〔倭名類聚抄〕

〈三/鼻口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0371 鼻 陸詞切韻云、鼻、〈秘反、和名波奈(○○)、〉面中岳也、漢書注云、高祖爲人隆準、〈准反〉應劭曰、隆、高也、李斐曰、準、鼻也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/鼻口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0371 曲直瀨本、下總本作音秘、那波本同、山田本作眦至反、按毗至反與廣韻合、在去聲六至、美在上聲五旨、秘在去聲五寘、則音美音秘並非是、按波奈之言端也、謂面之端也、〈○中略〉黄庭經、天中之岳、謂鼻也、説文鼻引氣自畀也、釋名、鼻嚖也、出氣嚖々也、〈○中略〉所引高帝紀文、〈○中略〉按漢書注、應劭曰、凖頰權準也、李斐曰、準鼻也、二説不同、晉灼曰、李説是也、又史記始皇本紀.秦王爲人蜂準、文穎曰、準鼻也、故源君從李説、然説文、準平也、卽準繩字、非此義、説文又云、肫面頯也、頯權也、肫準同音、故史漢借準爲肫也肫入聲音拙、漢書注、服虔曰、準音拙、是也、故肫或作䪼廣雅、顴、頄頞、䪼也、玉篇䪼之劣切、漢高祖隆䪼龍顏、師古亦曰、頰權䪼字、豈當準爲一レ之、然則準卽上文所載顴是也、訓準爲鼻、竟無證、李斐文穎訓準爲鼻者非是、後漢書、光武隆準、注引許負云、鼻頭爲準、其誤與李文同、

〔類聚名義抄〕

〈二/鼻〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0371 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00370.gif 〈頻寐反、ハナ、鼻俗、〉

〔伊呂波字類抄〕

〈波/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0371 鼻〈ハナ鼻隆準也〉

〔下學集〕

〈上/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0371 鼻(ハナ)〈又始之義也〉

〔燕石雜志〕

〈一〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0372 物の名
鼻ははじめなりといへり、物のはじめを鼻租といふ、又端も又首(ハジメ)なり、

〔めのとのさうし〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0372 はなは人の顏のうちにさし出てたかく、めにたつものにて候、あひかまへてあひかまへてしろくおんけはひ候まじく候、さし出て見にくき物にて候、

〔身のかたみ〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0372 第五、御鼻は顏のうちのぐに、とりわきさしいりに、めにたつものにて候、けしやうのうちにて、御心をそへられ候へ、こくしろくあそばされ候な、よのところよちは、ちと薄く御けはひ候べく候、

〔日本書紀〕

〈二/神代〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0372 一書曰、〈○中略〉已而且降之間、先驅者還白、有一神天八逹之衢、其鼻長七咫、背長七尺餘、當七尋、且口尻明耀、眼如八咫鏡、而赩然似赤酸醬也、

〔續日本後紀〕

〈十三/仁明〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0372 承和十年十二月癸未、元興寺傳燈大法師守印卒、和泉國人、〈○中略〉六根之中、鼻根最奇、守印他去間、有人入其房、守印歸來問之云、向來何人入吾房、又見童子云、汝食其飯、驗之知實焉、鼻之遙聞、皆此類也、

〔百練抄〕

〈四/一條〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0372 長保五年八月二日、雙六采入第二内親王鼻内(○○)僧慶圓加持之之給度者

〔今昔物語〕

〈二十八〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0372 池尾禪珍内供鼻語第二十
今昔、池ノ尾ト云フ所ニ、禪珍内供ト云フ僧住キ、身淨クテ眞言ナド吉ク習テ、懃ニ行法ヲ修シテ有ケレバ、池ノ尾ノ堂塔僧房ナド露http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00371.gif タル所无ク、常燈佛聖ナドモ不施ズシテ、折節ノ僧供寺ノ講説ナド滋ク行ハセケレバ、寺ノ内ニ僧坊隟マ无ク住賑ハヒケリ、湯屋ニハ寺ノ僧共湯ヲ不涌サヌ日无クシテ、浴喤ケレバ賑ハヽシク見ユ、此ク榮ユル寺ナレバ、其ノ邊ニ住ム小家共員數出來テ郷モ賑ハヒケリ、然テ此ノ内供ハ鼻ノ長カリケル五六寸許也ケレバ、頷ヨリ下テナム見エケル、色ハ赤ク紫色ニシテ、大柑子ノ皮ノ樣ニシテツブ立テゾ㿺タリケル、其レガ極ク痒カリケ ル事无限シ、然レバ提ニ湯ヲ熱ク涌シテ、折敷ヲ其ノ鼻通ル許ニhttp://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00372.gif テ、火ノ氣ニ面ノ熱ク炮ラルレバ、其ノ折敷ノ穴ニ鼻ヲ指シ通シテ、其ノ提ニ指入レテゾ茹、吉ク茹テ引出タレバ、色ハ紫色ニ成タルヲ、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00373.gif 業ニ臥シテ鼻ノ下ニ物ヲカヒテ、人ヲ以テ踏スレバ、黑クツブ立タル穴毎ニ、煙ノ樣ナル物出ツ、其レヲ責テ踏メバ白キ小虫ノ穴毎ニ指出タルヲ、鑷子ヲ以テ拔ケバ、四分許ノ白キ虫ヲ穴毎ヨリ拔出ケル、其ノ跡ハ穴ニテ開テナン見エケル、其レヲ亦同ジ湯ニ指入シテサラメキ、湯ニ初ノ如ク茹レバ、鼻糸小サク萎ミ暖テ、例ノ人ノ小キ鼻ニ成ヌ、亦二三日ニ成ヌレバ、痒クシテ㿺延テ、本ノ如クニ腫テ大キニ成リヌ、如レ此クニシツヽ腫タル日員ハ多クゾ有ケル、然レバ物食ヒ粥ナド食フ時ニハ、弟子ノ法師ヲ以テ、平ナル板ノ一尺許ナルガ、廣一寸許ナルヲ鼻ノ下ニ指入レテ、向ヒ居テ上樣ニ指上サセテ、物食畢マデ居テ食ヒ畢ツレバ打下シテ去ヌ、其レニ異人ヲ以テ持上サスル時ニハ惡ク指上ケレバ、六借クテ物モ不食成ヌ、然レバ此ノ法師ヲナム定メテ持上サセケル、其レニ其ノ法師心地惡クシテ不出來時ニ、内供朝粥食ケルニ、鼻持上ル人ノ无カリケレバ、何カセムト爲ルナド繚フ程ニ、童ノ有ケルガ、己ハシモ吉ク持上テムカシ、更ニヨモ其ノ小院ニ不劣ジト云ケルヲ、異弟子ノ法師ノ聞テ、此ノ童ハ然々ナム申スト云ケレバ、此童中童子ノ見目モ穢氣無クテ、上ニモ召上テ仕ケル者ニテ、然バ其ノ童召セ、然云ハヾ此レ持上サセムト云ケレバ、童召將來ヌ、童鼻持上ノ木ヲ取テ直シク向ヒテ、吉キ程ニ高ク持上テ粥ヲ飯スレバ、内供此ノ童ハ極キ上手ニコソ有ケレ、例ノ法師ニハ增タリケリト云テ粥ヲ飮ル程ニ、童顏ヲhttp://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00373.gif 樣ニ向テ鼻ヲ高ク簸ル、其ノ時ニ童ノ手篩テ、鼻持上ノ木動ヌレバ、鼻ヲ粥ノ鋺ニフタト打入ツレバ、粥ヲ内供ノ顏ニモ、童ノ顏ニモ多ク懸ヌ、内供大キニ瞋テ、紙ヲ取テ頭面ニ懸タル粥ヲ巾ツヽ、己ハ極カリケル心无シノ乞匄カナ、我ニ非ヌ止事无キ人ノ御鼻ヲモ持上ムニハ、此ヤセムト爲ル不覺ノ白者カナ、立ネ己ト云テ追立ケレバ、童立テ隱レニ行テ、世ニ人ノ此ル鼻ツキ有 ル人ノ御バコソハ、外ニテハ鼻モ持上メ、嗚呼ノ事被仰ルヽ御房カナト云ケレバ、弟子共此レヲ聞テ外ニ逃去テゾ咲ケル、此レヲ思フニ實ニ何カナリケル鼻ニカ有ケム、糸奇異カリケル鼻也、童ノ糸可咲ク云タル事ヲゾ、聞ク人讃ケルトナム、語リ傳ヘタルトヤ、

〔宇治拾遺物語〕

〈五〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0374 是もいまはむかし、ある僧、人のもとへいきけり、酒などすヽめけるに、氷魚はじめていできたりければ、あるじめづらしく思てもてなしけり、あるじようのことありてうちへ入て、またいでたりけるに、この氷魚のことの外にすくなくなりたりければ、あるじいかにとおもへどもいふべきやうもなかりければ物がたりしたりけるほどに、この僧のはな(○○)より氷魚のひとつふといでたりければ、あるじあやしう覺て、そのはなよりひをの出たるはいかなることにかといひければ、とりもあへず、此比の氷魚は目はなよりふり候なるぞといひたりければ、人みなはとわらひけり、

〔宇治拾遺物語〕

〈十一〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0374 今はむかし、村上の御時、古き宮の御子にて、左京大夫なる人おはしけり〈○中略〉はなのあざやかにたかくあかし、くちびるうすくていうもなく、ゑめば齒がちなるものヽ、あかくて、〈○下略〉

〔源平盛衰記〕

〈五〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0374 成親已下被召捕
西光ハ天性死生不知ノ不當仁ニテ、入道ヲハタト睨返シテ、西光全ク謀叛ノ企ヲ不存、此耻ニアフ事運ノ窮ニアリ、但耳ニ留事アリ、侍程ノ者ガ靭負尉ニモナリ、受領撿非違使ニ至ラン事、何カ過分ナルベキ、始タル事ニ非ズ、去テカク宣フ和入道ハ、イカニ王孫トコソ名乘給ヘドモ、昔ノ事ハ見ネバ知ズ、御邊ノ父忠盛ハ、正シク殿上ノ交ヲ嫌レシ人ゾカシ、其嫡子ニテォハセシカバ、十四五マデハ叙爵ヲダニモ不賜、シカモ繼母ニハ値タリ、難過カリケレバコソ、中御門藤中納言家成卿ノ播磨守ニテオハセシ時、受領ノ鞭ヲ取、朝夕ニ柿ノ直垂ニ、繩緒ノ足駄ハキテ通給シカバ、 京童部ハ高平太ト云テ咲シゾカシ、其ヲ耻シトヤ思給ケン、扇ニテ顏ヲ隱シ骨ノ中ヨリ鼻ヲ出シテ、閑道ヲ通給シカバ、京童部ガ先ヲ切テ、高平太殿ガ扇ニテ鼻ヲ挾タルゾヤトテ、後ニハ鼻平(○○)太々々々トコソイハレ給シカ、去ドモ故刑部卿殿近江國水海船木ノ奥ニテ、海賊廿人ヲ被搦進タリシ、勳功ノ賞ニ依テ保延ノ比カトヨ、御邊十八歟九歟ニテ、四位ノ兵衞佐ニ成給タリシヲコソ、人々トシト申シガ、其ガ今太政大臣ニ成タルヲコソ、下﨟ノ過分トハ申ベキ、此條ハ爭カ諍給ベキト、高聲ニ門外マデ聞ヨト云タリ、

〔徒然草〕

〈上〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0375 あらはるヽをもかへりみず、口にまかせていひちらすは、やがてうきたるごとくきこゆ、又我もまことしからずとはおもひながら、人の云しまヽに、鼻のほどおこめきていふは、其人の空ごとにはあらず、げに〳〵しく所々うちおぼめき、よくしらぬよしヽて、さりながらつまづまあはせて語る空ごとは、おそろしき事なり、わがため面目あるやうにいはれぬるそらごとは、人いたくあらがはず、

〔碧山日録〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0375 應仁戊子〈○二年〉四月二十三日壬子、赴於木幡、守門吏語云、前日有一劓婦、不何從而來、引邑中之一小兒於隙地、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00374.gif 其鼻而補我之闕、兒不痛苦、大號叫、其父母驚走而悲、不婦之所一レ往、父追捕之、睹其鼻、雖大小不相稱、煉藥著之、父遂奪而返其子、爛腐而落、乃繋以大械、沈殺於深瀦云、

〔陰德太平記〕

〈二十三〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0375 尼子晴久殺新宮黨
晴久ノ右筆ニ、末次讃岐守トテ、極メテ鼻ノ高大ナルアリテ、孔子ノ隆鼻、高祖ノ隆準ナド云ニモ過テ、鼻孔遼天ニ其息雷ヲナセリ、末次或時富田ノ城へ出仕シテ廣縁ニ畏リケルニ、式部大輔折節登城シテ、廣縁ヲ過ラレケルガ、末次ヲ屹ト見テ、高クテ可宜汝ガ武名ハ左モ無テ、由ナキ鼻ノ高サヨトテ、大ナル指指出シ、無手ト撮テ被捻タリ、サシモ大力ノ仕業ナレバ、末次鼻碎ケ衄血流レテ絶入シ、頓テ大ニ腫マドヒテ百日餘リ病痛セリ、

〔陰德太平記〕

〈三十二〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0376 杉原忠興死去附妾貞順事
忠興病日ヲ迎ヘテ重クナリ、已ニ今ハノ際ニ成ケレバ、彼妾ヲ近付、吾已ニ娑婆ノ縁盡ブ、黄、泉ノ旅ニ赴ナントス、只今生ニ思置事トテハ、御身ノ名殘計也、御コト年イマダ三十ニハ、ハルカニ及ブベクモナケレバ、行末久シク春秋ニ富ル身也、相カマヘテ、吾ナキ跡ニ、髮下シ尼ト成事不有、又イカナル人ニモ相馴給へ、露恨トハ思マジナド細ヤカニ搔ロ談(カキクトキ)ケレバ、彼女房何トモイラヘハセズ、唯涙ニ咽テ在ケルガ、用アル樣ニテ傍へ立ノキ、刺刀ニテ兩ノ小鼻ヲ立樣ニ二所裁割、緑ノ髮ヲ肩ニダモ掛ラズ押切テ立出、忠興ニ向、又人ニ見エザラント思ヘバ、カヽル姿ト成テ候ト云ケレバ、忠興大ニ驚キ、カヽル貞順ノ女モ有ケルニヤ、此志ノ程七度生ヲ代ルトモ、更ニ忘マジギゾトテ涙ヲ流シケルトカヤ、

〔老人雜話〕

〈下〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0376 多賀信濃守は、豐後守が子也、鼻くた(○○)也、山崎合戰の時、明智に屬すと云へども、味方の負を早く知り、桂川の渡し守に錢拾貫與へて、信濃守者をば早く渡せと云て逃崩す人也、

〔諺臍の宿替〕

〈三〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0376 目から鼻へぬける人
これ見ておくれ、アヽいたい〳〵と、どふするのじや、此とふりに、目からはなへぬけ通(とほり)てじやがナ、

仰鼻/垂鼻

〔伊呂波字類抄〕

〈安/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0376 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00375.gif 〈アマウケハナ、㒬イ天久不雨上口、俗曰恭尩、〉 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00075.gif 〈アマウケハナ、仰鼻也、〉

〔落窪物語〕

〈四〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0376 四の君の御人は、あやしきことかな、これにはいみじうほめ給ふめるものを、はなこそなかにをかしげにて、おはすとこそいはるめれとの給へば、少なごんてうろうしきこえさせ給へるなり、御はななんなかにすぐれて見ぐるしうおはする、はなのうちあふぎいらヽぎて、あなの大きなることは、左右にたいたて、しんでんもつくりつべくなどいへば、いといみじきことかな、げにいかにいみじう思ひ給らんなど、かたらひ給ふほどに、中將の君うちよりいといたう ゑひてまかでたまへり、 源氏物語

〈六/末摘花〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0377 まづゐだけのたかう、をせながに見えたまふに、さればよと、むねつぶれぬ、うちつぎて、ゐなかたはとみゆるものは、御はな成けり、ふとめぞとまる、ふげんぼさちののりものとおぼゆ、あさましうたかうのびらかに、さきのかたすこしたりて、色づきたる事、ことのほかにうたてあり、いろはゆきはづかしくしろうてさをに、ひたひつきこよなうはれたるに、なほしもがちなるおもやうは、大かたおどろ〳〵しくながき成べし、やせ給へること、いとおしげにさらぼひて、かたのほどなどは、いたげなるまで、きぬのうへまでみゆ、なにヽのこりなうみあらはしつらんと思ふ物から、めづらしきさまのしたれば、さすがに打みやられたまふ、かしらつき、かみのかヽりはしも、うつくしげにて、めでたしと思ひきこゆる人々にも、おさ〳〵をとるまじう、うちぎのすそにたまりてひかれたる程、一尺ばかりあまりたらんとみゆ、

鼻柱

〔倭名類聚抄〕

〈三/鼻口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0377 鼻柱 黄帝内經云、水溝在鼻柱下、〈和名波奈波之良(○○○○○)〉

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/鼻口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0377引蓋明堂文、按甲乙經云、水溝在鼻柱下人中、卽其事也、

〔伊呂波字類抄〕

〈波/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0377 鼻柱〈ハナハシラ〉

〔撮壤集〕

〈下/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0377 鼻柱(ハナハシラ)

〔書言字考節用集〕

〈五/肢體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0377 頞(ハナハシラ) 〈説文、鼻莖也、〉 鼻莖(同) 鼻柱〈順和名〉

〔身體和名集〕

〈波〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0377 ハナバシラ 頞〈鼻莖〉

〔倭名類聚抄〕

〈三/鼻口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0377 齃 説文云、齃、〈烏(烏原作鳥、今據一本改)曷反、字亦作頞、和名波奈久岐(○○○○)、〉鼻莖也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/鼻口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0377 新撰字鏡同訓、又訓波奈彌禰、令俗呼波奈須自(○○○○)、〈○中略〉所引頁部文、原書齃作頞、去或从鼻曷、釋名、頞、鞍也、傴折如鞍也、

〔伊呂波字類抄〕

〈波/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0377 齃〈ハナクキ亦作頞、鼻莖也、〉

〔增補下學集〕

〈上二/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0378 齃(ハナクキ)

〔空穂物語〕

〈俊蔭二〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0378 むなしくなりなば、おやもいたづらになり給なん、をのが身のうちにおやをやしなはんに、よしなき所あらば、せしたてまつるべし、あしなくばいづくまでかありかん、てなくばなにヽてかこのみかづらのねをもほらん、くちなくばいづこよりかたましゐかよはむ、はらむねなくば、いつくにか心のあらむ、この中にいたづらなる所は、みヽのはた、はなのみ(○○○○○)ねなりけり、これを山のわうにせしたてまつると、なみだをながしていふときに、めぐまをぐまあらき心をうしなひて、なみだをおとして、おやこのかなしさをしりて、ふたりのくまこどもを、ひきつれてこの木のうつぼを、この子にゆづりて、ことみねにうつりぬ

鼻頭

〔書言字考節用集〕

〈五/肢體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0378 鼻頭(ハナノサキ)

〔身體和名集〕

〈波〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0378 ハナノサキ 鼻頭

鼻孔/鼻毛

〔身體和名集〕

〈波〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0378 ハナノアナ 鼻孔 ハナゲ 鼻毛

〔諺臍の宿替〕

〈三〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0378 鼻毛よむ人
作さん、〈○中略〉おまはんの眉毛は、せんどからよんでわかつてあるけれど.まだ鼻毛はよまんよつて一ぺんよましておくれ、

人中

〔倭名類聚抄〕

〈三/鼻口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0378 人中 黄帝内經云、水溝卽人中也、

〔箋注倭名類聚抄M 二/鼻口〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0378引蓋明堂文、按甲乙經云、水溝在鼻柱下人中、卽其事也、

〔伊呂波字類抄〕

〈仁/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0378 人中〈ニンチウ〉 水溝〈同〉

〔書言字考節用集〕

〈五/肢體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0378 人中(ハナミゾ)

〔新撰字鏡〕

〈鼻〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0378 鼼〈魚器反、割、波奈加久(○○○○)、〉

〔類聚名義抄〕

〈二/鼻〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0378 劓㓷〈魚既反 ハナキル ハナサク ハナカケ(○○○○)〉

〔伊呂波字類抄〕

〈波/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0379 劓〈ハナカケ〉 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00377.gif 〈同〉

洟/涕/乾涕

〔倭名類聚抄〕

〈三/鼻口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0379 洟 字書曰、洟〈夷反、和名須々波奈(○○○○)、〉鼻液也、文字集略云、挮、〈他禮反、又他細反、俗云波奈加無(○○○○)、〉以手去鼻洟也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/鼻口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0379 山田本作以脂反、並與廣韻合、醫心方同訓、按啜粥之啜字、訓須々流、謂口氣引粥而食也、須々波奈之須々.當是同語、則須々波奈、蓋謂鼻息數引、收洟之垂下者、如口氣引上レ粥也、枕冊子云、穢氣奈留物、須々波奈之歩行兒、謂此也、恐非鼻洟之名、新撰字鏡齈訓波奈多利、今俗單呼波奈、或呼波奈美豆、似古、神代紀以洟爲青和幤、今本訓與多利、非是、〈○中略〉隋書云、字書三卷、字書十卷、不撰人名氏、今無傳本、按説文、洟鼻液也、字書蓋依之、曲直瀨本、液下有流字、恐非、釋名、汁涕也、涕々而出也、畢沅曰、汁聲不涕、恐誤也、疑當洟、〈○中略〉謂鼻洟波奈加无源氏物語總角卷、〈○中略〉下總本洟作液、恐非、按廣韻有梯字、云他禮切、去涙、蓋從手從涕省、會意字、其去鼻洟字、當洟省挗音以脂反、而以洟涕篆體相似、諸書音義多互誤、故去鼻洟字、亦誤作挮也、

〔下學集〕

〈上/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0379 洟(スヽハナ)〈鼻液也〉

〔書言字考節用集〕

〈五/肢體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0379 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00378.gif (ハナシル) 洟(同)〈韻略、鼻液也、〉

〔身體和名集〕

〈波〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0379 ハナミヅ ハナクソ乾涕 涕

〔松屋筆記〕

〈七十八〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0379 水涕(ミヅバナ)
俗に水鼻といふは、寒涕の字面を用べし、碧巖集四の卷〈十二丁オ〉に、寒涕垂頤と有は、ミヅバナの事なり、

〔伊呂波字類抄〕

〈波/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0379 洟〈ハナカム〉 梯 拂〈已上同〉

〔增補下學集〕

〈上二/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0379 挮(ハナカム)〈以手去鼻洟也〉

〔江談抄〕

〈五/詩事〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0379 文集中他人詩作入事
命云、文集中ニ、他人詩作入事被知乎、答云、不知何作乎、被命云、第六帙中李仲作詩也、其詩如何、被 命云、長談鴻寶集、無小乘經云々、鴻寶集ト云ハ、大乘經ヲ云也、因茲文集ヲバ、古人モ大乘經之次、小乘敎之上トゾ云ケル故、橘孝親ハ常信之敢以不諸、凡反古ナドニモ敢鼻カマヌ人也(○○○○○○)云々、

〔倭名類聚抄〕

〈三/鼻口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0380 鼻〈嚏附〉 陸詞切韻云、〈○中略〉玉篇云、嚏、〈丁計反、和名波奈比流(○○○○)、〉噴鼻也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/鼻口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0380 按比流之言簸也、如箕之簸物去一レ滓也、今俗呼久左米、按爲兒嚔、誦云久左米久左米、見徒然草、蓋累稱休息萬命、急呼譌爲久左米也、休息呉音讀如若足、休息萬命急々如律令、嚔時誦文、見拾芥抄、今鄙人嚔則呼糞、亦久左米之譌也、〈○中略〉按玄應音義引蒼頡云、嚔噴鼻也、顧氏蓋依之、釋名、嚔http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00379.gif 也、聲作http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00379.gif 而出也、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00379.gifhttp://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00380.gif 字、疐礙不行也、按説文、嚔悟解氣也、又云、欠張口氣悟也、是許氏以嚔爲欠、然禮記内則云、不敢嚔、又云、不散欠、素問説五氣所一レ病、腎爲欠爲嚔、皆以嚔欠二事、月令民多鼽嚔、亦謂鼻塞而噴、許氏解説恐不從、

〔類聚名義抄〕

〈二/口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0380 嚔〈音啼ハナヒル〉

〔伊呂波字類抄〕

〈波/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0380 噴鼻〈ハナヒルハナヒセトモ〉 嚔〈同〉 塞鼻〈已上同〉

〔增補下學集〕

〈上二/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0380 嚔(ハナヒル)

〔萬葉集〕

〈十一/古今相聞往來歌〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0380物陳
晒(ウチ)、鼻乎曾嚔鶴(ナゲキハナヲゾヒツル)、劒刀(ツルギタチ)、身副妹之(ミニソフイモガ)、思來下(オモヒケラシモ)、

〔枕草子〕

〈九〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0380 宮〈○一條后藤原定子〉にはじめてまいりたる比、物など仰られて、我をば思ふやととはせ給ふ、御いらへに、いかにかはとけいするにあはせて、だいばん所のかたにはなを高くひたれば(○○○○○○○○○)、あな心うそらごとするなりけり、よし〳〵とていらせ給ひぬ、いかでかそらごとにはあらん、よろしうだにおもひきこえさすべき事かは、はなこそはそらごとしけれとおぼゆ、さてもたれかかくにくきわざしつらんと、大かた心づきなしとおぼゆれば、わがさる折も、をしひしぎかへしてあるを、ましてにくしとおもへど、まだうゐ〳〵しければ、ともかくもけいしなをさで、明ぬれば、おり たるすなはちあさみどりなるうすやうに、えんなる文をもてきたり、みれば、
いかにしていかにしらましいつはりをそらにたヾすの神なかりせば、となん、御けしきはとあるに、めでたくも口おしくも思ひみだるヽに、なをよべの人ぞたつねきかまほしき、〈○下略〉

〔安齋隨筆〕

〈後編一〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0381 嚔のマジナヒ 嚔〈クサメの事也、俗にクシヤミと云、〉凶事也とてマジナヒをする事あり、徒然草に、クサメ〳〵と云てマジナフ事見えたり、クサメと云ふは、ハナヒル事にはあらず、ハナヒル時のマジナヒ詞也、又下賤の人は、ハナヒル時マジナビ也とて、クソクラへと云、拾芥抄に嚔時の頌に休息萬命、急々如律令とみえたり、休息萬命をクソクマンミヤウとよむを誤り傳へて、クソクラへと覺えたがへたるものなるべし、

〔二中歴〕

〈九/呪術〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0381 鼻啑時誦
休息万命急々如律令

〔松屋筆記〕

〈一〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0381 鼻曳時の頌
同書〈○眞俗雜記問答抄イの卷〉に鼻曳(ハナヒル)時〈ノ〉頌如何、伏息万命(フクソクマンミヤウ)、急々如律令云云、與淸按に、拾芥抄上卷諸頌部に、嚔(ハナヒル)時頌、クサメノトキノ事、休息万命、急々如律令、クサメト云ハ是也と見ゆ、奥義抄下之中卷には、はらへするをり、はなひるをもいむなどいへり、

〔松屋筆記〕

〈六十四〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0381 噴嚔(ハナヒル)くさめ
新撰字鏡連字部に、噴嚔波奈比留(ハナヒル)云々、倭名抄鼻口類部に、玉篇云、嚏丁計反、噴鼻也、和名波奈比流云々、袖中抄廿の卷、となりにはなひる條に、
いでヽいかん人をとヾめんよしなきに隣の方に鼻もひぬかな、〈與淸曰、古今の俳諧歌也、〉顯昭云、はなひるは何事にもよからぬ事也、年始にもはなひつれば、いはひ事をいひて祝ふ也、されば人のものへいかんずるはじめに、隣の人のはなひんを聞ても、くすしからん人は立かへるべき也、毛詩には、 嚔云、人噵我、又願言則嚔、四分律云、時世尊http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00382.gif 、諸比丘呪願言長壽、時有居士http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00382.gif 乃禮拜比兵、佛令比丘呪願言長壽、今按に、今俗正月元日、若早旦、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00382.gif 、卽稱曰千秋万歳急々如律令是縁也、何只々在元日哉、尋常に禱之、又万葉云、〈與淸曰、十一の卷に見ゆ〉
うちなげき鼻をぞひつる劒太刀身にそふ妹が思ひけらしも、此歌は思ふ人こんとてはなひると見えたり、又云、〈同十一の卷に見ゆ、〉
まゆねかきはなひひもとけまつらんやいつしか見んと思ふわが君、これも同心也、奥義抄云、はらへするに、はなひるもいむ事也、或物云、人の事を思ひくはだつるに、はなひつれば叶はずといへり云々、古今集俳諧部宗祗注に、鼻をひるは凶事侍れば行まじき、呪に隣に鼻をひよかしと也云々、榮雅抄に、人をとヾめんよしなければ、いかにせん、隣に鼻ひよかしと思へど、それさへひぬと也、常にもはなひる短命の相と云て、世俗にはなひるに、千万歳やなどいはふも、凶事と知ての事なり云々、家傳にはなをひるを出行に嫌ふと、世話にいへり云々、拾芥抄上本卷議頌部に、嚔時頌クサメノトキノ事、休息万命、急々如律令、クサメト云ハ是也云々、徒然草四十七段に、或人淸水へ參りけるに、老たる尼の行つれたりけるが、道すがらくさめくさめといひもてゆきければ、尼御前なに事をかくはのたまふぞととひけれども、いらへもせず、猶いひやまざりけるを、度々とはれて打はら立て、やヽはなひたるとき、かくまじなはねば死ぬる也と串せば、養ひ君のひえの山にちごにておはしますが、たヾ今もやはなひたまはんとおもへば、かく申ぞかしといひけり、ありがたき心ざしなりけんかし云々、貞德の慰草〈二の卷廿五丁〉に、毛詩の注瑣碎録、漢書藝文志、雜占、李濟翁資暇集、容齋隨筆など引て注せり、簾中抄略頌部に、はなひたるをりの誦休息万命、急々如律令、くさめなどいふは是にや云々、按にクサメとは、鼻を颺(ヒル)時、クサメといふゆゑ也、今俗、ハアクッシヨウといふは、ハアクサメの訛也、ハアも發音なり、容齋隨筆四の卷に、今人噴嚔不止者必唾、祝 云、有人説我、婦人尤甚、予按、終風詩寤言不寐、願言則嚔、鄭氏箋云、我其憂悼而不寐、女思我心如是、我則嚔也、今俗人嚔云、人道我、此古之遺語也、乃知此風自古以來有之云々、

〔貞丈雜記〕

〈一/祝儀〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0383 一誕生の小兒鼻ひる數を結糸の事、治承御産記に云、〈安德天皇〉御鼻員(ガス)以練糸之如恒云々、是將軍家之はなしねの緒の事也、

〔徒然草〕

〈上〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0383 或人淸水へまゐりけるに、老たる尼の行つれたりけるが、道すがらくさめ〳〵といひもて行ければ、尼御前何事をかくはの給ふぞと問けれども、いらへもせず、猶いひやまざりけるを、度々とはれてうち腹だちて、やヽはなひたる時、かくまじなはねば、死ぬるなりと申せば、やしなひ君の比叡山に兒にておはしますが、たヾ今もやはなひ給はんと思へば、かく申ぞかしといひけり、有がたきこヽろざしなりけんかし、

〔吾妻鏡〕

〈三十五〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0383 寛元二年正月廿四日乙丑、甚雨暴風、令伊豆山給、降雨之間、供奉人皆舐鼻(○○)、彼山衆徒等、終夜延年興、

〔倭名類聚抄〕

〈三/鼻口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0383 口 野王按、口〈苦后反〉所以言食也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/鼻口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0383 今本玉篇作苦苟切、字異音同、按苦后與廣韻合、今本玉篇引説文云、人所以言食也、釋名、口空也、

〔類聚名義抄〕

〈二/口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0383 口〈苦厚反 クチ 和ク〉

〔伊呂波字類抄〕

〈久/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0383 口〈グチ〉

〔書言字考節用集〕

〈五/肢體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0383 口(クチ)〈一名玉池、活法、人所以言食也、〉

〔燕石雜志〕

〈一〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0383 物の名
口は飮食をおさむる路(ミチ)なれば、くひみちの略にて食路(クチ)歟、

〔和漢三才圖會〕

〈十二/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0383 口〈音孔〉 口〈和名久知〉 吻〈音粉 和名久知佐岐良〉 咼 喎僻〈和名久知由賀無〉 口者言語所由出、飲食所由入也、
直指方云、熱則口苦、塞則鹹、宿食則酸、煩燥則澀、虛則淡、疽則甘、臙氣偏勝、則其味必偏、
口臭、是胃火食鬱也、喉腥、是肺火疾滯也、
口唇邊曰吻(クチツキ) 脣上鼻下溝曰人中、〈詳予鼻之條下〉塞閉口曰噤(ツクム)〈音禁、訓豆久無、〉 口戻不正曰咼(ユカム)

〔身のかたみ〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0384 第六、御口はひろくも、せばくも、ものいひしどけなく、口のわきよりあはかきたらし、おかしきことありとて、口ひろくあきて、舌のさきひろめき、咽の穴殘りなくみえなどしては、いかにその口つきよしとても見にくヽ候へば、うけ口、すけ口、わに口などとて、なをえたるあしきくちつきなりとも、こはひきにうちやすらひて、のどかにものいひたらんは、いかばかりきヽよく見能候はんずらん、人ごとにわれのみはあしと思ひ候はねども.かたはらにて見る人の、いひさたするにつけても、かほのもちやう、ものヽいひやう、その品々しらるヽものにて候、又いかに上らうと申候へども、はなのさきまがりて、ゑみがたくほうげづきたるは見にくし、さしてなき人なりとも、うちゑみ御あひしらひ候はヾ、あしき御くちつきもつみゆるされ候べく候、

〔源氏物語〕

〈七/紅葉賀〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0384 はしのかたについ居て、こちやとの給へど、おどろかず、入ぬるいそのとくちずさびて、口おほひし給へるさま(○○○○○○○○○○)、いみしうざれてうつくし、あなにく、かヽることくちなれ給にけりな、みるめにあくはまさなきことそよとて、人めして、御琴とりよせてひかせ奉り給ふ、

〔枕草子〕

〈二〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0384 にくきもの
さけのみて、あかきくちをさぐり(○○○○○○○○○)、ひげあるものはそれをなで丶さかづき人にとらするほどのけしき、いみじくにくしとみゆ、又のめなどいふなるべし、身ぶるひをし、かしらふり、くちわき(○○○○)をさへひきたれて、わらはべのこうどのにまゐりて、などうたふやうにする、〈○下略〉

〔枕草子〕

〈三〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0384 わかき人々はたヽいひにくみ、見ぐるしきことどもなどつくろはずいふに、此きみ〈○藤 原行成〉こそうたて見にくけれ、こと人のやうにどきやうし、うたうたひなどもせず、けすさまじなどそしる、さらにこれかれに物いひなどもせず、女はめはたてざまにつき、眉はひたひにおひかかり、はなはよこざまにありとも、たヾ口つき(○○○)あいぎやうづき、をとがひのした、くびなどをかしげにて、こゑにくからざらん人なんおもはしかるべき、とはいひながら、猶かほのいとにくげなるは心うしとのみの給へば、まいておとがひほそくあいぎやうおくれたらん人は、あいなうかたきにして御前にさへあしうけいする、

〔源平盛衰記〕

〈五〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0385 成親已下被召捕
入道殿モ是程ハ知給タルラメ、去バイハント思ヒツ丶、休ヨ語ラント云ケレバ、栲木ヨリ下シテ、硯紙取寄テ聞之、西光有ノ儘ニゾ云ケル、執事別當新大納言殿、院宣トテ催レシカバ、院中ニ被召仕身トシテ、不叶ト申ベキニアラネバ、平家一門打失テ、西光モ世ニアラント思テ與シテ侍キ、院宣ノ趣キ誰カ可背トテ、始ヨリ終マデ白狀四五枚ニ記シテ、判形セサセテ後.高俊西光法師ガ頭ヲ蹈テ口ヲ割(○○○)、重テ誡置テケリ、

〔新猿樂記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0385 十四御許夫、不調白物之第一也、〈○中略〉但十四御許一人、翫之愛之、聊無憚、件女見姿、頂平口甚廣(○○○○○)、侏儒跗頗小、面色常青、眉黛以赤陰、相互和合、神所媒夫妻也、

〔松屋筆記〕

〈四十〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0385 口は禍の門
實語敎に、口是禍之門とあり、家語に、多言多敗、多事多患と見え、言行録富弼傳に、晁氏客語劉器之云、富鄭公年八十、書坐屛云、守口如瓶防意如城とも有、路史後紀五ノ十六丁ウ、

〔太閤記〕

〈一〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0385 秀吉初て普請奉行の事
或時淸洲の城郭塀百間計崩れしかば、大名小名等に急ぎ掛直し可申旨被仰付しか共事行ず、〈○中略〉秀吉千悔し此節は高壘深塹すべき時也、〈○中略〉如此延々に掛る事招禍に似たり、危事かなとつ ぶやきけるを、何とかしたりけむ、信長公きこしめし、猿めは何を云ぞ、何事ぞと問給へ共、さすが可申上義にあらざれば、猶豫し給へる處に、是非に申候へとて、かひなを取てねぢかヾめ給ふ、有のまヽに申せば宿老共を讒するに似たり、又申さねば、君の仰を背に似たり、呼、口は禍門なりと世の諺に傳へし事、今おもひあたりたり、〈○下略〉

兎缺

〔倭名類聚抄〕

〈三/病〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0386 兎缺 續晉陽秋云、魏泳之生而兎缺、〈俗云、以(○)(以一本作宇)久知(○○)〉辨包立成云、缺脣也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/病〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0386 續晉陽秋二十卷、宋檀道鸞撰、見隋書、今無傳本、太平御覽引與此同、按所引文、晉書列傳同、按病源候論、人有生而脣缺似兎脣、故謂之兎缺、下總本宇作以、那波本同、醫心方亦訓以久知、今俗或呼爾、類聚名義抄作宇久知、與舊同、伊呂波字類抄、撮壤集、兩訓並載、按宇久知卽兎口也、作以恐非、今俗呼三口是也、〈○中略〉按潅南子説山訓、孕婦見兎而子缺脣、論衡命義篇、姙婦食兎子生缺脣、千金方妊娠食兎肉犬肉、令子無音聲並缺脣

〔伊呂波字類抄〕

〈伊/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0386 兎缺〈イクチ鬼イ〉 缺脣〈同〉

〔書言字考節用集〕

〈五/肢體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0386 缺脣(イグチ)〈古今註、免口有缺故云爾、〉兎脣(同)

〔塵袋〕

〈六〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0386 クチビルノキレタルヲイグチト云心如何
本體ハウクチト云フヲイクチト云ヒナセリ、イツクシト云フ詞ヲ、俗語ニハウツクシト云歟、兎缺トカキテウグチトヨムベキ也、ウサギノクチゼルハ、ハナノシタツヾカズシテ、キレハナレタレバ、ウサギノクチビルニ似タル義ナリ、イトウハ通音ナリ、

〔和漢三才圖會〕

〈十/人倫之用〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0386 兎唇 兎缺 和名以久知
兎之上脣缺而相似、故以名矣、本草綱目云、妊娠食兎肉子缺一レ唇、
按兎唇亦自然之變、而强非食毒所一レ致也、治之宜縫合傳膏藥、當金瘡、止令病人不一レ笑、

〔瘍科秘録〕

〈四〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0386 兎缺 兎缺ノ各ハ病源候論ニ出ヅ、潅南子ニハ缺脣ト云ヒ、博物志ニハ脣缺ト見ユ、本邦ニテハイクチトモ、又ハヅクチトモ云、其形狀ノ兎脣ニ似タルユエ、兎缺ト名ケタルナルベシ、姙娠ノ時ニ、兎肉ヲ食ヒ、或ハ兎ヲ見ルトキハ、其見必ズ缺脣ヲ患ルト、漢ノ頃ヨリ説來レドモ、信用ス可ラズ、一説ニ、兒胞衣ノ内ニ在ルトキ、居樣(イヤウ)アシクシテ、自ラ爪ヲ當テ裂ルト云フハ、尤無稽ノ言トス、此ハ駢拇枝指ナドヽ同樣ニテ、自然ニ生レ附モノナリ、青柳村ニ兄弟四人兎缺ニ生レタル者アリ、此症人中ノミ裂ケ、鼻下ニテ止リタルハ、至テ輕症ニテ治シ易シトス、或ハ鼻孔ノ内へ裂ケ込モアリ、或ハ齦肉(ハグキ)及ビ、上腭(ウハアケ)マデ裂モアリ、或ハ人中ノ側左右二筋、ニ裂ルモアリ、或ハ齒牙ノ突兀ト聳出テ療治ヲ施シ惡キモノアリ、術ヲ施スニハ、二、三歳ヲ尤良(ヨシ)トス、初生ト成人トハ療治ニ直シカラズト云フ説アレドモ、予〈○本間和卿〉ハ初生ヲモ二三十歳ノ者ヲモ數療治スルニ、又妨ルコトナキヤウニ、覺ユ、

〔太平記〕

〈二十二〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0387 畑六郎左衞門事
物ハ以類聚ル習ヒナレバ、彼〈○畑時能〉ガ甥ニ所大夫房快舜トテ、少シモ不劣惡僧アリ、又中間ニ惡八郎トテ缺唇(○○)ナル大力アリ、

〔老人雜話〕

〈下〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0387 一柳http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00023.gif 物、缺唇也、人指合を云へば、事の外怒る、晉の符賢に似たり、

〔駿臺雜話〕

〈二〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0387 朝がほの花一時
翁〈○室鳩巢〉も、其歌にならひて
天地にうけしまことをそのまヽに咲てはしぼむあさがほの花、〈○中略〉まことに、世話にいふ、兎唇の嘯(としん うそぶき/○○○○)も、心なぐさみにて侍る、

喎僻

〔倭名類聚抄〕

〈三/病〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0387 喎僻 説文云、咼〈口蛙反、或作喎、和名久知由賀無(○○○○○)、〉口戻也、病源論云、喎僻則言語不正也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/病〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0387 玉篇、咼喎同上、醫心方噼同訓、新撰字鏡喎訓由加牟、靈異記喎斜同訓、〈○中略〉所 引口部文、原書戻下有不正二字、慧琳音義三引、並無不正二字、與此同、〈○中略〉原書〈○病源論〉風口喎候云、風邪入於足陽明手太陽之經、遇寒則筋急引頰、故使口喎僻言語不一レ正、曲直瀨本喎上有口字、似是、

〔伊呂波字類抄〕

〈久/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0388 喎僻(/クワヘイ)〈グチユカム〉

〔日本靈異記〕

〈上〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0388法花經品之人而現口喎斜得惡報縁第十九
昔山背國有一自度沙彌、姪名未詳也、常作碁爲宗、沙彌與白衣倶作碁、時乞者來讀法花經品而乞物、渉彌聞之、輕咲呰、故候己口、該音效讀、白衣聞之、碁條恐矣、白衣者作碁、毎遍而勝、沙彌者遍猶負、於是卽坐卽坐、沙彌口喎斜、令蘂治療、而終不直、法花經云、若有咲之、當世々、牙齒疎缺、醜脣平鼻、手脚繚戻、眼目角睞者、其斯之謂矣、寧託惡鬼多濫言、而持經者不誹謗、能諌口業矣、
喎斜〈二合、ユガミテ、〉

〔日本靈異記〕

〈中〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0388法花經而現口喎斜得惡死報縁第十八
去天平年中、山背國相樂郡部内有一白衣、姓名未詳也、同郡高麗寺僧榮常、常誦持法花經、彼白衣與僧居其寺、暫間作碁、僧作碁條言、榮常師之碁手乎、毎遍之言、白衣呰僧、故戻己口言而曰、榮常師碁手乎、如是重々不止猶效、爰奄然白衣口喎斜(○○○)、恐以手押頤出寺去、去程不遠、擧身躃地頓命終矣、見聞人云、雖刑、呰心效言、口喎斜、忽然而死、何況發怨讎心刑罰矣、

〔新撰字鏡〕

〈口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0388 吃〈居乙反、入、言難也、重言也、己止々毛、又万々余支、〉

〔倭名類聚抄〕

〈三/病〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0388 吃 聲類云、吃〈居乞反、和名古度々毛利(○○○○○)、〉重言也、説文云、言語難也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/病〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0388 今俗省呼度毛利、按古度々毛利、蓋言止之義、語言蹇澀吃々然也、又有語不能、先重疊其首言、而後始得語者、越後謂之万々奈久、新撰字鏡、吃又訓万々奈支是也、〈○中略〉所引口部文、原書語作蹇、太平御覽引與此同、玉篇廣韻並云、語難、

〔類聚名義抄〕

〈二/口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0388 吃〈音訖、コトヽモリ、マヽナキ、〉 吃〈今コトヽモリ〉 噻吃〈コトヽモリ〉

〔伊呂波字類抄〕

〈古/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0389 吃〈ゴトゝモリ語難也〉 訥〈同〉

〔增補下學集〕

〈上二/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0389 吃(コトヽモリ/ドモリ)

〔萬安方〕

〈四十〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0389 語吃〈丁居一反語難〉
千金論、小兒初出、腹有連舌、舌下有膜如石榴子、中隔膜連其舌、下後合、兒言語不發、舌不轉、謂之語吃、可以摘斷一レ之、微有血出無害、若血出不止可髮作灰末傳上レ之血便止、

〔倭訓栞〕

〈中編十六/登〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0389 どもる 吃をいふ、嘿をだまるといふに同じ義なるにや、俗に吃者をどもといへり、川魚にどもといふは鯊魚の類なり、又吶もよめり、

〔和漢三才圖會〕

〈十/人倫之用〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0389 瘖瘂〈○中略〉
吃(ドモリ) 重言也、口不便言也、
小兒就瓢及瓶、飮永令語訥、又多似吃人亦傳染、

〔病名彙解〕

〈五計〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0389 謇吃(ケンキツ) 舌ナへテ、物ヲエイハザル也、病源ニ云、府藏ノ氣不足シ、邪氣ト正氣ト相摶テ口舌ノ間ノ脉ヲ搏トキハ、否澀シ、氣壅滯シテ、言ヲシ謇吃セシムル也、謇ハhttp://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00383.gif ト同ジ、止言ナリ、又吃ナリ、吃ハ口不便言ナリ、

〔類聚國史〕

〈六十六/薨卒〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0389 弘仁十三年五月癸巳、伊勢守從四位下藤原朝臣藤成卒、右大臣從二位魚名之第五男、口吃(○○)言語澀、歴任内外、無可無不可、時年卌七、

〔枕草子〕

〈五〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0389 なまめかしきもの
弁のおとヾといふにつたへさすれば、〈○淸少納言返歌〉きえいりつヽ、えもいひやらず、などか〳〵とみみをかたぶけてとふに、すこしことヾも(○○○○)りする人の、いみじうつくろひ、めでたしときかせんと思ひければ、えもいひつヾけずなりぬるこそ、中々はぢかくす心ちしてよかりしか、

〔源氏物語〕

〈二十六/常夏〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0389 をしことどもりとぞ、大ぞうそしりたるつみにも、かぞへためるかしとの給て、 こながらはづかしげにおはする御さまに、みえ奉らんこそはづかしけれ、

〔一話一言〕

〈二十一〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0390 本朝武家根元抄
一古へ相馬の將門は大音にして、千八百の兵に及びしも言語分明ならず、賴義義家はものいひあきらかにして小音なりき、義朝は音聲はよくして吃ぬ(○○)、

瘖瘂

〔新撰字鏡〕

〈口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0390 暗瘖〈同於今、於禁二反、咷也、唶也、大呼也、於不志(○○○)、〉

〔倭名類聚抄〕

〈二/病〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0390 瘄瘂 説文云瘖瘂〈音鵶二音、於布之(○○○)、〉不言也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/病〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0390 昌平本、曲直瀨本、鵶作亞、類聚名義抄同、按廣韻、瘂在上聲三十五馬、鵶在平聲九麻、亞在去聲四十禡、其音皆不同、又按瘂又作啞、見廣韻、玉篇亦疒部口部兩載、而啞有三讀、上聲讀者不言也、與瘂字同、音亞者鳥聲也、並見廣韻、音鵶者小兒學言也、見集韻、則雖亞鵶皆可一レ啞字、然並非瘖啞之義、新撰字鏡瘖、天智紀啞同訓、源氏物語常夏卷云、於之、醫心方瘖訓於之、今俗兩呼、〈○中略〉原書疒部云、瘖不言也、釋名、瘖唵然無聲也、原書無瘂字、慧琳音義亦云、瘂説文闕、此連引非是、慧琳又引説文云、從疒亞聲誤、按説文、啞笑也、馬融曰、啞々笑聲、轉爲言、再轉爲瘖、遂變口从疒也、玄應音義引埤蒼云、瘂亦瘖也、慧琳音義引考聲云、瘂口不言也、

〔伊呂波字類抄〕

〈於/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0390 瘖瘂〈オフシ亦作啞、〉

〔内科秘録〕

〈七〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0390 瘖瘂 聲嘶 聲瘂 失音 喉瘖 舌瘖 瘂風
瘖瘂ハ失音シテ微シモ聲ノ立ヌコトナリ、凡咽喉及氣道ノ諸病ニハ皆有ルコトナリ、肺痿、喉癬、痰證、咳嗽、咽喉結毒、馬痺風、毒壅痘ノ類ヲ見ルベシ、中風、癇證等ニテ卒ニ言語スルコト能ハズ、失音ノヤウニ見ユルハ、卽チ舌ノ不遂シタルニテ、舌瘖ハ是ヲ斥(サ)スナルベシ、謳歌等ニテ失音シタルハ治シ易シ、諸病ノ失音ハ各病ノ門ニ辨ズ、何等ノ病因モナク聲ノ必至ト嗄(カルヽ)コトアリ、至テ治シ難キモノナリ、之ヲ眞ノ瘖瘂ト爲ス、

〔和漢三才圖會〕

〈十/人倫之用〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0391 瘖瘂 瘖瘂 和名於布之
按瘖瘂而聾者有之、又有長後徐爲言語、〈○下略〉

〔病名彙解〕

〈六/志〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0391 子瘖(シヲン) 玉案ニ云、姙娠三五箇月ニ忽然トシテ朱音不語ズ、或ハ九月ニ至テ瘖スルモノアリ、此必ズシモ治セザルベシ、分娩ノ後藥セズシテ自ラ兪ル也、蓋シ腎ニ係腎脉ハ舌ヲ貫ク胎氣ノタメニ約セラル、故ニ言コト能ザル也、

〔日本書紀〕

〈六/垂仁〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0391 二十三年九月丁卯、詔群卿曰、譽津別王、是生年旣三十、髯鬚八掬猶泣如兒、常不言(○○○)、何由矣、因有司而議之、

〔日本書紀〕

〈二十七/天智〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0391 七年二月戊寅、納四嬪、有蘇我山田石川麻呂大臣女、曰遠智娘、〈○中略〉其三曰建王子、啞不語(○○○○)、

〔今昔物語〕

〈十六〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0391 瘂女依石山觀音助言語第廿二
今昔、誰トハ不知ズ中比京ニ階不苟ヌ人ノ娘有ケリ、形ハ極テ美麗ニシテ、生ケルヨリ瘂ニテゾ有ケレバ、父母明暮此ヲ歎キ悲ムト云ヘドモ甲斐无シ、暫ハ神ノ祟カ、若ハ靈ノ爲ルカナド疑テ、佛神ニ祈請シ、貴キ僧ヲ呼テ祈ラセケレドモ、長大スルマデ遂ニ物云フ事无ケレバ、後ニハ、父母棄テ不知ザリケリ、然レバ乳母ノミ此ノ人ヲ哀ムデ過シ程ニ、父母打次ギ失ニケリ、彌ヨ乳母此ノ人ヲ悲ムデ歎キ思ケル樣、此ノ人ニ男ヲ合セテ子ヲ令生テ末ノ便トモ爲バヤ、形チ美麗ナレバ、暫ハ見ル人モ自然ラ有ナムト思得テ、或ル殿上人ノ形チ吉ク心ニ情有ケルヲ、然氣无クテ合セテケリ、女ニモ乳母泣々ク此ノ由ヲ云聞セテ心ヲ得サセタレバ、合テ後日來通フニ、男、女ノ美麗ナルヲ見テ、難去ク勞タク思テ、万ヲ語フニ、女總テ物ラ不云ネバ、暫ハ耻シラヒタルカト思フニ、物ノ云ムト思タル氣色乍ラ、目ニ涙ヲ浮ヲ見テ、男此レハ瘂也ケリト心得ツ、其ノ後志シハ愚ニ非ズト云へドモ、片輪者也ケリト思フニ、少シ枯々ニ成ヲ、女心疎ト思テ跡ヲ暗クシテ失ニケ リ、男女ノ許ニ行タルニ无ケレバ失ニケリト思フニ、形有樣ヲ思ヒ出サレテ心ニ係リテ、此ヲ戀ヒ悲ムデ諸ノ所々ヲ尋求レドモ、尋得ル事无ケレバ、歎キ乍ラ過グルニ、女ハ石山ト云フ所ニ、此ノ乳母ノ類也ケル僧ノ有ケルヲ尋テ、親キ女房一人ノ女童許ヲ具シテ行ニケリ、〈○中略〉日來籠タル間ニ、比叡ノ山ノ東塔ニト云フ阿闍梨有リ、世ニ勝レタル驗者也、時ノ人皆首ヲ低テ歸依スル事无限シ、其ノ人石山ニ參タルニ、御堂ニシテ此ノ瘂女ノ籠タルヲ見テ、〈○中略〉阿闍梨觀音ノ御前ニシテ、心ヲ至シテ加持スルニ、三日三夜音ヲ不斷ズ、然レドモ其ノ驗シ无シ、其ノ時ニ阿闍梨瞋ヲ發シテ泣々ク加持スルニ、女ノ口ノ中ヨリ物ヲ吐出ス事一時許也、其ノ後物ヲ云事、舌付ナル人ノ如シ、然レドモ其ヨリ物ヲ云フ事例ノ人ノ如シ、早ウ年來惡靈ノ致セル也、

〔建殊録〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0392 越中小田中村勝樂寺後往、年十三、生而病瘂(○○)、其現住來謁曰、余後住者、不敢願言語能通、幸賴先生之術、倘得佛名足矣、其劑峻烈非畏懼、縱及死亦無悔矣、先生診之、胸肋妨張、如物支一レ之、乃爲小陷胸湯及滾痰丸之、月餘又爲七寶丸之數日、如此者凡六次、出入二歳所、乃無言、

聲音

〔類聚名義抄〕

〈二/耳〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0392 聲〈舒盈反、コエ、〉

〔伊呂波字類抄〕

〈古/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0392 聲〈聲音〉 音〈已上同五音、八音、七音、〉

〔同〕

〈於/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0392 聲〈オト〉 音〈同〉

〔倭訓栞〕

〈前編九/古〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0392 こわね 聲音の義なり〈○中略〉
こゑ 聲音をいふ、言笑(エム)の義なるべし、西土には秋聲などいへるを、歌には秋風の聲事あたらしき也と評せり、

〔和漢三才圖會〕

〈十二/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0392 聲〈音升〉 声〈俗字〉 〈訓古江
氣則有聲、故謂聲氣、聲成文爲音、故謂聲音、八音中惟石聲精詣入於耳、故从耳殸、殸古磬字也、天地之間、聲大者莫雷霆、小者莫蠓蟻、皆不其和、惟十二律而後聲之大者不於宮、小者不於羽、聲始和矣、

〔和漢三才圖會〕

〈十二/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0393 會厭
會厭在喉之間、爲音聲啓閉之戸、會厭小而疾、薄則發氣疾、其開闔利、會厭大而厚、則開闔難、其氣出遲矣、乃所以分水穀呼吸而不上レ容、其相混者也、
按凡笛有簧、嘯之分呂律焉、喉管如笛、會厭猶簧、言而分四聲、如風塞冐肺管、則聲濁、或嗄或咳嗽矣、

〔三代實録〕

〈三十五/陽成〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0393 元慶三年正月三日癸巳、僧正法印大和尚位眞雅卒、〈○中略〉於帝御前眞言三十七尊梵號、音響微婉(○○○○)如貫珠、聽者莫絶倒、帝大悦之、

〔源平盛衰記〕

〈五〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0393 成親已下被召捕
西光法師ヲ召取テ、大庭ニ引居タリ、相國〈○平淸盛〉ハ〈○中略〉西光法師ヲ一時睨テ嗔聲(○○)ニテ、〈○下略〉

〔吾妻鏡〕

〈二〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0393 治承五年〈○養和元年〉閏三月廿五日辛未、足利又太郎忠綱〈○中略〉是末代無雙勇士也、三事越入也、所謂一其力對百人也、二其聲響十里也(○○○○○○)、其齒一寸也云云、

〔獨語〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0393 人生れて赤子の時は、啼きて聲を出だす、二三歳より聲を上げて呼吸す、四五歳より人をしへざれども、いつとなく歌謠をまなびて、かた言なる童謠をとなへのヽしる、是皆自然なり、人としては聲を出だして湮鬱を宣ぶるわざなくてはあられぬゆゑなり、されば人ぱ何にても、少し聲を立つるわざを、をり〳〵なさでかなはぬは天性なり、悦ぶこと悲むこと樂むことに付けて、それ〴〵に聲を立つるは、やむことをえざるわざなり、賤者の力わざにても、聲を立てヽはげむは常の習也、

〔撮壤集〕

〈下/病疾〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0393 噫(ヲクヒ)

〔禮記註疏〕

〈二/曲禮〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0393坐于君子、君子欠伸(○○)撰杖履日蚤莫、侍坐者請出矣、註〈以君子有倦意也〉

〔書言字考節用集〕

〈五/肢體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0393 噯氣(ヲクビ)〈又云噫氣〉

〔榮花物語〕

〈二十九/玉の飾〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0393 びはどの〈○姸子〉の御心ちいとくるしげにおはします事、いとヾしけれど、明尊僧 都、御修法三七日つかうまつり給へれど、おこたらせたまはねば、ならへさるべき人々、二だんみだんつかまつり給に、さばかりくるしげにおはしますに、ちからをつくしかぢ參るに、さらに、御あくび(○○○○)をだにせさせ給はず、

〔禮記〕

〈二/内則〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0394父母舅姑之所、〈○中略〉升降出入揖遊不敢噦噫嚔咳欠伸跛倚睇視、不敢唾洟

唇/齦脣

〔倭名類聚抄〕

〈三/鼻口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0394 脣吻 説文云、脣吻、〈上音旬、久知比留(○○○○)、下音粉、久知佐岐良(○○○○○)、〉

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/鼻口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0394 此有脱文、按原書肉部云、脣口耑也、口部云、吻口邊也、昌平本作説文云上音辰、久知比留、蒼頡云下音武粉反、久知佐岐良、按是亦脱文、文選文賦注、引蒼頡篇曰、吻脣兩邊也、慧苑慧琳音義引略同、釋名、唇縁也、口之縁也、吻免也、入之則碎、出則免也、又取抜也、漱唾所出、恒加技拭、因以爲名也、又按脣屬牀母、旬屬邪母、雖其音不一レ同、並在十八諄、辰在十七眞、屬禪母、音韻皆異、音辰非是、又武粉與廣韻合、屬微母、粉屬非母、其音不同、作武粉反是、久知比留、見夫木集仲實歌、谷川氏曰、口縁之義、久知左幾良、見源氏物語、谷川氏曰、當之口裂之義、醫心方口吻訓久知和岐、按久知和幾、又見榮花物語樣々悦卷、今昔物語第廿七廿八卷

〔倭名類聚抄〕

〈三/病〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0394 齞脣 説文云、齞〈牛善反、文選云、齞脣、師説阿比(○○)(比一本作以)久知(○○)、〉口張齒見也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/病〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0394 齞脣見好色賦、曲直瀨本作阿比久知、那波本同、山田本、昌平本與舊同、按阿以久知、蓋閉口之義、作阿比恐非、所引齒部文、

〔伊呂波字類抄〕

〈安/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0394 齞脣〈開口見齒〉

〔同〕

〈久/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0394 脣〈クチヒル〉

〔下學集〕

〈上/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0394 脣(クチヒル)〈與唇同字〉

〔書言字考節用集〕

〈五/肢體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0394 脣(クチヒル)〈韻會、俗作唇謬也、唇驚也、〉

〔倭訓栞〕

〈前編八/久〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0394 くちびる 唇をいふ、口縁(ヘリ)の義なり、釋にも口の縁也といへり、下唇は地閣なり、平治物語に、口びるをかへしてにくまぬものぞなかりけると見ゆ、西土にも反唇と書り、俗に唇薄 きものはよく物をいふといへるは、靈樞に唇薄輕言と見えたり、

〔文德實録〕

〈八〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0395 齊衡三年九月癸卯、大僧都傳燈大法師位實敏卒、〈○中略〉皇帝臨聽實敏問答、警策、脣舌紛紜、分決疑滯、毫毛必剖、帝稱歎久之、

〔倭名類聚抄〕

〈三/鼻口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0395 齒 説文云、齒〈始反、和名波(○)、〉口中折骨者也、齔〈初覲反、去聲之輕、和名波加久(○○○)、〉毀齒也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/鼻口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0395引齒部文、原書作口齗骨也、無中字者字、此恐衍、各本齗作折、今依原書改、釋名、齒始也、少長之別、始乎此也、以齒食多者長也、食少者幼也、〈○中略〉昌平本無去聲二字、曲直瀨本、下總本、去聲下有之輕二字那波本、同、尾張本去聲下二字空缺、當是之軽二字、山田本去聲下有又之仲反四字、昌平本有又之中反四字、按齔有初覲初謹二音、初覲在去聲二十一震、初謹在上聲十九隱、並屬穿母、之仲在去聲一送、中在平聲一東、並屬澄母、不之仲之中齔字、恐有誤、〈○中略〉所引亦齒部文、原書下有男八月生齒、八歳而齔、女七月生齒、七歳而齔十八字、釋名、毀齒曰齔、齔洗也、毀洗故齒、更生新也、

〔類聚名義抄〕

〈五/齒〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0395 齒〈昌氐反、和シ、〉 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00384.gif http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00385.gif http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00586.gif http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00384.gif http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00386.gif http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00387.gif 〈六俗〉 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00388.gif http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00389.gif 〈古〉

〔伊呂波字類抄〕

〈波/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0395 齒(ハ)

〔下學集〕

〈上/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0395 齒(ハ)

〔書言字考節用集〕

〈五/肢體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0395 齒(ハ)〈時珍云腎主骨、齒者腎之餘也、〉

〔醫心方〕

〈二十五〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0395小兒齒脱生方第五十四
病源論云、齒是骨之所終、而爲髓之所一レ養也、小兒有稟氣不足者、髓則不於齒骨、故久不生也、

〔和漢三才圖曾〕

〈十二/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0395 齒牙 齒〈音始和名波〉 牙〈音雅和名岐波〉
齒 口中在上下、而噬物者爲齒、
牙 口中在兩旁者爲牙 上齒 足陽明入之止不動、喜寒飮熱、
下齒 手陽明入之動不休、喜熱飮寒、
腎主骨、齒者骨之餘也、
女子七月齒生、七歳齒齔、三七腎氣平、而眞牙生、七七腎氣衰、齒稿髮素、
男子八月齒生、八歳齒齠、三八腎氣平、而眞牙生、五八腎氣衰、齒稿髮墮、
小兒變蒸脱齒、如花之易一レ苗、不三十六齒者、由蒸之不一レ其數也、〈以上見于本草綱目
按男乃陽而用陰數八、女乃陰而用陽數七、故男八八腎氣衰、齒稿髮墮矣、然以爲五八者、恐傳寫之 誤乎、蓋齒雖手足二陽明、自有上下陰陽互扶持之、亦妙矣、
上齒屬陽、合口則陳於下齒外、如向内挑之則易脱、下齒屬陰合口則陳於上齒内、如向外挑之則 易脱、

〔經穴纂要〕

〈五〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0396 周身名位骨
齒〈人鏡經曰、口内前小者爲齒、小見方訣曰、自腦分入齦中三十二齒(○○○○)、而齒牙有三十二數、變不其常也、或二十八日卽至長二十八齒、已下倣之、但不三十二數、〉

〔陰德太平記〕

〈八〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0396 武田光和逝去附噂之事
武田判官光和ハ、〈○中略〉假初ノ風ノ心地トテ、時々打伏ナドセラレシニ、次第ニ病重ク成テ、天文三年三月三日ニ卒死セラレヌ、今年三十三トゾ聞エシ、サレバ此人直人ニアラザリケルニヤ、去ヌル文龜二年三月三日誕生セラレケルニ、上下ニ齒三十三枚生テ(○○○○○○○○○○)如編貝、然レ共三日マデ産泣セラレザリケレバ、父元繁、是必定産屋ノ穢 レタルニヤトテ、嚴島神主ヲ請招シテ、中臣ノ祓ヲ以テ淸メテレケレバ、其儘産泣セラレニケリ、

〔梅園日記〕

〈二〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0396
我國の人、落たる齒をあつめて、高野山、或は黑谷などへ納るものあり、もろこしにも、萬暦普陀山 志に載たる、聊城人傳光宅が普陀山大士塔下藏○牙志に、嘉靖初年、有南峯和尚、過山東之靈巖寺、遺一齒、請僧轉呪、藏之塔下、作○牙記、詞意精妙、太啓後學、余茲來南海、留三日、去而爲風濤阻、復返山中、是日大病、夜深方愈、次日、忽蟲食殘牙自落、余因法南峯和尚之旨、且答大士攝受之恩、赤請僧轉呪、埋於塔下、〈○中略〉此牙得寶地、依大士慈光、則我身心全體、在光中也云々、また小兒のぬけ齒、上齒は地上に捨、下齒は屋根に上る、是もろこし人の説也、養生類纂に、小兒退齒、上齦者置床下、下齦者抛屋上、云使齒速生、注に、瑣碎録とあり、〈按博聞類纂又此説あり〉又齒の痛に呪して、紙一枚を疊みて柱にあて、釘にて打っくる事、事林廣記に出たり、

〔多聞院日記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0397 永祿九年三月十六日、今曉、夢に愚〈○英俊〉齒五落ツ、夢心ニ、小塔院へこむべし、勤行の聲も聞やうにと持行處、坊主と思ふ人、故舞禪房法印にてありし、彼人云、此間色々道具共預て、御無心申、悦喜すとて、西向の部屋へ同道して、是は大師秘術を盡して置給ふ所也トありし、見レバ、〈○中略〉淸潔なる井水大なる壼をうづみてあり、則其内へ五のはを入て歸レバ、又日中ニ少キ齒一ツおちてありし、夢覺て日記を見れば、去月此比齒落と見し、可愁憂前相歟と無心元ありし、胤繼律師御房御遠行、万事はてきり不是非候處、又如此夢を見る間、彌佛事かと心細キ物也、妄想も常之事なれども、去月の事慥なれば、誰か又疑ハン、せめて露命消なん、來生の善惡はしらね共今世の苦惱は止ぬべき者哉、

〔白石紳書〕

〈十〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0397 人は齒を以て命とするが故に、はと云ふもじをばよはひともよむ也、齒固はよはひをかたむる心也、

〔禮記〕

〈二/文王世子〉

〈文王曰、〈○中略〉古者謂年齢、齒亦齡也、〉

〔塵塚談〕

〈下〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0397 予〈○小川顯道〉が江戸自負あり、今こヽろみに左に記す、〈○中略〉
齒磨賣、一袋六文八文なり、求る者は一袋を一ケ月ニケ月も用ゆる物なるに、賣店夥しく名産も 數軒有なり、然るに賣廻るもの數百人有べし、

〔安齋隨筆〕

〈前編六〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0398 齒クツル 源氏物語さか木の卷に、御はのすこしくちて、くちのうちくろみて、ゑみ給へる、かほのうつくしきは、女にて見奉らまほしきやうなり云々、是は春宮のおさなきさまをいふなり、御はのすこしくちてと云ふ事、抄物には何とも註せず按ずるに、齒の朽てといふは、乳吸齒とも云ふて、小兒の齒のはへかはらぬ以前は、むかふ齒の色、青黑くさびたるやうに見ゆるいふなるべし、さればこそ、口のうちくろみてとはいへるなれ、又云く、右の文をわろく心得て、男子の鐵醬付くる事と聞べからず、大に違ふなり、紫式部の頃、女のかね付くる事はありけれども、〈紫式部日記、榮花物語等に見えたり、〉男のかね付くる事はなかりし也、男のかね付る事は、鳥羽院の御代より始れるよし、海人藻芥に見えたり、鳥羽院と左大臣有仁公と仰合されて、衣文といふ事はじまり、男のかね付くる事も、眉作る事も始りたり、是れ皆君臣ともに好色より事起りしなるべし、それより以前に、男はなき事なり、公家の衆は、今も專ら男にてかね付けらるヽ風俗となれり、上古より公家には如此と思ふ人あり、さにはあらず、
○按ズルニ、齒黑ノ事ハ、禮式部鐵槳始篇ニ在リ、

〔倭名類聚抄〕

〈三/鼻口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0398 牙 廣雅云、機謂之牙、〈魚加反、和名岐波(○○)、〉 一云、〈○一云、一本作野王案牙、〉在齒後最近輔車者也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/鼻口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0398引釋器文、按廣雅所載、是弩牙字、釋名弩鉤弦者曰牙、外曰郭、下曰懸刀、合名之機、禮記緇衣注、機弩牙也、皆是也、源君引之、爲齒牙字者誤、曲直瀨本廣雅上、有説文云牡齒也六字、惑後人所增、谷川氏曰、岐波、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00206.gif 齒也、謂斷硬http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00391.gif、必用此齒、〈○中略〉所引文、今本玉篇無載、説文、牙牡齒也、象上下相錯之形、沈彤曰、牝齒曰牙、中央齒形奇、左右齒形偶、奇則牡、偶則牝、而読文玉篇、並以牙爲牡齒、恐傳寫之訛、段玉裁曰、説文各本作牡齒、是壯齒之譌、今本玉篇廣韻皆譌、惟石刻九經字樣不誤、而馬氏版本妄改之、壯大也、壯齒者齒之大者也、統言之皆稱齒稱牙、析言之則前當脣 者、稱齒、後在輔車者稱牙、牙較大於齒、非牝牡也、二説不同、怛有九經字樣可一レ證、段説爲長、釋名、牙櫨牙也、隨形言之也、按牙在齒後䩉車者、其形偶如臼、與齒形奇同、宜宇須波、今俗呼於久波、又齒之最鋭在齒後牙前者曰http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00392.gif 、旣夕禮、右http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00392.gifhttp://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00392.gif 、疏云、謂牙兩畔最長者、又曰奇牙、楚辭大招、靨輔奇牙、宜笑嫣、只淮南子、奇牙出、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00328.gif 䩉搖、高誘注、將笑故好齒出也、説文、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00394.gif 虎牙也、卽奇牙字、或名曲牙、沈彤曰、自齒左右轉勢微曲者曰曲牙、是http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00392.gif 、奇牙、曲牙、宜岐波、今俗呼http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00206.gif、但古者牙、奇牙、並呼岐波、無宇須波之名也、

〔類聚名義抄〕

〈五/齒〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0399http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00384.gif 〈古牙字〉 齖〈俗〉

〔伊呂波字類抄〕

〈幾/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0399 牙〈キハ〉 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00395.gif 板齒〈已上同〉

〔書言字考節用集〕

〈五/肢體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0399 牙(キバ)〈時珍云、兩旁曰牙、當中云齒、〉

〔倭名類聚抄〕

〈三/鼻口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0399 齨 説文云、齨〈舅反、上聲之重、和名宇須波(○○○)、〉老人齒如臼也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/鼻口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0399 按齨屬群母、牙音單行、無輕重、此云重未詳、〈○中略〉按宇須波、蓋齒之近䩉車、其形如臼者、今俗呼奥齒、卽謂牙也、若老人齒刓損爲臼狀、當病類、以字須波、恐非、

〔類聚名義抄〕

〈五〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0399 齨〈音臼、ウスハ、〉

〔伊呂波字類抄〕

〈宇/病瘡〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0399 齨〈ウスハ齒羽也〉

〔增補下學集〕

〈上二/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0399 齨(ウスバ) 〈老人齒如臼也〉

板齒

〔倭名類聚抄〕

〈三/鼻口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0399 板齒 辨色立成云、板齒、〈和名奴加波(○○○)、楊氏説同之、〉

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/鼻口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0399 按前板齒見傷寒論、奴可波、蓋牟加婆之轉、牟加婆、見義經記、蓋向齒也、今俗呼万倍婆、又牟加不婆

〔伊呂波字類抄〕

〈奴/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0399 板齒〈ヌカハ〉

〔書言字考節用集〕

〈五/肢體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0399 板齒(マヘバ)

〔身體和名集〕

〈牟〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0400 ムカフバ〈ムカバ〉 板齒

〔新撰字鏡〕

〈肉〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0400 腭齶〈同五各反、齒所居也、波志之、〉

〔同〕

〈齒〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0400 齗〈正音牛斤反、平、齒根、借音牛銀反、平、波志々、〉

〔倭名類聚抄〕

〈三/鼻口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0400 齗 玉篇云、齗〈魚斤反、和名波之々(○○○)、〉齒之肉也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/鼻口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0400 山田本作魚斤反、那波本同、按魚斤與今本玉篇合、在二十一欣、銀在十七眞、作音銀是、醫心方、新撰字鏡同訓、古本齦字亦同訓、今俗呼波久岐(○○○)、〈○中略〉所引齒部文、今本之作根、廣韻同、按玄應音義再引説文云、齒肉也、與此所一レ引略同、顧氏蓋依説文也、今本説文作齒本也、恐非許氏之舊

〔伊呂波字類抄〕

〈波/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0400 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00397.gif 〈ハフク、亦ハクキ、ハロク、〉 齠〈ハカタ〉 歴齒 齗〈ハモト〉 齕〈ハクヒ庶人之是〉 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00398.gif 〈ハイル〉齒㾈〈ハメ〉 齗〈ハシヽ亦羪〉

〔今昔物語〕

〈二十八〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0400 左京大夫 付異名語第二十一
今昔村上天皇ノ御代ニ、舊宮ノ御子ニテ左京ノ大夫 ト云フ人有ケリ、長少シ細高ニテ、極クアテヤカナル樣ハシタレドモ、有樣姿ナム嗚呼也ケル、〈○中略〉唇ハ薄ク色モ无クテ、咲ハ齒ガチナル者ノ、齗ハ赤ナム見エケル、

齘齒

〔倭名類聚抄〕

〈三/病〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0400 齘齒 録驗方云、齘齒、〈上胡介反、波賀美(○○○)、〉睡眠而齒相切有聲也、令人取其席下土口中知則止矣、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/病〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0400 按波賀美、齒齧也、今俗呼波岐之利、或波岐利、〈○中略〉説文、齘、齒相切也、病源候論、齘齒者、是睡眠而相磨切也、又云、上下齒相磨切有聲、謂之齘齒、〈○中略〉古今録驗方五十卷、唐甄權撰、見唐書、今無傳本、醫心方引、齘齒上有治字、下有方字、睡眠上有是字、席上有臥字、口中上有其字、勿使知則止矣六字、作勿知之三字、那波本使作令、

〔類聚名義抄〕

〈二/口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0400 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00399.gif 噛〈クヒシハル、カミナラス、〉

〔伊呂波字類抄〕

〈波/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0401 齒嚼〈ハカミ此二字也〉 齘齒〈同〉

〔書言字考節用集〕

〈五/肢體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0401 齘齒(ハガミ/ハギシミ)〈順和名、睡眠而齒相切有聲也、〉

〔病名彙解〕

〈二/加〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0401 齘齒(カイシ) 俗ニ云ハギリノコト也、病源ニ云、齘齒ハ是睡眠シテ相磨切スル也、此血氣虛スルニ由テ、風邪牙車筋脉ノ間ニ客トシテ、故ニ睡眠ニ因テ氣息喘シ、邪動ジテ其筋脉ヲ引也、故ニ上下ノ齒相切シテ聲アリ、コレヲ齘齒ト云、

䫴齘

〔倭名類聚抄〕

〈三/病〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0401 䫴齘 孫愐云、䫴齘切齒怒也、〈上音渠飮反〉

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/病〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0401 按玉篇、䫴怒也、説文、齘齒相切也、卽此義、釋名、疥齘也、癢搔之齒、䫴齘也、盧文弨曰、説文無䫴字、當噤、口閉也、新撰字鏡、䫴訓久比波介无、醫心方噤訓波久比、〈○中略〉按䫴齘非病類、音注在條末、亦乖通例、恐後人所增、類聚名義抄亦無載、

〔書言字考節用集〕

〈五/肢體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0401 䫴齢(ハガミ/ハクヒシバル)〈切韻、切齒怒也〉 咬(同)牙 齒怒(同)

〔太平記〕

〈二十六〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0401 四條繩手合戰事附上山討死事
武藏守一足モ退ク程ナラバ、逃ル大勢ニ引立ラレテ、洛中マデモ追著レヌト見ヘケルヲ、少モ漂フ氣色無シテ、大音聲ヲ揚テ、蓬(キタナ)シ返セ、敵ハ小勢ゾ、師直爰ニアリ、見捨テ京へ逃タラン人、何ノ面目有テカ將軍ノ御目ニモ懸ルベキ、運命天ニアリ、名ヲ惜マント思ハザランヤト、目ヲイラヽゲ齒嚼(○○)ヲシテ、四方ヲ下知セラレケルニコソ、耻アル兵ハ引留リテ、師直ノ前後ニ扣ケレ、

歴齒

〔倭名類聚抄〕

〈三/病〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0401 歴齒 文選好色賦云、歴齒、〈師説波和賀禮(○○○○)〉

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/病〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0401 李善曰、歴猶疎也、醫心方同訓、按波和加禮、齒分之義、謂密緻也、今俗呼須岐婆(○○○)

齵齒

〔倭名類聚抄〕

〈三/病〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0401 齵齒 蒼頡篇云、齵〈五溝反、又音隅、齵齒、於曾波、〉齒重生也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/病〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0401 按於曾婆、蓋襲齒之義、古事記、謂市邊王齒、爲三枝押齒坐、押齒卽襲齒之義 也、今俗呼彌重齒(○○○)

〔倭名類聚抄〕

〈三/鼻口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0402 舌 四聲字苑云、舌、〈音切、之多(○○)、〉

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/鼻口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0402 此有缺文、説文、舌在口所以言也、別味者也、釋名、舌泄也、舒泄所一レ言也、

〔伊呂波字類抄〕

〈志/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0402 舌〈シタ〉

〔身體和名集〕

〈之〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0402 シタノサキ 舌尖 シタノネ 舌本

〔倭訓栞〕

〈前編十一/志〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0402 した 舌をいふ、しなふ義にや、なとたと同韻通ぜり、三寸舌といふは漢書に見えたり、笙篳篥のしたは簧をよめり、禮の集説に、簧は笙の舌と見えたり、下をよむはしたるの略なるべし、歌にしたのおもひしたのなげきなどいふは、心をさしていへり、小舌は重舌の病なり、又子舌といへり、

〔天台南山無動寺建立和尚傳〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0402 仍抑留寺家解文僧、忽以鎭操任彼院十禪師、驚感鳴舌叩頭(○○○○)、山々僧侶、皆稱希有、同〈○貞觀〉四年登金峯山、三箇年安居、湛譽院主同登、各占東西之岫、聊構章庵、遞送使者、試其呪驗、湛譽使者到於和尚庵、付香火、和尚使者到於湛譽之庵、付香火、互各相使、日々如此、朗善大德與和尚共同行、夜出於庵、未幾有大叫喚之聲、和尚走出見之、朗善横喫出舌(○○○)、躄地將死、和尚大驚、揮劔加持三時許、纔以蘇生、漸々蘇息語、爲鬼被打、已入死門、若非和尚加持之助、豈得再生之便哉、其後朗善彌伏從、

〔今昔物語〕

〈十三〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0402 一叡持經者聞死骸讀誦音語第十一
今昔、一叡ト云フ持經者有ケリ、幼ノ時ヨリ法花經ヲ受ケ持テ、日夜ニ讀誦シテ年久ク成ニケリ、而ル間一叡志ヲ運テ熊野ニ詣デケルニ、宍ノ背山ト云フ所ニ宿シヌ、夜ニ至テ法花經ヲ讀誦スル音髣ニ聞ユ、其音貴キ事无限シ、若シ人ノ亦宿セルカト思テ、絡夜此レヲ聞ク、曉ニ至テ一部ヲ誦シ畢ツ、嵯テ後其ノ邊ヲ見ルニ宿セル人无シ、只屍骸ノミ有リ、近寄テ此レヲ見レバ、骨皆烈テ 不離ズ、骸ノ上ニ苔生テ、多ク年ヲ積タリト見ユ、髑髏ヲ見レバ、口ノ中ニ舌有リ(○○○○○○○)、其舌鮮ニシテ生タル人ノ舌ノ如シ、一叡此レヲ見ルニ奇異也ト思テ、然バ夜ル經ヲ讀奉ツルハ、此ノ骸ニコソ有ケレ、何ナル人ノ此ニシテ死テ、如此ク誦スラムト思フニ、哀ニ貴クテ泣々ク禮拜シテ、此ノ經ノ音ヲ尚聞カムガ爲ニ日其ノ所ニ留リヌ、

〔奥州後三年記〕

〈下〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0403 將軍〈○源義家、中略、〉千任丸をめし出して、先日矢倉の上にていひし事たヾ今申てんやといふ、千任頭をたれてものいはず、その舌をきるべきよしをいふ、源直といふものあり、寄て手を持て舌を引出さんとす、將軍大きに怒りていはく、虎の、口に手をいれんとす、甚だおろかなりとて追立、ことつはものいできて、えびらより金ばしをとり出し、舌をはさまんとするに、千任齒をくひあはせてあかず、かなばしにて齒をつきやぶりて、その舌を引いだして是を斬つ、千任が舌をきりをはりて、しばりかヾめて木の枝につりかけて、足を地につけずして、足の下に武衡が首をおけり、千任なく〳〵あしをかヾめて是をふまず、しばらくありて、ちから盡て足をさげてつゐに主の首をふみつ、

〔源平盛衰記〕

〈十八〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0403 文覺淸水狀天神金事
文覺ガ云事、龍神ノ心ニヤ叶ヒケン、沖吹風モ和テ岸打浪モ靜也、其時ニコソ舟中ノ者共ハ安堵シツヽ、安貴(アナタウト)安貴、是程ニ龍王ヲ隨へ給程ノ上人ヲ、忝モ舌ノ和(○○○)ナル儘ニ、口ニ任テ訕申ケル事ノ淺增サヨ、イカニ加樣ノ貴人ヲバ、奉流ヤラントテコソ悦ケレ、

〔吾妻鏡〕

〈二〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0403 養和二年〈○壽永元年〉十月十二日己卯、武衞寄事於御道興、渡御義久鐙摺家、召出牧三郎宗親、被御共、於彼所廣綱、被仰一昨日勝事、廣綱具令上其次第、仍被決宗親處、陳謝卷舌(○○)、垂面於泥沙

〔倭訓栞〕

〈前編三十六/與〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0403 よヽむ 万葉集に、百とせに老舌出てよヽむと見えたり、老て齒なき人は、舌 出て物いふ時によヽといふ音の有ものなり、よヽと鳴といふ義なるべし、よだれの意にや、

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00185.gif 𦧝

〔倭名類聚抄〕

〈三/病〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0404 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00185.gif 𦧝 張揖云、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00185.gif 𦧝〈灘天二音、之多都岐(○○○○)、〉舌不正也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/病〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0404 按之多都岐、見源氏物語朝顏卷、今昔物語、所引文、未出典、按玉篇、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00185.gif 𦧝言不正、廣韻同、此舌蓋言字之譌、

〔伊呂波字類抄〕

〈志/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0404 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00185.gif 𦧝〈シタツキ〉

〔增補下學集〕

〈上二/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0404 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00185.gif 𦧝(シタツキ)〈舌不正也〉

〔倭訓栞〕

〈前編十一/志〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0404 したつき〈○中略〉 倭名抄にhttp://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00185.gif 𦧝を訓ぜり、舌不正也と注せり、源氏にもさすがにしたつきにてと見えたり、

〔源氏物語〕

〈二十/槿〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0404 その世のことは、みなむかしがたりになり行を、はるかに思ひ出るもこヽろぼそきに、うれしき御こゑかな、おやなしにふせるたび人と、はぐヽみたまへかしとて、よりゐたまへる御けはひに、いとヾ昔思ひ出つヽ、ふりがたくなまめかしきさまにもてなして、いたうすげみにたるくちつき、思ひやらるヽこはづかひの、さすがにした(○○○○)つきにて、うちざれんとは猶おもへり、

〔新撰字鏡〕

〈口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0404 唌〈要安反、凡口水也、液也、唾也、與太利(○○○)、又豆波志留(○○○○)、〉

〔倭名類聚抄〕

〈三/鼻口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0404 唾 考聲切韻云、唾〈湯臥反、和名豆波岐、〉口中津也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/鼻口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0404 神代紀、天智紀、醫心方、同訓、新撰字鏡、液訓豆波支、唌訓豆波志留、〈○中略〉慧琳音義一引同、再引津下有沫字、説文、唾口液也、

〔類聚名義抄〕

〈二/口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0404 唾〈吐臥反、和タ、ツハキ、〉

〔伊呂波字類抄〕

〈都/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0404 唾〈ツハキ〉 涶 涎〈已上同〉

〔下學集〕

〈上/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0404 唾(ツバキ)

〔書言字考節用集〕

〈五/肢體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0405 唾(ツバキ) 口津(同)

〔古事記〕

〈上〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0405 故爾見其頭者、呉公(ムカデ)多在、於是其妻〈○須世理毘賣〉以牟久木實與赤土其夫〈○葦原色許男〉故、咋破其木實、含赤土唾出(○○)者、其大神〈○須佐之男命〉以爲咋破呉公唾出而、於心思愛而寢、

〔古事記傳〕

〈十〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0405 唾出者は、都婆伎伊陀志賜閉婆と訓べし、和名抄に、唾和名豆波岐と見え、字鏡に、唌口水也、液也、唾也、與太利、又豆波志留、また液小兒口所出汁也、豆波支などあるは、みな其物を云ば、體言なるを、今は用言にいへり、〈さて此都婆伎てふ言に疑あり、そはまづ今世にも、口水にたまる水を津(ツ)といへば、唾は津吐の意なるべし、然るに津字も、都と云言も、もと船の泊る所の名なれば、それより轉して、津液の津をも都とは云か、若然らば古言にはあらで、津字より出たる言なり、されど唾はたゞ吐とはことのさまひとしからねば、都婆久と訓むほかなし、〉

〔倭名類聚抄〕

〈三/病〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0405 津頤 病源論云、津頤〈與多利(○○○)〉小兒多涎唾、流出於頤下也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/病〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0405 醫心方同訓、神代紀洟、新撰字鏡唌、醫心方涎亦同訓、按與卽唌垂之狀、與涕下、爲與々登奈久之與同、太利垂也、〈○中略〉原書云滯頤之病、是小兒多涎唾、流出漬於頤下、按幼々新書引五開貫眞珠囊、亦作小兒滯頤、此所引作津恐誤、但醫心方引病源論津、與此合、類聚名義抄、伊呂波字類抄、並亦作津、今姑依舊、多紀氏桂山曰、涎出不絶、津々至頤、故曰津頤、未其説是否、又按漬字似無、此恐脱、

〔類聚名義抄〕

〈二/口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0405 km0000m00401.gif〈俗涎字ヨタリ アハ〉

〔伊呂波字類抄〕

〈與/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0405 津頤〈ヨタリ〉 涎 㳄〈已上同〉

〔下學集〕

〈上/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0405 涎(ヨタリ)

〔萬安方〕

〈四十〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0405 滯頤〈多涎病也ヨタリ〉
巢氏病源論云、小兒滯頤、候滯頤之病、是小兒多涎唾流出、漬於頤下、此由脾冷液多故也、脾之液爲涎、脾氣冷不制其津液、故冷涎流出滯漬於頤

〔塵袋〕

〈三〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0406 赤子ニヨダレ(○○○)カケト云物アリ、何字可用哉、涶又涎字ヲヨタリトヨム、ソレハ相通ナレバ同ジク通ジテ云ニヤ、文選ニ、泓澄トシテ最深キ所ニ浮ビ出ス、蛟龍ノ涎ト侍ベリ、C 頷/頷骨

〔新撰字鏡〕

〈肉〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0406 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00402.gif 〈市伊反、面也、於止加比(○○○○)、〉

〔倭名類聚抄〕

〈三/頭面〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0406 頷〈頷骨附〉 方言云、頤、〈怡反〉謂之頷、〈胡感反、上聲之重、字亦作顄、和名於止加比、〉野王按云、顄車、〈和名岐保禰(○○○)〉頷骨也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/頭面〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0406引卷十文、原書作頷、頤、頷也、南楚謂之頷、秦晉謂之頜、頤通語也、源君節引、按説文、頷http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00403.gif 也、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00403.gif 頤也、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00400.gif http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00403.gif 也、頤篆文http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00404.gif 然則方言頷、卽説文http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00403.gif 字、説文別有頷字、云面黄也、卽楚辭長顑亦何傷字、非此義、蓋http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00403.gif 頷二字古音同、故方言借頷爲http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00403.gif 也、公羊傳云、絶其頷、玉篇、頷字注、引驪龍頷下珠、其他諸書、亦皆以頷爲http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00403.gif 、故此云頷亦作顄、然是古音同通借、非同字、則宜字亦通用也、廣韻引漢書班超虎頭燕頷、又引説文面黄、合爲一字者非、釋名、頤養也、動於下、止於上、上下咀物、以養人也、沈彤釋骨云、説文頜與頤同訓http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00403.gif 、蓋自口内之、若從口外言、則兩旁爲頷、頷前爲頤、不相假、故内經無通稱者、靈異記頤、醫心方頤頷同訓、新撰字鏡http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00405.gif 宇頦字亦同訓、今俗呼阿呉、〈○中略〉醫心方頷申同訓、按岐保禰、牙骨之義、〈○中略〉所引文、今本玉篇不載、按方言、頷頜也、注云、頷車也、又繹名云、頤或曰頷車、頷含也、口含物之車也、今本釋名、脱頷車之車字、左傳正義引有之、然則釋名玉篇方言注所云頷車、所謂下頷車也、上下頷車説、詳頰條輔車下

〔伊呂波字類抄〕

〈於/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0406 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00409.gif 〈オトガヒ、正作http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00404.gif 、籀文作顄、〉頜 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00406.gif http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00407.gifhttp://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00408.gif 〈已上、同、オトガヒ、〉

〔同〕

〈幾/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0406 顄車〈キホネ亦作頷骨也〉 顄〈イキホネ〉

〔下學集〕

〈上/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0406 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00409.gif 領(ヲトガイ)〈二字義同頤養也、〉

〔日本靈異記〕

〈下〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0406 智行並具禪師重得人身國皇之子縁第卅九〈○中略〉
http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00410.gif 〈ヲトカヒ〉

〔和漢三才圖會〕

〈十二/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0407 面〈○中略〉
頤(オトガヒ)〈音怡〉 頷中也、釋名云、頤養也、動於下、應於上、上下咀物、以養人者也、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00403.gif 〈音含同、和名於止加比、〉

〔倭訓栞〕

〈中編三十/於〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0407 おとがひ 和名抄に頷をよめり、靈異記に頤、新撰字鏡に頦、又http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00376.gif をよみ、全淅兵制に地閣を譯す、音のつがひの義成べし、俗に口をきくを頷を鼓(タヽ)くといへり、〈○中略〉おとがひで蠅逐といふ諺あり、賈子新書に、頤指而如意とみゆ、おとがひのかきかねのはづるヽを頷車蹉といへり、

〔塵塚物語〕

〈五〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0407 赤松律師兵書之事〈○中略〉
一おとがひ(○○○○)と手の脉を一度にうかヾふに、和合して同じやうにうつは吉、ちがいたるはいむべし、是を生死兩舌の氣といへり、

〔增補下學集〕

〈上二/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0407 鎗頷(ヤリヲトガヒ)

〔倭訓栞〕

〈中編五/幾〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0407 きぼね 倭名鈔に頷骨をよめり、牙車ともいへば、牙(キ)骨の義成べし、

〔倭名類聚抄〕

〈三/鼻口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0407 腭 唐韻云、㗁〈音萼、字亦作咢、和名阿岐、〉口中上腭也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/鼻口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0407 按㗁與廣韻合、今俗呼宇波阿呉、〈○中略〉廣韻作㗁、云口中斷㗁出字綂、齶上同、龍龕手鑑、腭俗、正作齶、此從肉從俗寫也、依廣韻、上腭似齗腭之誤、然慧琳音義引考聲云、口中上腭也、與此合、孫氏蓋依之、今不徑改、韻會亦云、齶通作鄂、ロ中上鄂也、

〔伊呂波字類抄〕

〈安/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0407 腭〈アキ、齶、亦作咢、〉

〔下學集〕

〈上/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0407 腮(アキト)

〔和漢三才圖會〕

〈十二/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0407 齶(あき)〈音腭〉 腭 㗁 鄂〈並同〉 〈和名阿岐俗云阿吾〉
按、齶、齒内上下肉也、齗、齒莖也、齗腫者曰䶙、〈音去〉

〔倭名類聚抄〕

〈三/頭面〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0407 頸 陸詞切韻云、領〈冷反〉頸也、頸〈居井反、和名久比(○○)、〉頭莖也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/頭面〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0408 按毛詩碩人傳、桑扈傳、釋名並云、領頸也、陸氏蓋依之、説文、領項也、段玉裁曰、項當頸、〈○中略〉神代紀、醫心方、同訓、雄略紀、領、項、亦同訓、谷川氏曰、久比、久煩美之急呼、續世繼云、宇奈之乃久保是也、今俗呼煩无乃久煩、又少下呼久比須之、按久比是頭莖、故謂人頸久比、訓胡爲之多久比、今俗謂頭爲久比誤、〈○中略〉按説文、頸頭莖也、陸氏蓋依之、釋名、頸俓也、俓挺而長也、

〔伊呂波字類抄〕

〈久/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0408 頸 膊〈クビ〉 肩〈クビカタ〉 領〈已上同〉

〔下學集〕

〈上/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0408 頸項(クビ)〈二字義同〉

〔古事記〕

〈上〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0408是伊邪那岐命、拔御佩之十拳劒、斬其子迦具土神之頸(○)

〔古事記傳〕

〈五〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0408 頸は美久毘(ミクビ)と訓べし、和名抄に、頸久比、頭莖也とあり、〈後世に、頸より斬たる首を久毘といふは、少し違へり、〉久毘は、久煩美(クボミ)なり、〈煩美を切れば毘なり、續世繼に、うなじのくぼと云ことあり、俗にもぼむのくぼといふ、〉

〔續世繼〕

〈六/ゆみのね〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0408 むねみちの大納言の次郎におはせし太政大臣伊通のおとヾおはしき、〈○中略〉こもりゐたるはくるしからねど、よにまじろはまほしきことは、人のいたくゑぼしのしりたかくあげたるに、うなじのくぼ(○○○○○○)にゆひていでんと思なりなど、世ににぬやうにのたまひけり、

〔太平記〕

〈二〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0408 俊墓被誅事幷助光事
工藤左衞門幕ノ内ニ入テ、餘リニ時ノ移リ候ト勸レバ、俊基疊紙ヲ取出シ、頸(○)ノ回リ押拭ヒ、其紙ヲ推開テ辭世ノ頌ヲ書給フ、
古來一句 無死無生 萬里雲盡 長江水淸
筆ヲ閣テ鬂ノ髮ヲ摩給フ程コソアレ、太刀カゲ後ニ光レバ、首ハ前ニ落ケルヲ、自ラ抱テ伏給フ、是ヲ見奉ル助光ガ心ノ中、譬テ云ン方モナシ、サテ泣々死骸ヲ葬シ奉リ、空キ遺骨ヲ頸ニ懸、形見ノ御文、身ニ副テ、泣々京ヘゾ上リケル、

〔陰德太平記〕

〈六〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0408 大内義興石州發向附大内尼子合戰之事 若林伯耆守、三間柄ノ鑓、穗ノ長サ三尺餘ナルニ、シホ頸(○○○)ニ手引付タリケルヲ輕々ト提ゲ、一千餘騎驀直ニ衝テカヽル間、眞先ニ進タル青景衝立ラレテ引ノケバ、〈○下略〉

捻頸

〔增補下學集〕

〈上二/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0409 捻頸(ネヂクビ)

〔陰德太平記〕

〈七〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0409 雲州佐陀城沒落事
今岡彌五郎〈○中略〉所々ノ合戰ニ、分捕高名、驚衆拔群事幾度ト云コトヲ不知、中ニモ比類ナカリシハ、因州ニ於テ敵五人切テカヽリシヲ四人切伏、今一人ト組テ伏、押テ頸ヲ搔ケルニ、五人ト切合タル故ニヤ、刀ノ刀散々ニ打折ヌ、打刀ヲ搜リケルニ、組合間ニ拔テ落タリケル間、彼鋸ノ如ナル刀ニテ、頸半分ハ摩切タリケレ共、更ニ不落ケレバ、足ニテ蹈付、頸ヲ紾切テ提ゲ來リヌ、ネヂ頸(○○○)ナド云事ハ、昔物語ナドニコソ聞ツレ、正敷目前ニ見ル事ノ不思議サヨト、諸人消膽絶倒シヌ、

猪頸

〔增補下學集〕

〈上二/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0409 猪頸(イクビ)

〔言書字考節用集〕

〈五/肢體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0409 短頂(イクビ) 猪頸(同)〈和俗所用〉

抛頭

〔陰德太平記〕

〈五十六〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0409 上月合戰之事
熊谷信直ハ、周防富田ノ若山ニ在、杉原盛重ハ爰許ニアリ、此外ニハ誰カ自身ノ勇ヲ閣テ、味方ノ合戰勝利ノ全キ謀ヲ成者アラント思ケル所ニ、一隊ノ勢三百許ニテ、上ナル山へ馳上ル、誰ナルラント見レバ、眞先ニ進タル武者抛頭(○○)也、スハ天野紀伊守隆重ナルラント思フニ、如案隆重備ヲ堅クシテ味方ノ機ヲゾ助ケル、

〔書言字考節用集〕

〈五/肢體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0409 飛頭蠻</rb>ロクロクビ</ruby>〈出續博物志、酉陽雜俎、畷耕録、義楚、韻瑞、〉飛頭(同)獠〈太平廣記、本草綱目、〉轆轤(同)頭〈代醉〉

轆轤頸

〔當世武野俗談〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0409 本石町鐘撞の娘轆轤首
世に不祥の名を取る事、古今ためし有、つれ〴〵草にも、栗のみ喰て、穀の類を喰ざる娘有と書り、今本石町の鐘撞の娘生甚美敷、され共幼少の時分ゟ、世間にて云けるは、此娘はろくろ首(○○○○)なりと、 誰いふ共なく申出したり、十一十二の頃ゟ子ども連立て、手習に通ひける、是もと至極きれいに色白くして、ぬき衣紋に著なしあるきし故、首筋長きやうに見へたり、金吹町手習指南馬場條助方へ通ひけり、名はおつよと云けり、嫁入頃に成て、人のいふ所、凡鐘撞といふ者は、至て罪深き者にて、自然と人の恨を請るなり、仍て其女轆轤首たり、いか程も金付べし抔いへども、貰んと云人なしと、江戸中に取沙汰するといへども.其證なし、皆是空事なり、以前入聟を取しに、二人寢の新枕過て、夜更人靜まりて、おつよが寢姿うるはしく、聟は目を覺し見とれて、燈火をかき立たりしに、おつよが首自然とぬけ出て、六尺屛風の上へ其首上りけると云ふらして、貰はんと云人もなく成しが、時節有て、去年戌四月、神田白壁町山口丈庵と云醫師、活氣者にて、ろくろ首にても苦からず、貰ふべしとて婦妻とす、隨分おつよ、女業かけたる事なく、夫婦中むつましく、當三月一子をもふけたり、轆轤首も時節有て、平愈するものか、但醫師丈庵が、匕先の宜する所か、今は目出度、いもせの枝葉榮へて居たりけり、

〔新撰字鏡〕

〈肉〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0410 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00411.gif 〈大候反、去、項衡駕處、猶項也、宇奈己夫、又宇奈自(○○○)、〉

〔倭名類聚抄〕

〈三/頭面〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0410 項 陸詞云、項〈胡講反、和名宇奈之(○○○)、〉頸後也、公羊傳注云、齊人項謂之脰、〈田侯反〉

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/頭面〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0410 仁德紀、新撰字鏡古本、醫心方、同訓、新撰字鏡、脰字亦同訓、今俗呼衣利久比、又衣利毛止、〈○中略〉按玉篇、項頸後也、陸氏蓋依之、説文、項頭後也、釋名項确也、堅确受枕之處也、王念孫曰、項之言直項也、漢書息夫躬傳云、有直項之名、是項與直同義、〈○中略〉所引〈○公羊傳〉莊十二年注文、原書作脰頸也齊人語、按説文、脰項也、與公羊傳注同、頸頭莖也、項頭後也蓋脰兼是二義、故郭璞注爾雅燕白脰鳥云、脰頸也、注麔麚短脰云、脰項也、公羊傳、宋萬、摶閔公其脰、故注云頸、不項、源君引作項誤、王念孫曰、脰之言豎立也、

〔伊呂波字類抄〕

〈宇/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0410 項〈ウナシ〉 頃 脰〈已上同〉

〔增補下學集〕

〈上二/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0411 項(ウナジ) 脰〈同上〉

〔日本書紀〕

〈十四/雄略〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0411 七年、任那國司田狹臣、乃嘉弟君不伐而還、密使人於百濟、戒弟君曰、汝之領項(クビ)有何牢銅而伐人乎、〈○下略〉

〔倭名類聚抄〕

〈三/頭面〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0411 胡 釋名云、咽下垂曰胡、〈和名之太久比(○○○○)〉

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/頭面〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0411引釋形體文、原書作胡互也、在咽下垂、能斂互物、文選注引、作胡咽下垂也、玄應音義引、作胡在咽下垂者也、按説文、胡牛http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00403.gif http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00412.gif 也、是本訓、以爲人體名者、轉注也、〈○中略〉今俗呼阿呉乃之多(○○○○○)

〔伊呂波字類抄〕

〈志/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0411 胡〈シタクヒ〉

〔增補下學集〕

〈上二/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0411 胡(シタクヒ)〈咽下垂曰胡〉

咽喉

〔倭名類聚抄〕

〈三/鼻口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0411 咽喉 説文云、咽〈於前反、哽咽之處、音悦、〉謂之嗌、〈益反〉爾雅云、喉〈侯反〉謂之嚨、〈籠反、和名乃無止(○○○)、〉

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/鼻口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0411 原書口部、作咽嗌也、嗌咽也、無謂之二字、疑此渉下文引爾雅而誤、釋名、咽咽物也、又謂之嗌氣所流通、阨要之處也、〈○中略〉釋鳥、亢鳥嚨、郭璞注、嚨謂喉嚨此所引蓋舊注也、按説文嚨喉也、喉咽也、卽此義、〈○中略〉醫心方、咽喉同訓、按能无度、呑處之義、今俗急呼能度(○○)

〔伊呂波字類抄〕

〈能/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0411 喉〈ノムト咽喉〉 咽 嗌 嚨〈喉嚨〉 脢〈已上同心之上、口之下也、〉

〔下學集〕

〈上/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0411 咽喉(ノンド)〈二字義同〉

〔倭訓栞〕

〈前編二十三/乃〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0411 のんど 咽喉をいふ、呑門の義也といへり、

〔源平盛衰記〕

〈七〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0411 成親卿流罪事
六月二日、新大納言成親卿ヲバ、公卿ノ座ニ出シ奉リテ、物進セタレ共、胸セキ、喉フサガリ(○○○○○)テ聊モメサレズ、

〔倭名類聚抄〕

〈三/鼻口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0411 吭 史記云、絁亢而死、〈亢音胡郎反、又去聲、亦唐韻從口作吭、訓上同、俗云、乃無止布江(○○○○○)、〉

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/鼻口〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0412引張耳傳文、今本亢作肮、索隱曰、蘇林云、肮頸大脉也、俗所謂胡脉、王念孫曰、亢者抗直之名、按説文云、亢、人頸也、無肮字、知肮俗亢字、源君所見史記、未俗人改字者、漢書張耳傳亦作亢、〈○中略〉按廣韻、亢、人頸也、古郎切、吭、鳥喉胡郎切、吭、鳥聲也、胡朗切、三音其義不同、作朗非是、胡亦似古、

〔伊呂波字類抄〕

〈能/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0412 吭〈ノムトフエ、亦ノム卜、鳥喉也、〉

〔下學集〕

〈上/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0412 吭(フエ)〈喉之穴也〉

〔增補下學集〕

〈上二/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0412 吭(ノンドフエ)

〔倭訓栞〕

〈中編十八/乃〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0412 のんどぶゑ 和名抄に肮をよめり、喉笛の義也、

〔太平記〕

〈三十八〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0412 畠山兄弟修禪寺城楯籠事附遊佐入道事
遊佐入道ハ、禪僧ノ、衣ヲ著テ、只一人京ヲ志テゾ落行ケル、兎角シテ湯本マデ落タリケルガ、行合人ニ口脇ナル疵ヲ隱サン爲ニ、袖ニテ口覆シテ過ケルヲ、見ル人中々アヤシメテ、帽子ヲ脱セ、袖ヲ引ノケヽル間、口脇ノ疵無隱顯レテ、可遁樣無リケレバ、宿屋ノ中門ニ走上テ、自喉ブへ(○○○)搔放チ、返ス刀ニ腹切テ、袈裟引被キテ死ニケリ、

〔倭名類聚抄〕

〈三/身體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0412 肩 陸詞云、肩〈堅反、和名加太(○○)、〉髆也、髆〈博反、字亦作膊、〉肩也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/身體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0412 醫心方、髆同訓、〈○中略〉按説文、肩髆也、从肉、肩俗肩从戸、陸氏蓋依之、釋名、肩堅也、〈○中略〉按説文、髆肩甲也、膊、薄脯、膊之屋上、二字不同、蓋俗肩髆字从肉、遂與薄脯字混、龍龕手鑑、膊肩膊也、是也、新撰字鏡、髆、加太乃大骨、〈○中略〉按肩謂巨骨上肩髃肩井所在之處、髆謂肩後兩大骨、故説文云、膊肩甲也、沈彤曰、成片被肩垂背者曰肩甲、曰肩髆、亦曰髆肩、又後漢書張宗傳、中矛貫胛、注、胛背上兩髆之間、胛俗甲字、則知肩髆不處、説文以髆釋肩者、混言之耳、若析言之、髆當胛條也、王念孫曰、膊之言輔也、謂脅爲膊、義亦同也、

〔類聚名義抄〕

〈二/肉〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0413 肩〈音堅、カタ、〉 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00413.gif 〈正〉 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00414.gif 〈俗〉

〔伊呂波字類抄〕

〈加/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0413 肩〈カタhttp://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00413.gif ィ〉

〔下學集〕

〈上/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0413 肩(カタ)

〔伊呂波字類抄〕

〈加/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0413 髃〈カタサキ、亦音、〉

〔古事記〕

〈上〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0413天兒屋命布刀玉命、〈布刀二字以音、下效此、〉而、内拔天香山之眞男鹿之肩拔而、取天香山之天波波迦〈此三字以音、木名、〉而〈○下略〉

〔日本書紀〕

〈十七/繼體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0413 二十一年六月、磐井掩據火豐二國、勿使職、外邀海路致高麗百濟新羅任那等國年貢職船、内遮任那毛野臣軍、亂語揚言曰、今爲使者、昔爲吾伴、摩肩觸肘(○○○○)共器同食、安得卒爾爲使俾余自伏儞前、遂戰而不受、驕而自矜、

〔倭名類聚抄〕

〈三/身體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0413 胛 四聲字苑云、胛〈甲反、和名加伊加禰(○○○○)、〉肩之下也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/身體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0413 尾張本、昌平本、作音鴨、山田本、作古狎反、按音甲古狎並與廣韻合、屬見母、鴨屬影母、其音不同、作鴨恐非、山田本、昌平本、曲直瀨本、作加以加太按類聚名義抄、胛膊皆訓加以加禰、字鏡抄並同、太平記義興自害條、亦有加以加禰、作太似非、伊呂波字類抄作加以保禰、亦恐誤、今俗僞呼加以加良保禰、新撰字鏡、膊、訓加太乃大骨、〈○中略〉釋名、甲闔也、卿胷脅背相會闔也、按古無胛字、説文髆下云、肩甲也、則知古只作甲、説文、甲東方之孟、陽気萠動、从木戴孚甲之象、轉爲甲冑、爲甲介、再轉爲肩甲也、

〔類聚名義抄〕

〈二/肉〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0413 胛〈音鴨、カイカネ、カタ、セナカ、〉

〔伊呂波字類抄〕

〈加/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0413 胛〈カイカネ、脾歟、〉

〔增補下學集〕

〈上二/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0413 胛(カイカネ)

肩骨

〔新撰字鏡〕

〈骨〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0413http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00415.gifhttp://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00416.gif 骨也(ナリカネホネ)、執也、補莫反、肩也、加太乃大骨(○○○○○)、〉 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00417.gif 〈芳遙反、加太保http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00418.gif (○○○○)、〉

〔倭名類聚抄〕

〈三/身體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0414 𩩲http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00286.gif 廣雅云、𩩲http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00286.gif 〈二音曷亐、針灸經云、缺盆骨肩骨也、和名加太乃保禰(○○○○○)、〉

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/身體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0414 廣雅釋親、𩩲http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00286.gif 、缺盆、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00419.gif 也、此蓋有脱文、按玉篇𩩲字注、𩩲、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00286.gif 肩骨、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00286.gif 字注、𩩲http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00286.gif 缺盆骨、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00420.gif 字注亦云、缺盆骨、廣韻並同、皆本於廣雅也、𩩲http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00286.gif 字古所無、是缺盆之一名、則疑當缺盆之異文、按史記倉公傳、疽發乳上缺盆、素問氣府論、缺盆各一、王冰注、缺盆穴名也、在肩上横骨陷者中、靈樞骨度篇、結喉以下至缺盆中、長四寸、缺盆以下至𩩲http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00286.gif 長九寸、沈彤曰、膺中骨之上、自結喉、下四寸、至肩端前、横而大者曰巨骨、其半環中斷者曰缺盆骨、然則缺盆骨在喉下胷上、如半環者、非肩骨、加太乃保禰、可以訓巨骨、不缺盆骨也、又内經甲乙經所載𩩲http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00286.gif臆前蔽骨、沈彤曰、當膺骨兩端、中陷下者曰膺中陷骨、陷骨下蔽心者曰𩩲http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00286.gif 、曰鳩尾是也、不廣雅所一レ説同、注所引針灸經、本書骨條又引之作針灸經注、此恐脱注字、新撰字鏡http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00417.gif加太乃保禰、膀訓加太保禰

〔倭名類聚抄〕

〈三/筋骨〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0414 缺盆骨 詳見身體類𩩲http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00286.gif 字注

〔類聚名義抄〕

〈三/骨〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0414 缺盆骨〈カタノホネ〉 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00417.gif 〈カタホネ〉

〔伊呂波字類抄〕

〈加/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0414 𩩲骬〈カホホネ、曷干二音、〉 缺盆骨〈同〉

〔增補下學集〕

〈上二/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0414 𩩲http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00286.gif (カタホネ) 缺盆骨(カタノホネ)

腋/胳

〔倭名類聚抄〕

〈三/身體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0414 腋 唐韻云、腋〈液反、和名和岐(○○)、〉肘腋也、四聲字苑云、脇、〈虛業反、字亦作胠、又與脅同、〉腋下也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/身體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0414 按玉篇、腋、肘腋也、孫氏蓋依之、釋名、腋繹也.言可張翕尋繹也、又按腋古作http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00421.gif 説文、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00396.gif 人之臂http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00396.gif 也、从大、象兩亦之形http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00396.gif 隸作亦、後人借爲亦又字、別作腋以爲肘腋字、〈○中略〉曲直瀨本作音交、按虛業與廣韻、合、在入聲三十三業、屬曉母、交在平聲五爻、屬見母、音韻皆不同、作音交非、按説文、脅兩膀也、又云、胠亦下也、玉篇同、廣韻、脅、胷脅、虛業切、又云、胠、胠篋、見莊子、去劫切、段玉裁曰、膀言其前、胠言旁迫於肱、是脅胠二字不同、此云字亦作一レ胠、不何據、恐誤、〈○中略〉又按靈樞骨度篇、腋下至季脇、長一尺六寸、釋名、脅挾也、在兩旁、臂所挾也、素問至眞要大論注、脅謂兩乳之下及胠外 也、則知腋今俗呼和岐都保者、脅今俗呼和岐乃之多是也、

〔伊呂波字類抄〕

〈和/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0415 腋〈ワキ〉 脅 脇 膘〈侍云、在膘、〉 胠 掖 肶 脾〈已上ワキ〉

〔下學集〕

〈上/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0415 脇(ワキ)腋〈二字義同〉

〔增補下學集〕

〈上二/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0415 胳(ワキノシタ) 脇(ワキノシタ)

〔陰德太平記〕

〈二十一〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0415 備後國泉合戰之事
米原ガ吾身一分ノ大事ト、眞先ニ進テ戰フ有樣、殊ニ射ヨゲニ見エケレバ、能引テ放チケルニ、其矢不錯脇坪(○○)ヲ肩先カケテ射徹シケル間、サシモ樊噲ガ勇ヲ成シ米原モ、大事ノ痛手ナレバ、何カハ少モ漬ルベキ、鎗ヲ彼所ヘカラリト捨、橋ヨリ眞逆ニ河水ノ中へ落タリケル、〈○下略〉

脇肋

〔倭名類聚抄〕

〈三/身體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0415 脇肋 四聲字苑云、脇肋〈和名加太波良保禰(○○○○○○)〉身傍之間也、文字集略云、肋〈勒反、和名太須介乃保禰(○○○○○○)、〉幹骨也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/身體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0415 按文選、鄒陽獄中上書、解嘲、及醫心方同訓、垂仁紀、脇骨、〈亦同訓、按脅亦作脇、見慧琳音義、龍龕手鑑、知脇脅同字、上文腋條引四聲字苑云、脇腋下也、此又引云、脅身傍脅肋間也、而所解其實同、神代紀、脅、訓加多波良、是也、加多波良、旁腹之義、今俗呼和岐乃之多、後轉凡旁謂之加多波良、源君訓脅爲加太波良保禰誤、垂仁紀、脇骨二字連文、訓加多波良保禰是、〈○中略〉按廣雅、幹謂之肋、與此義合、按説文、肋、脅骨也、釋名、肋勒也、所以檢勒五臟也、此當加太波良保禰、又云太須介乃保禰、王念孫曰、榦亦兩旁之名也、史記魯世家集解引馬融粊誓注云、楨在前、榦在兩旁、成二年左傳、棺有翰檜、杜注云、翰旁飾、義並與脅榦同、下總本幹作榦、按禹貢杶榦栝柏、漢書地理志作杶榦栝柏、楨榦見費誓、楊子法言作楨幹、爾雅、楨榦也、釋文、本又作幹、而説文有榦無幹、則知榦幹古今字、然玉篇、榦、書曰杶、榦栝柏、榦柘也、又楨榦築垣板也、又柄也、又云、幹體也、强也、廣韻、榦楨榦築垣板、又云、幹莖幹、又强也、並別榦幹二字、又儀禮、左傳公羊傳爾雅楚辭幹脅字皆作幹、則別來已久、此當幹爲一レ是、

〔倭名類聚抄〕

〈三/筋骨〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0416 肋 詳見身體類

〔伊呂波字類抄〕

〈波/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0416 脅肋〈ハラホネ〉

〔同〕

〈加/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0416 脅〈カタハラホネ、イ云、胳匹各反脅也、〉 肋〈脅肋〉 幹〈已上同〉

〔增補下學集〕

〈上二/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0416 脇肋(カタハラホネ) 肋(タスケホネ/ワキツホ)

〔和漢三才圖會〕

〈十二/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0416 肋〈音勒〉 〈和名太須介乃保禰、俗云阿婆良保禰、〉
釋名云、肋勒也、所以撿勒五藏也、
肋有十二枚、而八枚在胸中、四枚開岐骨兩脇、各附于脊骨、此四者名季肋、〈任脉下有圖、可考合見一レ之、〉
女子別有檠夫骨、共爲十四枚

〔和漢三才圖會〕

〈十一/經絡〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0416 任脉〈○中略〉
肋骨 十二枚中、八枚有胸間、而第三第三間各一寸、自第四八之間、各一寸六分、〈共有八寸四分、〉肋骨皆至兩脇彎上、故任脉之旁所有腎經胃經脾經之諸穴、皆以其旨之、

〔日本書紀〕

〈六/垂仁〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0416 七年七月乙亥、遣倭直長尾市野見宿禰、於是野見宿禰自出雲至、則當麻蹶速與野見宿禰捔力、二人相對立、各擧足相蹶、則蹶折當麻蹶速之脇骨(○○)、亦蹈折其腰而殺之、

〔倭名類聚抄〕

〈三/身體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0416 胷臆 唐韻云、胷〈許容反〉膺〈於陵反〉臆〈於力反、和名無禰(○○)、〉也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/身體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0416 廣韻、胷膺也、又云、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00422.gif 胷也、又云、臆、胷臆、按説文.匈http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00422.gif 也、或作http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00423.gifhttp://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00422.gif 胷也、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00424.gif 、胷骨也、或作臆、孫氏蓋依之、釋名、胷猶啌也、啌氣所衝也、膺壅也、氣所壅塞也、臆猶抑也、抑氣所塞也、

〔類聚名義抄〕

〈二/肉〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0416 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00423.gif 〈今匈正、音凶、ムネ〉 胸胷〈俗字〉 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00425.gif 〈俗歟、ムネ、〉

〔伊呂波字類抄〕

〈无/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0416 胷〈ムネ、亦作胷、〉 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00426.gif 臆〈胷臆〉 膺〈服膺〉 心〈已上同、曲禮云、捧者當心、〉

〔下學集〕

〈上/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0416 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00427.gif (ムネ)臆〈二字義同〉

〔倭訓栞〕

〈前編三十一/牟〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0416 むね 倭名抄に、膺臆胸をよめり、群骨の義也といへり、鶴林玉露に、心云母兒と見ゆ、

〔古事記〕

〈上〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0417殺迦具土神之於頭所成神名正鹿山〈上〉津見神、〈○中略〉次於胸(○)所成神名、游縢山津見神、

〔古事記傳〕

〈五〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0417 胸は、身根(ムネ)の意か、〈身を、古言に牟と多くいへり、〉

〔日本書紀〕

〈一/神代〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0417 一書曰、素盞鳴尊曰、韓郷之島、是有金銀、若使吾兒所御之國不浮寶者未是佳也、乃拔鬚髯散之、卽成杉、又拔散胸毛(○○○○)是成檜、

〔日本書紀〕

〈二/神代〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0417 一書曰、〈○中略〉天神見其矢曰、此昔我賜天稚彦之矢也、今何故來、乃取矢而呪之曰、若以惡心射者、則天稚彦必當害、若以平心射潜則當恙、因還投之卽其矢落下中于天稚彦之高胸(○○)、因以立死、此世人所謂返矢可畏之縁也、〈○中略〉高胸此云多歌武娜娑歌(○○○○○○○○○○)

〔日本書紀〕

〈二/神代〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0417 一書曰、〈○中略〉故特勅天鈿女曰、汝是目勝於人者、宜往問之、天鈿女乃露其胸乳、抑裳帶於臍下而笑噱向立、〈○下略〉

〔萬葉集〕

〈十二/古今相聞往來歌〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0417 正述心緒
黑玉之宿而之晩乃(ヌバタマノネテノユフベノ)、物念爾(モノモヒニ)、割西胷者(サケニシムネハ)、息時裳無(ヤムトキモナシ)、

〔日本靈異記〕

〈上〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0417 凶女不孝養所生母以現得惡死報縁第廿四
故京有一凶婦、姓名未詳也、曾无孝心父母、母當齋日炊、恩念齋食便就女邊而乞飯、其女曰、今家長寺我亦將齋食、除此以外无飯供一レ母、時其母有稚子、携之還家俛視、道頭有遺裹飯、拾之慰餓、猶勞寐室、夜半之後有人、來扣戸曰、汝女高叫吾胷有一レ針、方將死、故可往看、母以疲寢往活、其女終死不復相見也、不孝養而徒死者、不分供母而死耶、

〔大和物語〕

〈上〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0417 平中〈○中略〉此女いかにおぼつかなくあやしと思ふらんと戀しきに.〈○中略〉人なむきてうちたヽく、たそととへば、なほそうのきみに、ものきこえんといふ、さしのぞきてみれば、この家の女なり、むねつぶれ(○○○○○)てこちこといひて、ふみをとりてみれば、いとかうばしきかみに、きれなるかみを、すこしかいわがねてつヽみたり、いとあやしうおぼえて、かいたる事をみれば、 あまの川そらなるものときヽしかどわがめのまへのなみだなりけり
とかきたり、あまになりたるなるべしとみるに目もくれぬ、心きもをまどはしてこのつかひにとへば、はやう御ぐしおろし給てき、かヽれば子だちも昨日けふいみじうなきまどひ給ふ、げすの心ちにもいとむねいたくなん、さばかりに侍りし御ぐしをといひてなく、

〔將門記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0418 嚴父國香之舍宅、皆悉殄滅、其身死去者、逈聆此由、心中嗟嘆、於財有五主者、何憂吟之、但哀亡父空告泉路之別、存母獨傳山野之迷、朝居聞之、涙以洗面.夕臥思之、愁以燒胷(○○)、貞盛不哀幕之至、申暇於公、歸於舊郷、僅著私門、求亡父於煙中、問遺母於巖隈、幸雖司馬之級、還吟別鶴之傳い、方今以人口得偕老之友、以傳言取連理之徒

〔源氏物語〕

〈四/夕顏〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0418 人々いづこよりおはしますにか、なやましげにみえさせ給ふなどいへど、み帳のうちにいり給ひて、むねをおさへて思ふにいといみじければ、などてのりそひてゆかざりつらん、いきかへりたらんとき、いかなる心ちせん、見すてヽいきわかれにけりと、つらくや思はんと心まどひの中にもおぼすに、御むね(○○○)せきあぐる心ちし給ふ、御ぐしもいたく身もあつき心ちして、いとくるしくまどはれ給へば、かくはかなくて、われもいたづらに成ぬるなめりとおぼす、

〔源氏物語〕

〈四十七/角總〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0418 御みヽにさしあてヽ物をおほくきこえ給へば、うるさうもはづかしうもおぼえて、かほをふたぎたまへり、いとヾなよ〳〵とあえかにてふし給へるを、むなしう見なしていかなるこヽちせんと、胸もひじけて(○○○○○○)おぼゆ、

〔源平盛衰記〕

〈二十二〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0418 入道申官符
入道〈○平淸盛〉ガ私ノ敵ニテモナシ、只君ノ仰ヲ重ズル故ニコソアレト思ヒ存シテ、流罪ニ申宥テ、伊豆國へ下シ候ヌ、其年十三ト承キ、カネ付タル小男ノ、生絹(スヽシ)ノ直垂ニ、小袴著テ侍シヲ、入道ガ前ニ呼居テ、事ノ樣ヲ尋問候ヒシカバ、如何アリケンノ事ノ起リシラズト申候キ、ゲニモ幼稚ナレバ、 ヨモシラジナント、青道心ヲナシテ候ヘバ、今ハ哀(アワレ)ハ胷ヲヤク(ムネ/○○○○)ト申タトヘニ合テ侍リ、定テ聞シ召レ候ラン、

〔陰德太平記〕

〈六十七〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0419 光秀弑信長卿
光秀ハ床几ニ腰掛テ、軍ノ下知シテ居タル所へ、京都商家ノ者共、賢顏ニ天下御手ニ入目出度候トテ、面々酒菓ノ進物ヲ捧ゲ來リケレバ、光秀祝著セリトテ、粽ヲ取テ食ケルニ穀ヲ不去、酒ヲ受テ呑タリケルニ、喉ヘハ不入シテ、胸板(○○)ヲ傳テ流レニケレバ、

〔松屋筆記〕

〈九十四〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0419 胸ぐらを取ル、胸づくしを取ル、むながらみ、
俗に胸ぐらを取ル、胸づくしを取ルなどいふは誤也室町殿日記十九〈卅四丁オ〉好喧嘩徒黨之事條に、つとさしより、むながらみにひしとつかみ云々と見ゆ、

龜胸

〔書言字考節用集〕

〈五/肢體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0419 龜胸(ハトムネ) 鳩胸(同)〈和俗所用〉

〔倭訓栞〕

〈中編十九/波〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0419 はとむね 癃をいふ、龜胸ともいふ、鳩胸と訓ぜり、

〔病名彙解〕

〈六/幾〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0419 龜胸(キケウ) 一名ハ鷄胸、此胸高ク出テ龜ノ胸ノ如クナル故ニ名ク、俗ニ云ハトムネ也、類經圖翼ニハ鷄胸ト云リ、龜背ノ條下ニコレヲ辨ズ、

胸元

〔增補下學集〕

〈上二/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0419 心前(ムナサキ) 胸元(ムナモト)

鳩尾

〔書言字考節用集〕

〈五/肢體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0419 鳩尾(ミヅヲチ)

〔身體和名集〕

〈美〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0419 ミゾオチ 鳩尾

〔和漢三才圖會〕

〈十一/經絡〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0419 任脉二十四穴〈○中略〉
鳩尾〈髑骭尾翳〉 在胸前蔽骨下五分〈禁針灸
如無蔽骨者、從岐骨耑下行一寸取之、蓋蔽骨者蔽心之骨也、垂下於岐骨耑、而長五分許有、其骨五分下、卽鳩尾穴也、

〔經穴纂要〕

〈五〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0420 周身名位骨
𩩲http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00286.gif 〈釋骨曰、蔽心者曰𩩲http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00286.gif 、曰鳩尾、曰心蔽骨、曰臆前蔽骨、〉

鳩尾骨

〔倭名類聚抄〕

〈三/筋骨〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0420 鳩尾骨 詳見身體類骨字下〈和名無奈保禰(○○○○)〉

〔伊呂波字類抄〕

〈无/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0420 鳩尾骨〈ムナホネ〉

〔增補下學集〕

〈上二/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0420 鳩尾骨(ムナボネ)

〔倭名類聚抄〕

〈三/身體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0420 腹 野王按云、〈腹複反、和名波良(○○)、〉所以容裹五臟之者也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/身體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0420 昌平本作音復、下總本作音福、按音複音福與廣韻合、屬非母、復屬奉母、淸濁不同、作復非是、按波良與原同、謂廣平也、本居氏曰、廣訓比呂、平訓比良、皆同語、〈○中略〉釋名、腹複也、富也、腸胃之屬、以自裹盛、複於外複之、其中多品、似富者也、説文、腹厚也、段玉裁曰、腹厚疊韻、謂腹之取名、以其厚大

〔類聚名義抄〕

〈二/肉〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0420 腹〈方目反、弗鞠反ハラ、〉 腹〈音複、ハラ、〉 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00587.gif 〈正〉 肚〈ハラ〉

〔伊呂波字類抄〕

〈波/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0420 腹 肚 陰〈已上同〉

〔物類稱呼〕

〈一/人倫〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0420 腹はら 畿内近國、及中國四國にてほて(○○)といふ、東國にては腹とのみ唱へて、ほてとはいはず、然どもほてくろし、又ほてつぱらなどいふ詞有、ほてくろしと云は、枕草子腹黑とあるにをなじ、又東國で臍黑(へそぐろ)といふ詞も、をなじ心ばえなり、

〔和漢三才圖會〕

〈十一/經絡〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0420 胷腹部〈骨度〉
結喉以下至缺盆中長四寸〈缺盆中卽天突穴處〉 缺盆以下至𩩲骭之中長九寸〈𩩲骭卽鳩尾穴處〉 𩩲骭中以下至天樞長八寸〈天樞卽臍旁穴名〉 天樞以下至横骨長六寸半、〈横骨卽毛際下骨名〉今折爲五寸、 横骨横長六寸半 兩髀間六寸半〈兩股横骨兩頭之處俗名髀縫〉 胷圍四尺五寸 兩乳間九寸半、今折爲八寸、 腰圍四尺二寸

〔古事記〕

〈上〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0420殺迦具土神之於頭所成神名正鹿山〈上〉津見神、〈○中略〉次於腹(○)所成神名奧山〈上〉津見神、

〔古事記傳〕

〈五〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0421 腹は、廣(ヒロ)の意にて、原平(ハラヒラ)なども同じ義なり、

〔古今著聞集〕

〈十二/博奕〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0421 しばしやすみ候はんとて、三十餘貫の錢取て、しりぞきにけり、傍輩共(○)、女牛に腹(○○○○)つかれたる心地してありけれど、〈○下略〉

〔太平記〕

〈十〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0421 高時幷一門以下於東勝寺自害事
去程ニ高重走廻テ、早々御自害候へ、高重先ヲ仕テ、手本ニ見セ進セ候ハント云儘ニ、胴計殘タル鎧脱テ抛ステヽ、御前ニ有ケル盃ヲ以テ、舍弟ノ新右衞門ニ酌ヲ取セ三度傾テ、攝津刑部大夫入道道準ガ前ニ置キ思指申ゾ、是ヲ肴ニシ給ヘトテ、左ノ小脇ニ刀ヲ突立テ、右ノ傍腹(○○○○)マデ、切目長ク搔破テ、中ナル腸手縷出シテ、道準ガ前ニゾ伏タリケル、

〔安齋隨筆〕

〈前編八〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0421 腹自腹黑 古書に、腹白、腹黑と云ふ事あり、腹は心腹とも腹心ともつヾけて、心は胸也、卽腹と云は、心を指して云、心淸く正直なるを腹白と云也、漢土の書に、赤心と云に同じ、赤はくらき事のなきを云、又心きたなくうしろぐらきを腹黑と云、漢土の書に黑心と云に同じ、

〔倭訓栞〕

〈前編二十四/波〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0421 はらふくる(○○○○○) 和名抄に痮をよめり、兼好がおぼしき事いはぬは、腹ふくるヽといへるは、東坡が忍事腹如ヅ囊といへる是也、出羽の俗は、腹がくつちいといふ、

背/脊骨

〔新撰字鏡〕

〈肉〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0421 脊〈子名反、背也、世奈加(○○○)〉

〔倭名類聚抄〕

〈三/身體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0421 背 玉篇云、脊〈跡反、和名世奈加、〉背也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/身體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0421 醫心方、脊訓世奈加保禰、〈○中略〉今本http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00428.gif 部云、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00428.gif 、背http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00429.gif 也、今作脊、慧琳音義引作脊、背膂、按説文、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00430.gif 背呂也、呂卽古文膂字、顧氏蓋依説文、則慧琳引作背膂是、源君所見本、恐脱膂字也、又按説文、背、脊也、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00430.gif 背呂也、呂http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00430.gif 骨也、段玉裁曰、脊者背之一端、背不於脊、如髀者股外、股不於髀也、據之背宜世、脊宜世奈加、蓋背中之義、謂膂骨所在之處、然源氏物語謂末摘花女背乎世奈加、乎世奈加、男背之義、則以背爲世奈加、與源君同、是後世之轉、非正義也、釋名、背倍也、在 後稱也、脊積也、積續骨節上下也、玄應音義、太平御覽、引廣雅云、背北也、

〔類粲名義抄〕

〈二/肉〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0422 膂〈音呂セナカノホネ〉 脊〈瘠二今音跡セナカ、〉 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00431.gif http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00432.gif 〈正〉 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00433.gif 〈セナカ〉 背〈音輩、ウシロ、セナカ、セ、〉

〔伊呂波字類抄〕

〈世/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0422 背〈セナカ、牛馬背、〉 脊梁〈セツカ、亦セミネ俗云、馬脊梁、〉 脢〈セシヽ、背肉也、〉 膂〈セホネ〉 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00434.gif 〈同〉

〔同〕

〈宇/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0422 背〈ウシロ〉 後〈同〉

〔下學集〕

〈上/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0422 背脊(セナカ)〈二字義同、〉

〔倭訓栞〕

〈中編十二/世〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0422 せなか 背中の義也、和名抄、新撰字鏡に脊をよめり、今いふせすぢなり、

〔日本書紀〕

〈二/神代〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0422 一書曰〈○中略〉先驅者還白、有一神、居天八逹之衢、其鼻長七咫、背長七尺餘當七尋

〔倭訓栞〕

〈前編十三/世〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0422 せぼね 膐をいふ、脊骨也とみゆ、

〔經穴纂要〕

〈五〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0422 周身名位骨
背〈繹骨曰、項大椎之下二十一節通曰脊骨、曰脊椎、曰膂骨http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00281.gif 第一節、曰脊大椎、形如杼、故亦曰杼骨、第十三節至十六節、曰高骨、曰大骨、其以上七節曰背骨、則第八節以下乃曰膂骨、末節曰尻骨、曰骶骨、曰脊骶、曰尾骶、亦曰骶、曰尾屈、曰橛骨、曰窮骨、生氣通天論王注曰、高骨謂腰之高骨、是高骨通謂腰間脊骨之高者、沈彤按、上七節皆背骨、而膂骨、自八節以下明矣、〉

龜背

〔伊呂波字類抄〕

〈久/病瘡〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0422 傴背〈クヽセ、不伸也、尨也、周公傴背是也、宋切、〉

〔書言字考節用集〕

〈五/肢體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0422 癃(セムシ)〈史索隱背疾也〉 瘻(同) 傴疾(同)

〔萬安方〕

〈四十〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0422 龜背〈クヽセ俗ニエヒトイフ、カヾムヤマヒ、〉
聖惠論、小兒龜背者、由坐兒稍早、爲客風吹背骨、風氣逹於髓、使背高如龜脊骨之狀也、
龜字*1、カヾマルト讀也莊子云、不龜手藥云々、手力ヾマラザル也、

〔和漢三才圖會〕

〈十/人倫之用〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0422 戚施 駝背(タハイ) 㾃(タ)背 痀僂(クロウ) 〈俗云背蟲(セムン)○中略〉
按、戚施、多此小兒龜背成痼疾者也、蓋嬰兒客風吹背、入於骨髓致、或小兒坐早傴僂背高如龜、故名龜背病、多成痼疾

〔病名彙解〕

〈一/波〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0422 背僂(ハイル) 僂ハ字彙ニ附也、身向前ナリ、對韻ニ身ノ曲ル病ナリト云リ、俗ニ云セムシナ リ、

〔病名彙解〕

〈六/幾〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0423 龜背 背高ク出テ龜ノ甲ノ如クナル故ニ名ケリ、大人ニナルマデ治セザレバセムシニナル也、

〔日本書紀〕

〈二十六/薺明〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0423 三年、西海使小華下阿曇連頰垂、小山下津臣傴僂〈傴僂此云倶豆磨〉自百濟還、獻駱駝一箇、驢二箇

〔倭名類聚抄〕

〈三/身體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0423 膍臍 四聲字苑云、膍臍〈http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00435.gif 齊二反、和名保曾(○○)、俗云倍曾(○○)、〉腹孔也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/身體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0423 按膍、説文單作http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00436.gif 、云http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00436.gif http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00437.gif 、人http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00437.gif 也、後人增肉旁膍、急就篇、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00294.gif 腎五藏膍齊乳、遂與牛百葉又膍胵字混無別、臍説文作http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00438.gif 、云http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00436.gif http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00438.gif 也、釋名、臍劑也、腸端之所限劑也、

〔伊呂波字類抄〕

〈部/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0423 臍〈セイ、ヘソ、亦ホソ、膍臍、〉 齊〈同〉

〔下學集〕

〈上/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0423 臍(ホソ)

〔倭訓栞〕

〈前編二十七/倍〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0423 へそ〈○中略〉俗に臍をへそといふは、ほその轉ぜる也、倭名抄にも見えたり、でべそを臍突といふ、

〔日本書紀〕

〈一/神代〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0423 一書曰、〈○中略〉軻遇突智娶埴山姫稚産靈、此神頭上生蠶與一レ桑、臍中生五穀罔象(○○○○○○○)

〔太平記〕

〈二〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0423 長崎新左衞門尉意見事附阿新殿事
阿新〈○中略〉今ハ右トウレシクテ、本間三郎ガ枕ニ立寄テ探ルニ、太刀モ刀モ枕ニ有テ、主ハイタク寢入タリ、先刀ヲ取テ腰ニサシ、太刀ヲ拔テ心モトニ指當テ、寢タル者ヲ殺バ、死人ニ同ジケレバ、驚サント思テ、先足ニテ枕ヲハタトゾ、蹴タリケル、ケラレテ驚ク處ヲ、一ノ太刀ニ臍ノ上ヲ(○○○○)疊マデツトツキトヲシ、返ス太刀ニ喉ブエ指切テ、心閑ニ後ノ竹原ノ中ヘゾカクレケル、

〔陰德太平記〕

〈六十六〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0423 賀茂城合戰之事
秀吉彌氣色快然トシテ、今我云所ハ、當時議國ノ軍兵ノ軍スル樣體ヲ、荒々評論セシ也、サレ共兵 ノ强弱ハ、處ニ依、時ニ依ニ非、唯大將ノ强弱ニ一因レリ、今時畿内ノ兵勇氣臍ニ不徹(○○○○)ニ似タタト雖、楠ガ兵ハ皆勇智有テ、百萬ノ敵ヲ受テ守城シ、終ニ大利ヲ得タリ、

〔塵袋〕

〈六〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0424 後悔スルニハ、ホゾヲクフトイフコト其説如何、
左傳云、若不早圖一レ後君噬臍云々、杜預曰、喩腹臍及ト云ヘリ、顏氏曰、噬臍何及云々、ウツブキテクハントスレドモ、クワレヌハヘソナリ、クヤシキ事ヲシテ、トリカヘサントスレドモ、カナハヌハヘソヲクハントスルニヲヨバズシテ、クハレヌガ如シトタトフル也、

〔文德實録〕

〈四〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0424 仁壽二年二月乙巳、參議正四位下兼行宮内卿相模守滋野朝臣貞主卒、〈○中略〉嘉祥二年春兼尾張守、于時太宰府吏多不良、衰弊日甚、貞主上表曰、〈○中略〉若無其人取辨官式部、頃年以來、絶而不行、近得飛語云、彼史或擊目閉口似時之人、或忘耻貪財爲聚歛之吏、府司國宰莫悲傷、若如此不變、恐噛臍不及、〈○下略〉

〔松屋筆記〕

〈七〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0424 女の臍より出し石の記
飯田町九段坂なる近藤五千石辰松君の家臣に、伊原佐助といふ人あり、齡は六十に近くて、妻の年は五十九ばかりになんありける、此妻今より七とせ八とせのむかしに病づきて、臍より長さ一寸或は二寸許の柔なる毛のさませし物を出すことおほかり、〈○中略〉近きころは臍より出る毛はとヾまりて、角の端などいふべき物、やうやくにあらはる、遂'にもぬけにもぬけて出ぬ、その長さ二寸あまり、幅は六分許にて、平やかなる石也、重きこと石にたがふことなく、擊にも石のひヾきありてきこゆ、かくて日を經るまヽに金色の光出て、今は黄金の質にもまがふべきばかりになん、此ゆゑよしは、佐助が同僚なる余が門人、上原建胤が物語をしるせしなり、文政元年十一月朔日、高田與淸、

〔時還讀我書〕

〈下〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0424 臍中出屎 八王子邊ニ、一女兒十歳許ナルガ、臍中腫爛シ、後ニハ大便臍ヨリ出ヅ、其中ニ蚘蟲アルコト三四度ナリ、肛門ヨリモ便利ス、田舍ノコト、殊ニハ女兒藥ヲ欲セズトテ、其儘捨置タリシガ、自ラ平愈セシトゾ、臍ヨリ屎出ルハ、土佐ノ古畫卷ニモ見ヘタリ、他古書ニモ出タリヤ、攷ベシ、

水腹

〔倭名類聚抄〕

〈三/身體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0425 水腹 釋名云、自臍以下謂之水腹、或云小腹、〈和名古乃加美(○○○○)〉

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/身體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0425引釋形體文、原書作臍以下曰水腹、水汋所聚也、又曰少腹、少小也、比於臍以上小也、〈○中略〉按今俗呼保加美、蓋陰上之義、又呼之多波良

〔伊呂波字類抄〕

〈古/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0425 水腹〈コノカミ自臍以下謂之水腹

〔增補下學集〕

〈上二/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0425 水腹(コノカミ)〈自臍以下謂之水腹

〔倭名類聚抄〕

〈三/身體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0425 腰 説文云、腰〈於宵反、或作腰、和名古之(○○)、〉身中也、遊仙窟云、細々〈○々原脱據一本補〉〈今〉腰支、〈師説古之波勢〉

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/身體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0425引臼部文、原書http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00416.gifhttp://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00390.gif 、又有http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00393.gif、云古文http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00523.gif 、九經字樣、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00578.gif 要、上説文下隸變、按要古文http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00439.gif 字之省、非http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00579.gif 字之變、省http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00440.gif西者、與http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00441.gif 隸作䙴、䢉隸或作一レhttp://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00442.gif 同、唐氏所言未是、又按要本訓身中、轉爲肝要義、故身中之要、俗從肉別之、故唐韻云、要今作腰、亦作http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00416.gif 、源君從今字也、釋名、要、約也、在體之中約結而小也、〈○中略〉尾張本、下總本、細々不疊、温古堂本刻版本同、按原書云、細々腰支、參差疑勒斷、此所引卽是、不疊非是、按古之波勢之波勢、與加保波勢之波勢同、猶今俗云古之都岐、下總本注末有細腰讀保曾也加奈利九字、按細腰當細々、尾張本所存止于此

〔下學集〕

〈上/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0425 腰(コシ)

〔日本書紀〕

〈二/神代〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0425 一書曰、〈○中略〉兄〈○火酢芹命〉著犢鼻、以赭塗掌塗面、告其弟〈○火折尊〉曰、吾汚身如此、永爲汝俳優者、乃擧足蹈行學其溺苦之狀、初潮漬足時則爲足占、至膝時則舉足、至股時則走廻、至腰時則捫腰、至腋則置手於胸、至頸時則擧手飄掌、

〔今昔物語〕

〈十三〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0425 周防國基燈聖人誦法花語第廿五 今昔、周防國大島ノ郡ニ基燈ト云フ聖人有ケリ、〈○中略〉年百四十餘ニシテ腰不曲(○○○)ズ、

〔古今著聞集〕

〈十/相撲强力〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0426 近比近江國かいづに、金といふ遊女有けり、其所のさたの者也ける法師の妻にて、年比すみけるに、件の法師又あらぬ君に心をうつしてかよひけるを、金もれ聞て、やすか、らず思ひけり、ある夜合宿したりけるに、法師何心なくて、れいのやうに彼事くはだてんとて、またにはさまりたりけるを、其よは腰をつよくはさみてけり、しばしはたはぶれかと思ひて、はづせはづせといひければ、猶はさみつめて、和法師めが人あなづりして、人こそあらめ、おもてをならべたるものに心うつして、ねたきめみするに物ならはかさんと云て、たヾしめにしめまさり、ければ、旣にあはをふきて死なんとしけり、

〔源平盛衰記〕

〈一〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0426 淸盛捕化鳥幷一族官位昇進禿童幷王莽事
適路次ニ逢輩ハ、御幸行幸ニ參會タル樣ニテ、手ヲツキ腰ヲカヽメ(○○○○○)走ノキテゾ過行ケル、禿ガ申事ヲバ、善惡ヲ糺サズ、入道許容シ給ケレバ、上下萬人是ニ追從シテ、善モ惡モ平、家ノ事ヲバ云ズ、

〔太平記〕

〈二十二〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0426 佐々木信胤成宮方
土佐守〈○中略〉出絹ノ中ヲ見入タレバ、年ノ程八十計ナル古尼ノ、額ニハ皺ノミヨリテ、口ニハ齒一モナキガ、腰二重ニ曲(○○○○○)テゾ乘タリケル、

〔陰德太平記〕

〈三十三〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0426 備中國松山落城附吉田左京亮自害事
左京〈○吉田左京亮義辰、中略、〉吾身ハ河中ナル石上ニ腰(○)ヲ掛、大音聲ヲ揚テ、吉田左京亮義辰ト云大剛ノ者ガ、自害スルヲ見置テ、後代ノ物語ニセヨヤトテ、腹十文字ニ搔切、サテ太刀ヲ取直シ、自喉ヲ押切テ、河水ノ底へ飛入ケル形象ハ、項王ノ鳥江ノ戰死、辨慶ガ衣川ノ立死モ、カクコソ有ケメト、前後ノ敵共アヽ切タリ左京トテ、感ズル聲少頃ハ鳴モ不レ止ケリ、彼腰掛タル(○○○○○)石ヲバ、時ノ人吉田石ト號シ、今ニ陵谷ノ變ニモ不値トカヤ、

〔陰德太平記〕

〈四十四〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0427 香川春繼討玉串昭則
春繼ハ、敵ノ後陣續キナバ惡カリナン、ヨシヤ相突ニ成バナレト思定メテ、蹈込丁ト突タハケレバ、昭則ガ運ヤ盡タリケン、草摺ヲ係テ細腰(○○)後へ寸ド突徹サレ、今迄ハサシモ鬼神ノ勇ミヲ成シ、玉串モ小膝ヲ折テ倒レケル所ヲ、春繼押ヘテ頸ヲ搔切ケリ、

〔松屋筆記〕

〈八十三〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0427 柳腰
埤雅〈十四卷〉柳條に、今言宮腰細痩之柳腰云々、

腰骨

〔倭名類聚抄〕

〈三/筋骨〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0427 髂 唐韻云、髂〈枯賀反、和名古之保禰(○○○○)、〉腰骨也、髖〈寛反〉兩髂也、

〔箋注倭各類聚抄〕

〈二/身體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0427 唐韻作枯駕切、在四十http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00443.gif 、賀在三十八箇、其韻不同、作賀誤、文選解嘲同訓、〈○中略〉廣韻同、〈○中略〉廣韻作兩股間也、按説文、髖髀上也、髀股也、爾雅釋文、文邏注玄應音義、太平御覽引説文、皆作髀股外也、今本説文、蓋脱外字也、段玉裁曰、髀上爲臀之兩旁、髖者其骨最寛大、諸書所謂䯊骨、䯊髂同、埤蒼作髂、字林作䯊、皆云http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00416.gif、謂上屬http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00416.gif 也、依是説、髖卽髂也、釋名亦要下臀上擧髖云、髖緩也、其腋皮厚而緩也、然慧琳音義云、腿正體作骽、考聲云、骽䯗也、股、也、字書髖也、字書以髖解骽字、與廣韻訓髖爲兩股間合、是唐韻亦以兩股聞髖字疑、然則髖」有http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00416.gif 骨股間二義、疑源君以髂又名一レ髖、引唐韻髖字此、然兩股間之解、不http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00416.gif、故改作兩髂間也、兩髂間是腰髁骨、非髖骨、唐韻舊文必不是、

〔增補下學集〕

〈上二/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0427 骼(コシホネ)

〔倭名類聚抄〕

〈三/身體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0427 膁 唐韻云、膁〈苦簟反、上聲(上聲原脱今據一本補)和名於比之波利(○○○○○)、〉腰左右虛肉處也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/身體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0427 昌平本、曲直瀨本、苦作古、按苦簟與廣韻合、屬溪母、古屬見母、其音不同、作古非、〈○中略〉按於比之波利、帶縛之義、今俗省呼於比之、或呼與和古之

〔增補下學集〕

〈上二/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0427 <ruby><rb>膁</rb>ヲビシバリ/ヲビシ〉

〔陰德太平記〕

〈五十九〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0428 伊丹城攻附北川原事
カクテ城中ニ謀反ノ者有之ト知テ、村重下知シテ密シク僉議シケルニ、八逆罪無逸シテ、露顯セシカバ、其兩人ヲ搦捕テ、臼ヲ抱カセテ胴切(○○)ニシ、敵ノ方へ擲出シケル、

乳房

〔倭名類聚抄〕

三/身體

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0428 乳 考聲切韻云、乳〈而主反、和名知(○)、〉母所以飮一レ子、之汁也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈二/身體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0428 按古謂乳潼乳汁、見古事記手間山條、謂乳房胸乳、見石屋戸條、嬭房訓知不佐、見靈異記、〈○中略〉希麟音義引、作嬭汁曰一レ乳、與此不同、按説文、人及鳥生子曰乳、是乳字本義、轉所以飮生子、之汁謂之乳、廣雅、湩謂之乳、説文、湩乳汁也、出乳汁之房亦謂之乳、急就篇、脾腎五臟膍齊乳、山海經、以乳爲目、齊爲口、太平御覽引春秋元命苞、文王四乳、是也、源君所擧、乳在胸臆後腹前、明是乳房、然則當急就篇山海經元命苞上レ之、引考聲切韻乳汁之義、非是、

〔伊呂波字類抄〕

〈知/人體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0428 乳〈チ〉 嬭房〈チフサ〉 乳府 乳㿈〈チフリ、イ本チフ、〉

〔下學集〕

〈上/支體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0428 乳房(チフサ)

〔日本書紀〕

〈二/神代〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0428 一書曰、〈○中略〉故特勅天鈿女曰、汝是目勝於人者、宜往問一レ之、天鈿女乃露其胸乳(○○)、抑裳帶於臍下、而笑噱向立、

〔古事記〕

〈上〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0428 故於是天照大御神見畏、閉天石屋戸而、刺許母理〈此三字以音〉坐也、〈○中略〉天宇受賣命〈○中略〉爲神懸而、掛出胸乳、裳緒忍垂於番登也、

〔古事記傳〕

〈八〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0428 胸乳とは、上代にたヾ知(チ)とのみ云は、人身に在乳に限ず、他の物にも多く有を總て云名にて、〈今世にも、幕などには此名遺れり、〉胸と云されば混し故にやあらむ、

〔源氏物語〕

〈十九/薄雲〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0428 ふどころにいれて、うつくしげなる御ち(○○)をくヽめ給ひつヽ、たはぶれゐ給ヘる御さまみ所おほかり、

〔拾遺和歌集〕

〈二十/哀傷〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0428 大僧正行基よみたまひける もヽくさにやそくさそへてたまひてしちぶさのむくいけふぞわがする

〔曾禰好忠集〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0429 夏四月
めも白妙に、色わかず、雪よりけなる、おもとじの、ちぶさのむくい(○○○○○○○)、するほどに、くる夏ごとに、あひくれど、〈○下略〉

〔松屋筆記〕

〈八〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0429 おもとじの乳ぷさのむくい
同集〈○曾丹集〉長歌に、目も白妙に、色わかず、雲よりけなる、おもとじのちぶさの・むくい、するほどに云々、按に、おもとじは母刀自なり、和名抄に、辨色立成云、嬭母和名知於毛、今按、卽乳母也と見ゆ、異本には、知もじなくて、たヾ和名於毛とあり、されど寶生院本にも、知於毛とあれば、異本の方は字落たるなるべし、母の一名を於毛ともいへるにや、乳ぶさは、遊仙窟に奶房をよめり、後撰に手ぶさにけがる云々、曾丹集に、手ぶさをひぢて云々、などあるふさも同義也、

〔技癢録〕

〈一〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0429 男子乳汁
凡人身體所具、無一不官能而存、獨至男子之乳、從來未其用、人或曰、男子之乳、吮之累日、皆亦生湩、後漢有兀紫芝李善二人乳流湩以哺遺孤、由是觀之、爭亂之世、鰥居之人、承乏以存哺養、故亦不其用也、


*1 頭註

Last-modified: 2019-05-05 (日) 13:31:30 (508d)