器用部/坐臥具二

疊/名稱

〔倭名類聚抄〕

〈十四/坐臥具〉

p.0051 疊 本朝式云、掃部寮、長疊短疊、〈唐韻云、徒恊反、重疊也、和名太々美、〉

〔箋注倭名類聚抄〕

〈六/坐臥具〉

p.0051 延喜掃部寮式有二長疊一、又有二短帖一、無二短疊一、疊帖或通用、〈○中略〉按式所レ謂疊者、重レ席作レ之者、疊訓レ重、故名二重席一爲レ疊也、〈○中略〉神代紀席薦同訓、按多々美多々牟用語、卽以爲二其名一也、多々與二所レ謂多々奈波流之多々一同、云レ美云レ牟、皆語辭、

〔伊呂波字類抄〕

〈太/雜物〉

p.0051 疊〈タヽムタヽミ〉

〔下學集〕

〈下/器財〉

p.0051 疊(タヽミ)

〔類聚名物考〕

〈調度四〉

p.0051 たゝみ 疊 帖とも書り

〔古事記傳〕

〈十七〉

p.0051 疊(タヽミ)は、白檮原宮〈○神武〉段ノ大御歌に、須賀多々美(スガタヽミ)、伊夜佐夜斯岐氐(イヤサヤシキテ)、倭建命ノ御歌に、多々美許母(タヽミゴモ)、幣具理能夜麻能(ヘグリノヤマノ)、遠飛鳥宮段ノ歌に、和賀多々彌(ワガタヽミ)などありて、いと〳〵古き名なり、皮を以て疊とせる例、此次に引る、弟橘比賣命云々、萬葉十六、韓國乃(カラクニノ)云々などのごとし、さて皮疊(カハダヽミ)、絁疊(キヌダヽミ)などあるを以て見れば、上代には氈茵(カモシトネ)などのたぐひをも、凡て多々美(タヽミ)と云へりしなり、〈右の白檮原ノ朝の大御歌に、菅疊(スガダヽミ)を敷て、二人御寢坐(ミネマシ)しよしあれば、敷て寢る物をも、疊と云しこと知らる、〉和名抄に、疊、和名太々美(タヽミ)、〈此ころに至りては、疊と云は、今ノ世にいふ疊にて、皮絁(カハキヌ)などのをば、疊とはいはず氈茵席(カモシト子ムシロ)など、おの〳〵別なり、さてその疊に又品々あり、長帖、短帖、狹帖、半帖、又厚帖、薄帖などあり、帖ノ字は疊と音を通はして用るなるべし、さて又其端に、暈〓端、錦端、兩面端、布端、綠端、黃端などくさ〴〵あり、掃部寮式などに委く見えたり、○中略〉さて物を重(カサ)ぬるを多々牟(タヽム)とも云へば、疊(タヽミ)と云名も、重(カサ)ぬるよしなり、 〈廣き物を狹く折約むるを、多々(タヽム)牟と云も、折れば重なる故なり、〉然れば疊は、上代には必幾重も重ね敷たる物なり、〈萬葉十一に、疊(タヽミゴモカサネアムカズ)薦隔編數、十二にも疊薦重編數(タヽミゴモカサネアムカズ)とある、此レは薦を幾重(イクへ)も重ね編て、一ツの疊に造るを云り、こはやゝ後の事にて、かの上代の如く、幾重も敷べきを、便リよく一ツに編重(アミカサ)ねて、厚く造リ成せる物なるべし、上代の疊は、後世の如く厚き物とは見えず、〉

〔嬉遊笑覽〕

〈一上/居處〉

p.0052 同傳〈(古事詔傳)二十八〉疊むとは重ぬることにて、菰を重ねて幾重もある意、又石だゝみ、乎だゝみ、藪だゝみ等あり、たゝみの義是なり、然るを今のうすべりのやうに心得るは非なり、むしろ一重なりとも、捲こそせめ、折たゝみなば、折めつきて用ふべからず、かぞふるには、一ひら二枚といひたり、幾帖といふはさらなり、又いづこにもあれ、たゝみ一枚二枚ばかり敷て用る事もあり、

〔倭訓栞〕

〈中編十三/多〉

p.0052 たゝみ 神代紀に席薦をよめり、たゝむを體にいふ詞なり、帖もよめり、藺筵をもよめり、延喜式に折薦帖あり、又大疊、小疊、長疊、短疊、重疊などいへり、八重疊へぐりの山など屬ければ、古へのたゝみは、今云薄緣の類なるべし、古事記に以二菅疊八重、皮疊八重、絹疊八重一、敷二波上一とも見えたり、緣は帝王院は繧〓緣也、親王大臣は大紋高麗緣也、公卿は小紋高麗緣也、四五位雲客は紫緣、六位侍黃緣也と海人藻芥に見えたり、今のたゝみは、中山傳信錄に、席(ゴザ)を以て草を包み、厚さ一寸ばかり、緣に靑布以てぬうといふにて知ぬべし、いつの比よりか始りけん、西土にはなきもの也、東涯も中國古者席レ地而坐、後世施二床椅一而處、用レ磚鋪レ地といへり、

〔嬉遊笑覽〕

〈一上/居處〉

p.0052 次でに云、疊(タヽミ)とは數合するもの故に名付、〈重ぬるにて折ることにあらず、今物をたゝむと云も重ぬるなり、〉古書に、たゝみめといふは、水草のわかめを集めて作りたるに、今の干海苔の類、今たゝみいわしといふ物と同義なり、

〔柳亭記〕

〈上〉

p.0052 疊 障子
昔疊といひしは、今の薄緣なり、源氏須磨へたゝせ給はんとし給ふ條に、疊ところ〴〵ひきかへ してと見え、おちくぼ物語に、三條の殿へわたり給ふ條に、げにしんでんはみなしつらひたり、屛風几帳とて、みなたゝみしきたりとあり、今の如くならば、疊しきたりとて、ことわるべきいはれなし、人住せざるときは、ひきかへしたゝみおくが故に疊といひしなり、宇治拾遺に、初瀨まうでする女の馬につけて、疊もちゆくは、道にそれを敷せて休ふるためなり、今の薄緣なる事、これ等をもて知るべし、さて散木奇歌集、長明方丈記等に見えたる、つかなみといふ物、今の疊の床といふ物の類と見ゆ、そのつかなみへ疊を綴(トヂ)つけたるが今の疊なるべし、〈予○種彦〉は知らざれど、此考は先達のはやくいはれし事のよし聞けり、その故に唯その一ツ二ツを記し、引書もおほかた略けり、今物語、或殿上人さるべき所へ參りたりけるに、をりふしも雪ふりて、月おぼろなりけるに、中門のいたにさぶらひゐて、寢殿なる女房にあひしらひけるが、此おぼろ月はいかゞし候べきといひたりければ、女房返事はなくて、とりあへずうちより、たゝみをおしいだしたりける、心ばやさいみじかりけり、
今のたゝみならざるは、女のカにておしいだすとしるべし、
〈古〉莵玖波集、誹諧の部、
たゝみにふな虫といふ虫の有けるを見て
よみ人しらず
舟むしはたゝみのうらをわたりけり
と侍るに
かうらいよりやさして來つらん
今の如く敷つめしたゝみにては、うらの虫は見えず、

疉名所/疊表

〔運步色葉集〕

〈多〉

p.0053 疊面(タヽミノヲモテ)

〔毛吹草〕

〈三〉

p.0054 丹波(/○○)疊表(タヽミノオモテ/○○) 備後疊表(○○○○) 肥前佐賀疊表(○○○○○○○)

〔梵舜日記〕

p.0054 慶長八年四月十六日、近江オモテ(○○○○○)疊屋ニ銀子十四匁七分相渡也、 十年八月七日、豐國社巫女屋疊面替卅疊、〈備後面〉神供所廿帖〈近江オモテ也〉神事祭前ニ申付出來也、 十一年七月廿四日、豐國社頭政所御産所、厚疊備後面十七帖、銀子卅九文目一分取也、來月神事ニ疊面替料也、
十七年十一月廿四日、神供所之疊之面廿一帖、烏目五百八十八文相渡也、近江面也、 十九年七月十九日、神供所疊面替申付、十四帖、備後面也、 廿日、次御厩九帖、備後面替申付也、 八月十六日、社頭兩緣疊十七帖、禰宜宿直所十帖、下座疊八疊、巫女屋疊廿帖、神供所疊十帖、御厩九帖、大門番所十帖、今度悉以備後面替レ之也、當社十七年忌御神事也、依レ爲二當月一、如レ此申付、悉筭用已下別儀ニ日記在レ之、

〔寶永のらく書〕

p.0054 寶永六年己丑落書
大錢に近江表(○○○)の帆をあげて稻がきのせてながす對馬に〈○中略〉
吟味せよ近江表の糸きれてむしが喰ふたかわらがひし〳〵

〔梵舜日記〕

p.0054 慶長七年九月五日、豐國社寶殿疊ヲモテ、廿一帖代銀子四十三文目相渡也、妙心院慶音取次、則請取有、 十二月廿六日、豐國巫女屋疊面、代四十四文目銀子相渡也、次同緣十一文目彦三郎相渡也、

〔國師日記〕

p.0054 一同日〈○元和七年九月一日〉藏福安井人足一人下ル、久右衞門八月廿日之狀來、數寄やたゝみの面六狀、同へり壹たん、〈○中略〉下ル、
一同日〈○寬永四年十月十四日〉京ゟ人足下ル、〈○中略〉一疊面上々三疊、但勝手ノ、一同上八疊一高宮之へり拾端、一八月一日〈○寬永六年、中略、〉廉首座、秉拂入用相調置由申來ル、
下物〈○中略〉 一書院面貳百廿疊 御數寄屋面八疊 同とこの面一でう 貳間之とこ貳枚 七尺之面貳疊〈○中略〉
一同七日〈○九月、中略、〉崇壽院樣八月廿四日ゟ、御腹中氣にて御藥進上之由申來、久右衞門ゟも追而狀にて御煩之義申來ル、又追而狀來、〈○中略〉下物案左ニ有レ之、
下物〈○中略〉
一たゝみの面四拾五帖 一三間之とこ、但壹間半一枚、 一貳間之とこ壹枚 一壹間半とこ壹枚
一同〈○寬永八年九月〉十一日德西堂上ス、久右衞門江書狀遣す、〈○中略〉數寄屋疊之面八疊分下す事、同へり 一端下ス事、〈○中略〉書院疊面廿七疊二間床下ス事、同へり三端下ス事、常之くろこへり十端下す事、〈○中略〉彼是用所共申遣す、
一同日〈○寬永九年九月十八日〉飛脚介三上ス、良長老久右衞門ニ一紙ニ狀遣ス、戸帳之用ニ紺地之金襴一卷、赤地之段子一卷、紫地金襴之切、是ハ御成之時、御座疊之面ニ取候殘也、大目有、〈○下略〉

〔續武家閑談〕

〈十九上〉

p.0055 一大猷公〈○德川家光〉御灸俄ニアソバサレ候トキフラミゴヲ可二指上一旨上意アル、殿中ノ事ナレバ急ニ無レ之、御賄方へ申付候ヘドモヲソク候キ、ソノ時豆州〈○松平信綱〉御タヽミノ表新鋪ガ、イカ程モアルベシ、ソレヲ切サキ候ヘト被二申付一故忽差上、御用相スミ候也、

疊緣

〔運步色葉集多〕

p.0055 疊緣(ノヘリ/○○)

〔北邊隨筆〕

〈二〉

p.0055 疊の緣
おなじ物語〈○堤中納言物語〉に、錦はし、かうらいはし、うげん、紫はしの疊、それはべらずは、布べりさしたらんやれ疊にてまれ貸し給へ、たまえに苅るまこもにまれ、あふ事かた野の原にある、すがごもにまれ、たゞあらんをかしたまへ云々、この書きざまをみれば、布なるをのみ、へりといへるは、賤 しき疊をば、へりとはいひけんとおぼゆれど、枕草紙に、うげんべりの疊ともみえたり、しかればそれにもかぎるべからねど、延喜式等みな端の字を用ひられたれば、へりといへるは後にて、ふるくははしといへるにこそ、式其外江次第、また雲圖抄、類聚雜要など、いづれも端の字を用ひられたり、そが中に式の勘解由に、紺布端茵六枚云々とあるは、いま民間にも用ふるに同じ、又園太曆廿三上、便宜所懸二伊豫簾一、敷二鈍色緣疊等一云々とみゆれど、この上文には疊端ともかゝせたまへり、

〔貞丈雜記〕

〈十四/家作〉

p.0056 一疊のへりに繧〓緣と云ふは、白地に色々の糸を以て花などをおり付けたる織物にて、へりをするなり、たとへば赤き糸にて花をすれば、花のまはりをうす赤き色にて、細くへりをとり、又其外は一段うすき色にて、へりをとるなり、其外の色も是れに准じ知るべし、貞丈云く、繧〓は本字暈〓也、暈〓は錦の名也、色々の糸を以て、文を織るなり、文の形は不定なり、暈は日月のかさと云ふ字なり、〈カサとは、日月の外に、輪の如くなる氣を云ふ、〉かの錦の文の廻りに、同じ色にて、濃き色と、中色と、薄色とをかさねて、三重にへりをとりて織る色、日月の廻りの暈の如くなれば、暈〓錦と云ふなり、〈畫師の彩色を入るに、官女の衣服の袖口などを、重ねたる體をいうどるに、上に重ねたるは色こく、其次は少うすく、其次に猶うすく、次には段々にうす色にいろどるを、うんげんと名付くるも、うんげん錦に似れる故の事なり、〉高麗緣は綾なり、白地に文をば黑く織るなり、是も紋は不定雲形菊花など、其外不定也、白き麻布に黑く文を染めたるは、かの綾を似せたる略物なり、

〔安齋隨筆〕

〈後編十四〉

p.0056 一疊のへり、高麗緣は白地に黑紋を織る也、〈略には染る〉繧〓緣と云は、赤地に黑黃の二色にて筋を織たる也、厚疊の緣は此二色也、

〔毛吹草〕

〈三〉

p.0056 山城 安居院疊緣(アグ井ンニタヽミノへリ)〈高麗ベり、雲〓べり也、〉

〔茶傳集〕

〈九〉

p.0056 一疊のへりは、書院廣座敷ゟ二疊一疊半の侘小座敷ニ至ル迄、一寸べり定法也、

〔尤の草紙〕

〈上〉

p.0056 せばき物之しな〴〵 たゝみのへり

〔海人藻芥〕

p.0057 疊之事
帝王院繧〓端也、神佛前半疊用二繧〓端一、此外實不レ可レ用者也、大紋高麗ヲバ親王大臣用レ之、以下更不レ可レ用、大臣以下公卿小紋ノ高麗端也、僧中者僧正以下、同有職非職ハ紫端也、六位侍ハ黃端ナリ、諸寺諸社三綱等皆用二黃端一云々、四位五位雲客用二紫端一也、

〔有職問答〕

〈四〉

p.0057 一疊のへりの紋の事、天子親王攝家三公以下次第如何、
〈繧〓、高麗、〉〈大文小文〉〈紫緣、黃緣等、寢殿以下、其所ニシタガヒテ令レ敷レ之、大略三公家通用也、〉

〔市中取締類集〕

〈在町家作一〉

p.0057 家作相直候廉々奉レ伺候書付
市中取締懸名主共
〈ヒレ付〉書面家作上相直伺之内ニハ、是迄御觸被二仰渡一之廉々顯然不レ仕も有レ之候得共、夫々奢侈之品ニ付、都而伺之通リ相直候樣被二仰渡一候方、名主共心得方一定仕可レ然哉ニ奉レ存候、
卯〈○天保十四年〉五月十四日 市中取締懸〈○中略〉
〈疊緣〉一雲げん
一りうび
一大もん 小もん
一麻かうらい
右者今般家作別莊之内、不相應之造り方仕候分、南茅場町家持永岡儀兵衞外四拾九人之者共被二召出一、早々可二相直一旨被レ仰儀ニ付、私共ゟ相直候分ハ、取調御訴可二申上一、右ニ付可二相直一廉々被二差定一、區區ニ不二相成一樣仕度、書面申上候口々相當之分ハ、爲二相直一可レ申哉奉レ伺候以上、
卯五月 〈市中取締掛〉名主共

疊床

〔嬉遊笑覽〕

〈一上/居處〉

p.0058 床はもと神代卷に同レ床共レ殿とありて、ゆかと訓り、又とことも云ふ、萬葉集に、奧床に母は睡有(いねたり)、外床(ととこ)には父は寢有(いねたり)とあり、床は臥床(ふしど)をいふ也、されど漢土の如く別に床作りて、其上に臥にはあらず、古への人家すべて板敷なれば、坐臥する處には疊を敷、その臥ところを床といふなり、今疊(○)に床(○)といふこと、この意にかなへり、

疊板

〔倭訓栞〕

〈中編十三/多〉

p.0058 たゝみいた(○○○○○) 神社、朝廷、都鄙、遠島、幽谷といへども、屋中必用レ床布二疊板一、異邦に異也、

疊製作

〔延喜式〕

〈三十八/掃部〉

p.0058 雜給料
長帖(○○)一枚、〈長一丈九尺、廣三尺六寸、〉料長席一枚、折薦三枚、細繩十丈、長功六枚、中功五枚、短功四枚、

〔延喜式〕

〈三十八/掃部〉

p.0058 供御料
短帖(○○)一枚〈長四尺五寸、廣四尺、〉料織席一枚、葉薦二枚、端料暈〓生絁各五條、〈一條長五尺五寸、四條各長五尺、廣並三寸、〉曝布四尺五寸、又一條、〈長四尺五寸、廣一尺六寸、〉紫絲三銖、紫革一條、〈方四寸〉苧三兩、細繩七丈、長功一人、中功一人半、短功二人、
雜給料
短帖一枚、〈長三尺五寸、廣三尺二寸、〉料織席一枚、調折薦一枚、端料綵帛五條、〈一條長四尺五寸、四條各長四尺、廣並三寸、〉庸布二條、〈各長三尺五寸、一條廣二尺四寸、一條廣八寸、〉色絲三銖、緋革一條、〈方四寸〉熟麻四兩、細繩五丈、長功一人、中功一人半、短功二人、
右厚帖(○○)用度具依レ件、其薄帖(○○)料綵帛幷葉薦各減レ半、〈短帖減二少半一〉功程毎レ色減二半人一、〈短帖減少半人一〉二餘皆同レ厚、〈○中略〉一位短帖一枚、〈長六尺、廣四尺、〉二位短帖一枚、〈長五尺、廣四尺、〉並料黑山席一枚、葉薦四枚、端料黃帛二尺三寸一分、裏料調布一丈、黃絲一分、黃革一條、〈方四寸〉苧四兩、細繩六丈、長功一枚半、中功一枚四分之一、短功一枚、
三位短帖一枚〈長四尺六寸、廣四尺、一重不レ著二裏布一〉料黑山席六尺六寸、葉薦三枚、席端料黃帛一尺四寸、薦端料黃調布二尺三分、黃絲一分、黃革一條、〈方四寸〉苧四兩、細繩六丈、長功二枚、中功一枚大半、短功一枚小半、
五位已上短帖一枚、〈長四尺、廣三尺六寸、〉料調席五尺、葉薦二枚、端料黃調布一尺五寸、苧二兩、細繩二丈、長功五 枚、中功四枚、短功三枚小半、
六位以下短帖一枚、〈長廣同二五位一〉料凡席五尺、折薦一枚、細繩二丈、長功廿枚、中功十七枚、短功十三枚、

〔延喜式〕

〈三十八/掃部〉

p.0059 造二鋪設一功程
神事料白端狹帖(○○)一枚、〈長九尺、廣四尺五寸、〉端料暴布二條、〈各長九尺五寸、廣六寸、〉裏料暴布一丈八尺、麻八兩一分、木綿二兩二分、織席一枚、編薦二枚、細繩十五丈、長功日一人半、中功日二人、短功日二人半、
狹帖一枚、〈長八尺、廣四尺、〉端料暴布二條、〈各長八尺五寸、廣六寸、〉裏料暴布二條、〈一條廣二尺四寸、一條廣一尺六寸、長別八尺、〉麻八兩、木綿二兩、織席一枚、編薦二枚、細繩十三丈、長功一人、中功一人半、短功二人、
狹帖一枚、〈長一丈二尺五寸、廣四尺二寸、〉端料暴布二條、〈各長一丈三尺、廣六寸、〉麻五兩一分、木綿二分、黑山席一枚半、篇薦二枚、細繩十五丈、長功一人半、中功二人、短功二人半、
狹帖一枚〈長六尺、廣四尺、〉端料曝布二條、〈各長六尺五寸、廣六寸、〉裏料暴布二條、〈一條廣二尺四寸、一條一尺六寸、長各別六尺、〉麻六兩、木綿二兩、織席一枚、細繩十丈、編薦一枚、長功一人、中功一人半、短功二人、〈○中略〉
供御料
狹帖一枚、〈長八尺、廣五尺、〉料織席一枚、葉薦四枚、端料錦生絁各五條、〈一條長九尺、四條各長八尺五寸、廣並三寸、〉帖裏料曝布一丈六尺、又一條、〈長八尺、廣三寸、〉紫絲一分、苧大五兩、紫革一條〈方七寸〉細絶十五丈、長功日二人、中功日二人半、短功日三人、
狹帖一枚、〈長八尺、廣四尺、〉料出雲席一枚、葉薦四枚、端料兩面生絁各五條、〈一條長九尺、四條各長八尺五寸、廣並三寸、〉著レ裏料布二條、〈一條長八尺、廣二尺四寸、一條長八尺、廣一尺六寸、〉綠絲一分、紫革一條、〈方六寸〉苧大四兩、細繩十五丈、長功一人半、中功二人、短功二人半、
狹帖一枚〈長六尺、廣四尺、〉料織席一枚、葉薦四枚、端料暈〓生絁各五條、〈一條長七尺、四條各長六尺五寸、廣並三寸、〉若レ裏料曝布二條、〈各長六尺、一條廣二尺四寸、一條廣一尺六寸、〉紫絲一分、紫革一條、〈方六寸〉苧四兩、細繩十丈、長功一人半、中功二人、短功二人 半、〈○中略〉
雜給料
狹帖一枚、〈長八尺、廣三尺六寸、〉料調席一枚、調折薦三枚、端料綵帛五條、〈一條長九尺、四條各長八尺五寸、廣並三寸、〉色絲一分、緋革一條、〈方五寸〉裏料庸布二條、〈各長八尺、一條廣二尺四寸、一條廣一尺二寸、〉熟麻八兩、細繩十三丈、長功一人半、中功二人、短功二人半、〈○中略〉
狹帖一枚、〈長八尺、廣三尺六寸、〉料調席一枚、調折薦二枚、端料紺布二條、〈別長八尺五寸、廣四寸、〉熟麻八兩、木綿二兩、細繩十丈、長功一人半、中功二人、短功二人半、
狹帖一枚、〈長二丈、廣三尺六寸、〉料長席一枚、調折薦四枚、端料紺布二條、〈各長一丈五寸、廣四寸、〉熟麻十二兩、木綿三兩、細繩十丈、長功一人半、中功二人、短功二人半、
狹帖一枚、〈長二丈、廣三尺六寸、〉料長席一枚、調折薦四枚、端料紺布二條、〈各長二丈五寸、廣四寸、〉熟麻十三兩、木綿五兩、細繩廿丈、長功三人大半、中功五人、短功六人、貫二雜色革一長功一人百廿條、中功一百條、短功八十條、〈○中略〉
狹帖一枚〈長八尺、廣三尺六寸、〉料短席一枚、折薦二枚、細繩四丈、長功十枚、中功八枚小半、短功六枚半、

〔延喜式〕

〈四十三/春宮〉

p.0060 紫端帖(○○○)四枚、〈厚薄各二枚〉綠端(○○)卅二枚、〈厚薄各十六枚〉黃端(○○)卅二枚、〈厚薄各十六枚〉料紫帛三丈六尺八寸六分、紫絲一兩二分、綠黃帛各三疋五尺一寸二分、絹六疋四丈七尺一寸、綠絲八兩、黃絲八兩、紫革卌條、〈二條各方七寸、十五條各方六寸、十八條各方五寸、三條各方四寸、二條各方三寸、〉黃革卅二條、〈十六條各方五寸、十六條各方四寸、〉調布廿三端三丈八尺、熟麻大廿六斤十三兩、出雲席卌枚、〈四枚各廣五尺、卅六枚各廣四尺、〉東席卅二枚、葉薦一百十八枚、折薦九十六枚、
右年料坊官請受供レ之

〔空穗物語〕

〈藏開中〉

p.0060 三條殿のかくて源中納言殿のうぶやの七日のよになりぬれば、〈○中略〉かべしろには、しろきあやをうちやうじたり、たゝみにはこんわたをこもにむらさきのうらつけて、からのにしきのはしさし、しろきあやをむしろにしたり、しとねうはむしろは、例のごとすのこにも かくしたり、

〔類聚雜要抄〕

〈四〉

p.0061 中敷三帖〈各一帖、差料十八疋、〉〈各六疋〉〈飡料六升、〉〈各二升〉
南殿料一帖〈長九尺、弘四尺五寸、厚一寸七分許、〉 淸凉殿幷夜大臣料二帖〈各一帖、長各八尺、弘各四尺三寸、厚一寸七分許、〉
下敷六帖〈各二帖、差料卅六疋、〉〈各六疋〉〈飡一斗二升、〉〈各二升〉
南殿料二帖〈長各九尺、弘各四尺五寸、厚一寸七分許、〉 淸凉殿幷夜大臣料各二帖〈長各八尺、弘各四尺、厚如レ上、〉
地敷六帖〈各二帖、差料卌二疋、〉〈各七疋〉〈飡一斗八升、〉〈各三升〉
南殿料二帖〈長各一丈三寸、弘各五尺一寸五分、厚二寸三分許、〉 淸凉殿幷夜大臣料各二帖〈長各九尺三寸、弘各四尺六寸五分、厚如レ上、○中略〉
繧〓端
二帖〈夏冬〉
〈同前也〉
高麗
夏十六帖冬
廿一帖各加
左右妻庇定
長弘地鋪定
裏生平絹三乃 入紙中倍
國筵薦各十餘枚
長七尺五寸 弘三尺五寸
裏細美布三乃
單功十疋
〈各五疋〉
飡二升〈各一升〉單功四十
八疋〈各三疋〉
飡一斗六
升〈各一升〉 繧〓六帖内
一帖帳中敷〈寸法注レ前、京筵一枚、薦十五枚許、中倍入レ紙、緣四尺、裏生平絹二丈四尺、〉〈三乃定〉〈五尺縒糸廿一筋、單功、〉
二帖同地敷料〈寸法注レ前、京筵二枚、薦各廿枚、緣各四尺八寸、裏生平絹五丈七尺、〉〈三幅定、各二丈八尺五寸、〉〈入二上紙中倍一、單功、〉
三帖帳西用料〈調度注レ前、長各七尺五寸、弘各三尺六寸、厚一寸五分許、單功、〉
枚別京筵一枚、各薦十二枚許、各緣四尺、各裏生平絹一丈七尺、入二上紙中倍一、糸如レ前、〈○中略〉
〈帳東副料〉高麗端疊二帖許〈但夏一帖用レ之、長七尺五寸、又八尺、弘三尺五寸、裏細美布各長二丈二尺、〉〈三乃〉〈國筵一枚、薦八枚、單功十疋、〉〈各五疋〉〈五尺縒糸廿一筋、單功飡二升、〉〈各一升〉
一北庇具目錄〈○中略〉
繧〓端疊四帖〈夏冬同前、凡庇具定、〉
單功廿疋、〈各五疋〉飡四升、〈各二升〉
高麗端
夏十九帖〈内妻庇二帖〉單功五十七疋、〈各三疋〉飡一斗九升、〈各一升〉冬廿九帖、〈内妻庇二帖〉

〔三中口傳〕

〈三〉

p.0062 〈三條〉一鋪設裝束事
疊事
繧〓端帖 面京筵、裏ハ白布ヲ付テ其上白生絹ヲ覆也、紙ヲ付テ絹ヲ覆非例也、
大文高麗端帖 面京筵、裏白布三幅可レ付レ之、
小文高麗幷紫端帖 面國筵、裏白布三幅可レ付レ之、
以上大文以下、布二幅ヲ付ル非例也、

〔雍州府志〕

〈七/土産〉

p.0062 疊 倭俗堂室之座席是謂レ疊、凡疊量法、長六尺三寸、幅三尺一寸五分、是謂二一間一、先以レ藁造レ臺、厚三寸許、又別以二藺莖一編レ蓆、藺中華所レ謂燈心草也、其編レ之或謂レ打、是則所レ謂疊面也、自二備後一來者爲レ良、丹波近江之所レ打、是爲二下品一、以二斯面一敷二芻牀上一、處々以二麻苧一縫レ之、而後著二緣於兩端一、是謂二疊一帖一、 凡疊緣、白地織二雲象一、是謂二雲〓緣一、是禁裏院中、及諸親王、攝關家、諸門主爲二准后一時用レ之、白地有二小紋一之緣、是謂二高麗緣一、元此帛自二高麗一來者也、是公卿以上用レ之、赤色緣、地下人之所レ座也、黃色又其次也、於レ今藍染緣、武家及地下良賤通用レ之、按古所レ謂疊今緣取(○○)也、稱二厚疊(○○)一者今所レ用之疊也、今世其厚倍二常疊一者、謂二厚疊一、是謬傳也、

〔和漢三才圖會〕

〈三十二/家飾具〉

p.0063 疊席(たゝみ) 席薦〈日本紀〉 疊〈音牒〉 和名太々美〈○中略〉
按疊〈ハ〉重也、厚也、重疊之義也、用レ藁緊括踏堅、厚一寸餘、粗縫固謂二之疊牀一、〈太々美乃止古〉以レ薦爲レ裏、以二藺席(井ゴザヲ)一爲レ表、其緣有二高麗緣、繧〓緣、絳絹(モミノ)緣之品一、尋常民間之緣皆紺布、而江州高宮布爲レ上、豐州府内布次レ之、
表席出二於備後一者爲レ上、備中、備前次レ之、江州又次レ之、〈江州亦有二抜群之上席一〉丹波雖レ卑性剛韌也、凡備州之莞、短細、故席皆繼レ半、而織目有二六十六疇一、江州、丹州之莞、長而不二中繼一、而織目有二六十一、
禁裏御疊長七尺、〈横卽長之半裁〉厚二寸二分、
三公及門跡御疊長六尺六寸、厚一寸八分、吉野高野兩山亦用レ之、故呼曰二高野間(○○○)一、
畿内民家疊長六尺三寸、厚一寸七分謂二之京間(○○)一、
關東民家疊長五尺八寸、厚一寸六分謂二之田舍間(○○○)一、

〔倭訓栞〕

〈前編二十九/末〉

p.0063 ま〈○中略〉 疊に京間、中間(○○)、田舍間の別あり、

〔東厓談叢〕

〈上〉

p.0063 疊子
吾國宮室之制、堂室接連、別屋相通、室去レ地二三尺許、施レ架、架上加レ板、上鋪二疊子一、疊子編二稻稗一爲レ質、捆㧻使レ堅、上施二藺〈灯心艸也〉席一、其兩端以二布或綿布或皮一緣レ之、厚可二二寸一、室之廣狹量數、而作二長六尺三寸一爲二一間一、濶三尺、寸半爲二間半一、室之廣者中筵量レ之制想如レ此、

〔皇都午睡〕

〈三編上〉

p.0063 江戸は勿論、五里七里脇の城下にても、疊一間と云は五尺八寸、半間は二尺九寸也、京攝の如く京間といひて、六尺三寸の疊は曾てなし、猶裏店は五尺間もあり、

〔茶道筌蹄〕

〈一〉

p.0064 小座鋪之部
疊 六尺三寸にかぎる、京間は厚サ一寸七分也、大坂は一寸八分、〈六尺五寸疊は二寸二分なり〉

疊種類/以原質爲名

〔台記〕

p.0064 仁平元年正月廿六日壬戌、今日於二東三條一再行二大饗一、〈○中略〉 廿七日癸亥、撤二尊者已下辨已上膳一、〈○中略〉裝束、〈○中略〉
南廂西二三間、敷二靑錦緣龍鬢帖(○○○)〈白絹裏〉二枚一、〈以二西二間東柱一當二二枚續目一〉爲二親王座一、〈東上北面〉

以製作爲名

〔延喜式〕

〈五/齋宮〉

p.0064 年料供物〈○中略〉
折薦帖(○○○)九十枚、〈(中略)已上官人已下料○中略〉供二新嘗一料、〈○中略〉折薦帖二枚、〈已上寮充之〉 右掃部所レ請、〈○中略〉
齋宮鋪設〈○中略〉
寮助板牀桾牀各一張、折薦帖二枚、〈○中略〉 右齋内親王向レ國鋪設、初年當國供之、後年寮司備之、

〔延喜式〕

〈三十八/掃部〉

p.0064 儲料、〈○中略〉折薦帖百六十枚、〈○中略〉
右諸祭及齋會節會等座以二件儲料一鋪之、貯二收寮家一、隨レ事出用隨レ損料度、申レ省造換、

〔西宮記〕

〈四月〉

p.0064 改二御裝束一
御座〈掃部司供二御疊一〉
三日掃部寮進二端料請奏一、〈○中略〉折薦疊四枚、〈二枚出納〉〈掃部寮〉〈二枚小舍人〉〈掃部寮〉已上内藏寮所レ進、〈承和例云、受二掃部寮一云々、〉

〔江家次第〕

〈九/十月〉

p.0064 射場始
同〈○明義門〉廊東第一間南砌、敷二折薦帖一爲二出居座一、〈北上西面〉雨儀公卿座末、横切敷レ之、〈南上○中略〉
安福殿南一間、敷二折薦帖一爲二射手座一、堋西立二的申床子一、神仙門内南北相對、敷二折薦帖一爲二侍臣座一、〈東西妻〉

〔本朝世紀〕

p.0064 久安三年十月廿九日己未、今日有二射場始事一、〈○中略〉南殿西壇下南北行、舖二折席長疊(○○○○)一爲二出居座一、〈南上西面、件座雨日敷二公卿座末一也、○中略〉神仙門内二行、舖二折席長疊一爲二殿上侍臣座一、〈件座間敷レ席、撤二御膳棚時簡等一、立二下侍西面南壁邊一、〉安福殿東廂第一間舗二折席疊(○○○)一爲二的申矢取等座一、〈但的申座、用二床子一歟可レ尋、西宮記云、棚西立二的申床子一云々、〉

以形狀爲名

〔延喜式〕

〈五/齋宮〉

p.0065 年料供物〈○中略〉
長帖(○○)二枚〈(中略)已上官人已下料〉

〔延喜式〕

〈十四/縫殿〉

p.0065 年料雜物
長帖十枚

〔延喜式〕

〈十六/陰陽〉

p.0065 凡造曆用度者、〈○中略〉座料長疊四枚、〈請二掃部寮一〉

〔延喜式〕

〈二十/大學〉

p.0065 凡講書博士已下座料、〈○中略〉長疊廿八枚、並隔二三年一申レ省請受、
凡諸堂食座料、長疊十枚、三年一爲二請替一、

〔延喜式〕

〈三十八/掃部〉

p.0065 凡大學諸堂學生食座料、長疊十枚、隔二三年一行之、
儲料、〈○中略〉長帖五十枚、
右諸祭及齋會節會等座、以二件儲料一鋪之、貯二收寮家一、隨レ事出用、隨レ損料度、申レ省造換、

〔江家次第〕

〈十四〉

p.0065 建禮門行幸裝束
西方南北面、〈○中略〉次靑端長疊二枚、〈參議座〉

〔續修東大寺正倉院文書〕

〈十六〉

p.0065 鋪設物
長疊二枚 短疊五枚〈○中略〉
記書外在〈○中略〉 更高屋受 短疊五枚 長疊一枚 薦一枚
○按ズルニ、本書ハ皇后宮職解文ノ紙背ニ在リテ、此前文ニ天平二年七月四日高屋連赤麿トアリ、

〔法隆寺伽藍緣起幷流記資財帳〕

p.0065 合通分雜物參拾伍種〈○中略〉
長疊漆拾捌枚〈二枚錦端枚紺布端〉 〈一枚綠端 六枚黃端 卅二十六枚白布端 八枚折薦〉

〔内裏歌合〕

p.0065 〈殿上日記〉天德四年三月卅日、女房有二歌合之事一、〈○中略〉後凉殿東小簀子敷、從二渡殿一南北相分敷二長疊一、爲二 左右侍臣座一也、

〔朝野群載〕

〈十五/陰陽道〉

p.0066 申二請造曆用途物一、
陰陽寮解 申下請寫二來年料曆一用物上事〈○中略〉
長疊四枚〈○中略〉已上目錄〈○中略〉 長疊四枚〈左辨官下二宮内一○中略〉
右寫二來萬壽三年曆一料、用度雜用料、依レ例陰陽寮所レ請如レ件、
萬壽二年七月四日 左少史小野朝臣奉政奉
左大臣宣旨宛レ之 右少辨藤原朝臣

〔中右記〕

p.0066 嘉保三年〈○永長元年〉三月廿四曰、今日御二覽臨時殿上賭弓一、〈○中略〉又無名門代中敷二筵幷長疊一爲二侍臣座一、

〔延喜式〕

〈五/齋宮〉

p.0066 年料供物〈○中略〉
短帖(○○)一枚〈(中略)已上秋冬料〉春夏料亦如レ是、但爲二薄帖一、〈掃部寮作備、毎年二季供之、○中略〉短帖三帖、〈已上乳母料○中略〉短帖十三枚〈(中略)已上官人已下料〉

〔延喜式〕

〈三十八/掃部〉

p.0066 凡御座者、〈○中略〉其神事幷仁壽殿等座、設二短帖一、

〔江家次第〕

〈一/正月〉

p.0066 四方拜事
一所拜二天地一之座、〈在レ東〉座前机置レ華燒レ香、〈其香花各盛二中垸一〉
以上座鋪二短帖一

〔江次第抄〕

〈一/正月〉

p.0066 以上座鋪二短帖一 短帖、掃部寮供進、皆淺黃緣半帖也、

〔長秋記〕

p.0066 大治四年七月十五日辛卯、〈○中略〉院〈○鳥羽〉於二此中一著二錫紵一、〈○此月七日白河崩、中略、〉遷二御倚廬一、東對北第三渡殿爲二倚盧代一、〈○中略〉敷二鈍色廣疊(○○)一帖一爲二御寢所一、長押下傍レ北敷一同疊二枚一、此外無二他事一、

〔下學集〕

〈下/器財〉

p.0066 半疊(ハンデウ/○○)

〔延喜式〕

〈三十八/掃部〉

p.0067 元日平旦、設下奉レ拜二天地四方一御座上、〈○中略〉三所敷二半帖一、

〔江家次第〕

〈九/九月〉

p.0067 同〈○小安殿〉行幸次第
其東第一門西邊立二大宋御屛風三帖一、〈○註略〉件屛風不レ及二南障子一五尺許、其東敷二繧〓端半帖一枚一爲二拜座一、〈隨用二高麗端一、然而前例如レ此、○中略〉
行二幸神祇官一被レ立二伊勢幣一儀
正廳内東第一間數二滿薦一、〈○中略〉其西立二大宋御屛風一、其東敷二小筵二枚一、其上敷二高麗端半帖一枚一、爲二御拜座一、

〔法隆寺伽藍緣起幷流記資財帳〕

p.0067 合通分雜物參拾伍種〈○中略〉
半疊玖拾參枚〈一枚錦端七枚黃端〉 〈五枚紫端 十三枚綠端 十冊枚白布端 廿五枚折薦〉

〔中右記〕

p.0067 寬治五年十二月十日甲子、被レ立二臨時伊勢奉幣一、〈○中略〉掃部寮敷二小筵二枚一、上敷一半疊一、〈向二巽方一〉
永長元年八月廿日丁丑、未時許參内、今日有二錫紵著御事一、〈○中略〉戌刻供二御裝束一、〈○中略〉御屛風二帖立廻、〈掃部寮官人役之、有二鎭子一、〉其中敷二小筵二枚一、上供二綠端半疊一枚一、靑端也、 二年〈○承德元年〉三月廿七日、依レ爲二春日行幸行事一、下二向南京一也、 廿八日壬午、卯時許、與二大夫史一、〈○祐俊宿禰〉相共參二御所著到殿一、相二催諸司一令二御裝束一、〈○中略〉又件御座〈○御拜御座〉高麗端疊二枚上敷二同半帖一、而去寬治三〈○三、一本作レ二、〉年三月十一日行幸之時、敷二小筵二枚一、上用二高麗半帖一枚一者、件事如何、不レ知二其故一、相二尋人々一處、如レ此神社行幸御拜時、皆敷二高麗端二枚一、仍今度用二高麗一也、

〔尊勝寺供養記〕

p.0067 康和四年七月廿一日甲辰、今日有二尊勝寺供養事一、〈○中略〉高座上敷二繧〓端半帖一、高座中央置二立禮盤二脚一、〈下敷二小筵一〉其上敷二繧〓端半帖一、

〔長秋記〕

p.0067 大治四年正月廿九日戊申、兩院〈○白河、烏羽、〉御二幸賀茂社一也、〈○中略〉及二申刻一御禊、其儀藏人二人取二小筵半帖一、入二御簾中一鋪了、

〔師贇記〕

p.0068 文化五年二月廿七日癸巳、春日社正遷宮ニ付、今朝卯刻調進物、黃端半疊〈六枚〉葉薦、〈首八拾枚〉六包ニ致、宰領令二發足一畢、

〔仁孝天皇御卽位記〕

p.0068 御卽位調進物御下行
掃部寮〈○中略〉
同〈○米〉萱石六(疑侍從)斗、綠ふち小半疊(○○○)四帖〈○中略〉同壹石六斗、〈威儀命婦座 綠緣半疊二帖〉同三石二斗、〈御後命婦座 同疊二帖〉

〔運步色葉集〕

〈宇〉

p.0068 薄緣(ヘリ/○○) 薄疊(タヽミ/○○)

〔倭訓栞〕

〈前編四/宇〉

p.0068 うすだゝみ 大嘗會式に薄疊とみゆ、又うすべり(○○○○)といふ、薄緣の義、三議一統に見えたり、古へのたゝみは是成べし、韓子に禹王蔣席を作り、頳緣すと見えたれば、緣の飾を加へたる始め成べしといへり、凉簟といふも是なり、

〔松屋筆記〕

〈三十八〉

p.0068 薄疊幷ウスベリといふ敷物
今の世うすべりといふは、いにしへの薄疊(ワスタヽミ)也、今のタヽミは、いにしへ厚疊(アツダヽミ/○○)といへり、

〔和長卿記〕

p.0068 明應九年十二月十一日辛卯、今夜倚廬渡御也、〈○後柏原、此年九月二十八日、御父後土御門崩、〉武家用脚依二遲々一也、〈○中略〉御帳東面前敷二薄疊三帖一爲二常御座一、〈緣同上〉

〔國師日記〕

p.0068 一同十二日〈○寬永六年十月〉松平長門殿ゟ九月廿四日狀來ル、爲二御成之御祝儀一、銀子貳拾枚、薄端(○○)百枚來ル也、〈○中略〉
一同十九日、松平長門殿へ返書遣ス、銀子廿枚、薄緣(○○)百枚之禮も申遣ス、〈○下略〉

〔毛吹草〕

〈三〉

p.0068 攝津 疊(タヽミ) 薄緣(ウスベリ)〈麁相物諸國ニ行〉

〔壬生家記〕

p.0068 掃部頭記
貞享度神座設樣〈南枕〉
一白布緣疊 一枚 長サ壹丈二尺、ウスベリ也、
一白布緣疊 四枚
長サ六尺、ウスベリ也、枕方二枚ニ有二裏布一、
一白布緣疊 四枚
長サ九尺、ウスベリ也、内二枚ニ裏布有、有二裏布一疊二枚重テ、東方へ聊引出敷也、
一白布緣八重疊 八枚
長サ八尺、ウスベリ、内一枚ニ裏布有、

〔近衞殿御婚儀次第〕

p.0069 文政八年二月六日、近衞内大臣殿〈○忠熙〉薩摩國守息女〈○島津齊興養女〉御婚儀、
當日平旦、家司奉二仕寢殿以下御裝束一、〈○中略〉以二西廂一爲二臺盤所代一懸二御簾、〈垂レ之、北一間爲二妻戸代一、〉立二八尺臺盤二脚一、〈南北行〉奧端敷二紫端薄疊各二枚一爲二女房候所一、〈○中略〉西寶子敷二紫端薄疊一枚一爲二刀自候所一、〈○中略〉中門廊敷二紫端薄疊一爲二辨少納言座一、東寄戸南桙立倚二宿申簡一、障子上奧端相對、敷二紫端薄疊一、爲二殿上人座一、侍所立二臺盤一、奧端二行敷二紫端薄疊一爲二諸大夫座一、

以産地爲名

〔延喜式〕

〈三十八/掃部〉

p.0069 試二延曆寺年分度者一座料、〈○中略〉葛野席帖(○○○○)三枚、〈○中略〉亠ハ年一充、

〔枕草子〕

〈八〉

p.0069 いやしげなる物
まことのいづもむしろのたゝみ(○○○○○○○○○○)

〔台記〕

p.0069 仁平元年正月廿六日壬戌、今日於二東三條一再行二大饗一、 廿七日癸亥、撤二尊者已下辨已上膳一、〈○中略〉裝束、〈○中略〉
西廂南二三間敷二兩面緣出雲筵帖〈白布裏〉三枚一、〈帖北端不レ及二屏風一三許尺、裏南端、及妻戸中央、其帖不二引重一、帖上北端敷無レ褥、高麗緣圓座〉〈次龍髮筵爲面〉〈爲二非參議大辨座一、〉爲二少納言辨座一、〈北上東面○中略〉南簀子西第一間〈謂二西廂一〉逼レ欄、敷二出雲筵紫緣帖〈白布裹〉一枚一、〈逼二東柱一〉爲二一世源氏座一、〈○中略〉同〈○北渡殿〉三箇間南面、幷西戸不レ懸二御簾一、副二東北二面簾一、引二唐繪絹軟障四帖一、〈高松紫緣〉相對敷二靑緣 出雲筵帖〈白布裏〉六枚一、〈南三枚北三枚〉爲二外記史座一、

〔梵舜日記〕

p.0070 寬永五年三月廿一日、白川加兵衞取衣、備後之疊(○○○○)二帖持來也、

以緣地爲名

〔延喜式〕

〈六/齋院〉

p.0070 冬料鋪設〈夏通二用四月祭料一〉
錦端疊(○○○)二枚、〈長各八尺、廣五尺、○中略〉 右齋王座料、毎年申レ官請受、

〔延喜式〕

〈三十八/掃部〉

p.0070 年料鋪設
供御白地錦端帖(○○○○○)四枚〈夏冬各二枚、長一丈、廣五尺、○中略〉
右依二前件一預前儲之、夏薄冬厚、

〔西宮記〕

〈臨時九〉

p.0070 内親王著裳
北御障子敷二錦端疊四枚一、其上鋪二地敷幷茵一爲二親王座一、〈○中略〉北二間立二四尺御屛風二帖一、鋪二錦端疊一爲二結髻座一、

〔權記〕

p.0070 長保三年十一月十三日、亥二刻、今上〈○一條〉一皇子〈○敦康〉於二飛香舍一〈中宮〉有二御著袴之事一、〈○中略〉皇子亦渡御、飛香舍南廂額間、鋪二御座錦端疊二枚、地敷二枚、茵一枚一、

〔名目抄雜物〕

p.0070 兩面(リヤウ/○○)

〔安齋隨筆〕

〈後編十一〉

p.0070 一兩面緣之事、滋野井亞相の御説聞書、左之通御座候、兩めん緣と申ハ、兩面錦ノ茵ニ用候へり、故略稱して兩面緣と云也、其實ハ兩面錦緣ノ略也、

〔大饗雜事〕

p.0070 一辨少納言座兩面事
辨少納言座の兩面疊は、兩面文は高麗にて、重緣と存候處、或所ニ大饗時の疊とて候が、緣の兩面文の普通のわちがへのおしくゝみにて候は、以二何説一可レ用候哉、
兩面はわちがへ也、非高麗文はおしくゝみ歟、且禁中如レ此候也大中納言圓座緣もわちがへにてこそ候へ、

〔延喜式〕

〈五/齋宮〉

p.0071 年料供物〈○中略〉
兩面端帖三枚、〈(中略)已上秋冬料〉春夏料亦如レ是、但爲二薄帖一、〈掃部寮作備、毎年二季供之、〉

〔延喜式〕

〈六/齋院〉

p.0071 冬料鋪設〈夏通二用四月祭料一〉
兩面端疊八枚、〈○中略〉 右齋王座料、毎年申レ官請受、

〔延喜式〕

〈三十八/掃部〉

p.0071 年料鋪設
供御〈○中略〉兩面端帖十六枚、〈南殿御帳下敷、長八尺、廣四尺、○中略〉其中宮御料亦同、但加二下敷兩面端帖六十四枚一、〈夏冬各卅二枚、長八尺、廣四尺、〉
右依二前件一預前儲之、夏薄冬厚、
雜給兩面端帖十六枚〈厚薄各八枚、女御已上料、〉

〔新儀式〕

〈四/臨時〉

p.0071 御讀書事〈付二竟宴一也、可レ載二御日記所日記抄等一、〉
竟宴之時、垂二母屋御簾一、孫廂南第五間北邊、鋪二兩面端疊一爲二博士座一、

〔江家次第〕

〈一/正月〉

p.0071 供二御藥一
以二兩面端帖二枚一、當二第二間北柱南邊一、東西行敷レ之、爲二命婦女藏人座一、

〔江家次第〕

〈十七〉

p.0071 御元服
天皇元服御裝束 南殿母屋九間内懸二壁代一、〈○註略〉御帳〈○註略〉與二帳臺一内、敷二繧〓大帖二枚一、〈東西妻、南北相雙、〉其上敷二龍鬢土敷一枚一、〈二色綾緣、裏可レ尋、以上敷二中央一、當二帖二枚間一、仍頗北倚、〉其上敷二東京錦茵一、〈南面〉御帳後敷二兩面端帖一、

〔北山抄〕

〈三/拾遺雜抄〉

p.0071 内宴事
裏書 藏人式〈○中略〉殿内南戸三間、立二御屛風一、其内敷二長筵幷兩面端疊一、

〔左經記〕

p.0071 萬壽三年正月十五日癸巳、參内有二女叙位一、御裝束如二官奏時一、〈○中略〉又以二兩面端疊一枚一、敷二東廂南第三間一爲二大臣座一、〈件疊先例不レ敷レ面、仰忽敷レ之、大臣參二御前一、先居二此座一、次隨二御氣色一進著二圓座一云々、〉 三月廿日丁酉、〈○中略〉於二淸凉殿一被レ行二仁 王八講一、〈○中略〉御帳艮方〈夜大殿南戸東腋也〉敷二兩面端疊一枚一爲二證議座一、〈西上南面〉

〔尊勝寺供養記〕

p.0072 康和四年七月廿一日甲辰、今日有二尊勝寺供養事一、〈○中略〉同〈○母屋〉第一間二行對座敷二兩面端疊一、〈○中略〉南榮東第三間以東敷二兩面綠端疊(○○○○○)一爲二公卿座一、〈兩面端一枚大臣座、綠端五枚納言以下座、〉

〔仁孝天皇御卽位記〕

p.0072 御卽位調進物御下行
掃部寮分〈○中略〉
同〈○米〉二石〈關白代 兩面端疊一帖〉 同八斗〈親王代 兩面緣小半疊二帖○中略〉 同三石二斗〈劒璽内侍褰帳女王典侍座、兩面緣半疊四帖、〉

〔運步色葉集〕

〈宇〉

p.0072 繧〓緣(ウンケンヘリ/○○○)

〔名目抄〕

〈雜物〉

p.0072 繧〓(ウゲン)

〔類聚名物考〕

〈調度四〉

p.0072 うげんべりのたゝみ 繧〓緣疊

〔禁秘御抄〕

〈上〉

p.0072 一淸凉殿〈○中略〉
帳〈四面有二几帳一(中略)疊三帖繧〓御座敷二東上一○中略〉平敷〈疊二帖繧〓南上、中央置二茵一枚一、○下略〉

〔雅亮裝束抄〕

〈一〉

p.0072 もやひさしのてうどたつる事
はしかくしのまには、うげん二帖を、おくのはしらにそへて、にしひんがしにしきて、うへにりうびんを二枚しきてその上にしとねをしく、

〔延喜式〕

〈三十八/掃部〉

p.0072 年料鋪設
供御、〈○中略〉〓〓端帖十枚〈夏八枚、長八尺、廣五尺、冬二枚、長廣同レ上、〉同端帖四枚、〈夏冬各二枚、長六尺、廣四尺、〉同端短帖六枚、〈夏冬各三枚、長四尺五寸、廣四尺、○中略〉
右依二前件一預前儲之夏薄冬厚、

〔枕草子〕

〈八〉

p.0072 むかしおぼえてふようなる物 うげんべりのたゝみの、ふりてふし出きたる、

〔小右記〕

p.0073 寬弘八年八月廿三日甲子、今日故花山院宮達御元服、〈先年爲二冷泉上皇皇子一、卽爲二親王一乎、五六親王、○中略〉寢殿母屋三間敷二兩親王座一、〈西第一間東第一間、敷二各座繧〓端疊二枚一、其上敷レ茵、○下略〉

〔尊勝寺供養記〕

p.0073 康和四年七月廿一日甲辰、今日有二尊勝寺供養事一、〈○中略〉同〈○母屋〉第四間敷二繧〓端疊二枚一、〈○下略〉

〔宇槐雜抄〕

p.0073 保延三年十一月廿四日、競馬行幸式、〈左大臣作レ之〉
前一日、裝二束馬場殿一、其儀、〈○中略〉母屋南一間鋪二繧〓端疊一、其上供二東京錦茵一爲二院御座一、〈北面〉中央間鋪二繧〓端疊二枚一、其上鋪二龍鬢土鋪一、其上供二唐錦茵爲二主上御座一、〈南面〉

〔玉海〕

p.0073 治承四年六月廿三日甲辰、此日密々有二嫁娶事一、右大將良通〈○藤原兼實子〉通二花山院中納言兼雅卿娘一、〈○中略〉早旦仰二家司季長朝臣一奉二仕裝束一、〈○中略〉母屋中央間立二障子帳一、〈○註略〉其内南北妻敷二繧〓疊三枚一、其上敷二例筵一、〈著二錦緣一、禮須レ用レ茵、依二略儀一敷二例筵一也、○中略〉庇中央間東西行敷二同疊二枚一、其上敷二唐錦茵一、〈禮敷二龍鬢一、其上可レ供レ茵、依二略儀一不レ敷二龍鬢一、〉

〔園太曆〕

p.0073 貞和三年正月廿六日、〈○中略〉御書始次第、
御裝束儀、〈○中略〉當階間副二母屋御簾一東西行、敷二繧〓端疊一枚一、其上敷二龍鬢地鋪唐錦茵等一、

〔下學集〕

〈下/器財〉

p.0073 高麗緣(カウライベリ/○○○)

〔名目抄〕

〈雜物〉

p.0073 高麗(カウライ)〈本(○)音リ也、名目ライ也、大文(○○)、小文(○○)ト云也、〉

〔江家次第〕

〈二/正月〉

p.0073 攝政時叙位事
第四間西邊、重二敷高麗端二枚一爲二攝政座一、〈○中略〉第三間北簾下、敷二高麗端一枚一爲二大臣座一、後立二四尺屛風一、第三四間、敷二同高麗端帖一爲二納言參議座一、〈○中略〉又二行敷二高麗幷紫端帖一爲二公卿以下暫候座一、〈高麗公卿座、紫職事辨官座、〉

〔雅亮裝束抄〕

〈一〉

p.0073 もやひさしのてうどたつる事 ひさしにわたりて、かうらいのたゝみを間ごとに、二帖づゝしく、なかにおしあはせて、おくはしのきはをすかして、おなじとほりにしくべし、なかをあけてしくこともあり、

〔三中口傳〕

〈一〉

p.0074 一客人來臨事
大臣來臨事
客亭第一間、圏二主人座一敷二高麗端帖一枚一、其上加レ茵、〈主人座不レ加レ之、賓座或不レ敷レ之、〉

〔枕草子〕

〈十〉

p.0074 うれしき物
かうらいべりのたゝみのむしろあをうこまかに、へりのもんあざやかに、くろうしろう見えたる、引ひろげて見れば、何か、猶さらに此世はえ思ひはなつまじと、命さへおしくなんなると申せば、いみじくはかなき事も慰むなるかな、おばすて山の月は、いかなる人のみるにかとわらはせ給ふ、

〔小右記〕

p.0074 治安三年四月十六日己酉、今日賀茂祭、〈○中略〉上達部座高麗端疊上敷レ茵、

〔春記〕

p.0074 長曆三年十二月廿一日丁丑、内大臣〈○藤原敎通〉長女、〈○生子〉今夜初入内、 廿一日戊寅、小時敷レ座、高麗端一枚、其上敷レ茵、此對南向對也、仍南面敷レ之、

〔定家朝臣記〕

p.0074 康平五年九月十三日、朝夕御湯如レ常、巳刻關白殿下〈○藤原賴通〉渡御今夕、本家政所儲二若君御衣幷饗饌等一、渡殿副二北障子一、立二白四尺屛風五帖一、二行數二高麗端幷紫端疊一、爲二上達部殿上人座一、豫敷二長筵一、

〔寬治二年記〕

p.0074 寬治二年十二月十四日丙辰、今日攝政殿下〈○藤原師實〉令レ任二太政大臣一給、〈依二御元服事一也〉兼日奉二仕御裝束一、其儀、〈○中略〉西北渡殿西第四間、身屋西邊立二四尺屛風二帖一、敷二高麗端疊一帖一爲二息所一、 廿七日戊辰、早旦參殿、依三興福寺法成寺僧徒可二參賀一、令レ奉二仕御裝束一、〈○中略〉迫二屛風一、自二東第一間中央一敷二高麗端帖三枚一、其上敷二高麗端土敷一、施二紫錦緣圓座四面一、爲二僧都法眼座一、

〔殿曆〕

p.0075 天永三年十二月十日癸巳、今夜一條殿〈余(藤原忠實)母也〉初令レ叙二從三位一給、〈○註略〉其儀戌刻爲隆來云、頭辨於二院御使一參入、余仰二彼朝臣一令レ敷レ座、東對面廣庇從二西第一間一敷二圓座一爲二余座一、同第三間敷二高麗端疊一枚一、其上敷二茵一枚一爲二勅使座一、

〔吾妻鏡〕

〈四十二〉

p.0075 建長四年四月十四日丁卯、〈○中略〉御弓始、射手六人〈立烏帽子、水干、葛袴、淺沓、〉入二南門一候二弓場左右小筵一、而出二御廊一、〈兼敷二大文高麗端一座〉義景〈○秋田城介〉持二參射手記一、被レ置二御前一退候、

〔伏見院御記〕

p.0075 弘安十一年二月廿七日壬午、今日伊勢幣神祇官行幸也、〈○中略〉 神祇官御裝束儀 正廳内〈○中略〉第二間逼二西北一敷二小筵一、高禮半疊(○○○○)一枚〈巽向〉爲二御拜座一、

〔春日祭舊例〕

p.0075 祐春記云
正應三年二月小七日甲申、御祭、〈○中略〉先祓戸著座如レ例、〈○中略〉次宣命幣役、東一間敷二小文高麗(○○○○)一帖一、〈祐冢沙汰〉近衞使持二宣命一被レ拜レ之、

〔太平記〕

〈二十四〉

p.0075 天龍寺供養事附大佛供養事
此上ハ武家ノ沙汰トシテ、當日ノ供養ヲバ執行ヒ、翌日ニ御幸可レ有トテ、同〈○康永四年〉八月二十九日、將軍〈○足利尊氏〉幷左兵衞督〈○足利直義〉路次ノ行粧ヲ調テ、天龍寺へ被二參詣一ケリ、〈○中略〉佛殿ノ北ノ廊四間ヲ飾テ、大紋ノ疊(○○○○)ヲ重ネ布キ、其上ニ氈ヲ被レ展タリ、平敷ノ御座其北ニアリ、

〔元長卿記〕

p.0075 永正九年四月廿六日、今日今上〈○後柏原〉第一皇子〈○後奈良〉御元服也、〈○中略〉中央間敷二高麗疊二枚一、〈大文〉其上加二錦端茵一爲二親王御座一、〈南面〉東第一間敷二同疊一枚一、〈小文(○○)〉加二東京錦茵一爲二加冠大臣座一、〈西面〉

〔後中内記〕

p.0075 元祿十年五月十六日、卯半刻密々院參、元服〈○靈元皇子文仁親王〉之構樣見レ奧、〈○中略〉西方副二北長押一敷二小又疊一枚一、〈南北行〉爲二扶持公卿座一、〈東面〉

〔大江俊矩記〕

p.0075 文化五年二月十一日、近衞内大臣、〈基前公〉尾張宰相殿姉姫維(ツナ)君御方御婚禮也、〈○中略〉
一寢殿有二敷設一、〈○中略〉東面中央簾内平敷御座、〈大文端(○○○)二帖、繧〓御茵、〉

〔續修東大寺正倉院文書〕

〈四十四〉

p.0076 竹田眞弓謹解 申闕藝事
合貳枚〈臈纐端(○○○)〉
右件員闕疊者、戒壇院盜二此者一、專眞弓等求成、進上申已訖、仍狀具注謹以解、
天平神護元年四月十六日 〈頭〉竹田眞弓〈○以下四人略〉
凡福成解 申闕物事
﨟纈端疊壹枚
右爲二春季花嚴會用一請下所闕如レ件、此追勘求進上申訖、
元年四月十六日 凡福成〈○下略〉

〔名目抄〕

〈雜物〉

p.0076 紫端(ムラサキベリ/○○)

〔類聚名物考〕

〈調度四〉

p.0076 紫端疊
今案に、當時御所の御疊のへりは、〓紅にてすれども、是を紫緣といはるゝ也、古へのむらさきは緋に似たること、これにても知らるゝ事なり、

〔延喜式〕

〈五/齋宮〉

p.0076 齋宮鋪設
齋内親王板牀二張、紫端帖二枚、〈○中略〉 右齋内親王向レ國鋪設、初年當國供之、後年寮司備之、

〔延喜式〕

〈十四/縫殿〉

p.0076 三年一度雜物
御服床敷料、紫端疊四枚、〈各長八尺、廣五尺、○中略〉 右中宮御服所料依二前件一、女官申二内侍一、卽付二辨官一行、

〔西宮記〕

〈四月〉

p.0076 改二御裝束一
御座〈掃部司供二御疊一〉 三日掃部寮進二端料請奏一、〈加二三宮料一藏人奏下〉紫端廿五枚、〈十五枚侍料、十枚長一丈餘、小板敷料、〉八枚女房侍料、

〔小右記〕

p.0076 治安三年四月十六日己酉、今日賀茂祭、〈○中略〉殿上人座紫端疊、黑柿机、〈○下略〉

〔定家朝臣記〕

p.0076 康平二年十月十二日癸酉、供二養無量壽院幷五大堂一、去九日、始奉二仕御裝束一、北庇幷北廊 爲二院御休息所一、又北第一二間懸レ簾爲二御所一、中央間以南爲二公卿幷殿上人座一、〈高麗端未レ敷、紫端二枚、〉母屋佛面南北間敷二高麗端各二枚一、爲二僧綱座一、其後南北各二行、敷二紫端疊一爲二凡僧座一、

〔寬治二年記〕

p.0077 寬治二年十二月十四日丙辰、今日攝政殿下〈○藤原師實〉分レ任二太政大臣一給、〈依二御元服事一也〉兼日奉二仕御裝束一、其儀、〈○中略〉南簀子西第一間、〈冨二庇西第一間東柱一〉敷二紫端帖一枚一爲二一世源氏座一、〈逼二高欄一敷之○中略〉西中門廊南、第二三四間、數二紫端帖三枚一爲二諸大夫座一、〈南上東面○中略〉身屋敷二紫端帖八枚一爲二殿上人座一、〈二行對座、以レ南爲レ上、〉西庇遣戸以北二箇間、敷二紫端帖二枚一爲二藏人所座一、西中門廊遣戸以北四箇間、敷二紫端帖一爲二尊者陪從座一、

〔殿曆〕

p.0077 永久三年八月十日丁未、今日山階寺步也、〈○中略〉御裝束儀、〈○中略〉東藏人所障子上三間、敷二紫端疊六枚一、〈各三枚、對座西上、〉

〔源平盛衰記〕

〈三十三〉

p.0077 賴朝征夷將軍宣下附康定關東下向事
抑御使ハ誰人ニテオハシマスゾト尋候シカバ、三浦介トハ不二名乗一シテ、三浦荒次郎義澄ト名乘儘ニ、宣旨奉二請取一、良久有テ、覽箱ノ蓋ニ沙金十兩入テ返ス、拜殿ニ紫緣ノ疊二帖敷テ康定ヲ居、高坏ニ肴二種シテ酒ヲ勸ム、

〔名目抄〕

〈雜物〉

p.0077 綠端(ミドリベリ/○○)

〔延喜式〕

〈五/齋宮〉

p.0077 年料供物、〈○中略〉
綠端帖十枚〈已上秋冬料〉春夏料亦如レ是、但爲二薄帖一、〈掃部寮作備、毎年二季供レ之、○中略〉
齋宮鋪設
齋内親王板牀二張、〈○中略〉綠端帖六枚、〈○中略〉乳母各板牀一張、綠端帖一枚、〈○中略〉 右齋内親王向レ國鋪設、初年當國供之、後年寮司備之、

〔延喜式〕

〈六/齋院〉

p.0077 冬料鋪設〈夏通二用四月祭料一〉
綠端疊十枚〈○中略〉 右齋王座料、毎年申レ官請受、 綠端疊十枚、〈○中略〉 右人給料、與二齋王座一共受用、
三年一請雜物、〈○中略〉朝使已下女嬬已上座料疊八十枚、〈十枚緣端○下略〉

〔延喜式〕

〈三十八/掃部〉

p.0078 年料鋪設
雜給、〈○中略〉綠端帖七十枚、〈厚薄各卅五枚〉

〔西宮記〕

〈四月〉

p.0078 改二御裝束一
御座〈掃部司供二御疊一〉 三日掃部寮進二端料請奏一、〈○中略〉綠端八枚、〈四枚南座料〉〈掃部寮〉〈四枚北座料〉〈掃部寮〉

〔江家次第〕

〈二/正月〉

p.0078 七日節會裝束
通障子北、鋪二同端〈○綠〉長帖一枚一、其西立二囊床子二脚一、其西鋪二綠端疊一枚一、〈内侍以下候座〉

〔江家次第〕

〈九/十月〉

p.0078 射場始
明義門廊西第二間中央以東、副レ壁敷レ筵、其上敷二綠端帖四枚一爲二公卿座一、〈西上南面、但自二第三間一西頭敷レ帖、爲レ令三第一上卿當二天臨一也、〉

〔内裏歌合〕

p.0078 〈殿上日記〉天德四年三月卅日、女房有二歌合之事一、〈○中略〉御前渡殿南北各敷二綠端疊三枚一爲二公卿座一也、

〔小右記〕

p.0078 治安三年四月十六日己酉今日賀茂祭、〈○中略〉陪從座綠端疊、〈○下略〉

〔中右記〕

p.0078 寬治六年三月廿三日丙午、依レ例有二石淸水臨時祭一、〈○中略〉西廊壁下鋪二綠端疊一爲二垣下公卿座一、〈東面北上〉

〔名目抄〕

〈雜物〉

p.0078 黃端(キベリ/○○)

〔延喜式〕

〈五/齋宮〉

p.0078 年料供物、〈○中略〉
黃布端帖(○○○○)三枚〈(中略)已上官人已下料○中略〉
齋宮鋪設
齋内親王板牀二張、〈○中略〉黃端帖二枚、〈○中略〉五位及命婦各板牀二張、黃端帖二枚、〈○中略〉 右齋内親王向レ國鋪設、初年當國供之、後年寮司備之、

〔延喜式〕

〈六/齋院〉

p.0079 冬料鋪設〈夏通二用四月祭料一○中略〉
黃端疊十枚 右人給料、與二齋王座一共受用、
三年一請雜物〈○中略〉
朝使已下女嬬已上座料疊八十枚〈(中略)黃端卅枚○下略〉

〔延喜式〕

〈二十一/玄蕃〉

p.0079 堂裝束
疊二枚、〈並黃帛端(○○○○)、法用雜料、○中略〉諸堂悉依二此數一、

〔延喜式〕

〈三十八/掃部〉

p.0079 年料鋪設
雜給、〈○中略〉黃端帖三百十三枚、〈厚一百五十八枚、薄一百五十五枚、○中略〉中宮雜給、黃端帖廿枚、〈夏冬各十枚○中略〉
試二延曆寺年分度者一座料、〈○中略〉黃端帖二枚、〈○中略〉六年一充、〈○中略〉
儲料、〈○中略〉黃端帖十枚、〈○中略〉 右諸祭及齋會節會等、座以二件儲料一鋪レ之、貯二收寮家一、隨レ事出用、隨レ損料度、申レ省造換、

〔江家次第〕

〈九/九月〉

p.0079 十一日小安殿行幸裝束
嘉喜門内西方昭慶門内東方廊下付レ柱、結二管貫一曳二大幔一、其内敷二滿葉薦一、其上敷二筵二行一、〈南北對座〉其上敷二〈○中略〉黃絹端(○○○)長疊各一枚一、〈參議料〉

〔江家次第〕

〈十/十一月〉

p.0079 賀茂臨時祭
次奉二仕御裝束一、〈○中略〉次東庭、鋪二黃端帖一、爲二使舞人座一、〈○註略〉當二河竹東頭一敷二黃端帖一、爲二垣下公卿座一、〈四上北面〉南廊壁下、敷二黃端帖一爲二侍臣座一、〈但公卿者レ之〉 同廊南面、敷二同帖一爲二藏人所座一、

〔江家次第〕

〈十九〉

p.0079 弓場殿試事
弓場殿内東土副二東柱一敷二黃布端(○○○)疊一、〈北上西面可レ用二折薦疊一歟〉明義門廊西第三四間壁下、敷二黃布端疊一爲二監試次將座一、

〔左經記〕

p.0080 萬壽三年三月廿日丁酉〈○中略〉於二淸凉殿一被レ行二仁王八講一、〈○中略〉其〈○講師座〉南間〈付レ壁敷レ之〉敷二黃端疊四枚一爲二聽衆座一、〈○中略〉殿上東戸前、敷二黃端疊二枚一〈迫二戸長押一敷レ之〉爲二殿上人座一、〈北上東面〉

〔寬治二年記〕

p.0080 寬治二年十二月十四日丙辰、今日攝政殿下〈○藤原師實〉令レ任二太政大臣一給、〈依二御元服事一也〉兼日奉二仕御裝束一、其儀、〈○中略〉次地下人召人散位孝淸、兵庫頭知定、兵部丞橘章定、圖書助藤原經忠、左兵衞尉源成綱等參進、候二于南階前砌一、〈豫掃部官人鋪二黃端帖一爲二其座一、〉

〔中右記〕

p.0080 嘉承元年十一月七日、今日春日祭使出立、〈○中略〉西又庇〈○寢殿〉敷二靑端(○○)疊二枚一爲二陪從座一、

〔延喜式〕

〈十四/縫殿〉

p.0080 三年一度雜物
紺布端(○○○)長疊八枚、短疊四枚、〈○中略〉 右中宮御服所料依二前件一、女官申二内侍一、卽付二辨官一行、

〔延喜式〕

〈三十八/掃部〉

p.0080 年料鋪設
雜給、〈○中略〉紺布端帖一百枚、〈厚薄各五十枚○中略〉中宮雜給、〈○中略〉紺布端帖卅六枚〈夏冬各十八枚〉

〔延喜式〕

〈五/齋宮〉

p.0080 年料供物〈○中略〉 白布端(○○○)帖七枚〈(中略)已上乳母料○中略〉
供二新嘗一料〈○中略〉 白端(○○)帖十二枚〈(中略)已上寮充之〉 右掃部所レ請

〔延喜式〕

〈三十八/掃部〉

p.0080 年料鋪設
六月神今食〈十二月神今食、十一月大嘗祭亦同、〉御料、〈○中略〉白布端帖二枚、〈各長一丈二尺五寸、廣四尺、〉白布端帖二枚、〈各長九尺、廣四尺五寸、一枚無二裏布一、〉白布端帖二枚〈各長九尺、廣四尺、〉白布端帖一枚、〈長八尺、廣四尺、〉白布端帖四枚、〈各長六尺、廣四尺二寸、一枚無二裏布一、○中略〉
右預前儲備、事畢卽充二神祇官一、

〔江家次第〕

〈七/五月〉

p.0080 中和院神今食御裝束
其中央東西行立二御床一一、〈白木〉其上敷二白端御疊一、〈○中略〉執柄被レ候二南庇西第一間一、〈同庇歟不レ愜、可レ尋レ之、〉
其座可レ敷二白端疊一、而近代用二兩面端一可レ尋、

〔中右記〕

p.0080 元永二年四月十九日甲午、今朝已刻、從レ内御産御調度被レ奉二中宮一〈○鳥羽后璋子〉也、〈○中略〉御端十五帖、 〈此中御帳料三帖、前敷二帖、已上白綾ヘリ(○○○○)、○下略〉

〔後愚昧記〕

p.0081 永和三年六月廿六日、上﨟産氣分、晩頭以後出來、〈○中略〉 廿七日、抑今日午刻許、白具足自二知繁卿許一送レ之、 白端(○○)疊六帖〈カサネベリ也、平絹粉張(○○○○)也、○下略〉

〔甲陽軍鑑〕

〈七/品第十五〉

p.0081 一産後の蟇目は、白緣疊を裏とじ合、二帖たて、五寸の木をけづり、それにすへ、絹一ひきをたゝみ、なげかけ、其上を家の年寄射るなり、

〔諒闇和抄〕

p.0081 本殿還御の事
當日早旦、又亮陰の御裝束を奉仕す、〈○中略〉晝御座の御疊の端、鈍色(○○)なり、〈○中略〉殿上朱臺盤を撤して黑漆の臺盤を立たり、〈○中略〉疊はみな鈍色の端さしたり、

〔長秋記〕

p.0081 大治四年七月十五日辛卯、〈○中略〉院〈○鳥羽〉於二此中一著二錫紵一、〈○此月七日白河崩、中略、〉
遷二御倚廬一、東對北第三渡殿爲二倚廬代一、〈○中略〉敷二鈍色廣疊一帖一爲二御寢所一、長押下傍レ北敷二同疊二枚一、此外無二他事一、不レ張レ筵、御座皆有レ緣、不レ下二板敷一、仍可レ謂二倚廬代一也、尋常倚廬懸二蘆簾一敷二無レ緣之疊(○○○○○)一、〈○中略〉中渡殿懸二同伊與簾一敷二鈍色緣疊一、是北面人候所也、

〔和長卿記〕

p.0081 明應九年十二月十一日辛卯、今夜倚廬渡御也、〈○後柏原、此年九月二十八日、御父後土御門崩、〉武家用脚依二遲々一也、〈○中略〉倚廬御所、以二二對東妻一爲二其所一、〈○中略〉疊二帖敷レ之、〈疊緣黑染布(○○○)也、濃鈍色歟、〉

御座

〔運步色葉集〕

〈古〉

p.0081 御座(○○)

〔書言字考節用集〕

〈七/器財〉

p.0081 莞筵(ゴザ)〈字彙、莞燈心草、〉臥坐(同)〈俚民寢席〉

〔和漢三才圖會〕

〈三十二/家飾具〉

p.0081 筵〈音延○中略〉
凡蓆雙目(ゴザハモロメ)、筵片目爲レ異、
按、單席(ウハシキ/○○)〈宇波之木〉俗云御座也、以レ莞織成、文如レ甃者名二浮世御座(○○○○)一、暑月褥上鋪レ之、故稱二上鋪(ウハシキ/○○)一、出二於江州舟木一者爲レ上、備前瀨尾次レ之、丹波爲レ下、

〔倭訓栞〕

〈中編八/古〉

p.0082 ごさ 枕草紙に御座といふたゝみのさまにてと書るは、貴人のしかせらるゝをいふなるを、今は賤家の稱となれり、

〔筆の靈〕

〈前篇二〉

p.0082 そも〳〵御座とは、天皇のまします所を云事なるを、後に筵の事をござと云事あり、そは御座に敷く筵の、いとよろしきにかけ奉りて、まうせるかしこき言なり、

〔枕草子〕

〈十〉

p.0082 うれしき物
二日ばかり有て、あかぎぬきたる男の、たゝみをもてきてこれといふ、あれは誰ぞ、あらはなりなど、物はしたなふいへば、さしをきていぬ、いづこよりぞととはすれば、まかりにけりとて、とりいれたれば、こと更に御座といふたゝみのさまにて、かうらいなどいときよら也、心のうちにはさにやあらんとおもへど、猶おぼつかなきに、人ども出しもとめさすれど、うせにけり、

〔仲資王記〕

p.0082 元久元年十一月十七日乙亥、來廿二日、廣田社本宮五社遷宮、御裝束今日令二沙汰進一也、目錄有二別記一、裏書云、廣田本宮五社遷宮、御裝束今日奉レ送了、〈○中略〉
御座十一帖 差筵五枚〈已上京筵〉 緣料繧〓(○○○○)三丈餘〈六尺許御座云々〉 元者唐綾村濃緣(○○○○○)云々、今度奉レ用二繧〓一、爲レ奉レ增二御威光一也、 裏料 中絹一疋五丈餘 上紙三帖 緣裏打
件御座、三社ニハ各三帖也、二社ニハ各一帖、仍十一帖云々、五社者八幡、住吉、廣田、南宮、八祖、〈已上五社云々〉

〔東寺塔供養記〕

p.0082 建武元年九月八日癸巳、御巡禮之時、御座以下事問答、東北院僧正事有レ之、愚狀卽勘付之、
先年行幸南都之時、諸堂定御巡禮候歟、〈○中略〉堂内御座者、〈子細同前候、但大文无二相違一候歟、〉繧〓大文(/○○)之間、儲二何樣一候哉、〈子細伺前、但堂前儲二史高麗候歟、〉扈從公卿等座、又何樣候哉、委細注預候者恐悦候、西園寺樣行幸之時、常御所には〈如レ狀候〉只被レ敷二大文一候歟、同不審候、

〔梵舜日記〕

p.0082 慶長十一年八月十八日、寶殿政所御出之所、〈○中略〉御座疊一帖面替申付、

〔忠利宿禰記〕

p.0083 承應三年十一月廿八日、花町宮〈○後西院〉有二踐祚之事一、〈○中略〉
調進〈○中略〉掃部寮 〈淸凉殿夜御殿〉繧〓端晝御座(○○○○○○)四帖

〔仁孝天皇御卽位記〕

p.0083 御卽位調進物御下行
掃部寮分 同〈○米〉九石〈淸凉殿後房代繧〓御座二帖〉

つかなみ

〔倭訓栞〕

〈前編十六/都〉

p.0083 つかなみ(○○○○) 藁藉をいふ、方丈記に、つかなみを敷て夜の床とすといへり、束幷の義、束藁を席とする也、盛衰記にも、わらのつがねといふ物をしきてといへり、ねこだ(○○○)是也、俊賴、
あらしのみたえぬみやまに往たみは幾重かしけるとふのつかなみ
とふは藁を組たる體也、とふのすがごものごとし、

〔散木弃謌集〕

〈四/冬〉

p.0083 山家嵐をよめる
嵐のみたえぬみ山にすむたみはいくへかけゝるとふのつかなみ

〔袖中抄〕

〈十四〉

p.0083 とふのすがごも
俊賴、山家嵐歌、あらしのみたえぬみやまにすむたみはいくへかしけるとふのつかなみ、つかなみとて、わらをあみてしく也、わらぐみ、あうしき、ねこがき(○○○○)ともいふ、

〔方丈記〕

p.0083 爰に六十の露きえがたにをよびて、更に末葉のやどりをむすべる事あり、〈○中略〉其家の有樣、よのつねならず、ひろさわづかに方丈、たかさ七尺ばかりなり、〈○中略〉東にそへてわらびのほどろをしき、つかなみ(○○○○)をしきて夜の床とす、

〔源平盛衰記〕

〈七〉

p.0083 信俊下向事
信俊不二斜悦テ、太納言〈○藤原成親〉ノオハスル所へ參テ奉二見ニ、淺マシク悲カリケル事ガラ也、奇氣ナル小屋ニ、垣ニハ土ヲ壁ニ塗廻、戸ニハ藁ノコモヲ懸垂タリ、内ニ差入テ見廻セバ、藁ノ束(○○○)ト云物ヲ敷テ、瘦衰タル法師アリ、ヨク〳〵見レバ、大納言入道殿ニテゾオハシケル、

疊敷設

〔類聚名物考〕

〈調度四〉

p.0084 あげだゝみ(○○○○○)
貴人の御座所又は寢所には、疊の上にまた疊をかさねて敷を上疊といふ、

〔日本書紀〕

〈二/神代〉

p.0084 彦火火出見尊就二其樹下一、徙倚彷徨、良久有二一美人一、排レ闥而出、〈○中略〉乃驚而還入白二其父母一曰、有二一希客者一、在二門前樹下一、海神於レ是、鋪二設八重席薦(○○○○)一、以延内之、

〔日本書紀通證〕

〈七〉

p.0084 釋曰、今新嘗祭、神今食、神態之時、設二八重疊一爲二神座一也、〈兼良曰、禮天子之席五重、此曰二八重一者、尊而尊之義、重遠曰、席薦(タヽミハ)疊重(カサ子)也、○下略〉

〔類聚名物考〕

〈調度四〉

p.0084 八重疊 やへだゝみ
八の意にてたゝね重なり、もとより疊は菰藁をたゝみかさねてさしたる物なれば、八重とはいふ也、この物今世には、八角にして緣付たる物にて、神拜なんどにのみ用るとおぼえしは辟ことなり、

〔古事記〕

〈上〉

p.0084 爾海神自出見云、此人者天津日高之御子、虚空津日高矣、卽於レ内率入而、美智皮之疊(○○○○○)敷二八重一、亦、絁疊(キヌノ/○○)八重、敷二其上一、坐二其上一而具二百取机代物一爲二御饗一、

〔類聚名物考〕

〈調度四〉

p.0084 きぬのたゝみ 絁疊 絁は、和名抄にあしぎぬと訓り、
地の太き絹也、古事記に、下に海驢皮の疊をしき、上にこの疊敷と見えたれど、是は茵の如きものをいふ歟、

〔古事記〕

〈中/神武〉

p.0084 後其伊須氣余理比賣、參二入宮内一之時、天皇御歌曰、阿斯波良能、志祁去岐袁夜邇(シケコキヲヤニ)、須賀多多美(スガダタミ/○○○○○)、伊夜佐夜斯岐氐、和賀布多理泥斯、

〔古事記〕

〈中/景行〉

p.0084 爾其后名弟橘比賣命白之、妾易二御子一而入二海中一、御子者、所レ遣之政遂應二覆奏一、將レ入レ海時、以二菅疊八重、皮疊八重、絁疊八重一、敷二于波上而下二座其上一、〈○中略〉自レ其幸行而、到二能煩野一之時、〈○中略〉又歌曰、伊能知能、麻多祁牟比登波、多多美許母(タヽミコモ)、幣具理能夜麻能、久麻加志賀波袁、宇受爾佐勢、曾能古、此歌者 思レ國歌也、

〔冠辭考〕

〈五/多〉

p.0085 たゝみごも 〈へぐりの山むらぢがいそ〉
古事記に、多々美許母(タヽミゴモ)、弊具理能夜麻能(ヘグリノヤマノ)云々、こは疊にせん料の薦を編を隔つといひて、への一ことにつゞけたる也、

〔古事記傳〕

〈二十八〉

p.0085 多々美許母(タヽミゴモ)は、疊菰(タヽミゴモ)にて、次の幣に係れる枕詞なり、然連くる由は、疊(タヽ)みたる菰重(コモヘ)と云るなり、〈重(へ)は、二重三重八重などの重なり、〉疊むとは重(カサ)ぬることにて、菰(コモ)を疊(カサ)ねて幾重(イクへ)もある意に重(へ)と云り、又疊(タヽミ)をば旣に疊(タヽミ)と云物にしたる名として、疊(タヽミ)の菰(コモ)とも見べし、〈菰などを疊(タヽ)み重ねて造れる物を、疊と云なり、〉其も幣(へ)とつゞく意は、上に同じ、〈冠辭考に、疊(タヽミ)にせむ料の菰を編(アム)を隔(ヘダツ)と云とあるは、いさゝか違ヘり、幣陀都(ヘダツ)と云は、重(へ)を立ツと云ことなれば、本は重と同じけれども、其(ソレ)に二ツの意あり、一ツには重(へ)をなして疊(カサ)ぬる意、二ツには物と物との間な塞絶(セキタ)つ意にて、隔ノ字は此ノ意に當(アテ)たる字なり、然れども此レも本は重(へ)を立ツるより出たる意なり、されば菰を編隔(アミヘダ)つとあるも、重(へ)をなす意に取れば違はざれども、其意には非ずて、隔ノ字の意に云れたりと聞ゆるをや、〉

〔日本書紀〕

〈十三/允恭〉

p.0085 二十四年六月、御繕羮汁、凝以作レ氷、天皇異之、卜其所由一、卜二者曰、有二内亂一、〈○中略〉則流二輕大娘皇女於伊豫一、是時太子〈○木梨輕太子〉歌之曰、於褒企彌烏(オホキミヲ)、志摩珥波夫利(シマニハフリ)、布儺阿摩利(フナアマリ)、異餓幣利去牟鋤(イカヘリコムソ)、和餓哆哆瀰由瑇(ワカタタミユメ)、去等烏許曾(コトヲコソ)、哆哆瀰等異絆梅(タタミトイハメ)、和餓兎摩烏由梅(ワカツマテユメ)、

〔萬葉集〕

〈十一〉

p.0085 寄レ物陳レ思歌
疊薦(タヽミゴモ)、隔編數(ヘダテアムカズ)、通者(カヨハサバ)、道之柴草(ミチノシバクサ)、不生有申尾(オヒザラマシヲ)、

〔萬葉集〕

〈十二〉

p.0085 寄レ物陳レ思歌
相因之(アフヨシノ)、出來左右者(イデコムマデハ)、疊薦(タヽミゴモ)、重編數(カサ子アムカズ)、夢西將見(ユメニシミテム)、木綿疊(ユフダヽミ)、田上山之(タナガミヤマノ)、狹名葛(サナカヅラ)、在去之毛(アリサリテシモ)、不令有十方(アラシメズトモ)、

〔萬葉集〕

〈十六〉

p.0085 乞食者詠二首
伊刀古(イトコ)、名兄乃君(ナセノキミ)、居々而(ヲリ〳〵テ)、物爾伊行跡波(モノニイユクトハ)、韓國乃(カラクニノ)、虎云神乎(トラトフカミヲ)、生取爾(イケドリニ)、八頭取持來(ヤツトリモチキ)、其皮乎(ソノカハヲ)、多々彌爾刺(タタミニサシ)、八(ヤ) 重疊(ヘダヽミ)、平群乃山爾(ヘグリノヤマニ)、四月與(ウツキト)、五月間爾(サツキノホドニ)、〈○下略〉

〔令義解〕

〈一/職員〉

p.0086 内掃部司
正一人〈掌二供御牀狹疊〉〈謂狹疉猶レ云レ疊(○○○○○○)〉席薦簀簾苫、鋪設及蒲藺葦等事一、

〔大饗雜事〕

p.0086 一疊〈寬和二敷二高麗端疊一、其上敷二土鋪圓座等一、〉
親王座一帖〈首書永久記、靑地唐錦緣、承平六加二土鋪一云々、設レ茵云々、〉
龍鬚面 靑錦緣〈地白文靑〉 白生絹裏
長六尺五寸五分 弘三尺三寸 緣靑地錦〈弘一寸五分〉
辨少納言座三枚〈首書永久、引重敷之云々、〉
兩面端〈面國筵、裏布、高麗文、〉 〈首書康和記、出雲筵、 久安記、敷出南庇中央依レ爲二狹間一引重之、〉
〈大辨机與二中辨机一有レ隙、〉
一世源氏座一枚〈紫〉
殿上人座 諸大夫座 雜色所衆座 召人座二枚 裏殊用二美麗一〈延久記、先々諸衞官人敷レ之、今度下家司鋪レ之、〉 已上紫緣、裏白布、如二高麗一裏也、
上官座六枚、綠端、〈面國筵〉 尊者車副牛飼等座、布緣帖、

〔三中口傅〕

〈三〉

p.0086 〈三條〉一鋪設裝束事
〈中山〉客亭
以二對南庇一、爲二賓客座一、西第一間北障子際、敷二高麗端帖一枚一、爲二主人座一、其前置二脇息硯筥等一、〈脇息在レ左、硯在レ右、〉第二間以東南邊敷二高麗端帖二枚、紫端一枚一、爲二客人座一、無對之第用二二棟廊一、
中門廊
壁邊敷二紫端帖二枚一、〈此疊或不レ敷レ之、家々説異、〉車寄戸南桙立倚宿申簡〈戸内在レ之〉 障子上
敷二紫端帖四枚一、〈二行對座〉北母屋際懸二紺垂布一、
侍所
障子上以東、敷二紫端帖六枚一、〈二行對座〉其間立二朱漆臺盤二脚一、北庇西遣戸邊通、逼二長押一立二朱塗唐櫃一合一、其傍立二日給簡一、置二文杖等一、火爐北邊、敷二紫端帖二枚一、〈東西行〉傍二東遣戸一、敷二同帖一枚一、〈南北行〉爲二所司座一、其前置二硯筥一合一、〈檜筥瓦硯〉北庇幷東西遣戸共懸二紺垂布一、
隨人所
西壁邊敷二高麗端帖一枚一、爲二別當座一、〈常不レ敷レ之可レ倚レ之、有二別當來著事一之時敷レ之、〉以東敷二黃端長疊一、〈興二別當座一絶レ席〉其間立二撥足臺盤二脚一、南庇敷二紫端帖一、爲二宿侍所一、北庇懸二紺垂布一、〈已上中山〉
〈基親〉客亭座
大臣家端一行敷二高麗一、末敷二紫一座一、是藏人頭幷大弁座也、大臣家高麗對座敷レ之、其末對座敷二紫端帖各一枚一、爲二大夫史大外記等座一、
大中納言以下客亭ニハ不レ敷二續紫一、中門廊一行敷二紫端帖一、非常儀假ニハ敷レ之歟、稱二諸大夫座一不二打任一、大臣家ニ取テ事也、其外不レ敷レ之、一枚二枚皆一行依二所便一也、〈○中略〉
〈中〉殿上人著二高麗端一事
法成寺修正辨御八講、公卿座末殿上人著座、
凡僧著二綠端一事
最勝講講師、僧綱座綠端、已講座黃端也、而僧綱人數加增之時、已講座上ニ雖二一人一可レ著二其末一、是例也、
〈神泉〉諸御願寺供養僧綱座、兩面端、凡僧座綠端也、然而且依二常儀一且依レ忌二赤色一、尤可レ用レ綠、僧正參者必雖 レ敷二兩面端一、猶可レ儲歟、
疊
公卿家無二高麗紫一 綠端〈准二高麗一〉 黃端〈准レ紫〉 兩面端〈准二繧〓一、其體似、錦、〉

〔門室有職抄〕

p.0088 御所御裝束事
緣ニ疊ヲ敷ハ端ヲ可レ責也、前ヲ爲レ道、繧〓ノ緣疊茵不レ鋪バ不レ可レ敷、シトネハ公卿非參議已上ノ家ニ可レ敷也、然者雖二法橋一不レ依二禪里一可レ敷也、大文高麗ハ寢殿母屋ニ非バ不レ可レ敷、何人家ニモ敷也、

〔類聚名物考〕

〈調度四〉

p.0088 疊敷樣の事
伊勢家禮式 坐敷に疊敷べき樣の事 本をば何疊敷ても、まはりしきに敷物也、必床の前を上て横疊に敷もの也、横疊四帖ならべてしかぬものといへり、

〔疊之卷〕

p.0088 夫疊の制、上古よりありし物にて、日本紀神代の卷に、八重席(タヽミ)を敷と有、是疊のはじめ也、
八疊敷、愁の時如レ此、 八疊敷、祝ひに吉、何も如レ此、
客 上 主 下
客 上 主 下
客 上 主
一とをりの間の疊は、何も横に敷也、 一上座より二疊目は、盃をすゆる所也、
一客人とめの時、夜著枕筵敷疊の事、
一糞板の有所、二三疊目也、〈○下略〉

〔貞要集〕

〈三〉

p.0089 疊敷樣の事
一疊にさし表さし裏有、床疊は床緣にさし表成申候樣に敷申候、道具疊大目ぬめ敷居の際は、水指置合るに疊の目數に合る也、疊緣曲り柱ぬめ敷居際まで、一分二分幅狹く成ても、丸目を見申候樣に疊屋へ好可レ申候、疊の緣半目に懸らぬやうに致候、總て床前は床形に丸一疊を見申候樣に敷申候、四疊半敷樣は、床疊、客疊、踏込疊、道具疊、爐疊は半疊に切申候、然共床の付樣によりて、半疊を勝手口に敷、丸一疊に爐切申事あり、それは床前丸疊を見申候樣に敷申故也、風爐にはいつとても半疊を勝手口に敷申事也、又四疊半の疊敷樣、疊の藺筋、客疊と道具疊の緣へ眞直に通り候樣に、爐如レ法切也、爐際の疊は、緣道具疊の向の緣ち際に付也、藺筋客疊道具疊と見迺す也、疊緣は幅七分也、

〔成氏年中行事〕

〈正月〉

p.0089 一同十一日、御評定始、〈○中略〉御評定所ハ十五間、中ハ油磨、紫緣之御疊廻敷ニテ、衆中ノマヘソトニ半疊アリ、御坐ハ常ノ御坐ヲ紫緣ノ御タヽミノ上ニ重テシカルヽ也、

〔光源院殿御元服記〕

p.0089 一御殿樹下殿南向也、但御座敷ハ西ヲ請セラルヽ北南三間西東二間、中ノ御座敷也、疊ハマハリ敷ニテ間中通路ヲ明ラル丶、〈○下略〉

〔江談抄〕

〈三/雜事〉

p.0089 疊上下事
又被レ談云、知二疊上下一〈天〉可レ敷事也、面筵ヲ裏〈仁〉折返〈天〉閉付タルヲ上ト知也、不レ折〈天〉唯付ヲ下〈仁〉可レ敷也云々、

〔類聚名物考〕

〈調度四〉

p.0089 疊上下 今案に、如レ此見ゆれども、今の疊にはこの差別なし、此文を以て見れば、今の疊の如く厚き床をば付ずして、今の合せ御座の如く、上敷のやうにしたる物なるべし、古今の違なる事、是等にても知るべし、

〔槐記〕

p.0090 享保十一年正月十一日、常修院殿ノ常ニ御物語ニ、疊ニ本末ト云コトアリ、多ハ人ノ知ラヌモノ也、本末ヲ吟味シテ敷タルタヽミハ少ナキ者也、氣ヲ付テ見ルベシト仰ラレシガ、眞ニナキモノ也、疊ノヌイ出シノ方ヲ本トス、目モロクニシテ、コジレモナシ、ヌイサキハ何トシテモ、目モ半ニカヽリネジレアル故ニ、爐ノキハ本ノ方ヲ敷カネバ、ジダラクナルモノ也ト仰ラル、今モ幸雪〈常修院樣御近習〉ナドガ能覺テ居テ、疊屋ガシカラレタリト申ス、 十四日參候、疊ニ本末ト云コトアリト仰ラルヽヲ再ビ窺フ、仰ニ、ヌイ出シノ所ハキワモ正ク、目通リモ正シ、是ヲ本トス、ソレナリニ推出シテイテ、向ノ方ハナリ次第ニヘリヲツクル故ニ、目通リモナニトシテモ正シカラズ、ネジモアルモノ也ト仰ラル、

〔秋齋間語〕

〈三〉

p.0090 疊に上下あり、主君師父など申入る時、第一此心得あるべき事、古實第一なり、〈○下略〉

疊刺/疊屋

〔運步色葉集多〕

p.0090 疊刺(サシ/○○)

〔雍州府志〕

〈七/土産〉

p.0090 疊 凡造レ疊人稱二疊刺一、以レ鍼刺縫之謂也、其家謂二疊屋(○○)一、京師大針氏幷伊阿彌等爲レ長、禁裏院中之疊製レ之、

〔人倫訓蒙圖彙〕

〈六〉

p.0090 疊師(○○) 疊といふは今の薄緣といふもの也、疊置て是を敷ゆへ也、今時禁裏御疊屋烏丸通八幡町の下大針加賀、同通四條上ル丁伊阿彌筑後、油小路六角下ル丁同長門、大坂道修町道頓堀京堀川中立賣の下、其外所々にあり、

〔大館常興日記裏書〕

p.0090 〈折紙也〉東山御殿御作事時、御疊方(○○)未下分、疊指兩人註文如レ此候、此旨被二仰付一候者、可レ然存候、恐々謹言、 本郷三郎
十二月廿五日 信泰判

〔快元僧都記〕

p.0091 天文九年九月廿六日、普請如二昨日一、氏綱〈○北條〉自被レ致レ之、上悉出來畢、疊指自二小田原一被二召上一畢、

〔梵舜日記〕

p.0091 慶長七年九月二日、豐國御倉之米、瓦師疊サシ、大工半二郎、鍛冶三右衞門共、職人分米十九石餘相渡了、

〔享保集成絲綸錄〕

〈三十四〉

p.0091 明曆三酉年八月〈○中略〉
一上大工壹人ニ付銀三匁、飯米共ニ、〈○中略〉
一疊さし右同斷〈○中略〉
右上職人は、直段可レ爲二定之通一候、其より下之職人は、可レ爲二相對一事、〈○中略〉
元祿十二卯年正月〈○中略〉
一疊方 〈伊阿彌新之丞 中村彌太夫 早川助右衞門 渡邊與愡左衞門〉
右之者共、向後其職々之肝煎相究候間、町中家持は不レ及レ申、借屋、店借、地借之職人ども、同弟子手間取之者共迄爲二申聞一、家職之儀ニ付差圖急度相守、少も違背仕間敷候、此旨町々ニ而、職人共ニ可二申渡一候、以上、
正月〈○中略〉
享保十二未年十二月
一暮御疊御用ニ付、疊屋共方〈江〉御國役疊刺之儀、御疊大工(○○○)ゟ相觸候得共、不二差出一もの多く有レ之ニ付、御用御手支ニ罷成候間、御疊大工ゟ相觸次第、無二遲滯一罷出候樣、町中不レ殘入念、可レ被二相觸一候、以上、 十二月
享保十四酉年十二月
一國役相勤候疊刺之儀、御疊大工中村彌太夫、早川助右衞門方ゟ相觸次第、無レ滯差出候樣、先達而相觸候處、不二罷出一候族も有レ之、御用御手支ニ成候間、依レ之當年御役勤濟候者も、未進之者も、明廿五日ゟ廿八日迄四日之、内、壹軒ゟ壹人充、急度罷出相勤可レ申候、
右之通被二仰渡一候間、此旨町中不レ殘入念、可レ被二相觸一候、以上、〈○中略〉
元文五申年三月
一町中表店裏店居候疊屋疊刺共、人別此案紙之趣を以、名主支配限、帳面認、來ル廿二日樽屋所〈江〉可二差出一候、人數書落等無レ之樣、入念相改可レ申候、
覺
〈何町何丁目〉一壹人 〈誰店〉疊屋誰印〈何人 何人 何人〉
但〈手間取 弟子 職人〉 〈何町何丁目〉一壹人 〈誰店〉疊刺誰印〈何人 何人〉
但〈弟子 出居衆〉
右之外拙者共、町内壹人も無二御座一候、以上、
三月 〈何町〉月行事誰印
〈何町〉同 誰印
名主 誰印
右帳面同樣貳冊充認、右日限、月行事持參可レ申事、
一疊屋疊刺無レ之町々者、其斷書可二差出一事、 一右帳面差出以後は、御疊大工中村彌太夫、早川助右衞門相廻、前々之通可二相改一候間、右兩人〈江〉差圖候樣、疊屋共〈江〉可二申聞置一候、且又新店等出し疊屋疊刺共之内、右兩人方〈江〉相屆不レ申者も有レ之由相聞、不埓候、自今新店出し候分ハ、無レ滯彌太夫、助右衞門方〈江〉疊屋疊刺共より、急度相屆可レ申候、
右之趣、入念可レ被二相觸一候、以上、
三月
元文五申年七月
一町中疊屋共、人別此度相改、前々之通帳面印形取申候間、其町々名主支配限、疊屋共不レ殘、來る廿日より同廿一日迄に、四時ゟ八時迄之内、柳原松下町、中村彌太夫方〈江〉罷越、帳面ニ印形致候樣、急度可二申渡一候、此旨町中不レ殘、可レ被二相觸一候、以上、
七月

〔鶴岡放生會職人歌合〕

p.0093 七番 左 疊差
いづくにか月の光のさゝざらん波をたゝみの浦のみちしほ
戀すればこゝろたかくぞなりにけるへりもをかずやいひきかせまし

〔七十一番歌合〕

〈中〉

p.0093 四十三番 右 疊刺
山端にいざよふ雲のをしくゝみ月にへりある秋の夕暮

〔毛吹草〕

〈三〉

p.0093 山城 疊大工(タヽミダイク)

〔國花萬葉記〕

〈七下/武藏〉

p.0093 江府名匠諸職商人
疊屋〈御用人右ニしるす〉 疊町 山王丁 惚十郎丁 神田〈田丁〉 鐵炮丁 小傳馬丁 瀧山町〈たゝみや〉宗右衞門〈たゝみ丁〉 〈同〉長右衞門〈弓丁〉 〈同〉喜兵衞〈南大工丁〉 二郎兵衞〈すきや丁〉

〔七十一番歌合〕

〈中〉

p.0094 四十三番
畳刺
九条殿に何事の御座あるやらむ 帖をおほく刺させらゝ 彌市〈山王丁南かし〉

〔寶永五年武鑑〕

p.0095 御疊表屋 〈申ばしかし〉喜右衞門
御疊師 〈内がし〉伊阿彌新之丞〈疊丁〉早川助右衞門〈京橋南一丁メ〉中村彌太夫

〔天保十一年武鑑〕

p.0095 御疊方 〈五十俵二人フチ、ごふく丁うら通、〉伊阿彌林之助〈かんだいわゐ丁〉中村彌太夫〈かんだお玉が池〉早川助右衞門〈人足方さくらだくぼ丁〉勝田五郎兵衞
御疊表〈幷〉御緣所 〈日本ばし南二丁メ〉近江屋加兵衞

疊雜載

〔延喜式〕

〈三十八/掃部〉

p.0095 凡主鈴典鑰等座料、以二古弊疊(○○○)六枚一毎二年終一充レ之、
凡東西悲田、毎年冬季所レ給、古弊疊卅枚者下二行施藥院一、總二計彼院及兩悲田當時所レ養病者孤兒定數一均令二分給一、

〔東大寺正倉院文書〕

〈十五〉

p.0095 寫經所解
合請〓七十七枚、〈見七十三枚、又古十九枚、失四枚、知阿刀息人、〉今請卅六枚〈○中略〉
右物等所レ請如レ前謹解 〈十八年(天平)正月卅日〉

〔古事談〕

〈一/王道后宮〉

p.0095 陽成院御邪氣大事ニ御坐之時、依レ不レ御二坐儲君一、昭宣公〈○藤原基經〉親王達ノモトへ行廻ツヽ見二事體一給ニ、他之親王達ハサワギアヒテ、或裝束シ、或圓坐トリテ、奔走シアハレタリケルニ、小松帝〈○光孝〉ノ御許ニマイラセ給タリケレバ、ヤブレタル御簾ノ内ニ、緣破タル疊ニ御坐シテ、本鳥二俣ニ取テ無二傾動氣一御坐ケレバ、此親王コソ帝位ニハ卽給ハメトテ、御輿ヲ寄タリケレバ、鳳輦ニコソノラメトテ、葱花ニハ不二乘給一ケリ、

〔後奈良院御撰何曾〕

p.0095 古だゝみ いくち

〔三省錄〕

〈四/附言〉

p.0095 明和九年大火のとき、江戸中うりありきたる文に、
大火事の節、相場あらまし、〈○中略〉 一古疊三百五拾文

〔源氏物語〕

〈十二/須磨〉

p.0096 御ともにまいるべき心まうけして、わたくしの別おしむほどにや、人めもなし、さらぬ人はとぶらひまいるもをもきとがめあり、わづらはしきことまされば、所せくつどひし馬車のかたもなくさびしきに、世はうき物なりけりとおぼししらる、だいばんなどもかたへはちりばみて、たゝみ所々ひきかへしたり、みるほどだにかゝり、ましていかにあれゆかんとおぼす、

〔枕草子〕

〈二〉

p.0096 七月ばかりいみじくあつければ、よろづの所あけながら、夜もあかすに、月のころはねおきて見いだすもいとおかし、やみも又おかし、有明はたいふもをろかなり、いとつやゝかなるいたのはしちかう、あざやかなるたゝみひとひらかりそめにうちしきて、三尺のきちやうおくの方にをしやりたるぞあぢきなき、

〔今物語〕

p.0096 或殿上人さるべき所へ參りたりけるに、おりしも雪降て月おぼろなりけるに、中門のいたにさぶらひて、寢殿なる女房にあひしらひけるが、此おぼろ月はいかゞし候べきといひたりければ、女房返事はなくて、とりあへずうちより、たゝみををしいだしたりける、心ばやさいみじかりけり、
〈新古〉照もせず曇もはてぬ春のよの朧月夜にしくものぞなき
○按ズルニ、新古今和歌集ニハ、文集嘉陵春夜詩、不明不暗朧々月といへることをよみ侍ける、大江千里トアリテ、此歌ヲ載セタリ、

〔富樫記〕

p.0096 政親宣强(ハテ)不レ可レ作レ罪、悕二來世之報一、去來(イサヤ)面々腹ヲ切ト(レ)宣フ、去バ承候ト、疊五六十帖擲出シ、廣庭ニ敷並々々居、旣ニ欲レ切レ腹、

〔駿河土産〕

〈二〉

p.0096 駿府御城内に而、若き御番衆寄合、相撲取居候所江權現樣被レ爲レ成上意之事、
權現樣、駿府に御座被レ遊候節、御城内にて若き御番衆寄合、座敷相撲を取居被レ申候處へ、不圖被レ爲 レ成候に付、肝をつぶし平伏被レ致候處に權現樣被レ仰候は、重而相撲を取候節は、疊を裏返して取たるがよきぞ、福阿彌が見候ば、疊の緣りが損じ候とて、腹をたつべきぞと有迄にて、御呵の上意とては無レ之候得共、諸番頭中、右之次第を聞被レ及、其後座敷相撲停止に被二申渡一候と也、

〔内安錄〕

p.0097 一今の女御入内〈○嘉永元年十二月十五日〉前日、安房守月番にて、大奧より申ノ口の疊不足を申出、御圍の内を先立相廻し、此頃出來榮見分も相すみ、御疊の不足と申事は有レ之間敷、能々先例相糺たる所、前新朔平門院、前新皇嘉門院、入内にも申ノ口の疊不足にて、前日に至り、俄に疊相廻したる書記有レ之、扨々不思議なることゝ、尚先例糺見れば、今の女御御殿は、寬政度の御造營の時、前淸和院中宮にて被レ爲レ在候故に、申ノ口に疊なし、申ノ口に天井なし、疊なしは、禁中と中宮御所に限たることにて、女御の内は申ノ口といふ名目無レ之、御張付の形にて、梅竹の間と唱へ、疊敷詰並之御座敷なり、〈是故實のよし、是は負たり、〉

〔鈴鹿家記〕

p.0097 應永元甲戌年十二月
一三日乙巳、御元服ノ用意、〈○中略〉疊屋五郎兵衞ニ、廣間書院ノ表替十五日ノスヽ拂ニカエ可レ申由申渡ス、近江表ノ上ニ、
一十三日乙卯、近江表、五郎兵衞御本所エ爲レ持、筑前〈○大角時行〉兩人吟味仕、上々表一帖ニ付一升五合宛ニキワムル、
一十五日丁巳御煤取卯ノ中刻ニ御本所エ出ル、禰宜神人十六人、檀所掃部朝晝夕御本所御振舞、廣間表替、書院表カエ疊數廿八帖、

〔梵舜日記〕

p.0097 慶長三年十月二日、數寄屋疊面替、粟田口在所又太郎申付了、 七年八月十日、寶殿疊作料申付、 十一日、今日ヨリ賓殿之疉、神供所廿一疊丹波ヲモテ替了、在所藤兵衞子申付、作料疊ニ付一升三合申定、飯料別ニ遣也、次粟田口又太郎ニ寶殿申付、一疊ニ付四升申定、コレハ飯料カケ テ筭用申付、内陣已下已上廿五帖之ヲモテ替也、 十九日、當月之神事ニ、神前内陣疊悉面替申付、十一年八月十八日、寶殿政所御出之所、厚疊十六帖、御座疊一帖面替申付、次黃衣之番所疊十一帖申付、

〔續武家閑談〕

〈十七〉

p.0098 一台德公〈○德川秀忠〉ハ東照宮〈○家康〉ヲ殊外御敬遊サレ、薨御以後初物何成共、御宮へ御獻上アリ、毎月十六日ヨリ堅キ御愼ニテ御著服ハ申ニ不レ及、御座ノ間ノ御疊モ毎月十六日表替被二仰付一、

〔梵舜日記〕

p.0098 元和六年六月卅日、當院客殿疊面替、彦三郎來申付也、兩人來也、 七丹一日、當院勤行延引、疊面替付如レ此也、
寬永四年十二月廿八日、彦三郎ニ疊ユルリ申付也、面替也、 九年九月廿七日、疊面替、彦三郎申付也、 廿九日、今日迄疊面替相濟也、

〔七十一番歌合〕

〈中〉

p.0098 四十三番 右 疊刺
獨ふすたゝみのうらのかくし針(○○○○)人にしられぬ戀もするかな

〔毛吹草〕

〈三〉

p.0098 攝津 玉作(タマツクリノ)疊針(タヽミバリ/○○)〈○中略〉 疊疱丁(タヽミハウチヤウ/○○○)

圓座/名稱

〔倭名類聚抄〕

〈十四/坐臥具〉

p.0098 圓座 孫愐曰䕆、〈徒口反、上聲之重、此間云圓座、一云和良布太(○○○○)、〉圓草褥也、

〔運步色葉集〕

〈衞〉

p.0098 圓座(○○)

〔書言字考節用集〕

〈七/器財〉

p.0098 圓座(ワラフダ)〈出レ惠〉 圓座(エンザ)〈順和名、圓草褥也、出レ和、〉

〔和漢三才圖會〕

〈三十二/家飾具〉

p.0098 䕆(ゑんざ/わらふた)〈音豆〉 圓座 和名和良布太 此間云圓座〈○中略〉
按用レ藁作レ之、鋪二于地上一座者也、 有二藺䕆(キエンザ)一有二蒲䕆(カマエンザ)一、出二於讃州一者美、

〔倭訓栞〕

〈前編四十四/惠〉

p.0098 ゑんざ 圓座と書り、讃岐國の出す處の菅圓座、三代實錄に見えたり、大さ徑り二尺ばかり、厚さ二寸餘りとかや、大饗などの時に用ゐさせらるゝは、しとねの圓き也といへ ど制異れり、大饗雜事に、圓座は京筵面紙を押すといへり、西土に坐團と見えたり、雅亮抄に、しとねの樣なるものゝまろくて、へりばかりのかはりたる也といへり、

〔貞丈雜記〕

〈八/調度〉

p.0099 一わらうだとは圓座の事なり、枕草子に、〈此の草子の内、所々にわらうだの事あり、〉御わらうだなど聞え給へど云々、是は蒲の葉の圓座なるべし、〈わらとは、いねの葉のみを云ふにもあらず、蒲などの葉のかれたるも、わらと云ふべし、そのわらにてくみ作りて、物のふたの樣なれば、わらふだと云ふを、詞にはわらうだと云ふ歟、〉

〔安齋隨筆〕

〈前編十二〉

p.0099 圓座 禁中に用らるゝも、本は蒲にて組たる也、蒲團と云も此事也、後は綾錦にて包み作りたるもあり、圓座の中に穴を明けたるは古樣ならず、〈穴を明けたるをばハマと云、ハマ弓は是を射る也、〉

〔瓦礫雜考〕

〈一〉

p.0099 はま 濱なげ
中に穴ある丸きものを濱(ハマ)といふは、端をはといひ、間中(マナカ)をまといふ歟、又は濱曲(ハマワ)などいふことより、輪をはまといひしにや、〈○中略〉圓座の中に穴を明たるをはまといふも、義はおなじかるべし、圓座は禁中にて用ひらるゝも、もとは蒲にて組たりとぞ、これ卽蒲團なり、後には錦綾にて包み作りたるもあり、 此圓座、古畫に多く見えたり、圓座の中に穴をあけたるは、古樣ならずといへるものもあれど、穴あきたるが古製なるべし、圓座を和名抄に和良布太(ワラフダ)と訓ぜるは、稻草(ワラ)にて造りたるゆゑにや、蒲團といふも蒲にて造れば也、稻草蒲(ワラガマ)などにて曲(ワ)にして造らば、中に穴あるべき筈なり、中に綿など入て錦綾にてつゝまば、穴は無き理なり、さるを錦綾にて製たるにも、ことさらに穴あくるは、本の形を存せるなるべし、〈○下略〉

圓座製作

〔延喜式〕

〈三十八/掃部〉

p.0099 藺圓座(○○○)一枚、〈徑三尺〉料藺〈以二一圍一作二八枚一〉長功一人、中功一人半、短功二人、
菅圓座(○○○)一枚、〈徑三尺、厚一寸、〉長功一枚半、中功一枚四分之一、短功一枚、
蔣圓座(○○○)一枚、〈徑二尺五寸、厚五分、〉長功十五枚、中功十二枚半、短功十枚、
細繩長功百五十丈、中功百丈、短功七十五丈、造二鋪設一所レ須、高棚二枚、〈隨レ破請換〉刀子二枚、長針四枚、宮人日 績レ麻八兩、
右依二前件一、其縫二席端一幷績レ麻宮人者、内侍充レ之、造作之間幷給二間食一、人別日白米八合、鹽八撮、滓醬一合、四月一日申レ省受レ之、
作手八人〈各日黑米一升六合〉

〔雅亮裝束抄〕

〈一〉

p.0100 だいきやうのこと
ゑんざといふは、しとねのやうなるものゝまうにて、へりばかりのかはりたるなり、大納言はむらさきのいろのかうらいのもんしたるへり、中納言はうるはしきかうらいのへり、宰相のはきなるかうらいのやうしたるをさして、おもてはしとねのやうに、あやをして、うらにはこきうちうらをつけたり、これをゑんざといふなり、

〔類聚名物考〕

〈調度四〉

p.0100 ゑんざ 圓座〈和名抄〉
おもふに、これによりて見れば、圓座をわらふだとよめるはあたらざるに似たり、されども和名抄に、さよみたれば、昔はさありしか、この比にかゝるものいできて、わらふだとはおのづから異なる物となりしもしるべからず、さらばすがゑんざといふ物は、この抄〈○雅亮裝束抄〉の中にもみゆれば、圓座をわらふだといひしにやあらん、

〔大饗雜事〕

p.0100 一圓座〈 京筵面ニ紙ヲ押ス、上ニ入レ綿一倍二陪許、中ノ眞ハ京筵一枚、裏面ニ紙ヲ押也、〉
大納言座 面白堅織物〈輪違〉 裏白生絹 紫錦緣 地白文紫〈輪違〉
中納言料 靑錦緣 地黃文靑〈輪違〉
參議料 面白堅織物〈輪違〉 裏白生絹 大文高麗緣 地白文黑〈輪違〉
非參木大辨料一枚〈首書、保元非參木座敷二高麗端藺筵半帖一、〉龍鬚面高麗端〈地白文黑シ、龍筵ニ此緣ヲ差タル也、他ノ圓座ハ如レ茵ニ緣ハシタニテ、上ニ白堅織物ノ面ヲ押タリ、此ハ例ノ疊ナドノ如ニ緣ヲバ差タル也、〉

〔雍州府志〕

〈七/土産〉

p.0101 圓座 以二蘭莖幷芻藁一造レ之爲レ座、

圓座種類/以原質爲名

〔名目抄〕

〈雜物〉

p.0101 菅圓座(スゲ/○○○)

〔儀式〕

〈十〉

p.0101 飛驒儀
内記置二勅符於大臣座前一而退候二於陣邊一、卽仰二掃部寮一立二踏印案一、〈○註略〉及敷二疊二枚一、〈去二大臣座南一一丈五尺許北上東西面、或時敷二菅圓座四枚一、〉

〔延喜式〕

〈二十三/民部〉

p.0101 交易雜物
讃岐國〈(中略)管圓座卌枚○中略〉
右以二正税一交易進、其運功食並用二正税一、

〔新儀式〕

〈四/臨時〉

p.0101 御讀書事〈付二竟宴一也、可レ載二御日記所日記抄等一、〉
孫廂南第五間、鋪二菅圓座一爲二博士座一、〈南面〉第三間、鋪二同圓座一爲二尚復座一、〈西面〉

〔江家次第〕

〈一/正月〉

p.0101 供二御藥一
晝御座前敷二菅圓座一枚一爲二陪膳女房座一、其南又敷二一枚一爲二尚藥座一、

〔江家次第〕

〈七/六月〉

p.0101 六月晦日
東庭鋪二菅圓座一爲二齋王座一

〔大饗雜事〕

p.0101 一菅圓座四十枚、此内厚圓座三枚、
〈讃岐圓座也、穩座料也、主人座圓座是也、寒時大饗地鋪下敷二讃岐圓座一、以レ裏爲レ表敷レ之、當二上圓座下敷一也、〉

〔西宮記〕

〈正月上〉

p.0101 童親王拜覲事
應和元年十一月四日、此夜輔子、資子内親王始謁見〈○中略〉内親王進著二菅圓座一、〈圓座鋪二御帳南邊一○下略〉

〔中右記〕

p.0101 嘉保三年〈○永長元年〉三月廿四日、今日御二覽臨時殿上賭弓一、〈○中略〉南簀子敷、去二御椅子西邊一一許丈、敷二菅圓座二枚一爲二兩殿下〈○藤原師實、同師通、〉御座一、

〔殿曆〕

p.0102 永久三年五月廿五日申午、今日最勝御八講結願也、〈○中略〉裏書、廿五日、東三條東對南庇四箇間敷二滿長筵一、副二北東兩方御障子一、立二廻四尺御屛風一、東第二間敷二高麗端帖一枚一、〈南北爲レ妻〉其上敷二土敷幷東京錦茵一爲二大臣座一、同第三間敷二菅圓座一爲二予〈○藤原忠實〉座一、

〔大饗次第〕

p.0102 嘉禎二年六月九日
主人仰云、左近中將師繼朝臣、辨少納言座錄事、各承レ仰、微唯、〈同音〉左廻退歸、
此間地下五位二人、取二菅圓座一敷二辨少納言座前一、〈一枚當二第一人前一敷レ之、一枚自二下二第二人前一敷レ之、〉

〔延喜式〕

〈三十八/掃部〉

p.0102 六月奏二御ト一日、〈○中略〉近衞兵衞等各用二蔣圓座(○○○)一、〈○中略〉
藺圓座一枚〈徑三尺〉料藺〈以二一圍一作二八枚一〉長功一人、中功一人半、短功二人、

〔玉露叢〕

〈十三〉

p.0102 一同年〈○寬永十六年〉ニ江戸大火、此時御城回祿ス、御城御普請出來シテ、御移徙ノ時、御一門及ビ諸大名衆ヨリ獻上物ノ品々、〈○中略〉
一天鵞絨御圓座(○○○○○○) 十 朽木民部少輔種綱

以製作爲名

〔名目抄〕

〈雜物〉

p.0102 厚圓座(アツエンザ/○○○)

〔内侍所御神樂部類〕

p.0102 天承元年十二月六日己已、今夕内侍所御神樂也、藏人忠重爲二行事一奉二仕御裝束一、其儀、〈○中略〉
同〈○母屋〉第四間東西北立二廻大宋御屛風三帖一、其内敷二高麗帖二枚一、其上供二厚圓座一枚一、〈南向〉其前立二御火爐一、〈積レ炭〉爲二御神樂御座一、

〔兵範記〕

p.0102 仁安三年十二月十四日辛丑、臨時祭〈○賀茂〉試樂也、〈○中略〉東簀子二間以南敷二菅圓座一爲二殿下以下納言座一、〈北第一枚敷二厚圓座一爲二殿下座一、〉

〔大饗次第〕

p.0102 嘉禎二年六月九日
敷二圓座於南簀子一〈兼儲二祿所一役人就取レ之〉 先地下五位一人取二厚圓座一敷二階東間一、〈主人料〉次々二三放取具敷レ之、

〔玉蘂〕

p.0103 嘉禎四年〈○曆仁元年〉四月十一日丙辰、此日順孫忠家加二首服一、〈○中略〉今朝家司高嗣奉二仕御裝束一、
其儀〈○中略〉其南〈○納言座〉相對敷二菅圓座五枚一爲座、西第一間西頭敷二厚圓座一枚一〈寄レ南〉爲二主人座一、

〔葉黃記〕

p.0103 寬元四年四月廿三日壬午、是日於二院御所一、〈冷泉萬里小路殿〉有二親王〈○後嵯峨皇子宗尊〉御著袴事一、〈○中略〉上皇入御、親王又入御、〈○中略〉次改二御裝束一、〈○註略〉卷二南庇五ケ間御簾一、〈○中略〉親王御座撤レ之云々、階間以東簀子、幷透渡殿敷二圓座一、〈大臣料用二厚圓座一〉

〔和長卿記〕

p.0103 大永六年四月二十九日壬午、今夜踐祚儀也、〈○後奈良、中略、〉關白〈○藤原稙家〉令レ參給、〈○註略〉頭辨向二極﨟一、厚圓座事仰之處、未二用意一云々、俄圓座二枚令二閉重一、〈○中略〉劒璽渡御、〈○中略〉關白候二簀子一、〈設二厚圓座階南一〉

〔仁孝天皇御卽位記〕

p.0103 御卽位調進物御下行
掃部寮分〈○中略〉同〈○米〉九斗、厚圓座三枚、

〔忠利宿禰記〕

p.0103 承應三年十一月廿八日、花町宮、〈○後西院〉有二踐祚之事一、〈○中略〉
調進、〈○中略〉掃部寮、〈○中略〉 〈劔璽渡御路次○中略〉 厚圓座〈貳枚〉 薄圓座(○○○)〈四枚〉

〔江家次第〕

〈二/正月〉

p.0103 大臣家大饗
非參議大辨、著二無面圓座(○○○○)一、絶席、

〔江次第抄〕

〈二/正月〉

p.0103 非參議大辨著二無面圓座一、〈○中略〉今案無面圓座者、常圓座無レ緣者(○○○○○○)也、中辨以下用レ疊、大辨用二圓座一異レ他故也、

以産地爲名

〔雍州府志〕

〈七/土産〉

p.0103 圓座〈○中略〉 元出レ自二讃岐國一、依レ之或稱二讃岐藁座(○○○○)一、

〔權記〕

p.0103 寬弘七年三月十二日辛卯、此夜夢積二讃岐圓座(○○○○)數百枚一臥二其上一、是奉二仕内裏御祈願一所レ見也、

〔長秋記〕

p.0103 天承元年三月廿二日己未、中宮大夫〈○藤原宗忠〉尚齒會也、日來有二招引一、〈○中略〉入レ自レ門之間、頭中將宗能、右少辨宗成、出向迎謁、南庭地上置二讃岐圓座七枚一、東上南面、大納言家〈○宗忠〉令レ被レ坐、

〔新猿樂記〕

p.0104 四郎君、受領郎等刺史執鞭之圖也、於二五畿七道一無レ所レ不レ屆〈○中略〉讃岐圓座(ワラウダ)、〈○下略〉

〔玉蘂〕

p.0104 承久二年十一月五日辛卯、此日皇太子〈懷成三歲○仲恭〉御著袴也、〈○中略〉 祿物領狀國々〈○中略〉
圓座卅枚 讃岐

〔空華日工集〕

p.0104 至德三年三月二日、關東奉行明石將監至、蓋傳二幕府之命一也、四州阿波光勝院大享擧二其小師中漁一而掛塔、仍送二皮韈圓席二物一、余作二二詩一謝レ之曰、讃州圓席似二圓蒲一、宜レ暖宜レ寒箇樣無、從レ此小軒游息處、不レ愁坐客闕二氍毹一、

〔毛吹草〕

〈三〉

p.0104 近江 八幡圓座(○○○○)

以緣地爲名

〔定家朝臣記〕

p.0104 康平三年七月十三日、始御裝束、今日以後、日次不レ宜、仍此間漸々可二奉仕一也、〈○中略〉同南庇鴨柯下並母屋南面四間、西庇庇妻切二間、同鴨柯下等簾、立二廻四尺屛風一、南庇敷二土敷圓座一、爲二公卿座一、〈納言四人座、東上南面、用二唐錦緣圓座(○○○○○)一、宰相六人座、對座用高麗緣圓座(○○○○○)一、土敷緣一色用二高麗一也、○中略〉西庇敷二辨少納言座一、〈兩面緣帖三枚、自二戸間中央敷レ之、南端設二大辨料、高麗錦緣無褥圓座(○○○○○○○○)一枚一、〉

〔江家次第〕

〈二十〉

p.0104 賀茂詣〈○中略〉
西第一間〈坤角〉鋪二菅圓座一枚一爲二主人座一、同聞以東副二御屛風一敷レ筵、其上敷二東京錦茵二枚一爲二大臣座一、其東敷二圓座一爲二納言以下座一、〈並西上南面、其大納言圓座紫文白地錦(○○○○○)、中納言靑文黃地錦(○○○○○)、參議者高麗錦緣(○○○○)、〉

〔寬治二年記〕

p.0104 寬治二年十二月廿七日戊辰早旦參殿、依三興福寺法成寺僧徒可二參賀一、令奉二仕御裝束一、其儀、西對南庇敷二滿長筵一、立二四尺屛風一、迫二屛風一、自二東第一間中央一敷二高麗端帖三枚一、其上敷二高麗端土敷一施二紫錦緣圓座(○○○○○)四枚爲二僧都法眼座一、敷二高麗緣圓座二枚一爲二律師座一、其次敷二紫帖一枚一爲二已講座一、東第一間南端鋪二菅圓座一爲二御座一、

〔後二條關白記〕

p.0104 寬治七年四月廿一日丁卯、〈○賀茂詣〉已刻參二高陽院一、〈○中略〉傍二身屋御簾一立二四尺御屛風五帖一、其前敷二高麗端疊五枚一、其上敷二土鋪五枚一、其上東京茵三枚、鋪二紫錦端圓座五枚一、

〔中右記〕

p.0105 嘉承二年正月十九日丙午、今日關白殿〈○藤原忠實〉大饗也、〈○中略〉人々集會、行二寢殿裝束事一、〈○註略〉其儀、如二去康和三年正月廿一日大饗裝束一、但辨少納言座上敷二高、麗錦緣圓座一枚一爲二非參議大辨座一、

以文樣爲名

〔諒闇和抄〕

p.0105 本殿還御の事
當日早旦、又亮陰の御裝束を奉仕す、〈○中略〉殿上朱臺盤を撤して、黑漆の臺盤を立たり、御倚子を撤して、無文圓座(○○○○)を鋪たり、

圓座用法

〔江次第抄〕

〈二/正月〉

p.0105 非參議大辨著二無面圓座一、四位大辨圓座敷二辨少納言疊之北一也、大納言圓座紫白地緣、中納言黃地緣、參議黑白地緣、

〔雍州府志〕

〈七/土産〉

p.0105 圓座〈○中略〉 禁裏院中及神社至二地下人一揔用レ之、

〔古事談〕

〈一/王道后宮〉

p.0105 陽成院御邪氣大事ニ御坐之時、依レ不レ御二坐儲君一、昭宣公〈○藤原基經〉親王達ノモトへ行廻ツヽ見二事體一給ニ、他之親王達ハサワギアヒテ、或裝束シ、或圓坐トリテ、奔走シアハレタリケルニ、〈○下略〉

〔源氏物語〕

〈三十九/夕霧〉

p.0105 をのづから人のけしきこゝろばへは、みえなんとの給はせて、このみや〈○落葉〉に、くら人の少將の君を、御使にて奉り給ふ、
ちぎりあれや君をこゝろにとゞめをきて哀と思ひうらめしときく、なをえ覺しはなたじとある御ふみを、少將もておはして、たゞいりに入給ふ、みなみおもてのすのこに、わらうださし出でゝ、人々物きこえにくし、

〔枕草子〕

〈六〉

p.0105 大納言殿〈○藤原伊周〉は物々しうきよげに、中將殿〈○藤原隆家〉はらう〳〵しふいづれもめでたきを見奉るに、殿をばさるものにて、うへの御すくせこそめでたけれ、御わらうだなど聞え給へど、ぢんにつき侍らんとて、いそぎたち給ひぬ、

〔宇治拾遺物語〕

〈一〉

p.0105 これもいまはむかし、伴大納言善男は佐渡國郡司が從者なり、〈○中略〉しうの郡司 が家へ行むかふ所に、郡司きはめたる相人也けゐが、日來はさもせぬに、ことのほかに饗應して、わらふだとりいで、むかひてめしのぼせければ、善男あやしみをなして、我をすかしのぼせて、妻のいひつるやうに、またなどさかんずるやらむとおそれ思ほどに、〈○下略〉

〔兵範記〕

p.0106 久安五年十月十九日丁卯、今日於二宇治縣小松殿一、有二左府〈○藤原賴長〉若君元服事一、〈○中略〉
今度御裝束、無レ敷レ筵、不レ敷二圓座菅圓座等一、御曹司狹少之上、依レ無二便宜一、毎事省略、旣違二代々儀一、不レ可レ爲二後代如法儀一歟、〈○下略〉

〔山槐記〕

p.0106 治承四年二月十九日辛丑、來廿一日可レ有二御讓位一、〈○高倉、中略、〉秉燭之後、時光自二傳御許一歸參、示二問狀之返事一、〈○中略〉
一攝政被レ仰二下藏人一時、可レ敷二圓座一哉事、延久應德永治敷レ之、自餘無二所見一、仍所二申合一也、
返答云、先例只今不二覺悟一、雖二一代一敷レ之者、尤可レ被レ敷上、有二其理一之故、

〔土岐累代記〕

p.0106 濃州岐阜稻葉山城初築代々城主之事
伊賀次郎、氏ヲ始テ稻葉ト改シ事ハ、京都在番ノ折カラ、圓座ト云物ヲシキモノトセリ、公家ニ見ナレヌ珍キ物カナト、叡聞ニ達シ、稻葉ナリヤト勅詔アリシトナリ、彼一器ヲ勅シ給フ故カ、

〔下行賦類抄〕

〈上〉

p.0106 賀茂祭〈中酉日〉
應仁元年、大亂以後斷絶、 元祿七甲戌年四月十八日、御再興、〈○中略〉調進方、〈○中略〉
一同〈○現米〉九斗 圓座三枚〈掃部寮調進〉

圓座雜載

〔續日本後紀〕

〈一/仁明〉

p.0106 天皇諱正良、先太上天皇〈○嵯峨〉之第二子也、母皇太后〈○嘉智子〉贈太政大臣正一位橘朝臣淸友之女也、太后曾夢自引二圓坐積二累之一、其高不レ知レ極、毎二一加累一、且誦言卅三天、因誕二天皇一云、

茵/名稱

〔倭名類聚抄〕

〈十四/坐臥具〉

p.0106 茵〈褥附〉 野王曰、茵(○)〈音因、和名之土禰(○○○)、〉茵褥又以二虎豹皮一爲レ之、唐韻云、褥(○)〈而蜀反、辱同、此間邇久(○○)、今案毛席名也、、俗以二瑞皮等一爲レ之、〉氈褥也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈六/坐臥具〉

p.0107 茵、今本玉篇艸部云、茵茵蓐、詩曰、文茵暢轂、文茵虎蓐、按慧琳音義四引二顧野王一、上皆云鄭玄注二禮記一云、茵、亦褥也、則知此茵褥、今本茵褥、皆顧氏引二禮注一也、其四引二顧野王一、一引作下以二虎皮一爲レ蓐也上、一引作下以二虎皮或錦繡一爲レ蓐也上、二引作二虎皮褥也一、慧琳音義引作下以二虎皮一爲レ蓐曰上レ茵、希麟音義同、各有二小異一、而皆無二又字及豹字一、此恐文茵以二虎皮一爲レ之之誤、又按、詩小戎篇文茵、毛傳、文虎皮也、釋名、文鞇、車中所レ坐者也、用二虎皮一爲レ之有二文采一、顧氏蓋本レ之、〈○中略〉靈異記訓釋蓐爾口、與二此云俗音邇久一合、按〓羊皮堪レ爲レ褥、今俗或呼二〓羊一爲二邇久一、故源君以二邇久一、爲二毛席名一也、天武紀、褥訓二止己之幾一、下總本、名也下有下俗以二猯皮等一爲レ之七字上、廣本同、〈○中略〉釋名褥辱也、人所二坐辱一也、按説文無レ褥有レ蓐、云陳艸復生也、轉注爲二坐蓐一、後又變从レ衣也、

〔段注説文解字〕

〈一下/艸〉

p.0107 〓、車重席也、〈秦風文茵、文虎皮也、以二虎皮一爲レ茵也、〉从レ艸因聲、〈於眞切、十二部、〉

〔伊呂波字類抄〕

〈志/雜物〉

p.0107 〓褥(シトネ/○○) 〈亦作レ鞇、説丈云車〓病、〉 〓 茵〈野王曰、〓、茵褥云々、之止禰、〉 〓〈車中所レ坐也〉 文〓〈已上同〉

〔運步色葉集〕

〈志〉

p.0107 茵(シトネ)

〔倭訓栞〕

〈前編十一/志〉

p.0107 しとね 倭名鈔に茵をよみ、常に褥をよめり、下寢の義成べし、疊茵、錦茵、唐褥茵、薫爐茵、早歸茵など、江次第に見えたり、錦茵は唐詩にも見ゆ、

〔日本書紀〕

〈二十九/天武〉

p.0107 十年四月辛丑、立二禁式九十二條一、因以詔之曰、親王以下至二于庶民一、諸所服用、金銀珠玉、紫錦繡綾、及氈褥(○/トコシキ)冠帶、幷種々雜色之類、服用各有レ差、

〔江家次第〕

〈三/正月〉

p.0107 賭射裝束
簾外〈○校書殿東廂〉欄内鋪二高麗褥(ニク/○)一、立二平文御倚子一、〈東向〉

茵製作

〔延喜式〕

〈十四/縫殿〉

p.0107 六月神今食御服 褥(○)二條〈別帛三丈、暴布二丈一尺、席一枚、○中略〉
中宮 春季 正月料〈二月三月亦同○中略〉褥三條、料絹五疋、〈別一疋四丈〉綿十五屯、〈別五屯〉絲一分三銖、〈別三銖○中略〉
裁縫功程 袍〈襖子及女袍、褥六幅四幅被レ准レ此、〉長功日大半人、中功日一人、短功日二人、

〔延喜式〕

〈三十八/掃部〉

p.0108 倚子茵(○○○)一枚、〈長二尺、廣一尺八寸、厚二寸、〉料小町席一條、〈長二尺四寸、廣一尺九寸、〉葉薦七尺、黃帛一條、〈長八尺、廣七寸五分、〉調布一條、〈長二尺一寸、廣一尺九寸、〉黃絲二銖、苧一兩、緋革一條、〈長四寸、廣二尺、〉細繩二丈、長功二枚、中功一枚大半、短功一枚小半、
三位已上床子茵(○○○)一枚、〈長二尺、廣一尺五寸、厚二寸、〉料小町席一條、〈長二尺四寸、廣一尺六寸、〉葉薦七尺、黃帛一條、〈長七尺二寸、廣七寸五分、〉調布一條、〈長二尺一寸、廣一尺六寸、〉黃絲二銖、苧一兩、緋革一條、〈長四寸、廣二寸、〉細繩二丈、長功三枚、中功二枚半、短功二枚、
五位已上床子茵一枚、〈長四尺、廣一尺四寸、厚一寸五分、〉料席一條、〈長五尺、廣一尺四寸、〉折薦六尺、黃布一條、〈長四尺四寸、廣四尺、〉苧大二分、細繩二丈、長功十枚、中功八枚、短功六枚、
主典已上床子茵一枚、〈長四尺、廣一尺四寸、厚一寸五分、〉料席一條、〈長五尺、廣一尺四寸、〉折薦一丈、紺布一條、〈長四尺四寸、廣八寸、〉苧大一兩、細繩二丈、功程同レ上、
史生床子茵一枚、〈長四尺、廣一尺四寸、厚一寸五分、〉料席一條、〈長五尺、廣一尺四寸、〉折薦一丈、細繩三丈、功程同レ上、

〔雅亮裝束抄〕

〈一〉

p.0108 もやひさしのてうどたつる事
しとね(○○○)、ながさひろさよほう三尺ばかりにて、赤地のにしきのへりのひろさ四五寸ばかりなるを、四方にさしまはして、なかにからあや、もしはかたおりものなどを、へりのうちざまにつけて、そのなかにたてざまにぬひめあり、わたを中にいれたり、うちうらなり、そのおもてのぬひめをりうびんのなかすみにあてゝしくべし、

〔法隆寺伽藍緣起幷流記資財帳〕

p.0108 合〓(○)參拾陸床
法分雜色壹拾壹床〈一長七尺四寸一長八尺三寸〉 〈廣四尺七寸廣四尺二寸〉
〈一長七尺五寸 廣四尺 一長八尺四寸 廣四尺 一長六尺九寸 廣五尺五寸 四各長四尺九寸 廣三尺 二各長四尺 廣四尺〉
通三寶壹床〈表紫葛形綾(○○○○○)、裏綠(○○)、長八尺 廣四尺〉
通分壹拾玖床〈一長九尺七寸一長七尺四寸 廣四尺一寸廣四尺六寸〉 〈一長八尺 廣三尺五寸 一長八尺二寸 廣三尺八寸 一長七尺四寸 廣四尺五寸 一長七尺二寸 廣四尺六寸 一長七尺一寸 廣四尺六寸〉
〈一長六尺四寸 廣五尺 一長六尺一寸 廣五尺三寸 一長六尺一寸 廣三尺四寸 一長八尺 廣四尺一寸〉
〈一長八尺九寸 廣四尺 一長七尺六寸廣四尺 一長八尺 廣四尺 一長七尺二寸 廣三尺八寸一長七尺八寸 廣四尺〉
〈一長七尺 廣四尺二寸 一長七尺八寸 廣三尺八寸 一長六尺八寸 廣四尺一寸〉
塔分肆床〈二表花形錦(○○○○)、裏赤(○○)、二表紫紺(○○○)、裏綠(○○)、〉
阿彌隗佛分壹床〈表赤紫羅綾(○○○○○)、裏綠結幡(○○○○)、長八尺六寸 廣二幅〉
右天平五年歲次癸酉、納賜平城宮皇后宮者、

茵種類/以原質爲名

〔伊呂波字類抄〕

〈仁/雜物〉

p.0109 錦褥(○○)〈ニシキシトネ〉

〔類聚雜要抄〕

〈四〉

p.0109 東京錦茵(○○○○)
晝座 裏濃打物 方三尺五寸 緣弘五寸〈三尺五寸内也〉
用途 東京錦六尺、〈三破定〉唐綾四尺六寸、〈二分料〉裏濃打絹七尺四寸、〈二乃料小乃也〉但廣幅料、不レ然者一若面中子料綿三兩、中子料京筵一枚、中子配料上紙廿五帖、白生平絹一丈、面ノ裏料、但美麗時用レ之、縒糸廿六筋、差料、面ヲバ別ニヤハラカナル筵上綿ヲクヽミ〈天〉、其上〈ニ〉綾〈ヲ〉押ククミ〈テ〉、緣〈ヲ〉先〈ニ〉押〈天〉、其上〈ニ〉面〈ヲバ〉トヂ付也、

〔雅亮裝束抄〕

〈一〉

p.0109 もやひさしのてうどたつる事
その御帳のにしのまに、うげん二帖を北南にひんがしのはしらのうちのりにしきて、そのうへにとう京のしとね一枚をしくべし、しとねのていしきやう、ひさしの定に、ぬひめをたゝみ二枚がなかにあてゝしくべし、へりのていはにしきにおなじ、これはあかきもんある兩めんのへりなり、おもてかたおり物、うらうちうらなり、

〔大饗雜事〕

p.0110 一茵一枚、〈尊者料〉面白堅織物、 緣東京錦〈同圓座、參木、高麗緣地鋪、〉

〔江家次第〕

〈十七〉

p.0110 御元服
天皇元服御裝束、〈○中略〉西第三間〈中央間也〉敷二二色綾毯代一、其上立二大床子二脚一、〈東西相並立レ之〉其上鋪二東京錦茵一、〈東向〉

〔江家次第〕

〈十九〉

p.0110 石淸水御幸儀〈寬治四年〉
南廂東西四間鋪二繧〓端帖二枚一、其上敷二東京錦茵一枚一爲二御座一、

〔中右記〕

p.0110 嘉承二年正月十九日丙午、今日關白殿〈○藤原忠實〉大饗也、〈○中略〉西弘庇第一間〈寄レ北〉又令レ鋪二高麗端疊一枚一於二同第三間一〈寄レ南〉其上施二東京錦茵一枚一爲二勅使座一、

〔玉海〕

p.0110 承安二年八月廿一日丁巳、此日小童有二著袴之事一、〈○註略〉自二去十八日一始二裝束一、〈○中略〉南間敷二繧〓端疊二枚一、〈南北行〉其上敷二東京錦茵一爲二其座一、

〔吉記〕

p.0110 治承四年四月七日己丑、午刻參内、〈○中略〉次退出向二一條末一、〈○註略〉依二初齋院御禊點地一也、〈○中略〉
客殿裝束儀〈○中略〉
東第一間引二軟障一、其前敷二高麗疊一枚一、其上施二龍鬢地鋪一、其上敷二東京錦茵一爲二上卿座一、

〔類聚雜要抄〕

〈四〉

p.0110 唐錦茵(○○○)一枚〈裏濃打物〉
赤地小文 方三尺五寸 緣弘五寸〈三尺五寸内也〉

〔江家次第〕

〈一/正月〉

p.0110 元日宴會 次撤二尋常御倚子一鋪二唐錦毯代一、立二平文御倚子一、鋪二唐錦褥(○○○)一、〈近例依レ無二唐錦毯代一數二二色綾一不レ可レ然歟、亦鋪二繧〓端織物褥一訛也、〉

〔江家次第〕

〈十七〉

p.0111 東宮御元服
掃部寮官人、南殿御帳中土敷上鋪二唐錦毯代一、〈○中略〉其上立二平文御倚子一、〈○中略〉其上鋪二唐錦褥一、〈永保鋪二唐綾褥(○○○)一違例〉

〔大御記〕

p.0111 寬治五年十月二十五日庚辰、今日四宮〈○篤子〉入二御大内一、〈○中略〉自二去十九日一被レ始二御裝束一、其儀、〈○中略〉供二晝御座繧〓二枚一、其上鋪二唐錦緣地鋪、同緣茵等一、〈○中略〉御帳束供二御座一、同用二錦緣地鋪茵一、〈先々被レ鋪二東二條早錦綠地鋪錦茵一、今度兼日無レ儲之上、有レ儀被レ用二唐錦一、〉

〔尊勝寺供養記〕

p.0111 康和四年七月廿一日甲辰、今日有二尊勝寺供養事一、〈○中略〉同〈○母屋〉第二間敷二唐錦毯代一、〈四角置形鎭子〉其上立二螺鈿大床子二脚一、敷二唐錦褥(○○○)一、其上敷二菅圓座一爲二御休息所一、〈○中略〉第四間敷二繧〓端疊二枚一、其上敷二唐錦緣龍鬢土敷二枚一、施二唐錦茵一爲二御座一、

〔長秋記〕

p.0111 長承三年十二月四日己卯、依レ召參二大宮一、〈○白河皇女太皇太后令子内親王、中略、〉見二寢殿御裝束一、御帳前立二庇調度一如レ常、但龍鬢之上敷二唐錦茵一、是上皇可レ御之由所レ設也、

〔玉海〕

p.0111 治承四年七月十九日己巳、此日姫君著袴也、早旦仰二家司季長朝臣一奉二仕御裝束一、其儀寢殿南庇當二障子帳前一、東西行敷二繧〓端疊二枚一、其上敷二龍鬢一加二唐錦茵一爲二姫君座一、

〔玉蘂〕

p.0111 承久二年十一月五日辛卯、此日皇太子〈懷成、三歲、○仲恭〉御著袴也、〈○中略〉於二上皇〈○後鳥羽〉高陽院御所一〈○註略〉有二此事一、〈○中略〉第四間中央供二上皇御座一、〈繧〓端疊二枚、上敷二龍鬢幷唐錦茵等一、〉

〔葉黃記〕

p.0111 寬元四年四月廿三日壬午、是日於二院御所一〈冷泉萬里小路殿〉有二親王〈○後嵯峨皇子宗尊〉御著袴事一、〈○中略〉 御簾南庇中央間東西行、敷二繧〓御座二枚一、有二龍鬢地鋪一、敷二唐錦茵一、爲二上皇〈○後嵯峨〉御座一、其東間同鋪二繧〓疊龍鬢、唐錦茵一、爲二親王御座一、〈上皇親王御座無二差別一、大治例也、件龍鬢唐錦茵、自二太政大臣家一被二借渡一、〉

〔延喜式〕

〈三十八/掃部〉

p.0111 凡設レ座者、〈○中略〉尚侍女御〈○中略〉囊床子〈敷二二色綾褥(○○)一〉

以製作爲名

〔延喜式〕

〈二十/大學〉

p.0111 凡講書博士已下座料、〈○中略〉折薦茵(○○○)四枚、〈○中略〉並隔二三年一申レ省請受、

〔延喜式〕

〈四十三/春宮〉

p.0112 折薦茵廿三枚〈進屬各三人、監署官十七人料、〉並隔二三年一申レ官請受、

以形狀爲名

〔皇大神宮儀式帳〕

p.0112 一年中行事幷月記事
九月例 鋪設 長茵(○○)廿張 短茵(○○)廿張〈○中略〉
以上宛太神宮司以二祭日一敷用

〔弘化御卽位次第〕

p.0112 御卽位次第〈○中略〉
次執柄率二公卿一、見二南殿御裝束一、
高御座の御裝束は、〈○中略〉大褥小にく(○○○○○)、〈○下略〉

以緣地爲名

〔延喜式〕

〈二十二/玄蕃〉

p.0112 凡東西二寺國忌御齋會座料、兩面端茵(○○○○)七枚、黃端茵四枚、〈○中略〉並以二各寺官家功德分物一、造備供之、

〔延喜式〕

〈三十八/掃部〉

p.0112 儲料兩面端茵十枚〈○中略〉
右諸祭及齋會節會等座、以二件儲料一鋪レ之、貯二收寮家一、隨レ事出用、隨レ損料度、申レ省造換、

〔大江俊矩記〕

p.0112 文化五年二月十一日、近衞内大臣、〈基前公〉尾張宰相殿姉姫、維(ツナ)君御方御婚禮也、〈○中略〉
一寢殿有二敷設一、〈○中略〉東面中央簾内平敷御座〈大文端二帖、繧〓御茵(○○○○)、○中略〉其西方又有二平敷御座一、其上繧〓御茵二枚並二敷之一、

〔延喜式〕

〈六/齋院〉

p.0112 三年一請雜物
茵十二枚〈二枚紫端(○○)、五枚綠端(○○)、五枚黃端(○○)、〉

〔延喜式〕

〈四十四/勘解由〉

p.0112 凡〈○中略〉綠端茵(○○○)一枚、〈檢挍座料〉黃端茵三枚、〈長官次官料〉紺布端茵六枚、〈判官主典料○中略〉並三年一度申レ官請換、

〔延喜式〕

〈十四/縫殿〉

p.0112 年料雜物 黃端茵(○○○)四枚

〔延喜式〕

〈二十/大學〉

p.0112 凡講書博士已下座料、黃端茵四枚〈○中略〉並隔二三年一申レ省請受、

〔延喜式〕

〈二十一/玄蕃〉

p.0113 堂裝束
茵二枚、〈(中略)幷黃帛端、法用座料、○中略〉諸堂悉依二此數一、

〔延喜式〕

〈三十八/掃部〉

p.0113 試二延曆寺年分度者一座料、黃端茵二枚、〈○中略〉六年一充、 儲料、〈○中略〉黃端茵六枚〈○中略〉
右諸祭及齋會節會等座、以二件儲料一鋪レ之、貯二收寮家一、隨レ事出用、隨レ損料度、申レ省造換、

〔延喜式〕

〈四十三/春宮〉

p.0113 黃端茵二枚、〈四位一人、五位一人料、○中略〉並隔二三年一申レ官請受、

〔延喜式〕

〈十六/陰陽〉

p.0113 凡講書博士以下座料、紺布端茵(○○○○)四枚、長疊三枚、並隔二三年一申レ省請受、

以色爲名

〔延喜式〕

〈十四/縫殿〉

p.0113 年中御服
夏季 四月料、〈○中略〉褥(○)四條、〈並白(○)〉 五月料、〈○中略〉褥六條、〈並白(○)〉

〔諒闇和抄〕

p.0113 本殿還御の事
當日早旦、又亮陰の御裝束を奉仕す、〈○中略〉晝御座の御疊の端、鈍色なり、御茵(○○)もおなじく鈍色(○○)也、

茵用法

〔延喜式〕

〈十二/中務〉

p.0113 書司
元日拜二天地四方一料御褥(○)一條、料絹一疋、調綿四屯、

〔江家次第〕

〈一/正月〉

p.0113 四方拜事〈○中略〉
一所拜二天地一之座、〈在レ東〉座前机置レ華燒レ香、〈其香花各盛二中垸一〉
以上座鋪二短帖一、拜二天地一座別鋪レ褥、

〔江次第抄〕

〈一/正月〉

p.0113 拜二天地一座別鋪レ褥 褥、紫絹也、内藏寮供進、平家説屬星座鋪レ褥、所詮鋪レ褥者尊二其所一レ拜之儀也、蓋尊無レ二、而莫レ尊二於天地一、故天地座敷レ之、

〔西宮記〕

〈正月上〉

p.0113 小朝拜
裏書、應和四年正月二日、皇太子參上、著二帳中倚子一、次太子出レ自二侍所一於二東又庇一拜舞、了退出、卽令三侍臣敷二御座及太子座一、〈太子座用レ茵、設二御座南間一、〉

〔儀式〕

〈三〉

p.0114 踐祚大嘗祭儀中
内膳司
褥六枚、〈○中略〉右初日料、 褥六枚、〈○中略〉褥卅枚、〈已上飾同二初日一〉 右次日料

〔新儀式〕

〈四/臨時〉

p.0114 天皇加二元服一事
當日早朝、所司設二御座於紫宸殿御帳之内南一、〈案、晉禮設二大床一、唐禮鋪二筵席一、貞觀、元慶之例、依二唐禮一設二平鋪一、今案土敷上加二御茵一、〉

〔西宮記〕

p.0114 一天皇元服〈○中略〉
敷設等事〈○中略〉 北廂料〈○中略〉 茵一枚〈○中略〉 已上物等、藏人仰二掃部寮一調レ之、料物自二行事所一渡レ之、

〔西宮記〕

〈臨時九〉

p.0114 親王元服
親王著座〈東廂南二間敷レ茵、所錦疊三枚上敷レ之、有二二人一敷二二枚一、北面、元服時東面、〉引入著二孫廂南二間一、〈依レ召疊一枚置レ茵、二人候鋪二二枚一、第一二間大臣錦緣、納言兩面茵、〉

〔延喜式〕

〈三十八/掃部〉

p.0114 凡諸司座者、隨二官人員一三年一充、五位以上黃帛端茵、六位以下主典以上紺布端茵、史生不レ裏レ端茵、其朝堂有レ座者、朝堂幷曹司座並充、無二朝座一者、唯充二曹司一、

〔三中口傳〕

〈三〉

p.0114 〈三條〉一鋪設裝束事
茵幷圓座事
茵ハ賞レ人之時用レ之、母屋ニハ唐錦庇ニハ東京ト定タリ、又客人座ニハ敷二東京一、雖レ然多ハ賞レ人之時、用二唐錦一、母屋唐錦、庇東京是大旨也、女主ノ晝御座、母屋邊敷、上ニハ加二東京錦茵一、院中儀、庇帖上心敷二唐錦茵一、帖上ニハ加二圓座一事不レ可レ然、

〔三代實錄〕

〈三十九/陽成〉

p.0114 元慶五年正月庚戌朔、天皇不レ受二朝賀一諒闇也、〈○中略〉是日撤二却太政官候廳茵(○)疊一施二倚子床子一復レ常、

〔空穗物語〕

〈藏開上〉

p.0114 女御の君もさておはしましたり、宮もおきておはします、ひむがしおもてのひさしにおまししきて、御しとねどもうちをきたり、

〔台記〕

p.0115 康治二年十二月八日庚寅、〈○中略〉菖蒲丸〈六歲〉著袴、〈○中略〉南階東二間爲二兒休所一、余〈○藤原賴長〉衣冠〈○註略〉出二座北間一、兒著二休所茵一、

茵雜載

〔源平盛衰記〕

〈四十三〉

p.0115 安德帝不二吉端一幷義經上洛事
此帝ヲバ安德天皇ト申テ、御位ヲ受サセ給テ、樣々ノ不思議オハシマシケリ、受禪ノ日ハ、晝御座御茵ノ緣、犬食損ジテ、夜ノ御殿ノ御帳ノ中ニ、鳩入籠リ、〈○下略〉

〔忠利宿禰記〕

p.0115 承應三年十一月廿八日、花町宮〈○後西院〉有二踐祚之事一、〈○中略〉
調進、〈○中略〉行事官、 〈修復〉劒璽案二脚 〈古物〉褥毯(○○)

軾/名稱

〔伊呂波字類抄〕

〈比/雜物〉

p.0115 軾〈ヒザツキ〉 膝突〈同 日記同レ之〉

〔名目抄〕

〈雜物〉

p.0115 膝突(ヒザツキ)〈或軾、陣ノ軾之外有二所司軾一、〉

〔書言字考節用集〕

〈七/器財〉

p.0115 軾(ヒザツキ)〈出レ久〉 膝突(ヒザツキ)〈半疊之類〉

〔釋名〕

〈七/釋車〉

p.0115 軾式也、所二伏以式敬一者也、

〔倭訓栞〕

〈中編二十一/比〉

p.0115 ひざつき 膝突の義、式に軾字を用う、小半疊なりといへり、江次第には軾布ともみゆ、以レ薦爲二膝突一といふ事、侍中群要に見ゆ、

〔安齋隨筆〕

〈前編四〉

p.0115 一膝突〈又軾〉たとへば半疊の如くなるもの也、行事を行はるゝ日、大臣上卿などの假に膝を突て座する敷物也、古書にヒザツキに軾の字を用たり、しかれども誤也、字彙に軾施職切、音釋、車前横木可レ憑者とあり、此字をヒザツキに用るは誤りなれども、久しく用ひ來れり、和名抄にも軾音式、和名車乃度之岐美とあり、ヒザツキの訓なし、軾ハ車ノ具也、敷物にあらず、

〔類聚名物考〕

〈調度四〉

p.0115 ひざつき 膝突
是は地にひざまづく時に、かりそめに土をよけんとて敷物なり、小半疊のうすきにて、俗に云ふうすべりの小きなり、和名抄の車の調度のうちにも、軾をひざつきと訓みたれども、名は同くし て、物は異なり、

〔侍中群要〕

〈八〉

p.0116 依レ仰召二上卿一
臨時召、北座到二上卿後一召之、南座到二膝衝(○○)一仰之、其詞云、〈女寸、又説女之、〉叙位除目幷大召必令レ置二絲衝一、

〔北山抄〕

〈六/備忘略記〉

p.0116 相撲召仰事〈前十餘日右二此事一〉
上卿奉レ仰雙二敷膝著(○○)二枚一、仰二外記一令レ召二左右近次將一、〈或敷二一枚一女第召仰、若左五位、右四位者、一枚有レ便歟、〉

軾製作

〔延喜式〕

〈一/四時祭〉

p.0116 齋服料〈○中略〉
神主軾料絁二疋、絲三絇、調布二端、

〔延喜式〕

〈五/齋宮〉

p.0116 祓料
軾料庸布五段、短帖一枚、薦二枚、

〔延喜式〕

〈三十八/掃部〉

p.0116 軾一枚、〈長二尺五寸、廣一尺、〉料編薦一枚、生絲一兩、苧二兩、長功一人、中功一人少半、短功一人大半、

〔山槐記〕

p.0116 治承三年正月六日乙丑、今日東宮〈○安德〉御五十日也、〈○中略〉遣二幣料紙一帖、膝突白布一段(○○○○○○)一、大屬中原成擧〈左大史〉已相二具仕丁二人一、〈○註略〉向二市屋一、

以小筵爲軾

〔江家次第〕

〈五/二月〉

p.0116 祈年穀奉幣
當二上卿座砌上一敷二膝突小筵一、〈○中略〉束子午廊十二間之内、南第三間東欞子下壁下立レ筵、其前敷レ筵、其上敷二半帖一枚一爲二上卿座一、〈大臣者兩面、納言者綠端、〉其前敷二膝突小筵一枚一、〈頗在二坤方一〉

〔江家次第〕

〈八/七月〉

p.0116 秋季仁王會
上卿座後敷二膝突一〈小筵二枚〉

以薦爲軾

〔侍中群要〕

〈八〉

p.0116 議所召事
出二日花門一招二召使若丙豎一、問二膝突有無之由一、〈以レ薦爲二膝突一〉

以疊爲軾

〔小右記〕

p.0117 寬弘二年正月十八日丁卯、〈○射禮〉未刻許參内、〈○中略〉内大臣〈○藤原公季〉召二陣官一令レ敷二膝突一、借二與掃部寮一爲二的付座一者、極奇怪事、仍以二陣疊一假爲二膝突一、未レ見之事也、奉レ召之次將、〈右近中將公信〉佇二立南殿南階東腋一、依レ不レ置二膝突一〈欲レ進之間卿相示二氣色一了〉置二膝突一了、公信朝臣傳二召内大臣以下一、執二弓矢一著二射場座一畢、

軾用法

〔江家次第〕

〈一/正月〉

p.0117 供二御藥一
時簡前掃部寮敷二膝突一枚一、爲下嘗二御酒一所司座上、〈○中略〉次供二一獻一、〈○中略〉
先煖二御酒一以二御藥一入二於酒一名二之屠蘇一、盛二別器一、宮内輔典藥頭侍醫等三人、一々進二膝突一嘗レ之、

〔江家次第〕

〈三/正月〉

p.0117 給二女王祿一事〈○中略〉
承明門内面東第二間南邊逼レ扉鋪二半帖一帖一、〈有二後立筵下敷筵等一也〉上卿座前敷二膝突小筵一爲二參議座一、〈○中略〉
御齋會竟日〈○中略〉
二獻上卿召二外記一〈外記經二南並東壇上一著二膝突一、○中略〉 三獻〈○中略〉藏人就二膝突一召二王卿一、〈自二壇上一往反〉

〔西宮記〕

〈正月下〉

p.0117 兵部手結事
上卿著二南片廂一、〈○註略〉一兩巡畢、一巡射、錄取二簡二枚硯一候二膝突一、〈○中略〉
賭弓〈○中略〉
次將依レ仰召二王卿一〈立座、經二階下軒廊東二間一、就二膝突一召、○下略〉

〔北山抄〕

〈九/羽林要袗〉

p.0117 賭射
天皇出二御射場殿一、先レ是次將著二出居座一、〈○註略〉稱二警蹕一、卽奉レ勅稱唯、〈○註略〉經二階下一入レ自二南殿東軒廊東第二間一、〈○註略〉就二膝著一、〈不レ脱レ履〉喚二王卿一、

〔後二條關白記〕

p.0117 寬治五年正月十八日戊寅、〈○射禮、中略、〉予〈○藤原師通〉著二外座一、令レ置二膝著一如レ常、暫中將來著二膝突一、遣二一見一後召〈寸、〉

〔勘仲記〕

p.0117 永仁二年正月十七日戊辰、射禮所二參行一也、〈○中略〉予〈○藤原兼仲〉座南敷二膝突一、參議〈顯世卿〉少納言〈經〉 〈名〉著座、

〔西宮記〕

〈七月〉

p.0118 相撲召仰
仁壽殿東庭儀、〈○中略〉天皇御出、次將奉レ仰、就二陣膝突一召二王卿一、

〔江家次第〕

〈八/七月〉

p.0118 相撲召仰〈前十餘日被レ仰〉
上卿著二外座一、〈以次上卿之例也〉仰二官人一令レ敷二膝突一、〈又令レ雙二敷一枚一、件一枚可レ用二右陣一歟、若無者可レ召二所司一歟、但外記申二兩府具之由一後可レ令レ敷歟、〉令三外記召二次將一、左右次將共著二膝突一、

〔西宮記〕

〈七月〉

p.0118 相撲召仰
寬弘七年七月十三日、權中納言行成、承レ仰欲レ行二相撲召仰事一、〈○中略〉又語次左京大夫〈長經〉云、故小一條大將、〈濟時〉召仰之時、不レ召二加膝突一、唯毎レ府召仰云々、又問二右將軍一、〈實資〉報云、先召二左將一仰レ之、衣右、又説置二膝突二枚一、召二兩將一一度仰レ之、若無レ將者仰二將監一、〈○中略〉又小庭膝突等間、其無レ難事也、去寬弘二年、右府不參、仍仰二將監嘉武一、嘉武進二出小庭一、依二大節例一、不レ召二膝突一仰レ之、〈○中略〉上卿座事、警固解陣、召仰之日、上卿北面仰レ之、至二于相撲召仰一、東面仰レ之、依レ候二膝突一不二北面一歟、及召二次將一事有二兩説一、共同時召レ之、一度仰レ之、其時尋常膝突、以二外記一仰二陣官人一、又令レ敷二膝突一、〈○中略〉四條大納言、〈公任〉報云、〈○中略〉或召二膝突下一仰レ之如何、判官以上候二膝突一例也云々、〈○中略〉

〔中右記〕

p.0118 天永二年八月二日壬辰、從レ内有レ召、〈頭耕被レ吿〉仍參陣、先在二奧座一、頭辨來仰、來廿日可レ聞二召相撲一、依二寬治二年例一可二仰下一者、予〈○藤原宗忠〉起座移二著端座一、以二官人一令レ敷二膝突二枚一、〈先間二左右次將參否一、依レ爲二同中將一令レ敷二二枚一、〉

〔西宮記〕

〈十月〉

p.0118 五日射場初事
天皇御二射場一、〈靑色御衣〉出居警蹕、出居依二御氣色一起座、經二階下軒廊東二間一云々、就二膝突一召、同二賭弓時一、召二王卿一、

〔江家次第〕

〈十一/十二月〉

p.0118 内侍所御神樂事
人長云、主殿寮御火白仕〈禮〉、又云、掃部寮膝突給、 次云、召二御琴可レ仕者一、其人把二和琴一著二膝突一彈レ之、

〔徒然草〕

〈上〉

p.0119 尹大納言光忠入道、追儺の上卿をつとめられけるに、洞院右大臣殿〈○藤原實泰〉に、次第を申請られければ、又五郎男を師とするより外の才覺候はじとぞの給ひける、彼又五郎は老たる衞士の、よく公事に馴たる者にてぞ有ける、近衞殿著陣し給ひける時、ひざつきを忘れて、外記をめされければ、火たきて候ひけるが、先ひざつきをめさるべくや候らんと、忍びやかにつぶやきける、いとおかしかりけり、

〔西宮記〕

〈臨時十〉

p.0119 駒牽日獻盃事
信濃大引日裝束如レ例、但著二平緖一、臨二其時一進二向上卿前膝突座一、〈在二地上座一也〉獻盃、

〔侍中群要〕

〈三〉

p.0119 出陣事
上卿於二陣座一召二藏人一之時、〈○中略〉至二膝突一居、〈可レ懸レ膝也、不二安座一、〉

〔西宮記〕

〈臨時十二/裏書〉

p.0119 應和三年五月廿九日、大納言源朝臣令レ奏山城國司、申二宣旨一下二撿非違使一仰、〈○中略〉吏又候二膝突一敬屈候、上﨟者坐之後許レ之、下﨟頗居直〈東面〉史著二膝突一申文云々、

〔小右記〕

p.0119 寬仁元年八月九日甲戌、今日皇太弟〈○後朱雀〉立給日、〈○中略〉先召二式部一給二下名一、〈○註略〉敷二膝突二枚一、〈下官所レ示〉召二著左少將誠任、右少將兼房一仰之、

〔天和三年立太子次第〕

p.0119 當日早旦、諸司奉二仕南殿御裝束一、〈○中略〉 次内辨令二官人敷一レ軾〈○中略〉 次職事來就レ軾、仰云、以二朝仁親王一〈○東山〉可レ爲二皇太子一令レ作二宣命一、〈○中略〉 次職事就レ軾召二大臣一〈○中略〉 次職事就レ軾仰下可レ差二進啓陣一由上 衣大臣令三官人加二敷軾一 次大臣召二外記一、仰下可レ召二近衞一由上、 次左右近衞次將就レ軾、大臣仰下可レ候二啓陣一之由上、 次將稱唯退出 次大臣召二外記一、仰下可レ召二兵衞一宙上、 次左右兵衞佐就レ軾 大臣仰二啓陣一、〈其詞如二近衞一〉左右兵衞稱唯退出、

〔長秋記〕

p.0119 大治四年正月廿九日戊申、兩院〈○白河、鳥羽、〉御二幸賀茂社一也、〈○中略〉先立二幣案一、當二御座正方一、其南倚レ幣、其南置レ軾、其西南置二上卿圓座一、〈○中略〉陰陽師宗憲著レ軾、

〔明月記〕

p.0120 嘉祿元年十二月十日、一昨日行幸、〈後堀河、賀茂行幸、○中略〉御禊間、上卿〈通具卿使〉於二幔外一搢レ笏振レ手參レ軾、〈不レ揖、召使取レ笠、〉