柿/名稱

〔本草和名〕

〈十七菓〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0609 柿、〈仁諝音仕〉鳥柿、鹿心柿、〈尤不食〉椑〈楊玄操音卑、色青、已上三名出陶景注、〉火柿〈http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/i000000000076.gif 毒〉軟熟柿〈解酒毒、出蘇敬注、〉http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019ace.gif 子〈音而兗反、出崔禹、〉柿一名錦葉、一名蜜丸、一名朱實〈以上三名出http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/7f00006520e3.gif 名苑〉和名加岐(○○)、

〔倭名類聚抄〕

〈十七菓〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0609 柹 説文云、柹〈音市、和名賀岐、〉赤實菓也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈九果蓏〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0609 段玉裁曰、言果又言實者、實謂其中也赤中與外同色惟柹、李時珍曰、柹高樹大葉、圓而光澤、四月開小花黄白色結實青緑色、八九月乃熟、

〔日本釋名〕

〈下木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0609 柿 あかき也、其實も葉もあかき故也、

〔倭訓栞〕

〈前編六加〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0609 かき〈◯中略〉 柹は實の赤きより名を得たるにや、葉も又紅葉す、伊勢家集に、柹の紅葉に歌をなん書たりけるといへり、爾雅翼に、柹落葉肥大可以臨書とみえたり、花鏡に此を自然箋といへり、

〔夫木和歌抄〕

〈二十九柿〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0609 柿 民部卿爲家 秋くれば山の木のはのいかならんそのふのかきはもみぢしにけり

〔古今要覽稿〕

〈草木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0609 柹 柹のもみぢは伊勢家集にみえしぞはじめなるべき、西土にても柹の霜葉を愛せるよし、酉陽雜俎花鏡等に霜葉可玩と、これ七絶の一なり、柹は實の赤きより名を得たるにや、葉も又紅葉す、〈和訓〉 〈栞〉柹は種類甚多し、その實の形方あり、圓あり、長あり、扁あり、大あり、小あり皆形により名を異にす、又産するところの地名を以よび、或は人名を以名づけしものあり、その葉霜後鮮紅愛すべし、是も若木は能そむるものなれども、實を多く結びしは、紅葉はえなく、實のらざる年はよく鮮紅なるものなり、

柿種類

〔和漢三才圖會〕

〈八十七山果〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0610 柹(かき)〈音士〉 〈胡國名鎭頭迦〉 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001d0f2.gif 〈本字〉 柿〈俗字〉 柿音肺、削木片、 和名加岐〈◯中略〉 按〈◯中略〉凡柹品類甚多、和州五所之産最勝、今畿内皆移種之、體圓扁微帶方、微尖、肉紅色、味甘潤脆、其蒂處縮陷、形異於諸柹、其http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019a0e.gif 小肥團尖、俗呼名五所柹(○○○)、〈或名大和柹又云木煉柹〉事類合璧所謂、八稜稍扁柹此類乎、畿内之外種之接之、皆不佳、試移種於薩州、甚澀不食、但甲州之産亞于和州耳、 似柹(○○)〈爾太利〉 似五所而肥滿不扁者、味大劣、 伽羅柹(○○○) 一名透徹、柿形長圓微尖、肉中如沈香木理、而味脆美、亞五所柹而上品、 圓座柹(○○○) 形大肥圓、附蔕處肉起作http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001a620.gif 者所謂著蓋(チヨカフ)柹乎、 筆柹(○○) 形小而長、本草所謂鹿心柹〈和名夜末加岐〉是乎、 樹練柹(○○○) 形如鳥卵者、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/0000000196b0.gif 津丹波多出之、所謂雞子柹乎、 田倉柹(○○○) 形圓大於諸柹、而味澀、以爲http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000016e4e.gif、所謂塔柹乎、〈◯中略〉 椑柹(○○) 漆柹 花椑 烏椑 青椑 緑柹 赤棠椑 〈俗云之布加木、此木老者心黒堅、俗名黒柹、〉 本綱、椑柹乃柹之小而卑者、大如杏、他柹至熟則黄赤、惟此柹雖熟、亦青黒色、擣碎浸汁、謂之柹漆、可以染罾扇諸物、不蟹同食、 按、柹漆(シブ)〈俗云之布〉造法、椑柹一斗去蒂、和水二升五合、碓擣盛桶經宿搾之、渣亦和水經二日再榨之、其用甚多、染紙爲衣爲行李裏、染布爲酒搾帒(サカフクロ)、或和墨塗筧、皆爲水不朽、或漆塗之、下先用柹漆、凡柹漆夏月焦枯難貯、茄子〈切片〉可投入、又流柹漆於川上、則鰷鯽大酔浮出、 君遷子(○○○) 〈http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019ace.gif 棗、中奶柹、藍棗、丁香柹、 紅http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019a3e.gif 棗、 俗云蒲萄柹、 又云猿柹〉 本綱、君遷子、其木高丈餘、類柹而葉長、結實小而長状如牛奶、熟則紫黒色、中有汁、味甘濇 一種小圓如指頂、大者名丁香柹、味尤美、 按、君遷子、俗云蒲萄柹也其實附生葉背朶、梗而状似柹有蒂、大如蒲萄、味澀經霜、熟紫黒色稍甘、

〔重修本草綱目啓蒙〕

〈二十一山果〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0611 柹 カキ〈和名抄〉 一名赤實果〈典籍便覽〉 凌霜長者〈在田録〉 凌霜侯〈同上〉 珍椑〈事物異名〉 火柹 團花〈共ニ同上〉 金虬卵〈蔬菓爭奇〉 赬虬卵〈名物法言〉 七奇果〈同上〉 金液漿〈事物紺珠〉 火傘〈同上〉 軟柹〈尺http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/7f00006520ec.gif 雙魚〉 品類多シ、和産二百餘種アリ(○○○○○○○○)、集解ニ載スル所ハ少シ、蘇頌ノ説ノ紅柹ハゴシヨガキ(○○○○○)、一名コ子リガキ(○○○○○)、大和ガキ(○○○○)、元來和州五所ト云地ヨリ出ル者名産ナリ、故ニ五所ガキ(○○○○)トモ大和ガキトモ云フ、今ハ地名ヲ改テ五瀬ト云、其柹形扁ク大ニシテ、四ツニ筋アリテ四角ニ見ユ、蒂モ四角ナリ、故ニ一名方柹、〈事物紺珠〉方蒂柹〈汝南圃史〉ト云、此柹http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019a0e.gif 少シ、上品トス、黄柹ハオムロガキ(○○○○○)、一名スキトヲリ(○○○○○)、〈大坂〉大サ二寸許ニシテ、竪ニ微シ長ク、熟スレバ皮黄色ニシテ白粉アリ、京師御室ノ地ニ多シ、故ニ名ク、朱柹ハチヨボガキ(○○○○○)、一名チヨボイ(○○○○)、チヨツボリ(○○○○○)、形小ク一寸許ニシテ色赤シ、一名火珠、〈鎭江府志〉椑柹ハキザハシ(○○○○)、軟棗ハシナノガキ(○○○○○)、即君遷子ナリ、其ニ次ニ本條アリ、宗奭ノ説ノ著蓋柹ハヱンザガキ(○○○○○)、一名シウタガキ(○○○○○)、〈越中〉レンゲガキ(○○○○○)、形朱柹ヨリ大ニシテ、蒂ノ處肉周リニ出デヽ、圓座ヲシキタルガ如シ、故ニヱンザガキト云、形ニ圓ナルト微長ナルト二種アリ、圓ナル者ハ初ヨリ甘シ、長キ者ハ初澀ク、熟シテ甘シ、牛心柹ハフデガキ(○○○○)、一名フデゴ子リ(○○○○○)、ヲソゴ子リ(○○○○○)、〈紀州〉長サ二寸半許、濶サ二寸弱ニシテ、頭尖リテ筆頭ニ似タリ、是キザハシノ内ニテ、青キ時ヨリ澀味ナク食フベシ、十月ニ出ヅ、蒸餅柹ハヒラゴ子リ(○○○○○)、是大和ガキノ一種、大ニシテ扁ナル者ナリ、味澀キ者多シ、塔柹ハミノガキ(○○○○)、即漆柹(シブカキ)ノ中、形長大ナル者ニシテ、濃州ノ名産ナリ、皮ヲ去リ乾シテ白柹トナシ、蜂谷(ハチヤ)ガキト 云、蜂谷ハ濃州ノ地名ナリ、此柹尾洲ヨリ獻上アリ、又藝州ヨリモ白柹ヲ出ス、西城(サイジヤウ)ガキト云、西城ハ備後ノ地名ナレドモ、藝州ヨリ獻上アリ、西城ガキノ中、至テ大ナルヲ祇園坊(○○○)ト云、コノ柹ハ又別種ニシテ、彼地ニモ少シト云、他國ニテ祇園坊ト呼ブ者ハ、皆西城ガキナリ、乾柹ノ白粉ヲトリ藥用トス、柹霜ト云、他粉ヲ著テ僞ル者ハ蛀ミ易シ、時珍ノ説ノ烘柹ハ、乾柹ノ青キ者ヲ採リ、皮ヲ去ラズ、稻草(ワラ)ニ包ミ、器ニ入レ置キ熟スルヲ云、故ニツツミガキト呼ブ、又酒樽中ニ入テ熟スルモアリ、故ニタルヌキ〈勢州〉ト呼ブ、又スボガキ、〈豐後〉ツトガキ〈筑前〉ノ名アリ、白柹ハツルシガキ、ツリガキ、枝ガキ、ヲシガキ、即蜂谷ガキ、西城ガキナリ、一名釣柹、〈邵武府志〉椑乾、〈書影〉霜柹、〈行厨集〉烏柹ハフスベガキ、一名アマボシ、漆柹ノ皮ヲ去リ、竈上ニツリ置キ黒ク熟スルヲ云、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000016e4e.gif 柹ハサワシガキ、漆柹ヲ灰汁ニ浸シ、或ハ水ニ浸シ、澀味ヲ去タルヲ云、肉柔ニ爛テ皮http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001a849.gif シ、十月ニ多シ、故ニ京師ニテハ十夜ガキト云、如木鼈子仁ト云ハ、大和ガキノhttp://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019a0e.gif ヲ云、他柹ノhttp://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019a0e.gif ハ長シテ相似ズ、加楪ト云ハ大和ガキヲ云、八稜稍扁ト云ハ八稜柹〈群芳譜〉ナリ、俗名八王子ガキ(○○○○○)、一名八百屋ガキ(○○○○○)、タカノセ(○○○○)、〈播州〉ヤツミゾガキ(○○○○○○)、〈石見〉形大和ガキヨリ小ク色黄ニシテ、竪ニ八稜アリ、鹿心ハ鹿心柹ナリ、俗名イノキモ(○○○○)一名フデガキ(○○○○)、石州人丸ノ社ノ旁ニアリテ名産トス、牛心柹ノ形ニシテ最小ナリ、折二錢ハ二錢ニ代ヘ用ユル錢ナリ、三錢ニ代ユルヲ折三ト云、猴棗ハサルガキ(○○○○)一名ヤマガキ(○○○○)、即漆柹ノ形小ニシテ數多ク蔟リ生ズル者ナリ、故ニセンナリガキ(○○○○○○)トモ云、皮ヲ去テ乾柹トナスヲ、コロガキト呼ブ、城州字治ノ名産ナリ、 柹餻カキヅキ、一名カキイリコ、〈讃州〉カツコ、〈筑前〉漆柹ノ熟シタルヲ用、糯米粉ヲ雜ヘ、搗テ餈(モチ)トスルヲ云、又漆柹ノ未熟ナルニテ製スルハ、蒸シテ搗クト云、

〔雍州府志〕

〈六土産〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0612 柹實 柹有雜品、其内以木練(コ子リ)上、在木則練熟之謂也、多出嵯峨、然不頂妙寺柹(○○○○)、日http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/7f0000651145.gif 宗頂妙寺始在高倉通北、斯土地宜柹、形色風味異于他産、近世頂妙寺雖二條河原、其柹所々 接枝、今不其用、大和國五所之産爲次、俗稱五所柹(○○○)、又有安西柹(○○○)、傳言慈照院義政公在東山東求堂、時安西氏人從之、宅邊有柹、其味甜、到今安西氏裔在淨土寺村、古柹樹猶存矣、今所々接之、又御室柹(○○○)、形肥大而霜後味至甘、〈◯中略〉 筆柹(○○) 柹頭尖立而似筆尖、故稱之、熟則其色紅而其味甘、洛北村婦盛是於平盆、戴頭上、賣市中、此外八王子(○○○)、并佐伊志牟(○○○○)等柹、或以其所産之土地之、又以其形状之者、種類多々不枚擧

〔鹽尻〕

〈四十三〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0613 一洛東淨七本村に〈百万遍の近傍〉安西世繼山本中山の四家、民有にて公課なし、是ハ義政慈照院〈◯足利〉に移り玉ひし時、近仕せし人の裔也とかや、世に云、安西柹(○○○)ハ本安西氏の家に栽し種也と云々、

〔佐渡志〕

〈五物産〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0613 柹 和名カキ 所々多クアリ、品類モ亦甚多シ、ナカンズク栗ノ江(○○○)ト名ヅクルモノ殊ニ多シ、栗野江村ヨリ出レバナリ、汝南圃史ニイハユル方帶柹ナリ、又眞光寺村ヨリ出ルモノヲダラリ(○○○)トナヅク、長サ三寸、ヒロサ二寸バカリ、牛心柹トイフモノナリ、レンケ柹(○○○○)トイフモノ、形大ニシテ蔕ノ周リノ肉高ク出テ、圓座シキタル様ナリ、箸蓋柹トイフモノナルベシ、羽茂郡ニ藤内柹(○○○)アリ、ツリガキ、クシガキトナシテ、奧州松前ニ送リ交易ストイフ、又方言メヽ柹(○○○)トイフアリ、ヤマガキトモイフ、實小クシテ數多ク生(ナル)ナリ、猴棗ヲ云ニヤ、交易スルトキイヤシムナリ、

〔周防産物名寄〕

〈果〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0613 柹 其種ヱボシキ子リ〈トキリトモ〉 平キ子リ〈ナツ柿トモ〉 西條柹 大和ガキ〈御所柿トモ、シヤウタイナシトモ、〉玉子ガキ〈トリノコトモ〉 ブリガキ 八王子 具足トヲシ ギヲン坊 十夜ガキ シブカキ ビンボウガキ〈シナノガキトモ〉 サ子ナシ 西條ガキ

〔重修本草綱目啓蒙〕

〈二十一山果〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0613 椑柹(○○) 一名樹頭紅〈鎭江府志〉 赤棠柹〈群芳譜〉 漆柹一名凍柹〈邵武府志〉青柹、〈農政全書〉油柹、〈般山志〉集解ノ説ハ、キザワシ也、未ダ熟セズ青色ナル時ヨリ澀味ナク食フベキヲ云フ、品類多シ、釋名ノ説ハシブカキナリ、コレヲ漆柹ト云、俗名アヲサ、一名アヲソ、此ニ品類多シ、未ダ熟セザル時、搗テ汁ヲ取ヲ柹漆(シブ)ト云、一名柹油、〈古今秘苑〉柹膠、〈博聞類纂〉

〔雍州府志〕

〈六土産〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0614 澀(シブ)柹 所々有之、然宇治郡山科七郷特多矣、土人初秋柹未熟時採之、盛籠賣京師、買之者去其蔕、舂杵之、以布囊取其油、是謂一番澀、又稱木澀、倭俗毎物第一謂一番、第二謂二番、又不他物、隨其自然之體者總謂木、言木訥質樸之謂而其義亦相當、然後以其所搾之渣滓、盛壺或桶水經二三日、後再杵之、取其油、是謂二番澀、凡柹油之爲用也、染衣服、又塗強紙、張筐筥、倭俗貼紙於諸物、謂張、又以澀糊綴強紙、或方一丈、或二丈、塗柹油於其兩面、日乾又塗之如此數遍、是謂澀紙、以是包http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001dec1.gif 器物、則雖遠方雨濕浸淫之害、凡漆器始以糊貼紙於外面、塗漆於其上、是稱糊地、又塗柹油於紙、而張器物、塗漆於其上、是謂澀地、至上品器、則自其始漆於布、張其外、而再漆其上、是稱堅地

〔重修本草綱目啓蒙〕

〈二十一山果〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0614 君遷子(○○○) シナノガキ サルガキ〈同名アリ〉 スヾガキ ヒイナガキ〈若州〉 ビンボガキ〈筑前〉 シンナラガキ〈越中〉 シイナラガキ〈讃州〉 一名櫺棗〈典籍便覽〉 牛乳柹〈救荒本草〉 牛乳子〈廣東新語〉 牛嬭子〈大明一統志〉 椐http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001e7a6.gif 子〈正字通〉 樹葉共ニ尋常ノ柹ニ異ナラズ、實小ニシテ金棗ノ如ク、十月ニ至テ熟ス、黄色ニシテ味甘シ、皮共ニ乾柹トナスベシ、内ニhttp://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019a0e.gif アレドモ甚小ニシテ胡麻ノ如シ、下種スベカラズ、故ニ接テ分ツ一種實ノ形正圓ニシテ、大サ金豆(コキンカン)ノ如キアリ、マメガキ〈仙臺〉トモ、一名ブドウガキ、アマガキ〈東國〉メメガキ、〈佐渡〉ヤマガキ、〈大和本草〉ヤマシブ、〈同上〉コレ丁香柹ナリ、コノ柹ハ枝ニ多ク簇リテ、蒲萄ノ如シ、熟シテ黄色内ニhttp://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019a0e.gif 多シ、

〔倭名類聚抄〕

〈十七菓〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0614 鹿心柹(○○○) 兼名苑注云、鹿心柹〈和名夜末加岐〉柹之小而長也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈九果蓏〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0614 本草綱目引事類合璧云、柹朱果也、大者如楪、八稜稍扁、其次如拳、小或如鷄 子鴨子牛心鹿心之状、小野氏曰、鹿心柹形如牛心柹最小、俗名爲乃岐毛(○○○○)一名不天加岐(○○○○)、

〔古今和歌集〕

〈十物名〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0615 やまがきの木 よみ人しらず 秋はきぬいまやまがきのきり〴〵すよな〳〵なかむ風の寒さに

〔日本山海名物圖繪〕

〈二〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0615 大和御所柿(○○○) 和州御所村より出、柿の極品なり、餘國にも此種ひろまりて多し、御所より出る物、名物なる故に御所柿といふ、

〔紀伊續風土記〕

〈物産六下〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0615 紫金柹(シロガキ)〈喬木にして木皮淡黄色にして内深黄色なり、枝莖に脂膠多くして、外皮に發生して、紫褐色となる、葉は柹に似て對生せり、花實は、いまだ見ず、日高郡にて龍モクといふ、救荒本草に載する黄櫨恐くは是なるべし、古説に黄櫨をはぜに充つるは誤なり、〉

〔柿本氏系圖〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0615 むかしならの御門の御時、かきの本の人丸といふいまそかりける、歌の道妙にして、院内へもおりふしごとにまいり、朝夕御遊のまじらひをのみし給ふほどに、御所がき(○○○○)とめさせ給ひける、さるべきいとなみもせで、のりをすりていちにうりければ、世の人御所がきのこねり(○○○)となむ申ける、子どもあまたもちたり、太郞さねなりは、あかしのうらにてまうけたる子なればかのうらに住けり、はやうまだきに、いと若き比より、びむひげしろくて、京にかへり、父とおなじく君様御前へもたち出、はか〴〵しきまじはりをゆるされたり、さればあまの子なればとてつりがき(○○○○)とぞめされける、木ざはし(○○○○)の次郞は、心ざま父よりはをとりけれども、はらからのうちには、いちはやきみやびするものなり、三郞なりけるは、かたちふつヽにかしてかたくななれば、ひえの山にのぼせ學問させけるが、びんぎのみねに行、みづから八わうじ(○○○○)とがうす、その弟あり、しぶ川のなにがしとかや武士のがり、入むこしてけり、心すねきしぶりて、世の人の口あかすべきもあらず、やう〳〵としへて後、しうともてあつかひて、様々いましめけることの中にうたてしきは、このむこしぶがき(○○○○)を粉にくだき、あぶらをこして、調度つヽむつぎ紙、ちはやぶる紙子をそ めむとて、明くれうちたヽき、からきめうくるを、二郞あはれがり、かのしうとにたいめむして、我かたにてよきにいさめ申さん、しか〴〵とつぶやき、やがてしぶがきに青道心をこさせ、生干入道(○○○○)と號してゐてかへり、我かまどのうへ、軒の下などに、なはをもつてあら〳〵としめゆはせ、ぶらりとさげたり、月日へて後、今はこヽろもなほり、さまも見ぐるしからずとて、二郞ゆるしてけり、生干も道心ふかくおもひとり、こきすみ染にやつれはて、いと味よくありとみえたり、ひたすらむまれかはりたる心ちして、見る人これをあまつしとてもてはやしけり、かたちこそいな物、なれ、外には胎藏黒色の相をあらはし、かきの衣のゆかりおもへば、頭巾ににたるへたあり、内には金剛の正體をふくむで、かめどもわれぬさねあり、今はむかしのしうと、えにくまず、あたらかはをなむど、くひの八ちたび、紙子しぶかみをもめどもかひなし、此法師がいとこにさはしがき(○○○○○)是も心いぶりになればとて、ふしづけにしたり、こヽろはすこしやさしきかたにもなりつれども、もがさのあときたなければ、法師が父のやうにうへ様へまいることすくなし、さはしが弟、筆がき(○○○)、をひころがき(○○○○)さねしげ、しなのヽぜんじさるがき(○○○○)、ひろ島のさい上へもんくしつら(○○○○)、太郞がまま子さいしん(○○○○)、是は人丸がまごちやくしなりといふ、その外はみなたこくにあればもらしつ、人丸けいづ 木こねり(こねり後に御所がきとめさる、老後順妙寺に住、出家して日蓮の門に入、ちやうめうじがきと世人たつとぶ) 太郞つりがき 次郞木ざはし(心ざまよし) 三郞八王子( /心すなほならず、ひえの山に學問して、こヽろあぢはひよし、) 四郞生干入道( /生干入道心ねふつヽか者されども、道心の後よくをこなひ、心あぢよくて世にもちゆる事はなはだし、十月五日より眞如堂十夜參詣の人、是をたつとぶ、) 弟( /實名くはしからずとしわかくして入めつか、) さはしがき( /見ざまいやし、心あしきゆへふしづけにし、は又水火のせめを得、後こヽろあぢよし、十月十夜に、世人もちゆるなり、十夜の後よをさけみえず、) 筆がき( /心あし、下さまの人もてはやす、) さいしん( /生つき心ねしぶとし、世の人もちひず、) はちや( /あにヽまさり世人もてはやす、心よし、) ころがき( /宇治三室邊に住) さるがき( /なりふり尤よし、見所ある體なれ共、おぢ生干入道わかき折ふしに能似て、人にくちあかさぬ生つき也、) くしがき

柿栽培

〔草木六部耕種法〕

〈十九需實〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0617 柹モ亦能ク作ルトキハ、甚上品ナル果物ニテ、柑類ニ劣ラザル産物ナリ、且其種類モ紅柹(ゴシヨカキ)、方柹(ハチヤ)、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000016e4e.gif 柹青椑(サハシシブカキ)、君選子(マメカキ)等有リ、此ヲ作ル植地ハ、西北高ク東南低クテ、打濶タル肥沃ノ地ニ宜シ、又山下赤墳ハ殊ニ宜ク、海邊沙地等ニハ宜シカラズ、柹ヲ作法ハ、唯其砧木ヲ生長セシメ、此ヲ伐テ美果ヲ結、良木ノ枝ヲ接換(ツギキ)スル者ナルガ故ニ、青椑ニテモ大ニシテ能ク熟シタル柹http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019a0e.gif ヲ多ク集メ、此ヲ肥良ナル濕地ニ、冬中ヨリ埋テ、上ニ藁菰ヲ覆テ、時々泔水(シロミツ)ヲ澆置トキハ、正二月ノ頃、頗芽ヲ出ス者ナリ、此ヲ肥良ノ植地ニ橘子(ミカン)ノ苗ヲ植ル如ク、一段ノ畑ニ二百處許モ穴ヲ掘リ、能ク芽ヲ出シタル種子ヲ、一箇ヅヽ臘土(ラフド)〈寒中ニ野土ト濃糞ヲ混和シテ翻化サセタル者ナリ、製法上ニモ出セリ、若此物ノ無キトキハ、人糞ト黒壚(クロボク)トヲ能クモミ合セタルモ宜シ、〉ト共ニ穴中ニ安置シ、土ヲ六七分モ被テ少シ壓付テ置キ、其莖出テ後晴 天永ク繼テ乾燥スルトキハ、泔ヲ注ベシ、盛養水〈製法上ニ出セリ〉ナレバ殊ニ宜シ、斯ノ如シテ四五年間ニ笛竹ノ太ニ至ラバ、即伐テ紅柹、方柹、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000016e4e.gif ニテモ望ム所ノ枝ヲ接穗スベシ、凡ソ柹ハ接木スルトキハ、兩三年ノ間ニ繁榮スルコト甚速ナル者ナリ、凡柹ハ種子ヲ栽テ砧トスルヲ法トス、然レドモ山野ニ生タルヲ掘採リ來テ、砧木ニシタルハ、良木ノ枝ヲ接ト雖ドモ其實下品ニシテ、生長スルモ埒ノ明ザル者ナリ、 凡ソ柹ハ正月中旬ヨリ二月中旬迄ニ接木スベシ、能ク精密ニ接タルハ、百本ニ一本モ誤ルコト無シ、是レ元來接換シテ繁榮スベキノ性ナルヲ以テナリ、或ハ云柹ハ接木シタル梢ニ、又接木スルコト三度ニ及ブトキハ、其實ニhttp://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019a0e.gif 無シト、予モ亦未ダ此レヲ試ズ、 橘子ノ條ニ説タル如ク、一段ノ畑ニ柹二百本栽テ、一本一千ノ實ヲ結ブトキハ、都合二十万ナリ、紅柹、方柹、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000016e4e.gif 柹等ハ、其ノ價大抵橘子ニ同ジ、

柿利用

〔和漢三才圖會〕

〈八十七山果〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0618 烘柹(つゝみがき) 本綱此非火烘也、即青緑之生柹置器中、自紅熟如烘成、澀味盡去、甘如蜜、 白柹(つるしかき) 柹餅() 柹花 又云釣柹(ツルシ) 又云枝柹〈◯中略〉 按、白柹用澀柹、連枝曝乾、或繫糸晒乾、初用蕎麥稭(カラ)稻藁、包宿乃能生霜、豫州西條之産、甘美柔而如沙餹餅、備州之者次之濃州及尾州蜂屋之産長三四寸、重三十錢目許、本草所謂牛心柹是乎、 胡盧柹(コロガキ) 一名豆柹、即乾柹、大如頭指、生淡霜http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001a849.gif 淡甘、〈◯中略〉 串柹(クシカキ) 貫竹串乾者也、或貫http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001ad68.gif之、共下品也、 凡乾柹乃脾肺血分之果也、〈甘濇平〉能收故有脾澀腸治嗽止血之功、蓋大腸者肺之合、而胃之子也、能治反胃吐食、〈乾柹三枚連蒂、擣爛酒服甚効、切勿佗藥http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/7f000003ac4d.gif 之、〉治臟毒下血、〈乾柹燒灰飮服〉治産後欬逆、 烏柹(あまぼし) 〈俗云阿末保之、阿末者屋間(アマ)也、〉 本綱、烏柹〈甘温〉火熏乾者也、凡服藥口若及嘔逆者少許即止、 按用澀柹皮、火熏懸屋間、晒乾之、或不火熏而乾、亦可並成黒色、未霜時食之、烏者黒色也、 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000016e4e.gif 柹(あはせかき) http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000016e4e.gif 〈音覽〉藏柹也 〈俗云阿波世加岐〉 本綱、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000016e4e.gif 柹用灰汁澡三四度令汁盡、著器中、經十餘日即可食、 按、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000016e4e.gif 柹今造法用澀柹、浸石灰或蕎麥稭灰汁、二三日取出、食味變甘、最下品也、

〔雍州府志〕

〈六土産〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0619 轉(コロ)柹 宇治土人新秋採澀柹之小者、去皮并蔕、以藁繫之、陰乾至初冬、外面帶霜色、則其味甚http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001b132.gif 、此柹形元小、陰乾後圓成運轉、故俗謂轉柹、茶家盛筥爲方物、贈茶之人家

〔嬉遊笑覽〕

〈十上飮食〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0619 ころ柿(○○○)、乾たる柿をなべていふに非ず、雍州府志に、宇治にて秋の初めに小き澀柿を採、皮をむき蔕をとり、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001ad68.gif につるし、陰乾にしたるが、圓き故に轉柿といふといへり、

〔鹽尻〕

〈二〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0619http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001ee0e.gif (○○)〈俗に云くしがき、ゑだかきの類、〉

〔甲斐國志〕

〈百二十三産物及製造〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0619 一柿〈◯中略〉 袋柿(○○) 西郡相澤村ノ産物ナリ、松平甲斐守十二月ニ獻上セリ、又餌袋(ヱブク)トモ名ク、是モ乾柿ニテhttp://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019a0e.gif ヲ捼ミ出シ去ル故ニ袋ト云、白霜生ジテ甘美ナリ、同郡原七郷ニ、七種ノ商物ノ内ニhttp://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000016e4e.gif 柿ト云アリ、澀柿ヲ灰汁ニ浸シ、一夜ニシテ甘味トナレルヲ、荒目ノ圓籠ニ入レ擔シテ發賣ス、此邊ニテハ畠ノ畔ニモ多ク柿樹ヲ植ウ、是モ接頭ニ非ザレバ澀氣去リ難シト云、串柿ハ逸見筋澀澤村邊ニテ製ス、釣柿モ同筋諸村ニ在レドモ、佳品ニハアラズ、熟柿( /ウミガキ)ハ皮ヲ削ラズ器中ニ貯ヘ置キ、或ハ藁ニ裹ミ置ケバ熟シテ潰ントス、味殊佳シ、烘柿( /ウヅミカキ)ハ温灰ニ埋メテ澀氣ヲヌクナリ、木練木http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000016e4e.gif ( /コ子リキザハシ)ハ妙丹トモ云、始メヨリ澀氣ナシ、御所柿ト云ヲ第一ノ佳品トス、品類多クシテ下品ナルモアリ、一種初ハ澀ク秋霜下リテ朱熟シ、肉中紫點多ク生ズル者アリ、木練中ノ最上品トスベシ、是ヲモ甲州丸ト呼ブ者アリ、椑柿(コシブガキ/ウルシガキ)ハ形小ナリ、山野ニ生ズル者澀強シ、搗テ柿漆トスベシ、桾http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001e0a6.gif 鹿心柿( /サルガキヤマガキ)ト云モ、皆此類ヲ云ナルベシ、

〔日本山海名物圖繪〕

〈二〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0620 美濃釣(つるし)柿 しぶ柿のいまだ熱せぬうちに取て、皮をむき、糸を付て竿にかけ日にほす也、安藝國西條ぎおん坊、其味すぐれたりといへども、美濃つるしよりちいさし、美濃は味はひよきのみにあらず、其形甚だ大なり、ほし上ゲて三寸ばかりの長さなる柿あり、其生の時の大さ思ひやるべし、くし柿ころ柿も皆しぶ柿を以て拵ゆる也、串柿は丹波よりおほく出、ころ柿は山城宇治名物也、

〔美濃名細記〕

〈十一産物〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0620 一蜂屋柹(賀茂郡峰屋村産)、鉤枝柹、 ホサルヽ時ニ回リ七八寸、〈カウサシト云〉重百錢目計、其味格別ニシテ風味輕シ、江戸獻上、始ニ生熟柹、後爲釣柹再獻上、

〔倭名類聚抄〕

〈二十木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0620 黒柹(○○) 楊氏漢語抄云、柹心、〈久呂加木、俗用黒柹、或説、是柹木心黒處名也、爲於俗、別以置之、〉

〔箋注倭名類聚抄〕

〈十木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0620 下總本處下有名字、廣本同、下總本別以置之、作別用黒柹二字、黒柹見掃部式

〔和漢三才圖會〕

〈八十三喬木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0620 黒柹 柹詳于山果類 按黒柹即山中椑柹(シブカキ)木心也、黒色光澤密理堅http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001a849.gif 爲(○)器甚美(○○○)、以亞鐵刀木烏木(タカヤサンコクタン)、但嫰木則色不光黒、〈鐵刀木見于後

柿雜載

〔新撰姓氏録〕

〈大和國皇別〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0620 柿本朝臣 大春日朝臣同祖、天足彦國押人命之後也、敏達天皇御代、依(○)家門有(○○○)柿樹(○○)、爲柿本臣氏

〔三代實録〕

〈三清和〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0620 貞觀元年七月十九日壬申、雷雨震内教坊柿樹(○○)

〔日本紀略〕

〈一醍醐〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0620 延喜九年閏八月十五日、此月也、東西兩京桃、櫻、李、柚、柿、藤皆花、或實、

〔宇治拾遺物語〕

〈二〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0620 むかし延喜の御門の御とき、五條の天神のあたりに、大なる柿の木の實ならぬあり、その木のうへに佛あらはれておはします、〈◯下略〉

〔元亨釋書〕

〈五慧解〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0620 釋皇慶、姓橘氏、黄門侍郞廣相之曾孫、〈◯中略〉甫七歳登叡山、近山下柿樹、絶不子、俗 名其地不(ミナラガキ)實柿、兒到其處問、此地何號、人答以其名、時餘樹有果、兒曰、見今何有實乎、

〔梅園日記〕

〈一〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0621 柿木文字(○○○○) 白石先生の記に、かこみ一尺餘も有つらん木の、半よりさけし所に、おのづから天下の字有を、人の見せたるに、是は柿にやといひしかば、かの人驚きて、いかに知給ひぬらん、是はある寺なる澀柿を切て、薪にせんとて割しに、此文字のあらはれしかば、めでたき物なりとて、薪にせで京より來りし也といふ、柿木にはかヽる事有よしを、ふるき書どもにしるし置侍るとあり、按ずるにふるき書とは、今物語に、ひえの山よかはに住ける僧のもとに、小法師の有けるが、坊の前に柿の木有けるを、切てたかんとて、いちのきれをわりたりける中に、くろみの有けるが、文字に似たりけるを、あやしと思ひて、坊主に見せたりければ、南無阿彌陀佛と云文字にて有ける、ふしぎなどもいふばかりなし、沙石集に、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/7f0000651145.gif 養房といふ山寺法師、前栽に柿の木を植て、年來愛しけるが、他界の後、弟子の僧、此木を切て湯木にせんとてわりて見るに、文字の勢二寸ばかりにて、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/7f0000651145.gif 養房と文字あり、黒木の如くして、木の中にわれども〳〵同體にて有けり、谷響集に、客云、拆木中有文字、嘗於勸修寺八幡神祠親見矣、或謂多是柿木也、〈◯中略〉物理小識に、柿木畫皮生文、など見えたるをやいはれつらん、又いと近きは、友なる本間眠雲〈游清〉が鵜鴉集に、文化十一年甲戌の春、伊豫國大洲領宇和川村に、がら〳〵といふ處あり、畑中に大なる柿木有て、作物の障になれば、畑主其柿木を伐て、本の所を斧にて二ツに割たるに文字あり、太王左月〈右旁は不分明のよし〉文字は濃藍の色にて、墨もて縁を雙鉤したるが如し云々とあり、又按ずるに、柿ならぬ他の木にも書畫ありし事和漢の書に出たり、

〔玉勝間〕

〈九〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0621 柿の本(○○○) 栗の本 二條良基公のさよのねざめといふ物にいはく、後鳥羽院の御代にはよき連歌の上手をば柿の 本の衆となづけられ、わろき連歌をば栗の本の衆となづけられ侍りき、

烏木

〔大和本草〕

〈十二雜木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0622 烏木(コクタン) 國俗紫檀ニ對シテコクタント云、檀木ニハ非ズ、色黒ク堅シ、器ニ作ルベシ、本艸綱目喬木類ニアリ、時珍云、有間道者嫰木也、是ワカキニハスヂアル也、此木モ亦日本ニナシ、

〔和漢三才圖會〕

〈八十三喬木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0622 烏木 烏樠木 烏文木 俗云古久太牟〈◯中略〉 按、烏木出於雲南廣東、其性堅實黒色、類于角、俗謂之黒檀、以爲白檀紫檀等之類非也、〈檀見于香木下

〔重修本草綱目啓蒙〕

〈二十四喬木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0622 烏木 コクタン 一名http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/i000000000141.gif 木〈正字通〉 急木〈音焦〉 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/i000000000142.gif 木〈共同上〉 角烏〈廣東新語〉 和産ナシ、廣東ヨリ舶來ス、唐山ニハ大坭暹羅占城眞臘ヨリ來ルト云、今器物及箸ニ作ル者是ナリ、木色黒クシテ柹心黒木(クロガキ)ニ似テ質堅シ、俗ニコクタント呼ベドモ、白檀紫檀ノ類ニ非ズ、シロキ筋雜ル者アリ、スジコクタン(○○○○○○)ト云フ、コレハ嫰木ナリト集解ニ云リ、之ヲ間道烏木ト云、中山傳信録ニ烏木葉如桂直上、外與常木異、中心木質黒色、然亦有白理者ト云、

〔南島志〕

〈上物産〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0622 黒木即會典所謂烏木也、蘇鐵即琉球録所謂鳳尾蕉、其野生則不栽在

鐵刀木

〔書言字考節用集〕

〈六生植〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0622 鐵刀木(タガヤサン)

〔和漢三才圖會〕

〈八十三喬木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0622 鐵樹 鐵刀木 俗云太加也左牟、〈桄榔木亦名鐵樹、與此不同、〉 木本畫譜云、鐵樹産廣中、色儼類鐵、其枝了穿結、甚有畫意、又聞有鐵樹花、葉密而花紅、想亦一種也、 按、鐵刀木今出於廣西、木紫黒密理、爲器甚美、貴重之

〔昆陽漫録〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0622 鐵樹 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000015972.gif 鴫曉筆に、鐵樹〈http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000015972.gif 鴫曉筆は一條の禪閣の作の曉記のことヽかや〉と云ふ木を載せたり、今も薩摩の邊にあるにや、その文左の如し、 予九州を徘徊せし時、薩摩にて見侍りし鐵樹といふ木侍り、三四尺より高きはなし、葉も莖も鷄頭花に似て、それよりはからびて誠の鐵のうち枝の様なり、花は女郞花などのやうにて、一 處にかたまり、梢ごとに咲きて色はから紅のごとし、鐵を末にして、肥しにはするといへり、爰元には見ぬ木なり、

〔一話一言〕

〈十八〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0623 鐵刀木 鐵刀木出廣東、色紫黒、性堅http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001a849.gif 而沈重、東莞人多以作屋、〈増、格古要論に出〉これタガヤサンなるべし、鐵刀木といふ誤歟、

櫚木

〔南島志〕

〈上物産〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0623 木則赤木、其性堅緻、紫紅色、而有白理、蓋櫚木之類(○○○○)、本朝式所謂南島所出赤木即此、〈俗曰カシ木(○○○)〉

〔大和本草〕

〈十二雜木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0623 櫚木 日本ノ俗クハリン(○○○○)ト云、木性紫檀ニ似テ紫紅色、花紋アルヲ花櫚ト云、中華ノ俗花梨ト云、器ニツクル良材ナリ、此木日本ニナシ、異舶ニノセ來ル、榠櫨ヲ國俗クハリント云誤レリ、本草喬木門ニ載ス、

〔重修本草綱目啓蒙〕

〈二十四喬木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0623 櫚木 クハリン 一名花貍〈廣東新語〉 櫚木ハ和産ナシ、廣東ヨリ舶來ス、其木理緻密ニシテ堅シ、色紫檀ノ如シ、又微紅ヲ帶ル者アリ、木理ニ花紋アルヲ上品トシ、花櫚ト云、花紋ナキ者ハ下品ナリ、俗ニコレヲクハリント呼ブハ、即花櫚ノ音轉ナリ、又果類ニクハリント呼ブ者ハ(○○○○○○○○○○○○)、榠楂ニシテ別物(○○○○○○○)ナリ、榠楂モ木理密ナレドモ、質柔ナル故磨シテ光リナク淡紅色ナリ、

齊墩果

〔重修本草綱目啓蒙〕

〈二十二夷果〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0623 摩厨子〈◯中略〉 附録、齊墩果、 チサノキ(○○○○) チシヤノキ(○○○○○)〈俗〉 ロクロギ(○○○○)〈紀州〉 ホトヽギス(○○○○○)〈同上〉 チナイ(○○○)〈豫州藝州〉 チナヱ(○○○)〈石州〉 チヤウメ(○○○○)〈江州〉 チヤウメン(○○○○○)〈土州〉 ヱゴ(○○)〈江戸〉 サボン(○○○)〈加州〉 タカノヱ(○○○○)〈丹州〉 ジシヤ(○○○)〈佐渡〉 ボトボトノキ(○○○○○○)〈越前〉 ザトウノツヱ(○○○○○○)〈同上〉 山野ニ多シ、木ノ高サ丈餘、枝條旁ニハビコル、春新葉ヲ生ズ、形橢(ヒツナリ)ニシテ尖リ、鋸齒ナク互生ス、夏月葉間ニ花ヲ開ク、莖長ク下垂ス、五瓣白色大サ六七分、形柑橘花ニ似テ香氣アリ、後實ヲ結ブ、苦(アカヾ) 櫧(シノ)實ノ如ク、徑リ二分餘、長サ三分餘、秋ニ至リ黒ク熟シ、上ニ白粉アリ、破レバ仁ニ油アリ、採テ小鳥ニ飼フ、木皮白シテ青ト黒トノ細斑アリ、用テ器物ニ作ル、コノ木ヲ傘ノロクロニ用ユ、故ニ紀州熊野ニテロクロギト云フ、又一種九州ニテチサノキト呼ブ者ハ、喬木類ノ松楊ナリ、

松楊

〔重修本草綱目啓蒙〕

〈二十四喬木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0624 松楊 チシヤノキ(○○○○○)〈筑前、同名アリ、〉 唐ビハ(○○○)〈四國〉 一名棶椋〈品字箋〉 筑紫紀州及ビ四國ニアリ、葉ハ柹ノ葉ニ似テ細鋸齒アリ互生ス、夏月小花ヲ枝梢ニ開キ長穗ヲナス、穗ニ枝多シ、後實ヲ結ブ、形圓ニシテ小ク、椒粒ノ如ク色黒シ、其材堅シテ美理アリ、淺黄色、木ヲ煎ジテ物ヲ染ム、筑前ニテチシヤ染ト云、木皮鱗甲ヲナシ、松樹皮ノ如シ、古ヨリ椋子木ヲムクト訓ズルハ非ナリ、ムクノ木ハ糙葉樹〈物理小識〉一名加條〈漳州府志〉ナリ、

木犀

〔大和本草〕

〈十一園木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0624 木犀 南方艸木状曰、江南桂八九月開花無子、此木犀也、今案木犀モ桂ノ一種ナリ、岩桂ト云故木犀花ヲ桂花トモ云、其香甚遠クイタル、

〔和漢三才圖會〕

〈八十二香木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0624 木犀(もくせい)花 巖桂 毛久世伊〈◯中略〉 按、木犀葉似海石榴、而略長有鋸齒、五六月開小花、香單淡白色、此所謂銀桂矣、未黄及紅者也、考其主治、則入透頂香外郞藥而可矣、 畫譜云、木犀葉邊如鋸齒、而紋麄者其花香甚、灌以猪糞花茂、蠶沙壅之亦可、

〔地錦抄〕

〈五〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0624 木犀(もくせい) 葉はもちのきほど有、秋葉の間にちいさき花ありて、匂らんじやうのごとし、花色白黄、

〔草木六部耕種法〕

〈十一需花〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0624 木犀(モクセイ)ハ眞土、赤土皆宜シ、前年ニ厩肥、人馬糞ヲ耕交置テ、二三月此ヲ移シ植ベシ、時々盛養水ヲ澆グトキハ、大ニ繁榮スル者ナリ、山茶(ツバキ)モ木犀(モクセイ)ヲ植ルニ同ジ、唯其植ル時ニ根ヲ悉ク切捨ベシ、餘リ根ノ張タルハ、却テ枯ルコト有リ、此者ハ五月頃ニhttp://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/7f0000651547.gif 木スルモ、皆能ク活ク、花ヲ盛ニスルニハ、冬中根ニ干鰛及ビ人馬ノ糞ヲ壅(イル)ベシ、茶梅モ山茶ニ同ジ、檉柳(ギヨリウ)、八角金(ヤツデ)盤等ハ 土地ニ合サヘスレバ、糞養(コヤシ)ヲ用ルニモ及バズ、

丹桂

〔廣益地錦抄〕

〈一〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0625 丹桂(たんけい)〈木秋中〉 はなも木も木犀にて、花の色柹紅いろ丹のいろなればとて、丹桂といふなり、もくせいを桂ともいへばなり、花ひらく時薫香白花のもくせいよりふかく、匂おとれり、

迎春花

〔和爾雅〕

〈七草木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0625 迎春花(ワウハイ)

〔大和本草〕

〈十二花木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0625 迎春花(ワウバイ) 小樹ナリ、然レドモ本艸濕草下ニノス、曰高者二三尺、方莖厚葉、葉如初生小椒葉而無齒、面青背淡云々、所言皆ワウバイト同、他書ニモノセタリ、枝長シ、竹ヲ立テ、カコミ助クベシ、正月ニ黄花ヲヒラク、故ニ迎春花ト名ヅク、花ノカタチ梅ニ似タリ、故ニ國俗ニ黄梅ト云、未土ニウヘザレドモ、枝ノ上ニ早ク根ヲ生ズ、故ニ正二月梅雨ノ時サシテヨク活ス、二月ニ分植ベシ、枝地ニ垂レバ根ヲ出シテ倒ニ生ズ、玄覽東有倒生之木トイヘリ、此木モ亦似タリ、畫譜ニ此花ヲ描ケリ、其花繪ニカキテマサルモノ也、清少納言ガ枕艸紙ニ繪ニカキテマサルモノヲ記セシニ、是ヲノセズ、此時此花木未來故ナルベシ、花史曰、結香花色鵞黄、較瑞香稍長、花開無葉、花謝葉生、枝極柔軟多以蟠結、篤信謂、是亦迎春花ト一物ナルベシ、辛夷花モ迎春花ト云(○○○○○○○○○)、與(○)此別也(○○○)、

〔和漢三才圖會〕

〈九十四濕草〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0625 迎春花(わうはい) 倭云黄梅 本綱、迎春花人家栽插之、叢生、高者二三尺、方莖厚葉如初生小椒葉而無齒、面青背淡、對節生小枝三葉、正月初開小花、状如瑞香花、黄色不實、 葉〈苦濇〉 腫毒惡瘡〈陰乾研末〉酒服二三錢出汗便瘥 按、迎春花莖有微稜、節節繁枝、幹勁而不立、如蔓非蔓、傍起竹扶之、正月開小黄花、形似梅花、故呼曰黄梅、遠莖繁、亦如狗黄楊枝葉様而葉不扁、 畫譜云、迎春花春首開花、放時移栽、土肥則茂、燖牲水灌之則花蕃、二月中旬分種、〈http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/i000000000143.gif 牲者此如魚鳥洗汁之類也、以湯沃〉 〈毛令脱、曰http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001a0dd.gif http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/i000000000143.gif 也、〉

〔重修本草綱目啓蒙〕

〈十一隰草〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0626 迎春花 ワウバイ(○○○○) キンバイ(○○○○)〈仙臺〉 ワウシユクバイ(○○○○○○○)〈佐州〉 一名黄雀 兒〈八閩通志〉 金腰帶〈群芳譜〉 腰金帶〈秘傳花鏡〉 僭客〈事物紺珠〉 山野ニ自生ナシ、人家庭際ニ多ク栽ユ、小木ナリ、高サ二三尺、或ハ五七尺、或ハ尺ニ盈ザル者ニモ多ク花ヲ生ズ、枝多シ、老タル者ハ長ク下垂シテ連翹ノ如シ、皆深緑色、二月葉ナクシテ先ヅ花ヲ開ク、六瓣黄色大サ錢ノ如シ、花終テ葉ヲ生ズ、形チ百脈根葉ニ似テ厚シ、亦深緑色、枝上ノ節ゴトニ多ク根鬚ヲ生ズ、切テ杆插スレバ能活ス、此物和名ワウバイ、唐山ニテ黄梅ト云ハ梅ノhttp://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001b887.gif 梅ノコトナリ、

〔佐渡志〕

〈五物産〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0626 迎春花 方言ワウバイ盆栽トナシテ花ヲ愛スルモノアリ、山野ニ自生ナシ、

探春花

〔百品考〕

〈下〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0626 探春花 一名黄素馨 和名リウキウワウバイ(○○○○○○○○) 盛京通志、探春花、似迎春、春過即開、 灌園草木識黄素馨、終年有花、頗似京師黄迎春、亦以花形似素馨名、殊無香也、 花戸ニ多シ、形状迎春(ワウバイ)花ニ似テ、深緑色、冬落葉セズ、莖ニ褐色ノスヂアリ、葉ハ三葉或ハ五葉聚付テ、素馨ニモ似タル處アリ、四月枝頭ニ五瓣ノ小黄花聚リ付ク、迎春花ノ付ヤウト異ナリ、筒シベニシテ、先ニテ五ヅヽニ分ル、素馨ニ似テ小ナリ、四月盛リニ開ケドモ、其後秋マデ追々ニ少シヅヽ花アルモノナリ、枝ヲ插テ能活ス、探春花ハ棣園福井氏ノ考ナリ、黄素馨ハ灌園岩崎氏ノ考ナリ、共ニ從ベシ、

秦皮

〔本草和名〕

〈十三木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0626 秦皮、一名岑皮、〈楊玄操作梣、字並士林反、〉一名石檀、〈蘇敬注云、以葉似http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/7f000003ac4a.gif 檀故以名之、〉一名樊槻皮、〈仁諝音規、出陶景注、〉一名苦樹、〈俗見味苦名爲苦樹、出蘇敬注、〉一名樊鷄、〈出仁諝音義〉一名昔歴、〈出雜要訣〉一名水檀、〈忽然葉開當有大水故以名之、出拾遺、〉和名止禰利古乃岐(○○○○○○)、一名多牟岐(○○○)、

〔倭名類聚抄〕

〈二十木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0627 石檀 蘇敬本草注云、秦皮、一名石檀、〈和名止禰利古乃木、一云太無乃木、〉葉似檀、故以名之、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈十木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0627 千金翼方、證類本草中品並云、秦皮一名石檀、知此所引本條之文、源君併引爲蘇注是、〈◯中略〉按、伊呂波字類抄云、多宇乃幾、亦有乃字、然本草和名、類聚名義抄、並與舊同、〈◯中略〉證類本草引云、以葉似http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/7f000003ac4a.gif 檀、故名石檀也、本草和名引云、以葉似http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/7f000003ac4a.gif 檀、故以名之、淮南子俶眞訓曰、梣木色青而瘉翳、高云、梣木苦歴木名也、出於山、剥其皮水浸之、正青、用洗眼、瘉人目中膚翳、説文、梣青皮木、岑皮聲訛作秦皮耳、

〔大和本草〕

〈十一藥木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0627 秦皮 葉ハ椿ニ似テ葉サキトガレリ、又槐葉ニ似テ小ナリ、又薔薇葉ニ似タリ、皮モ葉モ水ニ浸セバ緑汁忽出ヅ、是ヲ用テ赤眼腫ニヌレバヨク治ス、秋冬ハ葉ヲツ、春ハ女郞花ノ如クナル花多クサク、色淡紫ナリ、樹直ニシテ性子バシ、用テ鎗ノ柄トス、樹皮紫黒色ナリ、

〔和漢三才圖會〕

〈八十三喬木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0627 秦皮 梣皮 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019b70.gif 木 石檀 樊槻 盆桂 苦樹 苦櫪 和名止禰利古乃木 一云太無乃木 本綱、秦皮其木大都似檀、枝幹皆青緑色、葉細如匙頭、虚大而不光、無花實、皮有白點、而不粗錯、取皮漬水便碧色、書紙看之、皆青色者眞也、似槐根、 秦皮〈苦微塞濇〉 厥陰肝少陽膽經藥也、故治目病驚癇、取其平http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/7f000003ac4a.gif 木也、治下痢崩帶其收濇也、治目之要藥也、 按秦皮樹丹波山中多有之、

〔重修本草綱目啓蒙〕

〈二十四喬木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0627 秦皮 ト子リコ(○○○○) ト子リコノキ(○○○○○○)〈和名鈔〉 タムノキ(○○○○)〈同上〉 ダゴノキ(○○○○)〈加州〉 アヲタゴ(○○○○)〈木曾〉 トウ子ヂコ(○○○○○)〈江州〉 一名細辛木皮〈本草必http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001e92e.gif 〉 攀雞木〈事文類聚〉 苦裏木〈訓蒙字會〉 梣槻〈通雅〉 コノ木寒地ニ多シ、葉ハ呉茱萸葉ノ如ニシテ、大ニシテ鋸齒アリ、兩對シテ生ズ、其節黒シ、夏月枝 梢ニ花ヲ開ク、實ヲ結ブ、濶サ二分、長サ一寸許ノ薄片ナリ、松子ノ形ノ如ニシテ大ナリ、熟スレバ褐色ニシテ、長ク穗ヲナシテ下垂ス、地ニ下シテ生ジ易シ、一種葉小ニシテ鋸齒アリテ、ニガキノ葉ニ似タル者アリ、下品ナリ、一種小葉ノ者ハ鋸齒ナクシテ、紫藤(フヂノ)葉ニ似テ短ク、節ニ對シテ生ズ、初夏枝梢ニ長穗ヲナシテ花ヲ開ク、栘楊(シデノ)花ノ如ニシテ瓣細ク白色、後實ヲ結ブ、形同シテ小ナリ、藥ニハ皮ヲ用ユ、舶來ナシ、京師ノ藥舖ニ貸ル者ハ、江州若州丹州ヨリ出ス、皮少許ヲ採テ水中ニ浸セバ、水面青色ニナル者眞ナリ、唐山ノ松煙墨ハ、秦皮汁ヲ用ヒ色ヲ助クルコト、集解ニ説ケリ、本邦ニテ皮ヲ濃煎シ膠トナスヲ木膠ト云、佛經ヲ寫ス墨ニ用ユ、墨工コレヲ貯フ、國ニヨリテコノ木ニモ白http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001b887.gif ヲ生ズルコト水http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001b887.gif 樹ト同ジ、是モトバシリト云、唐山ニハコレアルコトヲ聞カズ、

〔採藥録〕

〈五〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0628 秦皮 ニガキ 本草所説但一種也、味苦故ニ苦樹ノ名アリ、先輩ト子リコヲ以テ秦皮ニ當ルハ非也、味甚不苦、苦樹ハ味大ニ苦シ、舶來ノ者ニ異ルコトナシ、秋冬ノ間夫木ノ皮ヲ剥ギ取リ、長サ五六寸許ニ切リ、四五枚ヲ合テ藁ニテ紮定シ、日乾スベシ、

〔草木育種後編〕

〈下藥品〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0628 秦皮(とねりこ)〈本艸〉 小葉大葉數種あり、山中より小木をとり植べし、二月又九月の比植かへてよし、和蘭にてヱツセン、ボームといふ、皮はキナノ代用としてよし、又材は收濇す、ポツク、ホートの代用とすべし、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001cd98.gif 毒の藥とすべし、一種日光山にてヲヽシタといふものは、皮を種々器物とす、日光より多く來る、斑ありて雅趣あり、

〔玉勝間〕

〈十三〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0628 とねりこの木 とねりこの木といふ木、木の色いと白く、葉は榎の葉にして、大木になる物なり、實はかくの如き形にて、上の方は葉のやうにひらなり、件の木美濃國飯木(ハンノキ)村に多く有て、他村(アダシムラ)には無しと同人〈◯田中道麻呂〉いへり、飯木村は此人の故郷なり、多藝郡なり、

黄芩

〔新撰字鏡〕

〈木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0629 巴戟天〈比々良木(○○○○)、杜谷樹、上同、〉

〔倭名類聚抄〕

〈二十木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0629 黄芩 本草云、黄芩〈音琴、和名比々良木、〉楊氏漢語抄云、杠谷樹、〈杠音江、和名上同、〉一云巴戟天、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈十木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0629 千金翼方、證類本草草部中品載之、説文http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001b398.gifhttp://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001b398.gif 也、其字从金、後人諧今聲芩、與毛詩食野之芩之芩字自別、御覽引呉普本草云、二月生赤黄葉、兩々四々相値、莖空中、或方員、高三四尺、四月華紫紅赤、五月實黒、根黄、蘇注云、葉細長兩葉相對、作叢生、亦有獨莖者、圖經、苗高尺餘、莖http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000147.gif 麁如筯、葉從地四面作叢生、類紫草高一尺許、亦有獨莖者、葉細長四五寸、〈◯中略〉本草和名云、黄芩和名比々良歧、一名、波比之波、岡本氏曰、皇國古無黄芩、今有之者、享保中求之朝鮮、蕃息者也、古蓋代用刺蘗、刺蘗清熱之功、與黄芩同、其樹纖條柔靡、有刺、今呼目木、有刺故古名比々良歧、纖條柔靡、故或名波比之波、是説覈實可從、巴戟天、産伊豆天城山、高一二尺、枝有刺、根如連球、今俗呼數珠根樹、以其有http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/7f000003ac4a.gif 刺、故古蓋呼比比良歧、〈◯中略〉舜水朱氏談綺云、剛穀樹、又作杠谷樹、訓比々良歧、剛穀杠谷未本、續日本紀云、大寶二年正月造宮職獻杠谷樹、長八尋、本注云、俗曰比々良木、四月、秦忌寸廣庭獻杠谷樹八尋桙根、即古事記景行天皇條云、比々羅木之八尋矛也、杠谷樹字、所出未詳、按比々良歧可以爲http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/7f000003ac4a.gif 桙者、本草拾遺所謂枸骨是也、木肌白似骨、故云枸骨、見證類本草女貞條、其葉有刺、人觸之則疼痛、疼訓比々良久、故名是木比々良歧、疼木之義也、〈◯中略〉巴戟天、和名也末比々良歧、見本草和名、按杠谷樹、黄芩、巴戟天、三物皆有刺、故倶以比々良歧之、雖然其物各異、巴戟天已出草類、宜㆚以黄芩草類此獨存㆚杠谷樹㆙、源君合三物一者誤、新撰字鏡云、巴戟天比々良木、杠谷樹上同、其誤與漢語抄同、時珍云、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001b398.gif 、謂其色黄也、

〔伊呂波字類抄〕

〈比殖物附殖物具〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0629 黄芩〈ヒヽラキ〉 杜谷樹〈同〉

〔東雅〕

〈十六樹竹〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0629 杠谷樹ヒヽラギ〈◯中略〉 杠谷は剛穀狗骨等と音相近し、楊氏杠谷としるせし、必その本據あるべし、黄芩をヒヽラキといひしは、杠谷樹の名を得しには、其義異なるべし、これは其味苦 くして、口ヒヽラグをもて此名ありしと見えたり、巴戟天をヤマヒヽラギといひしは、又黄芩に依りて此名ありしか、これも味苦きもの也、口ヒヾクといふは、神武の御歌に見えたり、

〔和漢三才圖會〕

〈八十四灌木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0630 狗骨 貓兒刺 倭爲杠谷樹 和名比々良木 俗用柊字、〈音中〉柊本椎之名也、按狗骨樹肌白滑堅、以堪筭珠或象戯碁子、甚美亞于黄楊、其大者作板可盒、然性難長、大木希也、續日本紀文武帝大寶二年獻杠谷樹長八尋云云、是等以爲希有之物、其葉四時不凋、厚http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001a849.gif五稜刺、有雌雄、其刺柔者爲雌、九月開小花、碎白色結子小青色、五月熟黒色、似鼠李、女貞之輩、而大如小蓮子、 俗間立春節分夜、插枝葉於門窻、添以海鰮頭追儺用、魍魎怖其尖刺敢近之義乎、〈◯中略〉 此云柊葉、葉有五角而實黒也、黐樹葉無角、而實赤也、如本草説者、似二物相混、不知柊汁亦爲黐乎、

〔本草綱目譯義〕

〈三十六灌木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0630 枸骨 ヒイラギ〈◯中略〉 一種アリ、此ハ、ホカノキカタザクラ、〈河州〉是ハ山ニ多シ、此ハ枸骨類ニアラズ、別物也、漢名シレズ、葉細ク長シテ、葉ノ邊ニ多ク刺アリ、葉モウスシ、花穗トナリテツク也、ツイ見レバ、ヒラギニ似タル故、メヒラギト云也、本條ノヒラギノ木ハ、切バ白色ノ小キ象牙ノ如キ紋アリ美也、唐ニテハ此木ノ皮ヨリ、トリモチヲトルト云ヘリ、集解ニ、采其木皮煎膏、謂之粘http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001aa44.gif 云々、日本ニテハモチノ木ヨリトル也、粘http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001aa44.gif 云ハ、トリモチノコトナリ、

〔本草一家言〕

〈二〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0630 狗骨 和名比羅木、〈◯中略〉有雌雄二種、又一種生於叡山者、似狗骨葉極軟薄有刺、是亦稱姫比羅木、京北大原山洛西嵯峨廣澤西小丘上林樾下小社傍、及高雄山路傍多産之、稻彰信云、按綱目本條、時珍云、四五月著花者是也、如比羅木則十月著花、古人所指狗骨樹是也、二物大體同一類、倶可狗骨也、

〔重修本草綱目啓蒙〕

〈二十五灌木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0630 枸骨 ヒイラギ(○○○○)〈古名〉 ヒラギ(○○○) ヒイラ(○○○)土州 オニヒラギ(○○○○○)〈東國〉 オ(○) ニノメツキ(○○○○○) オニシバ(○○○○)〈防州〉 子ネズミサシ(○○○○○)〈上總〉 一名枸骨刺〈本草http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001922c.gif 言〉 貓刺〈通雅〉 貓頭刺 枸榾〈共同上〉 貓耳刺〈鎭江府志〉 貓兒殘〈先醒齋筆記〉 光菰櫪 極木〈共同上〉 鼠怕葉〈何氏集効方〉 十大功勞葉〈同上〉山中ニ多シ、人家ニモ栽ユ、或ハ籬トス、葉ハ女貞葉(子ズミモチノ)葉ヨリ小ニシテ厚ク、邊ニ大刻アリ、其尖皆http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001a849.gif 刺ナリ、冬ヲ經テ凋マズ、九十月葉間ニ小白花ヲ開ク、香氣アリ、後小圓實ヲ結ブ、熟シテ黒色、ソノ木ハ白色ニシテ細文アリテ象牙ノ如シ、旋シテ器物或ハ畫軸トス、又葉邊ニ尖刺ナキ者アリ、俗ニメヒラギト云フ、故ニ尋常ノ者ヲオニヒラギト云、然レドモ別物ニ非ズ、一樹ノ中ニ刺ナキ葉雜リ生ズ、又別ニメヒラギ(○○○○)ト呼ブ木アリ、一名ホカノキ、〈勢州〉カタザクラ、〈阿州〉タモ、〈攝州〉ハアカノキ、〈藝州〉ヒガンボク、〈但州〉ウシボツカウ〈紀州〉葉ハ細長ニシテ薄ク邊刺多シ、枸骨ノ類ニ非ズ、漢名詳ナラズ、 増、一種ヒラギナンテン(○○○○○○○)ト呼モノアリ、形状南燭(ナンテン)ニ似テ、葉邊ニ枸骨(ヒラギ)ノ如キ刺ヲ生ズ、其色紫色ヲ帶ブ、南燭ノ條ニモ載ス、枸骨ノ類ナルベシ、 本邦ノ俗ヒラギニ柊ノ字ヲ用ユ、城州下賀茂明神ノ社内ニ、柊ノ社ト稱スルアリ、人皇四十五代聖武天皇天平九年、痘瘡始テ大ニ行ハレ、天下死者甚多シ、藤原淡海公ノ四子共ニコレニ薨ズ、此時上下ノ賀茂ノ社ヘ御祈願アリシニ、柊ノ祠ニ祈ルベキ神託アリ、因テ未ダ痘ヲヤマザル者多ク、コノ祠ニ祈リ、滿願ノ後必ズ一樹ヲ祠前ニ栽ユルニ、悉ク葉邊刺ヲ生ジテ、枸骨ノ如ニ變ズ、今ニ至テ猶此ノ如シ、一異ト謂フベシ、

〔地錦抄〕

〈五〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0631 柊木(ひいらぎ) めひらぎは葉にはりなし、鬼ひらぎは葉はり有、

〔古事記〕

〈中景行〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0631 爾天皇亦頻詔倭建命言、向和平東方十二道之荒夫琉神、及摩都樓波奴人等、而副吉備臣等之祖名御鉏友耳建日子而遣之時、給比々羅木之八尋矛〈比々羅三字以音〉故受命罷行之時參入伊勢大御神宮神朝廷

〔古事記傳〕

〈二十七〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0632 和名抄に、黄芩、和名比々良木、楊氏漢語抄云、杠谷樹、一名巴戟天、和名上同と見え、〈黄芩を當たるは心得ず〉字鏡に、巴戟天、比々良木、杠谷樹上同とあり、〈或人云、比々良木は、漢名枸骨と云物なり、一名を剛穀と云、此字音を取て、杠谷とは云にやと云り、〉

〔續日本紀〕

〈二文武〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0632 大寶二年正月丙子、造宮職獻杠谷樹長八尋〈俗曰比比良木〉 四月丁未、從七位下秦忌寸廣庭獻杠谷樹八尋桙根、遣使者于伊勢大神宮

〔夫木和歌抄〕

〈二十九ひいら木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0632 ひいら木 民部卿爲家 世中は數ならずともひいら木の色にいでヽはいはじとぞ思ふ

〔延喜式〕

〈十三大舍人〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0632 凡正月上卯日供進御杖、〈◯中略〉頭進奏曰、大舍人寮申正月〈能〉上卯日〈能〉御杖仕奉〈氐〉進〈良牟止〉申給〈波久登〉申、勅曰置之、屬以上共稱唯、隨次相轉置案上、畢即退出、其杖曾波木二束、比比良木(○○○○)棗毛保許桃梅各六束、〈已上二株爲束〉燒椿十六束、皮椿四束、黒木八束、〈已上四株爲束〉中宮比比良木(○○○○)棗毛保許桃梅各二束、燒椿各五束、〈但奉儀見東宮式

〔紀伊續風土記〕

〈物産六上〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0632 枸骨〈本草、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001e28f.gif 日本紀比々良木、俗にヒラキ、即雄ヒラキ、〉 雌比良木(メヒラキ)〈葉邊尖刺なきものをいふ〉 雄比良木(ヲヒラキ)〈牟婁郡にてウシホツカウといふ、前條の雌ヒラギと同名にして、枸骨の屬にあらず、葉細長にして薄く邊に刺多し、然れども枸骨葉より軟なり、〉 右三種、各郡山中に多し、

〔歳時故實大概〕

〈十二月〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0632 一節分〈立春の節の前日なり〉今宵門戸に鰯のかしらと柊の枝を插て、邪氣を防ぐの表事とし、〈◯中略〉往古は鰯のかしらにも限らずと見えて、貫之が土佐日記に、小家の門の端出http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001ad68.gif 、鯔のかしら柊などヽ有、但シ柊さす事は、いかなる據にや考へ得ず、 ◯按ズルニ、節分ノ時、黄芩ノ枝ヲ門戸ニ插ス事ハ、歳時部節分篇ニ詳ナリ、參看スベシ、

女貞

〔新撰字鏡〕

〈女〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0632 女貞實〈比女豆波木(○○○○○)、又造木、〉

〔本草和名〕

〈十二木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0632 女貞、一名冬生、〈出釋藥〉一名索盧、〈出太清經〉一名山節、一名青員、〈巳上出兼名苑〉 和名美也都古歧(○○○○○)、一名多都乃歧(○○○○)、 ◯按ズルニ、美也都古岐、一名多都乃岐ハ、接骨木ノ和名ナリ、宜シク接骨木(ミヤツコギ)條ヲ參看スベシ、

〔倭名類聚抄〕

〈二十木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0633 女貞 拾遺本草云、女貞一名冬青、〈和名太豆乃木、楊氏漢語抄云、比女都波木、〉冬月青翠、故以名之、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈十木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0633 證類本草上品引陳藏器女貞、又於女貞條中冬青、蓋以女貞冬青相類並擧也、源君以爲一名誤也、〈◯中略〉本草和名云、女貞、和名美也都古歧、一名多都乃歧、又云、接骨木、和名美也都古歧、蓋輔仁不詳、併二木訓也、源君斷訓接骨木美夜都古歧、故單訓女貞太豆乃歧、然今俗呼接骨木木多豆、呼蒴藋草多豆、則太豆乃歧(○○○○)、即美夜都古歧之別名(○○○○○○○○○)、源君以美也都古歧、太豆乃歧、分爲二木者誤、〈◯中略〉證類本草引、故以名之、作故名冬青、郭注東山經楨木云、女貞也、葉冬不凋、

〔伊呂波字類抄〕

〈太殖物附殖物體〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0633 女楨〈タツノキ、ヒメツバキ、女貞、タツノキ、ニハウコギ、〉

〔壒囊抄〕

〈六〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0633 ツラ〳〵椿(ツバキ)トハ何ゾ 萬葉ニハ列居椿(レツキヨチン)ト書タレバ、生並タル椿ヲ云ニヤ、又本草女貞ト書テ、和名〈爾〉タツノ木、又ハツラツバキ(○○○○○)トヨメリ、若是ヲ指テ熱(ツラ〳〵)ノ義ニソエテ重子詞ニハ申セルニヤ、歌ニハ讀侍リ、 川浪ソ列居椿(ツラ〳〵ツバキ)ツラ〳〵ニ見レトモアカズコセノ春ノハコセノ山ツラ〳〵椿ツラ〳〵ニヲモフナワカセコセノ春ノヲ 此女貞(チヨテイ)ヲ押返テ熱(ツラ〳〵)ノ詞ニソフル歟、椿ハ赤キ花ナレバ、並木ノ花開タランハアカラ目モセズ、倩見ツベキニヤ、何レ共定メ難ク侍リ、

〔東雅〕

〈十六樹竹〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0633 女貞タツノキ〈◯中略〉 タツノキ、ヒメツバキ等の名をもて呼ぶ物ありもやすらむ、いまだ聞かず、或人の説に、即今モチノキといふもの、冬青木也、與女貞同名、又名凍青といひ、亦一説に女貞は子ズミモチ(○○○○○)といふ是也といふなり、救荒本草に、凍青樹高丈許、樹如狗骨樹、而樹茂盛、葉微窄而頭頗圓不尖、五月開細白花、結子如豆大紅色などいふ如きは、即今此にしてモチノキといふ ものとぞ見えける、さらば或人の説の如くにやあるらむ、モチとは其木の茂盛りなるをいひしなるべし、花の繁くさきぬるを、もりさくなど萬葉集の歌によみて、又茂の字讀てモチともいふ也、藻鹽草に黐木としるして、モチヰノキと讀みし歌を引きしは、此樹の事と見えたり、その黐の木としるせしは、此木の皮をもて黏黐となすをいふなるべし、黏黐をモチといふも、樹の名によれるにや、子ズミモチといふものは、倭名抄にば四聲字苑を引て、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001d6dc.gif 鼠梓木也、漢語抄に子ズミモチといふと見えたり、古と今と名は同じけれど、さしいふ所異なるも知るべからず、藻鹽草にhttp://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001d6dc.gif といふものヽ如きは未詳なりと、若水稻子は云ひたりき、

〔倭訓栞〕

〈中編二十一比〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0634 ひめつばき 新撰字鏡、和名抄に、女貞を訓ぜり、今てらつばき(○○○○○)、又やぶつばき(○○○○○)、又ねづみもちの木ともいへり、

〔大和本草〕

〈十一園木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0634 女貞(子ズミモチ) 一名冬青云、女貞檍(アハキ)ナヽミノ木、此三品皆冬青樹ト云、三品同名異物ニテ各別ノ物ナリ、本草綱目及李時珍食物本草註ヲ考ヘ見ルベシ、本草綱目灌木部、女貞一名冬青、別有冬青、與此同名、今案方書所用冬青、皆女貞子ズミモチ也、世ニ多シ、其木ニ蟲蠟アリ、イボタト云、蠟ニ作ル、白蠟ト云、

〔和漢三才圖會〕

〈八十四灌木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0634 女貞 貞木 冬青 蠟樹 和名太豆乃木 又云比女豆波木 俗云鼠乃久曾、又云狗都波木 又云鼠黐 按女貞木葉似海石榴而無鋸齒、故名姫海石榴、其子團長、初青熟正黒似鼠屎、鸜鵒喜食之、但葉長不二寸、其文理不于端、與他葉異也、而本草曰長四五寸者、和漢之異然乎、又造成白蠟者、未然乎否

〔重修本草綱目啓蒙〕

〈二十五灌木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0634 女貞 子ズミモチノキ(○○○○○○○)〈和名鈔〉 子ズモチノキ(○○○○○○)〈古歌〉 子ズミモチ(○○○○○)〈京〉 子ズミノモチ(○○○○○○)〈越前〉 子ズミノキ(○○○○○)〈備前備中〉 子ズミギ(○○○○)〈豫州〉 子ゾギ(○○○)〈阿州〉 子ズツチヤウ(○○○○○○)〈防州〉 子ズミチヤウ(○○○○○○)〈長州〉 テラツバキ(○○○○○)〈播州〉 ヤブツバキ(○○○○○)〈東國〉 タマツバキ(○○○○○)〈石見〉 カハツバキ(○○○○○)〈雲州〉 イヌツバキ(○○○○○)〈泉州〉 タニワタシ(○○○○○)〈肥前同名アリ〉 フユナリ(○○○○)〈讃州〉 一名女楨〈品字箋〉 庭際ニ多ク栽ヘ或ハ籬トス、葉ハ楊桐(サカキノ)葉ニ似テ兩對ス、厚クシテ光アリ、冬凋マズ、夏月枝梢ゴトニ四五寸ノ穗ヲ出シ、枝ヲ分チ白花ヲ開ク、大サ三分許リ、後圓實ヲ結ブ、鼠ノ矢(クソ)ノ形ノ如シ、熟シテ色黒シ、故ニ俗ニ子ヅミノフン〈京〉ト云、雲州ニテハ子ズミノコマクラト云フ、

〔紀伊續風土記〕

〈物産六上〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0635 女貞(ヤブツバキ)〈本草、和名抄比女都波木、俗に鼠モトノ木(○○○○○)といふ、古名のものに、前條の鼠李なり、牟婁郡にてウマトシ(○○○○)、本草和名醫心方並に美也都古岐、一名多都乃岐と訓ずるは誤なり、此二名は接骨木の和名なり、又和名抄に接骨木を美夜都古木と訓ず、此説是なれども、太豆乃木の訓を、女貞の下へ入るは誤なり、又新撰字鏡に、女貞を比女豆波木、又造木とあるも、二物を混ぜり、◯中略〉各郡山野に多し、

〔伊豆海島風土記〕

〈下産物〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0635 クサダミ(○○○○) 女貞(子ヅミモチ)ナルカ、夏花咲キ、實ハ九月ニ熟ス、此實ヲ絞ルニ清油タル、忽チ白蠟トナル、夫食急ナルトキハ、麥粉ニ交テ粮トス、常ニハ國ヱ出シテ穀ト交易ス、又コノ木ノ皮ヲ煎ジテ、島人ノ衣、魚網ナドヲ染ルニ赤色トナリ、最益アル木也、

〔夫木和歌抄〕

〈二十九ねずもち〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0635 ねずもち 民部卿爲家 かた山のをどろにまじるねずもちのひく人ありとたのむべきよか

玉椿

〔大和本草〕

〈十二雜木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0635 檀(タマツバキ)葉似http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 而大ナリ薄シ、秋冬ヲツ、花ハマユミノ如シ、木長大、是マユミノ別種カ、若水云、葉似黒槐(イヌエンジユ)而紅花、

〔地錦抄〕

〈五〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0635 玉つばき 葉もちのごとくにて丸し、色よし、

〔和漢三才圖會〕

〈八十四灌木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0635 冬青(まさき) 凍青 俗云末左木 言正青木略、俗用柾字又云、玉豆波木(○○○○)、〈◯中略〉 按、冬青其葉冬亦正青、光澤團長而不尖有輭鋸齒、夏開小白花、秋結子、生青熟紅、自裂中有白子、插枝易活、堪藩籬、長出翹楚、伐揃能茂盛、相傳云、用葉燒灰、酒服治金瘡及竹刺入肉者、但不知食其嫰芽、或用葉染緋色也、然乎否、

蔓荊

〔倭名類聚抄〕

〈二十木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0636 蔓荊 蘇敬本草注云、蔓荊一名小荊、〈和名波末波非(○○○○)〉

〔箋注倭名類聚抄〕

〈十木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0636 原書上品蔓荊實條云、小荊實亦等、蘇注云、此荊子、今人呼爲牡荊子者是也、其蔓荊子大、故呼牡荊子小荊子、實亦等者、其功用與蔓荊同也、是蘇敬辨蔓荊小荊不http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/7f000003ac4a.gif 同也、故本草和名、蔓荊實條、題小荊、引蘇敬注曰、此牡荊也、則蔓荊小荊不同明矣、疑源君見輔仁連書蔓荊實小荊、誤以爲一名、又以小荊下引蘇敬、再誤爲小荊出蘇注也並非是、〈◯中略〉王念孫曰、陶注云、小荊即應是牡荊、牡荊子大於蔓荊子、而反呼爲小荊、恐或以樹形言、陶之此説亦未敢決、而以牡荊子大於蔓荊、則得之目驗、非虚言也、蘇敬乃謂、子小而作樹者爲牡荊、以合小荊爲牡荊之説、子大而蔓生者爲蔓荊、以合蔓荊之名、其後本草諸家皆承用之、按藝文類聚引廣志云、赤莖大實者名曰牡荊、陶注牡荊、亦云、蔓荊子殊細、正如子麻小、色青黄、牡荊子如烏豆大、正圓黒、又陶氏登眞隱決云、天監三年、上將神仙飯、奉勅論牡荊、白荊花白多子、子麁大、歴々疏生、不三兩、此皆牡荊子、大於蔓荊之明證、蘇敬以爲牡荊子小、蔓荊子大者、舛矣、且蔓荊倘是蔓生則本草當草部、今乃列之木部上品、明非蔓生之物、本草木部有蜀椒、又有蔓椒、豈得蔓椒蔓生哉、蘇敬以蔓生者蔓荊、尤爲乖謬也、牡荊蔓荊皆樹生類甚相近、故牡荊亦得蔓荊也、牡荊實苦而華獨http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001b132.gif 、登眞隱決云、蜂多採牡荊、牡荊汁冷而http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001b132.gif 、又云、餘荊被燒則煙火氣、若牡荊、體慢汁實、煙火不其裏、蓋其性之堅固、有此者、又可履、藝文類聚引廣州記云、白荊堪履、是也、

〔本草綱目譯義〕

〈三十六灌木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0636 蔓荊 ハマハイ〈古名〉ハマカヅラ〈◯中略〉 京ニウヘテモ育ツ也、小木高サ五尺計叢生ス、年久キハ丈餘ニモナル、本ノ木ハ地ヲハウテアリ冬葉ナク春葉ヲ生ズ、枝ハ殘アリ、葉兩對丸シテ一寸ホドノ大サ表黒ミアリ、裏白毛少アリ香氣多シ、風吹バ香四方ヘ散ズルモノ也、夏秋ノ間新枝杪ニ花ツク美也、穗ニナリ、穗ニ枝アリ、花ハ牡荊ノ花ノ大ナル也、本ハツヽザキニシテ五ツ分レ、中ヨリシベ出ル瑠璃色也、花後實生ズ、二分餘 圓シ、熟スレバ胡椒ノ如シ、堅ヘタノ裏ニ白キ處アリ、實ハ黒ミ、ワレバ香ツヨシ、蒔テハヘル也、今藥ニスルハ此也、舶來ナシ、此皮ヲ線香マゼテ使也、此葉モトリ抹香ニスル也、夫故濱シキミト名ル也、日本ニ製スル下品ノ線香ハシモクレンノ皮也、シキミノ皮ト蔓荊ノ皮トデ造タル物也、

〔和漢三才圖會〕

〈八十四灌木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0637 蔓荊子 和名波末波非 匍於濱之義乎 本綱、蔓荊子、生水濱、高四五尺、對節生枝葉、類小楝(アフチ)、其枝小弱如蔓、至夏盛茂、〈◯中略〉 按、蔓荊子、形状如上説、但花黄色單瓣、頗似木槿花、與穗者不同、出於紀州者良、播州之産次之、

〔本草一家言〕

〈三〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0637 葛荊子 佐渡州方言濱香(ハマゴウ)、土人採葉搗爲末代抹香用、諸海濱砂地多産之、引蔓繁茂、葉形如胡椒、粒至輕虚、皮上有粉、攅簇一處而生、本草或云、葉似楝葉者、比欒華其實相似誤充之耳、非蔓荊子也、〈隨録〉

〔重修本草綱目啓蒙〕

〈二十五灌木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0637 蔓荊 ハマハヒ(○○○○)〈和名鈔〉 ハマシキミ(○○○○○) ハマカヅラ(○○○○○) ハマゴウ(○○○○)〈佐渡〉 ハマツバキ(○○○○○)〈同上〉 ホウ(○○)〈土州〉 ホウノキ(○○○○)〈同上〉 ハマボウ(○○○○)〈藝州、同名アリ、〉 ハマハギ(○○○○)〈雲州〉 一名陸續丸〈輟耕録〉 僧法實〈郷藥本草〉 海濱湖邊沙磧中ニ多ク叢生ス、遠ク望バ水楊(カハヤナギ)ノ如シ、高サ四五尺、其本ハ地上ニ延テ藤蔓ノ如シ、土ニ近ヅケバ皆鬚根ヲ生ズ、枝葉兩對ス、葉ノ形圓ニシテ大サ一二寸、面深緑色背ハ白色、風ヲ得テ翻白シ觀ツベク、芬香自ラ至ル、夏月枝梢ゴトニ莖ヲ抽スルコト五寸許、枝ヲ分チ花ヲ開ク、大サ五六分、本ハ筒瓣ニシテ、末ハ五出、深碧色美シ、後圓實ヲ結ブ、胡椒ヨリ大ナリ、熟スレバ黒色下ニ五瓣ノ蒂アリ白色、コノ子皮至テ厚シ、内ニ白仁アリ、是藥用ノ蔓荊子ナリ、此木及葉香氣多シ故ニ葉ヲ末シテ香トス、又木皮ノ未ヲ莽草(シキミ)葉ノ末、木蘭ノ皮ノ末ニ和シテ、下等ノ線香ニ作ル、

牡荊

〔倭名類聚抄〕

〈二十木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0637 荊 唐韻云、荊〈音京、漢語抄、奈末江乃木(○○○○○)、〉木名也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈十木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0637 廣韻同、王念孫曰、楚莖堅彊、故謂之荊、荊彊古聲相近、禹貢正義引李巡爾雅注 云、荊、彊也、

〔和漢三才圖會〕

〈八十四灌木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0638 牡荊 黄荊 小荊 楚 和名奈末江乃木〈◯中略〉 按、牡荊本朝古者有之今無、

〔重修本草綱目啓蒙〕

〈二十五灌木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0638 牡荊 ニンジンボク(○○○○○○) 一名土欒〈通雅〉 木欒〈夢溪筆談〉 鐵荊條〈盛京通志〉 人精〈外臺秘要實ノ名〉 金鍾花〈藥性要略大全七葉ノ者〉 モト和産ナシ、享保年中漢種渡リテヨリ世上ニ多シ、其木叢生ス、高サ丈餘、枝葉兩對ス、春新葉ヲ生ズ、三葉一蒂後五葉トナリ、參葉ノ形ノ如シ、故ニニンジンボクト名ク、一葉ノ形長ク尖リ鋸齒アリ、香薷葉ニ似タリ、淡緑色、初出ノ者ハ微紫色ヲ帶ブ、新枝ハ方ニシテ緑色、舊枝ハ圓ニシテ褐色ナリ、折レバ中ニ方心アリテ衆木ニ異ナリ、夏ニ入テ枝梢ゴトニ穗ヲナシ花ヲ著ク、枝多シテ長サ尺ニ近シ、花ハヒキヲコシノ花ニ似テウスフヂ色、後實ヲ結ブ、胡麻ノ大サニシテ圓ニ微長ス、熟スレバ黒色、方書ニ謂ユル黄荊子是ナリ、秋後葉枯レ落、春秋枝ヲ折テhttp://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019519.gif 插スレバ活シ易シ、コノ枝ヲ尺餘ノ長サニ切リ、兩http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/i000000000144.gif 上ニ架シ中間火ヲ以燒ク時ハ、兩頭ヨリ汁出ヲ器ヲ以テ承採ルヲ荊瀝ト云、竹瀝ト効ヲ同ス、熱多氣虚、不食者用竹瀝、寒多氣實、能食者用荊瀝ト發明ニ見ヘタリ、

頳桐

〔大和本草〕

〈十二花木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0638 赬桐(ヒギリ) 倭俗唐桐トモ云、本艸綱目海桐ノ集解ノ末ニ載タリ、高二三尺ニスギズ、夏紅花ヲ開ク、花繁多ニシテサカリ久シ、美ニシテ可愛、寒氣ヲオソル、冬初ヨリオヲヒヲ厚クスベシ、或秋ヨリ木幹ヲ切ルモ可也、來春苗生ジ、其年ノ夏花サク、

〔草木性譜〕

〈人〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0638 桐〈◯中略〉 又赬桐( /たうぎり)〈桐集解〉は南國の産にして寒を畏る、冬堀出し凍氣を避べし、春其木を伐て植れば即根を生ず、夏朱赤色の花を開く、形状附録に圖す、凡桐の一類甚だ強き者なり、此餘性の強き者あり、草木 の景天( /いきぐ)〈本草綱目〉其莖を採て日乾し、年を經てこれを栽れば復活す、馬齒莧〈同上〉は採て檐間に懸、日を經て枯萎せず、此二品莖に水銀を含が故なり、

〔重修本草綱目啓蒙〕

〈二十四喬木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0639 桐〈◯中略〉 集解、頳桐、 トウギリ(○○○○) ヒギリ(○○○) 此ノ木ハ、暖地ノ産ナル故、甚寒ヲ恐ル、因テ冬ハ窰(ムロ)ニ入ル、春ニ至リ、木ヲ數段ニ切リ栽ルモ生ジ易シ、高サ一二尺、葉兩對ス、形圓ニシテ末尖リ、邊ニ鋸齒アリ、大ナルモノハ一尺許リ、夏月莖梢ニ長穗ヲ出シ、枝ヲ分チ、多ク花ヲ開ク、臭梧桐(クサギノ)花ニ似テ、瓣蕚共ニ朱ノ如シ、秋ニ至ルマデ長ク開ク、故ニ百日紅〈癸辛雜識同名多シ〉ト云フ、

〔剪花翁傳〕

〈前編三五月開花〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0639 唐桐(とうきり) 花極緋、英攅簇て房をなせり、開花五月より飛咲して漸々咲出し、七月末迄あり、育方隨意なり、盆栽にして可也、

〔地錦抄附録〕

〈三〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0639 延寶年中渡品々 唐桐(タウギリ)〈今云緋桐(ヒギリ)

〔重修本草綱目啓蒙〕

〈十三毒草〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0639 常山〈◯中略〉 集解、頌曰、海州出者葉似楸葉、是海州常山(○○○○)ニシテクサギナリ、コノ木人家ニ多ク自生ス、高サ丈餘、枝葉繁茂ス、葉ハ圓ニシテ尖リ桐葉ノ如ニシテ小ナリ、兩對ス、斷レバ甚臭氣アリ、夏秋ノ間枝頂ニ花アリ、形頳桐(タウギリ)ノ花ニ異ナラズ、瓣ハ五ツニシテ白色、蕚ハ赤色、後ニ圓實ヲ結ブ、大サ南燭(ナンテンノ)子ノ如シ、生ハ緑色、熟ハ碧色、用テ縹(ハナダ)ヲ染ベシ、一名臭梧桐〈群芳譜〉百日紅、〈同上〉豫州ニテクジウト云、仙臺ニテトウノキト云、石州ニテクサギナト云、享保年中ニ蜀漆ノ種渡ル、本邦ノクサギニ異ナラズ、故ニ蜀漆ニハ海州常山ノ苗ヲ用ユベシ、

山茶科

〔倭訓栞〕

〈中編十九波〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0639 はたつもり(○○○○○) 令法をいふ、木の名也といへり、はたつもりとも云、遠州にぎやうぶ(○○○○)、播磨にれうぼ(○○○)といふ、民間葉をむして食の助とす、

〔大和本草〕

〈十二雜木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0640 山茶科(リヤウボフ/ハタツマリ) 救荒本艸ニノセタリ、和名レウボフト云、藻鹽草ニ令法(リヤウホフ)ハハタツマリト云木ノ事也、古歌多シトイヘリ、其葉ヨド川ツヾジニ似テ、葉ノサキトガル、木モ枝モヨド川ツヽジニ似テ高シ、凶年ニ飢民葉ヲトリ蒸テ食ス、京都ニモ飢歳ニハウル、又貧民ハ平時モ煮テ、飯ノ上ニヲキ、蒸テ飯ニマゼテ食ス味ヨシ、其葉六七葉、枝ノサキニ一所ニ圓ニ連生スル事ツヽジノ如シ、フシクロ(○○○○)ト云小木アリ、其葉ヲ取テ凶年ニ食ス、山茶科ト一類ニハ非ズ、山茶科救荒本艸曰、科條高四五尺、枝梗灰白色、葉似皂莢葉而團、又似槐葉亦團、四五葉攅生一處、葉甚稠密、味苦、採嫰葉煠熟、水淘洗淨、油鹽調食、亦可蒸晒乾做茶煮飮

〔和漢三才圖會〕

〈八十四灌木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0640 山茶科 俗云利也宇布(○○○○)、名義未詳、〈◯中略〉 按、山茶科、俗云料蒲是乎、生山野中、丹波多有之、高五七尺、木皮灰白色、密理、其葉似茶及櫻嫰葉而柔、有細鋸齒、五七葉攅生枝耑、形如單瓣菊花様、二三月小白花開於葉間、不實、四月摘嫰葉渫食、或和飯、或和豆醤、味甘、能治瀉痢、補脾胃、蓋出處與葉形小異耳、

〔新撰六帖〕

〈六〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0640 はたつもり 家良 里人やわか葉つむらんはたつもりとやまも今は春めきにけり 爲家 しられぬにかさなる山のはたつもりはたつもり行つみぞかなしき

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif

〔新撰字鏡〕

〈草〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0640http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 〈久己(○○)〉

〔本草和名〕

〈十二木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0640http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 〈蔣孝苑注云、根下洞黄其精靈多爲犬子、或爲小兒、〉一名http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 根、一名地骨、一名苟忌、〈楊玄操音起〉一名地輔、一名羊乳、一名却暑、一名仙人杖、一名西王母杖、〈已上本條〉一名天精、一名杶盧、一名却老、〈已上三名出抱朴子〉一名家紫、一名却景、一名天清〈已上四名出太清經〉一名http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/i000000000145.gif 、一名地http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000023.gif 、一名監木、一名地忌〈已上出兼名苑〉一名都吾〈華也〉一名去丹〈子也、已上出神仙服餌方〉和名奴美久須禰(○○○○○)、

〔倭名類聚抄〕

〈十二木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0641http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif  本草云、枸http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 〈苟起二音〉根下潤黄泉、其精靈多爲犬子、或爲小兒、〈和名沼美久須利(○○○○○)、俗音久古、〉抱朴子云、一名杔櫨、一名却老、〈杔櫨二音託盧〉

〔箋注倭名類聚抄〕

〈十木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0641 按本草和名引蔣孝苑注全同、蓋源君誤引、本草和名利作禰、〈◯中略〉原書僊藥篇云、象柴一名純盧、是也、或名僊人杖、或云西王母杖、或名天精、或名却老、或名地骨、或名http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 也、本草和名枸http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 條云、一名天精、一名杶盧、一名却老、已上三名出抱朴子、此云一名、與本草和名合、蓋源君從彼引之、而托櫨原書作純盧、本草和名作杶盧、然類聚名義抄作托、與此合、按集韻云、杶櫨、木名、音託、證類本草載崔禹錫引抱朴子、亦作杔盧、則作純作杶並誤、表記注、芑枸http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019bb6.gif 也、〈釋文枸本作苟〉左傳昭十二年注、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 世所謂枸http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 也、〈釋文枸本作狗、〉爾雅、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gifhttp://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019bb6.gif 、郭注、今枸http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 也、説文、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gifhttp://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 也、又云、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019bb6.gifhttp://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 也、毛詩小雅四牡云、集于苞http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 、傳、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gifhttp://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019bb6.gif 也、正義引義疏云、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 其樹如樗、一名苦http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 、春生可羹茹、微苦、大觀本草引陸機云、一名苦http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 、一名地骨、春生、作羹茹、微苦、其莖似苺、子秋熟正赤、圖經云、春生苗、葉如石榴葉、而軟薄堪食、俗呼爲甜菜、其莖幹高三五尺、作叢、六月七月生小紅紫花、隨便結紅實、形微長如http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019a0e.gif

〔類聚名義抄〕

〈三木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0641 杔櫨〈二音、託盧、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019ac0.gif http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 、一名下ハニシ、〉 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019ac0.gif http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 〈苟紀二音、ヌミクスリ、俗云クコ 下又似上又枸http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif

〔大和本草〕

〈十一藥木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0641http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif  倭漢二種アリ、二種共ニ用ユベシ、唐枸http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 最味厚、子ヲ藥ニ用ユルニヨシ、サシテモ子ヲウエテモヨク生ズ、韮ノ如ク連子ウフベシ、ウヘテ未長時刈取コト、韮ヲカルガ如クスベシ、如此スレバ春ヨリ秋マデ其苗タヘズ、葉ヲ生ニテモユビキテホシテモ食スベシ、和漢共ニ味ヨシ、茶ニカヘテ用ユ、本草ニ作飮代茶ト云ヘリ、地ニヨリテ苗長ジテハ虫食ス、早ク刈テ食ベシ、三才圖繪ニ好事ノ家ニ盆ニウヱテ、几案ノ間ノ玩トスト云、其實紅ニシテ愛スベシ、其子ヲ肥地ニウヘ、其枝ヲ正八九月ニサス、根皮ヲ地骨皮ト云、凡枸http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 子及葉其性佳、輕身益氣明眼目常服スベシ、明目ノ功スグレタリ、本草時珍發明可考、最良藥ナリ、本草綱目附方金髓膏枸http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 酒方可見、頌曰、枸http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 六七月生小紅紫花、隨便結紅實、形微長如http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019a0e.gif ト云ハ倭枸http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif ナリ、刺アリ、宗奭曰、此物 小刺多ク、大則刺少、倭枸http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 亦如此、時珍説ニ、地ニヨリテ其葉厚シ、甘州者其子圓ト云、是ハ唐枸http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif ニヨク合ヘリ、或曰、倭枸http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif ハ溲疏ナルベシト云ヘドモ、右ノ本草ノ説ニ據レバ、唐ノ枸http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif ニモ二種アリ、倭枸http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif モ亦眞枸http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif ナルベシ、皆可用、

〔本草綱目譯義〕

〈三十六灌木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0642http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 地骨皮 通名也 クコト云ハ品類多シ、市中ニアル者ハ、野ニ自然ノハ鬼クコト云モノ也、ヲランダグコ、アマクサクコトモ、是ハ刺多ク葉互生也、葉形イボタニ似テ長シ、初生ノ葉ハ食用ニシ、茶ノ代ニモスル、夏以後葉間ニ三四分ノトウガラシノ花ノ如形也、五瓣紫赤色茶後青巾實巾二分長三四分ホド熟シテ赤クナル、ワレバトウガラシノ如キ實多クアリ、此ヲトリ藥店ニ枸http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif ト云賣、味苦シ、下品也、總テ枸http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif ノ和名ヌミグスリト和名抄ニアリ、今ハ通名也、ヤブトウガラシ、〈阿州〉ヲニクコハ枸棘也、眞ノクコハ唐種計也、漢名甘州枸泥是也、トウクコト云也、形同シテ葉大ク刺少シ、實大ニシテ圓シ、ユスラムメノ如シ、赤シテ見事也、甘キ味アリ、苦ミナシ、又實長ジテ先細クナルアリ、長サ六分計ノトウガラシノ如クナルアリ、皆眞ノ枸http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 也、是ヲ藥用ニスルガヨシ、總テ此類ハ茂リ易シ、此根ノ皮ヲ使フ也、即地骨皮是ハ藥店ニアルハ和産計也、

〔和漢三才圖會〕

〈八十四灌木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0642http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 〈◯中略〉 和名沼美久須里 俗云久古〈◯中略〉 按、枸http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 〈苟起二音、俗云久古、〉地骨皮、豫州今治之産良、阿州次之、

〔本草一家言〕

〈三〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0642 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 〈三種〉 按詩經所詠稱http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 者三矣、蓋名同而物各異也、詩小雅南山有http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 、北山有李、朱子集注http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 樹如樗、一名狗骨此以http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif冬青之屬也、易始九五用http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif瓜、本義云、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 大高堅實之木云々、蓋以爲、九五高大堅實之陽、而防六二如瓜易漬之陰之義、而不高大堅實、是何等木、而予詳味其義、即爲高大堅實、乃狗骨樹而與詩小雅所詠者一物也彰々矣又按姤九五程傳http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 木高大而葉大、用以包瓜云々、予謂以其葉瓜者誤矣、蓋編其高大稍箱篋以包瓜、猶今之但州豐岡柳http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000024.gif 之製歟、程子 以地上美瓜在下之賢者、與朱本義其取義也甚相戻、故其解http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 亦殊矣、然則程子所指之http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 、即孟子云http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 柳桮圈之http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 、而今柜柳是也、和名瘤柳者也、又按、詩四月章、山有蕨薇、濕有http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019a0a.gif 、朱注云、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gifhttp://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019bb6.gif 也、是乃今之菜部枸http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 也、謂http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 三種者、宜處而致http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/7f000003ac4a.gif 辨矣〈圭録〉

〔重修本草綱目啓蒙〕

〈二十五灌木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0643http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 地骨皮 ヌミグスリ〈和名鈔〉 クコ〈同上〉 苗一名地仙苗〈救荒本草〉 地輔 杔盧〈共同上〉 鎭番草〈種杏仙方〉 三青蔓〈清異録〉 換骨菜〈同上〉 甜甜芽〈通雅〉 苦菜〈同上〉 甜菜頭〈事物紺珠〉 苟http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 菜〈典籍便覽〉 象柴〈抱朴子〉 純盧〈同上〉 普丸〈本草精義〉 子一名青精子〈事物異名〉 三尸籙〈藥譜〉 石蚊蚋〈保命歌括〉 靈http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001cee2.gif 〈名物法言〉 赤寶〈本草http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019f3e.gif 〉 甜菜子〈救荒本草〉 明眼草子〈寧波府志〉 雪壓珊瑚〈遵生八牋〉 根皮一名苫彌〈金光明經〉 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 根〈救荒本草〉 却暑〈事物異名〉 却老枝〈典籍便覽〉 仙杖〈本草http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019f3e.gif 〉 伏塵氈〈種杏仙方〉 地骨寇〈食物本草〉 地精〈醫學入門〉 金山茄根〈南寧府志〉 二種アリ、一種唐グコ(○○○)ハ葉大ニシテ刺少シ、實圓ニシテ大ナリ、紅熟シテ味甘シ、又微長ニシテ尖ル者アリ、並ニ眞ノ枸http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif ナリ、一種オニグコ(○○○○)、一名オランダグコ、アマクサグコ、ヤブトウガラシ、〈阿州〉アマゴシヤウ〈筑後〉今人家ニ多ク栽ユ、野ニ自生多シ、葉小ニシテ木ニ刺多シ、實ハ小ク長シテ味苦シ、藥舖ニ貯賣ル者皆コノ品ナリ、是枸棘ニシテ枸http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif ニ非ズ、地骨皮泉州堺ヨリ多ク出ス、僞物ナシ、

〔佐渡志〕

〈五物産〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0643http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif  通名クコ 刺多キヲ以テ籬トス、又五加アリ、和名ウコギ、方言ニハ子ヅミサシトイフ、

〔海西漫録〕

〈初編二〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0643http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 和物(クコノアヘモノ) あるいきすぎたる老婆、寺の和尚をよびて時をすヽめけるに、汁はよせ豆腐にきくらげ、平は椎茸長芋ゆばなどならん、つぼは枸http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif のあへものなりけるに、和尚につきて來れる弟子十一二なりけるが、汁平には手をつけずして、先つぼなるあへものうち喰、半にもなりぬと思ふころ、老婆 は是を見て、此御弟子様は、枸http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif のあへもの好物と見えたり、あへものは澤山に侍り、汁平はのこし給ふてよし、あへものめし給へ、いざかへてまゐらせんとて、つぼのかはりせんとするを、小僧はいなみて、よろしく候といひて辭退するを、老婆は無理につぼを取て、何御遠慮に及ばぬ事とて、あへもの山の如く盛て出しければ、小僧はしく〳〵泣出しけり、和尚咎て何故に泣ぞといふに、枸http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif のあへものはきらひにて候へ共、膳につきたるものは何もかも殘さぬやうにたべよと、平日和尚様にしかられ候故、いやなものからさきにたべかヽり候所、今またこのやうによそはれ候といひて泣けるとかや、

白桐

〔大和本草〕

〈十一園木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0644 白桐 此木切レバ早ク長ズ、故ニキリト云、桐ノ類多シ、梧桐ハ青ギリ(○○○)也、白桐ハツ子ノ桐ナリ、世ニ白桐ヲ多ク用テ器トス、良材ナリ、花淡紫アリ、白キアリ、實ハ桃ニ似テ内に薄片多シ、是ヲウフレバ生ズ、時珍云、其材輕虚、色白而有綺文、故俗謂之白桐、女子ノ初生ニ桐ノ子ヲウフレバ、嫁スル時其裝具ノ櫃材トナル、子(ミ)ヲウエ枝ヲサスベシ、早ク長ジャスシ、凡サシ木ハ實ウヘニシカズ、荏桐ハ油ギリ(○○○)也、海桐ハハリアリ、ハウダラ(○○○○)ト云、梓モ楸モ皆桐ノ類也、又犬キリ(○○○)ト云モノアリ、其木理朴(ホヽ)ノ木ノ如シ、コレ白楊ナリ、是モ器ニ作ルベシ、頳桐ハヒギリ(○○○)也、花紅ナリ、ケラノ木アリ、實紅ナリ、是皆一類ナリ、

〔和漢三才圖會〕

〈八十三喬木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0644 桐〈音同〉 白桐 黄桐 泡桐 椅桐 榮桐 白花桐 歧利乃木〈◯中略〉 按桐木作箏及箱櫃、輕而不蛀、以爲上品、性不黏堅、故不屋柱而已、最易長、有幼女家可之、當嫁之頃、則宜櫃板云云、凡桐子種者宜剪、孼早茂長、

〔草木性譜〕

〈人〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0644 桐 處々に多く植、水遠き地に宜し、春先を先にし、葉を後にす、其花筒をなし、紫色五瓣蒂茶褐色細毛有て哆羅絨(らしや)の如し、其葉濶大にして尺餘に及び、緑色毛茸有て粘滑、莖中虚なり、秋に至り蓓蕾を 生じ、其葉即墜、一説に此木を以て琴箏を造に、常に鐘磬の聲を聞者を用れば、其音清麗なりと云ふ、又此木を伐れば、氣條を生じ生長し易し、故に和訓義解に云、きりは切也と、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/7f0000651547.gif 插して活す、伐て數日を經るとも枯死せずして新葉を生ず、又其子壁土中に在ること、數十歳を經るとも必生理を失はずして、壁土水氣を得る時は、即生ず、其性歳時を知る者なり、秘傳花鏡云、清明後桐始華、桐不華歳必大寒と、

〔重修本草綱目啓蒙〕

〈二十四喬木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0645 桐 ヒトハグサ〈古歌〉 キリ 同木〈和方書〉 一名花桐〈http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/7f0000651480.gif 雅〉 白鐵樹〈事物紺珠〉 榮榔〈同上〉 小義〈清異録〉 コノ木種生ハ、長ズルコト遲シ、切ル時ハ早ク長ズ、故ニキリト名ク、白花桐、紫花桐ノ別アリ、共ニ花ヲ先ニシ葉ヲ後ニス、集解ニ、冬結子者ト云ハ、冬ヨリ蕾ノ出ルヲ云、二三月ニ至リ花ヲ開ク、形胡麻ノ花ノ如シテ大ニ、長サ一寸餘、長穗ヲナス、色ニ紫白ノ別アリ、花後實ヲ結ブ、黄蜀葵實(トロヽノ)實ノ如ニシテ、小扁ニシテ尖アリ、長サ一寸餘、内ニ扁薄小子多シ、下シテ生ジ易シ、花衰ル時新葉ヲ生ズ、大ナル者ハ一尺餘、兩對ス、木ハ用テ箱案ノ類ニ作ル、俗説ニ、女子ヲ生ルニ桐ヲ栽ユレバ、嫁時ニハ大木トナリ、器物ニ作ルベシト云、桐ヲ栽ユルコトヲ忌マズ、唐山ニテハ栽ユルコトヲ忌ム、事林廣記俗云桐大則不主屢驗ト云、又廣東新語楝ノ條ニ、村落間凡生女必多植之、以爲嫁時器物ト云、本邦ニテハ、楝ハ刑ニ用ユル故、家ニ栽ユルコトヲ忌ム、是和漢ノ異ナリ、

〔増訂豆州志稿〕

〈七土産〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0645 桐 増、各地ヨリ産出ス、白桐、紫桐ノ二種アリ、共ニ器具ヲ作ル良材ナリ、

〔林政八書〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0645 山奉行所公事帳〈◯中略〉 一桐木之實熟之時分、撿者、山奉行、筆者相合、員數不洩様取占め帳當座引合、九月中限、錢藏へ寄せ、代錢差替可賣上事、

〔枕草子〕

〈三〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0645 木の花は 桐の花むらさきにさきたるはなをおかしきを、葉のひろごりさまうたてあれども、又こと木どもとひとしういふべきにあらず、もろこしにこと〴〵しき名つきたる鳥のこれにしもすむらん心ことなり、ましてことにつくりてさま〴〵なるねの出くるなどおかしとは、よのつねにいふべくやはある、いみじうこうはめでたけれ、

紫葳

〔本草和名〕

〈十三木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0646 紫葳〈仁諝音威〉一名陵苕、〈仁諝音條〉一名http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001f063.gif 華、〈仁諝音補末反〉一名陵霄、一名苕、一名陵時、〈已上三名出蘇敬注〉一名武威、一名瞿麥、一名陵居腹、一名鬼目、一名及華、〈已上五名出釋藥性〉一名瞿麥根、〈出雜要訣〉華名槀、〈出釋藥〉和名乃宇世宇(○○○○)、一名末加也岐(○○○○)、

〔倭名類聚抄〕

〈二十木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0646 陵苕 本草云、紫葳、一名陵苕、〈葳音威、苕音條、和名末加夜木、一云農世宇、〉蘇敬注云、一名凌霄、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈十木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0646 證類本草引云、此即凌霄花、又云、又名凌霄、本草和名云、一名凌霄、出蘇敬注、按李時珍云、附木而上、高數丈、故云凌霄、則凌即凌越之義、呂氏春秋論威篇云、雖江河之險之、注、凌越也、東京賦云、凌天地、薛注、凌升也、禮記樂記篇云、五者皆http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/7f00006507ed.gif 、迭相陵、正義云、陵越也、後漢書周黄徐姜申屠傳注云、陵升也、西京賦云、陵重巘、薛注、陵猶升也、是凌陵並訓越也升也、則作陵作凌兩通、然説文云、陵大阜也、凌http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001819a.gif 出也、夌越也、三字不同、則越升之字作陵作凌、並假借也、

〔多識編〕

〈二蔓草〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0646 紫葳、和名乃宇世牟、按乃宇世牟加豆羅、

〔重修本草綱目啓蒙〕

〈十四蔓草〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0646 紫葳 ノセウ(○○○)〈和名抄〉 マカヤキ(○○○○)〈同上〉 ノウゼンカヅラ(○○○○○○○) 一名陵霄〈通志略〉 寄生花〈名物法言〉 靈霄花〈本經逢原〉 傍墻花〈典籍便覽〉 紫藤〈松江府志〉 凌苕木〈藥性奇方〉 勢客〈事物紺珠〉 菱霄花〈外科百效全書〉 菱華〈群芳譜〉 人家ニ栽ユ、山野ニモ自生アリ、藤蔓繁茂シ、木ニ纒ヒ高ク登ル、故ニ凌霄ト云フ、年久キモノハ蔓大ニシテ紫藤ノ如シ、多ク木ヲ枯ス、春新葉ヲ生ジ兩對ス、形チ紫藤葉ノ如ニシテ、粗キ鋸齒アリ、深緑色、六七月一尺許ノ枝ヲ出シ、兩對シテ花ヲ開ク、形牽牛花ノ如シ、本ハ筒子ニシテ末ニ圓瓣 五出ニシテ、剪夏羅(ガンビ)ノ花ノ如シ、大サ一寸餘、内ハ赭黄色、外ハ淡黄色蘂ノ色モ同ジ、後小莢ヲ結ブ、長サ二寸許ニシテ扁シ、冬ニ至テ葉枯落ツ、

〔剪花翁傳〕

〈前編三六月開花〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0647 凌霄花(のふせんかづら) 花の色外葩黄中葩赤し、形萓艸に似て尚少し、開花六月下旬より七月中旬迄花あり、方地土肥えらばず、分株春秋兩彼岸よし、

〔倭名類聚抄〕

〈二十木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0647 梓 孫愐切韻云、梓〈音子、和名阿豆佐(○○○)〉、木名、楸之屬也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈十木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0647 按毛詩、椅桐梓漆、爾雅、椅、梓、説文、梓楸也、楸梓也、互相訓、詩正義引舍人曰、梓一名椅、郭曰、即楸、然毛傳、椅梓屬、陸璣曰、楸之疏理白色而生子者爲梓、梓實桐皮曰椅、齊民要術元楸椅二木相類、白色有角者名爲梓、似楸有角者名爲角楸、或名子楸、黄色無子者爲柳楸、南山經、虖勺之山多梓枏、注梓山楸也、

〔和漢三才圖會〕

〈八十三喬木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0647 梓〈音子〉 木王 實名豫章〈南樟亦名豫章此同名、〉 和名阿豆佐 本綱、梓宮寺人家園亭亦多植之、爲百木長、屋室有此木、則餘材皆不震、其爲木王知、其木似桐而葉小、花紫生角、其角細長如箸、其長近尺、冬後葉落而角猶在樹、其實名豫章、其花葉飼豬能肥大、 有三種、木理白者爲梓、赤者爲楸、梓之美文者爲椅、小者爲榎、 按、梓桐之屬、其花深黄色、古者彫此木書版、故有繡梓鍥梓之名、倭版多用櫻木

〔本草一家言〕

〈三〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0647 梓楸 梓和名阿都佐、又名阿加米加之和、或御菜(ヅサイ)葉、或御志耶葉、伊賀郷名銚子木者、是也、楸和名比佐木、又名木豇豆、奧州仙臺郷名雷電桐者是也、按本草梓楸相混、解者不一、今依稻若水所http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/7f000003ac4a.gif 辨、拆而分別焉、梓有木王之稱、以爲木之上等、猶我邦貴檜爲良材、故周禮梓人、我邦檜工、異域同談、一雙之美材也、其木膚理細膩、白色、秋後生子不莢、楸歳時記、南方俗、兒女子七月栽楸葉以祝秋至楸結筴、條直如線、故有楸線之稱、楸之結筴尤可據焉、梓無筴、故未梓線、楸木理粗、色黄也、而本草以皮之精粗梓楸、或以筴者梓、皆誤、不深考之過也、 按、詩鄘風定之方中椅桐梓漆云々、 椅即楸也、正字通椅條詳辨之、

〔重修本草綱目啓蒙〕

〈二十四喬木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0648 梓 アヅサ(○○○)〈和名抄〉 アカメガシハ(○○○○○○)〈京〉 アカヾシハ(○○○○○) ゴサイバ(○○○○)〈播州〉 アカゴサイバ(○○○○○○)〈筑前〉 シハギ(○○○)〈阿州〉 カハラシバ(○○○○○)〈阿州〉 カハラガシ(○○○○○)〈豫州〉 テウシノキ(○○○○○)〈江州〉 アカベ(○○○)〈同上〉 メコロビ(○○○○)〈若州〉 カヅ(○○)〈播州〉 ゴシヤバ(○○○○)〈城州白川〉 アカヽヂ(○○○○)〈同上加茂〉 カイバ(○○○)〈長州〉 タヅハ(○○○)〈泉州〉 サイモリバ(○○○○○)〈越中〉 カハラガシハ(○○○○○○)〈土州〉 梓又http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019b09.gif ニ作ル、説文ニ出ヅ、山野ニ自生多シ、大ナル者ハ高サ二丈餘、葉ハ三尖ニシテ鋸齒アリ、大サ三四寸、莖赤ク互生ス、其嫰芽甚赤シテ藜芽ノ如シ、漸ク長ズレバ漸ク緑色ニ變ズ、故ニアカメガシハト呼ブ、夏月枝梢ゴトニ黄白色ノ花簇リ、穗ヲナシテ開ク、後實ヲ結ブ、大サ二三分、外ニ軟刺多シ、秋ニ至テ熟シ自ラ開ク、内ニ黒子アリ、椒目ノ如シ、霜後葉枯ル、梓楸ノ名古ヨリ混淆ス、時珍ノ説モ分明ナラズ、秘傳花鏡ニ梓ノ形状ヲ書スルモ楸ノコトナリ、故ニ大和本草ニモ梓ヲキサヾギトス、皆非ナリ、通志略ニ、梓與楸自異、生子不角ト云、是梓ハ圓實ヲ生ジ、長筴ヲ生ゼザルヲ云、コノ文甚明ナリ、宜シク從フベシ、 凡ソ序文ニ上梓ト云ハ上木ノ意ナリ、梓ニ木王ノ一名アル故ニ、木工ヲ梓人ト云、棺ヲ梓官ト云ノ例ナリ、唐山ニテハ梨棗ヲ板材トス、故ニ上梨棗ト云、梨ト棗ト二物ナリ、梨棗ト熟スル時ハ枳http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001e06a.gif (ケンホナシ)ナリ、 増、蘭山翁通志略ノ説ニ據テ、梓ヲアカメガシハトシ、楸ヲキサヽギトス、然レドモ齊民要術ニハ、白色有角者爲梓ト云ヘリ、角ハ莢ナリ、是レキサヽギヲ指ス、即チ正説ナリ、又時珍ノ説ヲ分明ナラズトシ、且秘傳花鏡ニ梓ノ形状ヲ書スルモ、楸ノコトナリ、故ニ大和本草ニ、梓ヲキサヽギトス、皆非ナリト云ハ大ナル誤ナリ、已ニ時珍ノ説ニ、木理白者爲梓、赤者爲楸ト云、ソノ白者爲梓ト云フハ、即キサヽギニシテ、和名抄ノアヅサ是ナリ、又赤者爲楸ト云ハ、即アカメガシハニシテ、和名 抄ノヒサギ是ナリ、楸ノ條ニモ楸即梓之赤者ト云ヘリ、然ル時ハ時珍ノ説ハ分明ニシテ、蘭山翁ノ説分明ナラザルナリ、秘傳花鏡ニ梓ヲ説クコト尤明ナリ、曰、梓一名木王、林中有梓樹、諸木皆内拱葉、似梧桐、差小而無岐、春開紫白花、如帽極、其爛慢生莢、細如箸、長尺許、冬底葉落莢猶在樹ト云ヘリ、故ニ和刻ノ花鏡ニハキサヽギト訓ズ、然ル時ハ大和本草ノ誤ニハ非ズ、又埤雅ニ、梓爲百木長、故呼梓爲木王、羅願ガ爾雅翼ニ、室屋之間有此木、則餘木皆不震ト云文ニ小異アレドモ、釋名ニモコレヲ引ケリ、震トハ雷ノ落ルコトナリ、左傳僖公十五年ノ杜註ニ、震者雷電擊之ト云是ナリ、國俗キサヽギヲライデンギリ、又カミナリサヽゲト呼テ、庭際ニ栽テ雷ノ難ヲ避ルト云ニ暗合ス、余、〈◯梯謙〉斷然トシテ梓ヲキサヽギトシ、楸ヲアカメガシハトス、後學舊説ニ泥ムベカラズ、 集解、椅ハイヽギリナリ、桐ノ類ニシテ高ク聳ユ、葉ノ形アカメガシハノ葉ニ似テ微シ圓ク、末尖ル、葉ノ莖赤シ、夏月枝梢ニ穗ニ成テ黄白色ノ花ヲ生ズ、花謝シテ後圓實ヲ結ブ、南燭ノ實ヨリ大ニシテ連房長ク下垂ス、秋月落葉ノ後熟シテ深紅色、冬ニ至テ猶樹上ニ在リ甚ダ觀美ナリ、實ノ内ニ芥子ノ大サナル黒子アリ、大和本草ニケラノ木ト云是ナリ、

〔倭名類聚抄〕

〈二十木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0649 楸 唐韻云、楸〈音秋、漢語抄云、比佐木(○○○)、〉木名也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈十木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0649 爾雅、槐小葉曰榎、大而http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001a6b4.gif 楸、郭云、槐當楸、老乃皮麁http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001a6b4.gif 者爲楸、〈◯中略〉廣韻同、説文、楸梓也、

〔爾雅註疏〕

〈九釋木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0649 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001f265.gif 山榎、註、今之山楸、〈http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001f265.gif 音叨、榎音賈、〉疏〈李巡云、山榎一名http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001f265.gif 、郭云、今之山楸、秦風云、終南何有有條有梅、陸機疏云、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001f265.gif 今山楸也、亦如下田楸耳、皮葉、白色亦白材理好宜車板、能濕、又可棺木、宜陽共北山多有之也、〉

〔倭訓栞〕

〈中編二十一比〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0649 ひさぎ 和名抄に楸をよめり、万葉集に久木と書り、久しきに堪る義なりといへり、俗にあかめかしはといふ、赤芽柏の義なり、伊勢の俗あかべの木といへり、禁中にて七夕に用ひさせらるヽをもて、御菜葉とも菜盛柏ともいふ、李時珍説に、唐の立秋日、京師賣楸葉、婦女 兒童剪花戴之、取秋意地といへるが如し、

〔萬葉集〕

〈六雜歌〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0650 山部宿禰赤人作歌二首并短歌〈◯中略〉 烏玉之(ヌバタマノ)、夜乃深去者(ヨノフケユケバ)、久木生留(ヒサキオフル)、清河原爾(キヨキカハラニ)、知鳥數鳴(チドリシバナク)、

〔萬葉集〕

〈十一古今相聞往來歌〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0650物陳思 浪間從(ナミマヨリ)、所見小島之(ミユルコジマノ)、濱久木(ハマヒサキ)、久成奴(ヒサシクナリヌ)、君爾不相四手(キミニアハズシテ)、

〔萬葉集略解〕

〈十一下〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0650 ひさ木は和名抄楸〈比佐木〉と有て、赤めがしはといふもの也といへり、されどそれは桐梓などの類にて、潮風に堪て島などに生べくもあらぬ物也、同じ名にて濱久木は異木にや、後に濱びさしとせるは誤也、上は久しくといはん序のみ、

〔夫木和歌抄〕

〈二十九楸〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0650 千五百番歌合 從二位家隆卿 ひさ木おふるさほの河原に立千鳥空さへきよき月になく也

〔大和本草〕

〈十二雜木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0650 楸樹(ヒサギ/カシハ) 救荒本艸曰、樹甚高大、其木可琴瑟、葉類梧桐葉而薄小、葉稍作三角尖叉、開白花味甘、篤信曰、楸樹山林村落處々有之、ヒサキト云、又カシハトモ云、其葉ハ桐葉ニ似、又梓ニ似タリ、苗及葉ノ莖葉ノ筋赤シ、故ニ赤目柏ト云、葉ノ末三處尖角アリ、皆本艸ニ云ガ如シ、梓ノ實ハ豇豆ノ如ク長莢アリ、楸ノ實ハ長莢ナシ、

〔大和本草〕

〈十一園木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0650 ケラノ木 桐ニ似タル喬木也、アカメガシハノ葉ニ似テ少厚シ、又葉ハ薯http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/i000000000032.gif ニ似テ末尖リ、又梧桐ニ似タリ、大サモ同ジ、葉ノ莖紅シ、實ハ南天燭ヨリモ大ナリ、冬熟シテ赤シ、一フサニミノル事、南天燭ヨリ多クシテ、其連房大ニ長シ、實ノ内ニ芥子(カラシ)ホドナル黒キ細子多シ、桐ノ類ナリ、又梓ニモ似タリ、本草梓ノ集解曰、又一種鼠梓、一名http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/i000000000148.gif 、亦楸屬也、ケラノ木モ此類ナルベシ、

〔和漢三才圖會〕

〈八十三喬木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0650 楸〈音秋〉 楸 和名比佐木 本綱、楸即梓之木赤者也、有行列、莖幹直聳可愛、至上垂條如線、謂之楸線、其木濕時脆、燥則堅良材也、宜棋枰、其葉大而早脱故謂之楸、唐時立秋日、京師賣楸葉、婦女兒童剪花戴之、取秋意也、擣楸葉瘡腫、煮湯洗膿血、冬取乾葉之、 農政全書云、楸山谷中多有之、甚高大、其木可琴瑟、葉類梧桐葉而薄、小葉稍作三角尖叉、開白花味甘、

〔重修本草綱目啓蒙〕

〈二十四喬木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0651 楸 ヒサギ(○○○)〈和名鈔〉 キモミヂ(○○○○)〈古歌〉 キサヽギ(○○○○) 雷電ギリ(○○○○)〈京〉 ハブテコブラ(○○○○○○) カブテコブラ(○○○○○○) カミナリサヽゲ(○○○○○○○)〈越後〉 カハラサヽゲ(○○○○○○)〈濃州〉 カハラギリ(○○○○○)〈常州〉 カハラヒサギ(○○○○○○)〈筑前〉 カハラクサギナ(○○○○○○○)〈石見〉 カハラカシハ(○○○○○○)〈勢州〉 センダンギリ(○○○○○○)〈南部〉 ゴシンカウ(○○○○○)〈肥前〉 ダラスケノキ(○○○○○○)〈讃州〉 將軍ボク(○○○○)〈筑後〉 一名線〈群芳譜〉 楸又橚ニ作ル、通雅ニ出ヅ、又萩ニ作ル、〈同上〉楸ハ梓ト形状異ナリ、樹直聳シテ上ニ枝條ヲ分ツ、枝葉共ニ兩對ス、春新葉ヲ生ズル時紫黒色、莖モ同色、長ズレバ、緑色ニ變ズ、形桐葉ニ似テ、五尖ニシテ鋸齒ナシ、大サ六七寸ヨリ一尺ニ至ル、夏月枝梢ニ穗ヲナシ花ヲ開ク、穗長サ一尺許、花ハ胡麻花ノ如ク、淺黄色ニシテ紫點アリ、後圓莢ヲ結ブ、濶サ二分餘、長サ一尺餘、多ク下垂シテ裙帶豆(ジウハチサヽゲ)ノ如シ、故ニキサヽゲト呼ブ、秋ニ至リ葉落テ、莢ナヲ樹ニアリ、春中皮自ラ裂テ子出ヅ、子ニ絮アリ、絡石絮(テイカヽヅラ)ノ如シ、風ニ隨テ飛ビ、落テ生ジ易シ、 増、キサヽギヲ楸ニ充ツル誤ナリ、楸ハアカメガシハナリ、詳ニ梓ノ條ニ見ヘタリ、

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/i000000000148.gif

〔倭名類聚抄〕

〈二十木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0651 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/i000000000148.gif  四聲字苑云、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/i000000000148.gif 〈音臾、漢語抄云、禰須三毛知乃木(○○○○○○○)、〉鼠梓木也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈十木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0651 按毛詩、北山有http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/i000000000148.gif 爾雅云、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/i000000000148.gif 鼠梓、説文、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/i000000000148.gif 鼠梓木、四聲字苑蓋本於此、爾雅注、郭璞云、楸屬也、今江東有虎梓南山有http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/i000000000148.gif 、陸疏、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/i000000000148.gif 梓屬、今人謂之苦楸、今永昌又謂鼠梓、漢人謂http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/i000000000148.gif 、陸機疏云、其樹葉木理如楸、山楸之異者、今人謂之苦椒、郝懿行云、陸云、山楸之異者、異http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001f265.gif 山榎也、今 一種、楸大葉如桐葉而黒、山中人謂之檟楸、即郭所謂虎梓、 ◯按ズルニ、禰須三毛知乃木ハ女貞ナラン、宜シク女貞條ヲ參看スベシ、

〔倭名類聚抄〕

〈二十木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0652 檍 説文云、檍〈音億、日本紀私記云、阿波木(○○○)、今案又橿木一名也、見爾雅注、〉梓之屬也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈十木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0652 按、爾雅不橿有注字是、郭注爾雅、杻檍一名土橿、按、西山經、英山多杻橿、郭注、云々又爲杻橿http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/7f000003ac4d.gif 同、與此所http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/7f000003ac4a.gif 言異、所引蓋舊注、抑源君所見郭注脱土字、又按一名土橿者、訓杻之檍、非梓屬之http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/i000000000149.gif 、〈◯中略〉原書木部云、檍杶也、按爾雅云、杻、檍、則杶當杻、蓋篆書形似而訛也、原書又云、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/i000000000149.gif 樟屬、大者可棺槨、小者可弓材、二字不同、此當http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/i000000000149.gif 、而http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/i000000000149.gif 苢隷作薏苡http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000025.gif檍、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/i000000000149.gif http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001d09f.gif 並作億、故http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/i000000000149.gif 亦作檍、遂與杻檍字混無別、又考工記云、弓人爲弓、凡取幹之道、柘爲上檍次之、據説文、當http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/i000000000149.gif、然鄭注引爾雅曰、杻、檍、毛詩正義引陸璣疏云、杻或謂之檍、材可弓弩幹也、則以杻檍梓屬http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/i000000000149.gif 一、段玉裁曰、杻檍即説文http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/i000000000149.gif 字、經典皆作檍、説文別有檍字者、蓋淺人謂不檍字而増之、非許氏之原文

〔和漢三才圖會〕

〈八十三喬木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0652 檍〈音益〉 萬年樹 和名阿波木 説文云、檍梓之屬、二月花白子似杏、葉亦似杏而尖白色、皮正赤、其理多曲少直、材可弓弩幹

〔古事記〕

〈上〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0652 伊邪那岐大神詔、〈◯中略〉故吾者爲御身之禊而、到坐竺紫日向之橘小門之阿波岐〈此三字以音〉原而禊祓也、

〔古事記傳〕

〈六〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0652 阿波岐原(アハギハラ)〈岐を濁るべし、清はわろし、また之(ガ)と添て訓もわろし、〉書紀に檍原とかきて、檍此云阿波岐とあり、和名抄に、説文云、檍梓之屬也、日本紀私記云阿波木、今按又橿木一名也、見爾雅注とあれば、此樹は今世に阿乎木(アヲキ)と云物にはあらじ、なほよく尋ぬべし、〈http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001e28f.gif 古今集なる卜部兼直が歌に、あをきがはらとあり、されどこれも古本には、あはきがはらとぞある、〉さて是も地名にはあらで、松原檜原柳原柞原などの類にて、たヾ此木の多く生たる地を云るなるべし、

梔子

〔新撰字鏡〕

〈木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0653 枙〈之移反、平、染也、久知奈志(○○○○)、〉 支子〈久知奈之〉

〔本草和名〕

〈十三木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0653 枝子、一名木丹、一名越桃、〈本條〉一名慈母、〈出神仙服餌方〉和名久知奈之、

〔倭名類聚抄〕

〈十四染色具〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0653 梔子 唐韻云、梔〈音支〉子木實可黄色者也、今按醫家書等用支子二字、〈和名久知奈之〉

〔箋注倭名類聚抄〕

〈六染色具〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0653 按今所傳漢唐諸醫書皆作梔子、而醫心方引之皆作支子、蓋彼所據皇國古傳本與源君所http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/7f000003ac4a.gif 見同、又史漢司馬相如傳注、謝靈運山居賦自注、太平御覽引呉普本草、並作支子、天武十年紀、新撰字鏡、大膳職式目、皆同、〈◯中略〉本草和名、新撰字鏡同訓、廣韻無色者也三字、説文、梔黄木可染者、今本説文梔作桅誤、陶弘景曰、以七稜者良、經霜乃取之、今皆入染用、圖經云、梔子木高七八尺、葉似李而厚http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001a849.gif 、又似樗蒲子、二三月生白花、花皆六出、甚芬香、俗説、即西域詹匐也、夏秋結實如訶子状、生青熟黄、中仁深紅、時珍曰、巵子葉如兎耳、厚而深緑、春榮秋瘁、入夏開花、大如酒盃、白辨黄蘂、隨即結實、薄皮細子有鬚、充久知奈之允、

〔類聚名義抄〕

〈三木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0653 桅梔〈音支クチナシ〉

〔日本釋名〕

〈下木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0653 梔(クチナシ) 木の實のから有て、其内に子をつヽむものは、熟して後、必口を開く、くり、しゐ、ざくろ、つばきなど皆しかり、此物から有て、熟しても口ひらかず、故に名づく、

〔安齋隨筆〕

〈前編八〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0653 梔(クチナシ)字ハジト訓 日本紀ニ天梔弓ヲアマノハジユミト訓ゼリ、梔字クチナシ也、ハジトヨムハ正訓ニアラズ、義訓也、〈◯中略〉又和名抄染色具ニ、梔字和名久知奈之(クチナシ)トアリ、梔モ櫨モ黄色ヲ染ル具ナルユヘ、ハヂ弓ニ梔ノ字ヲ借リ用ルナルベシ、舍人親王ノ比、ハジニ櫨ノ字ヲ用ル事イマダ詳カナラザリシ故、黄染ノ義ヲ取テ、梔ノ字ヲ借用セラレシニヤ、梔木ハ弓材ニ非ズ、櫨ハ弓材也、今モ弓ノ側(ソバ)木ニ用之、古ハ丸木弓也、

〔大和本草〕

〈十一藥木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0653 梔 木艸此花皆六出、甚芬香、史記貨殖傳云、巵茜千樹、與千戸侯等、言利博也、枝ヲ切テ陰地ニサセバヨク活ク、正月及梅雨ノ時ヨシ、又實ヲマクベシ、長ジヤスシ、コレヲ並木ニウ フベシ、花早クサキ實ナル、愛スベシ、又民用ニ利アリ、和名クチナシト名ヅケシハ、他果ハカラアル物皆口ヲヒラク、梔子ハ、カラアレドモ口ナシ、故ニ名ヅク、家園及里巷ニウフル者ハ藥ニ勿用、只染色ニ用ユ、藥ニハ在山者可用、故山梔子ト云、黒炒ニシテ末シ酒ニテ服、熱心痛及鼻衂ヲ止ム、又千葉ノ小梔アリ、木梔子ト云、花木ニ著ハス、

〔和漢三才圖會〕

〈八十四灌木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0654 山梔子(さんしヽ) 按梔子葉似茶葉、花單者結子、出於播州三木郡者良、和州山州次之、千葉者名玉樓春而不子、葉似番椒葉而厚甚光澤、或抽一莖大葉茶葉、此一本而異葉者也、植庭院人要均刈不http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/7f000003ac4a.gif 長也、福建矮梔之種矣、

〔本草辨疑〕

〈四木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0654 梔子(シシ) 藥家ニ色ヨシ、山巵子藥山巵子ト云二品アリ、色吉ト云ハ新ニ色不損シテ、染家ニ用ル上品ナリ、藥山梔子ト云フハ、古ク色損ジテ染家ニ不用、下品ノ者ヲ服藥ニ充ツ、是ノミニ非ズ、紅花モ色ヨキ新ヲ染家ニ用ヒ、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001d25b.gif ヒテ色惡ヲ藥ニ用ユ、二ツ共ニ染家ニ用ルハ價高ク、色損ジタルハ價下キ故ナリ、身ヲカザル者ニハ擇テ上品ヲ用ヒ、治病延年ノ爲ニスル者ニハ可擇、捨モノヲ採用ユ、花麗ヲ重ジ身命ヲ輕ンズルコト、眞ニ愚ノ甚哉、 新シテ色不黒、七稜ヨリ九稜ニ至ル者ヲ可用、七稜九稜ノ者甚希也、

〔重修本草綱目啓蒙〕

〈二十五灌木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0654 巵子 クチナシ〈和名抄〉 一名染梔子花〈群芳譜〉 大巵子〈本草原始〉 色梔〈同上〉 肥梔〈本經逢原〉 黄梔花〈寧波府志〉 玉http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001a485.gif 〈事物紺珠〉 白玉花〈名花譜〉 伏巵子〈本草http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001922c.gif 言〉 山巵子一名黄香影子〈輟耕録〉 建梔〈本經逢原〉 楮桃〈品字箋〉 芝止〈採取月令〉 枝子〈保赤全書〉 山枝仁〈幼科發揮〉 人家ニ多ク栽テ花ヲ賞シ、又籬ニ作ル、高サ丈許、葉形長シテ末濶ク、厚http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001a849.gif 深緑色、枝葉對生ス、初夏花ヲ開ク、白色六瓣ニシテ厚ク香氣アリ、内ニ黄蘗アリ、後實ヲ結ブ、形榧子ノ如ニシテ長大ナリ、 竪ニ稜アリテ高ク出、七稜ヨリ九稜ニ至ルヲ上トスト云、六稜ノ者多シ、生ハ緑色、熟スレバ黄ナリ、外皮薄シテ内ニ紅肉及白子アリ、採テ染家ノ用トシ、黄色ヲ染ム、藥用ニ入ルヽ者ハ山梔子ナリ、山中ノ自生ニシテ、葉實共ニ少ク、木ハ大ニシテ丈餘ニ至ル、一種四季花サク者アリ、一種千葉ノクチナシアリ、 コクチナシ カラクチナシ〈江戸〉トモ云、木矮小ニシテ一二尺ニ過ズ、葉最小ク、花ハ小ナラズシテ重瓣ナリ、多ハ實ヲ結バズ、稀ニ實ヲ結ブ者アリ、甚短小ナリ、是ヲ玉樓春〈八閩通志〉ト云、一名水梔花、〈同上〉千葉梔子、〈汝南圃史〉徽州梔子、〈群芳譜〉矮樹梔子、〈秘傳花鏡〉欲留春、〈建陽縣志〉 釋名薝蔔 此名維摩經ニ出ヅ、西域ノ名花ナリ、此ニ巵子花ノ名トスルハ非ナリ、正字通ニ辨ズルコト詳ナリ、

〔大和本草〕

〈十二花木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0655 水梔(コクチナシ) 三才圖會、園史ニ載ス、葉ハ梔ニ同ジ小ナリ、花小ニシテ千葉ナリ、香ヨシ、園史ニハ千葉梔子ト云、正月五月ニサセバヨク活ク、トリ木ニモスル、糞水ヲシバ〳〵ソヽゲバ盛ナリ、枝ヲ瓶ニサスニハ本ヲ打クダキ、鹽ヲ入レバ花色久シクシボマズト園史ニイヘリ、梅雨ノ中花多クヒラク、生熟共ニ食ス、此樹高二三尺ニスギズ、枝シゲク花多シ、梔花ハ六出ナリ、水梔モ六出ニシテ三重ナリ、梔子ヲ生ズルコトマレナリ、

〔日本書紀〕

〈二十九天武〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0655 十年八月丙戌、遣多禰島使人等、貢多禰國圖、其國去京五千餘里、居筑紫南海中、切髮草裳、〈◯中略〉支子(クチナシ)、莞子(カマ)、及種々海物等多、

〔延喜式〕

〈三十三大膳〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0655 七寺盂蘭盆供養料、〈東西寺、佐比寺、八坂寺、野寺、出雲寺、聖神寺、◯中略〉支子一升、

〔新撰字鏡〕

〈木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0655 賣子木〈河知左(○○○)〉

賣子木

〔倭名類聚抄〕

〈二十木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0655 賣子木 本草云、賣子木、〈和名賀波知佐乃木〉

〔伊呂波字類抄〕

〈加殖物附殖物具〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0655 賣子木〈カハチサノ木見本草

〔和字正濫抄〕

〈四〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0655 中下のは 賣子木 かはちさの木 和名、万葉に山萵苣(チサ)とも、只ちさともよみ、常も、ちさといふ木歟、

〔和漢三才圖會〕

〈八十四灌木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0656 賣子木(ちさのき) 買子木 和名加波知佐乃木、俗云知左乃木、 本綱、賣子木生嶺南山谷中、木高五七尺、徑寸許、春生嫰枝條、葉似柹而尖、長一二寸、倶青緑色、枝稍淡紫色、四五月開碎花、百十枝圍攅作大朶、焦紅色、隨花便生子、如椒目、在花瓣中、黒而光潔、毎株花裁三五大朶爾、 氣味〈甘微鹹〉治折傷血内溜、續絶補骨髓、止痛、〈枝葉子同功〉 按賣子木今謂知佐乃木者與此形状大異、知佐乃木處處山中有、最丹波多之、高者二三丈、徑一二尺、皮粉青白色、老則淺褐色、中心白、其葉似梅嫌(ムメモドキ)木葉而尖、長二寸許、面青背淡、冬凋春生、三四月開花不碎而小白單瓣、似野梅花、而朶稍長垂、不大朶、但毎二三攅生耳、結實状如小蓮子、初青後黒、殼堅肉白色、山雀喜食之、其材稠堅堪http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/0000000199d4.gif、又作傘之轆轤、伐樹則嫰http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/7f00006515ae.gif於株、易長、採之作箕之縁

〔重修本草綱目啓蒙〕

〈二十五灌木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0656 賣子木 サンダンクハ(○○○○○○)〈即山丹花ノ聲ニシテ通名ナリ〉 一名山丹〈三才圖會〉 紅繡毬〈http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019f58.gif 州府志〉 紫翠英〈野菜博録〉 豪客〈事物紺珠〉 山大丹〈廣東新語〉 不夜花 珊瑚毬 珊瑚林 馬纓丹 大紅繡毬〈共同上〉 壽錦〈陽春縣志〉 映山紅〈同上〉 和名鈔ニカハチサノキト訓ジ、多識編ニチシヤノキト訓ズ、皆非ナリ、コノ木和産ナク、暖國ノ産ナリ、今ハ琉球薩州ヨリ來リ世上ニ多シ、甚寒氣ヲ畏ル、故ニ冬土窖ニ藏メザレバ枯レ易シ、木ノ高サ三四尺枝葉對生ス、葉梔子葉ニ似テ淺緑色、初夏土窖ヨリ出セバ、枝梢ゴトニ花アリテ多ク簇ル、形丁香ノ如ク、細筒ノ上四瓣ニ分レ、深紅色、肥タル者ハ數十百簇ル、故ニ紅繡毬ノ名アリ、又赤黄色ナル者アリ、菜ノ部ニ載スル山丹ハヒメユリナリ、又單葉ノ牡丹モ、郭氏ガ種樹書ニ山丹ト云フ、皆同名ナリ、

〔萬葉集〕

〈七譬喩歌〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0657花 氣緒爾(イキノヲニ)、念有吾乎(オモヘルワレヲ)、山治左能(ヤマチサノ)、花爾香君之(ハナニカキミガ)、移奴良武(ウツロヒヌラム)、

〔新撰六帖〕

〈六〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0657 山ちさ 家良 あし引の山ちさのはな(○○○○○○)露かけてさける色これ我みはやさん 爲家 咲とだにたれかはしらむ白雲の晴せぬやまの山ちさの花(○○○○○)

伏牛花/刺虎

〔重修本草綱目啓蒙〕

〈二十五灌木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0657 伏牛花 ヘビノボラズ(○○○○○○) バライズ(○○○○)〈淡州〉 サワイバラ(○○○○○)〈江州〉 ホ子ス(○○○) イヽバラ(○○○○) イヌノシリツキ(○○○○○○○)〈共同上〉 一名鳳油刺〈藥性要略大全〉 水邊ニ生ズル小木ナリ、叢生ス、高サ三四尺、葉互生ス、形石榴葉ニ似テ長ク尖リ毛アリ、一葉ゴトニ三長刺アリ、細シテ甚鋭ナリ、若誤テ人ヲ傷ル時ハ肉腐ルト云フ、春新葉生ジテ後、寸許ノ小莖ヲ出シ、數花開キ下垂ス、五瓣黄色、大サ二三分、瓶花ニ供ス、花戸ノ人誤テコガ子ヱンジユト呼ブ、後實ヲ結ブ、形赤小豆ノ如シ、熟シテ深紅色、秋深テ葉落ツ、其木皮赤黒色、皮ヲ去レバ深黄色ナリ、一種野州日光山ノ中禪寺、及駿州富士山ニ生ズルモノハ、高サ丈餘、實モ亦大ナリ、 集解虎刺(○○) 證類本草ニ刺虎ニ作ル、綱目雜草ノ部モ同ジ、群芳譜秘傳花鏡ニハ皆虎刺ニ作ル、正字通品字箋ニハ虎束ニ作ル、一名竹膏、〈三才圖會〉壽庭木、〈群芳譜〉俗名コトリトマラズ、テクサリイバラ、小木ナリ、高サ六七寸、或ハ尺許、年久シキ者ハ稀ニ三尺ニ及ブ者アリ、數枝ヲ分チ葉互生ス、葉ハ圓小ニシテ尖リ、大サ四五分許、葉ゴトニ一刺アリ、ソノ長サ葉ニ齊シ、冬ヲ經テ枯レズ、春月小長白花ヲ開ク、形丁香ノ如ク、五瓣、後實ヲ結ブ、赤小豆ノ如シ、熟スレバ深紅色、春中花實共ニ存シテ美ハシ、故ニ唐山ニハ多ク庭ニ栽ヘ賞ス、

〔重修本草綱目啓蒙〕

〈十六雜草〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0657 刺虎 コトリトマラズ(○○○○○○○) アリドウシ(○○○○○)〈江戸〉 子ヅミバナ(○○○○○)〈駿州〉 子ヅミ(○○○) ノハナトヲシ(○○○○○○)〈土州〉 ハボロリ(○○○○)〈肥前〉 ヲランダグコ(○○○○○○) 一名竹膏〈三才圖繪〉 壽庭木〈群芳譜〉 木部伏牛花(ヘビノボラズ)ノ集解ノ虎刺ト同物ナリ、山ノ陰地ニ生ズル小木ナリ、高サ五七寸許、年久シキ者ハ二三尺ニ至ル者稀ニアリ、葉ハ枸http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif ニ似テ短クシテ尖リアリ、色黒ヲ帶ブ、一葉ゴトニ長刺アリ、春葉間ニ花ヲ開ク、白クシテ長ク、丁香ノ形ノ如シ、後圓實ヲ結ブ、秋冬紅熟ス、春ニ至テ猶アリテ花實紅白相映ズ、

〔和漢三才圖會〕

〈八十四灌木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0658http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019a0e.gif  白桵〈蕤與桵同〉俗云不(○)鳥止(○○) 本綱蕤http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019a0e.gif 樹高五七尺叢生、葉細似http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif 而狹長、花白子附莖生、紫赤色大如五味子、其花實蕤蕤下垂、故謂之桵、莖多細刺、其子入藥用中仁、或合殼用、 按、倭名抄以桵訓太良者非也、太良者http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/i000000000079.gif 也、〈見于後〉 山谷中有木高三四尺、葉小團長似黄楊葉、又似http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/S01000000022.gif而厚、其子九月熟赤色、枝葉間刺多鳥不來止、故俗呼曰鳥不http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/7f000003ac4a.gif 止、恐此蕤http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019a0e.gif 矣、

楊櫨

〔伊呂波字類抄〕

〈宇植物附殖物具〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0658 楊櫨〈ウツキ楊盧木イ本〉 溲http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/i000000000150.gif 〈同〉 溲疏〈仁諝上音〉 巨骨 杜荊 空疏〈已上四名ウツキ、見本草、〉

〔下學集〕

〈下草木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0658 楊盧木(ウツキ)

〔書言字考節用集〕

〈六生植〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0658 楊櫨(ウツギ) 波流花(ウノハナ)〈奥義抄〉 兎花(同)〈史館茗話〉

〔和漢三才圖會〕

〈八十四灌木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0658 楊櫨 空疏 和名宇豆木 疏通也、中空能通故名、 云卯花者宇豆木花之略也、非寅卯之卯、〈◯中略〉 按楊櫨有數種、山空木(ウツキ)、箱根空木(○○○○)、唐(タウ)空木、三葉(ミツハ)空木、共山中有之、人、植籬垣者、山空木箱空木也、皆中空、故名空虚木(ウツヽ)、凡插之能活、但樹無刺、又無赤子、 山宇豆木 高丈許、皮白肌白、肌深青心正白、而中空甚堅、用爲樽槽之http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001f276.gif 最佳、或匠人削之爲木釘、其 葉團長末尖、四月開小白花簇可愛、俗云(○○)卯之花(○○○)是也、結子、状似狗椒(イヌサンシヤウ)、而青黤色不熟而自凋 箱根空木(ハコ子ウツキ) 高丈許、皮白中空不甚堅、葉皺似粉團(テマリ)花葉、而團尖有細齒深緑色、四月開花、單瓣状如盞、白與赤相襍成簇、花落而朶尚存、青色寸許似莢、〈箱根山多有之故名〉 唐空木 葉小於山空木、花亦不美、 三葉空木 葉似山空木、而開四瓣白花、攅簇毎三葉抱梗對生、摘葉陰乾煎服能治膈噎、此樹人家稀、

〔重修本草綱目啓蒙〕

〈二十五灌木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0659 楊櫨 タニウツギ(○○○○○) ヤマウツギ(○○○○○) サツキバナ(○○○○○)〈越中〉 ダイハウノキ(○○○○○○)〈同上〉 ヅクナシバ(○○○○○)〈越後〉 サヲトメバナ(○○○○○○)〈能州〉 サヲトメウツギ(○○○○○○○)〈雲州〉 アカウツギ(○○○○○)〈播州〉 アカツゲ(○○○○)〈土州〉 ケタノキ(○○○○)〈仙臺〉 ヘイナイ(○○○○)〈丹後〉 ヘイナイウツギ(○○○○○○○)〈同上〉 ミヤマカズミ(○○○○○○)〈紀州〉 アカテウジ(○○○○○)〈駿州〉 ヒキダラ(○○○○)〈江州〉 一名牡荊〈正字通、同名アリ、〉 山足ニ多シ、小木ニシテ高サ數尺ニ過ギズ、葉ハ土牛(イノコヅチノ)膝葉ニ似テ厚ク、邊ニ細齒アリ、毛茸多シ、枝葉兩對ス、四月ニ花ヲ開ク、因テ此モウノハナ、或ハアカウノハナトモ云、江州越前ニテハ此モヒキダラト云、花ハ五瓣、本ハ筒子ニシテ、錦帶花ノ形ノ如ニシテ小ナリ、淺紫紅色、又深紅色ナル者白色ナル者アリ、皆六七寸ノ穗ヲナシテ葉間ニ出、後小莢ヲ結ブ、長サ六七分、熟シテ黒褐色、中ニ細子アリ、 増、一種ハコ子ウツギ(○○○○○○)ト呼モノアリ、高サ六七尺中空ナリ、冬月落葉シテ春新葉ヲ生ズ、紫繡毬(アヂサイノ)葉ニ似テ濶ク、淡緑色光アリ、邊ニ鋸齒アリ、四五月葉間ニ毬ヲナシテ花ヲ開ク、初メ開ク時ハ白色、翌日紅ニ變ジ、紅白相交リテ美ナリ、一花ノ形タニウツギヨリ大ナリ、漢名錦帶花〈秘傳花鏡〉

接骨木

〔倭名類聚抄〕

〈二十木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0659 接骨木 本草云、接骨木、〈和名美夜都古木(○○○○○)〉

〔和漢三才圖會〕

〈八十四灌木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0659 接骨木 續骨木 木蒴藋 和名美夜都古木 俗云爾波止古(○○○○)〈◯中略〉 按、接骨木人家藩籬植之、三四月開小白花、攅生作朶、經年者結子、攅簇赤、俗用此木、削小杵用綏積聚 疝塊

〔重修本草綱目啓蒙〕

〈二十五灌木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0660 接骨木 タヅノキ(○○○○) キタヅ(○○○) ニハトコ(○○○○) ハナノキ(○○○○)〈土州〉 ヤマトウシン(○○○○○○)〈肥前〉 ハタコノキ(○○○○○)〈加州〉 シヤクヲシノキ(○○○○○○○)〈同上〉 センキヲシ(○○○○○) コブノキ(○○○○)〈南部〉 クサジキ(○○○○)〈上總〉 一名繼骨樹〈醫學正傳〉 野黄楊 章漆樹葉〈共同上〉 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019519.gif http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019519.gif 活〈本經逢原〉 芊芊活〈外科百效全書〉 木英〈陸英條下〉 コノ木ノ葉花實皆蒴藋ニ似タリ、故ニ木タヅト云、蒴藋ニ接骨草ノ名アルハ、唐山ニテモ二物名通ゼリ、深山ニハ自生多シ、人家ニモ多ク栽ユ、高サ丈餘、枝條旁ニ茂リ、木ハ子ヂレテ綟木(子ヂギ)ノ如シ、冬ハ葉ナシ、春初嫰芽ノ中ニ蕾ヲ含モノ、形状觀ベシ、採テ瓶花ニ供ス、既ニ發スルトキハ觀ニタラズ、葉ハ紫藤葉ニ似テ大ニシテ鋸齒アリ、對生ス、枝梢ニ花ヲ開ク、小ニシテ白ク、數百簇リテ傘ノ如シ、後實ヲ結ブ、小豆ノ如シ、秋冬紅熟シ、春ニ至リ猶樹ニ殘レリ、秋深テ葉枯レ落ツ、

肝木

〔大和本草〕

〈十二雜木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0660 肝木(カンボク) 漢名未詳、葉ハ粗、木槿(モクゲ)ニ似テマタアリ、其本叢生ス、ウツギノ如シ、又一株高キモアリ、瘍醫コレヲ用ユ、或八手ノ木ヲ肝木トシ、接骨木ヲ肝木トス、皆アヤマリ也、

〔和漢三才圖會〕

〈八十四灌木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0660 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/i000000000151.gif 木(かんぼく) 〈正字未詳〉 按、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/i000000000151.gif 木高五六尺、葉似蒲萄葉而尖、不皺、四月開花、毎莖七朶五瓣、小白花攅生、似紫陽花、秋結子、插枝活、 氣味〈甘苦、〉折傷續筋骨之功、與接骨木同、取莖葉煎服、

鸎實

〔倭名類聚抄〕

〈十七菓〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0660 鸚實 漢語抄云、鸚實、〈俗云阿宇之智(○○○○)、一云宇久比須乃岐乃美(○○○○○○○○)、今按、所出不詳、〉

〔箋注倭名類聚抄〕

〈九果蓏〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0660 鸎實又見西宮記射禮儀、及台記天養三年條、伊勢廣本宇久比須乃岐乃美、作俗云阿宇之智、那波本兩訓並載、按、伊呂波字類抄宇部阿部兩載、然類聚名義抄云、鸎實俗云阿宇之知、異本宇久比須乃美、則知本或作俗云阿宇之知、或作宇久比須乃岐乃美、蓋古本廣本不同、 那波氏兩存之也、按鸎實、蓋依宇久比須乃岐乃美之名是字者、非漢名、其阿宇之智、以鸎實字音之也、或訛云阿宇須知、見多武峯物語、及和泉式部歌、貝原氏曰、救荒本草吉利子樹、科條高五六尺、葉似野桑葉而小、又似櫻桃葉亦小、枝葉間開五瓣小尖花、碧玉色、其心黄色、結子如椒粒大、兩々並生、熟則紅、味甜、是可宇具比須、京畿謂宇須乃岐(○○○○)、伊勢謂之乞食具美、大田氏大州曰、宇具比須、當吉利子樹隱、宜救荒本草驢駝布袋http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/7f000003ac4d.gif 之、驢駝布袋、科條高四五尺、枝梗微帶赤黄色、葉似郁李子葉頗大而光、又似省沽油葉而尖頗齊、其葉對生、開花色白、結子如菉豆大、兩々並生、熟則色紅、味甜、今俗呼朝鮮具美、或呼蛇具美

〔伊呂波字類抄〕

〈字植物附殖物具〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0661 鸎實〈ウクヒスノキノミ出漢語抄、未詳、〉

〔台記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0661 天養二年五月三日戊申、權大納言〈宗輔〉送鶯實(○○)云、自和泉國尋取之、其色紅、大如碁石、其體圓、其http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019a0e.gif 微小、有三命之甚美、其味甘焉、其味甚妙、其味甚美、足賞翫矣、

〔大和本草〕

〈十果木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0661 吉利子(ウクヒス/ウスノキ)樹 和名ウグヒスト云、所々山林ニアリ、小木ナリ、源順和名抄十七、鸎實和名宇久比須乃岐乃美、又左府頼長之台記ニモ鸎實ノ事アリ、今按葉ハ山躑躅(ツヽシ)ニ似テ兩々相對ス、又子安ノ木ノ葉ニ似テウスシ、臘月ヨリ諸木ニ先ダチテ芽ヲ生ズ、正月ニ小花サキ、三月ニ實熟ス、ユスラノ如シテ紅ナリ、味甘シ、ユスラヨリ早クミノル、實モ兩々相對シテ、葉ノ莖ヨリ内ニアリ、葉ノ莖ノ本ヨリ實莖生ズ、異物ナリ、小兒コノンデ食フ無毒、ウグイスノ始テ啼時ニ此花モサク、故ニ名ヅケシニヤ、京畿ニテ臼ノ木ト云、其實ノ形臼ノ如ク上クボメリ、山中處々ニアリ、伊賀ニテハコシキグミト云、グミノ類ニハアラズ、大サハグミト同、本草櫻桃三月末熟ト云、蜀都賦ニ朱櫻春熟スト云ヘドモ、今按四月熟ス、吉利子ハ三月初ヨリ熟ス、木實三月ニミノルハ百果ノ先ガケナリ、秋ハ葉紅ニシテ落ツ、立花ノ下草ニスル物也、救荒本草曰、吉利子樹一名急蘑子科、荒野處有之、科條高五六尺、葉似野桑葉而小、又似櫻桃葉亦小、枝葉間開五瓣小尖花、碧玉色、其心黄色、結 子如椒粒大兩々並生、熟則紅味甜、今按ウグヒスノ實兩々並生ス、他ノ果ニ異レリ、救荒本草ニイヘルニ皆ヨク合ヘリ、

〔百品考〕

〈下〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0662 吉利子樹 和名ヘウタンノキ(○○○○○○)〈◯中略〉 深山幽谷ニ生ズ、木ノ高サ五六尺、葉ハ桃葉ニ似テ先尖ル、横理左右ニ三四條アリ、其外ハスヂナク薄キ葉ナリ、兩對シテ生ズ、發芽ノトキ葉間ニ細莖ヲ出ス、長サ七八分、小花二輪ヅヽ其末ニ附ク、一節ニ二莖四花ナリ、花ハ五瓣ニシテ、徐長卿(スヽザイコ)ノ花ニ似テ辨細ク端尖レリ、緑色ニシテ心黄ナリ、後實ヲ結ブ、一莖ニ二粒駢生ス、一ハ大ニシテ一ハ小ナリ、形チ葫蘆ノ如シ、故ニヘウタン木ト云、熟シテ色紅中ニ圓子アリ、色黄ナリ、

繡毬花

〔大和本草〕

〈十二花木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0662 繡毬花(テマリクハ) 花小ニ朶叢簇如毬、色白帶淺碧、一名粉團花、三才圖繪ニ八仙花ニ接故枝生トイヘリ、今案聚八仙ト同類ノ木也、故ツグベシ、春初好地ニ挟メバ活ク、花初テ開ク時白色、歴日色青シ、牡丹ト同時ニヒラク、瑯http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001c09c.gif 代酔瓊花ハ聚八仙ニ似タリ、聚八仙ヲ可接、瓊花ハ繡毬花ナルベシトイヘリ、

〔倭名類聚抄〕

〈二十木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0662 椐 玉篇云、椐〈音居、一音踞、漢語抄云、閉美(○○)、〉木腫節中爲杖也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈十木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0662 爾雅釋文引樊孫並曰、椐樻腫節可杖、毛詩大雅、其檉其椐、爾雅毛傳皆云、椐、樻、郭璞注亦云、腫節可杖、北山經i000000000152山其下多桐椐、郭云、椐樻、木腫節中杖、顧氏蓋依之、陸璣曰、節中腫似扶老、即今靈壽、是也、今人以爲馬鞭及杖、漢書孔光傳云、賜太師靈壽杖、孟康注、扶老杖也、顏師古注、木似竹有枝節、長不八九尺、圍三四寸、自然有杖制、不削治也、本草拾遺云、圓長皮紫、江村氏如圭曰、丹波國有倍美乃岐、一名也末天万利、一名呉禰徒、一名宇之乃比多比、葉似繡毬赤實、木有節、皮色紫赤、有皺土人以爲牛鼻桊、又爲杖、

〔類聚名義抄〕

〈三木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0662 椐〈音居 一音路、ヘミ、コマツヽラ、ホフシ、又音http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/0000000199d7.gif 、〉

〔和漢三才圖會〕

〈八十四灌木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0663 椐〈音居〉 靈壽木 扶老杖 和名閉美、俗云吾禰豆(○○○)、又云藪粉團花(○○○○)、又云以保太(○○○)、本綱椐生山谷、其木似竹有節、圓長皮紫、長不八九尺、圍三四寸、自然有杖制、不削理杖、令人延年益http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/7f000003ac4a.gif 壽、詩疏云、椐即樻也、節中腫、即今靈壽木也、作杖及馬鞭、漢書云、孔光年老、賜靈壽杖者是也、 按、椐丹波山谷有之、高者七八尺、徑寸許、直上如竹、嫰木皮微紫色著葉處、有節其間二三寸、或四五寸、中心有纎孔、經年者堅實而堪杖、葉圓尖、有鋸齒皺文、似粉團花葉、三四月開小白花攅生、亦似粉團花而小疎、以接粉團花枝、詩大雅云、其檉其椐http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001f255.gif 之剔之之椐者即是也、

〔重修本草綱目啓蒙〕

〈二十五灌木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0663 靈壽木 一名横木〈http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001922c.gif 苑詳説〉 甘蔗棍〈物理小識〉 薑酢子〈同上子名〉 和産詳ナラズ、木ニコブ多シテ、自然ニ杖トナスベキ形ノ者ナリ、今禪刹ノ什物ニ舶來ノ杖アリ、多ハ刻テ製シタル者ト見ユ、コノ木物理小識ニハ蕉椶木也、凌冬不凋、葉如山薑、葉邊有細刺、枝有大刺ト云、通雅ニハ按今之天台靈壽杖、自然腫節乃藤也ト云、兩説ナリ、

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001a358.gif 瑚樹

〔和漢三才圖會〕

〈八十四灌木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0663 珊瑚樹(さごじゆのき) 〈正字未詳〉 按、珊瑚樹易長、高一二丈、枝葉甚茂盛、爲庭院之飾、葉長四五寸、微似平地木葉、三四月細小花白色作簇、結子似冬青子而赤、

コガノキ

〔和漢三才圖會〕

〈八十三喬木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0663 古賀乃木(こがのき) 〈正字未詳〉 按、古賀木高一二丈、葉似珊瑚樹葉、而背色淡開小花、淺柹色、結子略作簇、大如櫻桃子、正赤、其木甚堅http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001a849.gif 、作鼓之http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/i000000000153.gif 檣之栓

莢蒾

〔和漢三才圖會〕

〈八十三喬木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0663 莢蒾(けうめい) 擊迷 羿先 孩兒拳頭 本綱、莢蒾生山林中、其葉似木槿(ムクゲ)及楡柞小樹、其子如疏溲(ヤマウツキ)、兩兩相對、而色赤、味甘、皮堪索、蓋此檀楡之類也、 枝葉〈甘苦〉下氣消穀、煮汁和米作粥、飼小兒甚美、 農政全書云、孩兒拳頭〈一名莢蒾〉其木作小樹、葉似木槿而薄、又似杏葉頗大、薄澀枝葉間開黄花、結子似溲疏、兩兩切並、四四相對、共爲一攅、生則青、熟則赤色、味甘苦、

〔重修本草綱目啓蒙〕

〈二十四喬木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0664 莢蒾 ガマズミ(○○○○) ズミ(○○)〈紀州〉 カメガラ(○○○○)〈伯州〉 ムシカリ(○○○○)〈尾州〉 カザメシ(○○○○)〈羽州〉 カマトウシ(○○○○○)〈薩州〉 イタチノケタガヘシ(○○○○○○○○○) 一名孩兒拳頭〈救荒本草〉 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001594d.gif http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019b65.gif 〈通雅〉 榽http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019b65.gif 〈同上〉 山野ニ多シ、小木ニシテ高サ丈許ニ過ズ、葉ハ、形圓鋸齒アリ、深緑色ニシテ皺アリ、兩對ス、大サ二寸許、夏月枝梢ニ花ヲ開ク、小ニシテ五瓣白色、數百簇リテ傘ノ如シ、後實ヲ結ブ、大サ赤小豆(アヅキ)ノ如シ、秋後赤ク熟シテ美シ、木皮http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001c654.gif ニシテ折レ難シ、故ニ一名子ソ(○○)ト云、子ソハ薪、ヲ縛スル藤蔓(ツル)ノコトナリ、コノ木柔http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001c654.gif ニシテ其代リニ用ユベシ、因テ名ク、 増、釋名擊迷ハ繫迷ノ訛ナリ、 一種コ子ソ(○○○)ト云アリ、樹葉共小ニシテ葉微シ長シ、花實ノ刑相似タリ、又ヤマデマリアリ、本條ニ相似テ、其花白クシテ飛蝶状ヲナス、漢名蝴蝶樹、〈典籍便覽〉

山牡丹

〔和漢三才圖會〕

〈八十四灌木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0664 山牡丹(やまぼたん) 〈名義未考、正字未詳、〉 按、山牡丹高五七尺、枝婆娑葉不繁、其葉似桑葉而團、亦似粉團花葉而色淺、有鋸齒皺文、夏開小白花、略似南天花、秋結子爲簇、亦如南天子而房短、落葉子尚存、 與曾曾女(ヨソヾメ)〈正字未考〉 木枝葉皆似山牡丹、而唯其子房小於山牡丹耳、二物共關東多有而畿内希有之、

〔倭名類聚抄〕

〈二十木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0664 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001e065.gif (○) 唐韻云、柡〈音永、漢語抄云、佐久木(○○○)、〉木可笏也、

〔大和本草〕

〈十二雜木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0664 http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001e065.gif (サク) 字彙音永、木可笏、和名抄曰、柡佐久木、可笏也、笏ヲシヤクト訓ズルハ、柡ノ木ヲ似テ作ル故ナルベシ、飛騨國位山ノ一位ノ木ニテ笏ヲ作ルト云、イチイノ木、葉ハ榧ニ似テ小ナリ、正月及五月挾ムベシ、活ク、一説ニ三四月サスベシ、春小白花ヲ開ク、枝葉ノ間ニ秋小實ヲ 結ブ、赤色ナリ、漢名未詳、俗ニ伽羅木ト云、是イチイナリト云、西土ニテ山白檀ト云、是柡ノ木ナルベシ、庭ニウフベシ、又楊弓ノ矢ニ作ル、櫧(カシ)ノ類ニイチイト云木アリ、カシノ木ニ相似タリ、實モカシニ似タリ、櫧ノ下ニ詳ニス、櫧ニ似タルイチイ、是ト同名異物ナリ、混同スベカラズ、イチイニ二種アル事ヲ知ルベシ、笏ヲサクト訓ゼシ事、其義未詳、櫟(イチヒ)ノ一名ヲ柞(サク)ト云、イチイノ木ニテ笏ヲ作ルユヘ、誤テhttp://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001e065.gif ヲ柞ナリトシテ、サクト訓ゼシニヤ、櫟ハ横理アリテ笏トスベカラズトイヘドモ、堅緻ナル故、昔ハ櫟ニテモ笏ヲ作リシニヤ、イブカシ、鑿子木(イヌツゲ)ヲモ柞ト云、是ニテモ昔ハ笏ヲ作リシニヤ、櫟鑿子此二木共ニ異名ヲ柞ト云、若古此木ニテサクヲ作リシ故ニサクト云乎、

柧棱

〔倭名類聚抄〕

〈二十木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0665 柧棱(○○) 唐韻云、柧棱〈孤稜二音、和名曾波乃木(○○○○)、〉木也、又四方木也、

〔箋注倭名類聚抄〕

〈十木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0665 按、廣韻云、柧棱柧、又云、楞四方木也、棱上同、又威棱、又柧棱木也、其云棱柧、又云柧棱木也者、西都賦云、上柧棱而棲金爵、説文云柧棱殿堂最高之處也者是、其云四方木者、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/0000000197ab.gif 木令方者、玄應音義引通俗文云、木四方爲棱、八棱爲柧、是也、源君連柧棱二字四方木、又以爲樹木名、並誤、

〔延喜式〕

〈十三大舍人〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0665 凡正月上卯日供進御杖、〈◯中略〉其ノ杖曾波(○○)木二束、比比良木棗毛保許桃梅各六束、〈已上二株爲束〉

〔夫木和歌抄〕

〈二十九そはの木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0665 そはの木 民部卿爲家 ありとても人にすさめぬそばの木のたヾかたそばにすごすべき哉

鳥ノ足

〔大和本草〕

〈十二花木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0665 鳥ノ足(○○○) 樹山中ニ生ズ、鳥ノ足ハ筑紫ノ方言也、四月開花、花白四出、微帶淡青色、花形頗方、其蕊如婦人乳頭、上有小粒、其葉兩々相對、其花出兩叉之間、又ソバノ木(○○○○)アリ、是ト一物二名乎、樹山中ニ生ズ、葉如櫻樹、四月開花似水仙、有臺群開、其白如雪、順和名抄ニ柧棱トアルハ是レナルカ、

ハナノキ

〔倭訓栞〕

〈中編二十波〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0666 はなのき(○○○○)〈◯中略〉 江州愛智郡花澤村に一種の木二株あり、大さ三圍ばかり、是を名けて花の木といふ、秋海棠に似たる花形なり、花色赤し、二月に開く、瑤珞樟也といへり、葉はけやきの如し、

寄生

〔倭名類聚抄〕

〈二十木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0666 寄生 本草云、寄生一名寓生、〈寓亦寄也、音遇、和名夜止里木(○○○○)、一云保夜(○○)、〉

〔箋注倭名類聚抄〕

〈十木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0666 按是名見空物語樓上卷歌源氏物語、本草和名云、和名久波乃岐乃保也、此節桑上字、故單云保夜也、或云保與、萬葉集大伴家持於越中國廳饗諸郡司等宴歌、夜麻能許奴禮能保與等里天可射之都良久波、新撰字鏡、蔦、寄生、保與、小雅頍弁、蔦與女蘿、傳、寄生也、爾雅、寓木、宛童、郭注、寄生樹、一名蔦、中山經、龍山上多寓木、郭注、寄生也、正義引陸機疏云、寄生、葉似當廬、子如覆盆子、赤黒甜美、本草云、桑上寄生、一名寄屑、一名寓木、一名宛童、陶注、生樹枝間、寄根在皮節之内、葉圓青赤厚澤易折、傍自生枝節、冬夏生、四月花白、五月實赤、大如小豆、蘇云、此多生http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001f261.gif 柳水楊楓等樹上、子黄大如小棗子、惟虢州有桑上者、子汁甚黏、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019a0e.gif 大似小豆、葉無陰陽、如細柳葉而厚、晩莖麁短、寄生實、九月始熟而黄、今稱五月實赤大如小豆、蓋陶未見也、蜀本注云、按、諸樹多有寄生、莖葉並相似、葉如橘而厚軟、莖如槐而肥脆、圖經、葉似龍膽而厚闊、莖短似鷄脚樹形、三月四月花黄赤色、六月七月結實黄緑色如小豆、以汁稠黏者良也、郝懿行曰、枝葉通瑩如樹上著http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/7f000003ac4a.gif 氷、同榦異條、自成叢茂、陶注占斯李當之云、是樟樹上寄生、樹大銜枝在肌肉、然則寄生之樹、群木皆有、今驗楓柳櫟樗隨柯堪寓、奚必桑樟獨擅斯名矣、東方朔云、著樹爲寄生、明凡樹皆有也、時珍曰、寄生高者二三尺、其葉圓而微尖、厚而柔、面青而光澤、背淡紫而有茸、

〔爾雅註疏〕

〈九釋木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0666 寓木宛童、註〈寄生樹、一名蔦〈寓魚其切〉〉疏〈寓木一名宛童、郭云、寄生樹、一名蔦、詩小雅頍弁云、蔦與女蘿、陸機疏云、蔦一名寄生、葉似當廬、子如覆盆、赤黒甜美是也、〉

〔本草和名〕

〈十二木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0666 桑上寄生、一名寄屑、一名寓木、〈楊玄操音遇〉一名宛童、一名蔦、一名桑http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/i000000000155.gif 、〈出陶景注〉一名附枝、〈出兼名苑〉 桑上寄生者木精也、〈出太清經〉和名久波乃岐乃保也、

〔重修本草綱目啓蒙〕

〈二十六寓木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0667 桑上寄生 クハノヤドリキ(○○○○○○○) 寄生 ヤドリキ(○○○○)〈和名抄〉 ホヤ(○○)〈同上〉 ヤドルホヤ(○○○○)〈古歌〉 カラスノウヱキ(○○○○○○○)〈防州〉 トビキ(○○○)〈讃州〉 桑寄生一名混沌螟蛉〈輟耕録〉 寓屑〈事物異名〉 寓童〈同上〉 桑生〈三因方〉 桑木冬兒沙里〈村家方〉 桑絡〈醫學正傳〉 桑樹上羊兒藤〈同上〉 桑上羊兒藤〈赤水玄珠〉 桑上牛兒藤〈肘後方〉 桑樹ノヤドリキヲ桑寄生ト云、ヤドリキハ寄生ナリ、其木ノ餘氣ニテ生ズル者ニシテ、諸木共ニアリ、藥ニハ桑上ノ者ヲ用ユ、鳥他木ノ子ヲ食ヒ、糞樹上ニ落テ生ズルヲ寄生ト云ニ非ズ、保昇ノ説ハ誤ナルコト、宗奭辨ズル事明ナリ、寄生ハソレ〴〵ノ木ニ由テ生ズ、故ニ各木ニ因テ葉實ノ形異ナリ、鳥ノ糞中ノ木子樹窠ニ落テ生ズル者モアレドモ、コレハ寄生ニ非ズ、桑寄生ハ隱州ノ産ヲ上品トス、凡ソ蠶ヲ養ハザル暖地ニハ、桑木採斫ノ苦ナキ故、木盛ニ茂リ、木モ古クナリテ、枝間ニ寄生ヲ生ズ、皮中ヨリ幹ヲ出シ、他木ノ枝ヲ插タルガ如シ、枝葉兩對シ、柳葉ノ如ク、躑躅葉ノ如クニシテ厚シ、葉間ニ圓實ヲ結ブ、南天燭(ナンテンノ)子ノ大ノ如シ、熟シテ淡黄色透徹シ内子見ユ、破レバ粘滑ナリ、隱州ノ産ハ、葉他州ノ者ヨリ大ナリ、櫻柳朴梨等ノ寄生、桑上ノ者ト形状相同ク、乾者節節相離レ、葉葉自ラ落ツ、故ニ今藥家ニ販グ者、多クハ和州芳野ノ櫻寄生ナリ、桑上ノ者ハ枯レテ枝葉共ニ黄色ナリ、他木ノ者ハ緑色ニシテ黄ナラズ故ニ黄色ニ染テ僞ル者アリ、本草原始ニ、莖葉黄自採者眞ト云、本草彙言ニ、其他木如松楓楡(ニレ)柳http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001f261.gif 檞(ケヤキハヽソ)桃梅等、樹上間或亦有寄生、形類相似、氣性不同、服之反有毒ト云、本草http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019f3e.gif ニ別樹生者殺人ト云リ、松上樅(モミ)上ノ者ハ葉柞木(イヌツゲ)葉ニ似テ、狹細ニシテ厚ク色深シ、實ハ小豆ノ大ノ如シ、紅熟シテ味甘シ、櫧上ノ者ハヤシヤビシヤク(○○○○○○○)ト云、他ノ桑上ニモ生ズ、一名テンバイ(○○○○)、テンノムメ(○○○○○)、テンリウバイ(○○○○○○)、〈加州〉キムメ(○○○)、〈土州〉シヤウイタドリ(○○○○○○○)、〈同上〉葉ハ木ヒヨドリジヤウゴノ葉ニ似テ厚シ、花ハ梅花ニ似タリ、實ハ蒼耳實ノ如シ、野州日光山ニ多シ、即 鄭樵爾雅ノ註ノ蔦ナリ、

〔和漢三才圖會〕

〈八十五寓木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0668 桑寄生 久和乃也止里木〈◯中略〉 按、嫰樹無寄生、而養蠶之地老桑亦多、故眞者難得、唯隱岐及肥前五島有之、俗以爲中風要藥之、

〔本草辨疑〕

〈四木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0668 桑上寄生 古來桑耳ヲ以テ寄生ニ充ツ、故ニ今依御改桑寄生ト不言、サルノコシカケト云ナリ、眞ノ寄生ハ唐ヨリ來テ、木ノ色黄ニ葉細ク長ク、木葉共ニ桑ニシテ脆ク厚ク剉易キ者ナリ、是亦僞多シ蘇恭曰、此多生楓檞http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001f261.gif 柳水楊等樹上、葉無陰陽、如細柳葉而厚脆、莖粗短子黄色、大如小棗、惟虢州有桑上者、子汁甚黏、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/000000019a0e.gif 大似小豆、九月始熟、 時珍曰、須自采、或連桑、采者乃可用、世俗多以襍樹上者之、氣性不同、恐反有害也、 日本ニモ松柳ニ寄生多シ、桑ニ有コトヲ不聞、松柳ニ生ズル者、今唐ヨリ來ル者ト不異、時珍モ桑ヲ連タル者ヲ眞トシ用ル時ハ、今ノ唐桑モ不連、又和ノ松柳ノ生ニ能似タル物ナレバ、是ヲ眞トハサダメ難シ、唯桑中ヲ自尋求メテ可用、不正者ハ不用、

〔圓珠庵雜記〕

〈やどり木をほやといふ、和名にみえたり、萬葉にはほよとよめり、 和名抄木類、寄生〈和名夜止里木、一云保夜、〉萬葉十八、あし引の山のこぬれのほよとりてかざしつくらば千とせほぐとぞ〉

〔草木育種後編〕

〈上〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0668 下種之事 駿州に柃山茶(ひさかきつばき)等に生ずる寄生あり、形扁柏(ひのき)に似たり、このもの寄生したるをひのき山茶といふ、〈寛保年中將翁先生鈴鹿郡高宮村より採り官に奉りし事あり、即此ものなり、一名あやつばきともいふ、〉灌園先生云、此木の下へ諸の常盤木を栽置ば、實落て自ら寄生を生ず、およそ實を撰ぶには、中心の實を上とす、枝に付實は下品なり、 圖の如く枝の實を栽れば、根に又を生じて鬚多し、牛房など又多きは枝の實なり、藥品にても獨活羗活白芷(どくくわつきやうくわつひやくし)等、根に又多きは下品なり、實をとる時心得あるべし、

〔源氏物語〕

〈四十九寄生〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0669 木がらしのたへがたきまで吹とをしたるに、殘る木ずゑもなくちりしきたるもみぢを、ふみ分けるあとも見えぬをみわたして、とみにもえいで給はず、いと氣色ある深山木に、やどりたるつたの色ぞまだのこりたる、こだに(○○○)などすこしひきとらせ給て、宮へとをぼしくてもたせ給、 やどり木と思ひいでずばこのもとの旅ねもいかにさびしからまし、とひとりごち給をきヽて、あまぎみ、 あれはつるくち木のもとをやどりぎと思ひをきけるほどのかなしさ、あくまでふるめきたれど、ゆへなくはあらぬをぞ、いさヽかのなぐさめにはをぼされける、

〔河海抄〕

〈十八宿木〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0669http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001d27d.gif  つたのたぐひ也

異木

〔愛媛面影〕

〈四伊豫郡〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0669 扶桑木(○○○) 本郡村離山より堀出す、一種の埋木(○○)なり、俗相傳上古扶桑と云大樹有けるを、その根年久しく土中に在て朽殘りたるなりと、仍て扶桑木と名く、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001c314.gif て印鈕に造るべく、刻みて印籠の帶付と爲べし、木質堅緻色深黒にして光澤あり、最愛玩すべし、

〔扶桑樹傳并序〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0669 伊豫國沙門明月述 景行天皇西征熊襲、未幾事畢、以其便道幸伊豫國、駐蹕熟田津行宮、蓋爲温泉也、此時始見僵樹、異而問之、遂得其實也、又後六百三十餘年舍人親王略載諸日本紀、然當時原文既殘缺、無正、則纔存其可讀者、而質諸來世、故今折衷古書所稱、及我郷散史舊聞、補綴而述扶桑樹傳、維時安永九年歳次庚子九月上絃也、其傳曰、維大日本國人皇立制、第十二主纒向日代宮馭宇天皇登極十八年戊子 之歳七月辛卯朔甲午、車駕夙自筑紫發、南巡至扶桑國、駐蹕熟田津行宮、是地有一僵木、横碧海之中、國人謂之曰扶木之長橋、自筑紫國扶桑之郷、王公百官蹈之而跨海、時是夷則之初、處暑酷烈、長橋無蔭、非蓐食、則不度、陽候蚤藏靈潮如霜、廼方至扶桑、旭日始颺、瑞光遐照、運麟趾於九淵、祥雲邇簇、擁龍駕於遙天、冠蓋紆http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001af3e.gif 旌旄飄遷、玉勒金鞍、衞護後先、清道數十里而可一觀焉、國人大歡望幸歌之、歌云、蚤潮斯潔似霜斯烈、扶木長橋願言無熱、萬乘將挌百寮自責、扶木長橋願言無斁、天皇乃眷曰、此靈異之物豈可百世之下無http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/7f000003ac4a.gif 聞乎、廼下詔募問曰、彼横碧海中物是何名樹也、冀聞其故之詳焉、來日有一老翁、應募而至、奏曰、彼横海者此郷舊物、名曰扶木、或曰扶桑樹、又或曰歴木偃木、〈歴偃並http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/00000001e92e.gif 恊扶、音万葉韻也、〉臣聞、鴻荒之世有扶桑樹、柱抂此郷、扶桑高不幾許万尋、樹本隆起二十里、所周旋數千圍、枝葉垂布三百里方也、是以西州生不晨光、東州長無夕照、宵間風扇響振八荒、雲端翠凝光流四表、〈◯中略〉國人跨海之筑紫、皆由于此矣、終命之曰扶木長橋、其它舊聞極多、臣老矣、不悉盡焉、天皇大奇之、輙勅史臣之、且下制曰、夫扶桑者太初之神物也、靈雖已改http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/7f000003ac4a.gif 觀、而猶可得而稱焉自今而後宜此國扶桑國也、扶桑之名自是後大振、後通爲日本之佳稱、其地今伊豫國也、〈◯中略〉客歳余南遊登海上諸岨、以概見扶桑之舊蹤、其山海之間巨巖細石盡有美質、色則玄黄紫赭青白純雜無軌、余熟視之、僉是木之化石者也、故縱横木理備存焉、其焦而埋者、今見在伊豫喜多二郡山海數十里、其海潮之中往々有磯者、其上潮勢極惡判然不由焉、海舶所畏憚也、

〔桂林漫録〕

〈上〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0670 扶桑木 伊豫風土記ニ云、上古有二大木、一曰桂木、一曰臣木、其實曰椹、今桂木ノ朽チ殘リタル者、豫州伊豫郡森村ト云フ地ノ海底ヨリ出ヅ、又同所ニ桂谷ト云フ地有リ、其邊方一里程ノ間ヲ掘レバ古木ヲ得、土人桂木ノ根ナリト云フ、二種共ニ同物ニシテ、即世ニ稱スル扶桑木ナリ、清ノ王漁洋ガ香祖筆記ニ、桂板トアル物是ナリ、

〔重修本草綱目啓蒙〕

〈五石〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0671 石炭〈◯中略〉 石炭ノ上品ニシテ器物ニ作ル者、多クハ木タチノ石炭ナリ、木タチノモノハ、別ニ漢名木煤〈雲南通志〉ト云、雲南通志云、石炭一種状如樹而有條理者謂木煤、即チ奧州大隈川、及ビ同國棚倉ノ埋木、豫州ヨリ出ル所ノ扶桑木、皆同物ナリ、又阿州麻植郡森藤村ニモ産ス、地ヲ掘ルコト二三尺、或ハ五六尺、其厚サ一尺許ニシテ横行スルコト數十間ニ及ブ、コノ物地中ニテ實ヲ結ブ、黒色ニシテ長サ六七分、徑リ四五分、大抵棗子ノ大ニシテ、豎ニ六稜アリテ、前後尖ル、其質鬆疏ニシテ、櫟炭ノ如シ、奇品ナリ、

〔筆のすさび〕

〈一〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0671 一異木 讃州金毘羅より二十町許の處、某村に異樹あり、幹枝は桃にして葉は櫻なり、花は梅なり、實もまた桃なりといふ、

〔草木奇品家雅見〕

〈下〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0671 享保の初年、華舶、一種の奇木を齎し、官府に貢す、奇特の良品也とて、染井の種樹家花家伊兵衞なるものに台命を下し給はり、接木せしめ給ふ、然るに未嘗知奇樹なれば、逡巡して決せざりしが、熟その木の太山楓といふものに似(○○○○○○○○○○)たるを以て、これを官園に移し、砧として以て接立ければ、一樹をかヽず生育して欣榮す、後十二年ひろく世に蕃殖せしめんと、一株を伊兵衞に賜ふ、今其家に存して既數仞に及べりと云、 亦榕椿(○○)は、古白花山茶を珍玩せし頃、山茶の中より一種の變葉を生ず、其状枸骨の如く、大鋸齒あり、依て榕山茶と名付て、今其種世上に往々是あり、元彼家より産すと云、 因に云、此伊兵衞は地錦抄の作者也、されば培やしなひに長じ、今子孫に傳へて此道を盛にせり、


Last-modified: 2019-03-15 (金) 09:48:57 (386d)