https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.1295 磯ハ、イソト訓ズ、岩石ヲ以テ成レル海岸ノ稱ナリ、

名稱

〔新撰字鏡〕

〈水〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.1295 湄〈美悲反、水澄也、波万、又伊曾(○○)〉賁〈夫文反、平浱也、水涯也、水支波、又伊曾(○○)、〉

〔下學集〕

〈上天地〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.1295 礒(イソ)礎〈二字義同〉

〔書言字考節用集〕

〈一乾坤〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.1295 磧(イソ)〈活法、水渚有石沙漠曰磧、〉 磯(同)〈韻略、磧也、又大石激水也、〉 礒〈本朝俗謬用爲磯字、韻會礒石貌、〉

〔倭訓栞〕

〈前編三伊〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.1295 いそ 磯字をよめり、いしの轉なり、よて磯をしともよみ、石をいそともよみ、神名式にはhttps://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001d904.gif もよめり、字書に磯は、水中ノ磧也と見えたり、或は礒をよめり、字書に礒は石貌といへれど、本邦にて磯と一に用來れり、新撰字鏡に湄又濆もよめり、

〔八雲御抄〕

〈三上地儀〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.1295 磯 ありそみの〈俊抄〉 こゆるき〈是名所なれど、たヾも、いその總名によみならへり、〉 なたと云も磯也、今様に、松もきけ、こいそもかたれと云、一説を磯と云、是いそ也、 海 川 池 湖 いづれにもよめり、たヾ水ぎはなり、

〔藻鹽草〕

〈五水邊〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.1295 礒〈同名所 礒は海、河、湖、池、何にもいひて水ぎはの事也、〉 礒の波 礒ま 礒うつ浪 礒つたひ 礒による波 礒こぐ船 あら礒 あらそ〈是もいそ也〉荒その浪 あら礒 岩ちりてみの礒〈俊抄と八雲御説〉なた〈八雲御説いそと同と、但いかヾ、〉礒めぐり〈磯廻也、なぎさの事也と云々、〉松もきけこいそもかたれ、〈今様也、一説を小礒と云、是儀也と八雲御説、〉 礒のまゆ〈いそのまゆたぎつ山河たえずあらば又もあひみんあきかたまけぬ、顯昭云、此いそのまゆの事、諸書に釋する事なし、今按に、ゆとは由と云文字をかけり、万葉の歌皆よりと云詞にあひかなへり、万には河にもいそといふ事をよみたれば、いそのままよりたぎりながるヽよしを讀りと云々、〉はなれそ〈はなれたる礒〉 礒邊 礒のま 礒わ

〔古事記〕

〈上〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.1295 其國〈◯大主〉之嫡后須勢理毘賣命、〈◯中略〉歌曰、夜知富許能(ヤチホコノ)、加微能美許登夜(カミノミコトヤ)、阿賀淤富久邇(アガオホクニ)、奴斯許曾波(ヌシコソハ)、遠邇伊麻世婆宇知微流(ヲニイマセバウチミル)、斯麻能佐岐邪岐(シマノサキザキ)、加岐微流(カキミル)、伊蘇能佐岐淤知受(イソノサキオチズ)、和加久佐能(ワカクサノ)、都麻(ツマ)

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.1296 母多勢良米(モタセラメ)、〈◯下略〉

名磯

〔八雲御抄〕

〈五名所〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.1296 磯 しかはのいそ〈近 万〉 さしでの〈甲 古今 千鳥、しほの山、〉こよろぎの〈相 古 敏行、すべていそをいふ、〉しぶたにの〈越中万〉ひたかたの〈万〉 さヽしまの〈万〉 むらしか〈駿、万、〉 としまが〈攝 金、仲實、〉 ゑじまが〈淡 千、家基、〉 の島が〈近〉 しらかみの〈紀 万 在清輔抄〉をじまが〈伊勢陸奥歟〉

〔藻鹽草〕

〈五水邊〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.1296 磯 〈同名所〉 敏馬礒〈攝州、たつ、千鳥、月、いるしほ、〉よさの磯〈丹後、いさり、あまのまてかた、わかめ、松、螢、月、千鳥、〉なる島磯〈攝州歟、むろのうらのせとのいそなるなるしまのいそこす波にぬれにけるかも、〉白神磯〈紀州、 ゆらのさき鹽ひにけらししらかみのいそのうらみをあらてこへとよ〉富島磯〈淡州、むら千鳥、戀、舟、とむる、風さゆる、〉繪島磯〈同上、千鳥、月、〉野島磯〈近江、八雲御説、〉八十磯〈同上、たつ、千鳥、〉松島磯〈奥州、あしたづのをのが様々みえし千世、〉荒藺磯〈武州、岩に生る松、〉雄島磯〈同右、松がねを、をしまがいそ、松しまやをじまがいそ、松風、時雨、月、さ夜枕、波枕、とまりする、ちどり、あさりせしあまの袖、あまのとまやのあれまくも、夜船こぐ、せとの鹽あひ、〉篠島磯〈石見 ゆめにのみつきてみゆればさヽしまのいそこす浪のしほくおもほゆ さヽしまや夜わたる月の影さえて礒こすなみに秋かぜぞふく〉指出磯〈甲州、しほの山さしでの磯と云り、濱ちどり、月、花、龜のこう、沖つしほ、さしでの、〉古登たか磯〈 石見がたことたかいそによるなみのくだけて歸るなみとしらずや〉白羽磯〈とをたうみ、岩枕、しきなみ、〉眞野磯〈近江、うづら、尾花、月、かもめ、玉も、すとり、さゆり、〉知輪磯〈遠江 とをたうみしるわの磯とにへのうらとあひてしあらばこともかよはん〉若磯〈同上、はまなのうらかぜ、〉有磯〈越中、いふ、くす、あしたづ、しまがくれ、〉澁谷磯〈同上 駒なべていざうらゆかんしぶ谷の清きいそまによするなみ〉田邊磯〈ひたち、ふみまどはせる、〉大磯〈さかみ、小礒共、うつる秋、〉鹽竈磯〈わうしう しほ竈のいその砂をつヽみもて御代の數とぞおもふべらなる〉泊磯〈同上 松がうらのとまりがいそときく物を名にもさはらず歸るなみかな、或云、さぬき、〉むらしが磯〈駿河、みるめ、 たヽみけめむらしがいそのはなるそのうらをはなれて行が悲しさ〉ひたかたの磯〈未勘、若め、〉小餘綾磯、〈或云、こゆるぎ共、さがみ、又名所にあらでも、たヾいその總名にも、こゆるぎのいそと云り、玉だれのこがめ、玉も、ちどり、若め、かもめ、舟、岩ほの花、關こゆるぎ、こゆるぎのいそぎと急事にもよせたり、〉むしあけの磯〈武藏歟、舟とむる、松風、〉難波潟〈やくしほとよめり〉

甲斐國/指出磯

〔古今和歌集〕

〈七賀〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.1296 題しらず 讀人しらず しほの山さしでの磯にすむ千鳥君が御代をばやちよとぞなく

〔古今和歌集打聽〕

〈七賀〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.1297 しほの山、甲斐に在と、能因の歌枕にみゆ、顯昭の注にあれど、より所なし、契冲は平家物語に、しほの山打こえて、能登の國小田中親王塚の前にて陣をとると有、又其上にも、能登越中の境なるしほの山と見えたれば、若そこにさし出の磯も在にや、是は賀の屏風にかける畫につけてよめるが、汐の山さし出ると云やうに續たるは、自然の事なるべしといへり、是はしかるべき考也、延喜式に、能登國羽咋郡に之乎(シヲ)の神社有、万葉に赴參氣比大神宮、行海邊之時とて、之乎路(シヲヂ)からたヾこえくれば波久比の海とよめるに同所なるべし、然ば右の歌、汐と意得てしほと書、又それよりさし出の礒とは設てよめるか、右の式、万葉、平家物語にも、同邊にさる名所在からは、據もなき甲斐の國を思はんより、是によりて能登の國とすべし、

相模國/小餘綾磯

〔新編相模國風土記稿〕

〈三十九淘綾郡〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.1297 海 郡南ニアリ、東方、大住郡堺ヨリ、西方、足柄下郡堺迄、縁海長凡三里餘、〈◯中略〉凡此海岸、大磯小磯(○○○○)等ノ名義ノ如ク、巖石多ク、浪荒クシテ、船ガカリアシク、潮干ナシ、汀砂色麗シク鮮明ニシテ愛スベク、風光他ニ殊ナリ、サレバ古クヨリ名苑に入テ、餘呂伎能波末ト見エ、又世々ノ歌ニ、小餘呂伎ノ磯(○○○○○○)トモアル、即此海邊ヲ云ヘルナリ、今モ其所ニ因テ、小餘綾ノ浦、或ハ小餘綾ノ磯、淘綾ノ浦ナド呼ベリ〈按ズルニ、鎌倉腰越村海岸、八王子社地ヲモ、古由留義ト呼リ、鎌倉志ニモ、彼地ト定メ、當國名所、小余呂伎磯モ是邊ナリ、或ハ大磯ノ濱ヲモ云ト記スレド、全ク當所ヲ得タリトスベシト記セシハ、全訛レリ、〉然シテ宗祗ガ名所方角抄ニハ、大磯小磯ノ海濱ナル由定メ云ヘリ、〈曰大磯小磯トテ、中間五六町アリ、南ハ汀ナリ、北ハ野ナリ、富士ハ乾ノ方ニ見エタリ、ヨロギノ濱、コヨロギノ磯ナドヽ云名所アリ、但小與呂伎ノ磯ハ、大磯ノ邊ヲ云ナリ云々、〉中古此海道ヲ經歴セシ人々モ、多クハ大磯宿ノ海邊ヲノミ然稱セリ、

〔古今和歌集〕

〈二十東歌〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.1297 さがみうた こよろぎのいそ(○○○○○○○)たちならしいそなつむめざしぬらすなおきにをれ浪

〔太平記〕

〈二〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.1297 俊基朝臣再關東下向事 竹ノ下道行ナヤム、足柄山ノ巓ヨリ、大磯小磯(○○○○)直下(ミヲロシ)テ、袖ニモ波ハコユルギノ急グトシモハナケレ

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.1298 ドモ、日數ツモレバ、七月二十六日ノ暮程ニ、鎌倉ニコソ著給ケレ、


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Last-modified: 2022-07-23 (土) 17:18:52