http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0054 月ハ、ツキト云フ、即チ大陰ナリ、月讀(ツキヨミ)壯士(ヲトコ)、又ハ佐散良衣(サヽラエ)壯士(ヲトコ)等ノ異名アリ、三日ノ月ヲ三日月(ミカヅキ)ト云ヒ、弦月ヲ弓張(ユミハリ)月ト云フ、上弦、下弦アリ、滿月ヲ望月(モチヅキ)ト云ヒ、十六日ノ月ヲ十六夜(イザヨヒ)月ト云ヒ、十七日ノ月ヲ立待(タチマチ)月ト云ヒ、十八日ノ月ヲ居待(ヰマチ)月ト云ヒ、十九日ノ月ヲ寢待(子マチ)月、又ハ臥待(フシマチ)月ト云ヒ、二十日ノ月ヲふけ待月ト云ヒ、二十日以後、夜ノ明テ後、猶ホ殘レル月ヲ有明(アリアケ)月ト云フ、月蝕ノ事ハ、日篇日蝕條ヲ參看スベシ、

名稱

〔倭名類聚抄〕

〈一景宿〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0054 月 造天地經云、佛令吉祥菩薩造一レ月、

〔段注説文解字〕

〈七上月〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0054 月闕也、大侌之精、〈月闕疊韵、釋名曰、月缺也、滿則缺也、〉象形〈象不滿之形、魚厥切、十五部、〉

〔類聚名義抄〕

〈二月〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0054 月〈魚厥反ツキ〉

〔同〕

〈二日〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0054 曜〈月コモリ〉http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/7f00006509cc.gif 〈月コモリ〉

〔撮壤集〕

〈上天像〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0054 月 玉兎(ト) 金波(キンハ) 氷鏡(ヘウキヤウ) 氷輪(リン) 金精(セイ) 金盆(ホン) 蟾蜍(センシヨ) 嫦娥(ジヤウガ) 陰魄(インハク) 桂(ケイ)輪 姮娥(ゴウガ) 素(ソ)娥

〔和爾雅〕

〈一天文〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0054 月(ツキ)〈大陰之精也、日受日之光、日所照謂之魄、〉夜光(ヤクハウ)〈月也、出楚辭、〉玉兎(ギヨクト)〈月也〉朔〈朔(ツキタチ)之爲言蘇也、月死亦蘇生也〉死魄(シハク)〈朔日也〉既朔〈二日也、又云傍死魂、〉月桂(カツラ) 珠暉(ツキノヒカリ)〈月光也、又云暉素、〉盈(ミツル)〈月滿也〉昃(カクル)〈月缺也、又云虚、〉月影(ツキノカゲ) 朦朧(ヲボロ)〈月不明也〉 朗(サユル)〈出于萬葉集〉亮(サユル) 清(サヤケシ)〈万葉〉

〔壒嚢抄〕

〈六〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0055 恆娥ト云ハ何ナル事ゾ恆娥ハ月ノ異名也、遊仙窟ニ恆娥月人女也ト讀メリ、實ニハ人名也、恆娥ハ羿ガ妻也、作仙藥以欲之、然恆娥偸服之、成仙人、奔テ入月中云々、仍爾云也、羿ハ有窮ノ君也、簒夏后相位ト云リ、昔精兵ノ射手也キ、サレバ論語曰、羿善射ト云々、加之月異名多侍リ、銀鈎 玉鈎 銀光 玉鏡 金魄 金波 菟輪 菟影 兎魄 兎月 桂輪 桂影 仙蛾 陰精 虚弓〈纖月名也〉 蛾眉〈同上〉 破鏡〈半月也◯中略〉御空行月讀壯子ユフサラス目ニハミヱ子ドヨルヨシモナキ、ト侍リ、月神ヲバ月弓ノ尊共、月夜見ノ尊共、月讀神共、尊共申也、ヤイユエヨハ相通ナレバ、同ジ御名ナルベシ、亦月人男共云リ、〈◯中略〉童蒙抄云、月夜見男トハ桂男也ト云々、然バ月人男モ桂男也ト云ベシ、世人ノ思ハク、月中ニ桂木有、其木ノ本ニ人有、是ヲ桂男ト云ト、サレバ月ノ桂ト云、月兎ト云桂男ナント云、皆是月ノ中ニ有ト云共、皆只月ノ名ニ出セリ、 然ニ空ニ見ルハ月輪也、月天子ハ其ノ上ニ住給トナン、月天子ハ即月神也、サレバ月輪ヲ月ノ船共云、月天子ヲ月神共云ハ、月讀男、月人男、佐散良衣男、桂男、皆同ク月名也共云ヘリ、

〔壒嚢抄〕

〈九〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0055 月ノ中ニ有兎云々、就之其義多ケレ共、只過去ノ靈兎ノ白骨ヲ取テ、帝釋月中置給故ヘト云々、玄賛要集第十云、問云、月中ノ兎ハ何ニ因テ有ルゾヤ、答云、未曾有經ニ説ク、波羅底斯國、烈士池ノ西ニ、有獸率都婆、狐猿兎彼是菩薩ノ行ヲ修之處、當時爲一兎燒身供養、帝釋將骸骨、安在月中、以示天下人ト云々、又法苑珠林云、依西國傳云、過去有兎、行菩薩行、帝釋試云、索目欲食、捨身火中、天帝愍之、取其燋月中、令未來衆生知是過去菩薩行慈之身

〔日本釋名〕

〈上天象〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0055 月 是亦自語なるべし、或説に盡也、かけて皆つくる也、劉煕が釋名に、月は缺也といへるに似たり、凡神代の言は、今よりはかりがたし、且又自語おほかるべし、今みだりに其義を

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0056 とくとも、あたらぬ事なるべし、

〔東雅〕

〈一天文〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0056 月ツキ 舊説に日に次の義也といふ、舊事、古事、日本紀等共に、先に生日神、次生月神と見えて、又其光彩亞日、可以配一レ日なども見えたれば、舊説の如き其義に合へるなるべし、

〔倭訓栞〕

〈前編十六都〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0056 つき 月は盡るの義をもて名とす、西土の書に、以明一盡一月といへり、羽州の俗に月末をすどれといふ、夜入月にはひよりそこねやすし、夜出る月にはあらき空もなほる事あり、是を若月の入そこね、出月の出直りと、船の上にていふ也、

〔日本書紀〕

〈一神代〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0056 伊弉諾尊、伊弉冉尊共議曰、吾已生大八洲國及山川草木、何不天下之主者歟、於是共生日神、〈◯中略〉次生月神、〈一書云、月弓尊、月夜見尊、月讀尊、〉其光彩亞日、可以配日而治、故亦送之于天

〔暦林問答集〕

〈上〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0056月第四
或問、月何也、 答曰、定象紀云、月大陰之宗、積而成也、中有獸象、兎陰之類、其兎善走、象陽動也、春秋元命苞云、月水之精、故内明而氣冷、爲陰精、故體自無光、藉日照之乃明、猶臣自無一レ威、假君之勢、乃成其威、月初未日、故無光缺、月半而與日相對、故光滿、十六日以後漸缺、亦漸不日也、又云、月大陰之位、后妃之象、諸侯大臣之類、

〔八雲御抄〕

〈三上天象〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0056 月〈ひさかたとつヾくるは、一切天物をつヾくるならひなり、〉 あまてる月 ますかヾみ〈ますかヾみてるべき月と、人丸集にあり、〉 しらまゆみ〈万、しらまゆみはりてかけたるといへり、〉 月人おとこ かつらおとこ さヽらえおとこ 月よみおとこ〈たヾ月よみとも〉 これらみな月の名也 月ゆみ かつらのはな〈◯中略〉 橘のたまぬく月〈万〉 よがくれにいでける月〈万◯中略〉 入きはの月〈源氏〉 月のかほ〈同〉 霜曇り〈万〉 三日月 ゆふつくよ〈夕月〉 もち かたわれ ありあけ月よ あかねさすてれる月よ 夜わたる ゆふつくよ あかつきやみといふは〈夕月のころは、曉やみとなる也、〉 ひさかたの 夜わたる月と云事 基俊難之、夜字隔中云々、〈但古今に多也〉

〔萬葉集〕

〈四相聞〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0057 湯原王歌
月讀(ツキヨミ/○○)之(ノ)、光二來益(ヒカリニキマセ)、足疾乃(アシヒキノ)、山乎隔而(ヤマヲヘダテヽ)、不遠(トホカラナ)國(クニ)、

〔萬葉集〕

〈六雜歌〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0057 大伴坂上郞女月歌三首〈◯中略〉
山葉(ヤマノハノ)、左佐良榎(ササラエ/○○○○)壯子(ヲトコ/○○)、天原(アマノハラ)、門度光(トワタルヒカリ)、見良久之好藻(ミラクシヨシモ)、
 右一首歌、或云、月別名曰佐散良衣壯士也、縁此辭此歌
湯原王月歌二首
天爾座(アメニマス)、月讀壯子(ツキヨミヲトコ/○○○○)、幣者將爲(マヒハセム)、今夜乃長者(コヨヒノナガサ)、五百夜繼許増(イホヨツギコソ)、

〔萬葉集〕

〈七譬喩歌〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0057
三空往(ミソラユク)、月讀(ツキヨミ)壯士(ヲトコ)、夕(ユフ)不去(サラズ)、目庭雖見(メニハミレドモ)、因縁毛無(ヨルヨシモナシ)、

〔萬葉集〕

〈十秋雜歌〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0057 七夕
夕星毛(ユフヅヽモ)、往來(カヨフ)天道(アマヂヲ)、及何時鹿(イツマデカ)、仰而將待(アフギテマタム)、月人壯(ツキヒトヲトコ/○○○)、
 右柿本朝臣人麻呂歌集出
 詠
天海(アメノウミニ)、月船浮(ツキノフ子ウケ)、桂梶(カツラカヂ)、懸而搒所見(カケテコグミユ)、月人(ツキヒト)壯子(ヲトコ)、

〔大鏡〕

〈一花山〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0057 つぎのみかど花山院天皇と申き、〈◯中略〉ふぢつぼのうへの御つぼねの小どよりいでさせ給ひけるに、有明の月のいみじうあかヽりければ、見證にこそありけれ、〈◯中略〉さやけきかげをまばゆくおぼしめしつる程に、月のかほ(○○○○)にむら雲のかヽりて、すこしくらかりゆきければ、わが出家は成就するなりけりとおほせられて、あゆみいでさせ給ふ程に、〈◯下略〉

〔源氏物語〕

〈十三明石〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0057 みあげ給へれば、人もなくて月のかほのみきら〳〵として、夢の心ちもせず、御けはひとまれる心ちして、空の雲哀にたなびけり、

三日月

〔和爾雅〕

〈一天文〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0058 哉生明(サイセイメイ)〈哉始也、前月大則初二日明始生、前月小則三日明始生、〉朏魄(ミカツキ)〈出文選月賦、注曰、禮記注云、月三日而成魄、向曰、朏盛明也、魄初出地明生、按、万葉集用若月二字、〉

〔書言字考節用集〕

〈二乾坤〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0058 朏(ミカヅキ)〈音沛、韵瑞、月三日生明之名、〉 磨鐮(同)〈杜甫詩、新月似磨鐮、〉 玉鈎(同) 彎月(同)〈又云纖月〉 初月(同)〈又作若月、並出万葉、〉

〔和漢三才圖會〕

〈一天文〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0058 朏〈音斐〉 哉生明 若月〈万葉集、美加豆岐、〉 前月大則初二日明始生、前月小則三日明始生、謂之哉生明、哉始也、 候鯖録云、月如懸弓、少雨多風、月如偃瓦、不求自下、 按、和漢同有此俗説、而甚非也、月者太陰水之精、其質如水精硝子様玲瓏、本自雖光、而以陰光照曜、借陽光則生明、故當於日處限生明、然日月行道不同、凡三日月相去四十度計、斜向借日光、故如日入乾月在庚、則其月形如懸弓、或如鎌也、日與月同方則如偃瓦、或如船、此常理也、以爲風雨之兆者不可、

〔萬葉集〕

〈三雜歌〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0058 間人宿禰大浦初月(○○)歌二首〈◯中略〉
椋橋乃(クラハシノ)、山乎高可(ヤマヲタカミカ)、夜隱爾(ヨゴモリニ)、出來月乃(イデクルツキノ)、光(ヒカリ)乏寸(トモシキ)、

〔萬葉集〕

〈六雜歌〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0058 大伴坂上郞女初月歌一首
月立而(ツキタチテ)、直三日月之(タゞミカヅキノ)、眉根搔(マユネカキ)、氣長戀之(ケナガクコヒシ)、君爾(キミニ)相有(アヘル)鴨(カモ)、
大伴宿禰家持初月歌一首
振仰而(フリサケテ)、若月(ミカヅキ/○○)見者(ミレバ)、一目見之(ヒトメミシ)、人之眉引(ヒトノマユヒキ)、所念可聞(オモホユルカモ)、

〔菅家文草〕

〈三詩〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0058 新月(○○)二十韻 百城秋至後、三諌月成初、碧落煙氛盡、黄昏晝漏餘、退衙西顧立、尋寺上方居、玉縷風頭畫、銀泥日脚書、跂將心緒急、忘却眼珠除、仰有纖纖著、行無咬晈舒雲驚度鴈、投水誤遊魚、鳳腦光相似、蛾肩細不如、藏應掌握、動欲吹嘘、少婦看珍重、詞人翫忽諸、推量蓂影薄、想像桂枝疎、庾令登樓懶、王生命駕徐、浪花晴島嶼、露葉映芙蕖、旅客愁而已、詩情樂只且、照勝冬雪讀、明助夜潮漁、屬思江舟棹、宜瞻野草廬、平沙閑點檢、曲浦獨蹰躇、觸事高乘興、馳神半歩虚、了知新蚌蛤、那見老蟾蜍、若使虧盈易、催廻五馬車、

〔古今和歌六帖〕

〈一天〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0058 三日月

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0059 みか月のわれては物を思ふとも世にふたヽびは出るものかは

〔金葉和歌集〕

〈三秋〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0059 三日月のこヽろをよめる   大江公資朝臣
山のはにあかで入ぬるゆふ月夜いつありあけにならんとすらん

〔金葉和歌集〕

〈七戀〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0059三日月戀をよめる   藤原爲忠
宵のまに仄かに人をみか月のあかで入りにし影ぞ戀しき

〔風雅和歌集〕

〈五秋〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0059 秋の歌とて   權大納言公宗
夕暮の雲にほのめく三日月のはつかなるより秋ぞ悲しき

〔看聞日記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0059 永享五年九月四日、抑三日月今夜出現、去月小之由、暦博士勘進、日數相違之間如此、今夜當三日也、天能知日數顯然也、暦道不覺比興也、

〔太閤記〕

〈十九〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0059 山中鹿助傳
十六歳の春、甲の立物に半月をしたりけるが、今日より三十日(ミソカ)の内に、武勇之譽を取候やうにと、三日月に立願せり、かヽる處に伯州小高之城主山名を攻討んと、義久發向しければ、山名も打向ひ及合戰、互に火出る計苦戰し、勝負まち〳〵なりしに、山中甚次郞と名乘出つヽ、菊池音八と渡し合せ、暫し相戰ひしが、終に菊池を討て首をさし上たり、此菊池は因伯二州にをいて、隱れなき勇者なりき、是よりして三日月を、一世の間信仰せしとかや、

弦月

〔倭名類聚抄〕

〈一景宿〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0059 弦月 劉熙釋名云、弦月月之半名也、其形一旁曲、一旁直、若弓弦也、弦、〈和名由美八利、有上弦下弦、〉

〔類聚名義抄〕

〈九弓〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0059 弦〈音絃 ツル ツルハリ ユミハリ 景宿類〉 弦月 上弦〈カムツユミハリ〉 下弦

〔下學集〕

〈上時節〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0059 弓張月(ユミハリツキ)

〔撮壤集〕

〈上天像〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0059 月 弦(ゲン)月〈和名類聚、上弦下弦、〉 弓張月(ユミハリツキ)

〔和爾雅〕

〈一天文〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0060 弦(ユミハリ)〈七八日爲上弦、廿二三爲下弦、〉 恆月(ユミハリ)〈出詩經

〔八雲御抄〕

〈三上天象〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0060 月〈◯中略〉 ゆみはりの月〈非三日月、半月也、是故人説也、〉

〔藻鹽草〕

〈一天象〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0060 月 月弓 弓はりの月〈のヽ字なくても云也、月の事也、三日月にあらず、〉 かみの弓はりの月〈七日八日の夕附夜〉 しもの弓はり〈廿二日廿三日〉

〔倭訓栞〕

〈中編二十七由〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0060 ゆみはりづき 弓張月なり、上弦下弦をすべていふ也、詩の注に、八九日月體半昏而似弓張、而弦直謂之上弦、釋名にも若弓弦也と見えたり、日本紀には弦をゆはりとよめり、新撰古今集に、弓張の半はの月とも見えたり、

〔暦林問答集〕

〈下〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0060弦望第二十六
或問、弦望者何也、 答曰、暦例云、上弦者陽光漸照、陰體未成而遲速交際也、又云、望者陰陽相對者、月正滿而交在望、下弦者陽明漸消、而陰體在半也、月獨無光、依日之照明、其陽成於三日、故月初三生於小明、而見西天、因玆朔與望半、爲上弦日光照月之半其形似弓、故云弦、又弦之後、大陰之位盈、而正相對於太陽之照、故月圓滿也、謂之望、又望之後、月漸近日、是故日月不相對、而月漸虧也、望與晦半、月又半也、下弦者至晦而月光死、而至朔而月蘇也、其朔者日月正交會之辰也、

〔大和物語〕

〈上〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0060 おなじみかど〈◯醍醐〉の御時、躬恆をめして、月のいとをもしろき夜、御遊びなどありて、月を弓はりといふは何の心ぞ、そのよしつかうまつれとおほせ給ひければ、みはしのもとに侍ひて、つかうまつりける、
てる月を弓はりとしもいふ事は山べをさしていればなりけり〈◯又見大鏡

〔平家物語〕

〈四〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0060 鵼の事
折ふしころは卯月十日あまりの事なれば、雲井に郭公二聲三こゑをとづれてとをりければ、左大臣殿、〈◯藤原基實〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0061 ほとヽぎす名をもくもゐにあぐるかな、とおほせられかけたりければ、よりまさ右のひざをつき、ひだりの袖をひろげて、月をすこしそばめにかけつヽ、ゆみはり月のいるにまかせて、とつかうまつり、御けんを給はりてまかりいづ、

〔枕草子〕

〈七〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0061 人のなぞ〳〵あはせしける所に、かたくなにはあらで、さやうの事にらう〳〵しかりけるが、左の一番はおのれいはん、さ思ひ給へなどたのむるに、〈◯中略〉其日になりて、〈◯中略〉天にはりゆみといひ出たり、〈◯中略〉右の人をこに思ひて、うちわらひて、やヽさらにしらずと口引たれて、さるがふしかくるに、數させ〳〵とてさヽせつ、〈◯下略〉

望月

〔倭名類聚抄〕

〈一景宿〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0061 望月 釋名云、望月、〈和名毛知都岐〉月大十六日、小十五日、日在東、月在西、遙相望也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈一景宿〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0061 毛知豆岐、用望月字、見萬葉集、按、毛知豆岐、滿月之義、〈◯中略〉按、説文、朢、月滿與日相望、以朝君也、从月从臣从壬、壬朝廷也、又云、望、出亡在外、望其還也、从亡朢省聲、二字不同、徐鍇曰、朢作望、假借也、毛晃増韻亦云、朢經典通作望、

〔類聚名義抄〕

〈二肉〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0061 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001da2f.gif 〈俗http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/7f00006509cd.gif 字、モチツキ、サヤケシ、音精、〉

〔同〕

〈六玉〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0061 朢〈音同、朢月、モチツキ、〉 望〈俗〉

〔下學集〕

〈上時節〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0061 望月(モチツキ) 十五月(モチツキ)

〔和爾雅〕

〈一天文〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0061 幾望(キバウ)〈十三四日也、出易經、〉 望(モチツキ)〈十五日也、周禮注、月大十六日、望月小十五日望、〉

〔日本釋名〕

〈一時節〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0061 望(モチヅキ) もちはみつ也、もとみと通ず、十五夜の月まどかにしてみつるゆへ也、或云、月まどかにして、もちいの形の如し、此説いかヾ、

〔八雲御抄〕

〈三上天象〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0061 月〈◯中略〉 もちづきは、十四五六日間也、〈但万には、十五日とかきて、もちの日とよめり、〉

〔萬葉集〕

〈二挽歌〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0061 明日香皇女木http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001a498.gif 殯宮之時、柿本朝臣人麻呂作歌一首并短歌、〈◯中略〉鏡成(カヾミナス)、雖見(ミレドモ)不猒(アカズ)、三五(モチ)月之(ヅキノ)、益目頰染(イヤメヅラシミ)、所念之(オモホシシ)、君與時時(キミトヲリヲリ)、幸而(イデマシテ)、遊賜之(アソビタマヒシ)、〈◯下略〉

〔萬葉集〕

〈九挽歌〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0061勝鹿眞間娘子歌一首并短歌〈◯中略〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0062 望月之(モチヅキノ)、滿有面輪二(ミテルオモワニ)、如花(ハナノゴト)、咲而立有者(ヱミテタテレバ)、〈◯下略〉

〔萬葉集〕

〈十二古今相聞往來歌〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0062物陳
十五(モチノ)日(ヒニ)、出之(イデニシ)月乃(ツキノ)、高高爾(タカタカニ)、君乎(キミヲ)座而(イマセテ)、何物乎加將念(ナニヲカオモハム)、

〔萬葉集〕

〈十三挽歌〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0062 往向(ユキムカフ)、年緒長(トシノヲナガク)、仕來(ツカヘキテ)、君之御門乎(キミガミカドヲ)、如天(ソラノゴト)、仰而見乍(アフギテミツヽ)、雖畏(カシコケド)、思憑而(オモヒタノミテ)、何時可聞(イツシカモ)、日足座而(ヒタラシマシテ)、十五月之(モチヅキノ)、多田波思家武登(タヽハシケムト)、〈◯下略〉

〔古今和歌六帖〕

〈一歳時〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0062 十五夜   貫之
難波潟鹽みちくれば山のはに出る月さへみちにけるかな

十六夜月

〔運歩色葉集〕

〈伊〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0062 十六夜(イサヨイノ)月

〔撮壤集〕

〈上天像〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0062 月 不(イ)知(ザ)夜月(ヨイノツキ)

〔和爾雅〕

〈一天文〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0062 十六夜(イザヨヒノ)月 既望(キバウ)〈十六日也〉 哉生魂(サイセイハク)〈十六日也〉

〔八雲御抄〕

〈三上天象〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0062 月〈◯中略〉 いざよひの月は十六日月也云々、是源氏歌故也、但万葉には不知夜歴月と書り、凡上旬月は不謂、雖十六日十七八日月詠有何難哉、但故人説皆十六日也、尤可然、〈◯中略〉いざよふ月はいざよひの月にあらざるか、万十七、山のはにいざよふ月をいでんかとまちつヽをるによぞふけにける、是非十六日の月なり、

〔日本釋名〕

〈一時節〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0062 既望(イザヨヒ) 十六夜の月也、いざよふは、やすらふ意也、日くれて少やすらひ出る也、

〔倭訓栞〕

〈中編二伊〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0062 いさよひ 十六夜をいふといへり、月の少しやすらひて出るをもて、よひを宵にかよはしいふ也、

〔十六夜日記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0062 身をえうなきものになしはてヽ、ゆくりもなくいざよふ月にさそはれいでなんとぞおもひなりぬる、〈◯中略〉ゆくりなくあくがれ出しいざよひの月やおくれぬかたみなるべき、都を出しことは、神無月

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0063 十六日なりしかば、いざよふ月をおぼしめしわすれざりけるにやと、いとやさしくあはれにて、たヾ此返事ばかりをぞ又きこゆる、

立待月

〔運歩色葉集〕

〈多〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0063 立待月(ダチマチノツキ)〈十七夜〉

〔撮壤集〕

〈上天像〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0063 月 立待(タチマチ)月

〔和爾雅〕

〈一天文〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0063 既生魂(キセイハク)〈十七日也〉 立待(タチマチ)月〈十七日也〉

〔藻鹽草〕

〈一天象〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0063 月 立待〈十七日、又立待の月とのゝ字ありても、〉

〔倭訓栞〕

〈中編十三多〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0063 たちまちのつき 立待月也、十七日の月の山のは出るを、立やすらひての義なり、

〔新撰六帖〕

〈一〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0063 たちまち   家良
我門をさしわづらひてねるをのこさぞ立待の月もみるらん

〔狗猧集〕

〈五秋〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0063 十七夜立待に
月は今たちまち出ん十七夜   正直

居待月

〔撮壤集〕

〈上天像〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0063 月 居待月

〔八雲御抄〕

〈三上天象〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0063 月〈◯中略〉 ゐまち〈万に、ゐまち月といふ、又ゐまちの月とも、〉

〔藻鹽草〕

〈一天象〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0063 月 居待の月〈十八日〉

〔倭訓栞〕

〈前編四十三爲〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0063 ゐまちづき 万葉集に座待月とみゆ、十八夜をいふ、立待月に對したる名なり、

〔萬葉集〕

〈三雜歌〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0063 羇旅歌一首并短歌
海若者(ワタツミハ)、靈寸物香(アヤシキモノカ)、淡路島(アハヂシマ)、中爾立置而(ナカニタテオキテ)、白浪乎(シラナミヲ)、伊與爾回之(イヨニメグラシ)、座待月(井マチヅキ)、開石門從者(アカシノトユハ)、〈◯下略〉

〔新撰六帖〕

〈一〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0063 ゐまち   家良

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0064 我のみぞねられざりけるかるもかくゐまちの月の程はへぬれど

寢待月

〔撮壤集〕

〈上天像〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0064 月 臥待月

〔和爾雅〕

〈一天文〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0064 臥待(フシマチ)月〈十九夜月也、又云寢待月、〉

〔八雲御抄〕

〈三上天象〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0064 月〈◯中略〉 ねまち ふし待〈廿日月也、見源氏若菜下、〉

〔藻鹽草〕

〈一天象〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0064 月 ね待の月〈十九日〉 ふし待の月〈同日〉

〔倭訓栞〕

〈前編二十二禰〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0064 ねまちのつき 十七夜を立待、十八夜を居待、十九夜を臥待とも、寢待ともいひて、廿日は古來廿日の月とよめり、

〔空穗物語〕

〈梅の花笠〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0064 かくて二月廿日になんまで給ける、〈◯春日社、中略、〉わかのだいにすべき事、すこしえりいで給へとのたまふ、なかよりつかうまつりにくきこと、かならずといひて、かきいだす、あはれけふは春のなかば、月ねまちを昨日といひて、はなのにほひをさそふうぐひすのこゑをむかへ、〈◯中略〉冬をいなふる鳥とかきいだして、兵部卿のみこにたてまつる、御覽じてねまちの月を、昨日こそねまちもせしか春のよのこよひの月をいかヾ見るらん、とかきて、中つかさのみこにたてまつり給、

〔古今和歌六帖〕

〈一天〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0064 ざふの月
君まつとおきたるわれも有ものをねまちの月のかたぶきにけり

〔古今和歌六帖標注〕

〈一〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0064 能因歌枕云、十九日ねまち、宇津保、梅の花笠の卷にいふ、二月廿日になんみちて云々、あはれけふは春のなかば、月もねまちをきのふといひて云々などみえて、ねまちは十九日なるを、八雲御抄に、ねまちふしまち廿日月なり云々、また續古今戀三に坂上是則、ねてまちしねまちの月のはつかにもあひみしことをいつかわすれん、とみゆ、されど此うたは前夜をうけて、廿日の月とよみたれば、ねまちは猶十九日なるべきにや、

〔古今和歌六帖〕

〈五雜思〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0065 人をまつ
君をのみ起ふしまちの月かげはやちよもこヽに有明をせよ

〔源氏物語〕

〈三十五若菜〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0065 夜ふけゆく風のけはひひやヽかなり、ふしまちの月はつかにさしいでたる心もとなしや、

〔後拾遺和歌集〕

〈十五雜〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0065 入道攝政物語などして、寢待の月の出づるほどに、とまりぬべき事などいひたらば、とまらんといひ侍ければ、讀侍ける、   大納言道綱母
いかにせん山のはにだにとヾまらで心のそこにいでん月をば

〔平治物語〕

〈一〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0065 院御所仁和寺御幸事 二十六日ノ夜更テ、〈◯中略〉上皇〈◯後白河〉驚カセ給テ、仁和寺ノ方ヘコソ思召立メトテ、殿上人ノ體ニ、御姿ヲヤツレサセ給テ、紛出サセ御座ス、〈◯中略〉未夜半ノ事ナレバ、臥待ノ月モサシ出ズ、

〔續古今和歌集〕

〈十七雜〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0065 後鳥羽院くらゐにおはしましける時、御いのりにさぶらひて、廿日の夜の頃まかり出でけるを、猶とヾめ仰せられければ、   承仁法親王
さもこそは寢待の月の頃ならめ出でもやられぬ雲の上哉

〔風雅和歌集〕

〈十一戀〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0065 伏見院の御時、六帖の題にて、人々歌よませさせ給ひけるに、一夜隔てたると云ふ事を、   前大納言爲兼
夜がれそむる寢待の月のつらさより廿日の影も又やへだてむ

更待月

〔和爾雅〕

〈一天文〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0065 更待(フケマチ)月〈廿日月也〉

〔藻鹽草〕

〈一天象〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0065 月 ふけ待の月〈廿日〉廿日の月

〔源氏物語〕

〈十榊〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0065 廿日の月やう〳〵さしいでヽ、をかしきほどなるに、あそびなどもせまほしき程かなどの給はす、

〔新撰六帖〕

〈一〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0066 はつかの月   家良
長月のはつかの月を待出て我ためみつと妹しるらめや

有明月

〔運歩色葉集〕

〈阿〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0066 有明 在明

〔書言字考節用集〕

〈二乾坤〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0066 殘月(アリアケノツキ)〈又云破鏡〉 頽魄(同)

〔倭訓栞〕

〈前編二阿〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0066 ありあけ 有明の義、十六夜以下は、夜は已に明るに、月は猶入らで有る故にいふなり、

〔枕草子〕

〈十二〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0066 ある所に中の君とかやいひける人のもとに、君達にはあらねども、其心いたくすきたるものにいはれ、心ばせなどある人の、九月ばかりにいきて、有明の月のいみじうてりておもしろきに、名殘おもひ出られんと、ことのはをつくしていへるに、今はいぬらんと遠く見おくるほどに、えもいはずえんなるほど也、出るやうに見せてたちかへり、たてじとみあいたる陰のかたにそひ立て、猶ゆきやらぬさまもいひしらせんと思ふに、有明の月のありつヽもと、うちいひてさしのぞきたるかみのかしらにもよりこず、五寸ばかりさがりて、火ともしたるやうなる月のひかり、もよほされて、おどろかさるヽ心ちしければ、やをらたちいでにけりとこそかたりしか、

〔拾遺和歌集〕

〈十三戀〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0066 だいしらず   人まろ
長月のあり明の月のありつヽも君しきまさば我戀めやも

〔萬葉集〕

〈十秋雜歌〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0066
白露乎(シラツユヲ)、玉作有(タマニナシタル)、九月(ナガヅキノ)、在明之月夜(アリアケノツクヨ)、雖見(ミレド)不飽(アカヌ)可聞(カモ)、

〔源氏物語〕

〈二帚木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0066 月はあり明にて、光をさまれるものから、影さやかにみえて、中々をかしきあけぼのなり、

〔續本朝往生傳〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0067 阿闍梨延慶者、武藏守業貞之舍弟也、〈◯中略〉其年臘月、令弟子道圓上人問郷音、有人答曰、狹夜深氐、何方賀月之、西倍行云々、道圓釋曰、西方往生之相也、十五日以後月稱晨月、若十四日可遷化歟、

〔八雲御抄〕

〈三上天象〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0067 月〈◯中略〉 ありあけの月は、十五日い後をいふよし、在匡房往生傳

〔續世繼〕

〈七うたヽね〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0067 土御門の右のおとヾ〈◯源顯房〉と申しは、はじめて源の姓えさせ給て、師房のおとヾときこえさせ給き、御身のざえもたかく、文つくらせたまふかたもすぐれ給て、野のみかりのうたの序など、人の口にはべるなり、又月のうたこそ、こヽろにしみてきこえ侍りしか、
有明の月まつほどのうたヽねは山のはのみぞ夢にみえける

〔源平盛衰記〕

〈二十六〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0067 忠盛婦人事
忠盛備前守ニテ、國ヨリ都ヘ上タリケルニ、院〈◯白河〉ヨリ御使アリテ、攝津國ヤ難波潟、明石ノ浦ノ月ハ、イカニカ有ト御尋有ケレバ、御返事ニ、有明ノ月モ明石ノ浦風ニ波計コソヨルト見エシカ、ト申タリ、御感有テ金葉集ニ被入ケリ、

朧月

〔新古今和歌集〕

〈一春〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0067 文集嘉陵春夜詩、不明不暗朧々月、といへることをよみ侍ける、   大江千里
てりもせずくもりもはてぬ春のよの朧月夜にしく物ぞなき

〔碩鼠漫筆〕

〈十〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0067 朧夜の語例
或歌讀の先生いへらく、近人の歌を見るに、朧夜といふ語おほし、古人は常に朧月夜とつヾけて、おぼろ夜とはをさ〳〵いはざりきといへり、春村按ふに、こはよろしげなる心づきなれど、古今六帖第五帖に、墨染のたそがれ時のおぼろ夜にありてし君にさやにあひみつ、とまづは見ゆれば、ふつになしとはいひがたかるべし、但し李花集の詞がきに、朧夜の月のひかりによ

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0068 もすがらあくがれて云々、又碧玉集に、花かすむゆふべをとへばおぼろよの月にもなりぬをちかたのさと、など後世には猶おほかるべし、

〔源氏物語〕

〈三十五若菜〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0068 春のおぼろ月よヽ、秋の哀はたかうやうなるものヽねに、むしのこゑよりあはせたる、たヾならず、こよなくひヾきそふ心ちすかしとの給へば、〈◯下略〉

〔平家物語〕

〈四〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0068 いつくしま御かうの事
この日ごろ聞えさせ給ひつる、いつくしま御かうをば、西八條のていより、すでにとげさせおはします、三月もなかばすぎぬれど、かすみにくもるあり明の月はなほおぼろ也、

〔新古今和歌集〕

〈一春〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0068 百首の歌奉りしとき   源具親
難波がたかすまぬ浪もかすみけりうつるもくるも朧月夜に

月重出

〔異本塔寺長帳〕

〈六〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0068 慶長十四年三月四日、東西南北ニ月四ツ現、南西北ノ月動、夜九ツ時消、

月光呈異状

〔日本靈異記〕

〈下〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0068 災與善表相先現而後其災善答被縁第卅八
山部天皇〈◯桓武〉代、延暦三年歳次甲子、〈◯中略〉次年乙丑年秋九月日之夜、竟夜月面黒光消失空闇也、同月廿三日亥時、式部卿正三位藤原朝臣種繼於長岡宮島町、而爲近衞舍人雄鹿宿禰木積波々岐將丸射死也、彼月光失者、是種繼卿死亡之表相也、〈◯下略〉

〔三代實録〕

〈一清和〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0068 天安二年九月三日辛酉、夜月中有黒色、須臾月色赤如血、

〔三代實録〕

〈七清和〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0068 貞觀五年二月十九日壬子、自十六日十八日、日初昇白無光、月初出赤如丹、今日並復舊、

〔三代實録〕

〈十一清和〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0068 貞觀七年六月廿一日庚午、遲明、月色正黄、有赤雲之、

〔三代實録〕

〈四十九光孝〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0068 仁和二年四月十四日癸亥、是夜自子至丑、月黒无光、寅時自下端稍成光、

〔日本紀略〕

〈一醍醐〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0068 延喜二年六月五日、終日見月、

〔日本紀略〕

〈六圓融〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0069 天延三年八月廿四日癸亥、上總國申、夜月及申方之間、滿月始出東方

〔本朝世紀〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0069 正暦五年六月十五日乙未、此夕滿盈之月、出山際之間、已半月也、如三日之月、及丑刻之間、漸滿、明日有天文之奏、多有凶事

〔小右記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0069 寛弘二年二月十八日丙申、去十六日日欲入之間、其色如火、月出間、其色相同、乍驚問遣奉平宿禰云、雲陰掩所見也者、昨日月又如一昨、今日又同、仍重問奉平宿禰、答云、連日連夜有此事、誠可變、明日可上奏者、

〔中右記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0069 保延二年三月十八日、今夜月甚赤、如何、可天文博士也、

〔百練抄〕

〈八高倉〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0069 嘉應元年三月十六日、月色大赤、

〔顯廣王記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0069 安元三年六月三日辛未、今夕月中切云々、天變最重歟、

月暈/月珥

〔三代實録〕

〈五十光孝〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0069 仁和三年三月十四日戊子、是夜始戌刻、月有冠纓、左右爲珥、至于亥時白暈氣、及消滅猶有兩珥

〔吾妻鏡〕

〈四十三〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0069 建長五年十月十三日戊午、今夜戌刻、月在五色笠、將軍家覽之、被驚思召之處、非變異之由、司天等申之、

〔狗猧集〕

〈五秋〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0069 十七夜立待に
柄のなきをさすとはいかに月のかさ   久家

〔萬寶鄙事記〕

〈六占天氣〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0069 月の暈は雨、黒氣あるもあめ、しかれども青霞花曇などいふ事のあれば、たとひ月に暈有ても雨ふらざる事有、 月のかさは必ず中天にある時なり、十五日の前後七八より廿二三日の間に有て、月のはじめおはりにはなし、月のかさ一方かけたるは風なり、たちまちに暈消え去るは晴なり、をよそ暈は其所によりてこれ有、世上一時にはなし、

月犯星

〔續日本紀〕

〈九元正〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0069 養老七年十一月戊子夜、月犯房星

〔續日本紀〕

〈九聖武〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0070 神龜元年四月丁未、月犯熒惑、 二年閏正月戊子夜、月犯塡星

〔續日本紀〕

〈十聖武〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0070 神龜四年正月乙未、夜、月犯心大星、天平元年七月癸丑、月入東井

〔續日本紀〕

〈十五聖武〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0070 天平十五年二月乙未、夜、月掩熒惑、 丁酉、夜、月掩太白

〔三代實録〕

〈十六清和〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0070 貞觀十一年七月六日壬戌、夜、月犯心前星、 八日甲子、夜、月犯入北斗魁中

〔三代實録〕

〈十九清和〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0070 貞觀十三年四月十五日辛卯、月行奎心前星、呑蝕其中大星

〔三代實録〕

〈二十二清和〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0070 貞觀十四年九月六日癸酉、夜月入箕、 十六日癸未、日赤無光、月宿亢氐

〔三代實録〕

〈二十六清和〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0070 貞觀十六年十二月十一日乙丑、是夜月犯昴星、 十六日庚午、夜、月犯輿鬼

〔三代實録〕

〈三十四陽成〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0070 元慶二年十一月廿六日丁巳、子時月入氐中、 廿七日戊午、卯時月犯房星并鉤鈐星、 十二月十一日壬申、是夜月犯畢、

〔三代實録〕

〈三十六陽成〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0070 元慶三年十一月廿四日己卯、是夜月入氐中、 十二月廿二日丁未、入氐、

〔三代實録〕

〈四十二陽成〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0070 元慶六年九月七日丙子、夜月行奄犯牽牛第一二星、 十一月四日壬申、是夜月行奄陵歳星、入月中西貫東、

〔三代實録〕

〈四十三陽成〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0070 元慶七年三月十日丙子、昏時月暈行犯大微西蕃上將星、亥時白雲氣自北方來入暈中、其數五片、廣一尺許長一丈、四片乃減、一片貫月、良久消却、

〔三代實録〕

〈四十五光孝〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0070 元慶八年四月十四日甲辰、月在房宿

〔三代實録〕

〈四十八光孝〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0070 仁和元年八月廿七日己卯、月行入太微右掖門、出左掖門

〔日本紀略〕

〈一醍醐〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0070 昌泰元年七月七日乙亥、月犯土星、延喜六年五月八日庚申、戌時月入紫微、犯謁者星、 十年五月廿一日己酉、月建暈鎭星及奎婁星、大陵天衢、 七月十一日戊戌、月入南斗魁中、犯第三離星、熒惑犯房第二星

〔日本紀略〕

〈二朱雀〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0071 天慶二年六月四日甲戌、月與太白變、星晝見、

〔日本紀略〕

〈四村上〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0071 天徳四年四月四日癸酉、今日月與太白合宿、 五日甲戌、戌刻月犯北河、 廿日己丑、主税頭以忠奏、去十八日、月犯南斗第二星、應和二年四月十三日庚子、奏十二日夕戌刻、月與歳星同宿文、 七月十日乙丑、天文博士保憲、助教以忠等申、九日月犯心前星、 九月廿四日己卯、助教以忠上去廿三日曉月犯軒轅夫人、康保三年正月九日乙亥、天文博士保憲上去八日月犯昴星異状、 十五日辛巳、天文道申去十四日月奄食軒轅大星異状、 廿三日己丑、天文〈◯文下恐脱道字〉上言、去廿一日丑時、月犯心後星、 二月十日乙巳、天文道申去八日、月奄蝕五車〈◯車、一本作東、今據史記天官書改、〉司空異奏、 十二日丁未、天文道申去十一日夜月犯輿〈◯輿、一本作與、今依漢書天文志改、〉鬼大將軍星異奏

〔日本紀略〕

〈五冷泉〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0071 安和元年七月廿七日戊申、月與太白所、〈五寸〉

〔日本紀略〕

〈六圓融〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0071 天延三年六月廿三日甲子、曉月犯畢、

〔權記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0071 長保四年六月十五日己卯、權天文博士奉平宿禰來示云、去九日月犯心後星變、是庶子可愼、其後不幾前彈正親王薨去給、昨依右將軍召、詣將軍、命云、康保之間、又有此事云々、

〔小右記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0071 長和二年三月九日庚子、頭辨寫送云、六日夕戌時、月入東井中、犯第三星之密奏、是用意之深、大將可愼之變也、昨日大雨變異消歟、寛仁三年六月四日己丑、午時月星共見、月在巳、星在月坤、相去七八尺所、三光一時變異、希有怪也、若太白星歟、

〔本朝世紀〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0071 久安二年八月十八日乙卯、戌刻月犯鎭星、相去五寸計、 三年三月四日丁卯、戌時月犯歳星、相去一寸所也、 五年正月廿一日甲辰、今日丑刻月犯心大星、 五月十二日癸巳、今夜月犯心大星、 六年九月廿七日庚子、寅刻月犯太白、相去九寸、有太微端門内、 十一月十四日丙戌、今夜亥刻

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0072地震、月在胃十一度、又同刻月犯五車

〔台記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0072 久壽二年七月廿六日辛未、深更月犯太白、即使人問泰親、使者歸來云、泰親立地仰天、 廿七日壬申、泰親、月犯太白、天子惡、〈先帝崩象歟〉母主惡、〈關白殿北政所、將薨象歟、〉立太子皇子歟、

〔吉記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0072 治承五年三月十日丙戌、今月七日亥時、月犯塡星、〈相去一尺所〉主司女主之過、右申四月與塡星竝出、中國兵起、女主惡之、不一年、 甘氏曰、月犯塡星、國徳臣死、 丁偃曰、月犯塡星、其國亡、貴人死、天下有大喪、荊州日月犯出、貴人兵死天下亂、

〔玉海〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0072 治承五年〈◯養和元年〉八月廿一日乙丑、泰親朝臣來、申天變之間事、去十八日戌時、月犯畢火星、〈五寸所〉天子愼、大將軍愼、内裏火事等也、又有天子誅邊將之文、當此時尤有其恐者歟、又君使於道路死云云、是又似追討使之厄歟、同廿日寅時、月犯天關、〈七寸所〉女主愼之、又天子將軍等愼云々、

〔吾妻鏡脱漏〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0072 嘉祿二年十一月三日甲寅、戌刻月犯太白星、〈相去二尺餘〉 五日丙辰、戌刻月凌犯鎭星、月犯熒惑星、戌刻月歳星侵之、

〔吾妻鏡〕

〈三十六〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0072 寛元二年十二月十八日甲申、子刻月犯歳星之由、司天等驚申、今夜大殿御方被行御祈等云云、

雜載

〔萬葉集〕

〈三雜歌〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0072 長皇子遊獵路池之時、柿本朝臣人麻呂作歌一首并短歌、〈◯中略〉
久竪乃(ヒサカタノ)、天歸月乎(アメユクツキヲ)、綱爾刺(ツナニサシ)、我大王者(ワガオホキミハ)、蓋爾爲有(キヌガサニセリ)、

〔萬葉集〕

〈四相聞〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0072 湯原王贈娘子歌二首〈◯中略〉
目二破見而(メニハミテ)、手二破不所取(テニハトラレズ)、月内之(ツキノウチノ/○○○)、楓(カツラノ/○)如(ゴトキ)、妹乎奈何責(イモヲイカニセム)、

〔萬葉集〕

〈七雜歌〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0072 詠天
天海丹(アメノウミニ)、雲之波立(クモノナミタチ)、月船(ツキノフネ/○○)、星之林丹榜隱所見(ホシノハヤシニコギカクルミユ)、
右一首、柿本朝臣人麻呂之歌集出、

〔萬葉集〕

〈十秋相聞〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0073 問答
四具禮零(シグレフル)、曉月夜(アカツキツクヨ)、紐(ヒモ)不解(トカズ)、戀君跡(コヒシキキミト)、居益物(ヲラマシモノヲ)、

〔伊勢物語〕

〈下〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0073 昔これたかのみこと申みこおはしましけり、山崎のあなたに、水無瀬といふ所に宮有けり、〈◯中略〉夜更るまで酒のみ物語して、あるじのみこ、ゑひて入給ひなんとす、十一日の月もかくれなんとすれば、かのむまのかみの〈◯在原業平〉よめる、
あかなくにまだきも月のかくるヽか山のはにげて入ずもあらなん、
みこにかはり奉りて、   紀の有つね、
おしなべて嶺もたひらに成ななん山のはなくば月もいらじを

〔土左日記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0073 八日、さはることありてなを同じ所なり、こよひ月は海にぞいる、これを見て業平のきみの、山のはにげて入ずもあらなんといふうたなんおもほゆる、もし海べにてよまヽしかば、なみたちさへていれずもあらなんとよみてましや、今此歌をおもひいでヽ、或人のよめりける、
てる月の流るヽ見れば天の川出る湊は海にざりける、とや、

〔古今和歌集〕

〈四秋〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0073 題しらず   よみ人しらず
白雲にはねうちかはしとぶ雁のかずさへ見ゆる秋の夜の月

〔古今和歌集〕

〈五秋〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0073 題しらず   よみ人しらず
秋の月山べさやかにてらせるはおつる紅葉のかずをみよとか

〔古今和歌集〕

〈十七雜〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0073 題しらず   よみ人しらず
我心なぐさめかねつさらしなやをばすて山にてる月を見て

〔後撰和歌集〕

〈四夏〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0073 夏の夜の月おもしろく侍りけるに   よみ人しらず
今宵かくながむる袖の露けきは月の霜をや秋とみつらん

〔竹取翁物語〕

〈下〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0074 かぐや姫、月のおもしろう出たるを見て、常よりも物おもひたる様也、ある人の、月の顏見るは(○○○○○○)、いむ事(○○○)とせいしけれども、ともすれば人まにも月を見ては、いみじく泣給ふ、

〔後撰和歌集〕

〈十戀〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0074 月をあはれといふは、いむなりといふ人のありければ、   よみ人しらず
獨ねのわびしきまヽにおきゐつヽ月を哀と忌ぞかねつる

〔源氏物語〕

〈十二須磨〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0074 入道の宮の、きりやへだつるとの給はせし程、いはんかたなくこひしく、をり〳〵のこと思ひ出給に、よヽとなかれ給、夜ふけ侍ぬときこゆれど、猶いり給はず、
みるほどぞしばしなぐさむめぐりあはん月の都(○○○)ははるかなれども

〔枕草子〕

〈二〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0074 すぎにしかたこひしきもの 月のあかき夜

〔枕草子〕

〈六〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0074 あはれなる物 二十六七日ばかりのあかつきに、物がたりしてゐあかして見れば、あるかなきかに心ぼそげなる月の、山のはちかく見えたるこそいとあはれなれ、〈◯中略〉あれたる家にむぐらはひかヽり、よもぎなどたかくおひたる庭に月のくまなくあかき、

〔枕草子〕

〈十一〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0074 月のあかきにきたらん人はしも、十日、廿日、一月、もしは一年にても、まして七八年になりても、思ひ出たらんは、いみじうをかしとおぼえて、えあふまじうわりなき所、人めつヽむべきやうありとも、かならず立ながらも物いひてかへし、又とまるべからんをば、とヾめなどしつべし、月のあかきみるばかり、とほくもの思ひやられ、過にし事、うかりしも、うれしかりしも、をかしと覺えしも、只今のやうにおぼゆるをりやはある、こまのヽ物がたりは、何ばかりをかしき事もなく詞もふるめき、見所おほからねど、月にむかしを思出て、むしばみたるかはほりとり出て、もと見しこまにといひてたてる、いとあはれ也、

〔新古今和歌集〕

〈四秋〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0074 題しらず   藤原家隆朝臣
ながめつヽ思ふもさびし久かたの月の都のあけがたの空

〔徒然草〕

〈下〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0075 花はさかりに、月はくまなきをのみ見る物かは、雨にむかひて月をこひ、たれこめて春の行へしらぬも、猶あはれに情ふかし、〈◯中略〉望月のくまなきを千里の外までながめたるよりも、曉ちかくなりて、待出たるがいと心ふかう、青みたるやうにて、ふかき山の杉の梢にみえたる、木の間の影、うちしぐれたる村雲がくれの程、またなく哀なり、椎柴しらがしなどの、ぬれたるやうなる葉のうへに、きらめきたるこそ、身にしみて、心あらん友もがなと、都こひしう覺ゆれ、すべて月花をば、さのみ目にて見る物かは、春は家を立さらでも、月の夜は閨のうちながらも、思へるこそいとたのもしうをかしけれ、〈◯下略〉

〔筆のすさび〕

〈四〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0075 一月を見る説 友人橋本吉兵衞、名は祥、來り語る、人の月見るに、人によりて大小あり、おのれは徑二三寸のまろき物と見しが、人によりて徑六七尺にも見ゆるあり、六寸許に見ゆるは、尋常の人の目なり、されば所謂ぬか星などは、おのれが目には見えざるべしといふ、人々皆試みし事にや、予〈◯菅茶山〉ははじめてきヽぬ、

〔雲錦隨筆〕

〈四〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0075 小兒に月を指しむることなかれ、兩耳の後に瘡を生ず、月食瘡と號と也、

〔萬寶鄙事記〕

〈六占天氣〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0075 月 月の出入の時、よく見て風雨を知るべし、 月にかさあるは風、かならずかさのかけたる方より來る、 前月大なれば二日に月みゆ、前月小なれば三日に月見ゆ、大二小三といふ、 二日三日まで月見えざれば、その月風雨しげし、新月下にそりてかけたる弓のごとくに上にたまりなきは、其月雨すくなく風多し、あをのきて上にたまりあるは、其月雨多し、新月の下に黒雲横るは明日雨、 月はじめて生じ、かたち小にしてはヾ大なるは、水のわざはひあり、かたち大にしてはヾ小なるは、三日のうちに雨ふる、 白氣月をつらぬくは、夏は大水、秋は風吹、黒氣月をつらぬくは、夏は大水出、春秋も水、又は陰、 月のそばに黒雲おこるは大水 月の上下黄雲くらく覆は大風 日の色しろく、夜る月の色あかきは旱せんとする兆しなり、日の色あか

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0076 く、夜る月の色白きは雨のきざし也、又日の色あをく、夜る月の色青きは寒の兆なり、 ◯

月蝕

〔和爾雅〕

〈一天文〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0076 月蝕(グハツシヨク)〈月食同〉

〔和漢三才圖會〕

〈一天〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0076 月蝕(ぐはつそく)〈十四、十五、十六、限此三箇日、〉 〈月蝕雖卯辰時、屬之前日、〉 月蝕者至月望、則日月正對如一線、日在地下、地球障隔日光之、故月失其光、漸出地影之外、則日能照之復元、月蝕入陰暦則初虧東南、甚於正南、復於西南、入陽暦初虧東北、甚於正北、復於西北

〔寛政暦書〕

〈八月食暦理〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0076 交食總論〈專論月食〉或問、日月薄蝕、古以爲變異者是乎、抑亦否乎、若言是則躔離有常、上下千萬年、如諸掌耳、若言否則古聖賢戒懼修省又復何、説曰、若其是否則暦家姑置而不論焉、惟治暦之要、窮日月星辰運轉之理、期於合一レ天、是古聖欽若之道也、夫日月躔度、相會爲朔、相對爲望、此皆爲東西同經、其入交也、正當黄道、而無緯度、是爲南北同緯、雖入交而非朔望、則同緯而不經、當朔望而不入交、則同經而不緯、皆無食、必經緯同度而後有食也、蓋合朔時、月在日與地之間、人目仰觀、與日月一線參直、則月掩蔽日光、即爲日食、望時地在日與月之間、亦一線參直、地蔽日光而生闇影、其影尖圓、是爲闇虚、月入其中、則爲月食也、蓋月食十分以上者有五限、一曰食甚、乃月入影最深之限也、一曰初虧、月將影兩周初切也、一曰食既、月全入影、其光盡掩也、〈此二者在食甚前〉一曰生光、月將影、其光初吐也、一曰復圓、月全出影兩周方離也、〈此二者在食甚後〉十分以下者止三限、無食既與生光矣、測家求精密、尤勤于交食、蓋太陰去人最近、饒有視差、凡人目所見、儀器所測、則視度而已、其實行度分非人可一レ見、非器可一レ測、故必以月食食甚時知定、望與日正相對、從是知其實度、從是知其實行、自餘行度漸可推算矣、月食淺深分數、天下皆同、而各限時刻不同者、非月入一レ影有前後、乃人居地面東西也、蓋認日之所一レ行爲時、隨人所居各見日出入東西、日中爲南爲子午、而平分時刻、故其同子午之地、雖南北懸殊、〈北極出地高下不同〉而時刻不異、若東西易地、雖

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0077 北極同高、而西方見食必先、東方見食必後也、凡東西差一度、則時差二十七分餘、今以京師主、各方偏京師之東者、以時差加、偏西者以時差減、皆加減京師、各限時刻各方、各限時刻也、是故欲各方之時刻、必先定各方之子午線、欲各方之子午線、非分測各方之月食得矣、顧推歩之法、月食猶易而日食最難、以月在日下、人在地面、隨時隨處所見常不同也、自大衍以至授時、其法寢備、至清全用西法推驗尤精、西人噶西尼等益復精求立成新表、其理不乎昔人之範圍、而其用意細密、又有於昔人所及者、如求實朔實望、用前後二時、日月實行爲比例、昔之用平朔平望、實距弧者未之及也、求各限時刻、皆用兩經斜距比例、昔之用月距日實行者未之及也、雖其數所差無一レ多、而其法實可取矣、

〔日本書紀〕

〈二十四皇極〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0077 二年五月乙丑、月有蝕之、

〔三代實録〕

〈二十二清和〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0077 貞觀十四年七月十五日癸未、酉初月有蝕之、至戌復本、輪下片黒如聚雲

〔扶桑略記〕

〈二十三醍醐〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0077 延喜九年正月十四日癸未、月蝕、其所殘僅如小星、例月蝕雖既、其輪猶存、今夜無具輪、此頗異常、春夏之間、疾疫盛發、

〔本朝世紀〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0077 天慶元年十二月十五日戊子、今夜亥刻月蝕也、先是、權暦博士外從五位下葛木宿禰茂經進勘文云、今年十二月十五日戊子、夜、月可五分之四、〈半強〉虧初亥一分、蝕甚亥一刻三分、復末亥二刻四分、蝕所起月在陽暦、初起東北、甚於正北於西北、但十五分之四者、僅及三分之一、其蝕甚少、所謂天道雖玄遠、而經術之妙、不毫釐者也云々、爰時之好事者、依件勘文、通夜効驗之、毫釐無差、悉叶勘文、當時以件茂經宿禰賢有識之者

〔日本紀略〕

〈二朱雀〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0077 天慶八年二月十五日壬午、月蝕、驗天不食、

〔日本紀略〕

〈六圓融〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0077 天延三年十二月十六日癸丑、夜、月蝕皆既、終夜不見、

〔左經記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0077 萬壽三年四月十五日辛酉、月蝕、〈三分之一〉 廿七日癸酉、自今日仁海僧都、於宮御在所、被御修法、依去十五日夜月蝕可愼御座之由勘申也、又令吉平奉仕月曜御祭

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0078 長元四年七月十七日壬戌、中納言相共昇殿、關白太閤〈◯藤原頼通〉於殿上待、數刻言談之間、暦博士道平參入之由、頭辨申、太閤仰云、奏事由、去十五日月蝕、仰勘申者之由、可祿者、辨奏事之由於腋陣下祿、〈召内藏寮黄衾〉拜舞退出、 七年十月十五日辛未、及亥三刻月蝕、如暦道申者、酉刻蝕云々、而及亥了、是暦術盡歟云々、

〔扶桑略記〕

〈二十九後冷泉〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0078 永承四年七月十五日、暦道注月蝕、而不蝕、

〔水左記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0078 承暦五年〈◯永保元年〉十月十六日己巳、道言云、今日有月蝕、〈皆既〉虧初午二刻、加時未三刻、復末申四刻、件蝕、依盡刻、不奏御暦、而先例臨復末之終、帶蝕(○○)自正見者也、仍去八日奏聞子細了者、刻限正見云々、

〔扶桑略記〕

〈三十白河〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0078 應徳二年八月十五日丙子、亥時月蝕皆既、月色似紅、无光天暗、

〔殿暦〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0078 康和五年八月十四日辛酉、辰刻許退出、余〈◯藤原忠實〉當蝕、仍以六口僧、〈尊勝念珠〉又以六口僧、轉讀大品經、今夜不蝕云々、不審無極、可諸道物〈◯物上恐脱勘字〉歟、

〔爲房卿記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0078 康和六年二月十五日己未、今夜有月蝕、虧初亥刻、十五分之六分者、道家申状曾無相違云云、

〔中右記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0078 嘉承二年十一月十六日、今夜可月蝕之由、暦道所奏也、仍院有大般若御讀經、〈僧卅口〉是依御愼也、而天陰雨下、不正見、誠佛法之靈驗也、

〔長秋記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0078 天永四年〈◯永久元年〉二月十五日、今日月蝕也、供膳之間、人々依廢務、不警蹕、予稱〈◯稱一本作憚、憚恐彈、〉之、其故者大陽虧、有司不事者、謂大陽圓者不同故也、人々皆同之、

〔中右記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0078 永久二年正月十四日、今夜依皆既月蝕、〈◯中略〉入夜雨止、月蝕頗雖見、雲葉迹掩、強不正現也、臨亥刻天已晴、定知皆既蝕、上皇〈◯白河〉今年御年六十二、御當年星也、而雲膚重掩、月蝕不見、兼御祈之所致歟、

〔百練抄〕

〈五鳥羽〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0079 永久三年二〈◯二、一本作正、〉月十四日、寅刻月蝕正現、宿曜與暦道申相違、上皇〈◯白河〉又有勅難

〔時信記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0079 天承元年八月十五日、今日有月蝕、其事可寅刻、可明日蝕分歟否之由、有其論歟、但猶爲十五日分、 十六日、今夜可小除目之處、月蝕猶可今日分之由、其疑出來、被先例、隨信俊勘申、然而依院宣延引了、

〔中右記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0079 長承二年七月十五日、今夜月蝕十五分之七〈半弱〉月在危宿、虧初亥三刻〈七十八分〉加時子刻〈十三分〉復末丑初刻〈卅二分〉時刻推移正現、但前蝕是五分也、先例式増減之由、家榮朝臣所申也、月蝕御祈、内仁王講御讀經十二口、

〔台記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0079 久壽元年十一月十五日甲子、依月食愼、鷄鳴出洛、申刻歸家、

〔百練抄〕

〈七二條〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0079 長寛二年五月十五日、〈寅刻〉月蝕、暦道宿曜道相論、〈暦道云、明曉寅刻殘、宿曜道云、十六日望月蝕、十七日曉云々、〉

〔兵範記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0079 仁安四年二月十四日辛丑、晩頭參内、有月蝕御祈等、〈◯中略〉勘文云、今月十五日望朝月蝕事、大陰蝕分十五分之八分 蝕初寅二刻〈九分〉加時寅七刻、復末卯三刻、十五日壬寅、望月蝕復末了、御祈結願之後退出、

〔百練抄〕

〈十二順徳〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0079 建暦元年四月十六日、月蝕皆虧、

〔吾妻鏡〕

〈十八〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0079 建仁四年〈◯元久元年〉九月十五日甲戌、將軍家〈◯源實朝〉其夜白地入御相州御亭、即欲還御處、亭主奉抑留給、今夜依月蝕、不意亦御逗留、亭主殊入興給、建永二年〈◯承元元年〉七月十四日戊子、月蝕〈十分〉正見、

〔吾妻鏡〕

〈二十二〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0079 建保二年八月十五日丁未、子刻月蝕、今日鶴岡放生會也、蝕之間、拂曉將軍家〈◯源實朝〉御出、經會舞樂、早速被遂行也、

〔百練抄〕

〈十三後堀河〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0079 嘉祿二年七月十五日、今夜月蝕皆虧、如法如暗夜

〔吾妻鏡脱漏〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0079 嘉祿二年七月十五日戊辰、月蝕正見皆虧云云、

〔吾妻鏡〕

〈三十一〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0080 嘉禎三年十二月十五日壬辰、陰雨下、今夜月蝕不現、此蝕不現之由、天文道日來申入之云云、

〔吾妻鏡〕

〈三十三〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0080 暦仁二年〈◯延應元年〉四月十五日甲寅、月蝕不正現、御祈助僧正嚴海、宿曜道助法印珍譽也、蝕現否有相論、一方聊虧之由、有之人、又全無虧、他州蝕盡之旨有其説云云、

〔吾妻鏡〕

〈三十五〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0080 寛元二年正月四日乙巳、及子刻將軍家〈◯藤原頼經〉内々以御使、被大納言法印隆辨云、今年御本命宿月曜也、而來十六日月蝕、殊可御愼之由、天文宿曜兩道所勘申也、今度不出現之様可祈請者、隆辨一旦雖子細、重被仰之間領状云云、 十六日丁巳、自朝至戌刻更無一雲、臨月蝕之期、自未申方片雲漸聳、忽覆普天細雨頻降、復末以後、朗月早現、丑刻將軍家以御自筆御賀札、被御馬〈號直山、名馬也、置鞍、〉御剱〈皆白〉等於隆辨之壇所、肥後三郞左衞門尉爲重〈父前大宰少貳爲佐、當時爲内御厩別當、〉爲御使、彼法印自去八日、參籠明王院北斗堂祈請、

〔吾妻鏡〕

〈三十六〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0080 寛元二年六月十五日甲申、月蝕正現皆虧也、

〔吾妻鏡〕

〈三十七〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0080 寛元四年五月十六日癸酉、月蝕不現、剩圓滿明、但夜半以後陰雲云云、

〔葉黄記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0080 寛元五年〈◯寶治元年〉五月十三日乙丑、參院、月蝕事有相論、先暦道之中猶不同、在尚在直申十六日之由、在清、在盛申十五日之由、爲成俊奉行此輩、予〈◯藤原定嗣〉可尋決之由有仰、出北面之、在清十六日寅刻之由、以術道之意之、在尚十七日寅刻之由、且就先例之、在尚申状頗無據歟、算道申十六日之由、宿曜道又不同云々、 十六日戊辰、參院、此曉雖天陰、寅刻自雲間月蝕顯云々、司天維範朝臣忠俊申此由、自餘申見之由、然而須http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019824.gif 顯現歟、頻申勸賞

〔吾妻鏡〕

〈五十一〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0080 弘長三年正月十五日丙申、丑刻月蝕正見、八分、御祈加賀法印定清、

〔園太暦〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0080 康永四年〈◯貞和元年〉八月十六日、抑今日駒牽、當月蝕何様哉、不審之旨相尋候處、師利師茂等、雖先例別不憚也、

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0081   駒牽當月蝕
天承元年八月十六日、駒牽也、今夜月蝕、久安六年八月十六日、今夜月蝕、先御讀經、次内印、又有駒牽事、仁安三年八月十六日、有駒牽、上卿以下參入、今夜可月蝕之由、暦道申之、而不正現

〔義演准后日記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0081 慶長十四年十二月十五日、晴、月蝕皆氣、當時御祈ノ沙汰無之、

〔新蘆面命〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0081 貞享二年乙丑五月甲戌望、丑ノ初刻ニ虧初ム、コレ改暦ヨリ初テノ食也、此時水戸殿ノ天文者、川勝六右衞門ト云者、難ジテ曰、此食授時暦ニ初虧子ノ四刻ナリ、然ルニ新暦ニハ丑ノ一刻初虧ト付タリ、扨々オカシキ事カナ、我等算哲ニ問候ヘバ、里差ヲ加ヘ申候ハヾ、此後十一月十五日ノ食、授時ト刻限合候ハイカヾ、〈十一月望ノ食、授時ノ刻ト貞享ト同ジ、故ニシカイヘリ、〉其實ハ、算哲事、授時カラガ得トユカヌト見エ候ナド、甚惡口申候、其夜中山大納言篤親卿ノ所ニテ、祈禱有之、出雲路玄仙ト彼川勝其外大勢參リ候、川勝衆中ニ向ヒテ申候ハ、今夜ノ食ニテ、新暦ノ合候哉御覽候ヘ、授時ノ食ハ子刻也ト申ス、サテ九ツノ鐘打候ヘバ、イヅレモ庭上ヘ御出ナサレ候ヘトテ、出デゝ窺ヒ見候ヘドモ不食、九ツ半マデハ子ノ刻ナレバ、御覽候ヘト申候ヘドモ、中々不食候故、アマリニ笑止ニナリテ、一人ハヅシ、二人ハヅシニゲ申候、其後漸々八ツ打申候時初虧申候、コレヲ無念ニ存ジ、六右衞門ハ其後老病ト號シ、暦算ヲ止メ申候、

〔仙臺實測志〕

〈上〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0081 享保十八年癸丑四月十五日、夜七時、測月、赤南二十二度一十二分、至翌晨而月食不見、日出而測日、亦赤道以北在二十二度一十二分、蓋他邦之食、享保二十年乙卯三月十五日、清明之日、夜月食六分半、昏前與青木長由先生于伊勢山、而欲月出、然東海上有横雲、不之、月昇及六七尺、圓月始見、而昇至於丈餘初虧、此時大星既見西方、未昏黒也、先生曰、知帶食(○○)、當家、於是〈不肖〉亦歸觀渾儀、食

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0082 甚、乃西方暗黒之後、此時狼星在牛西三十七度一十分、月在狼東九十七度八十八分、月赤道以南八度零九分、晝測太陽、赤北六度六十六分、自甚至復、七刻四十九分、是則定用分也、右定用之數、不初甚之間、則未必實測也、先生〈◯青木長由〉固有於改暦、故與不肖數往于野于山、或正數、或改術、至于死其書、以傳之〈不肖〉於呼先生、實守敬之徒也、元文五年庚申六月十六日、昏前月帶食(○○○)、陰雲不見、海上高丈餘月見、此時乾方漸暗、蓋此食在黄昏之間乎、明和二年七月十四日、夜月蝕皆既、〈◯中略〉略術曰、列既内分、以既外分之、得六分七六、加之十分食分、乃此術月行地影正中則可也、故爲略術也、寛保三年癸亥四月十五日月食、亦十七分九也、授時暦等之月食、定於十五分者甚誤也、

〔大江俊冬記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0082 明和九年〈◯安永元年〉三月十五日戌、今晩亥八刻月蝕皆既也、依之申半刻蝕構參内、議奏葉室前大納言頼要卿〈江〉申入置、酉半刻比被招、直議奏同道ニ而常御殿へ參、南東如例、筵道ヲ立合ニ掛候事、竹針ニ而打付也、都合筵道十七枚相濟直退出、于時戌刻、〈尤退出直被申渡也〉仙洞御所蝕構、常芳參仕之由承也、

〔大江俊矩記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0082 文化元年十二月十四日己巳、明十五夜就月蝕、御殿裹刻限等、謁議奏卿相伺處、當番山科右衞門督承知、後刻被招被申渡曰、明夜月蝕御殿裹之事、刻限可申刻仰出候間、未半刻可參勤候、且又當夏六月十六日月蝕之節、御殿裹刻限子刻と被仰出候處、差次藏人遲參、自御内儀度度催促有之、不都合之趣ニ有之氣毒候、明日之處無遲參様、未半刻ニ急度可參勤候、其上差次藏人隨分心得之人體ニ有之處、其節者少々様子も有之候趣ニ候、勿論尋常之御座咫尺之處ニ候得者、其心得可有之儀也、同列中皆々覺悟之人、別而差次ニ者心得之人體ニ候處、如何之事哉、其夜者少々様子も有之様ニ相聞氣毒候以來以其心得隨分可靜謐、尤本人〈江〉可申程之儀ニ而者無

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0083 之故、其許之心得ニ申置之間、尚又被申合心得旨被示也、委細畏入申http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019373.gif 之旨退來、差次藏人源藏人兩人へ右之趣申傳了、〈新藏人ニ者、後日可申傳覺悟也、〉一退出掛戌刻過參洞、謁當番評定唐橋式部大輔、明夜月蝕御殿裹刻限等相伺旨申入處、〈是非依一臈相伺院司相伺也〉同卿承知、即禁中刻限被尋、申刻之旨申入、同承知也、後刻被招被申渡曰、明夜月蝕御殿裹刻限、禁中御同様申刻被仰出候趣、禁中此御所參勤同人ニ候者、先禁中相濟、其後參院不苦御沙汰之旨被示、答申曰、畏入了、併禁中差次藏人、此御所〈俊矩〉參仕覺悟之間、御刻限參仕可申旨申入、即退出了、〈此事亦御内儀ヘ被申入候様子也、恐入候儀也、〉一明夕參勤之事、今日於宮中陳兩侍中、仍更不廻文、未半刻助功參内、撤却者常顯參勤之筈也、洞中ニ者予參勤覺悟、一掃部頭出納等催事在要用十五日庚午、月蝕也、〈暦面云、皆既申八刻乍皆既出、酉二刻甚、戌一刻上之右終、〉御殿裹未半刻助功參内、出納所衆掃部寮等如例出仕、秉燭前事訖、助功退出、清涼殿筵道撤却、戌刻過常顯參勤也、四年十月十五日癸未、就明夕月蝕、午後參内謁議奏卿、明日月蝕御殿裹之事、刻限等相伺旨申入、當番中山前新大納言承知、後刻被招、明日月蝕御殿裹、申半刻可參勤旨被申渡之退出、次參院謁、評定卿明晩月蝕御殿裹刻限相伺旨申入、當番押小路前宰相承知、禁中刻限被尋、申半刻旨申入、又禁中洞中參勤人體被尋、仍雖相催、禁中新藏人、洞中差次可參、何分兩御所同人ニ而者無之旨申入處承知、後刻被招、明晩月蝕禁中御同様可申半刻仰出旨被申渡也、承之即時退出申半刻過也、 十六日甲申、月蝕也、御殿裹、申半刻俊常參内、但撤却ニは常顯參勤也、洞中御殿裹同刻、助功參院也、

〔筆のすさび〕

〈一〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0083 一月蝕 文化壬申〈◯九年〉七月、既望の月蝕は、鏡に匣の蓋を覆ふごとく、東よりかヽ

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0084 り、皆既におよびて、紫色に見えたり、余〈◯菅茶山〉姪萬年〈名は公壽、字は萬年、俗稱は長作、〉こヽろをつけて見しに、月中に一帶の黒氣起りて、また暗くなり、復する時、又黒氣見えしが、これはそのまヽ剥(おち)たり、其黒氣は月中のみにて、外には見えずといふ、乙亥〈◯十二年〉十一月の月蝕皆既の時は、西南よりかヽりて、はじめは盤の中に、墨汁をこぼし入れたるごとく、たヾ黒くして、そことも見えわかず、傍なる星は爛爛たり、

〔狗猧集〕

〈五秋〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0084 十五夜月蝕に
まん丸な月かきもちの夜食哉   慶友〈◯中略〉
十三夜月蝕に
しよくするや栗名月の虫くらひ   貞徳

〔日本後紀〕

〈十三桓武〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0084 大同元年三月乙酉、〈◯二十一日〉是夜月蝕之、 丙戌、〈◯二十二日〉是夜月蝕之、

〔日本紀略〕

〈一醍醐〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0084 昌泰二年二月九日癸酉、月蝕、在張既焉、

〔扶桑略記〕

〈二十三裏書醍醐〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0084 昌泰四年〈◯延喜元年〉正月十五日戊戌、月食、 十六日己亥、有月食

〔顯廣王記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0084 安元三年三月廿五日乙丑、月有皆虧蝕、其色如墨暗、古今希代天變云々、


Last-modified: 2019-03-15 (金) 09:49:00 (386d)