http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0984 豆腐ハ、大豆ヲ水ニ浸シ、磑シテ之ヲ碎キ、少許ノ油ヲ加ヘテ煮タル後、濾過シテ滓ヲ去リ、更ニ濁水ヲ去リテ再ビ煮、凝結シテ面ニ浮ベル者ヲ汲ミ取リ、其汁ニ鹽鹵汁ヲ和シテ凝結セシメ、之ヲ櫃中ニ盛リ、石ヲ以テ壓シテ製スルナリ、豆腐ヲ串ニ貫キテ炙リ、味噌ヲ施シタルヲ田樂ト稱ス、其他調理ノ法頗ル多シ、 豆腐皮ハ、又湯婆ト云フ、粗豆腐ヲ作ル法ト同ジクシテ、其煮沸シタル表面ノ皮ヲ、數次取上ゲオキテ、之ヲ乾シテ製シタルモノナリ、

名稱

〔下學集〕

〈下飮食〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0984 豆腐(トウフ)

〔撮壤集〕

〈下飮食〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0984 豆腐(トウフ)

〔多識編〕

〈三榖〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0984 豆腐〈今案唐布〉

〔倭訓栞〕

〈中編十六登〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0984 とうふ 豆腐と書り、淮南王の造る所といへり、凍豆腐あり、又六條と稱するあり、揚豆腐あり、おぼろ豆腐あり、又京師に前鬼豆腐あり、

〔海人藻芥〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0984 内裏仙洞ニハ、一切ノ食物ニ異名ヲ付テ被召事也、一向不存知者、當座ニ迷惑スベキ者哉、〈○中略〉豆腐ハカベ(○○)、〈○中略〉如此異名ヲ被付、近比ハ將軍家ニモ女房達皆異名ヲ申スト云々、

〔大上﨟御名之事〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0984 女房ことば 一たうふ しろ物(○○○)とも かべとも

〔親俊日記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0985 天文十一年十一月廿八日甲戌、http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/ra_ins225090.gif 竹へ鈴物鮭白壁(○○)遣之、

〔言繼卿記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0985 天文十三年三月八日丁末、從廣橋頭辨裝束折重之事被申候間、罷向調之、今日貫首拜賀也、一荷兩種〈タラ二、白壁一折、〉遣之、

製法種類

〔本朝食鑑〕

〈二榖〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0985 豆腐〈訓如字〉 集解、今本邦用黄白大豆水磑碎、入油極少許、煎溶濾去滓、其滓俗號岐良須(キラズ&○○○)、取濁水復入釜煎、其釜中浮面、凝結如濕紙者是豆腐皮也、俗稱豆腐媼(○○○)、取之晒乾作蔬味稍佳、其煎汁涌出時、箸頭點著鹽鹵汁了泡沫、而盛布袋于櫃中、自凍結而成、但以極精細者上、此上下無差、擧世煮炙而食者也、別盛椀而凍成者號朧豆腐(○○○)、状圓色白軟美、入口如消不有無、故稱朧乎、今江都極好者多、就中有錦豆腐(○○○)、華藏院豆腐(○○○○○)者、錦豆腐一名色紙豆腐(○○○○)染紅紫黄靑白色、故名、其白色者最好、近京師市人來造之、華藏院門前市上有豆腐極美、故名、此類不少、東西競奇、然不京師市中所造者、其製極細脆白如雪、初堅入水則軟弱、故堅則宜炙、弱則宜煮、倶其味絶勝、靈山丸山之造最盡美焉、

〔本朝食鑑〕

〈二華和異同〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0985 豆腐 豆腐之法始於漢淮南王劉安、其造法大抵與本邦同、詳于本條、惟不山礬酸漿醋石膏之類、明王仲遒花史曰、豆經磨腐、其屑尚可蔬、持齋者號爲雪花菜、此即豆http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/ra_ins017993.gif 、本邦俗稱岐良須也、

〔和漢三才圖會〕

〈百五造釀〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0985 豆腐(たうふ)〈豆腐於加倍、言似白壁也、豆腐皮宇波、言似老媼皺、豆腐粕木良須、言不庖刀剉也、〉 本綱豆腐始於漢淮南王劉安、凡黑豆黄豆豌豆綠豆之類皆可之、造法水浸磑碎濾(コシテ)去滓煎成以鹽鹵汁(ニガリ)或山礬葉或酸漿醋澱、就釜收之、又有缸内石膏末收者、大抵得鹹苦酸辛之物皆可收斂爾、其面上凝結者掲取http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/ra_ins013938.gif 乾、名豆腐皮、入饌甚佳也、 氣味〈甘鹹寒有小毒〉 治中益氣和脾胃、消脹滿大腸濁氣、食豆腐、中毒者以萊菔(ダイコン)湯藥而愈、 按豆腐本朝古者無之、今爲僧家日用之物、造法大豆二升漬水一宿磑如糊、而入水六升煮沸、起沫 時油垽一二滴粘杖梢、攪釜中則沫消盡、候再煮沸乃減火、否則焦著也、酌盛布袋、尋用水一升五合釜中、共搾承汁於桶、其滓名雪花菜(キラズ)、其汁未凝、乘熱和鹽鹵汁四分合之一、徐攪合則稍凝、〈如鹵汁多則豆腐硬〉仍盛于箱、〈底敷布〉以石壓之、頃刻取出納冷水而成、

〔銀臺遺事〕

〈四〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0986 一又國〈○肥後〉の菩提所妙解寺にて、寺主あるじまうけせられけるに、花豆腐(○○○)といふものを參らせたり、それは豆腐をおかしく拵へ、紅にていろへなどして興あるものなれば、下法師ばらは、是をけふのもうけの詮と思ひたるに、君〈○細川重賢〉御覽じて、かゝる鄙の果まで、食する喰物にいたづらの巧をして、財をもいとまをも費す事こそうたてけれ、いかにしたりとも、味はかはる事有まじきものをと宣り、〈○中略〉 一同じ寺にて、松洞侍食することのありしに、此頃は當國の豆腐の制法くはしくなりて、都にもゆめ〳〵おとるまじう覺へて候と、賞し申せしかば、君聞しめして、われはそれをうたてしく思ふ也、田舎は田舎にてあらんこそよけれとぞ、

〔守貞漫稿〕

〈後集一食類〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0986 豆腐 今製京坂柔カニテ色白ク味美也、江戸剛クシテ色潔白ナラズ味劣レリ、然モ京坂ニ絹漉豆腐(○○○○)ト云ハ、特ニ柔ニテ同價也、キヌゴシニ非ルモ持運ニハ器中水ヲ蓄ヘ、浮ベテ振ザルヤウニ携ヘザレバ、忽チ壞レ損ズ、江戸ハ水ナクテモ崩ルヽコト稀也、又江戸ニモ汲豆腐(○○○)ト云ハ柔カ也、京坂普通製ニ似タリ、蓋キヌゴシ常ニ有之、クミ豆腐別製也、需アレバ製之、〈○中略〉 近年三都トモニ細工豆腐(○○○○)ナドヽ號ケ、豆腐ニ種々ノ製ヲナス物アリ、鰻蒲燒ノ摸製等ハ、片豆腐ニ紫海苔ヲ皮トシ、油ヲ付ケ燒タル形容、眞ノ如ク味モ亦美也、

燒豆腐

〔人倫訓蒙圖彙〕

〈四〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0986 燒豆腐師 市の町法會の場、祭禮の所、萬日千日の廻向、所詮人のあつまる所にみせをかまへずといふ事なし、酒肴は付合なり、并蕨餠師麩の燒師飴うり石花菜うり等一連な り、

〔大草家料理書〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0987 一肥生鳥の事、〈○中略〉燒豆腐などを加て吉也、

〔東路の津登〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0987 翌日〈○永正六年十月二十四日〉市川〈○下總〉といふわたりの、折ふし雪風吹て、しばし休らふ間に、むかひの里にいひあはする人有て、馬どものりもてきて、やがて舟渡りして、あしの枯葉の雪うちはらひ、善養寺といふに落つきぬ、おもしろかりし朝なるべし、此處は炭薪などもまれにして、蘆を折たき、豆腐をやきて一盃をすゝめしは、都の柳もいかでをよぶべからんとぞ興に入侍し、

〔晴豐記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0987 天正十八年六月廿八日、安樂光院ていし鈴〈二ツイ〉ふやきどうふ持參申候、

〔槐記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0987 享保十一年二月二十日、百拙へ御成、〈○中略〉 御會席〈○中略〉 煮物〈ヤキ豆フ、ゴマミソカケ、〉

六條

〔書言字考節用集〕

〈六服食〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0987 六條(ロクデウ)〈截豆腐水氣陰乾者、蓋京師六條邊人始所制、故名、〉

〔雍州府志〕

〈六土産〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0987 鹿茸 豆腐薄截之、板面盛灰、隔紙並置豆腐、取水氣、傳(ヌリ)鹽少許而陰乾、或剉之或http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/ra_ins002256.gif 之、浸酒而食之、其始形色似鹿茸、故名之、一説六條邊人始製之、六條鹿茸倭語相同、故彼此互稱之、

〔本朝食鑑〕

〈二榖〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0987 豆腐 有六條者、切豆腐條片、晒乾經日、候略堅乾、細切作薄片而用之、兩種倶爲僧家之用、僧家用六條、細切作花樣、以擬俗家花鰹之状、或爲蔬食、其味稍好、凡煮豆腐法、不久煮、久煮則柔軟味美、少煮亦好、炙後久煮亦佳、惟惡煮間去火令一レ冷、若犯之則堅凝味惡耳、

〔和漢三才圖會〕

〈百五造釀〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0987 豆腐 六條 造法、夏土用中用生豆腐一箇切爲六、糝(マブシ)鹽、晴天http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/ra_ins013938.gif 乾硬如木片、白色帶黄、如逢雨則忽敗也、毎以六條、削入羹汁上、其味不於花鰹、最僧家之佳肴也、以皮之硬豆腐、贋六條鹵汁多、凝有毒不食、不之也、

〔合類日用料理抄〕

〈三〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0987 豆腐鹿茸の方 一たうふつねhttp://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/ra_ins002001.gif ハ、おし久敷置候て、たうふニすのなき樣に仕、能かけんに切、四方に鹽をぬり、成ほど能天氣に干、其後わらにてあみかけて干申候、天氣能時分に仕候なり、

氷豆腐

〔本朝食鑑〕

〈二穀〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0988 豆腐 有凍豆腐者豆腐片、盛于竹籃、寒夜露宿則堅凝、如絲瓜之乾枯狀、晒乾煮食、

〔本草綱目啓蒙〕

〈十七造釀〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0988 豆腐 寒中ニ豆腐ヲ切片ニシ、水ニテ煮テ露スルコト一宿、暴乾スルヲコヾリドウフト云、和州高野ノ名産ナリ、漢名腐乾、〈行厨集〉豆腐乾、〈建陽縣志〉

〔料理山海鄕〕

〈三〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0988 氷豆腐 豆腐壹丁八ッにきり、籠にならべ煮へ湯をかけ、一夜外へ出し寒氣に當、翌日あさ氷りたるを湯にてたきやはらげ、うへに浮たる時取上少しおし掛、また籠にならべ、毎日ほす也、右湯でゆに山桅子割入る、虫の用心なり、寒のうち夜半時分に氷るがよし、宵は惡し、

〔紀伊續風土記〕

〈物産十下〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0988 氷豆腐 氷粢(モチ) 右二種高野山領處々にて製す

〔毛吹草〕

〈三〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0988 松前 干豆腐

〔守貞漫稿〕

〈後集一食類〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0988 豆腐 氷豆腐〈○圖略〉寒風夜製之、多ク紀ノ高野ニ製ス、故ニ京坂ニテカウヤ豆腐(○○○○○)トモ云、近年播州ノ高野ニテモ製之ヲ、多ク京坂ニ出セリ、同文字ナレドモ播ハタカノト訓ニ云也、京坂專食之、江戸ニハ稀也、

油揚 雁もどき

〔皇都午睡〕

〈三編上〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0988 上方にて買(かう)て來るを、江戸にては買(かつ)て來る、〈○中略〉油揚を胡麻揚、飛龍臼(ひりやうず)を雁もどき、

〔本朝食鑑〕

〈二穀〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0989 豆腐 有油揚者、用好豆腐、切之作片、攤(ヒロゲ)于紙上、而取水氣濕乾、投于煎油煮熟、則焦赤脹起作揚勢、故稱油揚、其油乾後煮醬食、味極美、麻油榧油倶好、僧家最賞之、俗家亦同、或用禽油亦極美也、

〔合類日用料理抄〕

〈三〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0989 豆腐油あげの方 一たうふ水けのなき樣にしぼり、茶一ふくほど入、能すりまぜ、黑ごまの油にてあげ、あつゆにて油あげを二三ぺんも洗、さてうすだれにて煮申候、久敷煮候へばくだけ候、

〔江戸町中喰物重寶記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0989 御膳 本胡麻揚所 〈元飯田丁中坂下通〉桔梗屋善兵衞 油揚品々 〈山王町春日屋〉長右衞門 無類本胡摩揚豆腐 〈牛込寺町赤城入口橫町松源寺門前〉丸屋治郎兵衞

〔塵塚談〕

〈上〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0989 あぶら揚賣童の事、我等二十歳頃迄〈○寳暦年中〉は、貧民の子ども十歳十二三歳なるが、提籠へ油揚のみを入、賣歩行しが、近年絶てなし、其頃見苦しき童を見ては、皆人あぶらげ賣のやうだといひけり、

〔守貞漫稿〕

〈後集一食類〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0989 豆腐 飛龍子京坂ニテヒリヤウズ、江戸ニテガンモドキ(○○○○○)ト云、雁戻也、豆腐ヲ崩シ水ヲ去リ、牛房笹搔、麻ノ實等ヲ加ヘ、油揚ニシタルヲ云也、價八文十二文バカリ也、京坂ニハ栗等ヲ加ヘ精製多シ、

〈江戸流行〉

料理通大全

〈三編〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0989 雁賽(がんもどき) 一蒟蒻の極最上なるを、庖丁ぶりを付て小口切にし、鹽にていかにも能あらひ、もみさらして幾度も水にて流し、扨水氣をとり葛粉へくるみ、油にて揚、味を付るなり、

料理法

〔大草家料理書〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0989 淨請物之覺 一うどん豆腐(○○○○○)料理は、常にはほそく切て湯にをして、醬油に山椒胡椒を入て吉也、但別流には、作 樣薄く細く長き樣に有之、湯にに口傳あり、 一あん豆腐(○○○○)と云は、二寸計に切て、湯にをしてさらに入て、其上ニくずだまりをかけて、同けし山椒の粉くるみのみを上置にする也、 一とや豆腐(○○○○)と云は、少火執て水出しにてにる、則山椒の粉をふりて出すなり、 一ふやこんやく、とうふ、何も萬の精進物、油にてあげても吉也、但淨請物は口によりてする也、

〔渡邊幸庵對話〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0990 一三浦壹岐守明政殿、料理數奇にて豆腐を三十六色に料理し(○○○○○○○○○○○)て、此名を歌仙豆腐と付られたり、或時予がいふ温飩豆腐(○○○○)などの細く作りたるをきれず、いつ迄も煮てかたまらず、煮て出候樣は如何といへば、壹岐守殿されば日頃是も困りたり、先切安く久しく煮れば堅く成、さつと煮れバ盛に切れ、何共ならぬと被申候故、左候ハヾ我等細く作り、いか程煮ても堅くなく、盛に少も切れ不申樣、料理可致と云て、庭の茶屋にて勝手の人を拂て、そこへ傳授いたしたる如くに切り水を捨、さて鹽梅よく煮よと、料理人に渡しければ、毎の如く煮て盛出しけるに、細くして少も切れず、和らかにこれ有、壹岐守殿初め一座被驚ける也、松平長門守殿にも右の通にして進候得ば、我を折御懇望故に、おしへ申候得ば、なまこも如此製法にて煮たらば、宜敷可之と、追て御料理有ける也、

〔渡邊幸庵對話〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0990 一そば切どふゝ(○○○○○○)の煮樣は、鹽一はいに水六七盃の分量にて拵、とふゝを切て其水に付て、扨煮申候得ば、一つもかたまらずきれざる也、芝肴を一所に煮申、又は吸物にするに、鹽一盃に水三ばいの圖りにて切て、其水に漬て扨煮ればひとつに取つかず、面々に煮へ候也、

〔料理物語〕

〈煮物〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0990 伊勢豆腐(○○○○)は 山のいもをおろし、鯛をかきて、すりいもの三分一いれ、たうふに玉子のしろみをくはへする、何もひとつによくすりあはせ、杉の箱に布をしき入つゝみ、ゆにをしてきり、葛だまりかけ候て出し候、又鳥みそわさび味噌などかけて、いよ〳〵吉、又たうふばかり にても能すりて、右のごとくつかまつりいだし候、 とうふふわ〳〵(○○○○○○) だしたまりにて、ひとあわふたあわに候て、はや出し候事也、 とうふ玉子(○○○○○) とうふをすり、くちなしにてうすくそめ、くずのこをすこしくはへ、だしたまりにて、玉子のふわ〳〵のごとくしていだし候、ほんたまごのごとくなり、

〔料理山海鄕〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0991 苞豆腐(○○○) とうふ葛をいれてかたくすり、布につゝみ苞につゝみて蒸、苞を取、生じやうゆにて煮、こぐち切にすべし、

〔豆腐百珍〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0991 高津湯どうふ(○○○○○○) 絹ごしどうふを用ひ、湯烹して熱葛あんかけ芥子おく、又南禪寺ともいふ、大坂高津の廟の境内に湯どうふ家三四軒あり、其料に用ゆる豆腐家門前に一軒あり、和國第一品の妙製なり、京都に南禪寺どうふ(○○○○○○)あり、江戸淺草に華藏院どうふ(○○○○○○)あり、

〈江戸流行〉

料理通大全

〈初編〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0991 うつろ豆腐(○○○○○)の傳 一生豆腐小半丁切て、深き石鉢類に入、水にうかしかなあみに火をのせ、水中のとうふまはしながら四方をやき、其とうふを菓子昆布に包み、細き繩にて卷、大釜にて一日能煮れば、かたち岩のごとくになるを、味淋と醬油にて味を付る也、 ぎせい豆腐(○○○○○)の傳 一生のとうふ能々煮拔くづし、ざるに上ゲ、水を切て味りんと腐油にて味を付、また角鍋へ胡麻の油を引、右豆腐を入、能々煮蓋を入て、石にておしをかけ、一夜置て切るべし、 胡麻豆腐(○○○○)の傳 一白ごまの皮をむき、ほどよくほうろくにていり、すり鉢にて能々すり、ごま壹升へ葛五合入、水二升ほどをくはへて鍋に入、能々煮詰て切溜の蓋へ布を敷流し、しばらくさまして切也、火かげ ん口傳、 一胡桃豆腐(○○○○)仕樣同斷 一枝豆とうふ(○○○○○)仕樣同斷

〔江戸町中喰物重寶記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0992 一壽とうふ 一そば切とうふ 一あられとうふ 一丸山とうふ 一華とうふ 一茶わんもりとうふ 右之外花あげしな〴〵 〈かうじ町一丁目木戸きは〉松坂屋庄八 はつ霜とうふ はつゆきとうふ 朝日とうふ おぼろとうふ にしきとうふ やきおぼろとうふ しきしとうふ 五しきとうふ まんぢうとうふ つととうふ あわゆきとうふ すだれとうふ 花とうふ 燒とうふ あられとうふ 〈牛込つく土明神下〉山屋市右衞門 御膳なんきんとうふ 風流かご目とうふ 〈かうじ町五丁目〉かしわや伊兵衞 おぼろとうふ まんぢう朧 紅梅おぼろ 朝日おぼろ 玉子おぼろ いたきおぼろ 紅葉とうふ くじらとうふ 枝まめとうふ 月かげとうふ くろまめとうふ やきおぼろ みぞれとうふ はなとうふ 立田川とうふ ちやくきんとうふ げんじとうふ かやとうふ ごまとうふ いそべとうふ けしとうふ あづまとうふ うどんとうふ さくらとうふ ちやわん朧 地紙とうふ かるかんとうふ ききやうとうふ 松露とうふ ゆかきとうふ 唐とうふ 白魚とうふ 歌仙とうふ はつれゆき くるみ入とうふ 魚入とうふ 八重なり 御膳 吉原色豆腐 〈本石町二丁目十軒店通〉山屋半三郎

〔豆腐百珍〕

〈後附〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0993 豆腐百珍續編 全壹冊 本編の百珍にもれたる、豆腐の料理調味愈珍奇を、別に百品と又附録三十餘品を輯む、本編と合せて二百三十餘品あり、

田樂

〔書言字考節用集〕

〈六服食〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0993 田樂(デンガク)〈截豆腐串之形、似田樂綠木而爲踊躍、故俗从所見名、〉

〔倭訓栞〕

〈前編十七底〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0993 でんがく〈○中略〉 俗間豆腐の製に田樂といふは、田樂法師の竿に上りて、踊る貌に似たるをもて名を得たりといへり、禁裏にて御煤拂に用ゐさせらるゝ也、

〔醒睡笑〕

〈一謂被謂物之由來〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0993 豆腐を串にさして焙るを、など田樂とはいふ、されば田樂のすがた、下には白袴をき、其上に色ある物をうちかけ、鷺足にのりおどるすがた、豆腐の白に味噌をぬりたてたるは、おのまふていに似たるゆゑ、田樂といふにや、夢庵の歌に、 たかあしをふみそこなへるめんぼくをはひにまぶせる冬のでんがく

〔豆腐百珍〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0993 木の芽田樂(○○○○○) 温湯を大盤に湛へ、切るも串にさすも、其湯の中にてする也、やはらかなる豆腐にても危くおつるなどのうれへなし、湯よりひきあげすぐに火にかくる也、味噌に木の目勿論なり、醴のかた入れを二分どほりみそにすりまぜれば尤佳也、多く入れば甘すぎて却てよろしからず、〈○中略〉 雉子やき田樂 きつねいろにやき猪口に生の煮かへし醤油に、すり柚をそへ出す也、〈○下略〉

〔守貞漫稿〕

〈後集一食類〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0993 豆腐田樂 今世三都ニ此名物ナシ、東海道目川ヲ田樂ノ名所トシ、三都ニテモ製之モノ目川ヲ以テ號トス ルアレドモ、近江ノ目川今ハ衰ヘテ、食之人稀也、甚ダ精製故也、 京坂ノ田樂串ハ股アルヲ二本用フ、江戸ハ無股ヲ一本貫ク也、 京坂ハ白味噌ヲ用ヒ、江戸ハ赤味噌ヲ用フ、各砂糖ヲ加ヘ摺ル也、 京坂ニテハ山椒ノ若芽ヲミソニ摺リ入ル、江戸ハ摺リ入レズ上ニ置ク也、各木ノ芽田樂ト云、江戸夏以後ハカラシ粉ヲ煉テ上に置ク、

〔後水尾院當時年中行事〕

〈上十二月〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0994 煤拂、陰陽頭勘文にしたがひて、日時を定めらる、〈○中略〉便宜の所にうつりまします、其所にて二獻あり、初獻〈かちん〉二こん〈でんがく〉供し終りて御前をてつす、其後女中にもたぶ、御見廻しこうの公卿、めされたる殿上人内々の衆は殘りなく召出されて、かちんでんがくなど給ふ、御乳母是をやくす、勾當内侍酌伊與肴にて御通しあり、

〔雲錦隨筆〕

〈二〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0994 例歳極月十三日は、禁中の御煤取にして、是を御煤といふ、此日御祝として末々の者に至まで、熱壁といへるを下さる、御臺所前なる庭上に鐡輪〈○圖略〉を居、大釜をかけ白豆腐をたき、白味噌の摺て美くたきしを、上よりかけたる也、是を熱かべと號す、〈すべて豆腐をかべといひ、おかべといふゆへに、あつきかべといふことなるべし、〉末々の者へ、御役人より切手を下され、此切手を以て、土器師出勤の場所へ行て是を渡す、〈土器師は、畑枝村より出勤す、〉切手を受取土器一枚を渡す、此土器を以て豆腐方へ行て差出す、豆腐方土器に豆腐を入渡す、夫より味噌方に行て差出せば、味噌方味噌をかけて渡す、是を貰て銘々休息場へ持行食す、御上には靑竹の串をさし、田樂にして召上らるゝと云、いかなる所以にや知らず最古風なる御事ども也、〈○中略〉 因に云、煤拂に豆腐を食することは、古き例にや、南都春日若宮の煤拂〈例年十二月廿二日〉に若宮の前なる溝に、木葉を掻集めて豆腐を串にさし、鹽燒にし、社人神酒を配分し、是を肴として宴す、此豆腐を名づけて春日田樂といふ、當日御供所の大黑の像を開扉あり、里人群參してこれを拜す、

〔後奈良院宸記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0995 天文四年十二月十七日甲辰、靑蓮院芳飯申沙汰也、其外三種又デンガク三荷持參、

豆腐皮

〔多識編〕

〈三穀〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0995 豆腐皮〈今案唐布乃宇波○○○○○〉

〔書言字考節用集〕

〈六服食〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0995 豆腐皮(トウフノウバ)〈本草〉

〔毛吹草〕

〈三〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0995 安藝 豆腐姥(トウフノウバ)

〔骨董集〕

〈上編下後〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0995 おかべ豆腐田樂豆腐上物 俗説に豆腐皮をゆば(○○)といふは訛言なり、本名はうば也、其いろ黄にて皺あるが、姥の面皮に似たるゆゑの名なりといへるは、みだりごとなり、異制庭訓往來に、豆腐上物とあるこそ本名なるべけれ、豆腐をつくるに、うへにうかむ皮なれば、さはいへるならん、略てとうふのうはといひ、音便にはもじを濁りて、うばといへるよりおこれる俗説なるべし、ゆばというふもうとゆと横にかよへば、はなはだしき訛にもあらず、

〔和漢三才圖會〕

〈百五造醸〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0995 豆腐 豆腐皮 造豆腐釜面上凝皮如檀紙而黄色者、毎取之則豆腐不佳、故頻攪廻釜中、要皮張也、如欲皮者、數回入鹽鹵汁之、荏苒凝結成、似皺面皮故名媼、多取皮之豆腐小硬不食、仍偽爲六條

〔重修本草綱目啓蒙〕

〈十七造醸〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0995 豆腐 豆腐ヲ煎ズル時、面上ニ浮ブ皮ヲスクヒ採リ乾スヲウバト云、又ユバト云、集解ニ謂ユル豆腐皮ナリ、一名腐皮、〈行厨集〉腐衣、〈藥性纂要〉圓ニ卷テ乾タルヲマキユバト云、物理小識ニ、豆腐燭ト云、四角ニ疊ミタルヲ、絲マキユバト云、細クシテ長キハ長ユバト云、

〔江戸町中喰物重寶記〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0995 しぼりゆば 廣ゆば 茶巾ゆば 糸卷ゆば 金糸ゆば 其外色々 〈長谷川町壹丁目〉六條伊兵衞

〔天保十三年物價書上〕

〈上〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0996 湯婆引下ゲ直段書上 一生湯波百文ニ付 〈當五月賣六枚此度引下ゲ六枚半〉 一同卷湯波壹本ニ付 〈同斷百貳拾四文同斷百拾六文〉 一同島田湯波拾ニ付 〈當五月賣百四文此度引下ゲ九拾文〉 一同重湯波拾ニ付 〈同斷貳百八文同斷百八拾四文〉 一同小卷湯波壹本ニ付 〈同斷四拾八文同斷四拾四文〉 一干湯波角茶巾百文ニ付 〈同斷數貳拾八同斷數貳拾九〉 一同絞湯波百文ニ付 〈當五月賣五把此度引下ゲ六把〉 一同廣湯波百文ニ付 〈同斷六枚同 六枚半〉 右者此度錢相場御定ニ付、直段引下ゲ方取調申上候、以上、 拾四番組諸色掛 〈寅〉八月 名主共

雪花菜

〔書言字考節用集〕

〈六服食〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0996 雪花菜(キラズ&トウフノカラ) 豆渣(同)

〔本草綱目啓蒙〕

〈十七造醸〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0996 豆腐 豆腐ヲ〈○中略〉搾タル滓ヲキラズ(○○○)ト云、一名ウノハナ(○○○○)、トウフノハナ〈筑前〉

〔後水尾院當時年中行事〕

〈下〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0996 一まゐらざる物は、〈○中略〉豆腐から(○○○○)、〈物のからは、まゐらぬとか、〉

〔屠龍工隨筆〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0996 きらずは豆腐の糟にて、きらずに調菜すれば、左は呼ならひて、いと風流なる名なるに、いつしかからのおつけなとゞ云かへたるは、却て賤しからずや、

豆腐商

〔七十一番歌合〕

〈中〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0996 卅七番 左 豆腐うり(○○○○) 故鄕はかへのとだえにならどうふ白きは月のそむけざりけり 戀すれば苦しかりけりうちどうふまめ人の名をいかでとらまし

〔人倫訓蒙圖彙〕

〈六〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0997 豆腐師(○○○) 職人の内朝起の隨一なり、油擧うる家もあり、

〔雍州府志〕

〈六土産〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0997 豆腐 中華書所謂白豆磨碎煮作腐、俗呼豆腐是也、洛下所々製之、然五條御影堂前店、建仁寺門前之所造、其形色精白而和柔、至其調味則有諸品之製法、祇園樓門外東西兩茶店、薄切豆腐、竹串貫之、火少燒之、與連串燒餠合、以味噌稀汁之、麨粉(コガシノコ)點其上而食之、其風味淡脆非他之所及、是稱祇園豆腐、自遠方來者食之爲口實、祇園東西兩店、北野七軒茶屋、是洛陽茶店之本也、公方家祇園并北野社造營日、此兩店亦必令造之、山門行者滿散日詣、時此兩店必爲休憇之場、故然也、自古公武兩家、因依山門也、又豆腐調和、圓山靈山長樂寺雙林寺僧、互相爭而盡美、

〔江戸總鹿子〕

〈六〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0997 豆腐屋(○○○) するが町 色紙どうふ 車坂 けぞうゐんどうふ

豆腐直

〔三省録〕

〈四附言〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0997 水藩の檜山氏が慶安五辰年四月十五日http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/ra_ins002001.gif 同廿二日まで、〈○註略〉水府の御宮別當なる東叡山中吉祥院が、江戸http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/ra_ins002001.gif 水戸〈江〉下りたりし時分の、賄料請取品直段書付、并入用をしるしたるものを見せたるが、其直段の下直なる事おどろく計也、〈○中略〉 一豆腐 七拾五挺〈壹挺ニ付〉代五文ツヽ

〔享保集成絲綸録〕

〈三十六〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0997 寶永三戌年五月 一近年穀類高直ニ付、諸色直段穀類につれ、高直ニ成候由ニ而、今以右之格ニ而、下直成リ候物無之、就中去々申之年、上大豆金壹兩ニ、八斗五升之相場候之處、今年上大豆金壹兩ニ、壹石貳斗ニ成、其上米も段々下直ニ成候得共、町々豆腐直段、去々年に相替事無之候、依之町年寄へ申付、南傳馬町、南塗師町、本町、神田多町、新石町、甚左衞門町豆腐屋共令吟味候處、直段下直ニ難成譯書付差 出候得共、申譯難相立候、豆腐拵候節用候、苦鹽油糟等之直段付、是又不都合成義申之、不屈ニ付、右七人之者逼塞申付置候、外之豆腐屋共數十人者、吟味之趣至極ニ付誤候間、早速直段引下ゲ可商賣旨申之、自今以後豆腐に不限、總而商賣物相場ヲ以、致商賣候之族時々に應じ、手前之http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/ra_ins002001.gif 直段之上ゲ下ゲ無油斷了簡、簾直に可仕候、若此以後不埒成仕形有之におゐては、召寄遂僉義、急度可申付候、 右之趣、町中家持不申、借屋之者迄可申觸候、以上、 五月

〔諸事留〕

〈五〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0998 天保九戌年八月廿九日 豆腐直段之義、是迄壹挺五拾六文賣ニ有之候處、此節大豆追々高直ニ相成、引合兼候間、壹挺六拾文賣ニ仕度旨、豆腐屋年行事共より南御番所〈江〉願出候處、御調之上、昨廿八日願之通御聞濟相成候間、此段爲御心得御達申候、以上、 戌八月廿九日 樽屋三郎右衛門 和 田 源 七 大塚五郎兵衛

〔諸事留〕

〈二〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0998 寅二月晦日 箔屋町嘉兵衛店 與八 此者儀、豆腐致渡世候處、近來豆腐屋共儀、豆直段相場不拘、銘々勝手之箱を以、水豆腐を十挺、又者十一挺ニ切割、燒豆腐油揚之儀も右ニ准じ、且代錢も豆腐壹挺ニ付六拾文、燒豆腐油揚者五文ニ賣出候處、今般諸色直段調有之旨承リ、元形ニ立戻、直段等引下ゲ申度存意ニ有之候處、下直ニ相成候而者、外豆腐屋共差障候故、迷惑いたし候趣、風聞相聞候間、呼出候而相糺候處、水豆腐之儀者、 古來者竪壹尺八寸ニ横六寸之箱ニ而、豆腐を九挺ニ切割、壹挺ニ付代錢五拾六文、燒豆腐之儀者、九挺之豆腐を百貳拾六ニ切割、壹ツニ付代錢四文、油揚之義者、壹挺を數廿貳ニいたし、是又代錢五文宛賣候處、水豆腐之儀者、壹丁ニ付代錢五拾貳文、燒どうふ者、古來之通、壹ツニ付四文宛ニ可賣出旨申立候ニ付、願之通申付候間、已來差障等申立候者有之候ハヾ、其段誂出候樣可致、 右之通被仰渡畏候、爲後日仍如件、 天保十三〈寅〉年二月晦日 〈箔屋町嘉兵衛店〉與八 家主 嘉兵衛 五人組 重助 〈名主又兵衛煩ニ付〉代 久藏 〈諸色取調掛牛込攺代町〉名主 三九郎 〈芝松本町〉同 淸左衛門 右之通、今日拙者共御用伺ニ罷出候處、前書與八儀、豆腐直下奉願候處、御糺之上、願之通被仰付候ニ付、外豆腐屋共も右直段ニ一同直下ゲいたし候樣、組々〈江〉可申通旨、稻澤彌一兵衛殿被仰渡候間、早々行屈候樣、御組合限御通達可成候、以上、 二月晦日 石塚三九郎 浦口淸左衛門

〔諸事留五〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.0999 天保十四卯年二月廿三日 豆腐直段 一水豆腐 壹箱 大豆兩ニ九斗八升替 但大豆四升 此代貮百六拾四文 薪 同 六拾文 苦鹽泡消 同 拾六文 〆三百四拾四文〈○此計算ハ九十六文ヲ以テ百文トスル當時ノ換算法ナリ、以下皆之ニ傚ヘ〉、 右を九挺ニ切割、〈壹挺ニ付、是迄四拾八文之處五拾貮文〉 此代四百八拾四文 賣德百四拾文 一焼豆腐 壹箱 但大豆四升八合 此代三百貳拾文 薪 同 六拾文 苦鹽泡消 同 拾六文 〆四百文 右ヲ百八ツニ切、壹ツニ付、是迄四文之處〈五文〉 此代五百六拾文 賣德百六拾文 一油揚 但大豆四升八合 此代三百貳拾文 薪 同 六拾文 苦鹽泡消 同 拾六文 油 七合 同貳百八拾八文 揚候節薪 同 八拾文 〆七百七拾貳文 右ヲ百六拾貳ニ切、壹ツニ付、 是迄之通〈五文〉 此代八百四拾貳文 賣德六拾六文 一苞豆腐 但水豆腐壹挺拾本ニ切 壹本ニ付六文 此代六拾文 賣德八文 一生揚 但右同斷拾六ニ切 壹ツニ付 五文 此代八拾文 賣德貳拾八文 右者、此節大豆相場引上ゲ、并薪代も下直ニ相成不申候間、追而右相庭引下ゲ候迄、當分之内、前書割合之直段を以、賣買仕度旨申立候間、此段申上候、以上、 卯二月 諸色掛名主共 〈下ゲ札〉 本文賣直段高下之義者、大豆相庭元立ニ而、薪其外差加〈江〉割合候義ニ付、此上右相庭高下ニ准ジ、賣直段增減仕度旨、豆腐屋共申之候、〈○中略〉 差上申御請書之事 一私共儀、豆腐渡世仕候ニ付、右賣直段之義、去寅五月中御調有之、豆腐壹挺ニ付四拾八文宛、燒豆腐壹ツニ付四文、油揚壹ツニ付五文宛、右之通夫々直段引下ゲ方、掛名主http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/ra_ins002001.gif 申上候ニ付、御聞濟ニ相成、右直段を以市中賣買仕候處、豆腐屋共之内.中ニ者、仕込候箱を縮、又者切形紛し、賣品を劣せ賣買致候者も有之哉ニ而、右豆腐之義者、直安日用ニ而輕き者共迄も相用候品ニ付、形縮め品柄を劣候而者、縱令直段引下ゲ候而も、其詮も無之、一般及難儀候義ニ付、右體品柄爲劣候もの共を、今般嚴重ニ御糺も可之處、先此度者、御宥免被成下置候間、向後豆腐仕込箱寸法、并 截切割合等、前々より之定付、委細申上、尤此節大豆直段も追々引上、實ニ引合兼、一同難儀仕候間、當分之内豆腐壹挺ニ付五拾貳文、燒豆腐壹ツ五文、油揚壹ツ五文、其外此度仕法書之通相仕立、聊も品柄爲劣不申樣、正路ニ賣買可仕段奉申上候ニ付、猶御糺之上、右賣直段之通御聞濟被成下有奉畏候、勿論此上萬一心得違いたし、不正之取計致候者ハ、嚴重ニ可仰付候間、厚可相心得旨被仰渡、是又奉畏候、依之御請書奉差上候處、仍如件、 天保十四〈卯〉年二月廿三日 〈本小田原町壹丁目傳五郎店〉豆腐渡世 三十郎 外四拾四人 前書之通、豆腐屋共http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/ra_ins002001.gif 、請書差上候ニ付、已來私共儀も心附、今般豆腐箱寸法、截切割合并直段等相定候上者、向後不正之賣買不致樣、支配限厚心附可申段、組合〈江〉早々可申通、仍如件、 〈諸色掛深川熊井町名主〉熊井理左衛門 外拾八人

〔元治物價上報〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.1002 豆腐小賣直段書上 一豆腐壹挺ニ付、代錢六拾文、 燒豆腐壹ツニ付、代錢五文、 右之通、當時賣直段奉申上候、以上、 芝中門前壹町目 〈子〉六月〈○元治元年〉 〈伊兵衛地借〉兼吉印

〈浪花襍誌〉

街之噂

〈二〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.1002 千長、モシ此地の豆腐は結構でムリヤスネ、鶴人、さやうさ隨分能ムリヤス、モシ此方の豆腐は、あれで一丁でムリヤス、万松、一丁には大分小さうムリヤスネ、鶴人、江戸の半丁よりも、まだ小ぶりで有やす、其替にはあれで十二文でムリヤス、江戸の一丁は六十文、半丁が三十文、 小半丁が十五文でありやすが、此方では半丁小半丁といふは賣やせん、千長、成ほどそれでいひ訣でありやす、此地の一〈ッ〉丁といふのが江戸の小半丁でありやすから、鶴人、油あげは江戸では五文に賣やすが、此方では却て〈ッ〉四文でムリヤス、燒豆腐も近頃は江戸で、五文のやうすでムリヤスが、こちらは貳文にうりやす、

〔守貞漫稿〕

〈後集一食類〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.1003 豆腐 京坂小形也、京都一挺以下賣ズ、大坂半挺モ賣ル、一挺十二錢、半挺六文也、江戸ハ大形也、豆腐製箱竪一尺八寸、横九寸也、用之製テ十挺或ハ十一挺ニ切リ、一挺五十六文、或ハ六十文ニ賣ル、四半挺ヨリ賣之也、燒豆腐、油揚豆腐トモニ五文也、

雜載

〔享保集成絲綸録〕

〈二十三〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.1003 寛永十九午年五月 一當年は豆腐仕間敷事〈○下略〉

〔本朝食鑑〕

〈二穀〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.1003 豆腐 發明、豆腐性寒而下氣、故多食則泄、然今擧世日食無害、儈家最爲上品、大抵日食者、雖小毒而不中、是相馴之故耶、雖煙酒番椒之峻勵、亦同一理耳、

〔浪花の風〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.1003 豆の性よろしき故にや、豆腐は江戸よりも宜し、

〔老の長咄〕

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.1003 さるものいふ、豆腐こそめでたきものはあらじ、我等好みて日々喰す、豆腐をすくものは果報ありとや、われ豆腐すきなれども、かくのごとく貧しきくらしなり、もしや嫌ひにてもあらば、水も飮事あたはじといふ、かたへの人いへるはさにあらず、何國の山里浦々にいたりても、とうふのなき所はなし、おのれがすくものあればことをかゝず、これゆへ果報ありといふなり、おもしろし、又紀迪といへる老人がいはく、されども豆腐に一ツの難あり、せめて一てうに銀五 匁程もせよかし、そのあたひの下直なるこそうらみなれといふに、しかなり〳〵と答ふ、

〔堺鑑〕

〈下〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.1004 紅葉豆腐 何國ニモ豆腐ハ有共、別シテ當津ノヲ勝タリト、古人ヨリ云傳リ、紅葉ト云名ヲ加タルコトハ、堺ノ櫻鯛ニモ不劣味ナレバトテ角云トゾ、花ニ對スル紅葉ノ縁成ベシ、又或人云、此豆腐ヲ人ノ能カフヤウニト祝テ付タル名共云リ、買樣ト紅葉ト音便成故歟、今豆腐ノ上ニ紅葉ヲ印ス、詞ニ就テ形ヲ顯成ベシ、買用モ通テヨシ、

〔守貞漫稿〕

〈後集一食類一〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.1004 豆腐 昔ハ豆腐ニ紅葉ノ形ヲ印ス、今モ江戸ニテハ印之、京坂ハ菱形ヲ印セリ、是ハ豆腐製筥ニ其形ヲ彫タル也、

〔毛吹草〕

〈三〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.1004 山城 前鬼豆腐 茶屋豆腐 伊豫 豆腐菽(トウフマメ) 豐後 豆腐菽

〔有德院殿御實紀附録〕

〈十七〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.1004 ものゝ味をしろしめし分られしこと、またたぐひなく、庖所の者どもも驚くまでなりしこと、しば〳〵ありしとなり、〈○中略〉豆腐を供したる時、こは白川大豆にて作りしかと御尋あり、庖人にとひしに、はたして宣ふがごとくなりしかば、いよ〳〵皆人感服せしとぞ、

〔續近世畸人傳〕

〈五〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.1004 大橋東堤 永田觀鵞〈○中略〉 觀鵞永田氏、名忠原、字俊平、一號東皐、又黎祁道人といふは、豆腐を嗜むこと甚しければ也、〈黎祁は豆腐の異稱なり〉

〔擁書漫筆〕

〈四〉

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png p.1004 豆腐記〈○白玉翁作〉はめでたき俳譜文也、その文にいはく、 それ豆腐はわが形四角四面にして、威儀をたゞしく生れ、和にして人の交にきらはれず、その身は精進潔齋なれども、和光同塵の花鰹に交り、諸社の神前にては田樂を奏し、神慮をすゞしめ奉 り、先春は櫻どうふに、祇園林の花にいさませ、二軒茶屋にかんばしき匂をこめ、あけぼの、朧豆腐に歌人の心をいさめ、雉子燒の妻戀に、珍客の舌鼓をほろ〳〵とうたせ、和歌連俳の席に、月花に心をよせ、一興の味に豆腐のいたらぬ所なし、そのかみ六彌太といへる、武士も岡部と名のり、風味にやはらぎ、寒夜には温飩どうふ、瓢箪酒に一夜をうごかし、唐土にては曹子建まめがらを焚、豆を煮たる間に、四句の詩をつくらせ、兄弟の不和を直し、朝夕貴家高儈の列につらなり、經文讀誦の聲を、布目ごとに聽聞し、身を油になして、齋非時の馳走を催し、南禪に入ては禪藥をして、葛だまりの衣を著し、旅人を敎化し、佛縁を引導せしむ、かゝる重寶の知識を還俗させて、やつこどうふとは、さて〳〵むげなるうき世かな、


Last-modified: 2019-03-15 (金) 09:48:58 (390d)