つきいでる（月出る）

つきいでる（月出る）→あきのむらさめ（秋の村雨）

かけほそく−ゆふへのそらに−つきいてて−ひややかにふる−あきのむらさめ

【聖廟千句】／何人［つきならし］／明応3(1494)年2月10日〜12日

かせわたる−くものはやしに−つきいてて−いろもこすゑの−あきのむらさめ

【天文年間百韻３８巻】／何路［はなをおきて］／天文20(1551)年3月26日

つきいでる（月出る）→かぜわたる（風渡る）

かけやとす−つゆをたつぬる−つきいてて−のはうすきりに−かせわたるなり

【石山四吟千句】／薄何［うつせみの］／天文24(1555)年8月15日〜19日

ますらをか−しけみのゆくて−つきいてて−ものすさましき−かせわたるなり

【大永四年月並千二百韻】／□□［ゆふたちは］／月並千二百韻／大永4(1524)年6月23日

つきいでる（月出る）→まさごじのすえ（真砂路の末）

ふきわくる−まつはのかせに−つきいてて−しはしやすらふ−まさこちのすゑ

【天文年間百韻３８巻】／何木［しくるるか］／天文19(1550)年8月25日

くれぬれは−みきはにしろく−つきいてて−なみのつゆちる−まさこちのすゑ

【文明十四年万句５２巻】／何霜［はつあきの］／文明14(1482)年7月4日〜9月14日

つきいでる（月出る）→よがながい（夜が長い）

ゆふやまの−いろあるくもに−つきいてて−しかなくころは−よこそなかけれ

【看聞日記紙背５０巻】／何船［あきかせの］／応永15(1408)年7月23日

ふけてのち−やまち□□□は−つきいてて−かねきくまて□−よこそなかけれ

【看聞日記紙背５０巻】／山何［かせやくも］／応永26(1419)年10月25日

あきがくる（秋が来る）→つきいでる（月出る）

かせはをきふく−あきはきにけり−くれぬまは−またかけかくす−つきいてて

【永正十花千句】／何田［はなにこひ］／永正13(1516)年3月11日〜14日

くものゆきかひ−あきはきにけり−あさかほに−そらさへみゆる−つきいてて

【享禄年間百韻８巻】／懐旧［ゆふたちの］／享禄5(1532)年6月8日

あきのはつかぜ（秋の初風）→つきいでる（月出る）

にしよりむかふ−あきのはつかせ−かみのます−かのをかきよく−つきいてて

【宝徳四年千句】／何船［いろそそふ］／宝徳4(1452)年3月12日

あかつきしるき−あきのはつかせ−きよからむ−かけほのめかす−つきいてて

【永正年間百韻３４巻】／何路［ひとはいさ］／永正17(1520)年2月4日

ふなちにおもふ−あきのはつかせ−くまもなく−なきたるなみに−つきいてて

【天文年間百韻３８巻】／朝何［またてきく］／天文9(1540)年4月25日

はるのゆうぐれ（春の夕暮れ）→つきいでる（月出る）

まさこちとほき−はるのゆふくれ−とけわたる−みきはもこほる−つきいてて

【天正年間百韻５７巻】／何船［もしほくさ］／天正7(1579)年1月13日

こけふむやまの−はるのゆふくれ−しつかなる−はなのおくより−つきいてて

【合点之句／神宮文庫本】／春／天文9(1541)年12月25日

まつのふじなみ（松の藤浪）→つきいでる（月出る）

はるちよかけよ−まつのふちなみ−なかきひも−くるれはやかて−つきいてて

【看聞日記紙背５０巻】／山何［やよやよひ］／応永31(1424)年3月18日

はなまちえたる−まつのふちなみ−はるのよの−ひかりをそふる−つきいてて

【文安年間百韻１巻】／夢想［おそさくら］／文安2(1445)年3月18日