白鳥一、鯛一、折共又は十廿共、貝蚫一折、樽等也、又云、御折、御樽本式也、又あら物と云は、美物一種に調候云々、〈○中略〉&br;一今世上に魚を進物にするに、篠の葉をかい敷にする也、篠の葉をかい敷にするは忌む事也、切腹する人に酒飮する時、肴のかい敷に、さゝの葉を用る故也、猶飮食の部見合べし、〈○中略〉&br;一魚類の進物に、海の前(○○○)、河の後(○○○)とて、海魚は腹の方を人に向け、川魚は背の方を人にむけて、臺につむと云説あり、非なり、舊記に其沙汰なし、何魚にても一つの時は、頭を主人の左へなし、腹の方を御前へ向る也、二つの時は腹を向ひ合せ、三つの時は同前にして、一つは背の方を外えなしてつむ也、海川の差別はなき事也、〈他家にては海川の差別あるよし申也、當家に傳へたる室町殿の禮式には、海川の差別無&size(5){レ};之、差別無用之事なり、〉&br;一馬代の事、書札大方に云、總別昔は馬代千疋にて候を、一亂以後三百疋の事候、今も國によりて千疋の事分も有&size(5){レ};之也云々、一亂とは應仁年中の大亂を云、然れば東山殿〈○足利義政〉御代應仁の亂以前は、馬代とあれば千疋づゝ遣しける也、亂以後は三百疋になりたる也、是は私にての事なるべし、殿中へ馬代進上は有べからず、舊記にみへず、私にても折節生馬の有合ざる時は、馬代用ひしなるべし、
**〔倭訓栞〕
***〈後編十三/登〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0467:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0467.pdf]] としのみ(○○○○)〈○中略〉 世俗贈物の時、先より又其器へ物を入て返すをいふ、大神宮年中行事、鍬山伊賀利の神事の條に、折敷に小石を入て年の實と號し、分て贈る事あるに出たり、
**〔建久三年皇大神宮年中行事〕
***〈二月〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0467:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0467.pdf]] 一鍬山伊賀利神事&br;宮司神主ハ裹鍬拜領諸役人等ハ折敷ニ入&size(5){二};小石ヲ&size(5){一};、號&size(5){二};年實&size(5){一};、分給後一同ニ揖拜、
**〔嬉遊笑覽〕
***〈八/忌諱〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0467:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0467.pdf]] 人の許より物贈れる時、其器物に移り紙(○○○)とて、紙をいれ、ことそぎては、つけ木を入ても返す、沙石集に、君に忠有て榮ふるといふ條に、返り引出物(○○○○○)とて、紙一枚をぞ給はりける、これ今いふうつり也、つけ木、古くは硫黃といへり、職人盡に、硫黃箒賣あり、二品をうれるなり、これを移りに用るは祝ふ意なり、〈かなはちがへども、音のまがふ故なり、又今祝をいわひと、俗文に書は、いはひにては、位牌にまがふとなり、〉うつりとは名殘の意なるべし、
**〔石田先生事蹟〕
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0467:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0467.pdf]] 音物をうけ、ため(○○)を入給ふに、上半紙を用ゐ給ふ、是は手習の淸書紙にもなり、無益につひえざるやうにとなり、
*&aname(EFA9A5E981BAE7A681E5BF8C){禁忌};
**〔大内問答〕
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0467:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0467.pdf]] 一馬も毛によりて、引出物に用捨の義候哉の事、&br;常には馬の毛によりて嫌義無&size(5){レ};之、ぶちをば用捨候、またよめ入の祝義に猿毛、移徙に火性の馬などは可&size(5){レ};有&size(5){二};用捨&size(5){一};、又神社參詣の時、其社に付て神馬の毛定たる事在&size(5){レ};之義候、其毛をば可&size(5){レ};在&size(5){二};斟酌&size(5){一};候、
**〔武雜記〕
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0467:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0467.pdf]] 一萬祝言に付て遣候物等用捨の事、元服の祝言に弓、征矢遣時、きりふの羽付たる矢用捨の事、〈○中略〉わたましに火性の馬、火打袋、ひはだ色の衣裳、赤さげ緖、もえぎ色など可&size(5){レ};有&size(5){二};用捨&size(5){一};、總別祝言に禁句等可&size(5){レ};有&size(5){二};心得&size(5){一};、
**〔貞丈雜記〕
***〈九/進物〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0467:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0467.pdf]] 一進物はすべて詞のとなへ惡き事を遠慮すべし、進物ならずとも、常にも此心得有べし、香を一たき、三たきは、人に送らぬ物也と云、一たきは人燒と云に似たり、三燒は身燒といふに似たり、香の物三切をいむ事も、功の者身切れと云に似たり、矢を人に遣すに、四筋六筋を忌
む事、四は死に似たり、六は無に似たり、無とは的に一つもあたらぬを云、元服の祝に切符の矢を贈らず、切るといふ事、男の祝に忌む也、〈○中略〉右何れも舊記に見たり、
*&aname(EFA9A5E981BAE794A8E599A82FE4BB98E69E){用器/付枝};
**〔門室有職抄〕
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0468:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0468.pdf]] 引出物事&br;牛馬冬春ハ雖&size(5){レ};著&size(5){レ};衣、引出之時脱&size(5){レ};之引也、太刀、笛、琴體ハ必入&size(5){レ};袋(○)乎、本ハ薄樣檀紙等可&size(5){レ};裹、物枝ニ付(○○○○)時、以&size(5){二};錦等&size(5){一};裹&size(5){レ};之、非&size(5){二};貴人&size(5){一};外ハ、付&size(5){レ};枝儀無&size(5){レ};之、
**〔享保集成絲綸錄〕
***〈十九〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0468:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0468.pdf]] 元祿二巳年八月&br;   覺&br;一獻上物之臺、上檜、杉無用ニ仕、何木ニ而も用&size(5){レ};之、磨抔も輕くいたし、足は檜、杉の外、何木成共仕、二重ぐり相止、ひきく可&size(5){レ};仕事、&br;一獻上箱、肴之箱、其外獻上物入候箱、杉、檜ヲ相止、何木ニ而も丁寧に無&size(5){レ};之、透し、ゑよう無用に可&size(5){レ};仕事、〈○中略〉&br;一獻上之外杉重檜臺令&size(5){レ};停&size(5){二};止之&size(5){一};、常々取かはし候は、塗重箱(○○○)可&size(5){レ};用&size(5){レ};之事、&br;一常々取かわし候音物、かけ流しの臺無用に致し、籠(○)を可&size(5){レ};用事、&br;一常に取かわし候箱肴停止致し、輕く肴代に可&size(5){レ};仕、肴にて遣候はゞ、籠を可&size(5){レ};用事、〈○中略〉&br;右之通、來午正月ゟ改&size(5){レ};之、可&size(5){二};相守&size(5){一};者也、&br;  八月&br;元祿二巳年十月&br;   申渡覺〈○中略〉&br;一常々取かわし候音物、鮨、甘子の類入候曲物桶(○○○)之事、&br;  籠、雜木の箱、塗重箱、壼(○)、此類を用可&size(5){レ};申事、
一常々取かわしの小袖臺、又は馬具抔載候臺の事、&br;  少き臺は塗候而用可&size(5){レ};申候、小袖臺、馬具載候臺、成程麁相ニ雜木ニ而用可&size(5){レ};申候、&br;一常々取かわし候肴遣し候、掛流し籠の事、&br;  靑竹の籠、掛流しに用可&size(5){レ};申候、&br;一常々取かわし候音物の箱の事&br;  成程麁相ニ致し、雜木の箱可&size(5){二};用申&size(5){一};候、〈○中略〉&br;一常々取かわし候音物の塗臺(○○)、幷塗樽(○○)の事、&br;  常々取替候毫樽塗候而用候儀は、心次第に候、但塗候器物、直ニ音物ニ付候而、差置候儀ニ而は無&size(5){レ};之候、〈○中略〉&br;右之通相心得、何方ゟ誂候共、此書付の外一切仕間敷候、若誂候者、町年寄〈江〉相斷、差圖ヲ請候而可&size(5){レ};仕候、&br;  十月
**〔貞丈雜記〕
***〈九/進物〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0469:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0469.pdf]] 一今時付臺(○○)とて、黃金一枚、銀子一枚などゝ書たる包紙を、臺にのりにてはり付て、金銀をば別に包て遣す事有、古は付臺と言事なし、要脚何疋とて、鳥目にて遣しける也、殿中にて鳥目など懸&size(5){二};御目&size(5){一};事はなかりし也、付臺と云物、後世出したる物也、〈慶長の頃より大判、小判、小粒など出來たり、古は錢ばかり通用したり、〉&br;一金らん、段子、くつわ等を、折(○)に入ても進ずる事、舊記に見へたり、折とは檜の板にて折わげて造たる箱也、食物を入る折の作り樣と同じ、大小長短廣狹は、物に依て相應につくるなり、〈○中略〉&br;一弦を進物にするには、桶(○)に入て進ずる也、一桶と云は廿一筋也、桶は檜の木のわげ物也、ふたはかぶせぶた也、とぢめは我方にして渡す也、ふたの書付は、ふたを竪板にして、弦廿一筋、又は廿一
條と書べし、字頭我方にして渡すなり、
**〔古今著聞集〕
***〈十三/祝言〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0470:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0470.pdf]] 延長二年十二月廿二日、内裏御賀〈○醍醐、四十賀、〉を中宮〈○醍醐后藤原穩子〉奉らせ給けるに、〈○中略〉中宮の御かたより、樂器を奉らせける中に、北邊左大臣〈○源信〉の淸和御時、手自かゝれたる、春鶯囀の箏の譜を、木の枝(○○○)に付て奉られける、めづらしくやさしき、御をくりものなりかし、
**〔大和物語〕
***〈上〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0470:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0470.pdf]] 故源大納言〈○淸蔭〉宰相におはしける時、京極のみやすどころ、〈○藤原褒子〉亭子院〈○字多〉の御賀つかうまつり給とて、かゝる事をなんせむと思ふ、さゝげ物、一えだ、二えだせさせて給へと、聞え給ひければ、ひげこ(○○○)をあまたせさせ給ふて、としこに色々にそめさせ給ひにけり、しきものゝおりものども色々にそめ、よりくみなにかと、みなあづけてせさせ給ひけり、
*&aname(EFA9A5E981BAE786A8E69697){熨斗};
**〔貞丈雜記〕
***〈九/進物〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0470:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0470.pdf]] 一進物にのしを添る(○○○○○○○○)事、〈のしとばかりいふは非也、古はのしあはびと云なり、〉古は大刀、馬、鎧、鞍、鐙、其外すべて進物に熨蚫を添る事は無&size(5){レ};之、さればのし包といふ物もなし、のし蚫を進物に添るは、後世のならはし也、當世にても太刀目錄などには、熨蚫をそゆる事なきは、古風の殘りたる也、我家〈○伊勢〉に傳へたる熨蚫の包形は、京都將軍家の庖丁人、大草流の式三獻の時、引渡しの膳にすゆるのし蚫の包形也、今當世進物に必のし蚫を添る風俗なれば、當家にても世のならはしにそむきがたき故、のしあはびを進物にそゆる時には、かの大草流の引わたしの包形を借用る也、古は進物にのしあわび添ざる事、古書を見て知べし、
**〔本朝食鑑〕
***〈十介〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0470:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0470.pdf]] 鰒〈○中略〉&br;長鰒〈訓&size(5){二};乃志&size(5){一};〉釋名熨斗〈言引&size(5){二};鰒片&size(5){一};令&size(5){レ};長則如&size(5){二};熨斗之舒&size(5){一レ};皺故名、〉&br;集解、造&size(5){二};長鰒&size(5){一};法、采&size(5){二};生鰒&size(5){一};去&size(5){二};腸殼&size(5){一};、以&size(5){二};小刀&size(5){一};從&size(5){二};耳端&size(5){一};、環切至&size(5){二};中肉&size(5){一};成&size(5){レ};條、次第切盡、條條洗淨、略暴乾待&size(5){二};生乾&size(5){一};而引舒侖&size(5){レ};長、復暴乾作&size(5){二};明白條&size(5){一};、此謂&size(5){二};長鰒&size(5){一};、短鰒亦略同、〈○中略〉或用&size(5){二};榮螺&size(5){一};而亂&size(5){レ};之、然味亦不&size(5){レ};減&size(5){レ};鰒、故謂&size(5){二};榮螺熨斗&size(5){一};、〈○中略〉本邦賞&size(5){二};長鰒&size(5){一};者、仍爲&size(5){二};上下賀祝之先供&size(5){一};也、神祠亦奠&size(5){レ};之、取&size(5){二};延長悠久之義&size(5){一};乎、
**〔石田先生事蹟〕
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0471:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0471.pdf]] 人へつかはし給ふ包銀には、のしを付け、包錢は水引をかけてのしを付給へり、
*&aname(EFA9A5E981BAE6B0B4E5BC95){水引};
**〔運歩色葉集〕
***〈見〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0471:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0471.pdf]] 水引
**〔雍州府志〕
***〈七/土産〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0471:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0471.pdf]] 水引 元城殿之所&size(5){レ};製爲&size(5){レ};始、近世兼康町八木某多造&size(5){レ};之、如&size(5){レ};今所々製&size(5){レ};之、其式杉原紙、或奉書紙、隨&size(5){二};紙之長短&size(5){一};、幅一寸許直切&size(5){レ};之、以&size(5){二};手指&size(5){一};捻&size(5){レ};之、其長一尺餘、而暫浸&size(5){二};米滑水&size(5){一};、取&size(5){二};起之&size(5){一};以&size(5){二};白巾&size(5){一};絞&size(5){二};引之&size(5){一};、故謂&size(5){二};水引&size(5){一};、日乾而後半塗&size(5){二};臙脂&size(5){一};、是謂&size(5){二};赤白水引&size(5){一};、半白所爲&size(5){レ};本、半赤所爲&size(5){レ};末、以&size(5){レ};是括&size(5){二};短册&size(5){一};結&size(5){二};玄猪&size(5){一};、其外括&size(5){二};諸物&size(5){一};、至&size(5){二};近世&size(5){一};則金箔、臙脂、鬱金汁、藍汁、段々彩&size(5){レ};之、而以&size(5){二};箔細紙&size(5){一};毎&size(5){二};十條&size(5){一};束&size(5){レ};之、是謂&size(5){二};一把&size(5){一};、至&size(5){二};百把或三百把&size(5){一};、爲&size(5){二};婦人贄&size(5){一};、其剛堪&size(5){レ};結&size(5){二};束諸物&size(5){一};、又鳥子紙一枚、段々彩&size(5){二};各色&size(5){一};、細切不&size(5){レ};及&size(5){レ};捻而用&size(5){レ};之、是謂&size(5){二};平水引(○○○)&size(5){一};、是又近世之製也、
**〔三内口決〕
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0471:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0471.pdf]] 一水引結物事&br;於&size(5){二};禁中&size(5){一};者、多分被&size(5){レ};用&size(5){二};紙捻&size(5){一};候、但懷紙、短冊等ハ、白紅之水引、以&size(5){二};一筋&size(5){一};結&size(5){レ};之候、女房髮之水引、同前候、當時段々水引一向不&size(5){レ};用&size(5){レ};之候、半白ク、半紅ナル水引、白紅ト號シテ外樣ニ用&size(5){レ};之、&br;結樣(○○)事〈中ニ可&size(5){レ};見用ノアルハ片鎰(○○)也、細々開見マジキ物ハ毛呂和那(○○○○)也、〉&br;又薄樣ノ水引ハ、其紙ヲ捻候テ、面ト懷胞ト中倍トノ五色ヲ捻テ、五筋宛續&size(5){レ};之、十文字ニカラゲテ、裏ニテ、留&size(5){レ};之片鎰ナリ、
**〔貞丈雜記〕
***〈九/進物〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0471:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0471.pdf]] 一紅白水引にて包物を結事、紅白の色左右定なし、然れども結ばざる以前に白を左にし、紅を右にすべし、白は五色の本也、左は陽にて貴き方なれば、白を左になすべし、
*&aname(EFA9A5E981BAE79BAEEFA4BF2FE68A98E7B4){目錄/折紙};
**〔宗五大草紙〕
***〈上〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0471:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0471.pdf]] 折紙調候樣の事&br;一先折紙のたけの高きは狼藉也、公方樣へは、常々公家、門跡、大名衆は備中紙、小高檀紙を一重二に折て御用候、御供衆同前、大かたの人は小引合、杉原など被&size(5){レ};用候、公方樣ゟ禁裏樣へ御進上之日錄は、大高檀紙一枚にて候、管領の御母ゟ公方樣へ參候折紙、大高檀紙一枚にて候、又細川殿ゟ進
上之目錄同前、彼御一人にかぎり如&size(5){レ};此、折紙の調樣、攝家より公方樣への御折紙には、進上は候はで、色計あそばし候て、以上と候、淸花も此分に而候、余の公家衆も進上は候はで、以上之奧に實名をあそばし、そばに上文字を御付候、縱ば如&size(5){レ};此、實名上、又は門跡も進上は候はで、以上の奧に何院と計候、是は門跡の事候、武家は進上とはしにかきて、以上の奧に名乘をかき、名字官途受領をも書候、又土岐殿一人名乘をばかゝで、土岐左京大夫と候、又私にては色計書て、以上、おくに各乘を書、かたに名字官途など書は、一段賞翫の義也、又受領にても官途計にても書候、是も賞翫、是は賞翫ながら前の程はなく候、又常に等輩には、只以上と計書候、色はいく色も同前ひろひて可&size(5){レ};書、又人の内衆主人へ參候折紙、進上と書候、公方樣へ武家進上の書やう同前、&br;一折紙に調候物の次第、大内殿ゟ故勢州へ被&size(5){レ};尋候時、しるして被&size(5){レ};遣候分、公方樣へは御太刀一腰、〈銘〉御馬一疋、〈毛付印付〉万疋、〈此字成べし〉又千疋、五千疋、私ざまにては御の字あるべからず、又太刀の銘は大方太刀のわきに付べし、又書狀には用脚の異名を書候、折紙にはたゞ万疋千疋と有べし、又御太刀一腰、〈銘〉御繪一幅、〈筆付べし數不&size(5){レ};定〉御香合一、〈堆紅以下可&size(5){レ};付〉金襴一端、〈色可&size(5){レ};付〉段子繻子〈數不&size(5){レ};定〉數多くば何端とて色色可&size(5){レ};付、此外ぢんのほた、から絲、御花瓶胡銅一、御香合一、御盃にすはる御盃の數不&size(5){レ};定、何にても堆朱堆紅など付べし、公方樣へ進上の外、御ノ字有べからず、公方樣へも金襴段子などやうなる物に、御ノ字は不&size(5){レ};書候、公私共に太刀そひ候はゞ、一番に太刀を書べし、&br;一御太刀一腰、〈銘〉御弓、征矢、御鐙一領向甲、〈糸色付べし〉御馬一疋、〈毛付印付〉公方樣へ此分、〈○中略〉&br;一女中へ進上の折紙、調樣、万びき、又は千びきなど有べし、又名乘は、上の字をかなに、下をばまなにて書、名字、官途も、かな、まなを交べし、私にて女房衆への折紙此分也、又ほん、かうばこ、どんす以下も、かなに書べし、だんし十帖、引合杉原も、十でうとかくべし、おりたる以下の折紙をも、まなをまぜてかくべし、
一公方樣へ折樽以下進物書やう、御盃臺、〈繪樣可&size(5){レ};付、數不&size(5){レ};定、〉御折十合、〈數不&size(5){レ};定〉押物五合、〈數不&size(5){レ};定〉御樽十荷、〈數不&size(5){レ};定〉京にては柳なれば柳何荷共書、又御樽、〈天野何荷共云〉是も私へならば、御字あるべからず、是も女中へはかななるべし、&br;一魚鳥を折紙に調候は、大かた鳥前、魚後に書候、又大内殿より金仙寺〈○伊勢貞宗〉へ、精進と魚とを書まぜて、進上の時は、如何と尋られし時、返事に、さのみ見及候はず候、但精進の物は前に候はんずるかと候し、又常に私にて昆布をそへ候事、きとしたる時は見及候はず候、又常に進上候魚鳥の數の事、是又大内殿より故勢州へ被&size(5){レ};尋候時、しるし被&size(5){レ};遣候分、鳥には白鳥、鵠、雁、鴨、雉、鶴、雲雀、靑鷺、五位鷺、鶇、鴫、鶉、四足には兎より外は參候はず候、魚には鮒、同鮓、鯉、鮎、同鮓、鯛、鱈、鮭、鱧、鯨、鰤、鮝、鱓、海鹿、鮫、鱒、鱸、鯇、鹽引、蛸、細鯉、來々、海老、擁劒、生海鼠、振海鼠、大蟹、煎海鼠、海月、海鼠腸、海糠、老海鼠、烏賊、筋子、眞鰹、波良々子、細螺、貝蠣、貝蚫石花蛤、辛螺、榮螺、ばい、熨斗蚫此外もあるべし、
**〔三内口決〕
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0473:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0473.pdf]] 一馬太刀進物事〈○中略〉&br;就&size(5){二};其馬太刀&size(5){一};折紙書樣&br; 馬一疋ト載&size(5){レ};之時ハ、毛付有&size(5){レ};之、有&size(5){二};毛付&size(5){一};之時ハ、太刀一腰ノ下ニ其作注之、若無&size(5){レ};作之物之時ハ、持ト 注&size(5){レ};之、馬ヲ一疋ト書心ハ、可&size(5){レ};爲&size(5){二};馬代&size(5){一};之義也、但家々意、互ニ不&size(5){レ};可&size(5){レ};守&size(5){レ};株乎、
**〔貞丈雜記〕
***〈九/書札〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0473:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0473.pdf]] 一進物の目錄を書に、先精進物を書て、次に魚鳥を書事、古法也、是は奪氏卿、夢窻國師を師として、禪法に歸依し給ひしにより、御代々禪宗を崇敬し給ふにより、諸侯も皆禪法をこのみ、精進の人多かりし故、精進物を先として、目錄にも、又は座敷え折を出すにも、先精進物、次に魚鳥と次第を定たる物也、〈○中略〉&br;一古は折紙のまん中に、千疋万疋などゝばかり書て人に遣したり、今は金子千疋、万疋或は肴代何疋、樽代何疋と書て、何疋の上の方に金子を糊にて付る事世上にはやる也、古は金子なく鳥目
計有し也、それ故たゞ何疋と計書付て、別に鳥目をば遣しける也、今の金子の折紙も、千疋万疋などゝ書て、金子をば別に包て遣す事よろしかるべし、&br;一今時貴人より下輩へは、竪目錄(○○○)を用、下輩より貴人えは横目錄(○○○)を用るといふ説あり、古は竪目錄横目錄といふ名目なし、前にも記す如く、太刀馬の目錄と、千疋万疋などの折紙は横に折り、魚鳥などの注文は横に折らず、竪紙を用し也、貴賤に依て竪横の差別、古法はなき事也、〈○中略〉&br;一進物に魚類と精進物有ば、目錄に精進物を初に書べし、書札條々に云、總て公方樣へしやうじ物〈精進物の事也〉をくはへ進上之事不&size(5){二};見及&size(5){一};也、昆布なども、御肴、あら物に〈あら物の事は精進物の部ニ出〉そひ申事無&size(5){レ};之、名物の事も一色には進上候歟、又常にわたくしには精進物そひ候べし、其時は精進物を一番に可&size(5){レ};調也、又云、折精進、美物〈魚鳥類の事〉之事、當方には一番に精進を被&size(5){レ};調候、他家には美物を一番に被&size(5){レ};調候、&br;一魚と鳥進物の時は、鳥を先に書べし、書札條々に云、鳥魚物ばかり也、此時鳥を先調らるべし、&br;一進物の目錄の料紙、貴人より下輩へ給るは、大たかだんし大引合などを用らるゝ、下輩より貴人へ奉るは、小たかだんし小引合などを用る事古の禮也、今は下輩より貴人へ奉るに大たかだんしを用る事、分に過たる儀なれども、世上如&size(5){レ};此なり、&br;一今時進物に三色目錄(○○○○)、別儀目錄(○○○○)と云名有、三色目錄は太刀、馬の間に、要脚、呉服、卷物の類を書列たるを云、別儀目錄とは、太刀、馬に、卷物、〈魚の事也〉樽などを書加へたるを云、古は此三色目錄、別儀目錄と云名目なし、太刀、馬に書加へもあれども、三色別儀などゝ云名目はなし、&br;一目錄に馬代書事、萬拔書條々に云、目錄に馬代と書候不&size(5){レ};及&size(5){レ};見候、一疋の下に毛付不&size(5){レ};書&size(5){レ};代候て調候、毎々の儀に候、要脚書かる事も可&size(5){レ};有&size(5){レ};之、馬代いか程より認る儀、但さも可&size(5){レ};有哉と云々、古は一疋の下に毛付をばすれども、馬代何程と書事なし、御太刀一腰、要脚何千疋と書事はあり、馬代何程
とは不&size(5){レ};書也、貞丈云、今は專ら馬代を用る也、御馬一疋の側に、馬代白銀十枚などゝ書也、殿中へ獻上も右の如くになりたり、今改がたし、然れども愚意を以ていはゞ、目錄には御馬一疋とばかり書て、毛付すべからず、毛付せざるは馬代を用るが故也、扨馬代銀ならば、其包紙に御馬代銀何枚と書べし、鳥目ならば御馬代錢何程と木札を付可&size(5){レ};然歟、
**〔和簡禮經〕
***〈二〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0475:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0475.pdf]] 禁裏江從&size(5){二};公方樣&size(5){一};御進上之目錄ノ事&br;假令バ御太刀 一腰御馬 一疋以上進上モ御實名モ在ベカラズ、御料紙大高檀紙一枚ニテ候、押折テ伊勢守貞宗調進被&size(5){レ};申候、右書樣近來菊亭殿自筆ニテ書付、天正十九之比給候モ一同也、〈○中略〉&br;一折紙事&br;鳥目折紙ニテ、攝家、淸華、宮門跡、平公家、其外不&size(5){レ};依&size(5){二};貴賤&size(5){一};、書樣事何も同前也、〈付被&size(5){二};召仕&size(5){一};候輩ニモ、又ハ觀世大夫以下ニモ同前也、〉&br;折紙ノ中央ニ万疋千疋多少ハ可&size(5){レ};依&size(5){二};時宜&size(5){一};〈○中略〉
一從&size(5){二};武家&size(5){一};進上事&br;假令バ&br;進上&br;御太刀 一腰&br;御馬 一疋&br;以上&br;名字官&br;名乘&br;銘アラバ銘、無銘ナラバ持ト云字、毛付&br;又ハ印ヲモ可&size(5){レ};書、但何モ不&size(5){レ};書モ不&size(5){レ};苦也、&br;現馬ノ朝ハ毛付アルベシ、馬代ノ時ハ、&br;一疋ト計アレバ、則代ト可&size(5){二};心得&size(5){一};也、&br;右至極ノ敬の書樣なり、&br;進上、御太刀、御馬ト、三ハ同ジ通也、以上ハ一字サゲテ可&size(5){レ};書也、進上モ少サグル流モアリ、半字、〈○中略〉樽目錄の認やうの事&br;昆布鳥魚獸ト次第スル也&br;進上&br;白鳥 一&br;雁 一&br;鯛 一折&br;鱈 一折&br;海月 三桶&br;已上&br;名字官&br;名乘&br;是は主人貴人等江の認樣にて候、鯛鱈見たて能候へば、&br;これも數を書事も有&size(5){レ};之、又如&size(5){レ};此一折共認候也、次けだ物&br;はいち奧に認候、又桶に入候ものは、いく桶と書申候歟、&br;樽添候はゞ、肴悉かき候て、いちおくに書申候也、&br;進上ノナキ時ハ、目錄ト口ニ可&size(5){二};書申&size(5){一};也、〈○下略〉
*&aname(EFA9A5E981BAEFA9A5E981BAE4BE8B){贈遺例};
**〔伊勢物語〕
***〈下〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0477:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0477.pdf]] 昔男有けり、人の許より、かざり粽をこせたりける返事に、&br; あやめかり君はぬまにぞまどひけるわれは野に出てかるぞ侘しき、とてきじをなんやりける、
**〔古事談〕
***〈一/王道后宮〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0477:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0477.pdf]] 白川院爲&size(5){二};御方違&size(5){一};、俄臨&size(5){二};幸實季卿家&size(5){一};、御引出物(○○○○)ニ、役ノ優婆塞ノ獨鈷ヲ相傳シテ持タリケルヲ、殊勝唐錦一段ニ裹テ被&size(5){レ};進ケル、召テ令&size(5){二};還御&size(5){一};了、世人奉&size(5){レ};謗云々、
**〔吾妻鏡〕
***〈三〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0477:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0477.pdf]] 壽永三年〈○元曆元年〉六月一日戊午、武衞〈○源賴朝〉招&size(5){二};請池前亞相&size(5){一};〈○平賴盛〉給、近日可&size(5){レ};有&size(5){二};歸洛&size(5){一};之間、爲&size(5){二};餞別&size(5){一};也、右典厩、幷前少將時家等在&size(5){二};御前&size(5){一};、先三獻、其後數巡、又相互被&size(5){レ};談&size(5){二};世上雜事等&size(5){一};、〈○中略〉次有&size(5){二};御引出物&size(5){一};、先金作劒一腰、時家朝臣傳&size(5){レ};之、次砂金一裹、安藝介役&size(5){レ};之、次被&size(5){レ};引&size(5){二};鞍馬十疋&size(5){一};、其後召&size(5){二};客之扈從者&size(5){一};、又賜&size(5){二};引出物&size(5){一};、
**〔吾妻鏡〕
***〈九〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0477:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0477.pdf]] 文治五年六月十一日己亥、中納言法橋參&size(5){二};御所&size(5){一};、依&size(5){二};御招請&size(5){一};也、塔供養無爲事被&size(5){二};賀仰&size(5){一};、又有&size(5){二};獻盃&size(5){一};、以&size(5){二};沙金十兩、銀劒一腰、染絹五十端&size(5){一};、爲&size(5){二};御贈物&size(5){一};、
**〔沙石集〕
***〈六下〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0477:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0477.pdf]] 君忠有&size(5){レ};榮事&br;先年ノ比、何者ノ云出シケルニヤ、相手ヲ孔子ニ取テ事ヲシ、相手引出物ヲセバ、時ノ横災ヲマヌカルベシト云事、京田舍ニ普クソノ沙汰アリテ、カミツカタニモ此毫アリケルニヤ、或公卿ノ御所ニ此事アルベシトテ、相手ヲサダメラレケルニヤ、恩モ蒙ラズ私ノタクヘモ無シテ、貧シキ侍ノ宮仕ケルガ、主ノ御相手ニ取アタリヌ、是モ不運ノイタリト身エモ思ヒ、ヨソニモサタシケリ、〈○中略〉女房ノハカラヒニシタガハントテ、屋地ヲウリテ、用途五六十貫ガホドアリケルニテ、銀ノ折敷ニ金ノ橘ヲツクラセテ、コト〴〵シカラヌヤウニ、紙ニツヽミ、懷中シテ手ニ色々ノ引出物共シケリ、イカニモ某ハ、上ノ御相手ニ參テ、其用意アルカト、傍官共問ケレバ、爭カ用意仕ラザラント云、イカバカリノ事カ、シ出スベキトテ、目ヒキ鼻引、カホヲソバメテゾ、オカシゲニ思ケル、上
ニモヨニカタハライタキ事ニ、思食タル氣色ナリケリ、スデニフトコロヨリ、紙ニ裹タルモノヲトリ出スヲ見テ、サセル事アラジト思テ、餘ノカタハライタサニ、諸人面ヲクツフセケリ、サテ御前ニ置タル物ヲヒキヒロゲテ見給ヘバ、銀ノ折敷ニ金ノ橘ヲ置タリ、心モヲヨバズ作タリケリ、是ヲ見テ皆目ヲ驚シ、諸人ニガリテゾ見ヘケル、抑ナニトシテ御恩モナキニ、カヽル不思議ハシ出タルゾト、御所中ノ人ニ尋給ケレバ、カヽル子細トゾ承ルト、委クキヽタル人申シケレバ、大ニ感ジ被&size(5){レ};仰ケリ、サルホドニ返リ引出物トテ、紙一枚ヲゾ給ケル、都近キ庄ノ千石バカリナルヲ給テ、富榮テイヨ〳〵奉公ツカマツリ、重テ御領モ預リ、方々榮華目出クアリケル、
**〔太閤記〕
***〈二〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0478:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0478.pdf]] 秀吉歲暮御禮之事&br;先今夜忍びの對面すべし、其にまたせよとて、御袴めし給ひつゝ、〈○織田信長〉筑前〈○豐臣秀吉〉か、扨も久しやと再三宣、〈○中略〉御暇被&size(5){レ};下けり、斯て明日の捧物、數多き事なれば、無&size(5){二};相違&size(5){一};やうに、臺にのせて見せよと、終夜用意有しかば、吿渡八聲の鳥催&size(5){レ};旦、進物の奉行共はや持出、山下よりならべ置候へ、頓て出給はんとて、奉行共出し給へり、山下にて信長公への進物は道の左に、御若君たちへのは右にならべ、其次々の進物は、如&size(5){レ};此せよと被&size(5){二};仰付&size(5){一};、登山有けり、臺の數二百餘の事なれば、左右にならべつる臺は、御門に入共、跡の臺はいまだ山下に在、信長公殿守より御覽有て、坂に布引におしはへ見ゆるは、彼大氣ものゝ筑前守が進物の臺なるべし、見よや者とて打笑せ給ひける、
**〔太閤記〕
***〈十一〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0478:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0478.pdf]] 行幸&br;卯月〈○天正十六年〉十四日行幸〈○後陽成〉有べしとなり、〈○中略〉殿下〈○豐臣秀吉〉も何かの事取まぜ沙汰し給ふとて、申刻ばかり〈○四月十玉日〉にまう上り給ひぬ、獻々の内に、&br;  捧物&br;一御手本 卽之筆蹟千字文、金の折枝に付、
一御繪 三幅一對&br;一沈香 百斤、方五尺餘の臺、紅糸の網を掛、六人これをかく、&br;右進上之物取納させ給ふて、頓て攝家の御方、諸門跡、淸華衆、殘らず其沙汰に及べり、&br; 伏見殿 九條殿 一條殿 二條殿 近衞殿 菊亭殿〈右府〉 德大寺前内大臣 尾州内府  右之御衆へ〈但各自にかくのごとし〉&br;一繪 二幅 一虎皮 一枚 一盆 一堆紅 一小袖 三重 一太刀 一腰&br;卽御領知の御折紙被&size(5){二};相添&size(5){一};、各自にまいらせらる、其外衞府所司へも小袖二重、太刀一腰宛、領知の折紙相添給ふ、是亦傳奏衆へ渡し申されけり、
**〔甲子夜話〕
***〈八〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0479:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0479.pdf]] 前人〈○林述齋〉又云、昔トテモ權勢ノ人ヘハ贈遺モアレド、近來ノ如キ鄙劣ナルコトハ無キコトナリ、今姫路ノ酒井家、モト前橋ヲ領シテ、大老勤ラレシトキ、仙臺ヨリ大筒二十挺贈リシトゾ、一挺ヲ車一輛ニ載ル重サナリシトナリ、今ソノ筒、江戸ト姫路ニ半ヅヽ藏スト聞ク、ソノ時鍋島家ヨリハ、伊万里燒ノ鱠皿、燒物皿、菓子皿、猪口、小皿等、凡膳具ニ陶器ニテ用ユベキ程ノ物ヲ、千人前ニシテ送リシトナリ、只今尋常ノ客ニ掛合ノ膳ヲ供スル時、ヤハリソノ陶器ヲ用ユ、多クハ敗損セシガ三ケ一ハ尚殘レリトナリ、又高崎侯ノ祖〈諱輝眞、松平右京大夫、〉元祿中、殊更ニ御眷注ヲ被ラレシカバ、人々ノ奔走モアリシガ、一日加賀侯訪問ニテ面話ノトキ、何ゾ遞上ト存ズレドモ、事欠ルベキニモ無レバ、空シク打過ス、馬ヲ好マレ候ト承リヌレバ、國製ノ鐙ニテモ進ジ候半歟ナドトノ物語ナリシカバ、厚意忝キノ旨挨拶アリ、加侯歸邸ノ後、使者ヲ以テ鐙百掛贈ラレケリ、折角ノ厚情ナレバ迚、厩ニ繫ケル馬百疋ニ鞍置セ、其鐙ヲ掛ケ使者ニ付テ、卽時ニ加邸へ牽セ、此通リ用ヒ忝旨ノ謝詞アリシトナリ、此頃ノ風儀ハ、信ニ感ジ入タル事ナラズヤ、贈ル人モ、受ル人モ、孰レヲイヅレトモ云ガタシ、
**〔甲子夜話〕
***〈六〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0480:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0480.pdf]] 田沼氏ノ盛ナリシトキハ、諸家ノ贈遺、樣々ニ心ヲ盡シタルコトドモナリキ、中秋ノ月宴ニ、島臺輕臺ヲ始メ、負ケ劣ラジト趣向シタル中ニ、或家ノ進物ハ小ナル靑竹籃ニ、活潑タル大鱚七八計ニ、些少ノ野蔬ヲアシラヒ、靑柚一ツ、家彫萩薄ノ柄ノ小刀ニテ、ソノ柚ヲ貫キタリ、〈家彫ハ後藤氏ノ所&size(5){レ};彫、世ノ名品其價數十金ニ當ル、〉又某家ノハ、イト大ナル竹籠ニシビニ尾ナリ、此二ヲバ類無トテ興ニナリタリト云、又田氏中暑ニテ臥シタルトキ、候間ノ使价、此節ハ何ヲ翫ビ給フヤト訊フ、菖盆ヲ枕邊ニ置テ見ラレ候ト、用人答シヨリ、二三日ノ間、諸家各色ノ石菖ヲ大小ト無ク持込、大ナル坐敷ニ計ハ透間モ無ク並ベタテヽ、取扱ニモアグミシト云、ソノ頃ノ風儀如&size(5){レ};此ゾアリケル、
*&aname(EFA9A5E981BAE99B9CE8BC89){雜載};
**〔江家次第〕
***〈二/正月〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0480:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0480.pdf]] 大臣家大饗&br;此間、召人退出、有&size(5){レ};祿、〈○註略〉 次引出物(○○○) 馬各二疋〈○註略〉 尊者若好&size(5){レ};鷹者、被&size(5){レ};奉&size(5){レ};之〈(中略)私人不&size(5){レ};可&size(5){レ};飼&size(5){レ};鷹由、有&size(5){二};新制&size(5){一};、不&size(5){レ};可&size(5){レ};爲&size(5){二};引出物云々、〉
**〔三内口決〕
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0480:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0480.pdf]] 一馬、太刀進物事、&br;面向之一禮定儀候&br;嫁取、元服、拜賀、扈從之人衆等、必有&size(5){二};此禮儀&size(5){一};、&br;行幸供奉之公卿有&size(5){二};此禮&size(5){一};&br;樂道郢曲等傳受候時、又有&size(5){二};此禮&size(5){一};、
**〔翹楚篇〕
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0480:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0480.pdf]] 一常々の御物語に、〈○上杉治憲〉獻上物は輕きに却てしほらしき誠あり、下々同士の贈物も斯有べし、よき品到來の滿足ならぬにはあらねども、善盡し美盡せる品を贈られては、其心遣ひの痛入、亦相應の挨拶もがなと思ふより、常々苦にし心に懸て安からず、譬釣魚二三も持來り、或は菜園の品摘來りて、手作の品と云、昨日釣得たりなんどいひて贈れるには、實も其人の眞實おもひやられてしほらし、斯る品とて挨拶の如在をすべきにあらね共、苦にし心にかゝる程にもあ
らざれば、心におきて安きなり、然るに能品事々敷取飾て贈れるは、上を敬する誠より、其心を盡せるに相違もなけれ共、其心遣が却て痛入て安からぬ也、凡の人情思ふ儘成には心殘らず、心に任せのに殘念のたえぬもの也、去ば能品取揃て贈れるは、元ゟ己が思ふ儘の贈物成なり、おのづから殘す處なしといふ心より、又も〳〵とおもふ心の誠を失ふ也、心にまかせぬ漸少の贈物せるは、其漸少なるの殘念より、又も〳〵贈たきと云心忘られず、其人の誠も益々進ぞかしと宣ひし、
**〔嬉遊笑覽〕
***〈八/忌諱〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.0481:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/jinb_2/jinb_2_0481.pdf]] 狂言記、福わたしに、ふくはなんじや、ありの實で御ざりますなど見ゆ、今世にも外よりくれたる物を分ちて人に贈るを、福わけといふ、

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