そでのうつりが（袖の移り香）

そでのうつりが（袖の移り香）→あやめぐさ（菖蒲草）

のこりもふかき−そてのうつりか−ふきすてし−きのふのつまの−あやめくさ

【元亀二年千句】／何木［たきなみの］／元亀2(1571)年3月5日

なにはかなしや−そてのうつりか−あやめくさ−かくるよとのは−あれまさり

【浜宮千句】／□□［ときもよも］／

そでのうつりが（袖の移り香）→おもかげ（面影）

これそかたみの−そてのうつりか−おもかけは−てにもたまらす−またきえて

【美濃千句】／何草［いつくにて］／文明4(1473)年12月16日〜21日

わかれしきみか−そてのうつりか−おもかけは−なかなかつらき−なこりにて

【天文年間百韻３８巻】／何人［にほへかつ］／天文13(1544)年1月29日

わすれむものか−そてのうつりか−おもかけは−くれしものこる−きくのあき

【天正年間百韻５７巻】／何船［みちみちを］／天正13(1585)年5月27日

そでのうつりが（袖の移り香）→かたみ（形見）

また□□□□□−そてのうつりか−ありあけは−あふ□□□□の−かたみにて

【看聞日記紙背５０巻】／山何［なつかけよ］／応永26(1419)年3月29日

きゆるもをしや−そてのうつりか−たまくらは−みをはなたれぬ−かたみにて

【天文年間百韻３８巻】／ｘｘ［しかそなく］／天文24(1555)年9月19日

そでのうつりが（袖の移り香）→たちばな（橘）

ともにやとまる−そてのうつりか−たちはなは−むかしのつまの−ゆかりにて

【看聞日記紙背５０巻】／何人［まつちかし］／応永32(1425)年6月25日

ちきりはかなき−そてのうつりか−たちはなは−かけたにみえす−くつるのに

【天正四年万句７０巻】／玉何［まつはらも］／天正4(1576)年5月6日〜7月19日

からごろも（唐衣）→そでのうつりが（袖の移り香）

かさねても−むなしきひとの−からころも−わすれむものか−そてのうつりか

【天正年間百韻５７巻】／何船［みちみちを］／天正13(1585)年5月27日

けふこそと−かへてうれしき−からころも−わかはのはなの−そてのうつりか

【天正四年万句７０巻】／二字返音［かせやいろ］／天正4(1576)年5月6日〜7月19日

きぬぎぬ（後朝）→そでのうつりが（袖の移り香）

きぬきぬの−つらきかきはの−したのおひ−のこりもふかき−そてのうつりか

【元亀二年千句】／何木［たきなみの］／元亀2(1571)年3月5日

きぬきぬの−おもかけのこる−けさのつき−ともにやとまる−そてのうつりか

【看聞日記紙背５０巻】／何人［まつちかし］／応永32(1425)年6月25日

きぬきぬの−おもかけかすむ−あさほらけ−きゆるもをしや−そてのうつりか

【天文年間百韻３８巻】／ｘｘ［しかそなく］／天文24(1555)年9月19日

のこる（残る）→そでのうつりが（袖の移り香）

いつまてか−ひとにわかれて−のこるらむ−これそかたみの−そてのうつりか

【美濃千句】／何草［いつくにて］／文明4(1473)年12月16日〜21日

おもかけや−こひしきかたに−のこるらむ−おもひとめたる−そてのうつりか

【看聞日記紙背５０巻】／唐何［いやとしに］／応永31(1424)年1月25日