かねなる（鐘鳴る）

かねなる（鐘鳴る）→あかつきのそら（暁の空）

はるふかき−ふもとのさとに−かねなりて−しらぬふねゆく−あかつきのそら

【三島千句】／初何［うつろふか］／文明3(1471)年3月21日〜23日

かたやまの−ゆふへのあめに−かねなりて−つきまちいてむ−あかつきのそら

【美濃千句】／山何［けふみすは］／文明4(1473)年12月16日〜21日

かねなる（鐘鳴る）→すぎのむらだち（杉の群立ち）

くれわたる−みねよりおくに−かねなりて−いらかさひしき−すきのむらたち

【弘治年間百韻８巻】／ｘｘ［をりのこす］／弘治2(1556)年9月10日

かはかみは−くもゐるいらか−かねなりて−あらしにあくる−すきのむらたち

【成立不詳・宗養以前８巻】／何人［あをやきや］／成立時不詳

かねなる（鐘鳴る）→つきがかたむく（月が傾く）

やまふかく−すむひとしるき−かねなりて−よをおとろけと−つきそかたふく

【明応年間百韻２２巻】／何人［あさかすみ］／明応4(1495)年1月6日

たちまよふ−そらのおくより−かねなりて−あかつきさむみ−つきそかたふく

【明応年間百韻２２巻】／何水［あけほのを］／明応8(1499)年2月19日

かねなる（鐘鳴る）→みねのふるでら（峰の古寺）

われゆかぬ−こひちのやまに−かねなりて−こころのかよふ−みねのふるてら

【文明十四年万句５２巻】／堀何［かるひとは］／文明14(1482)年7月4日〜9月14日

なほくらき−まつのかけにも−かねなりて−たれかとひこむ−みねのふるてら

【文明十四年万句５２巻】／何路［ぬしやたれ］／文明14(1482)年7月4日〜9月14日

かねなる（鐘鳴る）→やまのはのつき（山の端の月）

あかつきは−またいりあひの−かねなりて−いつるににたる−やまのはのつき

【宗長追善千句】／薄何［くもとりや］／（享禄5）天文元(1532)年3月25日

このよころ−たのむゆめたに−かねなりて−はなのなこりの−やまのはのつき

【伊予千句】／三字中略［たけのはの］／天文6(1537)年5月22日

あけぼののそら（曙の空）→かねなる（鐘鳴る）

いりえのつきに−あけほののそら−やまこゆる−かりかねまかふ−かねなりて

【延宝年間百韻３巻】／□□［おいかせの］／延宝2(1674)年8月14日

さくらかうへの−あけほののそら−かすみより−よしののみたけ−かねなりて

【萱草／伊地知本】／春／文明6(1474)年2月以前

さくらかうへの−あけほののそら−かすみより−よしののみたけ−かねなりて

【名所句集／静嘉堂文庫本】／春／（大永前後）

さくらのうえ（桜の上）→かねなる（鐘鳴る）

さくらかうへの−やまのはのつき−はるふかき−ふもとのさとに−かねなりて

【三島千句】／初何［うつろふか］／文明3(1471)年3月21日〜23日

さくらかうへの−あけほののいろ−かすみより−よしののみたけ−かねなりて

【応仁年間百韻６巻】／何人［つきのあき］／応仁2(1468)年1月1日