p.0773 皇太后等院號ヲ奉リシ後ハ女院ト稱シ、之ヲ尊ブコト、太上天皇ニ準ズルヲ以テ、其他所ニ臨御スルヲ御幸ト稱ス、其儀式詳ナラズト雖モ、長元二年、上東門院、里第ニ御幸ノ時、檳榔毛車ニ御シ、公卿前後ニ供奉セシヲ見レバ、儀衞ノ盛ナルコト、其一斑ヲ知ル可シ、院號ノ後、始テ他ニ行キ、又歳首他ニ行クヲ、御幸始ト稱ス、遊覽方違等モ、上皇御幸ニ準ジテ知ル可シ、神佛御幸ヲ省キシ事モ、前ニ同ジ、
〔兵範記〕
p.0773 嘉應元年六月五日庚寅、建春門院、〈◯後白河后滋子〉院號之後(○○○○)、初可(○○)レ有(○)二入内御幸(○○○○)一、
〔玉海〕
p.0773 建久二年七月十三日己未、此夕宜陽門院、〈◯後白河皇女覲子〉初度御幸(○○○○)、自二六條殿一、〈日來與二法皇一（後白河）同居、自二院號之日一、所二御坐一也、〉渡二正親町亭一給也、公卿右大將以下廿人云々、唐車出車五兩、〈毛車女房二人乘レ之云々〉
〔仲資王記〕
p.0773 承元元年六月廿二日丙寅、修明門院〈◯重子〉御幸始(○○○)也、七條院御所、三條烏丸殿也、自二高陽院一、西面、自二大炊御門大宮一至二三條一、殆及二子刻一歟、
〔女院小傳〕
p.0773 北白河院、〈藤陳子〉後高倉妃、〈◯中略〉貞應元、七、十一、院號、〈御出家以後也〉同廿一、殿上始(○○○)、御幸始(○○○)、
〔増鏡〕
〈五内野の雪〉
p.0773 寳治も三年になりぬ、春たち歸るあしたの空の光は、思ひなしさへいみじきを、〈◯中略〉四日は、〈◯中略〉大宮院(○○○)〈◯後嵯峨后姞子〉内へ御幸はじめ(○○○○○○○)、これもかむたちめ、殿上人、有つるかぎり殘なし、あじろびさしにたてまつる、皇后宮〈◯土御門皇女曦子〉の御かたのひがしむきへ御車よせて、みや御たいめむいとめでたし、うへ〈◯後深草〉はまだいといはけなき御ほどにて、かくいつくしき萬乘のあるじにそなはり給へる御ありさまを、女院もいとやんごとなく、かたじけなしと見たてまつり給、
〔宣順卿記〕
p.0773 慶安四年三月八日、今朝本院、〈◯後水尾〉女院、〈◯東福門院和子〉御二幸長谷一、 十日、本院女院還幸、〈長谷ヨリ〉
◯按ズルニ、續史愚抄慶安四年三月八日乙酉、本院、女院、幸二長谷殿一、〈在二岩倉一、女院御領、爲二顯子内親王御所一云、〉トアルニ
p.0774 據レバ、皇女顯子内親王ノ長谷御所ニ御幸アリシナリ、
〔明月記〕
p.0774 建長元年十月十五日、入レ夜著二布衣一、七條院〈三條殿◯高倉妃殖子〉亥時許御幸、〈◯中略〉殿上人列二立南方一、〈西立〉公卿立二中門内一、御車入御之間、殿上人又入二中門内一、催二布衣一也、多束帶雖三弘被レ催二色目一、無二出仕之人一、公卿只御傍親許、前大納言、中納言定輔、右兵衞督、殿上人高通、信雅〈付二御車一〉定、頼房以下十餘人、盛經白重出車、公氏、國通、公雅朝臣、女房司同色衣、兩中將牛打無極、入御了退出、 十六日、昨日御二幸神泉一、於二中御門堀川一、侍從家俊參會、乘二八葉車一、乍レ縱レ牛不レ下、 著二櫨狩衣一、透二日影一在二車中一備二叡覽一、即進二參神泉一、人々問之、依二路濕一不レ下由陳之、尾籠不レ宜レ言由、上下謳歌、
〔百練抄〕
〈十四四條〉
p.0774 仁治元年五月十八日辛巳、安嘉、〈◯後堀河准母邦子〉式乾〈◯四條准母利子〉兩女院、御(○)二幸(○)有馬温泉(○○○○)一云々、
〔増鏡〕
〈七北野の雪〉
p.0774 その同じころ、〈◯按ズルニ、文永四年十月ナリ、〉安嘉門院〈◯邦子〉丹後のあまの橋立、御らんじにとておはします、これより但馬のきのさきのいでゆめしにくだらせ給ふ、爲家の大納言、光成の三位など、御供つかうまつる、
〔左經記〕
p.0774 長元元年五月十四日戊申、早旦參二關白殿一、〈◯藤原頼通〉今夜爲二方違一、女院〈◯一條后上東門院彰子〉可二令レ渡給一者、仍寢殿御裝束、其儀、御障子等如レ例、〈◯中略〉戌刻令レ渡給、檳榔毛御車、下簾青未濃、簾縁青絹、是關白殿御車也、上達部前駈、重服上達部乘車候二御後一、 十五日己酉、及二亥刻一、院乘二檳榔毛一、經二上東玄龜等門一、御車寄弘徽殿西屋垣下御、則遷二御上御閨一、
〔兵範記〕
p.0774 保延五年十月四日辛亥、今夕高陽院〈◯鳥羽后泰子〉可レ臨二幸鳥羽殿一者、〈◯中略〉戌刻著二御鳥羽一、
〔百練抄〕
〈七近衞〉
p.0774 久安元年正月十日、一院〈◯鳥羽〉高陽院〈◯鳥羽后泰子〉幸二宇治一、
〔明月記〕
p.0774 建永二年〈◯承元元年〉八月九日、昏參二宜秋門院一、〈布衣◯後鳥羽后任子〉今夜可レ渡二御京極殿一、此殿日來自レ院有二修理一、二品參儲、御幸之儀、八葉御車、侍御共、出車三輛、女房衣白綾單衣、重生袴、裳如レ恒、
〔玉蘂〕
p.0774 承元五年〈◯建暦元年〉三月二日甲寅、長俊朝臣語云、殷富門院〈◯後白河女亮子〉依二准母〈◯後鳥羽〉儀一、五日可レ有二御
p.0775 入内一、被レ仰二奉行之由一、 廿二日甲子、長俊朝臣語云、〈◯中略〉明日御幸、爲二内御物忌一、後日可レ然之由、自二關白御許一、以二頭中將一被レ申也、仍以二此旨一、被レ申二廣瀬殿一了、然間自二内裏一被レ申云、雖二御物忌一坎日也、非二重愼一、猶必明日可二入内一也者、仍猶可レ有レ之内々有二沙汰一云々、此仰尤可レ謂二聖主一者歟、此物忌大神宮犬死穢、于レ實非二殊御愼一歟、 廿三日乙丑、今夜殷富門院初入内給、依レ擬二母儀一也、〈◯中略〉今日内御物忌也、
〔明月記〕
p.0775 寛喜二年八月廿一日庚辰、今夜北白河殿造營之後、御渡御幸〈◯後高倉妃陳子〉云々、公卿衣冠之由被レ催云々、
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