からごろも（唐衣）

からごろも（唐衣）→そでのうつりが（袖の移り香）

かさねても−むなしきひとの−からころも−わすれむものか−そてのうつりか

【天正年間百韻５７巻】／何船［みちみちを］／天正13(1585)年5月27日

けふこそと−かへてうれしき−からころも−わかはのはなの−そてのうつりか

【天正四年万句７０巻】／二字返音［かせやいろ］／天正4(1576)年5月6日〜7月19日

からごろも（唐衣）→よがふける（夜が更ける）

かすかのや−そのかみひとの−からころも−さかきはうたふ−よはふけにけり

【紫野千句】／片何［かせかとよ］／延文2(1357)年以後-応安3年6月以前

からころも−たちわかれにし−つきのもと−しみつにあきの−よはふけにけり

【天文年間百韻３８巻】／山何［のきにおふる］／天文19(1550)年4月24日

からごろも（唐衣）→あきのよもぎうのさと（秋の蓬生の里）

からころも−そてとふつきの−□□□□□−あきはたさひし−よもきふのやと

【文安年間百韻９巻】／山何［あきのいろ］／文安4(1447)年9月6日

わかなみた−いくへのいろを−からころも−あきはむしなく−よもきふのやと

【成立不詳・宗砌以前６巻】／何人［みつたまり］／成立時不詳

せみのもろごえ（蝉の諸声）→からごろも（唐衣）

やまやさつきの−せみのもろこゑ−すすしさは−たたあきかせの−からころも

【永正十花千句】／二字反音［こまなへて］／永正13(1516)年3月11日〜14日

さよのしくれか−せみのもろこゑ−からころも−もすそもそても−うちぬれて

【文明十四年万句５２巻】／何木［あきのひも］／文明14(1482)年7月4日〜9月14日

のべのいろいろ（野辺の色々）→からごろも（唐衣）

ちくさにをしき−のへのいろいろ−そめてみは−いつれともなし−からころも

【東山千句】／薄何［つゆをいろ］／永正15(1518)年8月10日〜12日

そてもさなから−のへのいろいろ−からころも−きりのしつくに−しをれきて

【石山四吟千句】／初何［くれてなほ］／天文24(1555)年8月15日〜19日

よざむおぼえる（夜寒おぼえる）→からごろも（唐衣）

よさむおほゆる−ひとのかたらひ−あはれみて−とはるるなかの−からころも

【嵯峨千句】／何木［ちへにみし］／（元亀4）天正元(1573)年正月9日〜11日

よさむおほゆる−かせのたえたえ−をちこちに−うちいてけりな−からころも

【永禄年間百韻２８巻】／懐旧［はつゆきの］／永禄6(1563)年11月18日