https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0330 霽ハ、ハレト云フ、開晴ノ義ニシテ、即チ雨止ミ雲歛リテ、日月其光ヲ放ツヲ謂フナリ、又天氣ト云ヒ、日和ト云フハ、原ト晴雨ニ通ズル語ナレドモ、後ニハ專ラ晴ニノミ言フコトアリ、曇ハ、クモルト云フ、雲起リテ日月ヲ覆ヒ、天將ニ雨フラントスルヲ謂フナリ、

名稱

〔新撰字鏡〕

〈雨〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0330 霽〈子計子詣二反、雨止也、日波禮奴、〉

〔類聚名義抄〕

〈二日〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0330 暒晴〈音情 ハルハレタリ〉

〔同〕

〈七雨〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0330 霽〈子計反 暗ノハレタリハレ ハル〉

〔書言字考節用集〕

〈一乾坤〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0330 晴(ハルヽ)〈文選註、氣止雲歛曰晴、〉 霽(同)〈説文、雨止曰霽、〉

〔倭訓栞〕

〈前編二十四波〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0330 はるヽ 晴をいふ、開晴の義也、

〔運歩色葉集〕

〈天〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0330 天氣(○○)

〔書言字考節用集〕

〈一乾坤〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0330 天氣(テンキ)

〔倭訓栞〕

〈中編十五底〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0331 てんき 平生の口語にいふは、天氣にて字の如し、

〔倭訓栞〕

〈前編十七底〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0331 てけ 土佐日記に見ゆ、天氣の急語なり、

〔土佐日記〕

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0331 九日〈◯承平六年正月、中略〉夜更てにしひんがしも見えずして、てけ(○○)のこと、楫取の心にまかせつ、〈◯中略〉廿六日、〈◯中略〉ていけ(○○○)のことにつけて祈る、

〔倭訓栞〕

〈前編二十五比〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0331 ひより(○○○) 霽をいふ、日依の義、日方といふが如し、諺に天一太郞といふは、天一天上の朔日、八專次郞は八專の二日め、土用三郞は土用の三日め、寒四郞は寒に入四日め也、此日雨ふり出せば、天氣あしヽといへり、

〔物類稱呼〕

〈五言語〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0331 雨降らんとして日和になりたるを、畿内近國にても、日なをる(○○○○)といふ、東國にて俄ひより(○○○○)と云、日和の定らぬを、尾張にて一兩日和(○○○○)と云、筑紫にて一石日和(○○○○)と云、今按に、尾州にて鈍々したる日和と云を、金子の貳歩々々にとりなして一兩の天氣と云、又一こく日和といふは、雨ふらんや、ふるまいやといふを、筑紫にて降うごと、ふるまいごとヽ云、

〔常山紀談〕

〈九〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0331 同時〈◯小田原役〉九鬼大隅守嘉隆、日本丸といふ大船を乘廻し、南の海上を取卷けり、此所はあら海にて、東風吹時は、波浪山嶽を倒しかくるが如し、船をかけ並る事、思ひもよらぬ所なるに、秀吉城をかこまれし間、五十餘日風靜に波隱かなり、是よりして小田原海邊風なき日を上様日和(ウヘサマビヨリ/○○○○)といひならはしけり、

〔秋里隨筆〕

〈上〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0331 須摩龜井日和
敦盛の古墳を拜しありけるうち、早卒として天のけしき損、暴風雨をまじへ、且々(しば〳〵)しづかならず、聊茶店の軒に舍をもとめ、とても此けしきにては、ゆくこと能ふまじと、蓑の紐ときけるに、亭主の曰、旅客さはおどろき玉ふことなかれ、これは龜井日和(○○○○)なりといふ、〈◯中略〉亭主答へて物語りけるに、家目井(かめい)何某と申けるは、先祖九郞よしつね公に隨ひ、平家を誅せし、龜井六郞重治が末なる

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0332 よし、これによつて龜井侯御通行の時は、かならず日和崩れて、風雨をさそひ、しづかならず、侯過行たまへば、たちまち快晴することなり、故に雨風をまじへ降とも、山はれ沖くもりなき時は、龜井日和といひならはせるよし、

照々法師

〔嬉遊笑覽〕

〈八方術〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0332 照々ほうし、不角が點の句に、てる〳〵法師月に目が明、〈願のかなひぬれば、墨にて目晴を書なり、〉紀逸が點の句に、八せんにてる〳〵法師はがきかず、漢土には是を掃晴娘といふ、蜻蛉日記、今日かヽる雨にもさはらで、をなじ所なる人、ものへまうでつ、さはることもなきにとおもひ出たれば、或もの女神にはきぬ縫てたてまつるこそよかンなれ、さしたまへと、よりきてさヽめけば、いで心みんとて、縑のひヽな衣みつぬひたり、したかひどもにかうぞ書たりける、いかなる心ばへにかありけん、神ぞしりてんかし、しろたへの衣は神にゆづりてんへだてぬ中にかへしなすべく云云、此作者兼家公の妻、道綱卿の母公の寵衰へたるによりて、これらの歌あり、此ひヽな衣、雨を祈ることとも聞えず、雨ふる日なれば、似たることのやうなり、

晴雨計

〔武江年表〕

〈八〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0332 此年間〈◯文政〉記事 晴雨計といへる小き木偶を商ふ、手はかるかやのぢくを以製す、雨降時は自然に持たる傘をさす、

〔新撰字鏡〕

〈日〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0332 曀㙪〈同、於計邑計二反、去、陰而風曰曀、翳也、言奄翳日光使明也、日无光也、太奈久毛禮利、又久留、又久毛利天風吹、〉 曇〈太含反、久毛禮利、〉

〔類聚名義抄〕

〈二日〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0332 曇〈徒甘反、クモル、〉

〔同〕

〈六阜〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0332 陰〈音々、イン、オム、クモル、〉

〔書言字考節用集〕

〈一乾坤〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0332 曇(クモル)〈韵會、雲布(シク)謂之曇、〉 霒(同)〈韵瑞、雲覆日也、通作陰、〉 https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001e511.gif (同)〈文選註、陰貌、〉 曀(同)〈毛萇云、陰而風曰曀、〉 陰霽(クモリハルヽ)

〔日本釋名〕

〈一天象〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0332 曇(クモル) こもる也、月日の雲中にこもる也、ことくと通ず、一説くもるは雲より出たることば、るはことばのたすけ字也、

〔倭訓栞〕

〈前編八久〉

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0332 くもる 靈異記に靉をよみ、常に曇をよめり、雲を用にいふ也、萬葉集には雲入と

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0333 も書り、


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Last-modified: 2022-06-29 (水) 20:06:10