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なる(なる)

なる(なる)→きりたちのぼる(霧立ち上る)

くもそある−いつよりつきに−なりぬらむ−きりたちのほる−しくれふるそら
【文安雪千句】/初何[ふりしける]/文安2(1445)年10月18日
あききてや−そてもなみたと−なりぬらむ−きりたちのほる−あとのをすすき
【文明十四年万句52巻】/山何[つゆやけさ]/文明14(1482)年7月4日〜9月14日

なる(なる)→いかだをくだすかわ(筏を下す川)

みなかみや−あめのひまにも−なりぬらむ−くたすいかたの−たきつかはなみ
【宮島千句】/何人[うらとほく]/天文20(1551)年5月9日〜11日
たきつせの−すゑやあさみに−なりぬらむ−くたすいかたの−さはるかはきし
【長禄三年千句11巻】/何舟[しほかれて]/長禄3(1459)年12月2日〜5日

なる(なる)→ところどころ(所々)

いつすみて−とほさとをのと−なりぬらむ−ところところに−けふるいへいへ
【延徳年間百韻16巻】/何人[まつみよと]/延徳4(1492)年2月8日
さはみつの−すゑやすくなく−なりぬらむ−ところところに−つくるをやまた
【天正四年万句70巻】/何路[うすきりに]/天正4(1576)年5月6日〜7月19日

なる(なる)→ふるづかのまつ(古塚の松)

たままつる−のちはなににか−なりぬらむ−さひしくたてる−ふるつかのまつ
【文明十四年万句52巻】/山何[あきのはな]/文明14(1482)年7月4日〜9月14日
みしひとや−おもかけにのみ−なりぬらむ−うゑしはいつそ−ふるつかのまつ
【文明十四年万句52巻】/二字反音[はなはみな]/文明14(1482)年7月4日〜9月14日

なる(なる)→ゆきのやまもと(雪の山本)

とほきのの−はらもやさとに−なりぬらむ−ひとすちけふる−ゆきのやまもと
【長享年間百韻6巻】/何路[あらぬなを]/長享2(1488)年4月5日
かりそなく−たひひといかに−なりぬらむ−さととたえたる−ゆきのやまもと
【成立不詳・宗長以前15巻】/名号[なかはひと]/成立時不詳

なる(なる)→ありあけのつき(有明の月)

にはにたく−ひかりやうすく−なりぬらむ−いまみえそめし−ありあけのつき
【天文十八年梅千句】/何路[ふきよわる]/天文18(1549)年正月11日
ときのまの−はるやむかしに−なりぬらむ−おもかけかすむ−ありあけのつき
【菟玖波集/広島大学本】/春上/文和5(1356)年冬〜翌年の春

あけぼののやま(曙の山)→なる(なる)

こよひのつきの−あけほののやま−あきさむし−ふなちいくかに−なりぬらむ
【文安雪千句】/何田[あとそある]/文安2(1445)年10月18日
くものあとなる−あけほののやま−みしはなや−たひねのゆめに−なりぬらむ
【親当関係2種】/親当句集/赤木文庫本/

いにしえのあと(古の後)→なる(なる)

たたみつくきの−いにしへのあと−をかのへの−みちやのなかに−なりぬらむ
【文安年間百韻9巻】/何路[つききよし]/文安4(1447)年8月15日
かすむはかりの−いにしへのあと−いつのちり−つもりてやまと−なりぬらむ
【園塵第一/続群書類従本】/雑/長享2年

かえるさのみち(帰るさの道)→なる(なる)

あさたかひとの−かへるさのみち−かきくもり−そらやゆきにも−なりつらむ
【天文十八年梅千句】/何船[つきにうめ]/天文18(1549)年正月11日
かすみこめたる−かへるさのみち−なみたにや−おほろつきよと−なりつらむ
【文明十四年万句52巻】/山何[つゆやけさ]/文明14(1482)年7月4日〜9月14日

かぜのおりおり(風の折々)→なる(なる)

このしたつゆは−かせのをりをり−しかのねや−こはきかいろと−なりぬらむ
【紹巴亡父追善千句】/何人[なきあとは]/天文24(1555)年3月26日〜晦日
たもとをしをる−かせのをりをり−おとつれも−いまやうらみと−なりぬらむ
【天正四年万句70巻】/初何[そてくちか]/天正4(1576)年5月6日〜7月19日

さおじかのこえ(さ牡鹿の声)→なる(なる)

わかゆふへまつ−さをしかのこゑ−くもそある−いつよりつきに−なりぬらむ
【文安雪千句】/初何[ふりしける]/文安2(1445)年10月18日
ふけゆくつきに−さをしかのこゑ−くさまくら−いくよさむきに−なりぬらむ
【浅間千句】/唐何[はなといはは]/永正11(1514)年5月13日〜19日

ただひととおり(ただ一通り)→なる(なる)

たたひととほり−わたるかりかね−ありあけや−つきのよかすに−なりぬらむ
【看聞日記紙背50巻】/山何[とよとしを]/応永32(1426)年12月6日
たたひととほり−しらむよこくも−しくれつる−あとやゆきけに−なりぬらむ
【応永年間百韻7巻】/何木[ちよまてと]/応永15(1408)年3月21日

ひとかげもしない(人影もしない)→なる(なる)

まつとはすれと−ひとかけもせす−たのめしや−よそのゆふへに−なりぬらむ
【文安雪千句】/花之何[ゆきふれは]/文安2(1445)年10月18日
まはきかもとの−ひとかけもせす−いつすみて−とほさとをのと−なりぬらむ
【下草/東山御文庫本】/雑上/明応5(1496)年11月18日

ほととぎすなく(時鳥鳴く)→なる(なる)

ほとときすなく−くものをちかた−みしかよも−たれかねさめに−なりぬらむ
【文明十四年万句52巻】/朝何[ひにそひて]/文明14(1482)年7月4日〜9月14日
ほとときすなく−あとをこそみれ−むかしたか−うゑきのもりと−なりぬらむ
【心敬関係10種】/心玉集/静嘉堂文庫本/

まつむしのこえ(松虫の声)→なる(なる)

いかなるときを−まつむしのこゑ−ちきりしも−いまやかれのと−なりぬらむ
【聖廟千句】/山何[ぬるとりの]/明応3(1494)年2月10日〜12日
はしゐになるる−まつむしのこゑ−うらかれの−のはらやさむく−なりぬらむ
【天正四年万句70巻】/二字返音[かせやいろ]/天正4(1576)年5月6日〜7月19日

むかってなみだおちる(向って涙落ちる)→なる(なる)

むかへはつきに−なみたおちけり−おいさりし−あきはたかよに−なりぬらむ
【竹林抄/新古典文学大系本】/雑下/文明8(1476)年5月頃
むかふくさきに−なみたおちけり−たかさとの−よもきかそまと−なりぬらむ
【園塵第四/早稲田大学本】/雑下/永正6、7年

やまのかくれが(山の隠れ家)→なる(なる)

むすひかへたる−やまのかくれか−のかれてや−ゆめのうきよと−なりぬらむ
【紫野千句】/何木[はにしける]/延文2(1357)年以後-応安3年6月以前
あらましちかき−やまのかくれか−つれなきや−のちのなさけと−なりぬらむ
【天正四年万句70巻】/薄何[やまとほみ]/天正4(1576)年5月6日〜7月19日

ゆうぐれのそら(夕暮れの空)→なる(なる)

やますみふかき−ゆふくれのそら−いつしかも−まなくしくれに−なりぬらむ
【永正年間百韻34巻】/何路[あきにかせ]/永正8(1511)年7月14日
つくつくむかふ−ゆふくれのそら−きえにしは−いつれのくもと−なりぬらむ
【園塵第三/続群書類従本】/雑下/文亀元(1501)年3月18日