しずか（静か）

しずか（静か）→ういてねるかもめ（浮いて寝る鴎）

しつかなる−はるのいそきは−ふねさして−うきてかもめの−ねむるゆふなみ

【永禄石山千句】／何路［ときはきも］／永禄7(1564)年5月12日

しつかなる−しかつのあきの−うらのなみ−うきてかもめの−ねむるかたはら

【平松文庫本千句】／□□［くれてゆく］／

しずか（静か）→みずのすずしさ（水の涼しさ）

しつかなる−ゆふへやあきを−ふかむらむ−いはになかるる−みつのすすしさ

【東山千句】／薄何［つゆをいろ］／永正15(1518)年8月10日〜12日

しつかなる−なかれをとほみ−ふねさして−なかめをうつす−みつのすすしさ

【大永三年月並千三百韻】／□□［はるとふく］／月並千三百韻／大永3(1523)年1月23日

しずか（静か）→あかつきふかい（暁深い）

くもかかる−みねのいはやは−しつかにて−あかつきふかき−さるのひとこゑ

【三島千句】／御何［はるとほし］／文明3(1471)年3月21日〜23日

しのふまに−はやねやのとの−しつかにて−あかつきふかき−をきのはのつゆ

【石山四吟千句】／初何［くれてなほ］／天文24(1555)年8月15日〜19日

しずか（静か）→あけはなれる（明け離れる）

かちをたえ−つなきしふねの−しつかにて−あけはなれても−のちそゆめみる

【永禄年間百韻２８巻】／懐旧［はつゆきの］／永禄6(1563)年11月18日

おくつゆも−はるのみきりは−しつかにて−あけはなれても−かすみぬるそら

【慶長年間百韻２７巻】／□□［よつのとき］／裏白／慶長18(1613)年1月3日

とこをしめる（所を占める）→しずか（静か）

くれてうつらそ−とこをしめたる−ひとかへる−あとのつきかけ−しつかにて

【文明十四年万句５２巻】／二字反音［まつうきて］／文明14(1482)年7月4日〜9月14日

いけのかはつそ−とこをしめたる−ひとすまぬ−こやのはるさめ−しつかにて

【萱草／伊地知本】／春／文明6(1474)年2月以前

ねぐらのはるのとりのね（塒の春の鳥の声）→しずか（静か）

しはしねくらの−はるのとりのね−しつかなる−あしたのほとは−おそきひに

【元亀二年千句】／何袋［ふるさとと］／元亀2(1571)年3月5日

たけをねくらの−はるのとりのね−しつかなる−かきほやのへに−つつくらむ

【平松文庫本千句】／□□［おちはして］／