くさまくら（草枕）

くさまくら（草枕）→しるべおきいづるみち（標置き出る道）

くさまくら−ゆめのつてさへ−あくるよに−かねこそしるへ−おきいつるみち

【天文年間百韻３８巻】／何木［しくるるか］／天文19(1550)年8月25日

にはとりの−こゑはきこえぬ−くさまくら−つきをしるへに−おきいつるみち

【天正四年万句７０巻】／山何［みかつきの］／天正4(1576)年5月6日〜7月19日

くさまくら（草枕）→きけばあらし（聞けば嵐）

くさまくら−あくへきころも−よをこめて−きけはあらしの−さはるまきのと

【寛正年間百韻２０巻】／何船［とりねむる］／寛正6(1465)年12月14日

くさまくら−かれのにそてを−しきわひて−きけはあらしの−しもをふくそら

【文明年間百韻３４巻】／□□［はなにくも］／文明14(1482)年2月27日

くさまくら（草枕）→ながきよのゆめ（長き夜の夢）

さらしなや−つゆけきさとの−くさまくら−われをはすてつ−なかきよのゆめ

【河越千句】／何路［ひそさむき］／文明2(1470)年正月10〜12日

わかやとは−はるかにあきの−くさまくら−かよふやいかか−なかきよのゆめ

【宮島千句】／玉何［はるといへは］／天文20(1551)年5月9日〜11日

くさまくら（草枕）→ふるさとのゆめ（古里の夢）

たゆますも−あらしふくよの−くさまくら−いつむすはまし−ふるさとのゆめ

【永正年間百韻３４巻】／玉何［ちりてわか］／永正2(1505)年8月22日

くさまくら−むすひかねての−あさかすみ−なこりはわかぬ−ふるさとのゆめ

【永正年間百韻３４巻】／ｘｘ［なつころも］／永正7(1510)年4月1日

くさまくら（草枕）→ゆめのおもかげ（夢の面影）

あふひとも−あらののはらの−くさまくら−つきをなこりの−ゆめのおもかけ

【毛利千句】／初何［よとともに］／文禄3(1594)年5月12日〜16日

さきたつや−あかつきちかき−くさまくら−したふもあはれ−ゆめのおもかけ

【天正年間百韻５７巻】／何船［もしほくさ］／天正7(1579)年1月13日

あかつきのそら（暁の空）→くさまくら（草枕）

わかるるかりや−あかつきのそら−にはとりの−こゑはきこえぬ−くさまくら

【天正四年万句７０巻】／山何［みかつきの］／天正4(1576)年5月6日〜7月19日

みしゆめしたふ−あかつきのそら−くさまくら−またうきみちに−おきいてて

【行助関係４種】／行助句／伊地地本／

あきのよなよな（秋の夜な夜な）→くさまくら（草枕）

つきまつころの−あきのよなよな−ふるさとも−さそなつゆけき−くさまくら

【天文年間百韻３８巻】／ｘｘ［しかそなく］／天文24(1555)年9月19日

おもひをそふる−あきのよなよな−ゆめにわれ−みゆらむものを−くさまくら

【壁草／大阪天満宮文庫本】／旅／永正2(1505)年8月23日以後同3年3月以前

ありあけのそら（有明の空）→くさまくら（草枕）

ねぬよほとふる−ありあけのそら−くさまくら−うかれとあきや−ふけぬらむ

【文明年間百韻３４巻】／ｘｘ［つきをかせ］／文明12(1480)年8月

つきにねしのは−ありあけのそら−くさまくら−いくよともなき−あきくれて

【那智篭／北野天満宮本】／永正十三年／

いもにこいつつ（妹に恋いつつ）→くさまくら（草枕）

のやまもつらし−いもにこひつつ−くさまくら−よるはゆめちも−いくわかれ

【成立不詳・宗長以前１５巻】／ｘｘ［さみたれや］／成立時不詳

いもにこひつつ−そてそさえゆく−くさまくら−ゆふしもはらひ−たれとねむ

【那智篭／北野天満宮本】／永正十二年／

うちがなぐさめる（うちが慰める）→くさまくら（草枕）

ひなのなかちも−うちそなくさむ−おもひおく−みやこをゆめの−くさまくら

【永正年間百韻３４巻】／何人［かせなから］／永正7(1510)年10月20日

のをなつかしみ−うちそなくさむ−くさまくら−いもにむすひし−ゆめさめて

【那智篭／北野天満宮本】／永正十三年／

さとのひとむら（里の一群）→くさまくら（草枕）

とひよるやとの−さとのひとむら−くさまくら−つきをよすかに−こよひねむ

【文明十二年千句８巻】／夢想［うしとしの］／文明12(1480)年4月10日〜＊日

うちけふりたる−さとのひとむら−くさまくら−たつきもしらす−あくるのに

【文明十四年万句５２巻】／何船［みつとりか］／文明14(1482)年7月4日〜9月14日

たびにある（旅にある）→くさまくら（草枕）

たひにしあれは−やとりとらなむ−いりひさす−あさちかもとの−くさまくら

【伊庭千句】／山何［たまたれの］／大永4(1524)年3月17日〜21日

たひにしあれは−はるそものうき−とほきのの−つきにゆふへの−くさまくら

【永享年間百韻４巻】／山何［くちてけり］／永享12(1440)年10月16日

たびはかなしい（旅は悲しい）→くさまくら（草枕）

あらましにさへ−たひそかなしき−くさまくら−いもをおきては−いかかねむ

【住吉千句】／何路［つきすめは］／大永元(1521)年11月1日〜14日

みやこにはにす−たひそかなしき−くさまくら−とふらふつきは−ありなから

【文明十四年万句５２巻】／夢想［そのしなも］／文明14(1482)年7月4日〜9月14日

つゆのあけぼの（露の曙）→くさまくら（草枕）

いたつらふしの−つゆのあけほの−くさまくら−あきふくかせに−ゆめもみす

【成立不詳・心敬以前１４巻】／何船［まつかせは］／成立時不詳

さくらかうへの−つゆのあけほの−くさまくら−はるのかりねの−すきかてに

【天文年間百韻３８巻】／何人［つきによる］／天文5(1536)年6月15日

とおきむさしの（遠き武蔵野）→くさまくら（草枕）

ゆけともいまた−とほきむさしの−くさまくら−ゆめもみなから−あはれにて

【天文十八年梅千句】／何墻［しつくさへ］／天文18(1549)年正月11日

わけてもすゑの−とほきむさしの−おのつから−やとかるかやの−くさまくら

【看聞日記紙背５０巻】／何人［まつちかし］／応永32(1425)年6月25日

はるのよのゆめ（春の夜の夢）→くさまくら（草枕）

みえこしやたた−はるのよのゆめ−つきもいつ−のとかになれむ−くさまくら

【伊予千句】／何垣［なつくさは］／天文6(1537)年5月22日

かへるともなき−はるのよのゆめ−おもはすよ−すみれつむのの−くさまくら

【専順関係２種】／法眼専順連歌／赤木文庫本／応仁元(1467)年5月10日

ふるさとのつき（古里の月）→くさまくら（草枕）

すむもあはれは−ふるさとのつき−あかつきを−ゆめのなかはの−くさまくら

【天文年間百韻３８巻】／何木［やまかけて］／天文21(1552)年3月11日

そてにかたしく−ふるさとのつき−あしひきの−やまちくらして−くさまくら

【永禄年間百韻２８巻】／何路［きえしその］／永禄7(1564)年1月22日

みやこのつきにかえる（都の月に帰る）→くさまくら（草枕）

みやこのつきに−たれかへるらむ−しらぬのに−ひとりつゆけき−くさまくら

【応仁年間百韻６巻】／ｘｘ［そてにみな］／応仁2(1468)年10月22日

みやこのつきに−われやかへらむ−ゆめもみを−さそひてさめね−くさまくら

【宗長関係８種】／興津宛／書陵部本／

よがふかい（夜が深い）→くさまくら（草枕）

かねたにならす−よこそふかけれ−くさまくら−しらぬいつくの−つきなれや

【東山千句】／何色［しかのねは］／永正15(1518)年8月10日〜12日

かねにたひたつ−よこそふかけれ−たかさとも−しつけきのへの−くさまくら

【成立不詳・宗祇以前１５巻】／山何［めつらしき］／成立時不詳

よわのあきかぜ（夜半の秋風）→くさまくら（草枕）

すからにさひし−よはのあきかせ−あくるまの−はなのにおそき−くさまくら

【宮島千句】／山何［ことのはや］／天文20(1551)年5月9日〜11日

すすしさおくる−よはのあきかせ−くさまくら−しきもさためぬ−いろにして

【五吟一日千句】／何舟［はなをさへ］／天正9(1581)年11月19日