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ありあけのつき(有明の月)

ありあけのつき(有明の月)→ういものはない(憂いものはない)

ありあけの−つれなきつきも−すめるよに−なほあきはかり−うきものはなし
【太神宮法楽千句】/山何[のははなに]/長享2(1488)年7月
ありあけの−つきもなこりと−かへるかり−こひよりほかに−うきものはなし
【看聞日記紙背50巻】/山何[あつさなほ]/応永32(1425)年閏6月25日

ありあけのつき(有明の月)→かえるかりがね(帰る雁)

ありあけの−つきやあらぬと−かすむよに−きけはくもゐを−かへるかりかね
【永享年間百韻4巻】/山何[おいまつは]/万句巻頭/永享9(1437)年3月21日
ありあけの−つきはかすみに−ほのみえて−ゆめもまくらに−かへるかりかね
【園塵第三/続群書類従本】/春/文亀元(1501)年3月18日

ありあけのつき(有明の月)→かりのこえ(雁の声)

かすみなからも−ありあけのつき−よもすから−かへるやとほき−かりのこゑ
【文明十二年千句8巻】/何木[なもしるし]/文明12(1480)年4月10日〜*日
あかつきかたの−ありあけのつき−なかめやる−くももはつかの−かりのこゑ
【天正四年万句70巻】/玉何[まつはらも]/天正4(1576)年5月6日〜7月19日

ありあけのつき(有明の月)→ほととぎす(時鳥)

なかめをしたふ−ありあけのつき−ほとときす−なきつるこゑは−とほさかり
【平松文庫本千句】/□□[ゆきはみちの]/
ふるきみやこの−ありあけのつき−ほとときす−ねさめかたらふ−よはふけて
【文明年間百韻34巻】/何路[やまかせに]/文明15(1483)年3月2日

ありあけのつき(有明の月)→むさしのとくさまくら(武蔵野と草枕)

はなのくもまに−ありあけのつき−むさしのや−しのきしくさに−まくらして
【元亀二年千句】/朝何[あたにちる]/元亀2(1571)年3月5日
たひねいくよの−ありあけのつき−むさしのや−わけもつくさぬ−くさまくら
【天正年間百韻57巻】/何垣[ゆくそてに]/天正11(1583)年閏1月1日

ありあけのつき(有明の月)→あかつき(暁)

みれはみにしむ−ありあけのつき−あかつきの−あらしにゆめの−さめてのち
【文明十四年万句52巻】/二字反音[はなはみな]/文明14(1482)年7月4日〜9月14日
みよとやのこる−ありあけのつき−あかつきの−かねよりのちも−よはなかし
【菟玖波集/広島大学本】/秋下/文和5(1356)年冬〜翌年の春

ありあけのつき(有明の月)→あきのくも(秋の雲)

いるかけいそく−ありあけのつき−ふくかせに−たかねはなるる−あきのくも
【天正四年万句70巻】/何色[ちるはなも]/天正4(1576)年5月6日〜7月19日
またもあはなむ−ありあけのつき−うちやまの−あかつきさひし−あきのくも
【下草/龍谷大学本】/秋/延徳2(1490)年〜3年春頃

ありあけのつき(有明の月)→あきふける(秋更ける)

ころはよさむの−ありあけのつき−さねこむと−いひしなからに−あきふけて
【弘治三年春雪千句】/何木[はなならて]/弘治3(1557)年正月7日〜9日
たもとにおつる−ありあけのつき−やまもなき−のへのかりふし−あきふけて
【基佐集/静嘉堂文庫本】/雑/永正6(1509)年以前

ありあけのつき(有明の月)→かぜさえる(風冴える)

むしのねほそき−ありあけのつき−ふきとほす−かへのすきまの−かせさえて
【石山四吟千句】/三字中略[あさかほの]/天文24(1555)年8月15日〜19日
みつのうへなる−ありあけのつき−よこのうみ−よころのあきの−かせさえて
【行助関係4種】/行助句集/書陵部本/

ありあけのつき(有明の月)→やまこえる(山越える)

つゆももらさぬ−ありあけのつき−くもはけさ−しくるるあきの−やまこえて
【文明十四年万句52巻】/夢想[そのしなも]/文明14(1482)年7月4日〜9月14日
たもとにかすむ−ありあけのつき−とりのこゑ−はなのにほひに−やまこえて
【愚句老葉】/春/永正17年

あきふける(秋更ける)→ありあけのつき(有明の月)

ひとはたた−かりにたにこぬ−あきふけて−うらみにむかふ−ありあけのつき
【伊予千句】/何舟[わきてみむ]/天文6(1537)年5月22日
ゆふつゆに−やとかすかのの−あきふけて−こむよもてらせ−ありあけのつき
【宗長関係8種】/興津宛/書陵部本/

あさぼらけ(朝ぼらけ)→ありあけのつき(有明の月)

とりそなく−しもよののちの−あさほらけ−のこりてしろき−ありあけのつき
【文明年間百韻34巻】/xx[つきをかせ]/文明12(1480)年8月
かれのには−しくるるゆきの−あさほらけ−くもまにうすき−ありあけのつき
【文明十四年万句52巻】/栗何[あけてみむ]/文明14(1482)年7月4日〜9月14日

うぐいす(鶯)→ありあけのつき(有明の月)

うくひすの−こゑもうつろひ−はなおちて−つゆかすむよの−ありあけのつき
【永原千句】/何人[みわたせは]/明応9(1500)年7月17日
うくひすの−□□□□いつる−たにのとに−みつほのかなる−ありあけのつき
【天文年間百韻38巻】/何木[しくるるか]/天文19(1550)年8月25日

うつろう(移ろう)→ありあけのつき(有明の月)

ひのかけは−かたへのやまに−うつろひて−けさまてすすし−ありあけのつき
【弘治三年春雪千句】/何田[うくひすの]/弘治3(1557)年正月7日〜9日
さまさまの−あきのくさきも−うつろひて−こころふかきは−ありあけのつき
【春夢草/書陵部本】/秋/永正12(1516)年、13年

おもかげ(面影)→ありあけのつき(有明の月)

おもかけの−なきこそはるの−わかれなれ−かすみきえたる−ありあけのつき
【菟玖波集/広島大学本】/雑一/文和5(1356)年冬〜翌年の春
おもかけの−おなしすかたを−あらはして−うのはなやまに−ありあけのつき
【老葉/吉川本】/夏/文明13(1481)年夏頃

かすむはるのとおやま(霞む春の遠山)→ありあけのつき(有明の月)

かすみかくれの−はるのとほやま−ありあけの−つきもわかれの−かりなきて
【看聞日記紙背50巻】/山何[まつそひて]/応永26(1419)年2月6日
かすみにのこる−はるのとほやま−ありあけの−つきのひかりの−さえかへり
【天正四年万句70巻】/何鳥[かせにしるき]/天正4(1576)年5月6日〜7月19日

きぬぎぬ(後朝)→ありあけのつき(有明の月)

きぬきぬの−もすそはつゆに−うちぬれて−みれはみにしむ−ありあけのつき
【文明十四年万句52巻】/二字反音[はなはみな]/文明14(1482)年7月4日〜9月14日
きぬきぬの−なみたをたにも−かたみとや−なみたをのこす−ありあけのつき
【菟玖波集/広島大学本】/恋中/文和5(1356)年冬〜翌年の春

つれない(連れない)→ありあけのつき(有明の月)

つれなきも−つゐのよるへと−なりやせむ−あかつきかたの−ありあけのつき
【天正四年万句70巻】/玉何[まつはらも]/天正4(1576)年5月6日〜7月19日
つれなきも−またつれなきや−うらむらむ−まつのはさはる−ありあけのつき
【園塵第一/続群書類従本】/秋/長享2年

つれなさをうらむ(連れなさを恨む)→ありあけのつき(有明の月)

つれなきを−さのみはいかて−うらむらむ−あはてこよひも−ありあけのつき
【河越千句】/何船[やまかせに]/文明2(1470)年正月10〜12日
つれなきも−またつれなきや−うらむらむ−まつのはさはる−ありあけのつき
【園塵第一/続群書類従本】/秋/長享2年

なくほととぎす(鳴く時鳥)→ありあけのつき(有明の月)

やまよりやまに−なくほとときす−ありあけの−つきはくもまに−かけみえて
【天正年間百韻57巻】/何路[かすむよの]/天正6(1578)年2月18日
くさのまくらに−なくほとときす−ありあけの−つきをなこりの−よはのゆめ
【天正年間百韻57巻】/□□[ともなしに]/天正18(1590)年11月21日

なる(なる)→ありあけのつき(有明の月)

にはにたく−ひかりやうすく−なりぬらむ−いまみえそめし−ありあけのつき
【天文十八年梅千句】/何路[ふきよわる]/天文18(1549)年正月11日
ときのまの−はるやむかしに−なりぬらむ−おもかけかすむ−ありあけのつき
【菟玖波集/広島大学本】/春上/文和5(1356)年冬〜翌年の春

ほととぎす(時鳥)→ありあけのつき(有明の月)

やよひより−まちこそならへ−ほとときす−はなのくもまに−ありあけのつき
【元亀二年千句】/朝何[あたにちる]/元亀2(1571)年3月5日
またれては−よをもかさねよ−ほとときす−つれなくのこる−ありあけのつき
【菟玖波集/広島大学本】/夏/文和5(1356)年冬〜翌年の春