すみぞめのそで（墨染の袖）

すみぞめのそで（墨染の袖）→あめのくれ（雨の暮れ）

いろかをすつる−すみそめのそて−やとりかせ−えくちのさとの−あめのくれ

【難波田千句】／□□［ゆくはるに］／文明14(1482)年10月前後

つゆなこほれそ−すみそめのそて−すみかとも−こかけをたのむ−あめのくれ

【明応年間百韻２２巻】／何木［やまはゆき］／明応7(1498)年11月4日

すみぞめのそで（墨染の袖）→しばのいお（柴の庵）

よしせはくとも−すみそめのそて−かくすみも−いくほとならむ−しはのいほ

【延徳年間百韻１６巻】／何船［さよかせも］／延徳2(1490)年7月23日

あれはやまとや−すみそめのそて−はなにのみ−むすふににたる−しはのいほ

【成立不詳・宗長以前１５巻】／初何［たてなから］／成立時不詳

すみぞめのそで（墨染の袖）→なみだ（涙）

うきよにやなほ−すみそめのそて−いまはみに−のそみのなきも−なみたにて

【菟玖波集／広島大学本】／雑五／文和5(1356)年冬〜翌年の春

こころならすの−すみそめのそて−こほるるも−おほえぬものは−なみたにて

【合点之句／神宮文庫本】／恋／天文9(1541)年12月25日

うい（憂い）→すみぞめのそで（墨染の袖）

すつるみも−あきのねさめや−うかるらむ−つゆのたつぬる−すみそめのそて

【難波田千句】／□□［みつのおもに］／文明14(1482)年10月前後

あさきえに−いのるちきりや−うかるらむ−ひとつはかなふ−すみそめのそて

【文明十四年万句５２巻】／夢想［そのしなも］／文明14(1482)年7月4日〜9月14日

ひとよりも−ゆふへのいろや−うかるらむ−あはれをのこす−すみそめのそて

【天正四年万句７０巻】／何鳥［はつしもは］／天正4(1576)年5月6日〜7月19日

よをいとう（世を厭う）→すみぞめのそで（墨染の袖）

うかりけり−よやたたひとを−いとふらむ−こころよりいつ−すみそめのそて

【明応年間百韻２２巻】／何人［あきのいろに］／明応9(1500)年7月11日

みつをたに−ぬるるはとよを−いとふらむ−あさくしもやは−すみそめのそて

【永正年間百韻３４巻】／山家［ひとめさへ］／永正8(1511)年11月3日