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- 動物部/蟲中 へ行く。
*&aname(E89FB2E4B8ADE89EA2){螢};
**〔新撰字鏡〕
***〈虫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1079:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1079.pdf]] 䗲〈力人反、螢、保太留(○○○)〉
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1079:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1079.pdf]] 螢 兼名苑云、螢〈胡丁反〉一名熠燿、〈上一入反、和名保太流、〉
**〔箋注倭名類聚抄〕
***〈八/蟲名〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1079:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1079.pdf]] 按本草古今注、並云、螢火一名熠燿、兼名苑蓋本&size(5){二};於此&size(5){一};、説文無&size(5){二};螢字&size(5){一};、古用&size(5){レ};熒、爾雅熒火卽炤、郭注、夜飛腹下有&size(5){レ};火、〈○中略〉陶注本草云、螢火此是腐草及爛竹根所&size(5){レ};化、初猶未&size(5){レ};如&size(5){レ};蟲、腹下已有&size(5){レ};光、數日已變而能飛、蜀本注云、此蟲是朽草所&size(5){レ};化也、衍義云、螢常在&size(5){二};大暑前後&size(5){一};飛出、月令雖&size(5){レ};曰&size(5){二};腐草&size(5){一};、然非&size(5){二};陰溼處&size(5){一};終無、郝氏曰、今驗&size(5){二};螢火&size(5){一};有&size(5){二};二種&size(5){一};、一種飛者、形小頭赤、一種無&size(5){レ};翼、形似&size(5){二};大蛆&size(5){一};灰黑色、而腹下火光大&size(5){二};於飛者&size(5){一};、及詩所&size(5){レ};謂宵行、爾雅之卽炤、亦當&size(5){レ};兼&size(5){二};此二種&size(5){一};、但説者止見&size(5){二};飛蟲&size(5){一};耳、
**〔類聚名義抄〕
***〈十/虫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1079:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1079.pdf]] 螢〈ホタル〉
**〔下學集〕
***〈上/氣形〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1079:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1079.pdf]] 螢(ホタル)〈腐草化成&size(5){レ};螢者也〉
**〔八雲御抄〕
***〈三下/虫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1079:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1079.pdf]] 螢 あきかぜふくとかりにつくと云り 夏虫共云
**〔日本釋名〕
***〈中/蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1079:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1079.pdf]] 螢(ホタル) ほは火也、たるは垂也、垂は下へさがりたるゝ也、
**〔東雅〕
***〈二十/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1079:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1079.pdf]] 螢ホタル 葦原中國に道速振荒振神等(チハヤブルアラフﾞルカミラ)多有て、夜者(ヨルハ)若&size(5){二};燿蜜火&size(5){一};而喧響(クニメホヤホタルビノサヤゲリナク)といふ事、舊事紀にみえたれば、此物の名上世にすでに聞えたる也、ホタルとは、たとへば爾雅に螢火卽炤とみえしが如く、ホは火也、タルは炤(テル)也、テルといひ、タルといふは、轉語なる也、萬葉集抄に、ホトロといふ
ことばを釋して、ホドロとはヒカルといふ詞也、ヒカル虫をホタルといふがごとしとみえし、卽是也、
**〔日本書紀〕
***〈二/神代〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1080:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1080.pdf]] 螢火(ホタルヒノ/○○)光神(カヽヤクカミ)
**〔釋日本紀〕
***〈八/述義四〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1080:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1080.pdf]] 以&size(5){二};神之威光&size(5){一};、喩&size(5){二};螢火之光&size(5){一};者也、
**〔大和本草〕
***〈十四/蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1080:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1080.pdf]] 螢火(ホタル) ホハ火ナリ、タルハ垂也、下體光ル、故名トス、大小二種アリ、山中ノ川ノ邊ニ多シ、勢田宇治ニハ螢火多クシテ賣&size(5){レ};之、賣&size(5){二};螢火&size(5){一};事、和漢メヅラシ、〈○中略〉詩經ニ熠燿タル宵行トイへリ、宵行ハ卽螢也、
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十八/化生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1080:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1080.pdf]] 螢火 ホタル〈和名鈔〉 ナツムシ〈古歌○中略〉&br;螢ハ夏初油菜稭ヲ刈ノ候、多ク出、大中小ノ三品アリ、皆水蟲ヨリ羽化シテ出、夏後卵ヲ生ジテ、復水蟲トナル、腐草化シテ螢ト成ルニ非ズ雄ナル者ハ光大ナリ、雌ナル者ハ光小ナリ、川ノ大小ヲ問ハズ、年中水ノ斷ザル川筋ニ多シ、城州宇治川、和州宇陀川江州西黑津大日山田上八島ノ螢火名産ナリ、ソノ形尋常ノ者ヨリ大ナリ、大ナル者ハ、ウシボウタル越前ト云フ、
**〔蟲譜圖説〕
***〈八/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1080:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1080.pdf]] 集解、時珍説、螢有&size(5){二};三種&size(5){一};ト言モノハ、頭及甲黑ク、背赤キ小蟲ナリ、今オシナベテホタロ(○○○)ト呼者ナリ、ムシホタロ(○○○○○)バ蠋ノ類ナリ、ウジホタロ(○○○○○)ハ、土ニ生ル蠶ノ類ニシテ、物各異リ、
**〔つれ〴〵草拾遺〕
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1080:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1080.pdf]] 腐草化して螢となるとはいへど、水にすむ尖螺(ミラ)といふもの、田蠃のやうにて、ほそながきが、化してほたるとなるよし、東國の人は申侍る、久我殿の池にはやくほたるおほかりしが、家https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00995.gif をおほく飼けるのちは、ほたるまれ〳〵になりにける、かのみらを、家https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00995.gif の喰ひ盡し侍りけんかし、
**〔空穗物語〕
***〈初秋〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1080:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1080.pdf]] 螢おはします御前わたりに、みつよつつれてとびありく、これがひかりに、ものは見えぬべかめりとおぼして、たちはしりて、みなとらへて、御そでにつゝみて御らんずるに、あま
たあらんは、よかりぬべければ、やがてわらはやさぶらふ、螢すこしもとめよやかのふみ思ひ出んと仰らる、殿上わらは、夜ふけぬれば、さぶらはぬうちにも、なかたゞの朝臣、承りたる樣ありて、水のほとり、草のわたりにありき、多くの螢をとらへて、朝服のそでにつゝみてもて參りて、くらき所にたちて、この螢をつゝみながら、うそぶく時に、上いとしく御らんじつけて、なほしの御袖にうつしとりて、つゝみかくしてもてまゐり給ひて、内侍のかみのさぶらひ給ふ、几帳のかたびらをうちかけ給ふに、かの内侍のかみの、ほどちかきに、この螢をさしよせて、つゝみながら、うそぶき給へば、さるうすものゝ御なほしにぞ、たゞつゝまれたれば、殘る所なくみゆる、
**〔伊勢物語〕
***〈上〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1081:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1081.pdf]] むかし男有けり、人のむすめのかしづく、いかで此男に物いはんと思ひけり、〈○中略〉時はみな月のつごもりいとあつきころほひに、よひはあそびをりて、夜ふけてやゝすゞしき風ふきけり、ほたるたかうとびあがる、この男見ふせりて、&br; ゆくほたる雲のうへまでいぬべくは秋風ふくと雁につげこせ〈○下略〉
**〔大和物語〕
***〈上〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1081:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1081.pdf]] 桂の見こに、式部卿の宮すみ給ける時、その宮にさぶらひけるうなゐなん、このおとこ宮をいとめでたしと思ひかけ奉りけるをも、えしり給はざりけり、ほたるのとびありきけるを、かれとらへてと、此わらはにのたまはせければ、かさみ○汗衫の袖にほたるをとらへて、つゝみて御覽ぜさすとて、聞えさせける、〈○歌略〉
**〔源氏物語〕
***〈二十五/螢〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1081:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1081.pdf]] み木丁のかたびらを、ひとへうちかけ給に、あはせて、ざとひかるもの、しそくをさし出たるかとあきれたり、ほたるをうすきかたに、此夕つかたいとおほくつゝみをきて、ひかりをつゝみかくし給へりけるを、さりげなくとかくひきつくろふやうにて、にはかにかくけちえんにひかれるに、あさましくて、あふぎをさしかくしたまへる、かたはらめいとおかしげなり、おどろおどうしきひかり見えば、宮ものぞき給ひなん、〈○中略〉御心ときめきせられ給ひて、えなら
ぬうすものゝかたびらのひまより、みいれたまへるに、ひとまばかりへだてたるみわたしに、かくおぼえなきひかりの打ほのめくを、おかしとみ給ふ、程もなくまぎらはしてかくしつ、されどほのかなるひかり、えんなることのつまにもしつべく見ゆ、ほのかなれど、そびやかにふし給へりつるやうだいのおかしかりつるを、あかずおぼして、げにあのごと御心にしみにけり、なく聲も聞えぬ虫の思ひだに人のけつにはきゆる物かは、思ひしり給ぬやと聞え給ふ、〈○下略〉
**〔枕草子〕
***〈一〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1082:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1082.pdf]] 夏はよる月のころはさらなり、やみもなほほたるおほくとびちがひたる、又たゞ一二などほのかにうちひかりてゆくも、いとおかし、
**〔古今著聞集〕
***〈五/和歌〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1082:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1082.pdf]] 和泉式部おとこのかれ〴〵に成ける比、貴布禰に詣でたるに、ほたるのとぶを見て、&br; ものおもへば澤のほたるも我身よりあくがれいづる玉かとぞみる、とよめりければ、御社の内に忍たる御聲にて、&br; おく山にたぎりておつる瀧津瀨の玉ちるばかりものなおもひそ、其しるしありけるとぞ、
**〔宇治拾遺物語〕
***〈十二〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1082:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1082.pdf]] いまはむかし、あづまうどのうたいみじうこのみよみけるが、ほたるを見て、 あなてりやむしのしや尻に火のつきてこ人玉ともみえわたるぞ、&br;あづま人のやうによまんとて、實はつらゆきがよみたりけるとぞ、
**〔今物語〕
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1082:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1082.pdf]] ある殿上人、ふるき宮ばらへ、夜ふくる程に參りて、北のたいのめむだうにたゝずみけるに、局におるゝ人の氣色あまたしければ、ひきかくれてのぞきけるに、御局のやり水に、螢のおほくすだきけるを見て、さきにたちたる女房の、螢火みだれとびてと、うちながめたるに、つぎなる人、夕殿に螢とんでとくちずさむ、しりにたちたる人、かくれぬものは夏むしの、とはなやかにひとりごちたり、とり〴〵にやさしくもおもしろくて、此男何となくふしなからんもほいなくて、
ねずなきをしいでたりける、さきなる女房ものおそろしや、螢にも聲のありけるよとて、つやつやさわぎたるけしきなく、うちしづまりたりける、あまりに色ふかくかなしくおぼえけるに、今ひとり、なく虫よりも、とこそとりなしたりけり、是もおもひ入たるほどおくゆかしくて、すべてとり〴〵にやさしかりける、&br; 音もせでみさほ〈○みさほ、後拾遺和歌集三作&size(5){二};おもひ&size(5){一};、〉にもゆる螢こそ鳴虫よりも哀成けれ&br; 螢火亂飛秋已近、辰星早沒夜初長、&br; 夕殿螢飛思悄然&br; つゝめどもかくれぬ物は夏むしの身よりあまれる思ひ成けり
**〔四季物語〕
***〈五〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1083:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1083.pdf]] 石山に詣でぬ、かへさには、螢いくそばく、薄衣の器に包み入れて、宮の内に奉れば、ここらの御簾、或は御局のそこらに、數多放されて、晴るゝ夜の星とものせしも、いひしらず思ひたどりぬ、されどこの蟲も夜こそあれ、晝は色異樣に夜の光にはけおされて、劣れる蟲也、まいて手に觸れ身に添へては、惡しき香うつり來ぬ、手には蘭を握り、身には百壽の香を塗る、若人君の前にては、心あるべき蟲の香ならし、
**〔伊勢物語〕
***〈下〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1083:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1083.pdf]] はるゝ夜の星かかはべのほたるかもわがすむ方のあまのたく火か
**〔明月記〕
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1083:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1083.pdf]] 嘉祿二年四月七日辛卯、招&size(5){二};請承明門黃門令衆&size(5){一};灌佛、布施三エタスキ薄物小單文裏白張薄物、以&size(5){二};胡紛&size(5){一};キコエ、ヌ虫ノ思ダニト令&size(5){レ};晝以&size(5){二};几張手横&size(5){一};竿以&size(5){二};黑紐&size(5){一};結&size(5){二};付之&size(5){一};、其中入&size(5){レ};螢也、
**〔つれ〴〵草拾遺〕
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1083:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1083.pdf]] ほたるこそ、猶なまめかしくをかしけれ、あこがれいでしたまなど聞えしは、わびしけれど、風にさそはれて、そこはかとなく、とびちりたるもをかし、夜ふけて、軒ちかくきらめくが、まどしとみなどのうちについ入て、とびまどひたる、ことにをかし、
**〔牛馬問〕
***〈四〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1083:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1083.pdf]] 宗祇石山にもふで、螢を見て、
うき草に火を埋たるほたるかな&br;童子かたはらに有て曰、死螢なるやと、宗祇驚き、 池水に火をうつなみのほたる哉&br;此童子何ものぞや
**〔骨董集〕
***〈上編上〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1084:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1084.pdf]] 駒形の螢&br;江戸雀〈延寶五年印本〉十之卷淺草駒形堂の條に云、〈○中略〉船つきにして、出船入船のありさまは、遠浦の歸帆とや申さん、九夏三伏のあつき比は、風すゞやかに吹おとし、とびかふ螢水にうつり、勝景かぎりなき所なりとあり、繪を見るに堂のかたはらに、樹木ある體をかけり、又江戸名所記〈寬文二年板〉の駒形堂の圖を見るに、木立葆(くさむら)などありて、螢もをるべき體也、&br; 焦尾琴(元祿十四年板)こまがたに舟をよせて、 此碑では江を哀まぬ螢哉 其角&br; かくいへるも、眼前の體なるべし、今は所せきまで人家立つゞきて、螢に化すべき草だになし、〈○下略〉
**〔嬉遊笑覽〕
***〈十二/禽蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1084:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1084.pdf]] 螢合戰(○○○)は、狂歌咄に、卯月の末つかた、こゝ〈宇治〉は螢の集りえならぬ興を催せり、餘所の螢よりは、一きは大にして、光りことさらにみゆ、世にいふ賴政入道が亡魂にて、今も軍する有さまとて、夜に入ぬれば、數十萬のほたる川面にむらがり、或は鞠の大さ、或はそれよりも猶大に丸がりて、空にまひあがり、とばかり有て水のうへにはたと落て、はら〳〵ととけてながれ行こと、幾むらとも限りなし、正章千句に、纚(サデ)網をもちかよふ夏川、螢こよといふ聲、波に響きわたり、續山井に、火廻しがせたから宇治に行ほたる、〈衆下〉和漢三才圖會に、〈○註略〉石山の溪に螢多して、常のよりは大なり、此所を螢谷と呼、北は勢多の橋、南は供江ケ瀨に至る、其あはひを群がり飛こと、高さ十丈ばかり、火燄のごとし、又數百集りて塊ることあり、大かた芒種の後、五日より夏至の後、五日
までの間、十五日ばかりを盛りの時とす、其後下りて宇治川に到る、こゝには夏至小暑の間をさかりとす、また一説に云、小滿の後、四日五日の間、宇治勢田西賀茂北宇喜多社、及水上村に螢多くあり、一時の壯觀なりといへり、東國には、下野佐野を名所とす、
**〔後拾遣和歌集〕
***〈三/夏〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1085:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1085.pdf]] ほたるをよみ侍りける 源重之&br;をともせで思ひにもゆる螢こそ鳴虫よりも哀なりけれ&br; 宇治前太政大臣卅講のゝち歌合し侍けるに、ほたるをよめる、 藤原良經朝臣&br;澤水に空なるほしのうつるかとみゆるは夜はのほたるなりけり
**〔後奈良院御撰何曾〕
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1085:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1085.pdf]] 秋の田の露おもげなるけしきかな 螢
*&aname(E89FB2E4B8ADE8A0B9){蠹};
**〔新撰字鏡〕
***〈虫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1085:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1085.pdf]] 蛙〈注音、謂虫物、槙壞衣者、如&size(5){二};白魚等&size(5){一};、乃牟之(○○○)、〉
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1085:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1085.pdf]] 蠹 説文云、蠹〈音妬、和名乃牟之、〉木中虫也、
**〔箋注倭名類聚抄〕
***〈八/蟲名〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1085:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1085.pdf]] 新撰字鏡、蛙、乃牟之、今能登俗呼&size(5){二};衣魚(○○)&size(5){一};爲&size(5){二};乃乎之&size(5){一};、伊豫俗呼&size(5){二};乃之(○○)&size(5){一};、皆乃牟之轉、而訓&size(5){二};衣魚&size(5){一};、與&size(5){レ};訓&size(5){レ};蠧、古今不&size(5){レ};同耳、今俗呼&size(5){レ};蠹爲&size(5){二};&size(5){一};、〈○中略〉木食蟲(○○○)原書䖵部同、陳藏器曰、木蠹一如&size(5){二};蠐螬&size(5){一};、節長足短、生&size(5){二};腐木中&size(5){一};、穿&size(5){レ};木如&size(5){二};錐刀&size(5){一};、至&size(5){レ};春羽化、一名蝎、爾雅云、蝎咭https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01578.gif 、注云木蠹也、蘇敬以爲&size(5){二};蠐螬&size(5){一};、誤也、按是羽化爲&size(5){二};天牛&size(5){一};者、宜&size(5){レ};倂&size(5){二};見上蠰及蠐螬條&size(5){一};、
**〔壒囊抄〕
***〈一〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1085:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1085.pdf]] 蠹ノ字丁護反、古文ニハ螙ト書ク、ノンシト讀也(○○○○○○)、木蟲トモ云、又ハ白魚共云、皆是ノンシ也、其國ニ居テ其國ヲ亡ス蠹ノ其木ヲ飡テ、其木ヲ枯スニ喩ヘタリ、今シミ(○○)ト云是也、私ニ思ハク、木ヲ飡ノンシニハ、木蟲ヲ用ヒ、紙ヲ食ノンシニハ、白魚ヲ用ベキ歟、蠹ノ字何レニモ亘ベキ也、
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十八/化生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1085:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1085.pdf]] 木蠹蟲 ノムシ〈和名鈔〉 キクラヒムシ(○○○○○○) キクヒムシ ゴトウムシ(○○○○○)〈信州〉諸木身中ニ生ジ、内ヨリ木ヲ食フ長蟲ナリ、形ハ烏蠋(イモムシ)ノ如シ、木ニヨリテ其效異ナリ、故ニ下ニ各木蠹蟲ヲ出シ、初ニ總名ヲ擧テ木蠹蟲ト云フ、皆後ニハ羽化シテ天牛(カミキリムシ)、叩頭蟲(キヽリムシ)、飛生蟲(カフﾟトムシ)ノ類トナル、
各木ニヨリテ化スルトコロノ蟲異ナリ、木上ニ生ジテ葉ヲ食フ者ハ蠋(アヲムシ)ニシテ蠹ニ非ズ、松(マツノ)蠹蟲(/○)ハ形鳥蠋ノ如クニシテ肥大、長サニ寸許、南部ニテ土人醬油ヲツケ燒食フト云、又臭梧桐蠹蟲(クサギノムシ/○○○○○)ハ醬油ニ漬炙リ、小兒ニ與へ食ハシム、虚損疳疾ヲ治スト云、津輕ニテハトウノキノムシ(○○○○○○○)ト呼ビ、信州ニテハ トウナムシ(○○○○○)ト云フ、
**〔延喜式〕
***〈三十一/宮内〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1086:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1086.pdf]] 凡應&size(5){レ};給&size(5){二};諸司月料魚宍&size(5){一};者、省司毎月臨&size(5){二};勘厨庫見物多少、及可&size(5){レ};蠹(ムシハム)之物&size(5){一};申&size(5){レ};官充用、勿&size(5){レ};致&size(5){二};蠹腐(○○○○)&size(5){一};、臨時雜用准&size(5){レ};此、
*&aname(E89FB2E4B8ADE6A183E8A0B9){桃蠹};
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1086:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1086.pdf]] 桃蠹(○○) 本草云、桃蠹、一名山龍蠧、〈和名毛毛(○○○○○)乃牟之〉食&size(5){二};桃樹&size(5){一};虫也、
**〔箋注倭名類聚抄〕
***〈八/蟲名〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1086:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1086.pdf]] 原書果部下品桃核條云、桃蠹食&size(5){二};桃樹&size(5){一};蟲也、不&size(5){レ};載&size(5){二};一名&size(5){一};、陶注云又有&size(5){二};山龍桃&size(5){一};、其仁不&size(5){レ};堪&size(5){レ};用、本草和名桃核條竝&size(5){二};擧桃蠹食桃樹虫&size(5){一};也、山龍桃出&size(5){二};陶景注&size(5){一};、無&size(5){二};和名&size(5){一};、山龍桃者桃之一種、其仁不&size(5){レ};堪&size(5){二};藥用&size(5){一};、故擧以示&size(5){レ};之也、源君誤&size(5){二};山龍桃&size(5){一};作&size(5){二};山龍蠹&size(5){一};、遂爲&size(5){二};桃蠹一名&size(5){一};、其誤甚矣、按證類本草山龍桃脱&size(5){二};龍字&size(5){一};、又按本草桃蠹、卽桃木中蠹、非&size(5){二};桃子中蟲&size(5){一};、孟子云、井上有&size(5){レ};李、螬食&size(5){レ};實者過&size(5){レ};半矣、然則桃子中蟲、亦可&size(5){レ};謂&size(5){二};之桃螬&size(5){一};也、螬蠐螬也、按證類本草脱&size(5){二};龍字&size(5){一};、宜&size(5){レ};依&size(5){二};新修本草、本草和名及本書&size(5){一};而補正&size(5){上};、
**〔和漢三才圖會〕
***〈五十三/化生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1086:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1086.pdf]] 蝎〈○中略〉&br;桃蠹〈和名毛毛乃牟之、一名山龍蠹、〉 食&size(5){二};桃樹&size(5){一};蟲也、殺&size(5){レ};鬼辟&size(5){二};邪惡不祥&size(5){一};、又其蛙糞爲&size(5){レ};末、水服則辟&size(5){二};温疫&size(5){一};、令&size(5){レ};不&size(5){二};相染&size(5){一};、
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十八/化生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1086:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1086.pdf]] 桃蠹蟲 モヽノムシ〈和名鈔〉&br;本草蒙筌ニ、桃蠹食皮長蟲ト云、本經逢原ニ、桃實中蟲食&size(5){レ};之、令&size(5){二};人美顏&size(5){一};、色與&size(5){二};桃蠹&size(5){一};不&size(5){レ};異ト云へリ、
*&aname(E89FB2E4B8ADE69FB3E8A0B9){柳蠹};
**〔和漢三才圖會〕
***〈五十三/化生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1086:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1086.pdf]] 蝎〈○中略〉&br;柳蠹蟲(○○○)〈甘辛平有&size(5){二};小毒&size(5){一};〉 至&size(5){二};春夏&size(5){一};化爲&size(5){二};天牛(カミキリムシ)&size(5){一};、蓋桑柳蝎共、有&size(5){レ};治&size(5){二};驚風及血症&size(5){一};之功&size(5){上};、然今俗以&size(5){二};柳蟲(○○)&size(5){一};、爲&size(5){レ};治&size(5){二};痘瘡變症&size(5){一}; 神樂&size(5){上};、予屢試&size(5){レ};之未&size(5){レ};見&size(5){レ};効、
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十八/化生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1086:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1086.pdf]] 柳蠹蟲 ヤナギノムシ 一名柳木蛙蟲〈附方〉 柳蟲〈同上〉
此蟲臭梧桐蠹蟲ト形モ効モ同ジ、大和本草ニ、小兒痘ノ後餘毒腫レ、俗ニヨリト云ニ榑レバ愈ト云へリ、
*&aname(E89FB2E4B8ADE6A191E8A0B9){桑蠹};
**〔和漢三才圖會〕
***〈五十三/化生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1087:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1087.pdf]] 蝎〈○中略〉&br;桑蠹蟲(○○○)〈甘温無&size(5){レ};毒〉 其糞能治&size(5){二};小兒胎癬&size(5){一};、先以&size(5){二};葱鹽湯&size(5){一};洗淨、用&size(5){二};桑木蛙屑&size(5){一};、燒存&size(5){レ};性、入&size(5){二};輕粉&size(5){一};、等分油和敷&size(5){レ};之、凡小 兒頭生&size(5){レ};瘡、手爬處卽延生、謂&size(5){二};之胎癬&size(5){一};、
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十八/化生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1087:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1087.pdf]] 桑蠹蟲 クハノムシ 一名桑木中蝎蟲〈附方〉&br;桑ノ樹身ニ生ジ、内ヨリ木ヲ食フ蟲ナリ、以下諸木皆コレニ傚フ、桑ノ蟲糞ヲ桑木蛙屑〈附方〉ト云、又桑木裏蠹蟲糞 桑木上蟲糞〈共同上〉トモ云フ、
*&aname(E89FB2E4B8ADE892BCE880B3E8A0B9){蒼耳蠹};
**〔和漢三才圖會〕
***〈五十三/化生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1087:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1087.pdf]] 蝎〈○中略〉&br;蒼耳蠹(ヲナモミノムシ) 生&size(5){二};蒼耳草梗中&size(5){一};、狀如&size(5){二};小蠶&size(5){一};、取&size(5){レ};之但看&size(5){レ};梗、有&size(5){二};大蛙眼&size(5){一};者、以&size(5){レ};刀截&size(5){二};去兩頭&size(5){一};、有&size(5){レ};蛙梗多收、線縛掛&size(5){二};簷下&size(5){一};、 其蟲在&size(5){レ};内、經&size(5){レ};年不&size(5){レ};死、用時取出、細者以&size(5){二};三條&size(5){一};、當&size(5){レ};一用&size(5){レ};之、以&size(5){二};麻油&size(5){一};浸死、收貯毎用一二枚、擣傅&size(5){二};疔腫惡毒 卽時毒散、大有&size(5){二};神効&size(5){一};、
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十八/化生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1087:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1087.pdf]] 蒼耳蠹蟲 オナモミノムシ一名蒼耳草梗中蟲〈附方〉 蒼耳草内蟲 蒼耳節内蟲〈共同上〉&br;蒼耳ノ莖中、及節中ニ生ズル蟲ナリ、下ノ靑蒿モ同ジ、
*&aname(E89FB2E4B8ADE898B9E9A699E89FB2){蘹香蟲};
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十七/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1087:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1087.pdf]] 蘹香蟲(○○○) ウイキヤウノムシ(○○○○○○○○)、&br;茴香ニ生ズル蟲、多クハ橘蠹ナリ、凡香氣アル草木上ニミナアリ、後ニ羽化シテ鳳子蝶トナル、蛺蝶ノ條下詳ニス、
*&aname(E89FB2E4B8ADE9BDA7E9ABAEE89FB2){齧髮蟲};
**〔新撰字鏡〕
***〈虫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1087:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1087.pdf]] 靭〈加彌(○○)(彌下恐脱&size(5){二};岐字)利虫(○○)〉
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1087:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1087.pdf]] 齧髮虫 玉篇云蠰〈相毫反、漢語抄云、加美木里無之(○○○○○○)、〉齧&size(5){レ};髮虫也、
**〔箋注倭名類聚抄〕
***〈八/蟲名〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1088:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1088.pdf]] 新撰字鏡、https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01579.gif 訓&size(5){二};加彌利虫&size(5){一};、當&size(5){レ};脱&size(5){二};岐字&size(5){一};、按加美岐利无之之名、今俗所&size(5){レ};呼同、與&size(5){二};齧髮&size(5){一};義合、〈○中略〉郭注爾雅云、似&size(5){二};天牛&size(5){一};長角、體有&size(5){二};白點&size(5){一};、喜齧&size(5){二};桑樹&size(5){一};、作孔入&size(5){二};其中&size(5){一};、李時珍曰、此以&size(5){二};天牛齧桑&size(5){一};爲&size(5){二};二物&size(5){一};也、而蘇東波天水牛詩云、兩角徒自長、空飛不&size(5){レ};服&size(5){レ};箱、爲&size(5){レ};牛竟何益、利吻空枯&size(5){レ};桑、此則謂&size(5){二};天牛卽囓桑&size(5){一};也、大抵在&size(5){二};桑樹&size(5){一};者卽爲&size(5){二};囓桑爾、〈○中略〉又按、爾雅、蝎桑蠹、蠰齧桑、然諸樹蠹所&size(5){二};羽化&size(5){一};名&size(5){二};天牛&size(5){一};、桑樹蠹所&size(5){二};羽化&size(5){一};名&size(5){レ};蠰也、
**〔伊呂波字類抄〕
***〈加/動物〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1088:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1088.pdf]] 蠰〈カミキリムシ〉
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十八/化生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1088:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1088.pdf]] 天牛 カミキリムシ〈和名鈔〉 ツノムシ(○○○○)〈薩州○中略〉&br;木蠹蟲(キクヒムシ)、春夏ノ交リニ至リ、水中ニテ羽化シ、木ヲ穿チ、穴シテ出ルモノナリ、山中ニ多シ、長サ一寸餘、徑四分許、腹ニ六足アリ、背ニ硬キ甲アリ、色黑クシテ白點アリ、翅ハ甲下ニカクル、首ニフトキ鬚二條アリ、黑白相雜リ、身ヨリ長シ、藏器兩角ト云ハ此鬚ヲ指スナリ、口ニ利齒左右ニアリテ蜈蚣(ムカデ)ノ如シ、髮ヲモ能ク囓キル、竹木ノ類ハ更ナリ、故ニカミキリムシト云、陰天ニハ必多ク出テ地上ヲ行ク、此蟲ノ桑樹ヨリ出ルヲ囓桑ト云、又一種形狀同ジクシテ、栗殻(クリ)色ニシテ白點ナク、角ニハ褐ト黑トノ斑アルモノアリ、薩州ニテ枇杷ムシ(○○○○)同名アリト呼ブ、
*&aname(E89FB2E4B8ADE8A090E89EAC){蠐螬};
**〔新撰字鏡〕
***〈虫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1088:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1088.pdf]] 蠐〈在鷄反、須久毛(○○○)、〉
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1088:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1088.pdf]] 蠐螬 本草云、蠐螬〈齊曹二音〉一名蛣https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01578.gif 〈吉屈二音、和名須久毛無之、〉爾雅注云、一名蝤蠐、〈上オ尢反〉
**〔箋注倭名類聚抄〕
***〈八/蟲名〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1088:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1088.pdf]] 千金翼方、證類本草中品有&size(5){二};蠐螬&size(5){一};、不&size(5){レ};載&size(5){二};蛣https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01578.gif 之名&size(5){一};、所&size(5){レ};引爾雅注、亦非&size(5){二};郭璞&size(5){一};、〈○中略〉按説文、https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01580.gif 、https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01580.gif https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01581.gif 也、蝤蝤https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01580.gif 也、蝎蝤https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01580.gif 也、蛣https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01578.gif 蝎也、〈○中略〉太平御覽引&size(5){二};陸機疏&size(5){一};云、蠐螬生&size(5){二};糞土中&size(5){一};、其説與&size(5){レ};郭合、陶、云大者如&size(5){二};足大指&size(5){一};、以&size(5){レ};背行、乃駛&size(5){二};於脚&size(5){一};、郝曰、此物有&size(5){レ};足而任&size(5){レ};背行、亦不&size(5){レ};駛也、蘇敬曰、此蟲有&size(5){レ};在&size(5){二};糞聚&size(5){一};、或在&size(5){二};腐木中&size(5){一};、其在&size(5){二};腐柳樹中&size(5){一};者、内外潔白土糞中者、皮黃内黑黯、陳藏器云、蠐螬居&size(5){二};糞土中&size(5){一};、身短足長、背有&size(5){二};毛筋&size(5){一};、但從&size(5){レ};夏入&size(5){レ};秋蛻爲&size(5){レ};蟬、飛&size(5){レ};空飮&size(5){レ};露、能鳴&size(5){二};高潔&size(5){一};、蝎在&size(5){二};朽木中心&size(5){一};、穿如&size(5){二};錐刀&size(5){一};、一名蠹、身長足短、口
黑無&size(5){レ};毛節慢、至&size(5){レ};春羽化爲&size(5){二};天牛&size(5){一};、兩角狀如&size(5){二};水牛&size(5){一};色黑、背有&size(5){レ};白點&size(5){一};、上下緣&size(5){レ};木、飛騰不&size(5){レ};遙、二蟲出處旣殊、形質又別、〈○中略〉則源君訓&size(5){二};須久毛牟之&size(5){一};者、謂&size(5){二};糞土中者&size(5){一};也、
**〔伊呂波字類抄〕
***〈須/動物〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1089:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1089.pdf]] 蠐螬〈スクモムシ〉 蛣https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01578.gif 蝤蠐〈已上同〉
**〔東雅〕
***〈二十/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1089:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1089.pdf]] 蠐螬スクモムシ〈○中略〉 爾雅註に據るに、蠐螬在&size(5){二};糞土中&size(5){一};といふなり、俗に糞土をスクモといふなり、其中にあるに因りて、此名ありしなるべし、此物夏秋の交、蛻して蟬となるなり、
**〔和漢三才圖會〕
***〈五十三/化生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1089:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1089.pdf]] 蠐螬(きりうじ/すくもむし) 蟦蠐 蜰蠐 乳齋 應條 地蠶 和名、須久毛無之、〈○中略〉&br;按蠐蝤、今俗呼名&size(5){二};賀登(○○)&size(5){一};者也、栗根及薯蕷下多有&size(5){レ};之、大抵寸半許、似&size(5){レ};蠶而腰略細足略長、背有&size(5){二};皺筋&size(5){一};、以&size(5){レ};背滾行蛻而爲&size(5){レ};蟬、但不&size(5){レ};有&size(5){レ};毛耳、&br;一種生&size(5){二};圃園糞土中&size(5){一};、食&size(5){二};斷草木根&size(5){一};、多爲&size(5){レ};害者、俗呼名&size(5){二};木里宇之(○○○○)&size(5){一};、其形似&size(5){レ};蠶而肥皂負或灰白、或赤褐色、短足大小不&size(5){レ};一、常圓屈而如&size(5){二};猫幡臥狀&size(5){一};、
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十八/化生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1089:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1089.pdf]] 蠐螬 ヂムシ(○○○)〈總名〉 ガツトウムシ(○○○○○○)〈播州〉 アマメ(○○○)紀州 子キリムシ(○○○○○)〈仙臺〉 シロコムシ(○○○○○) チゴクムシ(○○○○○)〈共同上〉 コトコトムシ(○○○○○○)〈加州〉 コエムシ(○○○○)〈肥前〉 シクジ(○○○)〈尾州〉ニウドウ(○○○○)〈阿州〉 ニウドウムシ(○○○○○○)〈上州〉 ドンガ(○○○)〈若州〉 ツボムシ(○○○○)〈薩州〉 カラスノハヽ(○○○○○○)〈泉州〉 ガトムシ(○○○○) チノソコノウバ(○○○○○○○)〈共同上〉 ノケダ(○○○)〈防州〉 ノケダウジ(○○○○○)〈同上〉 イシノシタノウハキゼウ(○○○○○○○○○○○)〈筑前〉 ムマノクソムシ(○○○○○○○)〈筑後○中略〉&br;園圃土中ニ生ズ、形烏蠋(イモムシ)ノ如ク、長サ一寸、或ハ一寸餘、白色ニシテ、首赤ク尾黑シ、草根ヲ食ヒ、或ハ嫩苗ヲ囓截リ、大ニ害ヲナス、掘テ土上ニ出ス時ハ曲屈シテ動カズ、暫クシテ蠕行シ、土中ニ隱ル、春後ニ至リ、土内ニテ化シテ、https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01582.gif 蜟(ニシヤドチ/○○)トナリ、後羽化シテ蟬トナル、一種形大ニシテ、長サ三寸許ナルアリ、通ジテヂムシト呼ブ、泉州ニテハ、ゴトムシ(○○○○)ト云フ、此蟲羽化シテ、蚱蟬(アキセミ)、馬蜩(ヤマセミ)ノ大蟬トナル、又一種春時土中ニ長サ一寸許、濶サ一分許ニシテ、色黑キ蟲アリ、早朝ニ土上ニ出テ、草ノ嫩苗ヲ
囓截ル、俗名キリウジ、又キリムシ共云フ、是群芳譜菊ノ條下ニイへル黑小地蠶ナリ、又桃栗等ノ實内ニ生ズル色白キ長蟲ヲモ蠐螬ト云、同名ニシテ混シﾞヤスシ、孟子ノ註ニ螬ハ蠐螬也トイへリ、スクモムシト訓ズ、
**〔蟲譜圖説〕
***〈八/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1090:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1090.pdf]] 腹蜟〈キノボリ(○○○○)、又キドマリ(○○○○)、〉集解、時珍曰、腹蜟折&size(5){レ};脊而爲&size(5){レ};蟬、此蟲至&size(5){レ};夏登&size(5){レ};木而脱、
*&aname(E89FB2E4B8ADE69691E78CAB){斑猫};
**〔和漢三才圜會〕
***〈五十二/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1090:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1090.pdf]] 斑猫(はんめう) 斑蝥 盤蝥 龍蚝 斑蚝 蝥刺也、言毒如&size(5){二};矛刺&size(5){一};也、俗訛爲&size(5){二};斑猫&size(5){一};、〈○中略〉按人食&size(5){二};豆葉&size(5){一};者、能擇取宜&size(5){二};淨洗&size(5){一};、恐有&size(5){二};斑猫毒&size(5){一};、夏秋出&size(5){二};於圃園&size(5){一};、飛&size(5){二};道街&size(5){一};五六尺而止、止則必顧看、但倭斑〈○中略〉毒不&size(5){レ};如&size(5){二};外國者之甚&size(5){一};也、蓋有&size(5){二};古方藥用&size(5){レ};之者&size(5){一};然不&size(5){レ};可&size(5){二};輕用&size(5){一};也、
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十七/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1090:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1090.pdf]] 斑蝥 ハンメウ〈卽斑猫ノ音〉 一名龍尾〈千金翼方事物異名〉 加乙畏〈郷藥本草〉&br;漢渡具物ナレドモ、今ハ渡ラズ、蠻舶來モ形狀同ジ、長サ一寸許、首ニ兩短鬚アり、背甲ニ黑ト赤黃色トノ斑アリ、本草原始ノ圖ニ異ナラズ、腹ノ色黑シ、近來江戸ニ此蟲アリ、余モコレヲ捕得タリ、只斑ニ微シク紅色ヲ帶ブ、 又和ノ斑猫ト藥舖ニ唱フルモノアリ、往年唐山ヨリモ來ルト云傳フ、ソノ形ハ甚ダ異ナリ、俗名ミチシルべ(○○○○○)、ジヤウメムシ(○○○○○○)〈北國〉タイドウトヲシ(○○○○○○○)〈讃州〉カイトﾞウトヲリ(○○○○○○○)〈新校正〉 此蟲ハ舶來ノ者ヨリ形小ク、長サ八分許、前ハ狹ク、後ハ廣ク、行夜ノ形ニ似タリ、背甲黑色ニシテ碧綠ノ光アリ、黃ト紅トノ小斑ヲ點シテ美ハシ、腹ノ色黑シ、山野白沙アル地ニ多シ、徑路ノ間、人ニ先ツテ飛ブコト一二歩、地ニ下レバ必人ニ向フ、旋追ヘバ旋飛ブコト數度ニシテ外ニ飛去ル、山ニ近キ寺社ノ内殊ニ多シ、此蟲形狀舶來ノ者ニ異ナレドモ、ソノ功ハ大抵相同ジ、
*&aname(E89FB2E4B8ADE59CB0E886BD){地膽};
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1090:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1090.pdf]] 地膽 本草云、地膽、一名芫靑、〈上音元、和名仁波豆々(○○○○)、〉
**〔箋注倭名類聚抄〕
***〈八/蟲名〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1090:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1090.pdf]] 千金翼方、證類本草下品、芫作&size(5){レ};蚖、本草和名引作&size(5){レ};芫、與&size(5){レ};此同、按蓋是蟲其色靑、好在&size(5){二};芫華上&size(5){一};、故名&size(5){二};芫靑&size(5){一};、作&size(5){二};蚖靑者、後人从&size(5){レ};虫耳、與&size(5){二};榮蚖字&size(5){一};自別、然陶隱居謂、蚖字恐是相承之誤、而別有&size(5){二};芫靑&size(5){一};、則此不&size(5){レ};從&size(5){レ};艸明、則知陶所&size(5){レ};見本草作&size(5){二};地膽一名蚖靑&size(5){一};無&size(5){レ};疑、蓋輔仁改&size(5){レ};蚖作&size(5){レ};芫源君從&size(5){レ};之、非&size(5){二};本草
之舊&size(5){一};也、按本草云、地膽、一名蚖靑者混&size(5){二};言之&size(5){一};、別錄擧&size(5){二};芫靑&size(5){一};者析&size(5){レ};之也、陶言&size(5){二};蚖靑芫靑不&size(5){一レ};同者泥矣、〈○中略〉按邇波都々之名今不&size(5){レ};傳、其物未&size(5){レ};詳、按地膽陶云、狀如&size(5){二};大馬蟻&size(5){一};有&size(5){レ};翼、陶云、芫靑芫花時取&size(5){レ};之、靑黑色、蜀本圖經云、形大小如&size(5){二};班猫&size(5){一};、純靑綠色、又云、背上一道黃文、尖喙、小野氏曰、地膽今俗呼&size(5){二};都知班猫(○○○○)&size(5){一};、芫靑呼&size(5){二};阿乎班猫(○○○○)&size(5){一};、
**〔和漢三才圖會〕
***〈五十二/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1091:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1091.pdf]] 地膽(にはつゝ) 蚖靑 靑蠵 杜龍 和名仁波豆豆〈○中略〉&br;按、有毒之藥不&size(5){レ};可&size(5){二};輕用也、而和劑局方耆婆萬病圓中、有&size(5){二};芫靑、石蜥https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01583.gif 、蜈蚣&size(5){一};、以&size(5){レ};毒攻&size(5){レ};毒、能平&size(5){二};治堅結難病&size(5){一};矣、遠則如&size(5){二};砒霜、輕粉&size(5){一};、近則大黃、牽牛子之類、亦皆然矣、蓋鋸釿猶&size(5){二};瀉藥&size(5){一};、鉋鐁猶&size(5){二};補藥&size(5){一};、其所&size(5){レ};用各有&size(5){二};定格&size(5){一};、而以&size(5){二};能用&size(5){レ};之者&size(5){一};爲&size(5){二};良匠&size(5){一};、
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十七/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1091:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1091.pdf]] 地膽 ニハツヅ〈和名鈔〉 ツチハンメウ(○○○○○○)&br;舶來ナシ、山中土内或ハ原野石間ニ居リ、時時出行ク、長サ一寸餘、濶サ三四分、色黑クシテ碧光アリ、背上ニ短翅アリ、飛ブコト能ハズ、凡ソ斑蝥、芫靑、葛上亭長、地膽ノ四蟲、ソノ種自ラ別ナリ、而ルニ本一蟲ニシテ、時ニヨリ所ニヨリテ名ヲ變ズト云説ハ甚ダ誤リナリ、&br;增、地膽ハ斑猫ノ類ニシテ、行夜(ヘヒリムシ)ニ似タリ、晝ハ蟄シテ、黃昏ヨリ地上ニ出テ疾行ス、形瘦テ黑色、脊ニ螢ノ如キ堅キ羽アリ、尾ノ端ニ微シク赤斑アリ、稀ナルモノナリ、
*&aname(E89FB2E4B8ADE88AABE99D912FE8919BE4B8){芫靑/葛上亭長};
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十七/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1091:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1091.pdf]] 芫靑(○○) アヲハンメウ(○○○○○○) 一名莞靑、〈束醫寶鑑〉 元靑〈醫學正傳〉 蚖靑蟲〈正字通〉&br;今舶來ナシ、間蠻舶來アリ、紅毛語カンターリイ、又ハパンスフリイゲト云フ、パンスハ國名、フリイゲハ蠅ナリ、ソノ形斑猫ヨリ狹小、長サ六七分許、ゼウカイニ似ラ小ク、綠色ニシテ金光アリ、腹ハソノ光多シ、和産稀ニ草木上ニ飛來ルコトアリ、形蠻産ニ異ナラズ、又一種形瘠細ク、黑色ニシテ碧光アルモノハ處處ニ多シ、&br; 葛上亭長(○○○○) マメハンメウ(○○○○○○) ヲンニヤウジ(○○○○○○)〈江州〉 ヲニウジ(○○○○)〈同上長濱〉 ヒムシ(○○○)〈同上大塚〉 ヘムシ(○○○)〈伊州〉
サルメウジ(○○○○○)〈土州〉 アブレジ(○○○○)〈和州〉 一名、葛上加乙畏〈郷藥本草〉&br;江州ノ地豆ニ宜シ、故ニ菽田多シ、近江大豆ト稱シ名産トス、夏月北風吹ク時ハ、此蟲生ジテ擧田皆食ヒ枯ラスニ至ルト云、和州ニテハ數多ク、群ヲナシテ菽園ニ來リ、コグチヨリ苗ヲ食巳盡ス、捕ヘテ小竹上ニ貫キ、處處ニ立テ置ク時ハ、漸ク逃去ルト云、土州ニテハ豆ニ限ラズ、諸草木上ニ生ズト云フ、ソノ蟲長サ四五分、濶サニ分弱、形狀蠻來ノ芫靑ニ似テ小ク、甲ハ色黑クシテ綠光アリ、竪ニ褐色ノ細條二三道アリ、首ハ黃赤色ナリ、癬ニ摩碎シ、醋ニテ傅レバ、甚腫痛シ、水出テ愈後、皮ヲ脱スルコト兩三度ナリ、又一種阿州ニテ、ヲロメウジ、一名ヲロメト呼ブ蟲アリ、江州ニテハ、ハラボテト云、大豆苗上ニ生ズ、長サ三分半許、濶サ二分許、靑綠色ニシテ斑點ナシ、傳藥ニ用テ、ソノ効斑猫ニ及ハﾞズト云、亦葛上亭長ノ屬ナリ、
*&aname(E89FB2E4B8ADE89CA3E89C8B){蜣蜋};
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1092:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1092.pdf]] 蜣蜋 本草云、蜣蜋〈羌郎二音〉一名蛣蜣〈吉羌二音、和名久曾無之(○○○○)、一云、末呂無之(○○○○)、〉兼名苑注云、食&size(5){レ};糞虫也、
**〔箋注倭名類聚抄〕
***〈八/蟲名〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1092:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1092.pdf]] 千金翼方、證類本草下品同、陶隱居注云、甚喜入&size(5){二};人糞中&size(5){一};、取&size(5){レ};屎丸而却&size(5){二};推之&size(5){一};、俗名爲&size(5){二};推丸(○○)&size(5){一};、李時珍曰、蜣蜋以&size(5){レ};土包&size(5){レ};糞、轉而成&size(5){レ};丸、雄推置&size(5){二};于坎中&size(5){一};、覆&size(5){レ};之而去、數日有&size(5){二};小羌蜋&size(5){一};出、孚&size(5){二};乳于中&size(5){一};也、蜀本圖經云、此類多&size(5){レ};種、取&size(5){二};鼻高目深者&size(5){一};、名&size(5){二};胡蜣蜋(○○○)&size(5){一};、本草衍義云、蜣蜋大小二種、一種大者爲&size(5){二};胡蜣蜋&size(5){一};、身黑光腹、翼下有&size(5){二};小黃子&size(5){一};附&size(5){レ};母而飛行、晝不&size(5){レ};行、夜方飛出、至&size(5){二};人家庭戸中&size(5){一};、見&size(5){二};燈光&size(5){一};則來、一種小者身黑暗、晝方飛出、夜不&size(5){レ};飛、〈○中略〉按陶注云、取&size(5){レ};屎丸而却&size(5){二};推之&size(5){一};、是所&size(5){三};以得&size(5){二};久曾牟之、末呂牟之之名&size(5){一};也、今俗呼&size(5){二};古賀禰虫(○○○○)&size(5){一};、又名&size(5){二};黑金虫(○○○)&size(5){一};、按爾雅、蛣蜣蜣蜋、蛣蜣、又見&size(5){二};莊子齊物論&size(5){一};、按説文無&size(5){二};蜣字&size(5){一};、有&size(5){二};䖼字&size(5){一};、云、渠脚一曰天社、廣雅、天社蜣蜋也、玉篇謂蜣䖼同字、段氏曰、此物前却推丸、故曰&size(5){二};渠䖼&size(5){一};、廣韵、https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01584.gif 其虐切、又丘良切、則知䖼蜣正俗字、渠䖼雙聲、蛣蜣卽渠䖼之轉、蜣蜋疊韻也、〈○中略〉按爾雅郭注云、黑甲蟲噉&size(5){レ};糞者、兼名苑注文蓋本&size(5){二};於此&size(5){一};也、
**〔伊呂波字類抄〕
***〈久/動物〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1092:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1092.pdf]] 蜣蜋〈クソムシ、糞虫也、羗良二音、又云卽禽、〉 蛣蜣〈同吉羗二音〉 轉丸 弄丸 諸羗 糞虫〈已上クソムシ、〉
〈四名出&size(5){二};兼名苑&size(5){一};、又名マロムシ、〉
**〔物類稱呼〕
***〈二/動物〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1093:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1093.pdf]] 飛蛾、こがねむし(○○○○○)、 つくしにてぶどう(○○○)と云、肥州にてかねぶう〳〵(○○○○○○)と云、此むし夏の夜、油灯に入て灯を消す事あり、
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十八/化生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1093:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1093.pdf]] 蜣蜋、 マロムシ(○○○○)〈和名鈔〉 クソムシ(○○○○)〈同上〉 コガネムシ(○○○○○)〈京〉 クロコガネムシ(○○○○○○○) センチコガネムシ(○○○○○○○○)〈共同上〉 サラムシ(○○○○)〈北國〉 ゴキトリ(○○○○)〈江州〉 サラマワシ(○○○○○) ゴキマワシ(○○○○○)〈共同上〉 ブイブイ(○○○○)〈備後〉 力ネブイブイ(○○○○○○)〈豫州西條〉 カネブ(○○○)〈同上、大洲、○中略〉&br;大小數品アリ、胡蜣蜋ハ形金龜子(コガネムシ)ニ異ナラズ、長サ四五分、濶サ三四分、背ニ剛甲アリ、全身黑色ニシテ、漆ノ如ク光アリ、晝伏シ夜出、燈火ヲ見テ來リ、誤テ油ニ入リ死ス、〈○中略〉又一種小ナル者アリ、長サ三四分、形瘠、甲ニ光ナク、晝飛テ夜伏ス、宗爽小者不堪用ト云モノナリ、
*&aname(E89FB2E4B8ADkm0000m01585){https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01585.gif };
**〔伊呂波字類抄〕
***〈多/動物〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1093:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1093.pdf]] https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01585.gif タマムシ(○○○○)
**〔下學集〕
***〈上/氣形〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1093:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1093.pdf]] 蜴蛀(タマムシ) https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01585.gif (同)
**〔書言字考節用集〕
***〈五/氣形〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1093:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1093.pdf]] 吉丁蟲(タマムシ)〈本草、背正綠有&size(5){レ};翅、取用帶&size(5){レ};之、令&size(5){二};人喜好愛媚&size(5){一};、〉金花蟲(同)
**〔和漢三才圖會〕
***〈五十三/化生驫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1093:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1093.pdf]] 吉丁蟲(たまむし) 俗云玉蟲〈○中略〉&br;按、俗云、玉蟲是也、江州及城州山崎、攝津有馬多有&size(5){レ};之、婦女納&size(5){二};鏡奩&size(5){一};以爲&size(5){二};媚藥&size(5){一};、用&size(5){二};白紛汞粉(ハラヤ)&size(5){一};藏&size(5){レ};之、歷年不&size(5){レ};腐、雄者全體正綠光色、縱有&size(5){二};二紅線&size(5){一};、腹亦帶&size(5){二};赤色&size(5){一};、潤澤可&size(5){レ};愛、長一寸二三分、頗似&size(5){二};蟬形&size(5){一};、而扁小頭、其頸有&size(5){二};切界&size(5){一};露&size(5){レ};眼六足也、雌者長寸許、全體黑而光澤帶&size(5){二};金色&size(5){一};、縱有&size(5){二};同色筋脉數行&size(5){一};、蓋雄者多、雌者少、
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十八/化生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1093:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1093.pdf]] https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01586.gif 螽〈○中略〉&br;附錄、吉丁蟲、 タマムシ〈○中略〉 山中ニ生ズ、叩頭蟲(キヽリムシ)ニ似タリ、長サ一寸許ニシテ、濶サ三四分、背ニ硬甲アリ〈○中略〉金光アリ、〈○中略〉女人取テ粉匣ニ收ム、久クシテ敗レズ、
**〔四季物語〕
***〈八月〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1093:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1093.pdf]] なりはうつくしう玉むしなどいひて、いみじけれど聲きり〴〵すはたおりかう
ろぎにさへおとりて、こゑたてぬもあれど、此むしはやむごとなきさちあるものにて、宮のさうにて、何くれの御つぼねにも、御くしげの中、白ふんの中にまろびて、からは人をさへ、野べにすてためるならひなるに、十とせはたとせの後までも、御ものゝ中につゝませおかせ給ふ事よ、かうやうのものに雲井にまうのぼる、昔のかしこき人は、草を耕して、位にのぼりしをさへ、めづらしうありがたき事にものするに、これはやうかはれり、
*&aname(E89FB2E4B8ADE58FA9E9A0ADE89FB2){叩頭蟲};
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1094:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1094.pdf]] 叩頭虫 傅咸叩頭虫賦云、虫之細微者、觸&size(5){レ};之輙叩&size(5){レ};頭、〈叩頭虫、和名沼加豆木無之(○○○○○○)、〉
**〔箋注倭名類聚抄〕
***〈八/蟲名〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1094:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1094.pdf]] 太平御覽引&size(5){二};叩頭蟲賦叙&size(5){一};云、叩頭蟲、蟲之微細者、然觸&size(5){レ};之輙叩頭、〈○中略〉李時珍曰、蟲大如&size(5){二};斑蝥&size(5){一};、而黑色、按&size(5){二};其後&size(5){一};則叩&size(5){レ};頭有&size(5){レ};聲、今俗呼&size(5){二};米舂蟲(○○○)&size(5){一};、或曰&size(5){二};爪彈(○○)&size(5){一};、
**〔類聚名義抄〕
***〈十/虫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1094:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1094.pdf]] 叩頭虫〈ヌカツキムシ〉
**〔書言字考節用集〕
***〈五/氣形〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1094:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1094.pdf]] 叩頭蟲(ヨネツキムシ/コメムシ)
**〔東雅〕
***〈二十/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1094:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1094.pdf]] 叩頭蟲ヌカヅキムシ〈○中略〉 古には叩頭をいひて、ヌカヅクと云ひけり、ヌカとば額也、ツクとは著也、額の地に至るをいふなり、今俗にハタオリムシ(○○○○○○)ともいふ是也、
**〔和漢三才圖會〕
***〈五十三/化生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1094:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1094.pdf]] 叩頭蟲(こめふみむし) 和名沼加豆木無之 俗米踏(○○)〈○中略〉&br;按、狀如&size(5){二};吉丁蟲(タマムシ)&size(5){一};而小純黑、頸下背上有&size(5){二};折界(ヲレメ)&size(5){一};、毎點頭作&size(5){レ};聲、音如&size(5){レ};言&size(5){二};保知保知&size(5){一};、其貌似&size(5){二};踏&size(5){レ};碓者&size(5){一};、故俗曰&size(5){二};米踏蟲&size(5){一};、
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十八/化生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1094:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1094.pdf]] https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01586.gif 螽〈○中略〉&br; 叩頭蟲 ヌカヅキムシ〈和名鈔〉 キコリムシ(○○○○○)〈古歌、播州、雲州、石州、備後、防州、作州、〉 キヽリムシ(○○○○○)〈大和本草○中略〉 カネタヽキ(○○○○○)〈○中略〉 コメフミムシ(○○○○○○)〈讃州高松〉 コメツキムシ(○○○○○○)〈同上、香西阿州、○中略〉 ツメハジキ(○○○○○)〈筑前○中略〉 此モ木蠹蟲ノ羽化スルモノアリ、其品數多シ、
**〔枕草子〕
***〈三〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1094:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1094.pdf]] むしは
ぬかつきむしまたあはれなり、さる心地に道心をおこして、つきありくらんよ、思ひもかけずくらきところなどに、ほと〳〵としありきたるこそをかしけれ、
*&aname(E89FB2E4B8ADE89B9EE49790){蛞䗐};
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1095:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1095.pdf]] 蛄䗐 爾雅集注云、蛄䗐、〈姑翅二音、和名與奈無之(○○○○)、〉今穀米中蠹、小黑虫也、
**〔箋注倭名類聚抄〕
***〈八/蟲名〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1095:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1095.pdf]] 所&size(5){レ};引爾雅、蛄䗐、强https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01587.gif 也、説文、蛄䗐、强羊也、然則蛄字从&size(5){レ};女爲&size(5){レ};正、从&size(5){レ};虫俗字、與&size(5){二};螻蛄字&size(5){一};自別、郭璞曰、建平人呼爲&size(5){二};https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01587.gif 子&size(5){一};、音芋姓、郭注方言云、米中小黑甲蟲也、郝懿行曰、此蟲大如&size(5){二};黍米&size(5){一};、赤黑色、呼爲&size(5){二};牛子&size(5){一};、音如&size(5){二};甌子&size(5){一};、登萊人語也、廣東人呼&size(5){二};米牛&size(5){一};、紹興人呼&size(5){二};米象&size(5){一};、並因&size(5){レ};形以爲&size(5){レ};名、段玉裁曰、宋本説文及釋文所&size(5){レ};引皆作&size(5){レ};羊、當&size(5){二};音陽&size(5){一};、今江東人謂&size(5){二};麥中小黑蟲&size(5){一};爲&size(5){二};羊子&size(5){一};、是也、郭璞音恐未&size(5){レ};諦、徐鉉本作&size(5){レ};蚌、李燾本作&size(5){レ};芋、皆非&size(5){レ};是、
**〔和漢三才圖會〕
***〈五十三/化生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1095:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1095.pdf]] 蛄䗐(よなむし) 强蚌 和名與奈無之 與奈者米也 俗云虚空藏(○○○)〈○中略〉&br;按俗呼&size(5){レ};米穩&size(5){二};菩薩&size(5){一};、隨呼&size(5){二};此蟲&size(5){一};曰&size(5){二};虚空藏&size(5){一};、其形小、似&size(5){レ};蚤而赤黑色、長喙兩髭、六足跋行甚疾、
*&aname(E89FB2E4B8ADE7838FE6AF9BE89FB2){烏毛蟲};
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1095:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1095.pdf]] 烏毛虫 兼名苑云、髯虫、一名烏毛虫、〈和名加波無之(○○○○)〉
**〔箋注倭名類聚抄〕
***〈八/蟲名〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1095:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1095.pdf]] 加波无之、有&size(5){レ};毛、化爲&size(5){レ};蝶、見&size(5){二};堤中納言物語&size(5){一};、則知今俗所&size(5){レ};謂介牟之(○○○)也、爾雅䘃蛄蟴、説文蛄斯墨、陶弘景曰、帖蟖蚝蟲也、此蟲多在&size(5){二};石榴樹上&size(5){一};、俗爲&size(5){二};蚝蟲&size(5){一};、其背毛亦螫&size(5){レ};人、陳藏器云、其蟲好在&size(5){二};果樹上&size(5){一};、背有&size(5){二};五色襇毛&size(5){一};、刺&size(5){レ};人有&size(5){レ};毒、欲&size(5){レ};老者口中吐&size(5){二};白汁&size(5){一};、凝聚漸堅正如&size(5){二};雀卵&size(5){一};、子在&size(5){二};其中&size(5){一};、作&size(5){レ};蛹以&size(5){レ};甕爲&size(5){レ};繭、羽化而出作&size(5){レ};蛾、是可&size(5){三};以充&size(5){二};介牟之&size(5){一};也、
**〔堤中納言物語〕
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1095:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1095.pdf]] むしめづる姫君&br;てふめづるひめ君の住み給ふかたはらに、あせちの大納言の御むすめ、心にくゝなべてならぬさまに、おやたちかしづき給ふことかぎりなし、このひめぎみのの給ふ事、人々のはなやてふやとめづるこそ、はかなくあやしけれ、人はまことあり、ほんぢたづねたるこそ、心ばへをかしけれとて、よろづのむしのおそろしげなるを取りあつめて、これがならんさまをみんとて、さま〴〵
なるこはこどもに人れさせ給ふ、中にもかはむし(○○○○)の、心ふかきさましたるこそ心にくけれとて、あけくれはみゝはさみをして、手のうらにそへふせてまほり給、若き人々はおぢまどひければ、をのわらはの物おぢせず、いふかひなきをめしよせて、箱の蟲ども取らせ、名をとひきゝ、いまあたらしきにはなをつけてけうじ給へば、すべてつくろふ所あるはわうしとて、まゆさらにぬき給はず、はくろめさらにうるさしきたなしとてつけ給はず、いとしろらかにゑみつゝ、このむしどもをあしたゆふべにあいし給、〈○中略〉さすがにおやたちにもさしむかひ給はず、おにと女とは、人に見えぬぞよきとあんじ給へり、もやのすだれをすこしまきあげて、きてうそへてたてゝ、かくさかしくいひいだし給ふなりけり、これをわかき人々きゝて、いみじくさかしうし給へど、心ちこそまどへ、この御あそびものよ、いかなる人、てふめづる姫君につかまつらんとて、兵衞佐といふ人、 いかで我とかむかたないてゝしかなるかは蟲ながら見るわざはせし、といへば、小大輔といふ人笑ひて、&br; うら山しはなやてふやといふめれどかはむしくさき世をもみるかななどいひてわらへば、かちしやまゆはしも、かはむしだちたんめり、さてはくさきこそ、かはのむけたるにやあらんとて、左近といふ人、&br; 冬くれば衣たのもしさむくともかはむしおほく見ゆるあたりは、きぬなどきずともあらんかし、などいひあへるを、おとな〳〵しき女聞きて、わかう たちはなにごといひおはさうずるぞ、てふめで給ふなる人、もはらめでたうもおぼへず、けしからずこそおぼゆれ、さて又かはむしならべ、てふといふ人ありなんやは、たゞそれがもぬくるぞかし、そのほどを尋ねてし給ふぞかし、それこそ心ふかけれ、てふはとらふれば、手にきらつきて、いとむづかしきものぞかし、又てふはとらふれば、わらはやみをせさすなり、あなゆゝしともゆゝしといふに、いとゞにくさまさり
ていひあへり、このむしどもとらふるわらべは、をしきもの、かれがほしがるものをたまへば、ざまざまにおそろしげなるむしどもをとりあつめて奉る、かはむしはけなどはをかしげなれど、おぼえねばさう〴〵しとて、いほむしかたつぶりなどをとり集めて、うだひのゝしらせてきかせ給ひて、われもこゑをあげて、かたつぶりのつのゝあらそふやなぞといふことをうちずんじ給、〈○下略〉
*&aname(E89FB2E4B8ADE99B80E79495){雀甕};
**〔和漢三才圖會〕
***〈五十二/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1097:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1097.pdf]] 雀甕(すゝめのたご) 蚝蟲 躁舍 雀兒 飯甕 蛄蟖房 天漿子 俗云雀乃太古(○○○○)〈○中略〉按俗云雀(/○)擔桶(タンゴ/○○)是也、果樹枝間在&size(5){レ};之、形似&size(5){二};草麻子&size(5){一};、取&size(5){二};甜柘榴樹上者&size(5){一};、可&size(5){レ};治&size(5){二};兒驚癇&size(5){一};、正二月未&size(5){レ};開&size(5){レ};口者佳也、運則空殼耳、或採&size(5){二};雀甕&size(5){一};紙包收、經&size(5){レ};日開&size(5){レ};之、乃燈蛾出去、
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十七/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1097:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1097.pdf]] 雀甕 スヾミノツボ(○○○○○○)〈古名〉 スヾメノタゴ(○○○○○○) スヾメノシヤウベンタゴ(○○○○○○○○○○○)〈京〉 スヾメノマクラ(○○○○○○○)〈作州〉 スヾメノサカツボ(○○○○○○○○)〈信州〉 イラムシノス(○○○○○○) 一名蛅蟖殼〈本經逢原〉衰也只家〈郷藥本草〉 蛅蟖一名蟔〈爾雅〉 毛https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01588.gif 〈通雅〉 蛓毛〈本經逢原〉&br;蛅蟖ノ窠(○○○○)ナリ、蛅蟖ハイラムシ(○○○○)、ヲコゼ(○○○)、霎州ハンキヤウシ(○○○○○○)、勢州梅樹、林檎、棗樹等ニ生ジテ葉ヲ食フ、長サ七八芬、形扁ク、色黃ニシテ、黑色ノアツマリタル毛處處ニアリテ、馬鬣ノ如シ、若シ是ニテ觸レバ、甚人ヲ惱シム、秋深レバ樹枝ニツイテ、白乳ノ如キ者ヲ吐シテ身ヲ覆フ、後ニ凝テ雀卵ノ如ク堅シ、長サ五六芬、濶サ三四分、淺黑色ニシテ竪ニ白キ紋アリ、コレヲ破リ開ケバ、内ニ蟲アリ、小鳥好デ食フ夏ニ至レバ甕上ニ圓孔ヲ穿チ、其中ヨリ羽化シテ出飛ブ、其蛾褐色ニシテ厚キ翅アリ、本經逢原ニ、至&size(5){レ};夏羽化而出、其形有&size(5){レ};似&size(5){二};蜻蜓&size(5){一};、而翅黑稍潤ト云フ、
*&aname(E89FB2E4B8ADE89A87E8A096){蚇蠖};
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1097:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1097.pdf]] 蚇蠖 兼名苑云、蚇蠖、〈尺郭二音〉一名https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01563.gif 䗩〈卽戚二音〉爾雅注云、一名https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01563.gif https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01589.gif 〈子六反〉説文云、蠖〈和名乎岐無之(○○○○)〉屈伸虫也、
**〔箋注倭名類聚抄〕
***〈八/蟲名〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1097:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1097.pdf]] 按、神代紀招、訓&size(5){二};乎幾&size(5){一};、謂&size(5){下};招&size(5){二};致鷹&size(5){一};之餌&size(5){上};爲&size(5){二};乎幾惠&size(5){一};、亦是也、尺蠖屈伸、有&size(5){二};如&size(5){レ};招&size(5){レ};物之
狀&size(5){一};、故名&size(5){二};乎歧牟之&size(5){一};、今俗呼&size(5){二};尺取虫(○○○)&size(5){一};、新撰字鏡、蠖訓&size(5){二};衣比万良虫&size(5){一};、不&size(5){レ};知與&size(5){二};乎歧牟之&size(5){一};同否、〈○中略〉原書虫部、屈上有&size(5){二};尺蠖二字&size(5){一};、伸作&size(5){レ};申、爾雅翼云、狀如&size(5){レ};蠶而絶小、行則促&size(5){二};其腰&size(5){一};、使&size(5){二};首尾相就&size(5){一};、乃能進歩、屈中有&size(5){レ};伸、故曰&size(5){二};屈申&size(5){一};、又如&size(5){下};人以&size(5){レ};手度物、移&size(5){二};後指&size(5){一};就&size(5){二};前指&size(5){一};之狀&size(5){上};、玄應音義引&size(5){二};舍人&size(5){一};云、一名歩屈、床地曰&size(5){二};尋桑&size(5){一};、臭人名&size(5){二};桑闔&size(5){一};、郝曰、今驗歩屈小靑虫也、在&size(5){二};草木葉上&size(5){一};、懸&size(5){レ};絲自縋、亦作&size(5){二};小繭&size(5){一};、化爲&size(5){二};飛蝶&size(5){一};、或在&size(5){二};桑上&size(5){一};、故有&size(5){二};尋桑桑闔諸名&size(5){一};、其在&size(5){二};它樹上&size(5){一};者、亦隨&size(5){レ};所&size(5){レ};染、故晏子春秋外篇云、尺蠖食&size(5){レ};黃則黃、食&size(5){レ};蒼則蒼、
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十七/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1098:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1098.pdf]] 蘹香蟲〈○中略〉&br;集解、尺蠖ハ ヲキムシ〈和名鈔〉 シヤクトリムシ スントリムシ(○○○○○○)〈土州阿州〉 タカバカリ(○○○○○)〈尾州〉 一名https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01563.gif https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01589.gif 、〈通雅〉https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01563.gif https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01590.gif 、〈正字通〉https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01591.gif 蠋、〈同上〉歩屈、〈典籍便覽〉蚇蠖〈事物紺珠〉蚸蠖、〈文選〉屈伸蟲、〈潜確類書〉屈申蟲、〈三オ圖會〉曲曲蟲〈訓蒙字會〉此蟲夏秋ノ候、草木上ニ生ジテ葉ヲ食フ、形細長ク、兩頭ニ足アリ、腰ヲ屈シ首尾相就テ行ク、ソノ狀人ノ兩指ニテ寸尺ヲ度ルニ似タリ、故ニシヤクトリムシト名ク、易ニ尺蠖之屈以求信也ト云是ナリ、小ナル者ハ一寸ニ及バズ、大ナル者ハ二三寸ニ過グ、綠色ナルモノアリ、灰色ナル者アリ、褐色ナル者アリ、皆老スレバ羽化シテ蝶トナル、
*&aname(E89FB2E4B8ADE89E9FE89B89){螟蛉};
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1098:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1098.pdf]] 螟蛉 毛詩注云、螟蛉、〈冥靈二音、和名阿乎無之(○○○○)、〉蒼虫也、
**〔箋注倭名類聚抄〕
***〈八/蟲名〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1098:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1098.pdf]] 小雅小宛篇毛傳蒼作&size(5){レ};桑、按爾雅云、螟蛉桑蟲、毛詩正義引&size(5){二};陸璣&size(5){一};亦云、螟蛉者桑上小靑蟲也、是詩注作&size(5){二};桑蟲&size(5){一};無&size(5){レ};疑、源君引作&size(5){レ};蒼者、恐桑蒼音近、旦因&size(5){二};阿乎牟之之訓&size(5){一};而誤也、又按説文蠕字注云、螟https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01592.gif 桑蟲也、螟字注云、蟲食〈○中略〉穀葉&size(5){一};者、非&size(5){二};此義&size(5){一};、古蓋作&size(5){二};冥https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01592.gif &size(5){一};也、後人作&size(5){二};螟蛉&size(5){一};、與&size(5){二};蜻蛉字&size(5){一};混無&size(5){レ};別、詩疏引&size(5){二};陸機&size(5){一};、又云、螟蛉者似〈○中略〉歩屈&size(5){一};其色靑、或在&size(5){二};草葉上&size(5){一};、按太平御覽引&size(5){二};郭氏&size(5){一};云、尺蠖有&size(5){二};歩屈&size(5){一};、其色靑而細小、或在&size(5){二};草木葉上&size(5){一};、今蜾贏所〈○中略〉負以爲&size(5){一レ};子者、蓋郭氏音義之文、以&size(5){二};螟蛉歩屈&size(5){一};爲&size(5){レ};一、與&size(5){二};陸機所&size(5){一レ};説異、
*&aname(E89FB2E4B8ADE69EB8km0000m00164E89FB2){枸https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00164.gif 蟲};
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十七/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1098:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1098.pdf]] 枸https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00164.gif 蟲(○○○) クイ(○○)〈南部〉 一名苟https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00164.gif 上蟲〈證類本草〉&br;此ハ枸https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00164.gif 上二生ジ、葉ヲ食フ、小長靑蟲(○○)ナツ、コノ木ニ限ラズ諸草上ニ生ズ、コレヲ蠋ト云、老スレ
バ羽化シテ小蛾(○○)トナル、時珍ハ爾雅ノ烏蠋トス、コレハイモムシ(○○○○)ナリ、一名嶋蠋、〈正字通〉芋ノ葉上ニ生ズル大長蟲ナリ、形狀ハ蠶ニ似テ、大ニシテ綠褐黑數色アリ、皆老テ大蝶ニ化ス、多クハ玄武蟬トナルナリ、&br;增、釋名、蠋(○)ハ靑クシテ、毛ナキ長ムシノ總名ナリ、同類ノモノ故、コレヲ釋名ニ出ス俗ニイモムシト云、イモムシト云モ總名ナリ、芋ニ限ラズ、草木其ニ生ズ、ソノ生ズル所ノ草、或ハ木ニ因テ形色少異アリ、皆繭ヲ作リ、蛹トナリテ蝶ニ化ス、集解ニ烏蠋ト云ハ黑色ノ者ナルベシ、
*&aname(E89FB2E4B8ADE89391E89FB2){蓑蟲};
**〔書言字考節用集〕
***〈五/氣形〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1099:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1099.pdf]] 木螺(ミノムシ) 避債蟲(同)〈又云結草虫〉
**〔和漢三才圖會〕
***〈五十三/化生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1099:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1099.pdf]] 蓑(みのむし)衣蟲 結草蟲 木螺 壁債蟲 俗云美乃無之&br;按諸木嫩葉漸舒、老葉間有&size(5){レ};卷、中生&size(5){二};小蟲&size(5){一};、其蟲喰&size(5){二};取枯葉&size(5){一};、吐&size(5){レ};絲用作&size(5){レ};窠、長寸許、婆娑形如&size(5){二};撚艾炷&size(5){一};、毎縋&size(5){二};于枝&size(5){一};、其蟲赤黑色、有&size(5){二};皺段&size(5){一};而首尖、時出&size(5){レ};首喰&size(5){二};嫩葉&size(5){一};、動&size(5){二};其首&size(5){一};、貌彷&size(5){二};彿蓑衣翁&size(5){一};、故名&size(5){レ};之、俗説、秋夜鳴曰、秋風吹兮父戀焉、然未&size(5){レ};聞&size(5){二};鳴聲&size(5){一};、蓋此蟲、以&size(5){二};木葉&size(5){一};爲&size(5){レ};父爲&size(5){レ};家、秋風旣至、則邇&size(5){二};零落&size(5){一};矣、人察&size(5){レ};之、附會云&size(5){レ};爾耳、其鳴者非&size(5){二};喓聲&size(5){一};、乃涕泣之義、
**〔蟲譜圓説〕
***〈二/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1099:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1099.pdf]] 避債蟲、俗〈云ミノムシ〉、&br; 千蟲譜、引&size(5){二};程參醫抄錄撮要&size(5){一};云、今柘榴上、有&size(5){二};一種&size(5){一};取&size(5){二};短梗半寸&size(5){一};以來、周圍植&size(5){レ};之以裹&size(5){レ};身、行則負以自隨、 亦化&size(5){レ};蛹、其蟲俗呼&size(5){二};避債蟲&size(5){一};、諸木皆生、〈○下略〉
**〔枕草子〕
***〈三〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1099:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1099.pdf]] みのむしいとあはれなり、をにのうみければ、おやににて、是もおそろしき心ちぞあらむとて、おやのあしき衣をひききせて、いま秋かぜふかんおりにそこむとする、まてよといひおきていにけるを、さもしらず、まことかとて、風のおとをきゝしりて、八月ばかりになれば、ちゝよちゝよとはかなげになく、いとあはれなり、
**〔嬉遊笑覽〕
***〈十二/禽蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1099:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1099.pdf]] これ古への童が諺なるべし、蓑虫のきぬ穢けきあら〳〵しきもの故、おにのす
て子など云しことゝ見ゆ、
**〔和泉式部家集〕
***〈三〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1100:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1100.pdf]] 柳にみのむしのつきたるをみて&br;雨ふれば梅の花がさあるものを柳につけるみのむしのなぞ
**〔夫木和歌抄〕
***〈二十七/蓑虫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1100:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1100.pdf]] 松にみのむしのつきたるを、すけちかおこせたりける、 祐擧&br;いかでかは露にもぬれん雨ふれどもらしがいその松のみのむし
*&aname(E89FB2E4B8ADE8A0B6){蠶};
**〔新撰字鏡〕
***〈天〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1100:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1100.pdf]] 蚕〈丁殄反、上、蜸蚕、久禮乃彌々受(○○○○○○)、〉
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1100:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1100.pdf]] 蠶(カヒコ)〈䖢附〉 説文云、蠶〈昨含反、俗爲&size(5){レ};蚕、和名賀比古(○○○)、〉虫吐&size(5){レ};絲也、玉篇云、䖢〈三消反、和名與&size(5){レ};蟻同、〉蠶初生也、
**〔箋注倭名類聚抄〕
***〈八/蟲名〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1100:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1100.pdf]] 下總本蛾作&size(5){レ};蟻、類聚名義抄云、與&size(5){レ};蟻同、或本云與&size(5){レ};蛾同、彼所&size(5){レ};見本亦或作&size(5){レ};蟻、或作&size(5){レ};蛾也、按此云與&size(5){レ};蛾同者、謂&size(5){下};其訓與&size(5){二};蠶蛾&size(5){一};同&size(5){上};也、作&size(5){レ};蛾爲&size(5){レ};是、
**〔類聚名義抄〕
***〈十/虫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1100:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1100.pdf]] 蚕〈コカヒ〉
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1100:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1100.pdf]] https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01593.gif (○) 玉篇云https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01593.gif 〈音元、和名奈都古(○○○)、〉晩蠶也、
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十七/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1100:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1100.pdf]] 原蠶(○○) ナツゴ(○○○) 一名蝩〈正字通〉&br;六月中旬ノ比、春蠶ノ雌蛾卵ヲ紙上ニ産ツケタル者、初ハ色白シテ形圓ニ長ク、頭ニ微尖アリ、三日許ヲ歷テ、色黃ニ變ジ、形扁ク凹トナル、又四日許ヲ歷テ、淺黑微紫色ニ變ズ、又日ヲ歷テ頭尖黑色ニ變ジ、漸ク全ク黑色トナリ、一日ヲ歷テ其尖ヨリ卵ヲ穿チ生出ス、此ヨリ漸ク成長シ、眠起スルコト、四度過テ、繭ヲ爲シ、蛾ニ化スルコト、春蠶ト同シテ日數早シ、藥ニハ蛾ト沙トヲ用ユ、&br;雄原蠶蛾 ナツゴノ蝶 雄ヲ用ユ、雌ハ用ヒズ、三才圖會ニ、爾雅正義ヲ引テ、羅卽是雄、蛾卽是雌ト云フ、廣濟譜ニ蛾出第一日者、名&size(5){二};苗蛾&size(5){一};、末後出者名&size(5){二};末蛾&size(5){一};、皆不&size(5){レ};可&size(5){レ};用、次日以後出者取&size(5){レ};之ト云、コレハ種ヲ取ル蛾ヲ擇ブヲ云、藥ニハ必シモ拘ラザルベシ、
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1100:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1100.pdf]] 蝱(○) 文字集略云、蝱、〈今案、卽是蚊虻之虻字也、見&size(5){二};下文&size(5){一};、和名比々流(○○○)、〉蠒内老蠶也、
**〔箋注倭名類聚抄〕
***〈八/蟲名〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1101:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1101.pdf]] 按蠶之在&size(5){二};繭中&size(5){一};、未&size(5){二};化爲&size(5){一レ};蛾者名&size(5){レ};蛹、説文蛹繭蟲也、是也謂&size(5){二};之蝱&size(5){一};者、未&size(5){レ};見&size(5){レ};所&size(5){レ};出、比比流、今俗猶呼&size(5){二};比伊流(○○○)&size(5){一};、信濃上野陸奧謂&size(5){二};之比流(○○)&size(5){一};、近江謂&size(5){二};比由利(○○○)&size(5){一};、伊勢謂&size(5){二};之比伊呂(○○○)&size(5){一};、皆比々流之譌轉也、下總本蝱皆作&size(5){レ};䖟、按玉篇云、蝱俗作&size(5){レ};䖟、
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十七/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1101:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1101.pdf]] 蠶 カヒコ(○○○)〈和名鈔〉 カフコ(○○○)〈古歌〉 ヲコ(○○)〈東國〉 ウスマ(○○○)〈越後〉 ボコ(○○)〈同上〉トヽコ(○○○)〈羽州〉 ヒメコ(○○○)〈房州〉 トウドコ(○○○○)〈津輕大者〉 キンコ(○○○)〈同上小者〉 一名龍精〈事物紺珠〉 錦娘子 女兒https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01594.gif 母〈共同上〉 馬頭娘〈名物法言〉 䗸〈正字通○中略〉&br;三月淸明〈節〉ノ後、桑初テ出ルノ時、蠶連紙(タ子ガミ)ノ上ニ、細カク切タル嫩桑葉ヲ以テ糝シ置ケバ、已ニ卵ヲ出タル蠶兒、桑葉ニ上リ附クヲ、鳥ノ翎ヲ用テ、葉ト共ニ拂ヒ落ス、其出ルコト早晩齊シカラズ、故ニ一番ハキ、二番ハキ、三番ハキノ稱アリ、大抵辰巳ノ時蛻シ出ヅ、長サ僅一分許、康濟譜ニコレヲ蟻ト云フ、時珍ノ謂ユル䖢ナリ、ソノ身ハ黑褐色、首ハ小クシテ、御米(ケシ)ノ如ク、黑色ニシテ光リ、漆ノ如シ、康濟譜ニ初生黑色、三日後漸變&size(5){レ};白變&size(5){レ};靑、復變&size(5){レ};白變&size(5){レ};黃、純黃則停&size(5){レ};食、謂&size(5){二};之正眠&size(5){一};、眠起自&size(5){レ};黃而白、自&size(5){レ};白而靑、白&size(5){レ};靑復白、自&size(5){レ};白而、黃、又一眠也毎眠例如&size(5){レ};此ト云、日ヲ追ヒ長ズルニ隨テ、色變ズルナリ、五日ニナレバ長サ二分餘ニナリ、葉ヲ食ハズ眠ル狀ノ如シ、コレヲ眠ト云、飛州ニテツボムト云、是第一眠ナリ、一名正眠、〈康濟譜〉江州ニテ一度井ト云、上州ニテシヾト云、康濟譜ニ北蠶多是三眠、南蠶倶是四眠ト云、本邦モ皆四眠ナリ、凡ソ一眠一起ノ間十二時ナリ、故ニ今日午前ヨリ眠スルモノハ、明日午時ヨリ、クビスジノ處裂破レテ、漸ク舊皮ヲ蛻出ヅ、是ヲキヌヲヌグト云、已ニ出レバ、半身以上ハ立チテ、半身以下ハ葉ニ附著シテ暫ク動カズ、コレヲ起ト云、是一起ナリ、飛州ニテヒトヲキト云フ、此時長サ三分許、九日ニ至リテ長サ四分許ニナリ眠起初ノ如シ、是第二眠ナリ、江州ニテハニ度井ト云、上州ニテタケト云、第二起ヲ飛州ニテフタヲキト云、此時長サ四分餘、十四日ニ至リテ、長サ七分餘ニナリ、眠起ス、是第三眠ナリ、江州ニテヒナイト云、又フナイト云、上州ニテ
フナト云、第三起ヲ飛州ニテ、ミヲキト云、此時長サ八分許、十九日ニ至リテ、長サ一寸二三分ニナリ、色白ク微黃ニシテ光アリ、眠起ス、是第四眠ナリ、是ヲ大眠ト云ヒ、停眠ト云、倶ニ康濟譜ニ出ヅ、江州ニテニワイト云、上州モ同ジ、第四翹ヲ飛州ニテ、ニワヲキト云、此時長サ一寸四、分許、白色微黃褐、身ニ九段アリ、第一段ハ長クシテ、上ニ兩眉ノ形アリ、色黑シ、下ニ左右各三足アリ、三段ノ上前ニヨリテ○ノ形アリ、深黑色二重ナリ、五六七八段ノ下段ゴトニ、左右各一足アリ、九段ノ上ニハ、肉刺一アリテ、https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01595.gif 蠋(イモムシ)刺ノ如シ、尾下ハ兩ヨリ葉ヲ挾デ足ノ如シ、二十七日ニ至リテ、長二寸ニ分許、濶三分許、全身白色ニシテ光アリ、喉下及尾上透徹シ、漸クヒロガリ、全身透徹シテ黃色トナル、是ヲ南部ニテ、ヒキルト云、是ヨリ漸ク老テ、形小クナレバ、只仰デ上ニ向フ、此時採テ簇中ニ入ル、康濟譜ニ、候十蠶九考方可&size(5){レ};入&size(5){レ};簇ト云、簇ハ器中ニ枝叉アル木柴ヲ束ネタルヲ入置キ、上ニ稻草ヲ覆フコノ云フ、蠶ヲコノ中ニ入レバ、便チ絲ヲ吐キ、枝叉ニ掛テ繭ヲ造ル、コレヲ飛州ニテスガクト云、〈○中略〉&br;繭マユ〈○中略〉 凡繭三日許、日乾シテ後絲ニヒキ、綿ニ造ル、コレ中ノ蛹(ヒイル)ヲ殺スタメナリ、然ラザレバ繭ヲ破リ、羽化シテ出レバ、ソノ繭絲ニナラズ、故ニコノ繭ヲ綿ニ製ス、コレヲ空蠶繭〈醫學彚函〉ト云、〈○中略〉&br;繭中ニ居ルモノハ足ナクシテ兩目アリ、https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01585.gif 蜟(ニシヤドチ)ノ形ノ如クニシテ赤褐色ナリ、コレヲ蛹(○)ト云、俗名ヒル、〈野州、信州、奧州、〉ヒイル(○○○) ヒユリ(○○○)〈江州○中略〉&br;稱子トスル繭ハ、器中ニ入レ、上ニ藜葉(アカザ)ヲ蓋ヒ置ク時ハ、日ヲ經ズシテ、蛹羽化シテ、繭ノ一方ヲ破リ穿チテ出ヅ、コレヲ蠶蛾(○○)ト云、カヒコノ蝶ナリ、〈○中略〉&br;蠶蛾ノ形ハ、䗳蛾(ヒトリムシ)ニ似テ、淺褐色、雄ハ體瘦小ニシテ紙上ニ飛走ス、雌ハ體肥大ニシテ、紙上ニ伏シテ動カズ、天工開物ニ、凡蛹變&size(5){二};蠶蛾&size(5){一};、旬日破&size(5){レ};繭而出、雌雄均等、雌者伏而不動、雄者兩翅飛撲、遇&size(5){レ};雌卽交、
交一日半日方解、解脱之後、雄者中枯而死、雌者卽時生&size(5){レ};卵、承&size(5){二};藉卵生&size(5){一};者、或紙或布、隨&size(5){二};方所&size(5){一レ};用、一蛾計生&size(5){レ};卵二百餘粒、自然粘&size(5){二};于紙上&size(5){一};、粒粒匀鋪、天然無&size(5){二};一堆積&size(5){一};、蠶主收貯以待&size(5){二};來年&size(5){一};ト云、此紙ヲ蠶連ト云、俗名タネガミ、
**〔續日本紀〕
***〈二十/孝講〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1103:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1103.pdf]] 天平寶字元年八月己丑、駿河國益頭郡人金刺舍人麻自、獻&size(5){二};蠶産成&size(5){一レ};字、 甲午勅曰、〈○中略〉爰得&size(5){三};駿河國益頭郡人金刺舍人麻自、獻&size(5){二};蠶兒成&size(5){一レ};字、其文云、五月八日、開&size(5){二};下帝釋標&size(5){一};知&size(5){二};天皇命百年&size(5){一};、因國内頂&size(5){二};戴玆祥&size(5){一};躍踊歡喜、〈○中略〉謹案、蠶之爲&size(5){レ};物、虎文而有&size(5){二};時蛻&size(5){一};、馬吻而不&size(5){二};相爭&size(5){一};、生&size(5){二};長室中&size(5){一};衣&size(5){二};被天下&size(5){一};、錦繡之麗於&size(5){レ};是出焉、朝祭之服於&size(5){レ};是生矣、故令&size(5){三};神虫作&size(5){レ};字、用表&size(5){二};神異&size(5){一};、而今蕃息之間、自呈&size(5){二};靈字&size(5){一};、〈○中略〉宜&size(5){下};與&size(5){二};王公&size(5){一};其辱&size(5){中};斯貺&size(5){上};、但景命爰集、隆慶伊始思俾&size(5){三};惠澤被&size(5){二};於天下&size(5){一};、宜&size(5){下};改&size(5){二};天平勝寶九歲八月十八日&size(5){一};、以爲&size(5){中};天平寶字元年&size(5){上};、其依&size(5){二};先勅&size(5){一};天下諸國調庸、毎&size(5){レ};年免&size(5){二};一郡&size(5){一};者、宜&size(5){レ};令&size(5){二};所&size(5){レ};遺諸郡合&size(5){レ};年倶免&size(5){一};、
**〔續日本紀〕
***〈三十一/光仁〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1103:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1103.pdf]] 寶龜二年五月己酉、右京人白原連三成獻&size(5){二};蠶産成&size(5){一レ};字、賜&size(5){二};若狹國稻五百束&size(5){一};、
**〔萬葉集〕
***〈十一〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1103:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1103.pdf]] 寄&size(5){レ};物陳&size(5){レ};思歌&br;足常(タラチネノ)、母養子(ハヽノカフコノ/○○○)、眉隱(マユコモリ/○○)、隱在妹(コモレルイモヲ)、見依鴨(ミルヨシモカモ)、
**〔萬葉集〕
***〈十二〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1103:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1103.pdf]] 問答歌&br;中々二(ナカ〳〵ニ)、人跡不在者(ヒトヽアラズバ)、桑子(クハコ/○○)爾毛(ニモ)、成益物乎(ナラマシモノヲ)、玉之緖許(タマノヲバカリ)、
**〔萬葉集〕
***〈十四〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1103:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1103.pdf]] 常陸國歌&br;筑波瀰乃(ツクハネノ)、爾比具波麻欲(ニヒグハマヨ/○○○○○○)能(ノ)、伎奴波安札杼(キヌハアレド)、伎美我美家思志(キミガミケシヽ)、安夜爾伎保思母(アヤニキホシモ)、&br; ○養蠶ノ事ハ、産業部養蠶篇ニ詳ニセリ、宜シク參看スベシ、
*&aname(E89FB2E4B8ADE89BBE){蛾};
**〔新撰字鏡〕
***〈虫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1103:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1103.pdf]] 蛾〈柯我反、螘也、蟻也、安利、比々留、〉
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1103:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1103.pdf]] 蛾 説文云、蛾〈音峩、和名比々流(○○○)、〉蠶作&size(5){二};飛虫&size(5){一};也、
**〔箋注倭名類聚抄〕
***〈八/蟲名〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1103:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1103.pdf]] 比々流、和名抄、靈異記訓釋同訓、谷川氏〈○士淸〉曰、火簸之義、今俗呼&size(5){二};蠶蝶&size(5){一};、今土
佐俗呼&size(5){二};比伊流&size(5){一};、阿波俗又譌呼&size(5){二};比宇利&size(5){一};、本草和名、螈蠶蛾、和名比々留、乃布多古毛利、按陶隱居云、原蠶是重養者、謂&size(5){下};春蠶當&size(5){二};盛暑時&size(5){一};、所&size(5){レ};生&size(5){二};於紙上&size(5){一};者&size(5){上};、歷&size(5){二};數日&size(5){一};化爲&size(5){レ};蠶、謂&size(5){二};之原蠶&size(5){一};、下條https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01593.gif 訓&size(5){二};奈都古&size(5){一};、是也、後羽化爲&size(5){レ};蛾者語&size(5){二};之原蠶蛾&size(5){一};、今俗呼&size(5){二};夏子蝶&size(5){一};、輔仁誤讀&size(5){二};重字&size(5){一};、爲&size(5){下};二蠶爲&size(5){二};一繭&size(5){一};者&size(5){上};、訓&size(5){二};布多古毛利&size(5){一};誤、今引&size(5){レ};之者、以證&size(5){三};蛾之訓&size(5){二};比々留&size(5){一};耳、
**〔類聚名義抄〕
***〈十/虫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1104:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1104.pdf]] 蛾ヒヽル
**〔八雲御抄〕
***〈三/下虫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1104:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1104.pdf]] 蛾 おやのかふこのまゆとこもりいへり、 ふたこもり ひきまゆ
**〔倭訓栞〕
***〈前編二十五/比〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1104:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1104.pdf]] ひゝる 倭名鈔、新撰字鏡、靈異記に蛾を訓ぜり、火簸の義にや、よく燈を消つもの也、山谷が詩に飛蛾赴&size(5){レ};燭廿&size(5){二};死禍&size(5){一};と見えたり、又蝱も訓ぜり、日本紀に、飄又翥をよめり、日簸の義なるにや、盛衰記に、一ツの鳥ひゝめきわたるともいへり、萬葉集に蛾葉之衣といふ事あり、かはのきぬと訓れど、異訓あるべく思はるれ、古事記に内剝&size(5){二};鵝皮&size(5){一};といふ事見ゆ、ごも蛾皮なるべし、説文にも蛾蠶化&size(5){二};飛虫&size(5){一};也と見ゆ、書紀には以&size(5){二};鷦鷯ノ羽&size(5){一};爲&size(5){レ};衣と見ゆ、
**〔日本書紀〕
***〈三十/持統〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1104:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1104.pdf]] 六年九月癸丑、越前國司、獻&size(5){二};白蛾(ヒヽル)&size(5){一};、戊午詔曰、獲&size(5){二};白蛾於角鹿郡浦上之濱&size(5){一};、故增&size(5){二};封笥飯神&size(5){一};二十戸、
**〔書紀集解〕
***〈三十/持統〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1104:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1104.pdf]] 按、蛾微少之物、非&size(5){二};可&size(5){レ};獻者&size(5){一};、蓋蛾鵝誤耳、
**〔太平記〕
***〈二〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1104:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1104.pdf]] 資朝卿被&size(5){レ};斬幷阿新事&br;折節夏ナレバ、燈ノ影ヲ見テ蛾ト云蟲ノアマタ明障子ニ取付タルヲ、スハヤ究竟ノ事コソ有ト思ヒテ、障子ヲ少シ引アケタレバ、此蟲アマタ内へ入テ、軈テ燈ヲ撲滅ヌ、
*&aname(E89FB2E4B8ADE78788E89BBE){燈蛾};
**〔東雅〕
***〈二十/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1104:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1104.pdf]] 蝶〈(中略)蛾は倭名鈔に説文を引て、(中略)義は不&size(5){レ};詳、今俗にヒトリムシ(○○○○○)といふものは、觸蛾是也、〉
**〔倭訓栞〕
***〈中編二十一/比〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1104:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1104.pdf]] ひとりむし 火取虫の義、飛蛾の類をいふ也、心地觀經に、心如&size(5){二};飛蛾&size(5){一};愛&size(5){二};燈色&size(5){一};と見ゆ、古今集に、
夏虫をなにかいひけん心から我もおもひにもへぬべらなり、
**〔和漢三才圖會〕
***〈五十二/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1105:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1105.pdf]] 燈蛾 燭蛾 火蛾 俗云火取虫〈○中略〉&br;燈蛾(ヒトリムシ)多出&size(5){二};雀甕&size(5){一};、大五六分、形色似&size(5){一};黃蝶&size(5){一};、色枯渴者也、夏夜見&size(5){二};燈燭&size(5){一};、則如&size(5){レ};欲&size(5){レ};奪&size(5){レ};火、數回而終沒&size(5){二};燈油中&size(5){一};死、
*&aname(E89FB2E4B8ADE6A897E9B784){樗鷄};
**〔醫心方〕
***〈一/虫魚〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1105:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1105.pdf]] 樗鷄〈和名奴天乃支乃牟之(○○○○○○○)〉
**〔大和本草〕
***〈十四/蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1105:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1105.pdf]] 樗雞(/ウチスヽメ) 一名紅娘子、本草綱目四十ニノセタリ宗奭曰、形類&size(5){二};蠶蛾&size(5){一};、但腹大頭足徵黑、翅爾重、外一重灰色、内一重深紅、五色皆具、筑紫ノ方言ウチ雀ト云、又一種夕顏ノ花ヲ吸翼アル虫アリ、飛コト早シ、夕顏マダラト云、是モ樗雞ノ類ナリ、樗雞ヨリ小ナリ、
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十七/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1105:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1105.pdf]] 樗鷄 詳ナラズ〈○中略〉&br;大和本草ニ、ウチスヾメ(○○○○○)ト訓ズルハ穩ナラズ、 ウチスヾメハ燈蛾(ヒトリムシ)ノ雌ナリ、一名サﾞシキスヾメ(○○○○○○)〈南部〉コブ(○○)〈尾州〉フクラスヾメ(○○○○○○)、形、蠶蛾(カイコノテフ)ノ雌ニ似テ、灰褐色ニシテ粉アリ、〈○中略〉畫ハ扉ノ陰、或器物ノ間ニ隱レテ睡リ、夜ハ飛翔シテ、燈火ニ集リ、終ニ油ニ入リ死ス、正字通ニ符子ヲ引テ、不&size(5){レ};安&size(5){二};其昧&size(5){一};、而樂&size(5){二};其明&size(5){一};、譬猶&size(5){二};文蛾去&size(5){レ};暗赴&size(5){レ};燈而死&size(5){一};也ト云フ、
*&aname(E89FB2E4B8ADE89DB62FE5908DE7A8B1){蝶/名稱};
**〔新撰字鏡〕
***〈虫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1105:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1105.pdf]] 蝶〈徒頰反、蛺也、加波比良古(○○○○○)、〉 蛺〈古夾反、蝶也、加波比良古、〉
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1105:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1105.pdf]] 蝶(テフ) 兼名苑云、蛺蝶〈頰牒二音〉一名野蛾、〈形似&size(5){レ};蛾而色白者也〉
**〔箋注倭名類聚抄〕
***〈八/蟲名〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1105:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1105.pdf]] 按古今注云、蛺蝶一名野蛾、色白背靑者是也、兼名苑蓋本&size(5){二};於此&size(5){一};、説文蛺、蛺蜨也、蜨、蛺蜨也、蜨蝶正俗字、伊勢廣本蝶作&size(5){レ};https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01596.gif 、按是唐人避諱字、新撰字鏡、蝶蛺並訓&size(5){二};加波比良古&size(5){一};、李時珍曰、蝶蛾類也、大曰&size(5){レ};蝶、小曰&size(5){レ};蛾、其種甚繁、皆四翅有&size(5){レ};粉、好嗅&size(5){二};花香&size(5){一};、
**〔類聚名義抄〕
***〈十/虫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1105:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1105.pdf]] 蛱蛺〈カハヒラコ〉 蝶〈カハヒラコ〉
**〔八雲御抄〕
***〈三/下虫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1105:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1105.pdf]] 蝶 こてふ(○○○)はるさま〴〵のはなのさくより、秋花のちるまでの物なり、 たゞてふとも云、なべてはこてふと云、、こてふににたりといふは非&size(5){レ};蝶、來といふに似也、
**〔東雅〕
***〈二十/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1106:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1106.pdf]] 蝶テフ 字の音をもて呼也
**〔倭訓栞〕
***〈前編十七/底〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1106:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1106.pdf]] てふ 蝶をよむは音なり、相摸下野陸奧にてふま(○○○)、津輕にかにべ(○○○)、又てこな(○○○)、秋田にへらこ(○○○)、越後にてふまべつたら(○○○○○○○)、信濃にあまびら(○○○○)といふ、かひこのてふは蛾なり、信濃陸奧上野にひるといふ、西國にひるろうと云、伊勢にひいうといふ、柳女郎(○○○)と呼者あり、水蝶(○○)也、粉蝶を放ちて、其止る所に隨て幸なるは唐明皇の故事なり、天寶遺事に見ゆ、てふ〳〵とまれ、菜の花にとまれ、なれもとまらば、我もとまらんといへる童謠は、古意を得たり、
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十七/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1106:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1106.pdf]] 蛺蝶 テフカラテフ(○○○○)〈古歌〉 チヨテフ(○○○○)〈京〉 テフ〳〵(○○○○)〈江戸〉 テフコ(○○○)〈阿州〉 カツカベ(○○○○)〈南部〉 テイコウナ(○○○○○)〈津輕〉テコナ(○○○) カヽべ(○○○)〈共同上〉 ハへル(○○○)〈琉球〉 テフマベツ(○○○○○○○)トウ〈越後〉 アマビラ(○○○○)〈信州〉 カバビラコ(○○○○○) テフ〳〵ベコ(○○○○○○)〈野州〉 ヘラコ(○○○)〈秋田○中略〉&br;蛺蝶ハ春夏秋ノ間飛翔シ、草木ノ花ヲ吸フ、菜花上殊ニ多ク集ル、一身四翅、翅ノ大サ八九分ニシテ粉アリ、色白キ者ヲ粉蝶〈泉州府志〉-云、色黃ナル者ヲ黃蝶〈同上〉ト云、又黑ヲ雜ルアリ、皆油菜葉ノ上或下ニ纖小ノ黃卵ヲ生ズ、數日ノ後化シテ小長蟲-ナル、〈○下略〉
**〔古今要覽稿〕
***〈蟲介〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1106:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1106.pdf]] てふ〈蝶〉&br;てふ、一名をこてふ、古名をかはらひこといひ、俗稱をてふ〳〵といひ、〈○中略〉漢名のごときも數名ありと雖も、通名は蝴蝶といひ、蛺蝶といひ、https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01597.gif 蝶といひ、蜨ともいへり、説文によるに、蝶は俗字のよしにて、蜨を本字となせり、然れ共、古來より蝶字を以て通用したり、又雅名の如きは、春駒といひ、野織といひ、撻抹といひ、探花使といひ、或は採花使共、採花子とも目せるは、名義皆同じくして、いはゆる蝴蝶の花に遊ぶとも、花に戯るなど、ふるくより詩歌に詠ぜるよりして、しか名付そめけん、又戀花といふ目もあるは、もと蝶は花木花草中の毛蟲尺蠖の類、或は蠹蠋の諸蟲老時に至りて、おの〳〵脱して蝶となる也、〈○中略〉また此物大小あり、大なるものは蝙蝠の如く、故に蝙蝠蝶
の名あり、小なるものは、梅花瓣にまがふありて、翼に五色の斑文あるあり、純白純黃紫黑靑赤、其色錯雜にして、種類きはむべからず、〈○下略〉
*&aname(E89FB2E4B8ADE89DB6E7A8AEE9A19E2FEFA4){蝶種類/綠蝶};
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1107:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1107.pdf]] 綠蝶(○○) 兼名苑云、綠女、一名姥蝶、〈綠蝶也〉
**〔箋注倭名類聚抄〕
***〈八/蟲名〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1107:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1107.pdf]] 按綠女姥蝶二名、未&size(5){レ};詳&size(5){レ};所&size(5){レ};出、
*&aname(E89FB2E4B8ADE7B4BAE89DB6){紺蝶};
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1107:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1107.pdf]] 紺蝶(○○) 兼名苑云、紺幡、一名童幡、〈紺蝶也、今案、又一名靑蛉、見&size(5){二};古今注&size(5){一};、〉
**〔箋注倭名類聚抄〕
***〈八/蟲名〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1107:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1107.pdf]] 按古今註云、紺蝶遼東人呼爲&size(5){二};紺幡&size(5){一};、亦曰&size(5){二};童幡&size(5){一};、兼名苑蓋本&size(5){二};於此&size(5){一};、廣本注末、有&size(5){下};今案又一名靑蛉見&size(5){二};古今注&size(5){一};十一字&size(5){上};、按古今注魚蟲條作&size(5){二};蜻蛉&size(5){一};、又按紺蝶、今俗呼&size(5){二};蝶登无保(○○○○)&size(5){一};、蜻蛉之屬非&size(5){二};蝶類&size(5){一};、以&size(5){三};其飛翔狀似&size(5){二};蛺蝶&size(5){一};、有&size(5){二};蝶名&size(5){一};也、源君廁&size(5){二};於此&size(5){一};、恐非、
*&aname(E89FB2E4B8ADE9BB83E89DB6){黃蝶};
**〔吾妻鏡〕
***〈六〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1107:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1107.pdf]] 文治二年五月一日戊寅、自&size(5){二};去比&size(5){一};黃蝶飛行、殊遍&size(5){二};滿鶴岳宮&size(5){一};、是怪異也、仍今日以&size(5){下};奉&size(5){二};御供&size(5){一};之次&size(5){上};、爲&size(5){二};邦通奉行&size(5){一};、有&size(5){二};臨時神藥&size(5){一};、〈○同書建保元年又有&size(5){二};此事&size(5){一};、〉
**〔吾妻鏡〕
***〈三十八〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1107:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1107.pdf]] 寬元五年三月十七日庚午、黃蝶飛、〈幅假令一丈許、列三段許、〉凡充&size(5){二};滿鎌倉中&size(5){一};、是兵革兆也、承平、則常陸下野、天喜、亦陸奧出羽四箇國之間、有&size(5){二};逗怪&size(5){一};、將門貞任等及&size(5){二};鬪戰&size(5){一};訖、而今此事出來、猶若可&size(5){レ};有&size(5){二};東國兵亂&size(5){一};歟之由、古老之所&size(5){レ};疑也、
**〔吾妻鏡〕
***〈三十九〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1107:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1107.pdf]] 寶治二年九月七曰辛亥、黃蝶飛行、自&size(5){二};由比浦&size(5){一};至&size(5){二};于鶴岡宮寺幷右大將家法花堂&size(5){一};群亙云云、 十九日癸亥、未申兩時之間、黃蝶群飛、自&size(5){二};三浦三崎方&size(5){一};、出&size(5){二};來于名越邊&size(5){一};、其群集之幅三許段云云、
*&aname(E89FB2E4B8ADE9B3B3E89DB6){鳳蝶};
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1107:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1107.pdf]] 鳳蝶〈或説作&size(5){レ};車〉 崔豹古今注云、鳳蝶其大如&size(5){二};蝙蝠&size(5){一};者、或黑色或靑斑、名曰&size(5){一};鳳子&size(5){一};、一名鳳子車、一名鬼車、〈今案、和名保々天布(○○○○)、是鳳蝶二音之轉乎、〉
**〔箋注倭名類聚抄〕
***〈八/蟲名〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1107:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1107.pdf]] 按原書魚蟲條、作&size(5){下};風蝶其大如&size(5){二};蝙蝠&size(5){一};者、或黑色或靑斑、名爲&size(5){二};鳳子&size(5){一};、一名鳳車名鬼車&size(5){上};、與&size(5){二};廣本所&size(5){一レ};引略同、其鳳蝶作&size(5){二};風蝶&size(5){一};恐誤、名鬼車上亦似&size(5){レ};脱&size(5){二};一字&size(5){一};、初學記、太平御覽引亦作&size(5){二};鳳車&size(5){一};、與&size(5){二};今本&size(5){一};同、廣本作&size(5){二};鳳子車&size(5){一};、誤衍也、
*&aname(E89FB2E4B8ADE89DB6E4BA8BE8B99F){蝶事蹟};
**〔三代實錄〕
***〈二十六/淸和〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1108:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1108.pdf]] 貞觀十六年八月丁巳朔、伊勢國上言、〈○中略〉蝗虫或化&size(5){レ};蝶去、
**〔大和名所圖會〕
***〈五/高市郡〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1108:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1108.pdf]] 菩提寺緣記曰、橘寺の西方より金色の蝶(○○○○)とび來りて、講堂の柱に羽うちやすめとまり、しばしして飛さりぬ、其跡をみれば、一首の和歌を喰付たり、&br;新古今 菩提寺の講堂のはしらにむしくひたる歌&br; しるべある時にだにゆけ極樂の道にまどへる世中の人
**〔帝王編年記〕
***〈二十二/高倉〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1108:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1108.pdf]] 治承二年八月、叡山坂本粉蝶如&size(5){レ};雨降、高雄寺魔滅之時如&size(5){レ};此云々、
**〔發心集〕
***〈一〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1108:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1108.pdf]] 佐國愛&size(5){レ};華成&size(5){レ};蝶事&br;或人〈○中略〉人ノ家ヲカリテ、且ク立入タリケルガ、カクテ其家ヲミレバ、ツクレル家ノ、イト廣モ非ヌ庭ニ、前栽ヲエモイハズ、木共ウへテ、ウへニ假屋ノカマへヲシツヽ、聊カ水ヲカケタリケリ、色色ノ花カズヲツクシテ、錦ヲ打オホヘルガ如ク見エタリ、殊ニサマ〴〵ナル蝶イクラトモナク遊アへリ、事サマノ難&size(5){レ};有覺エテ、ワザトアルジヲヨビ出デヽ、此事ヲ問フ、アルジノ云樣、是ハナホサﾞリノ事ニモ非ズ、思フ心アリテウへテ侍べリ、オノレハ佐國ト申テ、人ニシラレタル博士ノ子ニテ侍べリ、彼父世ニ侍リシ時、フカク花ヲ興ジテ、折ニツケテ是ヲ翫ビ侍リキ、且ハ其心ザシヲバ、詩ニモ作レリ、六十餘國見レトﾞモ、未アカズ、他生ニモ定メテ花ヲ愛スル人タランナド、作リ置テ侍ベリツレバ、自ラ生死ノ會執ニモヤ罷成ケント、疑シク侍リシ程ニ、アル者ノ夢ニ、蝶ニ成テ侍ルト、見タル由ヲ語侍レバ、罪深ク覺エテ、然ラバ若コレラニモヤマヨヒ侍ルラムトテ、心ノ及ブ程ウへテ侍ル也、其レニトリテ、唯花ハﾞカリハ猶アカズ侍レバ、アマヅラ蜜ナドヲ、朝ゴトニソヽギ侍ルトゾ語リケル、
**〔明月記〕
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1108:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1108.pdf]] 天福元年五月十八日壬戌、或人云、自&size(5){二};四月廿八日&size(5){一};至&size(5){二};五月三日&size(5){一};、日吉社頭、蝶雨降(ノ如クル)、
*&aname(E89FB2E4B8ADE89DB6E99B9CE8BC89){蝶雜載};
**〔榮花物語〕
***〈三十二/歌合〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1108:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1108.pdf]] かねのすはまに、沈をませゆひたる、かねのとこなつのくさむらをかきたり、歌
はなにゝかきたるぞなど、心にくきほどに、はやう花にてふのいみじうおかしきが、とをばかりゐたるなりけり、〈○中略〉歌は内の御めのと宰相の内侍のすけかきたり、右には兼房の右衞門佐、蝶ゐたるとこなつのえだをおりて、すけみち〈○右講師〉にとらす、
**〔源氏物語〕
***〈二十四/胡蝶〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1109:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1109.pdf]] 鶯のうらゝかなるねに、鳥のがくはなやかにきゝわたされて、いけの水鳥も、そこはかとなくさえづりわたるに、きうになりはつるほど、あかずおもしろし、てふはまして、はかなきさまにとびたちて、やまぶきのませのもとに、さきこぼれたる花のかげにまひいづる、
**〔赤染衞門集〕
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1109:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1109.pdf]] 草のなかにてふのしにたるをみて&br;うき世にはながらへじとそおもへどもしぬてふばかりかなしきはなし
**〔夫木和歌抄〕
***〈二十七/蝶〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1109:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1109.pdf]] 正治二年百首 寂蓮法師&br;とこなつのあたりは風ものどかにて散かふものはてふのいろ〳〵
**〔源仲正家集〕
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1109:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1109.pdf]] &br;はかなくもまねく尾花にたはむれて暮行秋をしらぬてふ哉
*&aname(E89FB2E4B8ADE89FBB2FE5908DE7A8B1){蟻/名稱};
**〔新撰字鏡〕
***〈虫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1109:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1109.pdf]] 蟻螘〈同上義、音宜奇反、阿利(○○)、又左曾利(○○○)、〉
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1109:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1109.pdf]] 大蟻〈蚳蝝附〉 爾雅集注云、蚍蜉〈毘浮二音〉一名馬螘、〈宜倚反、今案卽蟻字也、見&size(5){二};玉篇&size(5){一};、和名於保阿里(○○○○)、〉大蟻也、野王按、蚳蝝〈遲鉛二音〉蟻子也、
**〔箋注倭名類聚抄〕
***〈八/蟲名〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1109:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1109.pdf]] 今本玉篇虫部云、螘宜倚切、蟻同上、與&size(5){二};此注所&size(5){一レ};引合、別名蛾、樂記蛾子時術&size(5){レ};之、鄭注、蛾眦蜉也、是也、又蠶https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01598.gif 字从&size(5){レ};䖵、俗省作&size(5){レ};蛾、與&size(5){二};此蛾字&size(5){一};混、故蛾羅字俗作&size(5){レ};蟻、以&size(5){レ};避&size(5){二};蠶蛾字&size(5){一};也、然則蟻是螘一名、非&size(5){二};卽螘字&size(5){一};、顧氏以&size(5){レ};蟻爲&size(5){二};螘或字&size(5){一};、恐不&size(5){レ};然、〈○中略〉今俗呼&size(5){二};山安利(○○○)&size(5){一};、爾雅云、蚍蜉、大螘、郭注云、俗呼爲&size(5){二};馬蚍蜉&size(5){一};、毛詩東山正義引&size(5){二};舍人&size(5){一};云、蚍、蜉卽大蟻也、説文、https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01599.gif https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01600.gif 大螘也、蚍蜉字云、https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01599.gif 或从&size(5){レ};虫比聲、又云、螘蚍蜉也、〈○中略〉今本玉篇虫部云蚳蟻卵也、按説文、蚳、螘子也、説文又引&size(5){二};劉https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01601.gif 説&size(5){一};蝝蚍蜉子、與&size(5){二};此所&size(5){レ};引
玉篇&size(5){一};義同、唯蚳蝝連文訓&size(5){二};蟻子&size(5){一};恐非、〈○中略〉按類聚名義抄、一名玄駒四字、在&size(5){二};螘字注&size(5){一};、此一名上恐脱&size(5){二};蟻字&size(5){一};、按大戴禮夏、小正傳云、玄駒者螘也、廣雅、玄駒螘也、方言云、蚍蜉、西南梁益之間謂&size(5){二};之玄蚼&size(5){一};、古今注云、今人名&size(5){レ};蟻曰&size(5){二};玄駒&size(5){一};、兼名苑蓋本&size(5){二};於此等書&size(5){一};、蚼卽俗駒字、魚猗反、又作&size(5){レ};螘、與&size(5){二};上文云螘宜倚反卽蟻字&size(5){一};複、是注恐後人所&size(5){レ};增、非&size(5){二};源君舊文&size(5){一};、舊本魚猗反本&size(5){二};兼猗反&size(5){一};、又作&size(5){レ};螘、作&size(5){二};又作&size(5){一レ};蝖、今改正、顯宗紀蟻、新撰字鏡蛾、同訓、
**〔本草綱目〕
***〈四十一/蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1110:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1110.pdf]] 時珍曰、蟻處々有&size(5){レ};之、有&size(5){二};大小黑白黃赤數種&size(5){一};、穴居卵生其居有&size(5){レ};等其行有&size(5){レ};隊、能知&size(5){二};雨候&size(5){一};、春出冬蟄、
**〔五雜組〕
***〈九/物〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1110:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1110.pdf]] 物之小而可&size(5){レ};愛者、莫&size(5){レ};如&size(5){レ};蟻、其占&size(5){レ};候似&size(5){レ};智、其兼&size(5){レ};弱似&size(5){レ};勇、其呼&size(5){レ};類似&size(5){レ};仁、其次序似&size(5){レ};義、其不&size(5){レ};爽似&size(5){レ};信、有&size(5){二};君臣之義焉、兄弟之愛焉、長幼之倫&size(5){一};焉、
**〔類聚名義抄〕
***〈十/虫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1110:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1110.pdf]] 螘蟻 〈アリ〉馬蟻〈オホアリ〉赤蟻〈イヒアリ(○○○○)〉
*&aname(E89FB2E4B8ADE89FBBE7A8AEE9A19E){蟻種類};
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十七/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1110:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1110.pdf]] 蟻 アリ〈○中略〉&br;凡ソ蟻種類多シ、〈○中略〉市中ニ在ルモノ、赤黑二色アリ、體ハ小ナレドモ、皆力强シ、〈○中略〉事物紺珠ニ、力擧&size(5){二};等身鐵&size(5){一};善戰有&size(5){二};行伍&size(5){一};ト云ヘリ、通雅ニ、小而微黃曰&size(5){二};黃蟻&size(5){一};ト云フ、黃蟻(○○)ハアカアリ(○○○○)ナリ、庭上ニ多シ、〈○中略〉通雅ニ稍大、好啖&size(5){二};群蟻&size(5){一};曰&size(5){二};虎蟻&size(5){一};ト云、是ナリ、其内ニ形長大ニシテ、大頭ナル者雜リ行ク、通雅ニ、大頭不&size(5){二};負曳&size(5){一};、若&size(5){二};紏率者&size(5){一};、故世以&size(5){二};惰&size(5){レ};群者&size(5){一};爲&size(5){二};大頭蟻&size(5){一};ト云是ナリ、コノ蟻ヲ筑前ニテハ、藤四郎アリ(○○○○○)ト云、土州ニテハ庄屋アリ(○○○○)ト云フ、又赤蟻ノ一種(○○○○○)、至テ小ナル者アリ、徵黑色ヲ雜ユ、常ニ木中ニ住ミ、遠ク連行ス、事物紺珠ニ、黃螘細如&size(5){レ};灰ト云是ナリ又黑色ノ蟻(○○○○)、數品アリ通雅ニ玄蟻尤蕃、遇羶負曳ト云ヒ、泉州府志ニ、有&size(5){二};黑蟻&size(5){一};作&size(5){二};穴地中&size(5){一};ト云フ、皆クロアリナリ、〈○中略〉又長サ一分許ニシテ、肥腹ナルモノ、常ニ木中ニ住ミ、年々窠ヲ換ルニ、遠方ヨリ卵ヲ含抱シテ連行スルアリ、此蟻ハ臭氣アリ、通雅ニ、有&size(5){二};臭蟻(○○)&size(5){一};、好緣&size(5){レ};木爲&size(5){レ};窠ト云是ナリ、又一種コシボソ(○○○○)ト呼ブモノアリ、長サ一分餘、色黑クシテ光
アリ、尾刺上ニ向フ、故ニ人ヲ螫ス、常蟻ノ尾刺下ニ向フニ異ナリ、朽柱及舊閫中ニ穴居ス、通雅ニ、有&size(5){二};蛆蟻&size(5){一};、狀如&size(5){二};黑蟻&size(5){一};化而羽、能螫&size(5){レ};人、爾雅所&size(5){レ};謂丁蟻也ト云ヒ、泉州府志ニ、有&size(5){二};走馬蟻&size(5){一};、作&size(5){レ};穴依&size(5){レ};樹能螫&size(5){レ};人ト云是ナリ、又山中ニ居ル者、形大ニシテ長サ七八分、或五六分ナルアリ、 ヤマアリ(○○○○)ト呼ブ オホアリ(○○○○)、〈和名鈔〉此ニモ赤黑二色アリ、釋名ノ註ニ、大者爲&size(5){二};蚍蜉&size(5){一};ト云是ナリ、
*&aname(E89FB2E4B8ADE8B5A4E89FBB){赤蟻};
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1111:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1111.pdf]] 赤蟻(○○) 爾雅集注云、赤駮蚍蝣、一名蠪虰、〈龍偵二音、和名伊比阿里(○○○○)、〉
**〔箋注倭名類聚抄〕
***〈八/蟲名〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1111:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1111.pdf]] 伊比阿利未&size(5){レ};詳、疑謂&size(5){下};今俗呼&size(5){二};赤阿利&size(5){一};者&size(5){上};、按通雅小而微黃曰&size(5){二};黃蟻&size(5){一};、事物紺珠、黃螘細如&size(5){レ};灰、是可&size(5){三};以充&size(5){二};赤阿利&size(5){一};也、爾雅邢昺疏云、其大而赤色斑駁者名&size(5){レ};蠪、是山阿利之赤色者、〈○中略〉又按邢昺曰、蠪一名朾螘、以&size(5){二};朾螘&size(5){一};爲&size(5){二};一句&size(5){一};、玉篇云、蠪蠪虰蟲、又云、虰、蠪虹也、以&size(5){二};蠪虰&size(5){一};連讀、與&size(5){二};此所&size(5){レ};引説&size(5){一};合、顧氏蓋依&size(5){二};爾雅舊注&size(5){一};、王引之曰、以&size(5){二};蠪朾&size(5){一};爲&size(5){二};螘一名&size(5){一};非也、蠪、打螘、慰、飛螘、二句文同一例、若以&size(5){二};螘字&size(5){一};自爲&size(5){レ};句、則與&size(5){二};爾雅上文小者螘&size(5){一};相複矣、王引之又云、蠪之言尨也、古者謂&size(5){二};雜色&size(5){一};爲&size(5){レ};尨、或借&size(5){二};龍字&size(5){一};爲之、故螘之赤色斑駁者謂&size(5){二};之蠪&size(5){一};、義與&size(5){レ};尨同也、朾之言頳也、頳赤也、螘色赤駁、故又謂&size(5){二};之頳&size(5){一};、虰與&size(5){レ};頳音同、説文䞓、赤色也、或作&size(5){レ};頳或作&size(5){レ};https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01602.gif 、故字亦相通也、
*&aname(E89FB2E4B8ADE9A39BE89FBB){飛蟻};
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1111:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1111.pdf]] 飛蟻 爾雅集注云、螱〈音尉〉一名飛蟻、〈和名波阿里〉蟻有&size(5){レ};翼而能飛也、
**〔箋注倭名類聚抄〕
***〈八/蟲名〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1111:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1111.pdf]] 爾雅https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01603.gif 、飛螘、郭注云、有&size(5){レ};翅、此所&size(5){レ};引蓋舊注、舊雅翼云、蓋柱中白螘之所&size(5){レ};化也、白螘狀如&size(5){二};螘卵&size(5){一};、凡斬&size(5){レ};木不&size(5){レ};以&size(5){レ};時、木未&size(5){レ};及&size(5){レ};燥而作、至&size(5){二};或柱礎去&size(5){レ};地不&size(5){一レ};高、則是物生&size(5){二};其中&size(5){一};、以&size(5){レ};泥爲房、詰曲而上、往々變化生&size(5){レ};羽、遇&size(5){二};天晏温&size(5){一};、群隊而出、飛亦不&size(5){レ};能&size(5){レ};高、尋則脱&size(5){レ};翼、藉々在&size(5){レ};地而死矣、郝氏曰、劉歆以&size(5){レ};蝝爲&size(5){二};蚍蜉之有&size(5){レ};翼者&size(5){一};、蓋謂&size(5){レ};此也、
**〔類聚名義抄〕
***〈十/虫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1111:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1111.pdf]] 飛蟻〈ハアリ〉
**〔和漢三才圖會〕
***〈五十二/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1111:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1111.pdf]] 螱(はあり) 白蟻 飛螘 和名波阿里 俗云波里(○○)〈○中略〉&br;按螱〈俗云波里〉羽蟻也、人家古松柱間生&size(5){レ};螱、蚔細白如&size(5){二};罌粟子&size(5){一};有&size(5){二};黑點&size(5){一};處頭也、尋變&size(5){二};黃赤&size(5){一};生&size(5){レ};翼再變&size(5){レ};黑而群飛、
不&size(5){レ};能&size(5){二};奈何&size(5){一};、相傳、書&size(5){二};呪歌&size(5){一};粘&size(5){二};其柱&size(5){一};、則螱悉除去、屢試驗焉、其歌未&size(5){レ};知&size(5){二};誰人所&size(5){一レ};詠、
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十七/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1112:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1112.pdf]] 蟻〈○中略〉&br;附錄、白蟻、 ハアリ(○○○)〈和名鈔〉 ハネアリ(○○○○)〈尾州〉 ハリ(○○)〈越中、河州、勢州、〉 フアリ(○○○)〈豫州〉 ケガレバイ(○○○○○)〈土州〉 ドクドウシ(○○○○○)〈薩州〉 ドクヅシ(○○○○)〈同上〉 イツトキバイ(○○○○○○)〈防州〉 ウンゾウバイ(○○○○○○)〈筑前〉&br;增、白蟻、一名飛蟻、〈爾雅註〉 翹蟻〈事物紺珠〉&br;此蟲ハ朽木、或ハ水ニ近ヅキ、常ニ濕へル柱杙中ニ自生シ、木ヲ嚙、中ヲ空クシ、數ナクソノ内ニ往來連行ス、蟻ノ形狀ニシテ色白ク、未ダ羽ヲ生ゼズ、コレヲ、ドウトヲシ(○○○○○)筑前ト云フ、春暖ノ候ニ至レバ羽化シテ出飛フﾞコト甚多シ、遠ク望メバ烟ノ如シ、ソノ羽ハ四片ニシテ、身ヨリ長シ、身ハ淡赤黑色ニシテ光アリ、其飛ブコト高キコト能ハズシテ地ニ下リ、卽翼ヲ脱シテ地上ヲ行ク、長サ四五分ナルモアリ、三才圖會ニ、飛亦不&size(5){レ};能&size(5){レ};高、尋則脱&size(5){レ};藉、藉在&size(5){レ};地而死ト云フ、然レドモ急ニハ死セズ、地中ニ入ル、多クハ虎蟻ニ食ハル、
**〔三代實錄〕
***〈五十/光孝〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1112:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1112.pdf]] 仁和三年八月四日乙巳、地震五度、是日達智門上、有&size(5){レ};氣如&size(5){レ};煙非&size(5){レ};煙如&size(5){レ};虹非&size(5){レ};虹、飛上屬天、或人見&size(5){レ};之皆曰、是羽蟻也時人云、古今未&size(5){レ};有&size(5){二};如&size(5){レ};此之異&size(5){一};、陰陽寮占曰、當&size(5){レ};有&size(5){二};大風洪水失火等之災&size(5){一};焉、 八日己酉、有&size(5){二};羽蟻&size(5){一};、出&size(5){二};大藏正藏院&size(5){一};、群飛竟&size(5){レ};天、屬&size(5){二};于船岳&size(5){一};、
**〔扶桑略記〕
***〈二十二/宇多〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1112:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1112.pdf]] 寬平元年十月、〈○中略〉大臣云、一日安然法師云、近來在&size(5){二};雲林院&size(5){一};人云、蟲蠢々爰出、看&size(5){レ};之其虫所&size(5){レ};竟、東至&size(5){二};園池司&size(5){一};、西至&size(5){二};絹笠岡&size(5){一};、北至&size(5){二};紫野&size(5){一};、卽羽蟻也、
**〔日本紀略〕
***〈二/朱雀〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1112:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1112.pdf]] 天慶七年七月廿日庚寅、羽蟻集&size(5){二};北野&size(5){一};、其勢滿&size(5){レ};野、
**〔日本紀略〕
***〈五/冷泉〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1112:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1112.pdf]] 安和元年四月三日乙卯、巳刻御在所麗景殿與淑景舍間羽蟻飛如&size(5){レ};雲、又敷政門外陽明門等又如&size(5){レ};此、
**〔日本紀略〕
***〈十一/條〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1112:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1112.pdf]] 長德四年四月八日丙申、左近陣北掖羽蟻出來、
**〔百練抄〕
***〈十六/後深草〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1113:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1113.pdf]] 寶治元年正月十七日辛未、今日關東若宮神前螻蟈數十万充滿、亥子時人々見&size(5){二};付之&size(5){一};、翌朝失畢之由、後日風聞、&br;建長三年五月十五日甲戌、權中納言通雅卿被&size(5){レ};行&size(5){二};軒廊御卜&size(5){一};、〈鴨社羽蟻出來事〉
**〔吾妻鏡〕
***〈二十〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1113:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1113.pdf]] 建曆二年十月廿日壬辰、午剋鶴岡上宮寶前、羽蟻飛散、不&size(5){レ};知&size(5){二};幾千萬&size(5){一};、
**〔吾妻鏡〕
***〈三十一〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1113:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1113.pdf]] 嘉禎二年四月一日丁亥、午剋鶴岡若宮、羽蟻群集、子剋地震、
**〔康富記〕
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1113:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1113.pdf]] 嘉吉三年四月廿日、又先日比、春日社へ御殿瑞籬内羽蟻立之由、社家有&size(5){二};注進&size(5){一};、永享八年有&size(5){二};此事&size(5){一};、仍來廿七日、可&size(5){レ};被&size(5){レ};發&size(5){二};遣春日一社奉幣使&size(5){一};之由、頭辨爲&size(5){二};奉行&size(5){一};、今日被&size(5){レ};仰&size(5){二};淸大外記&size(5){一};、云云、
*&aname(E89FB2E4B8ADE99D91E885B0E89FB2){靑腰蟲};
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十七/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1113:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1113.pdf]] 靑腰蟲(○○○)&br;形蟻ヨリ、長クシテ、腰細カラズ、尾ハ直ニシテ尖リ、刺アリ、蟻尾ノ下ニ曲レルニ異ナリ、全身色赤ク、其腰綠色ニシテ光アリ、身長サ三四分、又一寸許ナル者アリ、稀ナリ、又全身黑色ニシテ、腰中黃赤色ナル者ハ甚多シ、春夏ノ交リ、朽木腐柱中ヨリ羽化シテ飛ビ出、甚ダ多キコト白蟻ニ異ナラズ、飛上ルコト高カラスﾞシテ地ニ下リ行ク、ソノ四羽薄クシテ色白ク、身ヨリ長キコト白蟻ニ同ジ、地ニ下レバ卽羽ヲ脱シ去リ、數多連行スルコト蟻隊ノ如シ、腰中ニ又羽アリ、驚ク時ハ出テ飛ブ、地ニ下レバ羽ヲタヽミテ腰中ニ藏ス、
*&aname(E89FB2E4B8ADE89FBBE4BA8BE8B99F){蟻事蹟};
**〔枕草子〕
***〈十〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1113:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1113.pdf]] ありどほしの明神、貫之が馬のわづらひけるに、此明神のやませ給ふとて、歌よみて奉りけんに、やめ給ひけんいとおかし、此ありどほしとつけたる心は、誠にやあらん、〈○中略〉もろこしの帝、この國のみかどをいかではかりて、此國うちとらんとて、常に心見あらがひ事をしてをくり給ひける、〈○中略〉七わだにわだかまりたる玉の中とをりて、左右に口あきたるが、ちいさきを奉りて、これにをとほしてたまはらん、此國にみなし侍る事なりとて奉りたるに、〈○中略〉おほきなるあり(○○○○○○○)を二つとらへて、こしにほそき糸をつけ、又それに今すこしふときをつけて、あなたの口に、
みつをぬりて見よといひければ、さ申てありをいれたりけるに、みつのかをかぎて、まことにいととうあなのあなたのくちに出にけり、さて其糸のつらぬかれたるを、つかはしたりける後になん、猶日本はかしこかりけりとて、のち〳〵はさる事もせざりけり、〈○中略〉其人の神になりたるにやあらん、
**〔日本靈異記〕
***〈中〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1114:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1114.pdf]] 罵&size(5){レ};僧與&size(5){二};邪婬&size(5){一};得&size(5){二};惡病&size(5){一};而死緣第十一&br;聖武天皇御世、紀伊國伊刀郡桑原之狹屋寺尼等請&size(5){二};奈良右京藥師寺僧題惠禪師&size(5){一};、奉&size(5){二};仕十一面觀音悔過&size(5){一};時、彼里有&size(5){二};一凶人&size(5){一};、姓文忌寸也、天骨邪見不&size(5){レ};信&size(5){二};三寶&size(5){一};、凶人之妻有&size(5){二};上毛野公大椅之女&size(5){一};、一日一夜受&size(5){二};八齋戒&size(5){一};、夫從&size(5){レ};外歸&size(5){レ};家而見無&size(5){レ};妻卽往喚&size(5){レ};妻、導師見&size(5){レ};之宣&size(5){レ};義敎化、不&size(5){二};信受&size(5){一};曰、汝婚&size(5){二};吾妻&size(5){一};、頭可&size(5){レ};所&size(5){一};罰破&size(5){一};斯下法師矣、惡口多言、具不&size(5){レ};得&size(5){レ};述、喚&size(5){レ};妻歸&size(5){レ};家、卽犯&size(5){二};其妻&size(5){一};、卒爾https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00479.gif 著&size(5){レ};蟻嚼痛死、
**〔日本靈異記〕
***〈下〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1114:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1114.pdf]] 彌勒丈六佛像其頸蟻所&size(5){レ};嚼示&size(5){二};奇異表&size(5){一};緣第廿八紀伊國名草郡貴志里有&size(5){二};一道場&size(5){一};、號曰&size(5){二};貴志寺&size(5){一};、〈○中略〉白壁天皇〈○光仁〉代有&size(5){二};一優婆塞&size(5){一};、初夜思疑行&size(5){レ};路之人得&size(5){レ};病參宿〈○中略〉呻音毎&size(5){レ};夜不&size(5){レ};息、行者不&size(5){レ};得&size(5){二};聞忍&size(5){一};、故起窺看、猶無&size(5){二};病人&size(5){一};、然最後夜倍&size(5){二};於常音&size(5){一};、響&size(5){二};于大地&size(5){一};而大痛呻、猶疑&size(5){二};珞靈&size(5){一};也、明日早起見&size(5){二};堂内&size(5){一};、其彌勒丈六佛像頸斷落在云、大蟻千許集嚼&size(5){二};摧其頸&size(5){一};、行者見&size(5){レ};之吿&size(5){二};知檀越&size(5){一};、檀越等復奉&size(5){二};造副&size(5){一};、
**〔寶物集〕
***〈五〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1114:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1114.pdf]] 小沙彌蟻子ヲ助ノ事&br;小沙彌七日ノ内ニ死スベキ相アリ、彼沙彌、道ヲ行ケルニ、蟻ノ子ノ一ツ水ニ流レケルヲ助生タリ、其故ニ此沙彌ガ命延タル事アリキ、
**〔蟲譜圖説〕
***〈七/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1114:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1114.pdf]] 弘化丁未四月、野火留〈○武藏新坐郡〉ノ平林寺山由松ノ朽タルアリ、其底黃赤大蟻(○○○○)多ク、其大五分、其色黃赤、走ル最早シ、廣東新語、所&size(5){レ};謂ノ黃赤大蟻ナル者ハ、是ノ類ナラン、
*&aname(E89FB2E4B8ADE89FBBE99B9CE8BC89){蟻雜載};
**〔嬉遊笑覽〕
***〈十二/禽蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1114:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1114.pdf]] 蟻の熊野參り(○○○○○○)、長嘯子、虫の歌合なさけなき君が心はみつの山くまのまいりをし
て祈らまし、そのかみ熊野に人多く參りしかば、かゝることわざあり、古きことゝ見えて、家長日記、元久三年京極殿うせ給ひ、攝政殿夢のやうにて、上下北面の人々馬車にて、はせちがふさま、ありといふむしの、もの參りとかやするにこそよう似て侍りしか、是には唯もの參りとめれど、熊野參なるべし、〈○中略〉蟻はむれをなして、他のむれに入らず、僅ばかり隔てし處の蟻も、むれことなるをば、必くひ殺すものなり、戯に砂糖などの甘みある物を、紙などの上に載せ、蟻のとほる處に置ば、須臾の間に多く集る、それを取て、他所の蟻の群たる中に入るれば、くひあふに、主客のきほひことなれば、他より入る蟻は敗走す、かくして鬪はしめざれども、もとより集りて戰ふものなり、〈○中略〉&br;蟻の塔(○○○)をくむ事、五雜爼、人有&size(5){下};堀&size(5){レ};地得&size(5){二};蟻城(○○)&size(5){一};者&size(5){上};、街市屋宇樓蝶門巷、井然有&size(5){レ};條、唐五行志、開成元年、京城有&size(5){レ};蟻聚、長五六十歩、濶五尺、至&size(5){二};一丈&size(5){一};、厚五寸至&size(5){二};一尺&size(5){一};、可&size(5){レ};謂&size(5){レ};異矣、蜂亦有&size(5){レ};之、おもふに蟻の塔、そのまゝにして置かば、次年も又蟻集るものならむ、
*&aname(E89FB2E4B8ADE89C822FE5908DE7A8B1){蜂/名稱};
**〔新撰字鏡〕
***〈虫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1115:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1115.pdf]] 螽䗦〈二作疋凶反、波知(○○)、〉
**〔同〕
***〈虫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1115:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1115.pdf]] 蟺〈時緬反、丘蚓也、一名蜜壇、波知乃古(○○○○)、〉
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1115:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1115.pdf]] 蜂 説文云、蜂蠆〈峯帶二音、和名波知、〉螫&size(5){レ};人虫也、四聲字苑云、https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01604.gif 〈音范〉蜂子也、
**〔箋注倭名類聚抄〕
***〈八/蟲名〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1115:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1115.pdf]] 新撰字鏡、蠭同訓、原書䖵部云、蠭、飛蟲螫&size(5){レ};人者、虫部云、https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01605.gif &size(5){レ};毒、蟲也、按玉篇云、蠭亦作&size(5){レ};蜂、又玉篇、廣韻、https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01605.gif 皆作&size(5){レ};蠆、源君引並從&size(5){二};今字&size(5){一};、原書蠭蟇不&size(5){レ};連、注亦不&size(5){レ};同、此所&size(5){レ};引有&size(5){レ};誤、玉篇云、https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01604.gif 蜂也、廣韻同、禮記檀弓及内則注亦云、范、蜂也、未&size(5){レ};見&size(5){下};訓&size(5){二};蜂子&size(5){一};者&size(5){上};、不&size(5){レ};知&size(5){二};四聲字苑何據&size(5){一};、按読文無&size(5){二};https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01604.gif 字&size(5){一};、依&size(5){二};禮記注&size(5){一};、則知&size(5){三};古唯用&size(5){二};范字&size(5){一};也、
**〔類聚名義抄〕
***〈十/虫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1115:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1115.pdf]] 蜂蠆〈ハチ〉蠭〈正〉蜂〈通〉https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01606.gif 〈ハチ〉
**〔日本釋名〕
***〈中/蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1115:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1115.pdf]] 蜂(ハチ) はりさし也、しとちと通ず、
**〔東雅〕
***〈二十/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1115:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1115.pdf]] 蜂ハチ 素戔烏神、大己貴神を蜂室に寢しめられしといふ事は、前に見えし如く、又饒
速日尊を天降されし初に、高木神の授け給ひし神寶の中に、蜂比禮といふものあり、〈○中略〉並に義不&size(5){レ};詳、〈ハチとは、羽蟲の螫す者を云ひしと見えたり、チといふ義は、前の註にも見えし如く、ツツといふ語急にして轉ぜしなり、饒速日尊の神寶の外にも、須世理媛命、蛇蜈蚣蜂の比禮をもて、大己貴神に與へられしといふ事も見えたるなり、其比禮といふ者は、是等の蟲を除ふものと見えけり、神寶といふ者の中に、此者あるを以つても、上古の俗、その毒を畏れし事、ツヽといひ、チといふが如きこれを畏れて神とするの謂なる事をも思ひはかるべきなり、戒愼をいひて、ツヽシムといふもツヽスムの義也などいふなり、ユスルの義不詳、ミカとは、其房の大きなること、甕の如くなるをやいひぬらん、さらばユスルといふも、其房の泔器(ユスルツキ)の如くなりと云ひしも知るべからず、ミチとは、蜜の字の音をもて呼びしなり、サソリとは細腰の義と見えたり、サソといひ、サヽといふは、轉語なる也、りといひしは詞助なるベし、蝶蠃は日本紀にスガルと讀みたり、其義同じかるべし、古語に細き事をいひて、サとも、サヽとも、スガルとも云ひけり、本朝式に須賀流横刀(スガルタチ)といふも、則今の細太刀といふものなり、壒囊抄に、サソリとは、サヽリ蜂なり、常陸國には、カソリといふなり、彼國に賀蘇理岡といふ岡あり、むかし此國にサヽリ蜂多きによりて、此名ありといふと見えたり、其サヽリといふも、サソリといふ語の轗也、その語竟に轉じて、カソリともいひしなるべし、
**〔和漢三才圖會〕
***〈五十二/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1116:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1116.pdf]] 蜂〈音峯〉 https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01604.gif 〈音范〉 和名波知〈○中略〉&br;按蜂人不&size(5){レ};觸則不&size(5){レ};螫、如行&size(5){二};於巢下&size(5){一};、則追來螫、〈蜂羽傳&size(5){レ};油則不&size(5){二};敢動&size(5){一};〉
*&aname(E89FB2E4B8ADE89C82E7A8AEE9A19E){蜂種類};
**〔大和本草〕
***〈十四/蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1116:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1116.pdf]] 蜂 種類多シ、ツネノ蜂ノ外、土蜂(○○)アリ、蜜蜂(○○)アハ大黃蜂(○○○)アリ、クマハチト云、又ヤマハチト云、人ヲサス大ナリ、又ジガバチ(○○○○)アリ、
*&aname(E89FB2E4B8ADE59C9FE89C82){土蜂};
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1116:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1116.pdf]] 土蜂 爾雅集注云、土蜂〈和名由須留波知(○○○○○)〉大蜂之在&size(5){二};地中&size(5){一};作&size(5){レ};房者也、
**〔箋注倭名類聚抄〕
***〈八/蟲名〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1116:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1116.pdf]] 今俗呼&size(5){二};阿奈婆知(○○○○)、或都知婆知(○○○○)&size(5){一};、谷川氏曰、其所&size(5){レ};居之穴、形如&size(5){二};泔器之狀&size(5){一};、泔器訓&size(5){二};由須流豆岐&size(5){一};、故名&size(5){レ};之、按陳藏器本草云、穴居者名&size(5){二};土蜂&size(5){一};、最大、螫&size(5){レ};人至&size(5){レ};死、又云、土蜂赤黑色、蘇敬曰、土蜂、土中爲&size(5){レ};窠、大如&size(5){二};烏蜂&size(5){一};、不&size(5){レ};傷&size(5){レ};人、郝懿行曰、土蜂今呼&size(5){二};戅蜂&size(5){一};、大者斃&size(5){レ};牛、其房層纍大&size(5){二};於十斗饗器&size(5){一};、
**〔類聚名義抄〕
***〈十/虫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1116:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1116.pdf]] 土蜂スルハチ(○○○○)
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十七/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1116:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1116.pdf]] 土蜂 ユスルバナ(○○○○○)〈和名鈔〉 ツチバチ(○○○○) ツチスガリ(○○○○○)〈南部〉 アナバチ(○○○○)〈○中略〉土中ニ巢ヲ作ルハチヲ云、數品アリ、地上ニ小穴ヲ穿テ出入ス、土中ニ深ク入リテ、大ナル巢ヲ作ル、其蜂形大黃蜂(ヤマバチ)ノ如シ、人、土ヲ堀テ其巢ヲ破リ、蜜ヲ採ル、是土蜜ナリ、熊野ノ方言ニツト云、〈○下略〉
*&aname(E89FB2E4B8ADE69CA8E89C82){木蜂};
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1117:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1117.pdf]] 木蜂 爾雅集注云、木蜂〈和名美加波知(○○○○)〉似&size(5){二};土蜂&size(5){一};、而小在&size(5){二};樹上&size(5){一};作&size(5){レ};房者也、
**〔箋注倭名類聚抄〕
***〈八/蟲名〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1117:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1117.pdf]] 按釋日本紀引&size(5){二};私記&size(5){一};曰、今俗大蜂爲&size(5){二};美加忽知&size(5){一};、其説與&size(5){二};源君&size(5){一};不&size(5){レ};同、
**〔類聚名義抄〕
***〈十/虫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1117:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1117.pdf]] 木蜂ミカハチ
*&aname(E89FB2E4B8ADE89C9CE89C82){蜜蜂};
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1117:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1117.pdf]] 蜜蜂〈蜚零附〉 方言注云、蜜蜂〈和名美知波知(○○○○)、蜜見&size(5){二};飮食部&size(5){一};、〉黑蜂、在&size(5){二};竹木&size(5){一};爲&size(5){レ};孔、又有&size(5){レ};室者也、本草云、蜜蜂子、一名蜚零、〈今案蜚者古飛字也、〉
**〔箋注倭名類聚抄〕
***〈八/蟲名〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1117:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1117.pdf]] 方言卷十一云、https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01606.gif 其大而蜜、謂&size(5){二};之壼螽&size(5){一};、注云、今黑https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01606.gif 穿&size(5){二};竹木&size(5){一};作&size(5){レ};孔亦有&size(5){レ};蜜者、或呼&size(5){二};笛師&size(5){一};、此恐有&size(5){レ};誤、按陶氏云、石蜜卽崖蜜也、其蜂黑色似&size(5){レ};䖟、又木蜜呼爲&size(5){二};食蜜&size(5){一};、懸&size(5){二};樹枝&size(5){一};作&size(5){レ};之又樹空及人家養作&size(5){レ};之、又有&size(5){二};土蜜&size(5){一};、於&size(5){二};土中&size(5){一};作&size(5){レ};之、李時珍曰、蜜蜂有&size(5){二};三種&size(5){一};、一種、在&size(5){二};林木或土穴中&size(5){一};作&size(5){レ};房爲&size(5){二};野蜂&size(5){一};、一種、人家以&size(5){レ};器收養者、爲&size(5){二};家蜂&size(5){一};、並小而微黃、一種、在&size(5){二};山巖高峻處&size(5){一};作&size(5){レ};房、卽石蜜也、其蜂黑色似&size(5){二};牛䖟&size(5){一};、依&size(5){レ};之方言注、黑蜂卽石蜜蜂、而云&size(5){下};在&size(5){二};竹木&size(5){一};爲&size(5){上レ};孔、則非&size(5){二};石蜜蜂&size(5){一};、陳藏器餘有&size(5){二};留師蜜&size(5){一};、云、蜂如&size(5){二};小指大&size(5){一};正黑色、嚙爲&size(5){二};窠蜜&size(5){一};、如&size(5){二};稠糖&size(5){一};、方言留師、竹蜂也、今方言注作&size(5){二};笛師&size(5){一};、蓋此蜂穿&size(5){レ};竹如&size(5){二};笛孔&size(5){一};、故有&size(5){二};此名&size(5){一};、作&size(5){二};留師&size(5){一};誤也、李時珍又曰、今人家一種黑蜂大如&size(5){二};指頭&size(5){一};、能穿&size(5){二};竹木&size(5){一};而居、腹中有&size(5){レ};蜜、正是方言注所&size(5){レ};言者、千金翼方、證類本草上品有&size(5){二};蜂子&size(5){一};、不&size(5){レ};載&size(5){二};一名&size(5){一};、別有&size(5){二};大黃蜂子&size(5){一};、又有&size(5){二};土蜂子一名蜚零&size(5){一};、並在&size(5){二};蜂子條下&size(5){一};、故本草和名云、蜂子、大黃蜂子、土蜂子一名蜚零、源君以&size(5){二};大黃蜂子及土蜂子之一名蜚零&size(5){一};、並爲&size(5){二};蜂子一名&size(5){一};誤也、按陶隱居曰、直云&size(5){二};蜂子&size(5){一};、卽應&size(5){二};是蜜蜂子&size(5){一};也、黃蜂則人家屋上者、及https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01607.gif https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01608.gif 蜂也、新撰字鏡、蟺訓&size(5){二};波知乃古&size(5){一};、按史記正義、漢書注、文選注並云、蜚古飛字、此注蓋本&size(5){二};于是等書&size(5){一};、
**〔類聚名義抄〕
***〈十/虫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1117:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1117.pdf]] 蜜蜂〈ミチハチ〉
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十七/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1117:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1117.pdf]] 蜜蜂 ミチバチ(○○○○)〈和名鈔〉 ミツバチ(○○○○) ヘボ(○○)〈信州○中略〉&br;蜜蜂ハ䖟ニ似テ狹小、黃蜂(ヤマバチ)ノ形ニシテ小ナリ長サ四五勞微黃色、常ニ人ヲサヽズ、コレニ觸ル時ハサス、〈○中略〉凡ソ蜜蜂、春ノ末、分レ飛テ、一處ニ簇リ、鞠ノ如クナリテ、人家ノ簷、或ハ木ノ枝ニ下垂
シタルヲ、箱或ハ酒樽ノ内ニ蜜ヲヌリ、コノ蜂ヲ箒ニテ掃ヒ落シ入置ケバ、直ニコノ中ニ巢ヲカケ、蜜ヲ釀ス、コノ箱ハタジノ形ニシテ、前ニヲトシ蓋ノ戸アリ、屎ヲ採リ去リ、或ハ巢ヲ採ル時ニ、コノ戸ヲ開ク、常ハ閉テ下ヲ微シ開ク、或ハ小穴ヲ數多ク鑽スルモ佳シ、筑前ニテハ、稻草(ワラ)ニテ、アミガサノ形ノ物ヲ作リ、内ノ上ノ處ニ酒ヲ塗リ、蜂ノ多ク簇リヲル枝ノ上ニ蓋ヒ置キ卞ヨリ竹葉ニテ超フトキハ、皆其中ニ入ル、一蜂入ル時ハ、衆蜂尋デ皆入ル、コレヲ採リ下シテ仰ギ置、其上ニ箱ヲ蓋ヒ、帕ニテ裹ミ、一夜ヲケバ、皆箱中ニノボリ入ルナリ、
**〔大和本草〕
***〈十四/蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1118:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1118.pdf]] 蜂蜜(○○) 本草ヲ考ルニ石蜜(○○)アリ、木蜜(○○)アリ、士蜜(○○)アリ、人家ニ養フ家蜜(○○)アリ、スベテ四種也、日本ニモ亦此四種アリ、石蜜ハ高山岩石ノ問ニ作&size(5){レ};之、其蜂、常ノ蜜蜂ニ異リ、黑色ニシテ似&size(5){レ};蝱(アブ)、日本ニモ處々有&size(5){レ};之、木蜜ハ陶弘景曰、樹枝ニカケテ巢ヲ作ル、日本ニモ有&size(5){レ};之、人家ニ養フモ本是ヲ取來ル、又大木ノ空虚ノ内ニ房ヲ作リ、南方ヨリ小穴ヲ開テ出入ス、穴大ナレバ、熊蜂入テ、蜜蜂ヲ喰殺シ蜜ヲ吸取ル、山ニアル木蜜ハ木ノ空虚ノ内ニ房ヲ作ル者多シ、枝ニアルハ稀也、土蜜ハ山ノ崖ナドカハキタル土中ニ房ヲ作ル、是土蜜ハ日本ニモ稀有&size(5){レ};之、人家ニ養フハ諸州處々ニ多シ、木蜜、土蜜、人家ニ養フ者、此三種ハ同蜂ナリ、常ノ蜂ニ似テ小也、色微黃ナリ、常ニハ人ヲ不&size(5){レ};螫、人サハレバサス、伊勢、紀州ノ熊野、尾張、土佐、其外諸國ヨリ出ヅ、土佐ヨリ出ルヲ好品トス、何ノ國ヨリ出テモ眞蜜ヲ爲&size(5){レ};好、蜂房ノ内、處々ニ自シタヽリタマルヲトリ用ユ、是ヲ眞蜜トス、生蜜ナリ、上品トス、藥ニ可&size(5){レ};用、蜂房ヲ煎ジ棗シテ蜜トス、是ハ下品ナリ、藥ニ不&size(5){レ};用、煮熟セザル生蜜ヲ用ヒ、我家ニテ煉熟スベシ、〈○中略〉蜜ヲ煉ル法(○○○○○)、先陶品ニ蜜ヲ布ニテコシテ入、其陶器ヲ鍋ニ沸湯ヲワカシテ入重湯ニテ湯煎シ、浮沫ヲ箆(ヘラ)ニテスクヒ去リ、蜜ヲ少水ニ滴テヽ、珠ヲナシテ不&size(5){レ};散ヲ爲&size(5){レ};度、壼ニ納貯フヘﾞシ、〈○中略〉 蜜蜂ノ蜜ヲ作ルハ、春ノ末ヨリ秋ノ末マデ、出テ花ヲ含ミ、花ヲ翅ト足ノ間ニ挾ミ、或花ノ汁ヲ含ミ來リ、房中ニヌリ付テ、釀テ蜜トナス、酒ヲ釀スガ如シ、凡蜜蜂ハ甚風寒ヲ畏ル、冬
ノ初ヨリ不&size(5){レ};出、房中ニ蟄居ス、其間ハ曾テ釀シテ貯置タル蜜ヲ粮トシ食フ、蜜ハ蜂ノ粮也、故ニ蜜ヲ取ルニ、粮ヲ殘シテ取盡サズ、取盡セバウへ死ス、〈○中略〉 蜂房(○○)ハ蜂毎年改作ル、家ニ養フハ蜂房ヲワリテ、房中ニ白タマレル蜜ヲトル、是上品也、可&size(5){レ};爲&size(5){レ};藥、然レドモ難&size(5){二};多得&size(5){一};、故ニ蜂房ヲワリテ、三分一ハ殘シテ爲&size(5){レ};粮、三分二ヲ取テ、大器ノ上ニ竹ヲワタシナラべ、其上ニワリ取タル蜂房ヲ置テ、天日ニ曝セバ、蜜煖氣ニトケテ、器中ニ滴リヲツルヲ取ル、是中品ナリ、蜂房ヲ釜ニ入テ、煮テ蠟ヲ取、其アトヲ煎ジツメテ蜜トス、是下品ナリ、不&size(5){レ};可&size(5){レ};入&size(5){レ};藥、故ニ生蜜ヲ上品トシ、熟蜜ヲ下品トス、 蜜蠟(○○)ハ蜜ヲ煎ジテ、面ニ浮ブ査(カス)ナリ、黃蠟ト云、
**〔家蜂蓄養記〕
***〈自序〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1119:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1119.pdf]] 夫蜜蜂若、靈蟲也、〈○中略〉我日東國、處々出&size(5){二};名産&size(5){一};、歷&size(5){レ};世而彌多、物皆以&size(5){二};其物&size(5){一};、有&size(5){二};僞物&size(5){一};鮮矣、特未&size(5){レ};能&size(5){レ};無&size(5){レ};之、其唯蜂蜜乎、願多&size(5){二};眞物&size(5){一};、而無&size(5){二};僞物&size(5){一};、雅與&size(5){二};伺志&size(5){一};言焉、夫南方温煖、而有&size(5){二};家蜂&size(5){一};、北方陰寒、而有&size(5){二};土蜂&size(5){一};、若有&size(5){二};能養&size(5){一レ};之、而得&size(5){二};其宜&size(5){一};、蓋土蜜亦得&size(5){レ};如&size(5){二};家蜜&size(5){一};乎、又未&size(5){三};嘗有&size(5){二};蜜蜂&size(5){一};之所、若有&size(5){二};能移&size(5){一レ};之、而得&size(5){二};其情&size(5){一};、蓋西北亦得&size(5){レ};如&size(5){二};東南&size(5){一};乎、而眞物已多、僞物自廢、是人々所&size(5){レ};望、奚翅刀圭家、夫雖&size(5){二};中夏多&size(5){一レ};産而物至&size(5){二};其少&size(5){一};矣、小人爲&size(5){二};議張&size(5){一};、動有&size(5){二};亂&size(5){レ};眞者&size(5){一};、先達惡&size(5){レ};似&size(5){レ};非、是以盡明辨、其於&size(5){レ};擇&size(5){レ};蜜、亦復詳也、由&size(5){レ};是謂&size(5){レ};之、僞多眞少乎、又博物君子、有&size(5){三};能言&size(5){レ};蜜、而違&size(5){二};其實&size(5){一};、是唯因&size(5){二};耳聞&size(5){レ};之、而目未&size(5){一レ};見&size(5){レ};之乎、乃知&size(5){二};蜜蜂之少矣、今玆寬政辛亥之季夏、偶過&size(5){二};目黑先生&size(5){一};、談及&size(5){二};于蜜蜂&size(5){一};、不&size(5){レ};揣&size(5){二};余孤陋&size(5){一};、來需&size(5){レ};筆&size(5){レ};之、於&size(5){レ};是乎、以&size(5){二};治療之暇、避暑之間&size(5){一};、敢妄撰述、名曰&size(5){二};家蜂蓄養記&size(5){一};、序以爲&size(5){レ};贈 、是嘗聞&size(5){二};先人&size(5){一};、及余所&size(5){レ};見也、極知&size(5){レ};多遺漏&size(5){一};、請君子補焉、&br; 寬政三年辛亥秋七月書&size(5){二};于東都龜島旅宅 久世敦行撰
**〔家蜂蓄養記〕
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1119:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1119.pdf]] 蜜蜂有&size(5){二};君王&size(5){一};&br;古人稱&size(5){二};蜜蜂有&size(5){一レ};王、今人亦謂&size(5){レ};然、余始聞而疑&size(5){レ};之、後見而信&size(5){レ};之、夫稱&size(5){レ};王者、其爲&size(5){レ};形也、似&size(5){二};蝱蟲長&size(5){一};、而有&size(5){二};緼色&size(5){一};、比&size(5){二};之其諸臣&size(5){一};、最爲&size(5){二};長大&size(5){一};、其爲&size(5){レ};氣也、温厚和平、天姿拔群、是豈與&size(5){レ};諸同&size(5){レ};孔而生者乎、是故王所&size(5){レ};生之孔、比&size(5){二};之其諸孔&size(5){一};、大且深矣、諸所&size(5){レ};生之孔、列在&size(5){二};房之横&size(5){一};、王所&size(5){レ};生之孔、特在&size(5){二};房之端&size(5){一};、而直向&size(5){二};于下土&size(5){一};、君臨&size(5){レ};民之象乎、異哉
此宮也、蓋以爲&size(5){下};其初諸知&size(5){二};王將&size(5){一レ};起而造作&size(5){上};乎、將有&size(5){二};受命者&size(5){一};而經營乎、抑王與氓並作乎、是未&size(5){レ};可&size(5){レ};知也、余見&size(5){二};儲宮&size(5){一};、未&size(5){レ};在&size(5){二};王子&size(5){一};、故闕如也、夫王之在&size(5){レ};宮、幽隱深遠、群聚衞護、見&size(5){レ};之難矣、唯分敷之秋蒙&size(5){二};塵于外&size(5){一};、見&size(5){レ};之易矣、故始聞而疑&size(5){レ};之、後見而信&size(5){一レ};之、今玆稱&size(5){二};儲宮&size(5){一};者、假謂&size(5){二};王子之所&size(5){一レ};在、實房下之大孔也、見&size(5){レ};此之術、矢&size(5){二};于次篇&size(5){一};、&br; 視&size(5){二};儲宮&size(5){一};之術&br;小子嘗過&size(5){レ};庭、大人謂&size(5){レ};余曰、汝見&size(5){二};儲宮&size(5){二};乎、曰未也、曰吾敎&size(5){レ};汝、勿&size(5){三};輕卒如&size(5){二};宋人之揠&size(5){一レ};禾、勿&size(5){三};暴爾如&size(5){二};馮婦之攖&size(5){一レ};虎、汝定&size(5){二};汝心意&size(5){一};、而後左右、攘&size(5){レ};臂及&size(5){レ};肩、左維&size(5){二};持右臂&size(5){一};以壓&size(5){レ};襟、莫&size(5){レ};使&size(5){二};之撥&size(5){一};、而後執&size(5){二};器之蓋&size(5){一};、其心如&size(5){レ};執&size(5){二};玉璧大圭&size(5){一};、踧踖如也、如&size(5){レ};不&size(5){レ};勝、而後以&size(5){レ};手入&size(5){二};宮中&size(5){一};、其意如&size(5){レ};入&size(5){二};公門&size(5){一};、鞠躬如也、如&size(5){レ};不&size(5){一レ};容、上愼&size(5){レ};㫋哉、敢勿&size(5){レ};犯&size(5){レ};訓、詩不&size(5){レ};云也、莫&size(5){二};予https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01609.gif 蜂&size(5){一};、自求&size(5){二};辛螫&size(5){一};、予其懲而毖&size(5){二};彼後患&size(5){一};、是我善&size(5){レ};彼、彼亦善&size(5){レ};我、雖&size(5){レ};有&size(5){二};毒尾&size(5){一};、無&size(5){二};敢觸&size(5){一レ};讐、豈如&size(5){下};探&size(5){二};虎穴&size(5){一};之難&size(5){上};乎、是亦如&size(5){二};拔田穉之易&size(5){一};矣、乃就&size(5){二};房之端&size(5){一};、徐々動&size(5){二};指頭&size(5){一};、使&size(5){三};諸倚&size(5){二};左右&size(5){一};、而後可&size(5){二};以莅視&size(5){一};、果有&size(5){二};大孔向&size(5){一レ};下、所&size(5){レ};謂儲宮是也、夫要&size(5){一レ};見&size(5){二};此孔之有無者&size(5){一};、前&size(5){三};知當年其分不分、與&size(5){二};分多寡&size(5){一};也、若見&size(5){二};孔一勣知&size(5){三};分有&size(5){一レ};一、若見&size(5){レ};二則知&size(5){二};分有&size(5){一レ};二、若三亦爾、而分許多、至&size(5){二};于四&size(5){一};、至&size(5){二};于五&size(5){一};、凡分寡可也、分多不可也、不&size(5){レ};分四五年、或六七年、或八九年、猶尚可也、何則群者、彌群彌盛、今嫌&size(5){二};分許多&size(5){一};、本末共涸也、傳所&size(5){レ};謂大都不&size(5){レ};過&size(5){二};參&size(5){レ};國之一&size(5){一};、是分而可也、如&size(5){三};都城過&size(5){二};百雉&size(5){一};之類、是巢之害也、王元之云、小人貪&size(5){二};其利&size(5){一};、恐&size(5){二};其分&size(5){一};、刺&size(5){一};其子&size(5){一};、不仁之甚矣、實有&size(5){レ};如&size(5){レ};斯乎、可&size(5){レ};謂狡智也、然大知&size(5){二};蜂哉、可&size(5){二};以見&size(5){一レ};嫌&size(5){レ};分、凡視&size(5){二};此儲宮&size(5){一};者不&size(5){レ};察而知&size(5){レ};分矣、豫營&size(5){二};藏蓄之器&size(5){一};、與&size(5){二};筑壇之地&size(5){一};、是可也、小子謹受&size(5){レ};敎、逡巡而退、&br; 藏蓄之器製&br;蜂不&size(5){一レ};嫌&size(5){二};器方圓&size(5){一};、任&size(5){レ};意而可&size(5){二};製作&size(5){一};、方者有&size(5){レ};便、今玆謂&size(5){レ};之、圓者以&size(5){レ};之可&size(5){二};準知&size(5){一};也、木厚四分許、長尺七八寸、或至&size(5){二};二尺&size(5){一};、底板長&size(5){二};於三方&size(5){一};、可&size(5){二};四五寸&size(5){一};、名謂&size(5){二};之舌&size(5){一};、爲&size(5){二};此舌&size(5){一};者、蜂有&size(5){二};便出入&size(5){一};、且爲&size(5){二};遊息&size(5){一};、幅尺二三寸、爲&size(5){二};蓋於前&size(5){一};、如&size(5){二};今書櫃之蓋&size(5){一};、爲&size(5){二};溝於上&size(5){一};、或不&size(5){レ};爲&size(5){レ};之、唯釘而可也、不&size(5){レ};爲&size(5){二};溝於下&size(5){一};、有&size(5){レ};之反不便也、因&size(5){レ};之於&size(5){二};蓋之下&size(5){一};、兩端之内外、釘&size(5){二};于其底板&size(5){一};、其釘&size(5){レ};之者、爲&size(5){レ};使&size(5){二};其蓋不&size(5){一レ};倒&size(5){二};于内外&size(5){一};也、且爲&size(5){二};烈風之備&size(5){一};也、又爲&size(5){二};空道&size(5){一};也、蓋之下端、當&size(5){レ};舌之所、尺二
三寸間、於&size(5){二};一寸間&size(5){一};、爲&size(5){二};二空&size(5){一};、廣二分有&size(5){レ};奇、逐&size(5){レ};寸及&size(5){レ};尺、不&size(5){レ};可&size(5){二};廣大&size(5){一};、僅可&size(5){レ};容&size(5){レ};蜂、若製失&size(5){レ};宜、階之爲&size(5){レ};禍、大者有&size(5){二};數害&size(5){一};、一曰紅娘子、夜而入&size(5){レ};之、雖&size(5){レ};不&size(5){レ};害&size(5){レ};蜂、多嘬&size(5){二};其蜜&size(5){一};、二曰蠨蛸、亦夜而來、直食&size(5){二};其蜂&size(5){一};、三曰山蜂、或稱&size(5){二};獅子蜂&size(5){一};、取&size(5){二};名於猛威&size(5){一};也、彼終日翺翔、蜂懼殊甚矣、於&size(5){二};器之空際&size(5){一};、出入遊息者、有&size(5){レ};一&size(5){二};見之&size(5){一};、恐懼戰慄、狼狽藏隱、未&size(5){レ};得&size(5){レ};竄者、獅子奔突、取&size(5){レ};之齧&size(5){レ};之、或攫搏去、又少焉翔回、直下驅&size(5){レ};之、而或不&size(5){レ};得、遂入&size(5){二};空内&size(5){一};、群蜂振&size(5){レ};翼、聲聞&size(5){二};于外&size(5){一};、此時、開&size(5){レ};蓋見&size(5){レ};之、一獅子與&size(5){二};群蜂&size(5){一};、頡頏獮掎、鎭壓重積、忽韜&size(5){二};獅子之形&size(5){一};、群蜂爲&size(5){二};一團丸&size(5){一};、右旋左轉、如&size(5){二};盤https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01532.gif 璧&size(5){一};、終墮&size(5){二};于外&size(5){一};、旣而彼斃、此亦解&size(5){レ};圍、有&size(5){下};直歸&size(5){二};巢中&size(5){一};者&size(5){上};、有&size(5){下};傍養&size(5){二};傷痍&size(5){一};者&size(5){上};、有&size(5){下};負&size(5){二};毀敗&size(5){一};入&size(5){レ};内者&size(5){上};、有&size(5){下};引&size(5){二};死尸&size(5){一};出&size(5){レ};外者&size(5){上};、其形態之狀不&size(5){レ};可&size(5){二};卑言&size(5){一};矣、此之役也、諸毀傷者、不&size(5){レ};爲&size(5){レ};不&size(5){レ};多、而死斃者、及&size(5){二};數十頭&size(5){一};、是其所&size(5){レ};得僅一、而所&size(5){レ};失實多矣、是此之禍、一緣&size(5){レ};空也、故曰不&size(5){レ};可&size(5){二};廣大&size(5){一};、僅可&size(5){レ};容&size(5){レ};蜂、又蝱蟲好食&size(5){レ};蜂、然在&size(5){二};于器外&size(5){一};、不&size(5){レ};入&size(5){二};于器内&size(5){一};、凡製器之所&size(5){二};專要&size(5){一};、在&size(5){二};蓋之機關&size(5){一};也、&br; 爲&size(5){レ};壇之高卑&br;壇、高三尺五六寸、縱横隨&size(5){二};器之長短&size(5){一};、位置據&size(5){二};土之高卑&size(5){一};、宜&size(5){二};以&size(5){レ};權執&size(5){一レ};中、不&size(5){レ};可&size(5){二};一概拘&size(5){一};、夫秋水氾溢、卑濕之地、宜&size(5){二};高作&size(5){一レ};之、其高者、可則可矣、過猶&size(5){レ};不&size(5){レ};及、蓄養掃除、或有&size(5){二};不便&size(5){一};、其卑者、若&size(5){レ};不&size(5){レ};充&size(5){レ};尺、蟾蜍有&size(5){レ};登&size(5){レ};之、夜中屢吸&size(5){レ};蜂、此害不&size(5){レ};少矣、又或作&size(5){レ};棚、欲&size(5){レ};比&size(5){二};置器&size(5){一};、長短高下、當&size(5){レ};隨&size(5){二};其宜&size(5){一};、若其新分者、莫&size(5){三};俄比&size(5){二};舊器&size(5){一};、一有&size(5){二};誤入&size(5){一レ};之、彼此相戰鬪、互多致&size(5){二};毀敗&size(5){一};、若有&size(5){レ};不&size(5){レ};得&size(5){レ};已、而欲&size(5){二};比置&size(5){一レ};之、爲&size(5){二};以&size(5){レ};漸近&size(5){一レ};之、莫&size(5){二};以&size(5){レ};俄近&size(5){一レ};之、漸者何也、謂&size(5){二};其馴居之有&size(5){一レ};日也、俄者何也、詣&size(5){二};其馴居之無&size(5){一レ};日也、凡欲&size(5){レ};移&size(5){二};易居處&size(5){一};、宜&size(5){下};於&size(5){二};夜中&size(5){一};盍簪&size(5){上};、以&size(5){レ};紙塞&size(5){二};其空道&size(5){一};、而後爲&size(5){レ};移&size(5){二};易之&size(5){一};、明日雖&size(5){レ};翔&size(5){二};噪於舊處&size(5){一};、無&size(5){レ};有&size(5){下};不&size(5){二};復歸&size(5){一};王&size(5){上};者也、&br; 蜂器之位置&br;蜂器之位置、宜&size(5){二};東南面&size(5){一};、好&size(5){二};陽和温煖&size(5){一};也、不&size(5){レ};宜&size(5){二};西北面&size(5){一};、嫌&size(5){二};陰冷沍寒&size(5){一};也、宜&size(5){二};擇置&size(5){一レ};之、若夫居處、有&size(5){二};廣狹通塞、適不適之異&size(5){一};、何以謂&size(5){レ};之、適則其出者、如&size(5){二};射&size(5){レ};矢之直疾&size(5){一};、其入者如&size(5){二};懸星之斜落&size(5){一};、是因&size(5){レ};廣通也、不適則其頡者、如&size(5){二};鳶之升&size(5){一レ};天、其頏者如&size(5){二};燕之反行&size(5){一};、是因&size(5){二};狹塞&size(5){一};也、若有&size(5){二};諸不適&size(5){一};、恐不&size(5){二};安處&size(5){一};、又蜂嫌&size(5){二};爨烟&size(5){一};、勿&size(5){二};薫近&size(5){一レ};巢、宜&size(5){二};常避&size(5){一レ};之、恐
出亡矣、又陜隘之處、欲&size(5){二};比置&size(5){一レ};器者、宜設&size(5){レ};色蓋&size(5){レ};面、而以爲&size(5){二};分別&size(5){一};、則彼易&size(5){レ};見而無&size(5){二};相誤&size(5){一};、先人嘗於&size(5){二};蓋面&size(5){一};、畫&size(5){二};方圓&size(5){一};、使&size(5){二};彼熟視&size(5){一};、而後比&size(5){二};置之&size(5){一};、無&size(5){レ};有&size(5){二};相誤者&size(5){一};、是嘗所&size(5){レ};試、擧以言&size(5){レ};之、凡茨器以&size(5){レ};茅、或瓦藁竹木、亦當&size(5){レ};隨&size(5){二};其宜&size(5){一};、冬則茅藁、覆而温&size(5){レ};之、或以垣&size(5){レ};之、使&size(5){レ};避&size(5){二};風寒&size(5){一};、春煖則除&size(5){レ};之、秋冷則爲&size(5){レ};之、&br; 彼此爲&size(5){二};戰鬪&size(5){一};&br;若夫王子、羽翼旣成、分定而一出者、義在&size(5){レ};不&size(5){二};再入&size(5){一};乎、其新分者、有&size(5){三};誤入&size(5){二};舊器&size(5){一};、則相聚攻&size(5){レ};之、不&size(5){レ};死不&size(5){レ};措也、此復&size(5){二};私讐&size(5){一};者乎、將耻&size(5){二};衡行&size(5){一};者乎、蓋是執&size(5){レ};事之臣、而行&size(5){二};王命&size(5){一};者也、不&size(5){レ};然有&size(5){レ};所&size(5){レ};得&size(5){レ};罪乎、可&size(5){レ};見法嚴性烈也、其新分者、君義臣行、救&size(5){二};其急難&size(5){一};、勇敢猛憤、矯々振&size(5){レ};翼、疊々鳴&size(5){レ};羽、彌出彌多、彼此戰鬪、移&size(5){レ};時猶未&size(5){レ};止、而其敗死者、不&size(5){レ};可&size(5){二};擧數&size(5){一};也、此之戰也、新分之敗死、三而減&size(5){レ};一者、猶且生育也、而減&size(5){レ};ニ者、豈能生育乎、余嘗見&size(5){二};此鬪&size(5){一};、謂&size(5){二};先人&size(5){一};曰、今以&size(5){二};孟烏張蘇之辨力&size(5){一};、豈能解&size(5){レ};之罷&size(5){レ};之乎、〈○中略〉大人曰、吾能罷&size(5){レ};之、語不&size(5){レ};云也、〈○中略〉卽令&size(5){下};塞&size(5){二};兩器之空道&size(5){一};、斷&size(5){中};來者之通路&size(5){上};、少焉移&size(5){二};新分之器&size(5){一};、而後察&size(5){二};兩憤之止&size(5){一};、乃各發&size(5){二};前之塞&size(5){一};、時見&size(5){二};諸悦出&size(5){一};、似&size(5){下};無&size(5){二};憤怨&size(5){一};者&size(5){上};、於&size(5){レ};是乎、得&size(5){レ};全&size(5){二};其餘&size(5){一};、小子怡悦、&br; 蜂王爲&size(5){二};分敷&size(5){一};&br;夫蜂之分者、昉&size(5){レ};自&size(5){二};暮春&size(5){一};、迄&size(5){二};于仲夏&size(5){一};、其分之前、諸出&size(5){レ};巢翔噪、爲&size(5){二};將分之狀&size(5){一};、而亦有&size(5){二};屢止&size(5){一};、或有&size(5){二};直分&size(5){一};、於&size(5){二};陰雨&size(5){一};而不&size(5){レ};分、至&size(5){二};快晴&size(5){一};而分敷、又毎日、至&size(5){二};于未刻&size(5){一};、則諸出&size(5){レ};巢翔噪、俗謂&size(5){二};之八時噪&size(5){一};、少出而不&size(5){レ};多、翔噪而不&size(5){レ};亂、卑飛而不&size(5){レ};高、近回而不&size(5){レ};遠、所&size(5){レ};謂應&size(5){二};潮上下&size(5){一};、是也、偶當分之時、亂噪有&size(5){レ};似&size(5){レ};分、然勢異&size(5){二};于分&size(5){一};、夫王之分也、諸高飛者、一、丈五六尺、或二丈許、四方四隅、在&size(5){二};六七間&size(5){一};、東飛西還、南翔北去、往復甚疾、不&size(5){レ};見&size(5){二};其形&size(5){一};、如&size(5){二};飛針&size(5){一};、如&size(5){二};引絲&size(5){一};、薨々有&size(5){レ};聲、營々不&size(5){レ};絶、可&size(5){二};小半時&size(5){一};而分漸定、或有&size(5){レ};如&size(5){レ};斯、而希不&size(5){レ};分、亦不&size(5){レ};遠而分、或明日而分、或隔&size(5){レ};日而分、凡其飛&size(5){レ};高者、其往亦遠、其飛&size(5){レ};卑者、其止亦卑、卑者敷近、高者去遠、又或有&size(5){二};遠去&size(5){一};、而終不&size(5){レ};知&size(5){レ};處、是故欲&size(5){レ};使&size(5){二};其高者卑、其遠者近&size(5){一};、卽以&size(5){二};水及砂&size(5){一};、高投&size(5){二};其郷所&size(5){一};、高者自卑、遠者自近、夫將&size(5){レ};分之時、視&size(5){二};諸亂噪&size(5){一};、初似&size(5){レ};不&size(5){レ};知&size(5){二};其止所&size(5){一};、後多郷&size(5){二};子行在所&size(5){一};、王之所&size(5){レ};止、諸亦從止、是以視者、占&size(5){二};其止所&size(5){一};、其所&size(5){二};好敷&size(5){一};、大樹凸凹、甍標檐端、多於&size(5){二};屈曲&size(5){一};、或敷如
、&size(5){レ};扇、或圖如&size(5){レ};罌、夫欲&size(5){レ};納&size(5){二};之器&size(5){一};者、先見&size(5){二};其敷所&size(5){一};、而以&size(5){レ};索縛&size(5){レ};器、後以爲&size(5){二};懸之備&size(5){一};、乃察&size(5){二};王之所&size(5){一レ};在、視&size(5){二};其盡盍簪&size(5){一};、而後可&size(5){レ};納&size(5){レ};之、其納之術、袒裼臨&size(5){レ};之、於&size(5){二};其敷所&size(5){一};、動&size(5){二};左右指頭&size(5){一};、徐々入&size(5){二};蜂中&size(5){一};、臨&size(5){二};半離之機&size(5){一};、一旦投納&size(5){レ};之、彼雖&size(5){二};大亂噪&size(5){一};、我莫&size(5){二};以懼&size(5){一レ};之、多無&size(5){レ};毒而已、或以&size(5){レ};箒拂納&size(5){レ};之、是亦可&size(5){二};以爲&size(5){一};也、然如手爲&size(5){レ};之乎、王得&size(5){レ};入&size(5){レ};器、則雖&size(5){下};散&size(5){二};亂外&size(5){一};者多&size(5){上};、而群&size(5){二};聚内&size(5){一};者少矣、皆入以從&size(5){レ};王也、王不&size(5){レ};得&size(5){レ};入、則雖&size(5){下};散&size(5){二};亂外者&size(5){一};少&size(5){上};、而群&size(5){二};聚内&size(5){一};者多矣、皆出以歸&size(5){レ};王也、是故納&size(5){レ};之者、要&size(5){二};王之所在&size(5){一};、旣得&size(5){二};納&size(5){レ};之器&size(5){一};、暫懸&size(5){二};之其處&size(5){一};、以遲&size(5){二};其盍簪&size(5){上};、從而以蓋&size(5){レ};之、後移&size(5){二};之置處&size(5){一};、卽可&size(5){二};以養&size(5){一レ};之、凡養育以&size(5){二};蜜酒飴&size(5){一};、飴合&size(5){二};酒水&size(5){一};、上&size(5){レ};火解&size(5){レ};之、使&size(5){二};之淡薄&size(5){一};、濃者粘&size(5){レ};足、蜂殊嫌&size(5){レ};之、又寒冷淫雨、宜&size(5){二};以養&size(5){一レ};之、&br; 黑蜂無&size(5){二};毒尾&size(5){一};&br;黑蜂之生、在&size(5){二};三四月&size(5){一};、黑蜂多生、則王亦、生、而後有&size(5){レ};分、黑蜂其形、大&size(5){二};於諸&size(5){一};、小&size(5){二};於王&size(5){一};、不&size(5){レ};類&size(5){二};于諸&size(5){一};、不&size(5){レ};似&size(5){二};于王&size(5){一};、其色黑矣、故名曰&size(5){二};黑蜂&size(5){一};、無&size(5){レ};毒且不&size(5){レ};才、蜂中之饕餐者、唯素餐已矣、是故諸憎&size(5){レ};之、追&size(5){二};出巢&size(5){一};、聚害&size(5){レ};之、得&size(5){二};其生&size(5){一};也、纔一二旬後、出皆死、王元之曰、王之無&size(5){レ};毒、似&size(5){二};君德&size(5){一};也、彼之無&size(5){レ};毒、亦似&size(5){レ};王乎、是不&size(5){二};啻無&size(5){一レ};益、反費&size(5){二};食衆https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01610.gif &size(5){一};、宜哉其害也、古人不&size(5){レ};言、非&size(5){レ};不&size(5){レ};知焉、蓋以爲&size(5){二};無用&size(5){一};乎、夫無用者、不&size(5){レ};足&size(5){レ};言也、余亦何贅乎、&br; 蜂器有&size(5){二};生蟲&size(5){一};&br;器内有&size(5){二};生蟲&size(5){一};、而蜂散亡、或曰蟲生自&size(5){レ};屎、或曰爲&size(5){レ};巢以&size(5){レ};蠟、屑&size(5){二};落生蟲&size(5){一};、二物不&size(5){レ};能&size(5){レ};無&size(5){レ};之、蓋鬱蒸而生也、若此二物、積而歷&size(5){レ};旬、則生&size(5){二};白色細蟲&size(5){一};、故器内六七日、而可&size(5){三};以掃&size(5){二};除之&size(5){一};、此蟲易&size(5){レ};長、若歷&size(5){二};三旬&size(5){一};、則小者重&size(5){レ};分、大者過&size(5){レ};寸、稍隨&size(5){二};其長&size(5){一};、穿&size(5){二};穴于巢&size(5){一};、引&size(5){二};縷于房&size(5){一};、纒&size(5){レ};絲如&size(5){レ};蜘、縱横如&size(5){レ};織、蜂殊嫌&size(5){レ};之、蟲之所&size(5){レ};在、忌而避&size(5){レ};之、從復侵&size(5){レ};之、終知&size(5){レ};不&size(5){レ};免、則捨&size(5){レ};巢去、凡出亡者、必有&size(5){レ};以也、爲&size(5){二};蓄養&size(5){一};者、宜&size(5){二};以察&size(5){一レ};之、世上不&size(5){レ};求&size(5){レ};實、而妄説&size(5){二};吉凶&size(5){一};、遂使&size(5){二};人傳&size(5){一レ};虗、是無&size(5){レ};他矣、蓄而鹵&size(5){二};莽之&size(5){一};、則彼亦鹵莽而報&size(5){レ};予也、幸有&size(5){レ};止&size(5){二};其行&size(5){一};、可&size(5){三};以納&size(5){二};之新器&size(5){一};、莫&size(5){三};復置&size(5){二};之舊所&size(5){一};、欲&size(5){二};其安處&size(5){一};、無&size(5){レ};若&size(5){二};仁愛&size(5){一};、勿&size(5){二};多爲&size(5){一レ};利、恐不&size(5){二};繁蓄&size(5){一};、〈○中略〉&br; 取&size(5){二};巢中之蜜&size(5){一};&br;夫取&size(5){レ};蜜之時、在&size(5){二};九十月&size(5){一};、其取&size(5){レ};之者、取&size(5){二};之于一方&size(5){一};、將&size(5){レ};取之方、以&size(5){二};小鐵槌&size(5){一};、徐扣&size(5){二};器外&size(5){一};、五六十許、要勿&size(5){レ};使&size(5){二};之驚&size(5){一};、扣&size(5){二};
其左&size(5){一};則蜂移&size(5){レ};右、扣&size(5){二};其右&size(5){一};則蜂移&size(5){レ};左、而見&size(5){二};其移&size(5){一};、若猶&size(5){レ};未也、復當&size(5){レ};扣&size(5){レ};之、及&size(5){二};應&size(5){レ};手得&size(5){一レ};意、持&size(5){レ};刀可&size(5){レ};切&size(5){レ};巢、不&size(5){レ};可&size(5){レ};使&size(5){二};之傷&size(5){一};、不&size(5){レ};可&size(5){レ};使&size(5){二};之怒&size(5){一};、我莫&size(5){レ};逆&size(5){レ};之、彼無&size(5){二};敢毒&size(5){一};、夫取&size(5){レ};蜜之數、可&size(5){二};三分之一&size(5){一};、或曰可&size(5){レ};取&size(5){レ};半、當&size(5){レ};隨&size(5){二};巢之大小&size(5){一};、因&size(5){二};蜜之有無&size(5){一};、或曰、毎年不&size(5){レ};取&size(5){レ};蜜、則蜂惰而不&size(5){レ};勤、不&size(5){レ};知此言、實然也否、蓋其乾々、彼之性也、如&size(5){二};勤與&size(5){一レ};惰、豈因&size(5){二};蜜之有無&size(5){一};乎、若不&size(5){レ};拘&size(5){二};此言&size(5){一};、無&size(5){レ};害&size(5){二};天物&size(5){一};乎、今以&size(5){レ};此切&size(5){レ};巢、置&size(5){二};之別器内&size(5){一};、傾則蜜流垂、俗謂&size(5){二};之垂蜜&size(5){一};、是爲&size(5){二};之最上&size(5){一};、味純厚而色淸黃也、又殘孔内、未&size(5){二};悉出&size(5){一};者、盛&size(5){レ};袋絞&size(5){レ};之、悉以取&size(5){レ};之、比&size(5){レ};之垂者、味淡薄而色濁赤也、其淡薄者、以&size(5){二};孔内之子&size(5){一};、共絞相混也、色濁赤者、以&size(5){二};巢房之穢、共漏相雜&size(5){一};也、故品不&size(5){レ};及&size(5){レ};垂者、然是皆蜜也、非&size(5){二};如&size(5){レ};雜&size(5){レ};他者&size(5){一};、是以貯&size(5){レ};之歷&size(5){レ};年、&br; 附言&br; 製&size(5){二};蜜蠟&size(5){一};之法&br; 鍋内入&size(5){レ};巢、以&size(5){レ};水煮&size(5){レ};之、得&size(5){二};其沸和&size(5){一};、移&size(5){二};之別器&size(5){一};、待&size(5){レ};冷取&size(5){レ};之、蠟浮&size(5){二};于上&size(5){一};、水沈&size(5){二};于下&size(5){一};、任&size(5){レ};器班形、而蠟與&size(5){レ};水相接 之際、穢物悉聚、在&size(5){二};蠟之下&size(5){一};、宜&size(5){レ};删&size(5){二};去之&size(5){一};、猶未&size(5){二};淸潔&size(5){一};、再以煮&size(5){レ};之、煮法如&size(5){レ};前、猶未&size(5){レ};可者、及&size(5){二};三四五&size(5){一};而後得焉、&br; 辯&size(5){二};蜜之僻説&size(5){一};王充論衡云、蜜爲&size(5){二};蜂液&size(5){一};、此言實然矣哉、我郷之童子、有&size(5){二};好食&size(5){レ};蜂者&size(5){一};、余亦嘗味&size(5){レ};之、是皆蜜也、嘆曰、宜哉董之嗜也、卽知&size(5){レ};蜜者、爲&size(5){二};蜂之液&size(5){一};也、夫蜂之成&size(5){レ};蜜、從&size(5){レ};上吐&size(5){レ};之乎、從&size(5){レ};下出&size(5){レ};之乎、不&size(5){レ};可&size(5){レ};無&size(5){二};分別&size(5){一};、玆視&size(5){レ};作&size(5){二};其巢&size(5){一};、帥以&size(5){レ};口爲&size(5){レ};之、由&size(5){レ};是謂&size(5){レ};之、蠟從&size(5){レ};上吐&size(5){レ};之、蜜從&size(5){レ};下出&size(5){レ};之、彰々乎明也、人謂&size(5){レ};蜜爲&size(5){二};蜂溲&size(5){一};、是不&size(5){二};亦宜&size(5){一};乎、或云、蜂著&size(5){二};花液&size(5){一};、入置&size(5){二};巢中&size(5){一};、諸釀&size(5){レ};之、則化成&size(5){レ};蜜、此言雖&size(5){レ};近&size(5){レ};理、然蜜者蜜也、其蜜而成&size(5){レ};之、是未&size(5){レ};可&size(5){レ};知者也、何以謂 之、有&size(5){レ};見&size(5){下};彼著&size(5){二};花液&size(5){一};置&size(5){中};巢中&size(5){上};、未見&size(5){二};其化而爲&size(5){レ};蜜者&size(5){一};也、果釀成&size(5){レ};蜜乎、將以爲&size(5){レ};食乎、是未&size(5){レ};可&size(5){レ};知者也、陶弘景曰、蜂須&size(5){二};人小便&size(5){一};以釀&size(5){二};諸花&size(5){一};、乃得&size(5){二};和熟&size(5){一};、狀似&size(5){二};飴須&size(5){一レ};蘖、李時珍曰、蜂采&size(5){二};無毒之花&size(5){一};、釀以&size(5){二};大便&size(5){一};而成&size(5){レ};蜜、所&size(5){レ};謂臭腐出&size(5){二};神奇&size(5){一};也、此二説、一以爲&size(5){二};人屎&size(5){一};、一以爲&size(5){二};人溲&size(5){一};、何齟齬如&size(5){レ};斯也、蓋二子聞&size(5){二};蜂之便&size(5){一};、互誤爲&size(5){二};人之便&size(5){一};也、然其言不&size(5){レ};類、其乖戻矣、余嘗見&size(5){下};蜂在&size(5){二};諸花&size(5){一};者&size(5){上};、未&size(5){二};嘗見&size(5){一レ};在&size(5){二};不潔者&size(5){一};也、又嘗見&size(5){下};蜂後趾著&size(5){二};花液&size(5){一};者&size(5){上};、未&size(5){下};嘗見&size(5){中};須&size(5){二};人之溺&size(5){一};者&size(5){上};也、是可&size(5){三};以見&size(5){二};牽强爲&size(5){一レ};辭、工則工矣、然失&size(5){二};其實&size(5){一};、故曰因&size(5){レ};耳聞&size(5){レ};之、而目未&size(5){レ};見&size(5){レ};之也、
**〔日本山海名産圖會〕
***〈二〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1125:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1125.pdf]] 蜂蜜(○○)〈一名、百花精、百花蕊、〉 凡蜜を釀する所、諸國皆有、中にも紀州熊野を第一とす、藝州是に亞ぐ、其外勢州、尾州、土州、石州、筑前、伊豫、丹波、丹後、出雲などに、昔より出せり、又舶來の蜜あり、下品なり、是は砂糖又白砂糖にて製す、是を試るに、和産の物は煎ずれば、蜂おのづから聚り、舶來の物は聚ることなく、此をもつて知る、 蜜は夏月蜂䏷(ハチノス)の中に貯へて、己が冬籠りの食物とせんがためなり、一種人家に自然に䏷を結び、其中に貯はふ物を山蜜といふ、又大樹の洞中に、䏷を結び貯はふを、木蜜といふ、以上熊野にては、山蜜といひて上品とす、又巖石間中に貯はふ物を、石蜜と云、又家に養て採る蜜は、毎年䏷を採り去る故に、氣味薄く、是を家蜜といふ、䏷を炎天に乾かし、下に器を承けて解け流るゝ物を、たれ蜜といひて、上品なり、漢名生蜜、〈一法、槽に入れて火を以て焚きて取なり、但し火氣の文武毫厘の間を候こと大事あり、〉又䏷を取り潰し、蜂の子ともに硏(モリ)、水を入れ煎じて絞り採を、絞りといふ、〈漢名熟蜜〉凡蜜に定る色なし、皆方角の花の性によりて、數色に變ず、&br;畜&size(5){二};家蜂(○○○)&size(5){一}; 家に畜はんと欲すれば、先桶にても箱にても作り、其中に酒砂糖水などを沃ぎ、蓋に孔を多くあけて、大樹の洞中に結びし窠の傍に置ば、蜂おのづから、其中へ移るを持歸りて、蓋を更ためて、簷端或は牖下に懸置なり、此箱桶の大きさに規矩あり、されども諸州等しからず、先九州邊一家の法を聞くに、箱なれば九寸四方、竪二尺九寸にして、是を竪に掛るなり、〈○中略〉戸は上下二枚にして、下の戸の上に一歩八厘、横四寸計のhttps://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01611.gif 穴を開きて、蜂の出入の口とす、若一二厘も廣く開れば、山蜂抔https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01611.gif より窺て、大きに蜜蜂を擾亂す、又大王の出にも此穴よりして、凡小き物也、〈○中略〉造&size(5){レ};䏷(スヲヅクル/○○) 先箱の内の上より、半月のごとき物を造りはじめ、繼で下一はひ兩脇共に盈しむ、其厚さ凡壹寸八歩、或二寸許、兩面より六角の孔數多を開き、拓榴の膜に似て、孔深八九歩、是のごとき物を、幾重も製りて、其䏷と䏷との間、纔人の指の通る程宛のhttps://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01611.gif あり、蜂其https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01611.gif に入には下より潜(クヾル)なり、〈○中略〉其孔には子を生み、又蜜を貯へ、又子の食物の花を貯ふ、又子成育して飛で出入するに及べ
ば、其跡の孔へも亦蜜を貯はふ、凡蜜はじめは甚淡しき露なり、吐積んで日を經れば、甘芳日毎に進こと、實に人の酒を釀するに等し、旣に露孔に盈る時は、其表を閉て、一滴一氣を洩すことなし、蜂の數多ければ、氣味も厚し、蜂は小なり、大きさ五歩許、マルハチに似て、黃に黑色を帶、多群て、花を採る物は、巢を造ず、巢を造ものは、花を採らず、時々入替りて、其役をあらたむ、夫が中に蜂王(ダイワウ)といひて大きなる蜂一ツあり、其王の居所は黑蜂の巢の下に一臺をかまふ、是を臺(ウテナ)といふ、その王の子は、世々繼で王となりて、元より花を採ることなく、毎日群蜂輪値に、花を採りて王に供す、是一桶に一个(ヒトツ)のみなるに、子を産むこと、雌雄ある物に同じ、道理においては希異なり、群蜂是に從侍すること、實に玉體に向がごとし、又黑蜂十許ありて、是を細工人と呼ぶ、孔口を守りて、衆蜂の出入を撿め、若花を持たずして、孔に入らんとするものあれば、其懈怠を責て、敢て入ることを許さず、若再三に怠る者は、遂に螫殺して、軍令を行なふに異ならず、凡家にあるも野にあるも、儀におゐては同じ、 頒脾(スワカレ/○○) 大王の子成育に至れば、飛で孔を出るに、群蜂半從がふて、恰も天子の行幸のごとく、擁衞甚嚴重なり、其飛行こと、大抵五間より十間の程にして、木の枝に取附ば、其脊其腹に重り留りて、枝より垂たるごとく、一團に凝集り、大王其中に核のごとく裹まる、畜人是を逐て、袋を群蜂の下に承けて、羽箒を以て、枝の下を掃がごとくに切落せば、一團のまゝにて、其袋中へおつる、其音至て重きがごとし、○註略是を用意の箱に移し畜なふを、䏷(ス)わかれといふて、人の分家するに等し、若其一團の袋へ落るに、早く飛放る者ありて、大王の從行に洩れて、其至る所を知らず、又原の巢へ飛歸る時は、衆蜂敢て孔に入ることを不&size(5){レ};許、爭ひ起て、是を螫殺し、其不忠を正すに似たり、〈○中略〉彼王一群ごとの中に、必一ツあり、巢中に王三つある時は、群飛も三にわかる、〈○下略〉
**〔栗氏蟲譜〕
***〈上〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1126:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1126.pdf]] 江都官家ニ、蜂堂(○○)ヲ庭上ニ設テ、蜜ヲ採テ戯トシ玉フコトアリ、堂内部局ヲ構へ、其上ノ奧所、蜂王ノ座アリ、群臣次第ニ列座シテ、自然ニ官職アルガ如シ、下ニ聚花ノ會場アリ、大窠ヲ
綴ル、是密ノ在處ナリ、堂ノ下邊ニ、小竅並べ開テ、五門ニ比ス、其竅外ニ五員ノ蜂卒並坐シテ、各門ヲ守護ス、來蜂ノ貢花ヲhttps://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00023.gif ミ、群蜂早晨ニ堂ヲ出デ、午時ニ花蕊、及精液ヲ含ミ來テ、衙門ニ入ルトキ、https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00023.gif 蜂是ヲ撿察シテ入シム、若シ花ヲ含マズシフﾞ入來モノアレバ、嚴シク逐返シテ入レズ、爭拒ク者アレバ、群蜂コレヲ刺殺ス、或ハ風雨、堂ヲ侵シ、又雜人ノ毎ニ堂ヲ窺フコトアリ、或ハ糞穢ノ氣、堂ニ迫リ、或ハ堂衙破壞スルコトアリ、大黃蜂又ハ蟻蛛等ノ堂中ニ聚ルコトアリ新ニ喪ヲ受タル人、月信婦人等ノ近キ視ガ如キ、群蜂悉去テ歸ラズ、若新ニ堂衙ヲ築テ、淸潔ナル時ハ、卽チ歸リ至ルコトアリ、或ハ事ニフレテ、滿堂ノ群蜂盡死スルコトモ、マヽアルコトナリ、故ニ堂ヲ設ノ家愼戒ベシ、夫々ノ勤行ノ役アルコト、右ノ圖〈○圓略〉ヲ以テ察スベキモノナリ、
**〔秘傳花鏡〕
***〈六/養昆蟲法〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1127:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1127.pdf]] 蜜蜂&br;蜜蜂身短而脚長、尾有&size(5){二};鋒螫&size(5){一};、衆蜂内有&size(5){二};一蜂王&size(5){一};、形獨大、且不&size(5){レ};螫&size(5){レ};人、毎日群蜂兩朝、名曰&size(5){二};蜂衙&size(5){一};、頗有&size(5){二};君臣之義&size(5){一};、無&size(5){レ};王則衆蜂皆死、若有&size(5){二};二王&size(5){一};、其一必分、分出時、老蜂王反遜&size(5){レ};位而出、衆蜂均挈&size(5){二};其半&size(5){一};、略無&size(5){二};多寡&size(5){一};、從&size(5){レ};王出者、不&size(5){三};復回&size(5){二};舊房&size(5){一};、出則群蜂擁&size(5){二};護其王&size(5){一};、不&size(5){レ};令&size(5){二};人見&size(5){一};、當&size(5){一};採&size(5){レ};花時&size(5){一};、一半守&size(5){レ};房、一半挨&size(5){レ};次出採、如掠&size(5){レ};花少者受&size(5){二};嚴罰&size(5){一};、但採&size(5){二};各花鬚&size(5){一};、倶用&size(5){二};雙足&size(5){一};、挾&size(5){二};二花珠&size(5){一};、惟採&size(5){二};蘭花&size(5){一};、則必背負&size(5){二};一珠&size(5){一};、以&size(5){レ};此頂&size(5){二};獻其王&size(5){一};、又有&size(5){二};蜂將&size(5){一};、不&size(5){二};善往&size(5){レ};外採&size(5){一レ};花、但能釀&size(5){レ};蜜、至&size(5){二};七八月間&size(5){一};、蜂將盡死、若不&size(5){レ};死、則蜜皆被&size(5){二};蜂將食去&size(5){一};、衆蜂必饑、故俗諺云、將蜂活過&size(5){レ};冬、蜂族必皆空、亦一異也、〈○下略〉
**〔延喜式〕
***〈十五/内藏〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1127:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1127.pdf]] 蜜蘇(○○)〈諸國所&size(5){レ};進〉&br;蜜〈甲萎國一升、相模國一升、信濃國二升、能登國一升五合、越中國一升五合、備中國一升、備後國二升、〉
**〔延喜式〕
***〈三十七/典藥〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1127:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1127.pdf]] 諸國進年料雜藥&br;攝津國蜂房(○○)七兩、伊勢國蜂房一斤十二兩、
**〔類聚雜要抄〕
***〈四〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1127:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1127.pdf]] 煎蜜法(○○○)〈以&size(5){レ};蜜入&size(5){レ};器、埋火居&size(5){レ};之、常撿&size(5){レ};器、頭適寒温微々、煎銅石鍋同用、蓋ニハ綿ヲハル、塵入レマジ、堅ク覆&size(5){レ};之、〉
**〔日本書紀〕
***〈二十四/皇極〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1128:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1128.pdf]] 二年十一月、是歲百濟太子餘豐、以蜜蜂(○○/ミチバチ)房(ス)四枚&size(5){一};、放&size(5){二};養於三輪山&size(5){一};、而終不&size(5){二};蕃息&size(5){一};、
**〔續日本紀〕
***〈十三/聖武〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1128:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1128.pdf]] 天平十一年十二月戊辰、渤海使已珍蒙等拜&size(5){レ};朝、上&size(5){二};其王啓幷方物&size(5){一};、〈○中略〉蜜三https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01612.gif (○○○)進上、
**〔續日本紀〕
***〈二十二/淳仁〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1128:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1128.pdf]] 天平寶字四年閏四月丁亥、仁正皇太后遣&size(5){二};使於五大寺&size(5){一};、毎&size(5){レ};寺施&size(5){二};雜藥二櫃、蜜缶一口(○○○○)&size(5){一};、以&size(5){二};皇太后寢膳乖&size(5){一レ};和也、
**〔三代實錄〕
***〈二十一/淸和〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1128:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1128.pdf]] 貞觀十四年五月十八日丁亥、勅遣&size(5){二};左近衞中將從四位下兼行備中權守源朝臣舒&size(5){一};、向&size(5){二};鴻臚舘&size(5){一};、撿&size(5){二};領楊成規等所&size(5){レ};賚渤海國王啓及信物(クユツモノ)&size(5){一};、〈○中略〉蜜五斛(○○○)、
**〔山槐記〕
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1128:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1128.pdf]] 治承二年十一月十二日辛未、定成朝臣獻&size(5){二};御乳付雜具&size(5){一};、〈○中略〉蜜、兼日自&size(5){二};藏人所&size(5){一};遣&size(5){二};召蜜御園&size(5){一};、所&size(5){レ};進非&size(5){二};眞蜜(○○)&size(5){一};、仍定成朝臣賜&size(5){二};藏人所&size(5){一レ};儲、差&size(5){二};副寮官一人於仕人&size(5){一};、遣&size(5){二};御園所&size(5){一};、取&size(5){二};進眞蜜&size(5){一};也、
*&aname(E89FB2E4B8ADE5A4A7E9BB83E89C822FE883){大黃蜂/胡蜂};
**〔和漢三才圖會〕
***〈五十二/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1128:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1128.pdf]] 大黃蜂(やまはち) 也末波知(○○○○)&br;本綱大黃蜂、其狀比&size(5){二};蜜蜂&size(5){一};更大、其色黃、在&size(5){二};人家屋上、及太木間&size(5){一};作&size(5){レ};房、大者如&size(5){二};巨鐘&size(5){一};、其房數百層、土人采時、著&size(5){二};草衣&size(5){一};蔽&size(5){レ};身以捍&size(5){二};其毒螫&size(5){一};、復以&size(5){二};烟火&size(5){一};熏去&size(5){二};蜂母&size(5){一};、乃敢攀&size(5){二};緣崖木&size(5){一};斷&size(5){二};其蒂&size(5){一};、一房蜂兒五六斗至&size(5){二};一石&size(5){一};、捕&size(5){下};狀如&size(5){二};蠶蛹&size(5){一};瑩白者&size(5){上};、然房中蜂兒三芬之一翅足已成、則不&size(5){レ};堪&size(5){レ};用、&br;胡蜂(○○) 壼蜂https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01613.gif 數蜂玄瓠蜂、 大黃蜂之黑色者也、凡物黑者謂&size(5){レ};胡故也、乃是大黃蜂一類二種也、&br; 按黑蜂、遍身正黑、唯背一處、自&size(5){レ};頸至&size(5){レ};腰正黃、身肥圓、四翅六脚、其脚末曲如&size(5){二};鐵把&size(5){一};、而尻出&size(5){レ};刺、能螫&size(5){レ};人、
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十七/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1128:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1128.pdf]] 大黃蜂(○○○) マルバチ(○○○○) ヤマバチ(○○○○) オホバチ(○○○○) カメバチ(○○○○)南部 ハンメ ウバチ(○○○○○○)〈能州〉 イモバチ(○○○○)〈和州〉 ホウヲウ(○○○○)〈筑前○中略〉コノ蜂形狀黃蝱(ハナアブ)ノ如クニシテ大ナリ、首黑ク短鬚アリ、背尻黃赤色ニシテ腰黑シ、春夏諸花ニ多ク集リ黃䖟ト混ジ易シ、一種形最大ニシテ、色黑ク腰ノ色黃赤ナル者ハ、胡蜂(○○)ナリ、俗名クマバチ(○○○○)、 スズメバチ(○○○○○) オホカミバチ(○○○○○○)〈仙臺〉アンドンバチ(○○○○○○)〈越前○下略〉
*&aname(E89FB2E4B8ADE8B5A4E7BF85E89C82){赤翅蜂};
**〔和漢三才圖會〕
***〈五十二/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1128:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1128.pdf]] 赤翅蜂(あかはち)
本綱、赤翅蜂、狀如&size(5){二};土蜂&size(5){一};、翅赤頭黑、大如&size(5){二};螃蟹&size(5){一};、穿&size(5){レ};土爲&size(5){レ};窠食&size(5){二};蜘蛛&size(5){一};、蜘蛛遙知&size(5){二};蜂來&size(5){一};、皆狼狽藏隱、蜂以預知&size(5){二};其處&size(5){一};、食之無&size(5){レ};遺、
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十七/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1129:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1129.pdf]] 赤翅蜂 アカキハネノハチ(○○○○○○○○)アカバチニ似テ、翅黃赤色、端微黑色ヲ帶テ、身深黑色、背首足倶ニ黃赤色ナル蜂、間庭中ニ飛來ルコトアリ、赤翅蜂ノ類ナリ、眞物ハ詳ナラズ、又簷下ニ窠ヲ爲スアカバチハ、此ト異ナリ、ソノ翅黃赤色、身ハ細腰ニシテ、黑ト黃赤ト斑ヲナス、南部ニテ、スガリ(○○○)ト呼ブ、漢名木蜂、〈秘傳花鏡〉穉蜂、〈典籍便覽〉細腰https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01606.gif 、〈埤雅〉
*&aname(E89FB2E4B8ADE78DA8E8849AE89C82){獨脚蜂};
**〔和漢三才圖會〕
***〈五十二/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1129:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1129.pdf]] 赤翅蜂〈○中略〉&br;獨脚蜂 在&size(5){二};嶺南&size(5){一};似&size(5){二};小蜂&size(5){一};黑色、一足連&size(5){二};樹根&size(5){一};、不&size(5){レ};得&size(5){レ};去、不&size(5){レ};能&size(5){二};動搖&size(5){一};、
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十七/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1129:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1129.pdf]] 獨脚蜂 詳ナラズ 一名樹蜂〈通雅〉&br;俗ニ馬尾蜂(○○○)ト呼ブ者、木中ニ生ズ、木ヲワリテコレヲ得、出テ飛コト能ハズ、又自ラ出ルモアレドモ、唯蠕動スルコト數日ニシテ死ス、其形アカバチニ似テ小ク、翅ニ少ク黑キ處アリ、尾ニ一ツノ毛アリ、椶櫚ノ毛ノ如ク、長サ四五寸、色黑シ、死スル時ハ分レテ三毛トナル、是獨脚蜂ニ近シテ、別ナル者アリ、
*&aname(E89FB2E4B8ADE7ABB9E89C82){竹蜂};
**〔和漢三才圖會〕
***〈五十二/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1129:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1129.pdf]] 竹蜂(たけはち) 留師&br;本綱、竹蜂、于&size(5){二};野竹上&size(5){一};結&size(5){レ};窠、紺色、大如&size(5){二};雞子&size(5){一};、長寸許、有&size(5){レ};蔕、窠有&size(5){レ};蜜、甘倍&size(5){二};常蜜&size(5){一};、&br;一種黑蜂(○○)、大如&size(5){二};指頭&size(5){一};、能穴&size(5){二};竹木&size(5){一};而居、腹中有&size(5){レ};蜜、小兒撲殺取食、亦此類也、
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十七/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1129:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1129.pdf]] 竹蜂 詳ナラズ&br;竹ヲ嚼テ穴ヲ穿チ、其中ニ窠ヲ作ルハチヲ云、故ニ、新校正ニ、アナバチ(○○○○)ト訓ズレドモ詳ナラズ、時珍ノ説ニ、一種黑蜂、大如&size(5){二};指頭&size(5){一};、能穴&size(5){二};竹木&size(5){一};而居ト云ハ、寺ノ堂梁柱、或ハ門柱等ニ孔ヲ穿チ入テ巢ヲ
爲ス蜂アリ、形大黃蜂ノ如シ、
*&aname(E89FB2E4B8ADE78DA8E89C822FE89B92E89C){獨蜂/蛒蜂};
**〔和漢三才圖會〕
***〈五十二/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1130:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1130.pdf]] 赤翅蜂〈○中略〉&br;獨蜂 作&size(5){二};窠於木&size(5){一};、其窠大如&size(5){二};鵞卵&size(5){一};、皮厚蒼黃色、只有&size(5){二};一箇蜂&size(5){一};、人馬被&size(5){レ};螫立亡也、蛒蜂 在&size(5){二};褰鼻蛇穴内&size(5){一};、其毒倍&size(5){レ};常、中&size(5){二};人手腦&size(5){一};卽圮裂、非&size(5){二};方藥可&size(5){一レ};療、惟禁術可&size(5){レ};制、
*&aname(E89FB2E4B8ADE8A0AEE89E89){蠮螉};
**〔新撰字鏡〕
***〈虫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1130:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1130.pdf]] 蛘〈餘章反、平、https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01614.gif 蛘、波知、又佐曾利(○○○)、〉 螫〈舒亦反、佐須又佐曾利、〉 虰蛏〈佐曾利〉
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1130:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1130.pdf]] 蠮螉 爾雅注云、蠮螉〈悦翁二音、和名佐曾里、〉似&size(5){レ};蜂而細腰者也、兼名苑云、一名蜾蠃、〈果裸二音〉
**〔箋注倭名類聚抄〕
***〈八/蟲名〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1130:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1130.pdf]] 新撰字鏡、蛘、螫、蟻、虰、蛏、皆訓&size(5){二};佐曾利&size(5){一};、古謂&size(5){二};之須賀流(○○○)&size(5){一};、雄略紀、有&size(5){二};人名蜾蠃&size(5){一};、本注此云須我屢、万葉集云、腰細之須輕娘子飛翔爲輕如來腰細丹、皆是也、今俗呼&size(5){二};似我蜂(○○○)&size(5){一};、常陸謂&size(5){二};之加曾利&size(5){一};、蓋佐曾利之轉譌也、所&size(5){レ};引蓋舊注也、爾雅果蠃蒲盧、郭注云、卽細腰蠭也、俗呼爲&size(5){二};蠮螉&size(5){一};、〈○中略〉太平御覽引&size(5){二};陸機&size(5){一};云、螟蛉者桑上小靑蟲也、似&size(5){二};歩屈&size(5){一};、其色靑而細小、或有&size(5){二};草葉上蜾蠃&size(5){一};、土蜂也、似&size(5){レ};蜂而小腰取&size(5){二};桑蟲&size(5){一};負&size(5){レ};之、於&size(5){二};木空中筆筒中&size(5){一};、七日而化爲&size(5){二};其子&size(5){一};、里語曰、祝云、象&size(5){レ};我象&size(5){レ};我也、法言學行篇、作&size(5){二};類&size(5){レ};我類&size(5){レ};我、久則肖&size(5){一レ};之、是陸機所&size(5){レ};本、〈○中略〉按本草和名云、蠮螉、一名土蜂、一名蜾蠃、一名細腰、一名蛞螻、一名莆蘆、已上三名出&size(5){二};兼名苑&size(5){一};、據&size(5){二};證類本草&size(5){一};、一名土蜂本條文、一名蜾蠃、陶注文、一名細腰以下出&size(5){二};兼名苑&size(5){一};、蓋兼名苑亦有&size(5){二};蜾蠃之名&size(5){一};、而以&size(5){三};本草已載&size(5){二};其名&size(5){一};、輔仁不&size(5){二};引及&size(5){一レ};之、源君此不&size(5){レ};引&size(5){二};本草&size(5){一};、依&size(5){二};兼名苑&size(5){一};擧&size(5){二};此名&size(5){一};歟、抑以&size(5){三};本草和名土蜂蜾蠃、並失&size(5){二};載出典&size(5){一};、源君誤爲&size(5){三};五名皆出&size(5){二};兼名苑&size(5){一};、亦未&size(5){レ};可&size(5){レ};知也、
**〔類聚名義抄〕
***〈十/虫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1130:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1130.pdf]] 蠮螉〈サソリ〉
**〔下學集〕
***〈上/氣形〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1130:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1130.pdf]] 似我(ジガ)〈毛詩、螟蛉有&size(5){レ};子、蜾蠃負&size(5){レ};之、朝野僉美云、蜂啣&size(5){二};他虫&size(5){一};、置&size(5){二};於窠中&size(5){一};、呪曰&size(5){二};似我似我&size(5){一};、卽成&size(5){レ};蜂也、故名曰&size(5){二};似我&size(5){一};也、〉 蒲盧(アナハチ/○○)〈細腰蜂也〉
**〔倭訓栞〕
***〈前編十二/須〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1130:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1130.pdf]] すがる〈○中略〉 日本紀に蜾https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01615.gif を訓ぜり、細腰蜂也、よて萬葉集に、腰細のすがる娘(ヲトメ)子とよめり、俗語にすんがりといふ是也、古今集に、すがる鳴秋の萩原とよめるは此虫也、後人鹿となしてよむもの多し、謬なりといへり、倭名鈔にはさそりと訓ぜり、さゝりばちともいふ、常陸
にかそりと云、出羽にては、凡て蜂をすがるといふ、仙臺にてすがりといへり、
**〔日本書紀〕
***〈十四/雄略〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1131:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1131.pdf]] 六年三月丁亥、爰命&size(5){二};蜾蠃&size(5){一};〈蜾蠃人名也、此云&size(5){二};須我屢(○○○)&size(5){一};、〉聚&size(5){二};國内蚕&size(5){一};、於&size(5){レ};是蜾蠃誤聚&size(5){二};嬰見&size(5){一};奉&size(5){二};獻天皇&size(5){一};、〈○下略〉
**〔和漢三才圖會〕
***〈五十二/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1131:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1131.pdf]] 蠮螉〈謁翁〉 土蜂 細腰蜂 蜾蠃 蒲蘆 俗云似我 又云腰細蜂〈○中略〉按蠮螉無&size(5){レ};雌、取&size(5){二};桑虫&size(5){一};負來入&size(5){二};于窠&size(5){一};爲&size(5){二};養子&size(5){一};、祝曰&size(5){二};似我似我&size(5){一};、則長爲&size(5){レ};蜂、故名&size(5){二};似我蜂&size(5){一};之説甚誤、而和漢共然焉、〈本草亦其論辨、多取&size(5){二};要旨&size(5){一};註&size(5){二};于上&size(5){一};也、〉又倭名抄以&size(5){二};蠮螉&size(5){一};訓&size(5){二};佐曾里&size(5){一};者非也(○○○○○○○○○○)、〈佐曾里(○○○○○○)卽蠍也〉
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十七/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1131:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1131.pdf]] 蠮螉 スガル〈日本紀〉 サソリ〈和名鈔〉 ジガバチ カソリ(○○○)〈常州〉 ヂスガリ(○○○○)〈信州〉 コシボソ(○○○○)〈畿内、同名アリ、〉 ツチスガリ(○○○○○)〈仙臺○中略〉&br;蠮螉數種アリ、一ハ長サ八分許、濶サ一分許、腰甚細ク、絲ノ如シ、全身深黑色、夏月人家ニ飛來リ、葦薄或ハ筆管中ニ入テ巢ヲ作ル、初泥ヲ摙テ、底ノ隔ヲナシ、小喜母(サガリグモ)、蠅虎等(ハイトリグモ)數箇ヲ螫シ傷メテ、其中ニ入レ、其蛛ニ小子ヲ粘ス、〈○中略〉外ヲ泥ニテ塗リフサグ、其蛛ヲ入レ泥ヲ入ルヽゴトニ、管内ニテ鳴ク聲、似我似我ト云ニ似タリ、〈○中略〉數日ノ後、ソノ子大ニナリ、蜂トナリ、管ヲ穿チ出飛去ル、蛛ハ皆食ヒ盡シテ遺ラズ、
**〔天野政德類語〕
***〈下〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1131:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1131.pdf]] 按、古今集離別の部に、すがるなく秋の萩原朝立て旅行人をいつとかまたん、と此歌を引て、古人此すがるを鹿の事也と云説有、其後の歌には、多くすがるを鹿の事となして、詠る歌有、皆誤にて隨がたし、すがるは蜂なる事、いちじるし、さそりといふ蜂也、
**〔壒囊抄〕
***〈五〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1131:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1131.pdf]] 似我々々事&br;蜂ニ似タル虫ヲ、ジガ〳〵ト云、何ナル名ゾ、似我似我ハ、只蜂ノ類也、本名ハ螟蛉(メイレイ)也、〈○中略〉朝野僉載曰ク、蜂銜&size(5){二};他虫置&size(5){二};於窠中&size(5){一};、呪シテ曰&size(5){二};似我々々&size(5){一};、卽成&size(5){レ};蜂云云、故ニ名テ曰&size(5){二};似我&size(5){一};也、〈○中略〉サレバ大師〈○弘法〉ノ御遺吿ニモ、從&size(5){二};赤子時&size(5){一};、得&size(5){二};人之子&size(5){一};、敎ヘテ爲&size(5){二};弟子&size(5){一};、如&size(5){下};螟蛉以&size(5){二};他子&size(5){一};爲&size(5){中};己子&size(5){上};ト侍リ、
**〔萬葉集〕
***〈九/雜歌〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1131:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1131.pdf]] 詠&size(5){二};上總末珠名娘子&size(5){一};一首幷短歌
水長鳥(シナガトリ)、安房爾繼有(アハニツギタル)、梓弓(アヅサユミ)、末乃珠名者(スエノタマナハ)、胸別之(ムナワケノ)、廣吾妹(ヒロキワギモ)、腰細之(コシホソノ/○○○)、須輕(スカル/○○)娘子之(ヲトメノ)、其姿之(ソノカホノ)、端正爾(ウツクシケサニ)、〈○下略〉
*&aname(E89FB2E4B8ADE89C82E4BA8BE8B99F){蜂事蹟};
**〔古事記〕
***〈上〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1132:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1132.pdf]] 大神〈○素盞鳴尊〉出見而、吿&size(5){三};此者謂&size(5){二};之葦原色許男&size(5){一};、〈○中略〉入&size(5){二};呉公與&size(5){レ};蜂室(/○○)&size(5){一};、且授&size(5){二};呉公蜂之比禮&size(5){一};、敎&size(5){レ};如&size(5){レ};先故平出之、
**〔藤原家傳〕
***〈下/武智麻呂〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1132:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1132.pdf]] 藤原左大臣諱武智麻呂、〈○中略〉按行至&size(5){二};坂田郡&size(5){一};〈○近江〉寓&size(5){二};目山川&size(5){一};曰、吾欲&size(5){下};上&size(5){二};伊福山頂&size(5){一};瞻望&size(5){上};、土人曰、入&size(5){二};此山&size(5){一};疾風雷雨、雲霧晦瞑、群蜂飛螫、〈○中略〉公曰、吾從&size(5){レ};少至&size(5){レ};今、不&size(5){三};敢輕&size(5){二};慢鬼神&size(5){一};、鬼神若有&size(5){レ};知者、豈其害&size(5){レ};我、若无&size(5){レ};知者、安能害&size(5){レ};人、卽滲洗淸齊、率&size(5){二};五六人&size(5){一};、披&size(5){二};蒙籠&size(5){一};而登、將&size(5){レ};至&size(5){レ};頂之間、忽有&size(5){二};兩蜂&size(5){一};飛來欲&size(5){レ};螫&size(5){レ};公、揚&size(5){レ};袂而掃、隨&size(5){レ};手退歸、
**〔三代實錄〕
***〈二十六/淸和〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1132:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1132.pdf]] 貞觀十六年八月十三日己巳、蝗虫或化&size(5){レ};蝶飛去、或爲&size(5){二};小蜂(○○)&size(5){一};所&size(5){二};刺殺&size(5){一};、
**〔扶桑略記〕
***〈二十五/朱雀〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1132:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1132.pdf]] 天慶三年一月廿四日、世相傳云、於&size(5){二};東大寺羂索院執金剛神前&size(5){一};、七大寺諸僧集會、祈&size(5){二};請將門調伏&size(5){一};之由、然間數萬大蜂(○○)遍&size(5){二};滿堂内&size(5){一};、迅風俄來、吹&size(5){二};折執金剛神之髻糸&size(5){一};、數万之蜂、相&size(5){二};隨髻糸&size(5){一};、向&size(5){レ};東穿&size(5){レ};雲飛去、時人皆謂、將門誅害之瑞也、〈○又見&size(5){二};帝王編年記&size(5){一};〉
**〔古事談〕
***〈三/僧行〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1132:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1132.pdf]] 金鐘行者靈驗殊勝、天下皆歸&size(5){二};依之&size(5){一};云々、可&size(5){レ};被&size(5){レ};造&size(5){二};大佛殿&size(5){一};沙汰之時、自&size(5){二};大佛殿正面&size(5){一};、東ハ金鐘行者之所領也、自&size(5){二};正面&size(5){一};西ハ辛國行者ノ領也、爰辛國申云、歸依僧ノ道、可&size(5){レ};依&size(5){二};驗德&size(5){一};、何强被&size(5){レ};歸&size(5){二};依金鐘一人&size(5){一};哉、早被&size(5){レ};召&size(5){二};合兩人&size(5){一};、可&size(5){レ};被&size(5){レ};競&size(5){二};其効驗&size(5){一};、隨&size(5){二};勝劣&size(5){一};德ヲモ被&size(5){レ};崇、伽藍ヲモ可&size(5){レ};被&size(5){レ};立云々、依&size(5){二};所&size(5){レ};申有&size(5){一レ};謂、召&size(5){二};合二人ノ行者&size(5){一};、已被&size(5){レ};競&size(5){二};驗德&size(5){一};、各誦&size(5){二};呪祈&size(5){一};之間、自&size(5){二};辛國行者方&size(5){一};、數万ノ大蜂出來、擬&size(5){二};著金鐘&size(5){一};ノ時、自&size(5){二};金鐘方&size(5){一};、大蜂飛來、件ノ蜂ヲ拂間、蜂皆退散了、彼大蜂至&size(5){二};辛國之許&size(5){一};、滅&size(5){二};行者&size(5){一};、故辛國忽結&size(5){二};惡心&size(5){一};爲&size(5){二};寺敵&size(5){一};、度々此寺之佛法ヲ魔滅セントシケリ、此事雖&size(5){レ};無&size(5){二};慥所見&size(5){一};、古老所&size(5){二};申傳&size(5){一};也、但寺ノ繪圖ニ氣比明神ノ巽ノ角ニ有&size(5){二};辛國堂&size(5){一};由注&size(5){レ};之云々、
**〔今昔物語〕
***〈二十九〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1132:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1132.pdf]] 於&size(5){二};鈴鹿山&size(5){一};蜂螫&size(5){二};殺盜人&size(5){一};語第卅六&br;今昔、京ニ水銀商スル者有ケリ、年來役ト商ケレバ、大キニ富テ、財多クシテ家豐カ也ケリ、伊勢ノ
國ニ年來通ヒ行ケルニ、馬百餘疋ニ、諸ノ絹糸綿米ナドヲ負セテ、常ニ下リ上リ行ケルニ、只小キ小童部ヲ以テ、馬ヲ追セテナム有ケル、〈○中略〉而ル間、何也ケル盜人ニカ有ケム、八十餘人、心ヲ同クシテ、鈴香ノ山ニ、テ、國々ノ行來ノ人ノ物ヲ奪ヒ、公ケ私ノ財ヲ取テ、皆其人ヲ殺シテ、年月ヲ送ケル、〈○中略〉此ノ水銀商、伊勢ノ國ヨリ、馬百餘疋ニ諸ノ財ヲ負セテ、前々ノ樣ニ小童部ヲ以テ追セテ、女共ナドヲ具シテ、食物ナドセサセテ上ケル程ニ、此ノ八十餘人ノ盜人、極キ白者カナ、此ノ物共、皆奪取ラムト思テ、彼ノ山ノ中ニシテ、前後ニ有テ、中ニ立挾メテ恐シケレバ、小童部ハ皆逃テ去ニケリ、物負セタル馬共、皆追取ツ、女共ヲバ皆著タル衣共ヲ剝取テ、追弃テケリ、水銀商ハ〈○中略〉辛クシテ、逃テ高キ岳ニ打上ニケリ、〈○中略〉虚空ヲ打見上ツヽ、昔ヲ高クシテ、何ラ何ラ遲シ遲シト云立テリケルニ、半時計有テ、大キサ三寸計ナル蜂ノ怖シ氣ナル、空ヨリ出來テ、フント云テ、傍ナル高キ木ノ枝ニ居ヌ、水銀商此レヲ見テ、彌ヨ念ジ入テ、遲シ遲シト云フ程ニ、虚空ニ赤キ雲二丈計ニテ、長サ遙ニテ俄ニ見ユ、道行ク人モ、何ナル雲ニカ有ラムト見ケルニ、此ノ盜人共ハ、取タル物共拈ケル程ニ、此ノ雲漸ク下テ、其盜人ノ有ル谷ニ入ヌ、此ノ木ニ居タリツル蜂モ立テ、其方樣ニ行ヌ、早ウ此ノ雲ト見ツルハ、多ノ蜂ノ群テ來ルガ、見ユル也ケリ、然テ若干ノ蜂、盜人毎ニ皆付テ、皆螫殺シテケリ、一人ニ一二百ノ蜂ノ付タラムダニ、何ナラム者カハ堪ムトスル、其レニ一人ニ二三石ノ蜂ノ付タラムニハ、少々ヲコソ打殺シケレドモ、皆被&size(5){二};螫殺&size(5){一};ニケリ、其ノ後、蜂皆飛去ニケレバ、雲モ晴ヌト見エ、ケリ、然テ水銀商ハ、其ノ谷ニ行テ、盜人ソ年來取貯タル物共多ク、弓胡錄馬鞍著物ナドニ至マデ、皆取テ京ニ返ニケリ、然レバ彌ヨ富增テナム有ケル、此ノ水銀商ハ家ニ酒ヲ造リ置テ、他ノコトニモ不&size(5){レ};仕ズシテ、役ト蜂ニ呑セテナム、此ク祭ケル、然レバ彼レガ物ヲバ、盜人モ不&size(5){レ};取ザリケルヲ、案内モ不&size(5){レ};知ザリケル盗人ノ、取テ此ク被&size(5){二};螫殺&size(5){一};ル也ケリ、然レバ蜂ソラ物ノ恩ハ知ケリ、心有ラム人ハ、人ノ恩ヲ蒙リナバ、必ズ可&size(5){レ};酬キ也、亦大キナラム蜂ノ見エムニ、專ニ不
&size(5){レ};可&size(5){二};打殺&size(5){一};ズ、此ク諸ノ蜂ヲ具シ將來テ、必ズ怨ヲ報ズル也、
**〔十訓抄〕
***〈一〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1134:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1134.pdf]] むかし中納言和田丸と聞る人おはしけり、其末に余古大夫といふ兵者有けり、〈○中略〉初瀨山のおくに籠りてけり、敵あさり求れども、深く用意して、笠置といふ山寺の岩屋の有ける中にかくれて、二三日住けるほどに、岩のもとにて、蛛と、いふもの、いをかけたりけるに、大なる蜂のかゝりたりけるに、いをくりかけて、まきころさんとしける時に、愍をおこして、とりてはなちて、蜂にいひけるやう、いける物は命に過たる物なし、前世の戒がすくなくて、畜生と生れたれども、心あるは命を惜む事、人にかはらず、恩を重くする事、同じかるべし、我敵にせめられて、からきめをみる、身をつみて、汝が命をたすけむ、必ずおもひしれとて、放ちやりつ、其夜の夢に、かきの水干袴きたる男のきていふやう、晝の仰悉く耳にとまりて侍る、御志實に、忝し、我つたなき身を受たりといへ共、いかでかその恩を報じ奉らざらん、願は我申さむまゝに構へ給へ、君の敵亡さんといふ、誰人のかくはのたまふぞといへば、晝の蛛の網にからまれつる蜂は、おのれに侍ると云、あやしながら、いかにしてか敵をばうつべき、我にしたがひたりしもの、十が九は亡び失の城もなし、かゝりもなし、https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/if0000r13041.gif じて立あふべき方もなしといへば、などかくはのたまふ、殘りたるものも侍らん、二三十人ばかりかまへてかたらひ集めたまへ、此うしろの山に、蜂の巢四五千ばかりあり、是もみな我に同じ物なり、語集てカをくはへ奉らんに、などか打得給はざらん、但其軍したまはん日は、なよせたまひそ、本城のほどに假屋をつくりて、なりひさご壼瓶子かやうの物多く置たまへ、やう〳〵まかりつとはんずれば、そこにかくれいらんためなり、しかしながら、其日吉(ヨカ)らんと、ちぎつていぬと思ふ程に夢さめぬ、うける事とは思ねど、いみじく哀に覺えて、夜にかくれ、故郷へ出て、此彼かくれをる者共を語て云、我生るとてかひなし、最後に一矢射てしなばやと思ふ、弓箭の道はさこそあれ、男共など云ければ、誠に可&size(5){レ};然事とて、五十人ばかり出にけり、假屋造て、あ
りし夢のまゝにしつらひをれば、是は何のためぞと、あやしみければ、さるべきゆへありとて、めでたくしつらひをきつ、其朝にほの〴〵と明はなるゝほどに、山のおくのかたより、大なる蜂一二百二三百うちむれて、いくら共なく入集るさま、いとけむづかしく見けり、日さし出るほどに、敵の許へ是に侍り、申べき事ありといへりければ、敵悦びて、尋失ひて安からずおぼえつるに、いみじき幸なりとて、三百騎ばかり打出たり、いきほひをくらぶるに、物の數にもあらねば、侮りていつしかかけくむほどに、蜂ども假屋より雲霞のごとくわき出、敵の人ごとに、二三十、四五十取つかぬはなし、目鼻ともなく、はたらく所ごとにさし損じけるほどに、物も覺えず、打ころせども、五六こそしぬれ、いかにも〳〵する力なくて、弓箭の行衞もしらず、まづ貌をふさぎさはぎけるほどに、思ふさまに馳まはりて、敵三百餘騎、時の程にたやすくうち殺してければ、恐れなく本のあとに還居にけり、死たる蜂少々ありければ、笠置のうしろの山に埋て、堂をたてなどして、年ごとに蜂の忌日とて、恩を報じけり、
**〔古事談〕
***〈一/王道后宮〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1135:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1135.pdf]] 京極大相國〈○藤原宗輔〉被&size(5){レ};飼&size(5){レ};蜂之事、世以稱&size(5){二};無益事&size(5){一};、而五月比、於&size(5){二};鳥羽殿&size(5){一};、蜂栖俄落テ、御前多飛散ケレバ、人々モサヽレジトテ、ニゲサワギケルニ、相國御前ニ枇杷ノ有ケルヲ一總トリテ、コトヅメニテ、カハヲムキテ、サシアグラレタハケレバ、蜂アルカギリツキテ、チラザリケレバ、乍&size(5){レ};付召&size(5){二};共人&size(5){一};、ヤハラ捨ケリ、院モ賢ク宗輔ガ候テト被&size(5){レ};仰テ、令&size(5){レ};感御ケリ、
**〔十訓抄〕
***〈一〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1135:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1135.pdf]] 京極太政大臣宗輔公は、蜂をいくら共なく、飼給ひて、何丸か丸と名を付てよびたまひければ、召にしたがひて、格勤者などを勘當し給ひけるには、何丸某さしてことの給ければ、そのまゝにぞふるまひける、出仕の時は、車のうら、うへの物見にはらめきけるを、とまれとのたまひければ、とまりけり、世には蜂飼の大臣とぞ申ける、
**〔赤染衞門集〕
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1135:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1135.pdf]] ぎだりんにありしひじりの、たけの枝にはちのすくひたるをおこせて、釋迦佛のゝ
給なりとて、
我宿の汀に生るなよ竹のはちすとみゆるおりもありけり
*&aname(E89FB2E4B8ADE89C82E99B9CE8BC89){蜂雜載};
嬉遊笑覽十二禽蟲蜂が刺たら子をとらうといふは、もと蜂吹(○○)なり、源氏〈松風〉大井も宿もりが體をいふ處、はなゝど打あかめつゝ、はちふきいへば、若菜の下にも、はちぶくと有、抄に蜂の面近く飛時、恐れてうそぶきするやうに物いふなり、物を聞いれず、一向にいひそくるを、蜂拂(○○)といふに似たり、守武獨吟、辨慶や蜂のありともしらざらんうそをもふかずけなげなるころ、
*&aname(E89FB2E4B8ADE8A085){蠅};
**〔新撰字〕
***〈鏡虫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1136:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1136.pdf]] 蛉蠕https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01616.gif https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01617.gif 〈四字同蠅也、螟也、波戸(○○)、又桑虫、〉
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1136:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1136.pdf]] 蠅〈䏣附〉 方言云、陳楚之間、謂&size(5){二};之蠅&size(5){一};、〈音膺、和名波閉(○○)、〉東齊之間、謂&size(5){二};之羊&size(5){一};、〈郭璞曰、蠅羊此轉語耳、〉
**〔箋注倭名類聚抄〕
***〈八/蟲名〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1136:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1136.pdf]] 説文、蠅、營々靑蠅、蟲之大腹者、从&size(5){二};黽虫&size(5){一};、李時珍曰、蠅夏出冬蟄、喜&size(5){レ};煖惡&size(5){レ};寒、蒼者聲雄壯、負&size(5){レ};金者聲淸括、靑者糞能敗&size(5){レ};物、巨者首如&size(5){二};火麻&size(5){一};者、茅根所&size(5){レ};化、蠅聲在&size(5){レ};鼻而足喜交、
**〔下學集〕
***〈上/氣形〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1136:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1136.pdf]] 蠅(ハイ)〈點&size(5){二};黑白糞&size(5){一};玷&size(5){二};珠玉者、喩&size(5){二};之讒言&size(5){一};者也、〉
**〔八雲御抄〕
***〈三/下虫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1136:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1136.pdf]] 蠅 さはへなす 五月のはへとかけり わろき物也
**〔東雅〕
***〈二十/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1136:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1136.pdf]] 蝿ハへ 日神天磐屋戸に籠り給ひし時、萬神の聲如&size(5){二};狹蠅&size(5){一};鳴といふ事、舊事紀に見えしを、古事記には、狹蠅那須としるし、又舊事紀には、天孫天降り給はむとし給ひしとき、此國に多に道速振荒振神ありて、又磐根木株、草之垣葉、猶能言語、夜は螢火の如くにして喧響、晝者如&size(5){二};五月蠅(サバヘ)&size(5){一};而沸騰としるされ、日本紀も舊事紀によられたり、ハへの義は不&size(5){レ};詳、〈(中略)凡そ蟲の名に、ハといふをもて呼ぶは、皆羽あるものなり、(中略)舊事古事日本紀等に見えし所に據れば、ハへとは其聲あるに因りて、云ひし所に似たり、〉
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十七/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1136:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1136.pdf]] 蠅 ハへ〈和名鈔〉 ハイ(○○)〈京○中略〉&br;蠅ハ皆三月土用ノ比ヨリ暖氣ヲ逐テ出、數種アリ、ソノ四五月ノ時、人家四邊ノ陽地ニ多ク集リ、相追ヒテ飛ビ翔ルモノハ、蒼蠅ナリ、俗名クロバイ(○○○○)、色蒼黑ニシテ、大サ四分許、ソノ聲高シ、故ニ典籍
便覽ニ蒼蠅善亂&size(5){レ};聲ト云、〈○中略〉ソノ夏秋ノ間、家中ニ多來リ、竈邊或ハ食物ニ集リ、農家ニ別シテ多キ者ハ、コバイ(○○○)〈筑前〉ト云フ、〈○中略〉三才圖會ニ、一種不&size(5){レ};靑不&size(5){レ};蒼、俗謂&size(5){二};之麻蠅&size(5){一};、夏大好集&size(5){二};人體間&size(5){一};、驅而復來、故俗謂&size(5){二};人可&size(5){レ};憎者&size(5){一};爲&size(5){二};麻蠅&size(5){一};ト云ヒ、正字通ニ、一種小者、集&size(5){二};几案殽羞間&size(5){一};、衆多爲&size(5){レ};擾、人恚&size(5){レ};之ト云フ、是ナリ、 ソノ秋中多出テ、飛翔聲聒シク、臭ヲ慕テ庖厨ニ集リ、必卵ヲ遺シ、蛆ヲ生ズルモノハ、俗ニシマバイ(○○○○)ト呼ブ、事物紺珠ニ、大麻蠅大&size(5){二};於蒼蠅&size(5){一};ト云フ是ナリ、〈○中略〉 ソノ線色或ハ靑色ニシテ、金光アリ、聲淸高ニシテ、必糞上ニ集ルモノハ靑蠅ナリ、大小數品アリ、俗名クソバイ(○○○○)、 キヌバイ(○○○○)〈備後〉キンバイ(○○○○)、時珍負&size(5){レ};金者、聲淸聒、靑覗石糞能敗&size(5){レ};物ト云、
**〔肥前國風土記〕
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1137:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1137.pdf]] 神埼郡 蒲田郷&br;同〈○景行〉天皇行幸之時、御&size(5){二};宿此郷西&size(5){一};薦&size(5){二};御膳&size(5){一};之時、蠅甚多鳴、其聲大囂、天皇勅云蠅聲甚囂、因曰&size(5){二};囂郷&size(5){一};、今謂&size(5){二};蒲田郷&size(5){一};訛也、
**〔日本書紀〕
***〈二十二/推古〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1137:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1137.pdf]] 三十五年五月、有&size(5){レ};蠅聚集、其凝累十丈之、浮&size(5){レ};虚、以越&size(5){二};信濃坂&size(5){一};、鳴音如&size(5){レ};雷、則東至&size(5){二};上野國&size(5){一};而自散、
**〔日本書紀〕
***〈二十六/齊明〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1137:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1137.pdf]] 六年十二月庚寅、科野國言、蠅羣向&size(5){レ};西飛踰&size(5){二};巨坂&size(5){一};、大十圍許、高至&size(5){二};蒼天&size(5){一};、
**〔明月記〕
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1137:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1137.pdf]] 寬喜二年八月廿八日丁亥、心寂房來相逢語、去夜事、脚氣所&size(5){レ};爲歟、可&size(5){レ};疑近日蠅漸弱、而落&size(5){二};入飮食&size(5){一};、自然不&size(5){レ};知&size(5){レ};入&size(5){二};腹中&size(5){一};歟、是又坐痢極毒也、蠅入&size(5){二};腹中&size(5){一};、多&size(5){二};頓死者&size(5){一};、
**〔南方紀傳〕
***〈下〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1137:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1137.pdf]] 北朝康曆元年六月、細川賴之阿波國隱居作&size(5){レ};詩云、&br;人生五十愧&size(5){レ};無&size(5){レ};功、花木春過夏已中、滿室蒼蠅掃難&size(5){レ};盡、去尋&size(5){二};禪榻&size(5){一};臥&size(5){二};淸風&size(5){一};、
**〔運歩色葉集〕
***〈葉〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1137:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1137.pdf]] 蠅參(ハイマイリ/○○)〈伊勢參附&size(5){二};道者之尾&size(5){一};、譬&size(5){三};諸蠅附&size(5){二};驥尾&size(5){一};也、〉
**〔日本書紀〕
***〈一/神代〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1137:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1137.pdf]] 欲&size(5){下};立&size(5){二};皇孫天津彦火瓊々杵尊&size(5){一};以爲&size(5){中};葦原中國之主&size(5){上};、然彼地多有&size(5){二};螢火光神及蠅聲邪神(○○○○)&size(5){一};、
**〔釋日本紀〕
***〈八/述義〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1137:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1137.pdf]] 案、下一書文、如&size(5){二};五月蠅&size(5){一};而沸騰云云、五月蠅三字之訓、サハへ(○○○)ト讀&size(5){レ};之、今此蠅聲同點
也、言葦原中國惡神充滿、如&size(5){二};五月之蠅&size(5){一};、衆多之意也、
**〔日本書紀〕
***〈一/神代〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1138:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1138.pdf]] 一書曰、〈○中略〉素盞鳴尊、乃以&size(5){二};天(/○)ノ蠅斫(ハエキリ/○○)之劒(/○○)&size(5){一};、斬&size(5){二};彼大蛇&size(5){一};時、斬&size(5){二};蛇尾&size(5){一};而刃缺、
**〔源平盛衰記〕
***〈四十四〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1138:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1138.pdf]] 神鏡神璽都入幷三種寶劒事&br;十握劒、〈○中略〉又ハ蠅斬(ハイキリ)ノ劒ト云、此劒利劒也、其刃ノ上ニ居ル蠅ノ、不&size(5){二};自斬&size(5){一};ト云事ナケレバ也、〈○又見釋日本組&size(5){一};〉
**〔枕草子〕
***〈三〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1138:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1138.pdf]] むしは&br;はへこそ、にくきものゝうちにいれつべけれ、あいぎやうなく、にくき物は、人々しふかきいつべき物のやうにあらねど、よろづの物に居、かほなどにぬれたるあしゝてゐたるなどよ、人の名につきたるは必かたし、
**〔異本枕草子〕
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1138:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1138.pdf]] にくきもの&br;はへの秋などおほくて、よろづの物にあしはぬれ、つめたくて、かほにもゐありく、いとむづかしうにくし、
**〔小夜のねざめ〕
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1138:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1138.pdf]] はいといふ虫のぬり物などには、こを白くしかけ、白き物には、はこをくろくしかけ侍る、
**〔花月草紙〕
***〈四〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1138:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1138.pdf]] とりもちをもて、はへといふ虫をおほくとりたるを、ふとけみきやうとて、目もおよばぬものをみるめがねのあれば、それもてみしに、そのもちにつきたるはへが、にげんとして、羽を動かすが、はてはその羽ももちにつきて、うごきえず、かうべうごかして苦しむもあり、又久しくつきしは、飢にのぞみてよはり死するけしきもあり、たゞに羽をならす音のみきゝしが、よくみれば、いとかなしきさまなりしとかたるを、さあらんよなど、人のこたへしを、みしときゝしとは、いとたがふものぞかし、みしごとくきゝ給はゞ、さあらんなどゝ計はいひ給はじ、まいて目の
及ばぬあたりのことは、猶心にてみ給へかしと、いひしものありけり、
**〔關の秋風〕
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1139:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1139.pdf]] 蠅てふ虫は、またなくにくし、晝ねの夢妨ぐるは、怠りを諫むるともいふべければ、咎めむやうもなし、たゞ書なんど見、畫なんどかくころ、顏のあたりに二つ二つとまるを、おひやれば、しばしかなたへうつり、また飛來り飛去り、はては友多くつどひて鬪諍し、あるはえもいはぬふるまひいと狼藉也、
*&aname(E89FB2E4B8ADE89B86){蛆};
**〔新撰字鏡〕
***〈虫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1139:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1139.pdf]] 蛆〈子餘反、宍中蟲也、痛也、螂也、臭公也、螫也、止加介、〉 蜡〈旦鹿反、去、宇自(○○)、〉
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1139:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1139.pdf]] 蠅〈○中略〉 聲類云、䏣(○)〈音且、又去聲、和名波閉乃古(○○○○)、〉蠅子也、説文云、蠅乳&size(5){二};肉中&size(5){一};也、
**〔箋注倭名類聚抄〕
***〈八/蟲名〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1139:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1139.pdf]] 李時珍曰、蛆胎生、蛆入&size(5){二};灰中&size(5){一};、蛻化爲&size(5){レ};蠅、如&size(5){二};蚕https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01618.gif 之化&size(5){一レ};䖸也、
**〔圓珠庵雜記〕
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1139:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1139.pdf]] 虫の字、むしとも、うじともよめど、うじはきたなく、むぐめくをいひて、歌にはよまず、 新撰字鏡云、蜡宇自とあれど、蛆の字をよみきたれり、本草云、蛆蝿之子也、凡物敗臭則生云々、
**〔和漢三才圖會〕
***〈五十二/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1139:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1139.pdf]] 蛆〈音疽〉 蛆 䏣〈本字〉 和名波閉乃古、俗云宇之、〈○中略〉&br; 按蛆字、本作&size(5){レ};䏣、蠅乳&size(5){二};肉中&size(5){一};故从&size(5){レ};肉、&br;素問類經云、蛆性喜&size(5){レ};暖畏&size(5){レ};寒、火運之年尤多也、
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十七/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1139:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1139.pdf]] 蛆 ハエノコ〈和名鈔〉 ウジ〈○中略〉&br;諸蠅皆蛆ヲ生ズ、殊ニ大麻蠅多ク生ズ、夏秋ヲ時食物ニ集レバ、至小ノ卵ヲ遺シ著クルコト甚ダ數多シ、初其卵ハ動カズ、暫クシテ能行ク、其形一頭ハ細ク尖リ、一頭ハ齊シクシテ截タルガ如シ、長サ一二分、是ヲサシト云フ、書隱叢説ニ、蠁子化&size(5){レ};蠅ト云フ、是ナリ、數日ヲ經テ、形漸ク大ニナリ、變ジテ五六分ノ長サ、二三分ノ濶サニナリ、色白クジテ一條ノ細キ尾アリ、長サ一寸許、此蟲糞缸中ニ別シテ多シ、是糞中蛆ナリ、俗名カミサゲムシ、〈京〉 カミナガムシ〈筑前〉 ドブムシ〈豫州〉 ウナゴゼ ウナゴシ〈勢州松坂〉 ヲナゴシ〈同上山田〉 ウナガジ〈雲州〉 ヲナガジ〈同上〉 アナゴゼ〈筑後〉 ヲナ
ガムシ〈和州〉 シリケノウジ〈石州〉 ウナグジ〈加州〉 ウナクジ ウナグシ〈共ニ同上〉 此ノ形ニナル時ハ、糞缸中ヨリ出上リ、板間或ハ壁隙ニ入リ、黑キ蛹トナリ、羽化シテ大麻蠅トナル、
**〔古事記〕
***〈上〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1140:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1140.pdf]] 爾伊邪那美命答白、悔哉不&size(5){二};速來&size(5){一};、吾者爲&size(5){二};黃泉戸喫&size(5){一};、然愛我那勢命〈那勢二字以&size(5){レ};音、下效&size(5){レ};此、〉入來坐之事恐故欲&size(5){レ};還、旦具與&size(5){二};黃泉神&size(5){一};相論、莫&size(5){レ};視&size(5){レ};我、如&size(5){レ};此白而、還&size(5){二};入其殿内&size(5){一};之間、甚久難&size(5){レ};待、故刺&size(5){二};左之御美豆良&size(5){一};〈三字以&size(5){レ};音、下效&size(5){レ};此、〉湯津津聞櫛之男柱一箇取闕而、燭&size(5){二};一火&size(5){一};入見之時、宇士(○○)多加禮斗呂呂岐氐、〈此十字以&size(5){レ};音〉於&size(5){レ};頭者大雷居、〈○下略〉
**〔古事記傳〕
***〈六〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1140:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1140.pdf]] 宇士は、蛆字を訓來れり、本草てふ書に、〈李時珍云〉蛆蠅之子也、凡物敗臭則生&size(5){レ};之とあり、和名抄には、䏣を波閉乃古(ハヘノコ)とありて、宇士てふ訓はなし、䏣と蛆とは通ふ、字鏡には、蜡を宇自とあり、〈蜡の宇士なるべき由はいかゞしらず〉今も腐爛たる物に生る小虫を宇士とぞいふ、
*&aname(E89FB2E4B8ADE78B97E8A085){狗蠅};
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1140:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1140.pdf]] 狗蠅(○○) 兼名苑云、狗蠅、一名犬蠅、〈著&size(5){二};於犬&size(5){一};者也〉
**〔箋注倭名類聚抄〕
***〈八/蟲名〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1140:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1140.pdf]] 按狗蠅又見&size(5){二};齊東野語&size(5){一};、李時珍曰、狗蠅生&size(5){二};狗身上&size(5){一};、狀如&size(5){レ};蠅、黃色能飛、堅皮利喙、噉&size(5){二};咂狗血&size(5){一};、冬月卽藏&size(5){二};狗耳中&size(5){一};者是也、今俗呼&size(5){二};以奴婆倍(○○○○)&size(5){一};也、
**〔和漢三才圖會〕
***〈五十二/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1140:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1140.pdf]] 狗蠅 以沼波閉〈○中略〉&br;接狗蠅、多著&size(5){二};老狗&size(5){一};羣&size(5){レ};頸濳行咂&size(5){レ};血、故難&size(5){レ};避、用&size(5){二};煙草脂&size(5){一};塗&size(5){二};稈心&size(5){一};、如&size(5){レ};輪而毎宜&size(5){レ};掛&size(5){二};于狗頸&size(5){一};、
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十七/卵生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1140:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1140.pdf]] 狗蠅 イヌバイ(○○○○)&br;狗身ニ集ル蠅ハ、夏秋尤多シ、蒼蠅ヨリ狹長ニシテ、背平ニシテ、黃赤色、人ニ著ク時ハ其害ヲナス、燈油ヲ咂シムル時ハ、堅クナリテ死ス、
*&aname(E89FB2E4B8ADE5AE88E7939C){守瓜};
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1140:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1140.pdf]] 守瓜 爾雅注云、蠸一名守瓜、〈蠸音權、和名宇利波閉(○○○○)、〉食&size(5){二};瓜葉&size(5){一};者也、
**〔箋注倭名類聚抄〕
***〈八/蟲名〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1140:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1140.pdf]] 爾雅云、蠸輿父守瓜、郭注云、今瓜中黃甲小蟲、喜食&size(5){二};瓜葉&size(5){一};、故名&size(5){二};守瓜&size(5){一};、此所&size(5){レ};引蓋舊注也、説、文、蠸、蟲也、玉篇、蠸、食&size(5){レ};瓜蟲、列子天瑞篇蠸文、釋、瓜中黃甲蟲也、郝氏曰、此蟲黃色、小&size(5){二};於螌蝥&size(5){一};、
常在&size(5){二};瓜葉上&size(5){一};、食&size(5){レ};葉而不&size(5){レ};食&size(5){レ};瓜、俗名&size(5){二};看瓜老子(○○○○)&size(5){一};者也、然則玉篇訓&size(5){レ};蠸爲&size(5){二};食瓜蟲&size(5){一};非&size(5){レ};是、
**〔和漢三才圖會〕
***〈五十三/化生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1141:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1141.pdf]] 守瓜 蠸〈音權〉 䗣〈音含〉 和名宇利波閉、爪蠅也、〈○中略〉&br;按、䗣桑蟲、又瓜蟲、食&size(5){二};瓜桑&size(5){一};者也、蓋與&size(5){レ};蠸一類二種乎、其大如&size(5){二};犬蠅&size(5){一};而黃色、甲下有&size(5){レ};翅速飛、喜食&size(5){二};瓜葉&size(5){一};、以&size(5){二};蟲眼鑑&size(5){一};視&size(5){レ};之、黑眼露與&size(5){レ};蠅不&size(5){レ};同(○○○○)、
**〔延喜式〕
***〈三十九/内膳〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1141:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1141.pdf]] 耕種園圃 螢早瓜一段、〈○中略〉拂&size(5){レ};虫十二人、
**〔古今著聞集〕
***〈六/管絃歌舞〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1141:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1141.pdf]] 小https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00023.gif 物源賴能は、上古に耻ざる數寄の者也、玉手信近に順て、横笛を習けり、〈○中略〉或時は信近武田にありて、其むしをはらひければ、賴能も隨て朝より夕にいだる迄、もろ共にはらひけり、扨かへらんとする時、たま〳〵一曲を授けり、
*&aname(E89FB2E4B8ADE8A081E5AD90){蠁子};
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1141:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1141.pdf]] 蠁子 蔣魴切韻云、蠁子、〈上音饗、和名佐之(○○)、〉酒醋上小飛虫也、
**〔箋注倭名類聚抄〕
***〈八/蟲名〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1141:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1141.pdf]] 谷川氏曰、佐之當&size(5){二};小虫之義&size(5){一};、按書隱叢説、蠁子化&size(5){レ};蠅、然則上條所載䏣是也、今俗呼&size(5){レ};䏣爲&size(5){二};佐之&size(5){一};、又酒醋上小飛虫卽醯雞、今俗呼&size(5){二};猩々(○○)&size(5){一};者是也、莊子田子方篇、丘之於&size(5){レ};道也、其猶&size(5){二};醯雞&size(5){一};與、郭象注、醯雞者甕中之蠛蠓、釋文引&size(5){二};司馬彪&size(5){一};云、醯雞若&size(5){二};酒上蠛蠓&size(5){一};也、列子天瑞篇、醯雞生&size(5){二};于酒&size(5){一};、釋文云、醯雞蠛蠓也、新撰字鏡、蠛訓&size(5){二};酒乃波戸&size(5){一};、説文、蠁、知聲蟲也、非&size(5){二};此義&size(5){一};、
**〔新撰字鏡〕
***〈虫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1141:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1141.pdf]] 蠛〈亡結反、蠓也、黃節食虫、又酒乃波戸(○○○○)、〉
**〔類聚名義抄〕
***〈十/虫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1141:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1141.pdf]] 蠓〈サカハヘ(○○○○)〉
**〔壒囊抄〕
***〈六〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1141:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1141.pdf]] 猩(シヤウ)々ノ事&br;酒ノ香ニ付ク小虫ヲ猩々ト云ハ、何ニ事ゾ、猩ハ非&size(5){レ};虫獸也、〈○中略〉彼ノ獸、酒ヲ好ム故ニ、小虫ノ酒ノ香ニ耽テ倚リ來ヲ以テ、推テ猩々ト云ナルベシ、
*&aname(E89FB2E4B8ADE89DB1){蝱};
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1141:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1141.pdf]] 蝱 説文云、蝱〈莫衡反、與&size(5){レ};亡同、字亦作&size(5){レ};䖟、和名阿夫(○○)、〉齧&size(5){レ};人飛虫也、
**〔箋注倭名類聚抄〕
***〈八/蟲名〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1141:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1141.pdf]] 雄略紀御歌云阿牟(○○)、卽是也、本草和名、木䖟、和名於保阿布(○○○○)、蜚䖟、古阿布(○○○)、〈○中略〉
蘇敬曰、䖟有&size(5){二};數種&size(5){一};、並能噉&size(5){レ};血、商淅已南江嶺間有&size(5){二};大木䖟&size(5){一};、長大綠色、殆如&size(5){二};次蟬&size(5){一};、咂&size(5){二};牛馬&size(5){一};、或至&size(5){二};頓仆&size(5){一};、蜚䖟狀如&size(5){二};蜜蜂黃黑色、又一種小䖟名&size(5){二};鹿䖟&size(5){一};、大如&size(5){レ};蠅、齧&size(5){二};牛馬&size(5){一};亦猛、
**〔醫心方〕
***〈一/虫魚〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1142:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1142.pdf]] 木䖟〈和名於保安不又キアブ(○○○)〉
**〔伊呂波字類抄〕
***〈安/動物〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1142:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1142.pdf]] 蝱〈アフ、齧&size(5){レ};人飛虫也、亦作䖟〉 蜩 https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01619.gif 已上同
**〔東雅〕
***〈二十/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1142:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1142.pdf]] 蝱アブ 雄略天皇紀に、蝱の來りて、天皇を噬みまいらせしといふ事見えて、〈○中略〉古語にはアム(○○)といひしに、後轉じてアブといふとは見えたり、其義不&size(5){レ};詳、〈蝱類には蜚蝱、木蝱、鹿蝱、牛蝱等の類あり、アムとは、アは發語の詞、ムはミといふ語の轉ぜしにて、これも囓むを云ひしなるべし、後に轉じて、アブといふに及びては、前に註せしブトといふ物の名、此物に因リてや云ひぬらん、〉
**〔倭訓栞〕
***〈中編一/阿〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1142:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1142.pdf]] あぶ 倭名鈔に虻を訓ぜり、万葉集に蜂音をふとよめば、虻のなく聲をもて名とせるなるべし、是蜚蝱也、木蝱は血を噉はずといへり、此を美濃路にては、ひの木あぶといふ、又めくらあぶあり、すゝきの根の玉よりわく、色黃也、
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十八/化生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1142:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1142.pdf]] 木䖟(○○)〈○中略〉&br;集解ニ説トコロ一ナラズ、蘇恭ノ説ノ木䖟ハオホウシバイ(○○○○○○)、 サンネンアブ(○○○○○○)、〈北近江〉形、蒼蠅ノ如クニシテ、微綠色ヲ帶ビ、大サ蟪蛄ノ如シ、利觜アリ、牛馬ニ附テ、血ヲ咂ヒ售ヲナス、鹿䖟(○○)ハウシバイ、蒼蠅ノ形ニシテ、牛馬ノ血ヲ咂フ、一種血ヲ噉ハズ、只草木ノ花ニ集ル者ヲ、ハナアブ(○○○○)ト云、此ニモ大小數品アリ、大ナル者ハ、大黃蜂ノ形ニ似テ、鬚ナク、刺ナク、色黃ナリ、好デ花ヲ吸フ、コレヲヅンツﾞンバイ(○○○○○○)、〈薩州〉 ブイブイ(○○○○)〈備後〉ト云フ、〈○中略〉&br; 蜚䖟(○○) コアブ(○○○)〈古名〉 アヲアブ(○○○○) アダムシ(○○○○)〈隅州○中略〉&br;秋日稀ニ來ル、形黃蝱(ハナアブ)ヨリ瘠小ク、蜜蜂ヨリ大ナリ、長サ六分許、綠頭ニシテ、利觜アリ、是古渡ノ者ニ異ナラズ、今ハ渡ラズ、皆細篤ニテ十箇横ニ貫ク、本草彙言ニ、嘴鋭而利若&size(5){二};鋒鑽&size(5){一};、然春半後秋半前出、暑月繁多、ト云ヘリ、藥舗ニ貨モノ、古ハ紀州熊野ヨリ京、師へ多ク出ス、今ハ丹波ゴハ少シ出ス、
皆松葉ニテ十箇横ニ貫ク、又細https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01620.gif ニテ貫クモアリ、皆鹿䖟或ハ木䖟ニシテ舶來ニ異ナリ、
**〔古事記〕
***〈下/雄略〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1143:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1143.pdf]] 天皇坐&size(5){二};御臭床&size(5){一};、爾https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01619.gif (アム/○○)咋&size(5){二};御腕&size(5){一};、〈○中略〉多古牟良爾(タコムラニ)、阿牟加岐都岐(アムカキツキ)、〈○下略〉
**〔古事記傳〕
***〈四十一〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1143:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1143.pdf]] https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01619.gif (アム)は〈延佳本に蝱と作るは、さかしらに改めたるなり○中略〉虻なり、書紀には虻とも蝱とも書れたり、〈虻と蝱とは同字也、〉和名抄に、説文云、蝱齧&size(5){レ};人飛虫也、和名阿夫とあり、https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01619.gif は字書には見えざれども、皇國にて、古に書ならへる字なるべし、然る類多し、〈師云、https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01621.gif と亡と同じければ、虻をhttps://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01622.gif と書るかと云れたりhttps://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01621.gif と亡と同じきこと未考へず、若さることあらば、此説の如くにてもあるべし、字書を考るに、罔网㘝など同じき由あれば、亡をも通はして書るにや、字鏡に、https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01623.gif 奴可我、また虻䗈同奴可我とあれば、https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01623.gif と虻と通ふよしあるにこそ、〉
**〔續日本後紀〕
***〈十五/仁明〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1143:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1143.pdf]] 承和十二年五月乙卯、山城國言、綴喜相樂兩郡境内、始&size(5){レ};自&size(5){二};去三月上旬&size(5){一};、蝱虫殊多、身赤首黑、大如&size(5){二};蜜蜂&size(5){一};、好咬&size(5){二};牛馬&size(5){一};、咬處卽腫、相樂郡牛斃盡無&size(5){レ};餘、綴喜郡病死相尋、郡司百姓求&size(5){二};之龜筮&size(5){一};、就&size(5){二};于佛神&size(5){一};、隨&size(5){レ};分祓攘、曾無&size(5){二};止息&size(5){一};、移染之氣于&size(5){レ};今比行者、令&size(5){レ};卜&size(5){二};其由&size(5){一};、綴喜郡樺井社、及道路鬼更爲&size(5){レ};祟、卽遣&size(5){レ};使折謝之、兼賜&size(5){下};治&size(5){二};牛疫&size(5){一};方幷祭料物&size(5){上};、
**〔今昔物語〕
***〈十三〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1143:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1143.pdf]] 筑前國僧蓮照身令&size(5){レ};食&size(5){二};諸蟲&size(5){一};語第廿二&br;今昔、筑前ノ國ニ蓮照ト云僧有ケリ、〈○中略〉諸ノ虫ヲ哀テ、多ノ蚤虱ヲ集メテ、我ガ身ニ付テ飼フ、亦蚊虻ヲ不&size(5){レ};掃ハ、嶋蛭ノ食付クヲ不&size(5){レ};厭シテ、身ノ宍ヲ令&size(5){レ};食ム、而ルニ蓮照聖人、態ト虻蠇多カル山ニ入テ、我ガ肉血ヲ施サムト爲ルニ、裸ニシテ不&size(5){レ};動シテ、獨リ山ノ中ニ臥タリ、帥チ虻蠇多ク集リ來テ、身ニ付ク事无&size(5){レ};限シ、身ヲ喰ム間、痛ミ難&size(5){レ};堪シト云ヘドモ、此レヲ厭フ心无シ、而ル間、身ニ虻ノ子ヲ多ク生入レツ、〈○中略〉聖人ノ夢ニ、貴ク氣高キ僧來、〈○中略〉此ノ疵ヲ撫デ給フト見テ、夢覺ヌ、其後身ニ痛ム所无クシテ、疵忽ニ開テ、其中ヨリ百千ノ虻ノ子出デゝ飛テ散ヌ、
**〔平家物語〕
***〈五〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1143:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1143.pdf]] 文覺の荒行&br;そも〳〵この文覺と申は、〈○中略〉六月の日の草もゆるがず、てつたるに、あるかた山里のやぶの中へはいり、はだかになり、あをのけにふす、あぶぞ蚊ぞ、はちありなどいふどくちうどもが、身にひ
しと取付て、さしくひなどしけれども、ちつとも身をもはたらかさず、七日まではおきあがらず、
**〔宇治拾遺物語〕
***〈七〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1144:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1144.pdf]] 䗈(あぶ/○)一ふめきて、かほのめぐりにあるを、うるさければ、本のえだをおりて、はらひすつれども、猶たゞおなじやうに、うるさくふめきければ、とらへてこしを、このわらすぢにてひきくゝりて、枝のさきにつけてもたりければ、腰をくゝられて、ほかへえいかで、ふめき飛まはりけるを、長谷にまいりける女車の、まへのすだれをうちかづきてゐたるちごの、いとうつくしげなるが、あの男のもちたる物はなにぞ、かれこひて、われにたべと、馬にのりてともにあるさぶらひにいひければ、その侍、その持たる物、若ぎみのめすにまいらせよといひければ、ほとけのたびたる物に候へど、かく仰事候へば、まいらせ候はんとて、とらせたりければ、このおとこいとあはれなる男なり、わかぎみのめすものを、やすくまいらせたる事といひて、大柑子をこれのどかはくらんたべとて、いとかうばしきみちのくに紙につゝみてとらせたりければ〈○下略、又見&size(5){二};今昔物語雜談集&size(5){一};、〉
*&aname(E89FB2E4B8ADE89A8A){蚊};
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1144:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1144.pdf]] 蚊 四聲字苑云、蚊〈音文、和名加、(○)〉小飛蟲、夏月夜噬&size(5){レ};人者也、
**〔箋注倭名類聚抄〕
***〈八/蟲名〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1144:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1144.pdf]] 説文、蟁、齧&size(5){レ};人飛蟲、又載蚊字&size(5){一};云、俗蟁从&size(5){レ};虫从&size(5){レ};文、爾雅翼云、蚊者惡水中孑子所&size(5){レ};化、https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01624.gif &size(5){二};人肌膚&size(5){一};、其聲如&size(5){レ};雷、東方朔隱語、長喙細身、晝亡夜存、嗜&size(5){レ};肉惡&size(5){レ};煙、爲&size(5){二};掌指所&size(5){一レ};捫、
**〔類聚名義抄〕
***〈十/虫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1144:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1144.pdf]] 蚊〈正文 力クチフト(○○○○)〉
**〔下學集〕
***〈上/氣形〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1144:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1144.pdf]] 蚊(カ)〈食&size(5){レ};人、夏夜飛虫也、又云&size(5){二};豹脚(○○)&size(5){一};、〉
**〔增補下學集〕
***〈上二/氣形〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1144:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1144.pdf]] 額白豹脚(ヒタイシロノヘウキヤク)〈取異名也〉
**〔書言字考節用集〕
***〈五/氣形〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1144:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1144.pdf]] 蚊(カ)〈暑蟲、白鳥、並同、爾雅翼、惡水中孑孑(ボウフリ)所&size(5){レ};化、〉 豹脚(ヤブカ/○○) 藪蚊(同/○○)〈俗字〉
**〔日本釋名〕
***〈中/蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1144:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1144.pdf]] 蚊(カ) かむ也、人のはだへをかむ虫也、むを略す、
**〔東雅〕
***〈二十/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1144:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1144.pdf]] カとは囓也、カブレといひ、カユシといふが如きは、此物によりていひしと見えたり、豹脚は今俗に、ヤブカ(○○○)といふもの是也、
**〔壒囊抄〕
***〈五〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1145:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1145.pdf]] 丹鳥、白鳥ト云ハ何レノ鳥ゾ、&br;白鳥トハ蚊也、大戴禮小正曰、白鳥ハ蚊網也ト、俗ニ鵠(クヽヒ)ヲ白鳥ト云ハ、只其色ヲ指ス歟、未ダ其本説ヲ不&size(5){レ};見、
**〔大和本草〕
***〈十四/蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1145:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1145.pdf]] 蚊、子ヲ水中ニウムデ、孑孑蟲トナルト云ヘリ汚水ヨリ孑孑蟲ヲ生ジ、後化シテ蚊トナル、蚊ハ烟ヲキラフ、蚊ヲ去ルニ、ウナギノ乾タルヲタケバ化シテ水トナル、骨ヲタクモヨシ、又榧ノ木或楠木ノ屑ヲタクベシ、
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十八/化生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1145:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1145.pdf]] 蜚䖟〈○中略〉&br;蚊子 カヒ(○○)〈和名鈔〉 カ〈同上古歌○中略〉 蚊ハ夏月惡水中ヨリ生出シ、味辛シ、卽孑孑蟲ノ羽化スルモノナリ、晝ハ伏シ、夜ハ出テ人ヲ唖フ、色微白ナリ、又綠身ナル者アリ、又身ハ瘠テ、頭ニ絮ノ如キ者ヲ戴クアリ、顯微鏡ニテ見レバ、大ニシテ鳥羽ノ如シ、是雄ナリ、絮ナクシテ身肥タル者ハ雌ナリ、〈○中略〉 又草木多キ處、或ハ野邊ニハ、 ヤブガ多シ、〈○中略〉晝出夜伏シテ、常ノ蚊ニ反ス、〈○中略〉三才圖會ニ其生&size(5){二};草中&size(5){一};者吻尤利、而足有&size(5){二};文彩&size(5){一};、呉興號&size(5){二};豹脚&size(5){一};、蚊字所&size(5){二};以從&size(5){一レ};文有&size(5){レ};文也ト云ヒ、彙苑詳註ニ、湖中多&size(5){レ};蚊、其中有&size(5){二};豹脚者&size(5){一};尤毒ト云フ、〈○下略〉
**〔嬉遊笑覽〕
***〈十二/禽蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1145:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1145.pdf]] 蚊、物類相感志、九月蚊子嘴生&size(5){レ};花、また代醉編に、古諺有&size(5){レ};云、霧滃而蟹螯枯、露下而蚊喙折、こゝにて八月あばれ蚊と云は、喙の折る前なり、花の如きもの出ては、人を刺ず、
**〔枕草子〕
***〈二〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1145:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1145.pdf]] にくきもの&br;ねぶたしと思ひてふしたるに、蚊のほそごゑに名のりて、かほのもとにとびありく、はかぜさへ、みのほどにあるこそいとにくけれ、
**〔枕草子〕
***〈九〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1145:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1145.pdf]] 大藏卿〈○藤原正光〉ばかり、みゝとき人なし、誠に蚊の(/○○)睫(まつげ/○)のおつるほども、聞付賜ひつべくこそ有しか、
**〔袋草紙〕
***〈二〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1146:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1146.pdf]] おとたてゝものはいはねど、ゆふぐれのはへはらひつるこゑはきこえつ、シノビテオコナヒケルニ、カノクヒケレバ、アフギシテ、ウチハラヒツヽ、ネブリケル夢ニ、僧ノ讀カケヽル歌ハ蠅也、詞ハ蚊、
**〔異本世諺問答〕
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1146:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1146.pdf]] 問テ曰、ヲサナキワラハノ、コキノコトイフツキ侍ルハ、イカナル事ゾヤ、答コレハヲサナキモノ、、蚊ニクハレヌマジナヒ(○○○○○○○○○○)事ナリ、秋ノハジメニ、蜻蛉トイフ虫出キテハ、蚊ヲトリクフ物ナリ、コキノコトイフハ、木蓮子ナドヲ、トンボウカシ、ラニシテ、ハネヲツケタリ、コレヲイタニテツキアグレバ、ヲツル時ハ、トンボウカ、ヘリノヤウナリ、サテ蚊ヲオソレシメンタメニ、コギノコトテ、ツキ侍ルナリ、
**〔陰德太平記〕
***〈三十二〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1146:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1146.pdf]] 播磨守盛重繼&size(5){二};杉原家&size(5){一};事&br;丸山三九郎ト云者、佐田〈○彦四郎〉ガ宿所ニ忍入、犬ノ後足ニテ、頸ヲ搔、身振スル眞似ヲシケリ、佐田、犬ニハ非ジト思ヒ、蚊帳ノ中ヨリヤヲラ起出タルヲ、九山早ク心得テ、立歸リヌ、翌朝佐佃、丸山ニ向テ、昨夜犬ノ身振シツルハ、汝也ヤトトヘバ、左候ト、答フ、何ト、シテ吾出タルヲ知レゾヤ、サレバ宵ノ程ハ滋カリシ、蚊ノ聲モ、漸ク夜半ニナレバ、聲ノ靜マルナルニ、蚊ノ聲一ト頻リ雷鳴シツル故、扨ハ蚊帳ヨリ人ノ出タルナリト思、歸テ候ト答ケレバ、佐田、吾モ庭前ノ蟲ノ、更ル夜ニ、己ガ自恣打添テ滋カリシ、聲ノシヅマリシユへ、人來レリト知シナリ、
**〔風俗文選〕
***〈一〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1146:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1146.pdf]] 燒&size(5){レ};蚊辭 嵐蘭〈○服部〉&br;大盜あに樞戸を穿むや、汝がふるまふを見るに、帳をたるゝ時は、其翩々の間をうかゞひ、垂おはつて、縱横の透間をたづね、すべて少破の所をもとめ、人のしりへにつきて、入らむとはかる、鳴呼跖蹻が徒にはあらじ、すべて汝がおこなふ處、猛き事もなく、たのしむ事もなし、あはれなるかたにも、やさしきかたにもあらず、たゞにくむべきものゝ甚しき也、蚊、蚊、帳中の蚊、汝をやくに
辭をもてす、汝此ことばをきく時は、我手に死すとも、みづからたれりとせよ
**〔關の秋風〕
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1147:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1147.pdf]] 蚊てふ虫もにくさは劣るべくもあらず、夏の夕凉しさにはしゐして、笛のしやうかなんどいへば、はや其聲をしるべに飛來りて、己が名呼ぶ聲いとうるさし、蚊やりふすぶれど、煙薄きほどは、猶立さらず、人もたへかぬる頃、かれもしばし立行侍るを、其隙を得て、帳打たれつゝ、今宵は安くいぬべかめるとおもふ内、耳のあたりに聲して、枕、のあたりさらぬぞいとにくし、紙燭もて燒殺してんと思へば、起あがるほどのわびしければ、人呼出して燒盡せよといへば、しそく持ありくまゝに、ほかげの目にてりて、ねむさいとたへがたし、顏にとまりてさすを、はやり打にうてば、多くもらしつ、腹ふくるゝばかり吸せてうてば、血うち散りて穢らはし、たゞ手と足のうらさしたらんは、かゆさもそことさすべうもなく、ひたかきにかきてもあたらずいとくるし、晝の程も調度ならべおくかたはらより、忍びやかに出て害ふのみ、足に白き斑ありて、全體黑くたくまし、秋の末つかた、やゝ夜寒の頃、この虫も夏の程の年わかくわざ勝れたる心にて、ひたすら打とまりてさせども吸ども、おのが口はし、七つ八つにさけたれば、心ばかりにて、わざおとりするぞ愚なる、
**〔堀川院御時百首和歌〕
***〈夏〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1147:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1147.pdf]] 蚊遣火 大江朝臣匡房卿&br;すゝたるゝ宿にふすぶる蚊遣火(○○○)の煙は遠になびけとぞおもふ
**〔續千載和歌集〕
***〈三夏〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1147:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1147.pdf]] 蚊やり火を 前大納言爲家&br;蚊やり火の下やすからぬ煙こそあたりのやども猶くるしけれ
*&aname(E89FB2E4B8ADkm0000m01625){https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01625.gif };
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1147:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1147.pdf]] https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01625.gif 蔣魴切韻云、https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01625.gif 〈音魯、和名美加良(○○○)、〉井水中小虫也、
**〔箋注倭名類聚抄〕
***〈八/蟲名〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1147:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1147.pdf]] https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01625.gif 字諸書無&size(5){レ};見、按説文、蜎肙也、肙小蟲也、爾雅、蜎、蠉、郭璞注、井中小蛣蠍赤蟲、一名孑孑、與&size(5){レ};此略同、疑https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01625.gif 是蜎字之訛、則知今俗呼&size(5){二};棒振&size(5){一};者也、王引之曰、蛣蠍猶&size(5){二};詰屈&size(5){一};也、此蟲行&size(5){二};於水
中&size(5){一};、則棹&size(5){レ};尾至&size(5){レ};首左右回、其狀曲而且圓蠉、謂&size(5){二};之蜎&size(5){一};者、猶&size(5){三};釋器環謂&size(5){二};之蜎&size(5){一};、蜎之言https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01626.gif 也、https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01626.gif 規也、規亦https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01626.gif 也、郝懿行曰、莊子秋水篇釋文、虷音寒、井中赤蟲也、一名蜎、引&size(5){二};爾雅及郭注&size(5){一};、是虷與&size(5){レ};蠉同、廣雅孑子蜎也孑子卽蛣蟩、又作&size(5){二};結https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01012.gif &size(5){一};、淮南子説林訓、孑孒爲&size(5){レ};蟁、高誘注、孑孒結https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01012.gif 、水上倒跂蟲按今此蟲多生&size(5){二};止水&size(5){一};、頭大而足小、尾末有&size(5){レ};岐、行則搖&size(5){二};掉其尾&size(5){一};、翻轉至&size(5){レ};頭、止則頭縣在&size(5){レ};下、尾浮&size(5){二};水上&size(5){一};、故謂&size(5){二};之倒跂蟲&size(5){一};、欲&size(5){レ};老則化爲&size(5){レ};蚊、尾生&size(5){二};四足つ遂蛻&size(5){二};於水&size(5){一};而蚊出、玄應音義引&size(5){二};通俗文&size(5){一};云、蜎化爲&size(5){レ};蚊、是也、郭璞云、赤蟲、乃別一種、細如&size(5){レ};綫而赤者、長寸許、穴&size(5){二};泥中&size(5){一};、其行蜿蟺、欲&size(5){レ};老則頭上生&size(5){レ};毛、亦化&size(5){レ};蚊也、然與&size(5){レ};蜎非&size(5){二};一物&size(5){一};、郭注誤耳、
**〔和漢三才圖會〕
***〈五十三/化生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1148:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1148.pdf]] 孑孒(ぼっふりむし) 蛣蟩 蜎蠉 赤蟲 釘倒蟲 俗云棒振蟲(○○○)〈○中略〉&br;按孑孒溝泥中濕熱相感生&size(5){二};小蟲&size(5){一};、長二三分、灰黑色、微似&size(5){二};科斗(カイルコ)形&size(5){一};、而常一曲一直、如&size(5){二};振&size(5){レ};棒狀&size(5){一};、故名&size(5){レ};之、經&size(5){レ};日羽化爲&size(5){レ};蚊、
**〔皇都午睡〕
***〈三編下〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1148:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1148.pdf]] 夏中金魚の餌とする物を、江戸にてぼうふらと云ふ、京攝にいふ孑々にあらず、孑孑は俗にどんぶりと云ふ、壬生狂言の棒ふりに似たるゆゑ云か、いはゞ上方に桃鬼灯といへる虫に似たり、此もゝほうづきの名義解らず、桃の如く甘みありて、鬼灯の如く苦みありて云か、金魚ならねば味わかるまじ、只色の薄赤きゆゑ桃鬼灯と呼か、識者の考をまつ、
*&aname(E89FB2E4B8ADE89AA4){蚤};
**〔新撰字鏡〕
***〈虫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1148:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1148.pdf]] 蚤〈子孝反、上、乃美(○○)、〉
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1148:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1148.pdf]] https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01627.gif 説文云、https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01627.gif 〈音早、和名乃美、〉齧&size(5){レ};人跳虫也、
**〔箋注倭名類聚抄〕
***〈八/蟲名〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1148:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1148.pdf]] 所&size(5){レ};引䖵部文、原書作&size(5){レ};https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01628.gif 、又載&size(5){二};蚤字&size(5){一};云、https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01628.gif 或从&size(5){レ};虫、https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01627.gif 是蚤字之訛文、
**〔類聚名義抄〕
***〈十/虫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1148:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1148.pdf]] https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01629.gif 蚤〈倶ノミ〉
**〔下學集〕
***〈上/氣形〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1148:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1148.pdf]] 蚤(ノミ)〈食&size(5){レ};人夏跳虫也〉
**〔和漢三才圖會〕
***〈五十三/牝生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1148:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1148.pdf]] https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01628.gif (のみ)〈音早〉 蚤 䖣〈並同字〉 和名乃美〈○中略〉&br;按蚤赤色、肥&size(5){レ};身小首、六足能跳、夏月人家生&size(5){二};於濕熱氣&size(5){一};、而自在&size(5){二};牝牡&size(5){一};、其大者牝、腹有&size(5){二};白子&size(5){一};、成&size(5){二};小蚤&size(5){一};、牡者却
小、故謂&size(5){下};婦大&size(5){二};於夫&size(5){一};者&size(5){上};、稱&size(5){二};蚤之婦夫&size(5){一};矣、凡https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01586.gif 螽、莎雞、蟋蟀、螽斯之類、亦雄小而不&size(5){二};好鳴&size(5){一};、雌大而善鳴也、如&size(5){二};鶯、雲雀、山雀等&size(5){一};小鳥、雄大而善囀、雌小而不&size(5){二};能囀&size(5){一};、上下各別也、
**〔重修本草綱目啓蒙〕
***〈二十七〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1149:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1149.pdf]] 卵生蟲狗蠅〈○中略〉&br;附錄、壁蝨、〈○中略〉&br;蚤ハノミ〈和名鈔〉一名虼蚤〈事物紺珠〉毛隱〈同上〉跳蚤〈訓蒙字會〉
**〔枕草子〕
***〈三〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1149:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1149.pdf]] のみもいとにくし、衣のしたにをどりありきて、人をもだえるやうにするよ、
**〔古事談〕
***〈三/僧行〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1149:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1149.pdf]] 此聖人〈○僧性空〉ハ得&size(5){二};六根淨之人也、或時害人來臨、對面間、懷中ニhttps://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m00519.gif (○)ヲトリテ捻ケリ、于&size(5){レ};時聖人云、イカニサハ、ノミヲバ捻殺ムトハシ給ゾトテ、大ニ悲歎給ケリ、客人耻テ退散云々、
**〔源平盛衰記〕
***〈十一〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1149:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1149.pdf]] 大地震事&br;昔モ今モ怨靈ハ怖キ事也、蟇(ノミ)ノ息天ニ上ト云事モアルゾカシ、
**〔梅園日記〕
***〈二〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1149:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1149.pdf]] 蟇息&br;のみの息、天へあがるといふは、近き頃の諺にて、長頭丸ノ油かす以下の書に見えたり、されども蟇の字を、ノミとよまむ事あるまじく思ひしに、南浦文集に、我日本之諺有&size(5){レ};之、曰蝦蟇之嘆息、其氣昇&size(5){レ};天とあるに據れば、盛衰記の蟇は、ヒキとよむべし、
**〔沙石集〕
***〈七/下〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1149:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1149.pdf]] 無&size(5){二};嫉妬之心&size(5){一};人事&br;有人ノ妻マオトコトネタリケル時、夫俄ニネヤノウチヘイラントス、イカニシテカ、ニガサント思テ、衣ノノミトル由ニテ、ニガサントテマオトコノハダカナルヲ、ムシロニカヒマヒテ、衣ノノミトラントテ、スビツヲトビ越ケルホドニ、スベラカシテ、スビツニトﾞウトヲトシツ、男是ヲミテ、目見ノベ、口ヲホヒシテ、ノドカナル氣色ニテ、アライシノノミノ大サヤト云テ、ナニトモセザリケレバ、勢ハ大ナレドモ、小(コ)ノミノ如クモ、トバズシテ、ハダカニテハヒニゲニケリ、
*&aname(E89FB2E4B8ADE8A09BE8A093){蠛蠓};
**〔倭名類聚抄〕
***〈十九/蟲豸〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1150:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1150.pdf]] 蠛蠓 爾雅集注云、蠛蠓〈上亡結反、下亡孔反、漢語抄云、加豆乎無之(○○○○○)、日本紀私記云、蠛末久奈木(○○○○)、〉小虫亂飛也、磑則天風、舂則天雨、
**〔箋注倭名類聚抄〕
***〈八/蟲名〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1150:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1150.pdf]] 新撰字鏡、蚙訓&size(5){二};加豆乎&size(5){一};、當&size(5){レ};謂&size(5){レ};此、土佐俗今猶呼&size(5){二};蠛蠓&size(5){一};、爲&size(5){二};加豆乎&size(5){一};、蠛見&size(5){二};允恭二年紀&size(5){一};、本注云、蠛此云&size(5){二};摩愚那岐&size(5){一};、按末久奈岐、謂&size(5){二};開闔目數搖&size(5){一};也此虫細小亂飛、分&size(5){二};人目數搖&size(5){一};、故名&size(5){二};末久奈岐&size(5){一};、源氏明石、有&size(5){二};末久奈伎都久良世天之語&size(5){一};、謂&size(5){二};開闔目數搖&size(5){一};也、與&size(5){下};鶺鴒訓&size(5){二};邇波久奈布利&size(5){一};之久奈&size(5){上};同語、郭注云、小虫似&size(5){レ};蚋、喜亂飛然、續博物志引&size(5){二};郭璞&size(5){一};曰、蓬飛、磑則天風、舂則天雨、蓬蠓也、埤雅引&size(5){二};郭璞&size(5){一};云、蠓飛、磑則天風、舂則天雨、蓋郭氏音義之交、玄應音義引&size(5){二};郭注&size(5){一};云、小蟲似&size(5){レ};蜹、風舂雨磑者也、埤雅引&size(5){二};郭氏圖讃&size(5){一};云、風舂雨磑、則知玄應所&size(5){レ};引亦圖讃之文、而二説不&size(5){レ};同、太平御覽引&size(5){二};字書&size(5){一};亦云、蠛蠓小蟲、風舂雨磑者也、爾雅説文並云、蠓、蠛蠓也、然説文無&size(5){二};蠛字&size(5){一};、古蓋只作&size(5){二};蔑蠓&size(5){一};、蔑之言末也、微也、文選甘泉賦注引&size(5){二};孫炎&size(5){一};曰、此蟲小&size(5){二};於蚊&size(5){一};、埤雅引&size(5){二};孫炎&size(5){一};云、此蟲徵細羣飛、謝墉曰荀子蒙鳩、大戴禮作&size(5){二};https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01630.gif 鳩&size(5){一};、方言作&size(5){二};蔑雀&size(5){一};、蒙https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/km0000m01630.gif 蔑一聲之轉、皆謂&size(5){レ};細也、
**〔新撰字鏡〕
***〈虫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1150:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1150.pdf]] 蚙〈加豆乎〉
**〔類聚名義抄〕
***〈十/虫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1150:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1150.pdf]] 蠛蠓〈マクナキカツウムシ〉
**〔藻鹽草〕
***〈十二/虫〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1150:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1150.pdf]] 蠛〈如&size(5){レ};蚊にて、空に多物也〉&br;まくなきつくるといへり
**〔和漢三才圖會〕
***〈五十三/化生蟲〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1150:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1150.pdf]] 蠛蠓 醯雞 和名加豆乎蟲 又云末久奈木〈○中略〉&br;按蠛蠓腐肉食、醯溝泥中多有&size(5){レ};之、形似&size(5){レ};蠅而小翅、身皆灰色背窄、其大不&size(5){レ};過&size(5){二};一分&size(5){一};、
**〔日本書紀〕
***〈十三/允恭〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1150:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1150.pdf]] 二年二凋己酉、立&size(5){二};忍坂大中姫&size(5){一};爲&size(5){二};皇后&size(5){一};、〈○中略〉初皇后隨&size(5){レ};母在&size(5){レ};家、獨遊&size(5){二};苑中&size(5){一};、時鬪雞國造、從〈○中略〉傍徑&size(5){一};行之、〈○中略〉皇后則採&size(5){二};一根蘭&size(5){一};與&size(5){二};於乘&size(5){レ};馬者&size(5){一};、因以問曰、何用求&size(5){レ};蘭耶、乘&size(5){レ};馬者對曰、行&size(5){レ};山撥&size(5){レ};蠛(○○)也、〈蠛此云&size(5){二};摩愚那岐&size(5){一};〉時皇后結&size(5){二};之意裏乘&size(5){レ};馬者辭无&size(5){一レ};禮、卽謂曰首(オフト)也、余不&size(5){レ};忘矣、
**〔源氏物語〕
***〈十三/明石〉
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1151:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1151.pdf]] まくなぎ(○○○○)つくらせて、さしおかせけり、
**〔源語秘決〕
>https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/image/gaiji/SearchPage.png [[p.1151:https://shinku.nichibun.ac.jp/kojiruien/pdf/dobu_1/dobu_1_1151.pdf]] 明石卷云 またゝきすることをば、まくなぎつくるといふ也、まくなぎといふ、ちいさき虫のとびちる時は、目たゝきをする故に、其むしのとぶ時のやうにまたゝきをする也、
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